JP4500897B2 - 身体清拭用繊維ウェブ - Google Patents

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本発明は、水に溶解性の粉体を繊維ウエブ中に担持せしめたドライタイプの吸水・吸熱性繊維ウエブに関する。特に、本発明は、身体清拭用として使用される吸水性・吸熱性に優れたドライタイプの繊維ウエブに関するものである。
運動による発汗、周囲温度が高いことによる発汗、情緒的な反応(怒り、困惑、苛立ち、恐れ、心配など)によって生じる発汗等に対して、常時携帯して手軽に使用できる素材として身体清拭用の繊維ウエブがある。そのような繊維ウエブとしては、アルコール含浸させた不織布からなるウエットタイプのティシュが市販されている。しかし、アルコールを含むウエットタイプのティシュの場合、アルコールの揮発による吸熱によって清涼感は得られるものの、使用者によってはアルコールアレルギー症状を引き起こす恐れがあるし、また、乾燥した繊維ウエブと比べて吸水性、吸汗性が十分でない。
一方、ドライタイプ又は保湿タイプのティシュペーパーも市販されており、特に、その肌触り性、強度を向上させる目的で紙や不織布等の繊維ウエブに対し、糖アルコールを配合すること(特許文献1)も提案されている。この繊維ウエブの場合、糖アルコールは水に溶解された状態で繊維ウエブに含浸させ、余分な水分を蒸発させることによって繊維ウエブに担持されているが、このような溶液状態で含浸後、乾燥させて糖アルコール等を担持させた繊維ウエブはごわごわ感がでて元の繊維ウエブの柔軟性がある程度損なわれることは避けられない。糖アルコールを粉末状態で繊維ウエブに担持させることも考えられるが、粉末状態の糖アルコールを繊維ウエブに安定状態で担持させることは極めて困難であるし、そのような実例も見当たらない。
他方、糖アルコールのような水溶性糖質化合物(多糖類を除く)を繊維ウエブに保持させた水解性清拭紙(特許文献2)も提案されているが、このウエブに使用されている糖アルコール等は、水解紙に湿潤強度を付与するための成分として添加されているものであり、ドライタイプの吸水性繊維ウエブにおける吸水性物質として使用されているものではない。
特開2003―20593号公報 特開平10―286193号公報
以上のように、人体に対して安全で、使用時に十分な吸水・吸熱性を有し、身体清拭時に汗等の水分の吸収性に優れ、かつ水分吸収時に体熱をも吸収して身体に清涼感を与える効果があるドライタイプの繊維ウエブが望まれていた。
本発明は、ドライタイプの吸収性繊維ウェブであって、特定の臭気を発散せず、使用時に体液等の水分を吸収する能力と、吸熱性を有し、かつ、肌触り感のよいドライタイプの身体清拭用繊維ウエブを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため、溶解熱を奪う糖アルコールの特性と、吸湿性及び潤滑性を有するグリコール類の特性に着目し、該糖アルコール類の粉体を該グリコール類中に分散させた状態で親水性繊維ウエブに塗工して担持させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)粒径0.01μm〜300μmの糖アルコール粉体をグリコール類100質量部に対して10〜300質量部添加して調製した分散液を、坪量15g/m2〜50g/m2の親水性繊維ウエブ中100質量部に1〜80質量部保持せしめたドライタイプの身体清拭用繊維ウェブ。
(2)前記糖アルコール粉体は、キシリトール、エリスリトール及びマンニトールから選ばれる少なくとも1種の粉体である(1)記載のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブ。
(3)前記グリコール類は、1)平均分子量が200〜600のポリエチレングリコール類、2)エチレングリコール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールから選ばれるエチレングリコール類、及び3)プロピレングリコール、ジプロピレングリコールから選ばれるプロピレングリコール類、の少なくとも1種である(1)項又は(2)項に記載のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブ。
(4)前記糖アルコール粉体のグリコール類中分散液は、好ましくは制汗作用を有する水溶性アルミニウム化合物及び/又は経皮吸収性水溶性物質をさらに含有することを特徴とする(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブ。
(5)前記糖アルコール粉体のグリコール類中分散液は、好ましくは制汗作用を有する水溶性アルミニウム化合物及び/又はビタミンC等の経皮吸収性水溶性物質に加えて、皮膚保護用物質粉体をさらに含有することを特徴とする(4)項記載のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブ。
(6)前記皮膚保護用物質粉体は、紫外線遮断性酸化亜鉛等の溶剤不溶性粉体であることを特徴とする(5)項記載のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブ。
(7)前記(1)項〜(6)項のいずれか1項に記載のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブを複数枚積層接合してなるドライタイプの身体清拭用繊維ウェブ。
(8)前記(1)項〜(7)項のいずれか1項に記載のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブに、片面又は両面よりエンボス加工を施してなるドライタイプの身体清拭用繊維ウェブ。
本発明によれば、吸水性、吸熱性を有する水溶性粉体がグリコール類中分散液の状態で繊維ウェブ素材中に安定に保持されており、使用時に十分な吸汗性を有し、かつ特定臭気を発散せず、さらに各種の機能性物質等を添加することで使用目的に応じた任意の付加機能が付加されているドライタイプの身体清拭用繊維ウエブが提供される。
本発明のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブは、液体グリコール類中に水溶性糖アルコール類の粉体を分散させた分散液を親水性の繊維ウェブ素材に保持させた構造を有している。水溶性糖アルコール粉体の液体グリコール中分散液は、糖アルコール粉体表面を液体グリーコールの被膜で覆っている状態で互いの粉体がグリコール液を介して結合して親水性繊維ウエブの繊維表面に付着し、保持されているので、繊維ウエブから簡単に脱落することはない。また、この状態で、身体清拭のために使用されることによって汗やその他の水分が供給されると、水分は速やかに液体グリコール被膜を通って水溶性糖アルコール粉体に到達し、該粉体を溶解しつつ吸収され、この際、溶解熱を身体側から奪って、身体に清涼感を与える。
身体清拭中に、糖アルコールが溶解状態でグリコール被膜を破って身体に付着することがあっても、糖アルコールは身体には無害であり、問題とはならない。また、同様に、制汗性物質を含有せしめると、身体清拭時に溶出して発汗を抑制することとなるし、栄養物質であるビタミンC、メラミン生成抑制物質であるアルブチン(ハイドロキノンの糖誘導体)、天然保湿物質であるピロリドンカルボン酸ナトリウム塩、ポリグルタミン酸ナトリウム等のアミノ酸系香粧物質等の経皮吸収性物質も、それぞれの機能を付加するために使用することができる。さらに、酸化亜鉛等の皮膚保護機能を有する溶剤不溶性粉体の場合は、グリコール類が汗等の水分と混合して軟化するとグリコール類と共に皮膚面に移行して皮膚を保護する機能を発揮する。それ故、単に皮膚保護機能のみを付与することが目的であれば、皮膚保護機能を有する溶剤不溶性粉体の場合は、単独でグリコール類と共に繊維ウエブに保持させることも可能である。
また、本発明のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブの場合、分散液が繊維ウエブに付着しているが繊維ウェブ表面がべとつくことはなく、すべすべ感があり、また、繊維ウエブの柔軟性を損なうこともないので、ハンカチ代わりに携帯して、長時間連続使用することも可能である。
本発明のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブは、グリコール類及び糖アルコール粉体を含有する分散液を親水性繊維ウエブに塗工して保持させた構造を有している。
本発明のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブに使用できる繊維ウエブは、親水性で肌触りのよい柔軟性を備えている吸水性繊維ウエブであれば特に制限はない。使用可能な繊維ウェブ素材としては、天然パルプ(木材パルプ、非木材パルプ)、リンターパルプを主体とするティシュペーパー、紙タオル、トイレットペーパー、ワイパー等の家庭紙が挙げられる。また、天然パルプに、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリエステルを配合してもよい。更に、合成パルプ、合成繊維若しくは化学繊維を混抄した湿式不織布、又は坪量が15〜35g/m2の乾式不織布のシートを用いることもできる。混抄する合成繊維及び化学繊維としては、レーヨン、アセテート、及びビニルアセテート等が好適であり、更にはリサイクル性に欠けるが、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリエステル等も使用可能である。合成繊維もしくは化学繊維を使用する場合は、親水性であるか、親水化処理されているものが好ましい。
前記不織布としては、形態面からはエアスルー不織布、ポイントボイド不織布、メルトブロー不織布、及びスパンボンド不織布等を用いることができる。不織布の材質面からは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、及びパルプ等が適用可能である。不織布において上記範囲の坪量が好ましい理由としては、坪量が15g/m2未満では強度が不足してしまうことが挙げられ、一方、50g/m2を超えると、コスト高となるばかりでなく使用に不都合が生じる可能性が高くなることが挙げられる。
本発明のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブに使用できるグリコール類としては、ポリエチレングリコール類、エチレングリコール類、プロピレングリコール類がある。ポリエチレングリコール類としては、平均分子量が200〜600のポリエチレングリコールが好ましく、前記エチレングリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールが好ましく、前記プロピレングリコール類としては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールが好ましい。これらは各単独、又は2種以上を組み合わせて使用される。更に、これらのグリコール類に、グリコール類と相溶性のある非水系の溶媒を配合することにより吸湿性と潤滑性を向上させることもできる。併用できる溶媒の具体例としては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール類が好適に使用される。
なお、分散液塗工後の繊維ウエブの吸汗性及び清涼感、全体のドライ感を損なわない範囲において、主として塗工条件の改善等を目的として、グリコール類やグリコール類と相溶性のある非水系の溶媒のみならず、水を配合することもできる。又、親水性、接着性を有する水溶性高分子を配合することにより、糖アルコール粉体と繊維ウエブの接着性を高めることが可能であり、例えば、グリコール類、グリコール類と相溶性のある非水系の溶媒及び親水性、接着性を有する水溶性高分子の混合液を予め繊維ウエブに塗工後、糖アルコール粉体を別途付着させる方法も可能となる。
上記のような水溶性高分子としては、より具体的には、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビニルポリマー、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体等が好適に使用される。
本発明のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブに使用できる糖アルコール粉体としては、より具体的には、キシリトール、エリスリトール、マンニトールの粉体が好ましい。これらの糖アルコール類の粉体は、各単独で用いてもよいし、それらの任意の混合体として用いてもよい。糖アルコール粉体の繊維ウエブへの保持量は、繊維ウェブ100質量部に対して0.1〜60質量部、好ましくは5〜30質量部である。糖アルコールの保持量が0.1質量部未満では、繊維ウエブにおいて清涼感を発現させる為に必要な糖アルコール量として不十分であるし、また、60質量部を越える量を保持させるためには、多量の分散液を付着させなければならず、そうすると繊維ウエブがウエット状となり易くドライタイプの身体清拭用繊維ウェブとしての特性が失われる。
なお、グリコール類は吸湿性と潤滑性に優れることから、塗工後の繊維ウエブに吸汗性と滑らかさを付与するが、汗等の水分を吸収する際に水和熱を発生させるので、前記糖アルコール粉体の配合量は、該グリコールの水和熱を相殺し、かつ清涼感を発揮することができる量が必要となる。グリコール類及び/又はグリコール類と相溶性のある非水系の溶媒と前記糖アルコール粉体の配合割合は、グリコール類100質量部に対して糖アルコール10質量部以上でないと十分な清涼感が得られない。
糖アルコール粉体の平均粒子径は0.01μm〜300μmが好ましい。0.01μm未満では繊維ウエブに塗工して保持させることができる取り扱い性のよい分散液が得られないし、また、平均粒子径が300μmを超えると、汗を拭う際に皮膚と接触すると肌にザラツキなどの違和感を生じる。
本発明のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブにおいて、糖アルコール粉体の液体グリコール中分散液の付着量は、繊維ウエブ100質量部に対して1〜80質量部、好ましくは5〜70質量部の範囲である。糖アルコール粉体とグリコール類及びグリコール類と相溶性のある非水系の溶媒を混合した分散液を繊維ウエブに塗工して保持させることにより吸湿性と潤滑性を向上させることができるが、繊維ウエブ100質量部に対して、糖アルコール粉体とグリコール類及びグリコール類と相溶性のある非水系の溶媒からなる分散液の保持量が80質量部を超えると、繊維ウエブはベトツキ感を徐々に増し、強度が低下して破れ易くなる傾向になる。また、1質量部未満の場合は、繊維ウエブに上記分散液を塗工して所望量の糖アルコールを保持させることが困難になる。
本発明のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブは、糖アルコール粉体及びグリコール類(及びグリコール類と相溶性のある非水系の溶媒)に加えて、制汗作用を有する特定のアルミニウム化合物等を保持していることが好ましい。糖アルコール粉体及びグリコール類(及びはグリコール類と相溶性のある非水系の溶媒)に加えて、制汗作用を有する特定のアルミニウム化合物等を繊維ウエブに保持させることにより、清涼剤配合繊維ウエブに制汗作用を付与することができる。制汗作用を有する特定のアルミニウム化合物としては、クロルヒドロキシアルミニウムやアルミニウムミョウバン類が挙げられ、これらは溶液状又は粉末状で使用される。なお、粉末状で使用する場合は、糖アルコール粉体の平均粒子径に揃えて使用することが好ましい。
制汗作用のあるアルミニウム化合物としては、さらに、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、硫酸アルミニウムナトリウム等があるが、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムアンモニウムも好適に使用される。上記アルミニウム化合物はいずれも食品添加物公定書あるいは旧化粧品原料基準に収載されており人体に何等影響を及ぼすものではない。上記、制汗作用を有する特定のアルミニウム化合物の含有量は、清涼剤配合繊維ウエブ100質量部に対して0.1〜10質量部の範囲が好ましく、0.1〜5質量部の範囲が更に好ましい。制汗作用を有する特定のアルミニウム化合物の含有量が清涼剤配合繊維ウエブに対して0.1質量部未満では、清涼剤配合繊維ウエブの制汗効果が小さく、10質量部を超えると、制汗効果は向上するものの、繊維ウエブの柔軟性を低下させるので好ましくない。
本発明の清涼感を付与した繊維ウエブは、汗を拭うために皮膚と接触した時、肌あたりが軟らかく、ベトツキが感じられず、十分な吸汗効果を有すると同時に、清涼感が得られる。また、清涼感を創出する成分が無臭で、アレルギー症状を引き起こす成分を含有していない。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における部は質量部、%は質量%を表す。
実施例1
<化粧用ティシュペーパーの製造>
原料パルプとして、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)及び針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)を使用した。配合のパルプのカナダ標準ろ水度を620〜630mlCSFに叩解し、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン変性湿潤紙力増強剤(荒川化学工業株社製、商品名:アラフィックス255)を対パルプ0.15%内添し、ツインワイヤータイプの2層抄き合せ式のヤンキー抄紙機により抄紙してLBKPの層とNBKPの層を積層し、LBKPの層がヤンキードライヤーの鏡面に接するようにして乾燥して、坪量が30.0g/m2 、LBKPとNBKPの使用比率が絶乾量で60部:40部のティシュペーパーを抄造した。得られたティシュペーパーをクレーピングドクターによりドライヤー面から剥がし、巻取りリールとに速度差を設けることにより、18%のドライクレープを付与し、次いで、ヤンキードライヤーの鏡面に接したLBKPの層が外側になるように巻き取り、できあがった2本の巻取りを、NBKPの層同士が内側になるように再度巻きなおし、2枚重ねにして化粧用ティシュペーパーを製造した。
<グリコール液の調合>
ポリエチレングリコール〔日本油脂株式会社製、商品名:PEG♯200、平均分子量190〜210、粘度4.31(mm2/S)、分解開始温度185℃〕を10部、プロピレングリコール〔旭電化工業株式会社製、商品名:アデカプロピレングリコールPG−P、粘度56.0[cP]/20℃、融点−60℃:流動点、沸点187℃〕を90部配合して分散液用グリコール液を調製した。
<分散液の調製>
前記グリコール液を40部、清涼成分としてのキシリトール〔日研化成株式会社製、商品名:キシリトール(微粉)〕を58.5部、制汗成分としてのミョウバン(大明化学工業株式会社製、商品名:タイエースK20、平均粒子径 4〜6μm)、0.5部、香料としてはグリコール液に可溶な成分としてメントール〔エネックス株式会社製、商品名:エマルトップ(L−メントール)〕を1.0部混合して調製した。キシリトールとミョウバンからなる粉体混合物は、表1に示す粒度分布を有していた。
Figure 0004500897
<清拭用繊維ウエブの作製>
上記分散液をグラビアコーターにより、前記繊維ウエブ100部に対し、25部塗工してキシリトール微粉とミョウバン及びメントールをグリコール類と共に保持している繊維ウエブを作製した。次いで、該粉体等を保持する繊維ウエブの塗工面を外側にし、粉体等を保持する繊維ウエブを2枚重ねにし、片面がスチールロール製エンボスロール、対面が硬質ゴム製のロールであるエンボス装置によりエンボス処理を施して粉体を含有する2層繊維ウエブを作製した。
次いで、2層繊維ウエブをインターホルダー式折りたたみ機にてポケットティシュ状に折り、個包装を施した製品を完成させた。
実施例2
<化粧用ティシュペーパーの製造>
原料パルプとして、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)及び針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)を使用した。配合のパルプのカナダ標準ろ水度を620〜630mlCSFに叩解し、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン変性湿潤紙力増強剤(荒川化学工業株社製、商品名:アラフィックス255)を対パルプ0.15%内添し、ツインワイヤータイプの2層抄き合せ式のヤンキー抄紙機により抄紙してLBKPの層とNBKPの層を積層し、LBKPの層がヤンキードライヤーの鏡面に接するようにして乾燥して、坪量が30g/m2 、LBKPとNBKPの使用比率が絶乾量で60部:40部のティシュペーパーを抄造した。得られたティシュペーパーをクレーピングドクターによりドライヤー面から剥がし、巻取りリールとに速度差を設けることにより、18%のドライクレープを付与し、次いで、ヤンキードライヤーの鏡面に接したLBKPの層が外側になるように巻き取り、こうしてできあがった2本の巻取りを、NBKPの層同士が内側になるように再度巻きなおし、2枚重ねにして化粧用ティシュペーパーを製造した。
<グリコール液の調合>
分散液としてグリコール類は、ポリエチレングリコール〔日本油脂株式会社製、商品名:PEG♯200、平均分子量190〜210、粘度4.31(mm2/S)、分解開始温度185℃〕を10部、プロピレングリコール〔旭電化工業株式会社製、商品名:アデカプロピレングリコールPG−P〔粘度56.0[cP]/20℃、融点−60℃(流動点、沸点187℃)〕を90部を配合して作製した。
<分散液の調製>
分散液は、前記グリコール液を71部、清涼成分としてのキシリトール〔日研化成株式会社製、商品名:キシリトール(微粉)〕を20部、紫外線反射成分としてエネックス株式会社製の酸化亜鉛微粒子〔商品名:ZINCOX SUPER F2−2 L20(粒径1μm以下〕を20%濃度に水分散した製剤を4.0部、また、経皮吸収する成分としてエネックス株式会社製のビタミンC〔商品名:VC−L6/PW〕を4.0部、香料としてはエネックス株式会社製〔商品名:エマルトップ(レモン香料)〕を1.0部混合して作製した。
<清拭用繊維ウエブの作製>
上記分散液をグラビアコーターにより、前記繊維ウエブの100部に対して10部塗工してキシリトール粉体、酸化亜鉛微粒子、ビタミンC及び香料をグリコール類と共に繊維ウエブ片面に保持している繊維ウェブを作製した。次いで、該繊維ウェブの塗工面を外側にして2枚重ねにし、片面がスチールロール製エンボスロールで、対面が硬質ゴム製ロールであるエンボス装置によりエンボス処理を施して両面にキシリトール粉体、酸化亜鉛微粒子、ビタミンC及び香料をグリコール類と共に保持している2層繊維ウェブを作製した。次いで、2層繊維ウェブをインターホルダー式折りたたみ機にてポケットティシュ状に折り、個包装を施した製品を完成させた。
比較例1
<化粧用ティシュペーパーの製造>
実施例1の方法に従って、化粧用ティシュペーパーを製造した。次いで、ティシュペーパーを2枚重ねにし、片面がスチールロール製エンボスロール、対面が硬質ゴム製のロールであるエンボス装置によりエンボス処理を施して2層繊維ウエブを作製した。次いで、2層繊維ウエブをインターホルダー式折りたたみ機にてポケットティシュ状に折り、個包装を施した製品を完成させた。
実施例1、実施例2及び比較例1で作成された製品を、2003年8月3日、東京都中央区銀座4丁目周辺において使用した。当日の、気象庁発表の北緯35度41.4分、東経139度45.6分地点での気温は32℃、平均相対湿度66%であったが、実験場所では、地面からの照り返し、空調機等の廃熱により気温は36℃に達していた。
年齢20歳〜45歳の間で無作為に抽出した男(A1〜T1)、女(A2〜T2)の各20名にて、実施例1、実施例2及び比較例1によって得られた製品を使用し、汗の吸収効果、その他の評価項目についてモニターテストを実施した。
<モニターテスト1(男性A1〜T1)>
評価は「十分満足できる」を2点、「満足できる」を1点、「分からない」を0点の数値に表し、各モニターの評価と平均値を算出した結果を表2、表3に示した。なお、制汗性、紫外線防止効果については、後日、改めて評価してもらった結果を示した。
Figure 0004500897
Figure 0004500897
<モニターテスト2(女性A2〜T2)>
評価は「十分満足できる」を2点、「満足できる」を1点、「分からない」を0点の数値に表し、各モニターの評価と平均値を算出した結果を表4、表5に示す。なお、制汗性、紫外線防止効果については後日、改めて評価してもらった結果を示した。
Figure 0004500897
Figure 0004500897
表2〜表5の結果から、本発明により作製された粉体を含有するドライタイプの繊維ウエブは、従来のウエットタイプの汗拭き繊維ウエブ製品に比べて、汗を拭き取ったあとの水分の拭き取り部位における水分の残留が無く、分散液として使用したグリコール類に起因するべとつき感等の感触もなく、通常のドライタイプの衛生薄用紙と変わらないことが分かる。また、分散液中に含ませる機能性粉体を、用途に応じて選択することにより、汗拭き用途に加えて、種々の機能を繊維ウエブに対して付与することが可能となる。

Claims (8)

  1. 粒径0.01μm〜300μmの糖アルコール粉体をグリコール類100質量部に対して10〜300質量部添加して調製した分散液を、坪量15g/m2〜50g/m2の親水性繊維ウエブ100質量部中に1〜80質量部保持せしめたドライタイプの身体清拭用繊維ウェブ。
  2. 前記糖アルコール粉体は、キシリトール、エリスリトール及びマンニトールから選ばれる少なくとも1種の粉体である請求項1記載のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブ。
  3. 前記グリコール類は、1)平均分子量が200〜600のポリエチレングリコール類、2)エチレングリコール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールから選ばれるエチレングリコール類、及び3)プロピレングリコール、ジプロピレングリコールから選ばれるプロピレングリコール類、の少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブ。
  4. 前記糖アルコール粉体のグリコール類中分散液は、制汗作用を有する水溶性アルミニウム化合物及び/又は経皮吸収性水溶性物質をさらに含有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブ。
  5. 前記糖アルコール粉体のグリコール類中分散液は、制汗作用を有する水溶性アルミニウム化合物及び/又は経皮吸収水溶性物質に加えて、皮膚保護用物質粉体をさらに含有することを特徴とする請求項4記載のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブ。
  6. 前記皮膚保護用物質は、紫外線遮蔽性の溶剤不溶性粉体であることを特徴とする請求項5記載のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブ。
  7. 前記請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブを複数枚積層接合してなるドライタイプの身体清拭用繊維ウェブ。
  8. 前記請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のドライタイプの身体清拭用繊維ウェブに、片面又は両面よりエンボス加工を施してなるドライタイプの身体清拭用繊維ウェブ。
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