JP2004237322A - 鋳造用模型とその製作方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】摩耗が生じ難く、しかも低コストで生産性に優れた鋳造用模型を提供することにある。また、このような鋳造用模型を製作することが可能な鋳造用模型の製作方法を提供する。
【解決手段】鋳造用模型は、木質ベース1と、紫外線照射にて硬化して木質ベース1と一体化する紫外線硬化樹脂からなる外皮層2とで構成する。木質ベース1の表面に、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布した後、紫外線硬化樹脂に紫外線を照射することによってこれを硬化して、木質ベース1の表面を覆う外皮層2を形成する
【選択図】 図1
【解決手段】鋳造用模型は、木質ベース1と、紫外線照射にて硬化して木質ベース1と一体化する紫外線硬化樹脂からなる外皮層2とで構成する。木質ベース1の表面に、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布した後、紫外線硬化樹脂に紫外線を照射することによってこれを硬化して、木質ベース1の表面を覆う外皮層2を形成する
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鋳造用模型とその製作方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より鋳型造型に際しては、模型(鋳造用模型)を使用している。そして、模型としては、大量生産に供する場合には金型を使用し、中量生産に供する場合には樹脂型を使用し、小量生産に供する場合には木型を使用している。近年においては、製品の多様化により大量生産よりも中小生産が増加している。このため、模型に要するコストを低減すると共に、短時間に製造できるものが要望されてきた。そこで、中小生産に対しても木型を使用しようとする試みがなされている。
【0003】
すなわち、木型として、合板や合成木材等を使用することによって、コストの低減を図ろうとするのである。すなわち、合板や合成木材を使用して、複数の板材を接合することによって鋳造用模型を構成するのである。この場合、これらの木目方向の不一致や各板材の木質のばらつき等によって、耐用寿命が短く、かつ模型としての精度も悪かった。また、このような木製模型は、使用によって摩耗するが、木目によって、凹凸に摩耗することになる。このため、この模型を使用する場合、鋳型造型における模型抜き工程において、模型が抜けにくくなる場合があった。さらに、模型を抜く場合に、いわゆる逆目となる部位が生じた場合には、特に抜けにくくなる。そこで、従来では、このような木型の表面に塗料(例えば、ウレタン系やエポキシ系の塗料)を塗布することによって、表面を精度良く形成すると共に、摩耗しにくいものとしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように、木型の表面に塗料を塗布したものでは、塗料が剥離したり、摩耗したりして、耐久性に劣っていた。また、塗料を厚く塗って耐久性を向上しようとしても、塗料は厚く塗るほど剥離し易く、さらには、亀目状にクラックが発生したりする場合もあった。
【0005】
この発明は上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、摩耗が生じ難く、しかも低コストで生産性に優れた鋳造用模型を提供することにある。また、このような鋳造用模型を製作することが可能な鋳造用模型の製作方法を提供することもこの発明の目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで請求項1の鋳造用模型は、木質ベース1と、紫外線照射にて硬化してこの木質ベース1と一体化する紫外線硬化樹脂からなる外皮層2とで構成したことを特徴としている。
【0007】
上記請求項1の鋳造用模型は、外皮層2は硬化した紫外線硬化樹脂であるので、良好な精度が得られると共に、充分な硬度を有し、摩耗しにくいものとなる。しかも、この紫外線硬化樹脂の硬化時の体積収縮率が小さく、硬化による紫外線硬化樹脂の割れが発生しにくい。
【0008】
請求項2の鋳造用模型は、上記紫外線硬化樹脂がウレタンアクリレート系であることを特徴としている。
【0009】
上記請求項2の鋳造用模型によれば、紫外線硬化樹脂がウレタンアクリレート系であるので、機械的特性及び熱的特性等に特に優れ、耐用性に優れたものとなっている。
【0010】
請求項3の鋳造用模型は、木質ベース1の表面に、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布した後、この紫外線硬化樹脂に紫外線を照射することによってこれを硬化して、上記木質ベース1の表面を覆う外皮層2を形成することを特徴としている。
【0011】
上記請求項3の鋳造用模型の製作方法によれば、木質ベース1の表面に、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布した後、この紫外線硬化樹脂に紫外線を照射することによってこれを硬化するものであるので、この紫外線硬化樹脂が木質ベース1に対して、いわゆるなじんだ状態となって、木質ベース1と外皮層2とが強固に一体化する。しかも、紫外線硬化樹脂の硬化時においては、体積収縮率が小さく、硬化による紫外線硬化樹脂の割れが発生しにくい。また、外皮層2は硬化した紫外線硬化樹脂であるので、良好な精度が得られると共に、充分な硬度を有し、摩耗しにくいものとなっている
【0012】
請求項4の鋳造用模型の製作方法は、木質ベース1の表面に、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布した後、この紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して、これを硬化し、その後さらに、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布してこの紫外線硬化樹脂を硬化する工程を行って、上記木質ベース1の表面を覆う外皮層2を形成することを特徴としている。
【0013】
上記請求項4の鋳造用模型の製作方法によれば、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布してこの紫外線硬化樹脂を硬化する工程を、少なくとも2回以上行うことになって、所望の肉厚の外皮層2を精度よく形成することができる。しかも、紫外線硬化樹脂が木質ベース1に対していわゆるなじんだ状態となって、外皮層2と木質ベース1とが強固に一体化する。また、紫外線硬化樹脂の硬化時においては、体積収縮率が小さく、硬化による紫外線硬化樹脂の割れが発生しにくい。さらに、外皮層2は硬化した紫外線硬化樹脂であるので、良好な精度が得られると共に、充分な硬度を有し、摩耗しにくいものとなっている。
【0014】
請求項5の鋳造用模型の製作方法は、上記紫外線硬化樹脂がウレタンアクリレート系であることを特徴としている。
【0015】
上記請求項5の鋳造用模型の製作方法によれば、紫外線硬化樹脂がウレタンアクリレート系であるので、特に機械的特性、及び熱的特性に優れ、製作された鋳造用模型は耐久性に優れたものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次にこの発明の鋳造用模型とその製作方法の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、鋳造用模型の簡略図を示し、この鋳造用模型は、木質ベース1と、この木質ベース1を覆う外皮層2とからなり、ベース3上に配置されている。木質ベース1は、合板や合成木材や中質繊維板等からなる。そして、外皮層2は、紫外線照射にて硬化して木質ベース1と一体化する紫外線硬化樹脂からなる。また、外皮層2の厚さ(肉厚)は、例えば、0.2mm〜0.4mm程度とされる。なお、中質繊維板は、一般的にMDF(Medium Density Fiberboard)と称されているもので、主に木材等の植物繊維を圧縮成形した繊維板のうち、密度が0.35g/立方cm以上、0.80g/立方cm未満のものを指す(JIS A 5905)。
【0017】
紫外線硬化樹脂とは、紫外線の光エネルギーによって光架橋反応、光重合反応等を行い、液状の紫外線硬化樹脂の溶解性が変化して、液状から固体状樹脂に変化する樹脂である。紫外線硬化樹脂としては、一般には、光重合性オリゴマー(広義の単量体を含む重合主剤)、反応性希釈剤(光重合性モノマー)、及び光重合開始剤が必須要件であり、これらに必要に応じて光重合開始助剤、添加剤、着色剤等が配合されてなる。なお、紫外線とは、可視光線の短波長端360nm〜400nmを上限とし、下限を1nm程度までの波長範囲の電磁波である。
【0018】
光重合性オリゴマーには、ウレタンアクリレート系、エポキシ系、エポキシアクリレート系、エステルアクリレート系、アクリレート系等がある。ウレタンアクリレート系は光ラジカル触媒であり、エポキシ系は光カチオンハイブリッド触媒系である。光カチオンハイブリッド触媒系は、イオン重合系を含むものであって、ラジカル重合系に比べて、重合速度は遅いが、重合収縮歪みが小さい。このため、光カチオンハイブリッド触媒系は、造型物(硬化した紫外線硬化樹脂)の寸法精度に優れる。また、ウレタンアクリレート系は高分子主鎖中にウレタン基を有し、分子間凝集力が強く、高分子主鎖中にポリエーテル基を有するエポキシ樹脂に比べて、機械的特性及び熱的特性に優れている。
【0019】
また、反応性希釈剤(光重合性モノマー)には、アクリレート系、エポキシ系等があり、光重合開始剤には、ベンジン系、パーオキシド系等があり、光重合開始助剤には、アミノ類、キノン類等があり、添加剤には、熱重合禁止剤、接着付与剤等があり、着色剤には、顔料、染料等がある。
【0020】
次に、鋳造用模型の製作方法について図2を使用して説明する。まず、合板等を積層して接着し、これを切断、切削することによって木質ベース1を製作する。次にこの木質ベース1に硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布する(工程S1)。この際、木質ベース1の表面の「バリ」等を紙やすり(ぺーパ)等で取り除いておく。また、紫外線硬化樹脂を塗布する場合、例えば、ノズルから樹脂が噴射する塗装ガンを使用する。この際、ノズルの噴射口の孔径を、例えば、0.5〜0.7mm程度とする。なお、上記塗装ガンの噴射口孔径が大きいと、短時間に広面積を塗布できるので塗布時間を短くできるが、塗布膜(塗装膜)が美しく仕上がらず、逆に孔径が小さいと、塗布膜(塗装膜)が美しく仕上がるが、塗布時間が長くなる。このため、使用する樹脂等によって相違するが、上記のような塗装ガンを使用する場合には、噴射口の孔径0.5〜0.7mm程度とするのが好ましい。そして、使用する紫外線硬化樹脂としては、ウレタンアクリレート系であって、次の表1のような成分のものを使用する。また、この紫外線硬化樹脂に希釈液(この場合、シンナー)を混合する。紫外線硬化樹脂(主剤)と希釈液との配合比は、100:10とする。
【0021】
【表1】
【0022】
その後、木質ベース1の表面に塗布された紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する(工程S2)。例えば、特殊金属のハロゲン化物封入のメタルハライドランプを使用した紫外線照射装置にて紫外線を照射する。この紫外線照射装置としては、例えば、主波長が365nmであり、有効波長域が300nm〜450nmである。次に、紙やすり(ぺーパ)等にて、硬化して形成された外皮層2の表面を仕上げる(工程S3)。これによって、木質ベース1と、この木質ベース1を覆う外皮層2からなる鋳造用模型を製作することができる。
【0023】
ところで、塗布する紫外線硬化樹脂にはシンナーが混合されているので、紫外線照射の際に、シンナーが発泡して、その塗装面が白濁することがある。このため、あまり厚く紫外線硬化樹脂を塗布することは好ましくない。そこで、図3に示すように、紫外線硬化樹脂の複数回に分けて塗布し、その都度、その紫外線硬化樹脂を硬化させるようにするのが好ましい。
【0024】
すなわち、この木質ベース1に硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布する(工程S1)。その後、木質ベース1の表面に塗布された紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する(工程S2)。次に、紙やすり(ぺーパ)等にて表面を磨いた後、再度、液状の紫外線硬化樹脂を塗布し(工程S4)、この紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する(工程S5)。その後、紙やすり(ぺーパ)等にて、硬化して形成された外皮層2の表面を仕上げる(工程S6)。これによって、木質ベース1と、この木質ベース1を覆う外皮層2からなる鋳造用模型を製作することができる。
【0025】
ところで、上記鋳造用模型の製作方法は、本発明者等による以下のような知見に基づくものである。すなわち、木質ベースを構成する合板や合成木材等に、液状の紫外線硬化を塗布して、これに紫外線を照射して硬化させれば、紫外線硬化樹脂が硬化する際に、合板や合成木材等にいわゆるなじんだ状態となって、この紫外線硬化樹脂がこの合板や合成木材等に対して強固に一体化するということである。このため、鋳造用模型の製作方法では、紫外線硬化樹脂を木質ベース1の表面に塗って、この紫外線硬化樹脂を硬化するものであるので、紫外線硬化樹脂が木質ベース1に対して外皮層2が強固に一体化して、その外皮層2が剥離しにくいものとなる。しかも、紫外線硬化樹脂の硬化時の体積収縮率が小さいので、硬化による紫外線硬化樹脂の割れ(クラック)が発生しにくい。このため、鋳造用模型として高品質となる。これに対して、紫外線硬化樹脂でない樹脂、例えば熱硬化性樹脂等からなる塗料を合板や合成木材等を塗布して、これを硬化させたものでは、この樹脂が単に硬化するだけであって、このようなものでは、合板や合成木材等になじまず、剥離しやすく、しかも、樹脂の硬化時の体積収縮性が大であって、割れ(クラック)が発生するおそれがある。
【0026】
また、鋳造用模型の製作方法では、紫外線硬化樹脂を木質ベース1に塗布して、これを硬化させればよいので、その製作工程は単純であり、短時間にこの鋳造用模型を製作することができる。そして、この鋳造用模型の製作方法にて製作された鋳造用模型は、外皮層2は硬化した紫外線硬化樹脂であるので、硬度精度に優れ、樹脂型と同等の耐摩耗性を得ることができ、中量生産さらには大量生産にも対応することができる。しかも、木質ベース1を、合板や合成木材等にて構成できるので、この鋳造用模型を低コストにて提供することができる。
【0027】
ところで、図3においては、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布してこの紫外線硬化樹脂を硬化する工程を、2回行うことになるが、1回の紫外線硬化樹脂の塗布厚さを薄くできるので、硬化のための紫外線照射時間が短く、製作時間として長くならない。また、いわゆる重ね塗りを行うので、所望の肉厚の外皮層2は精度良く仕上げることができる。なお、1回目の硬化にて形成された樹脂層と、2回目の硬化にて形成させた樹脂層とは同一の樹脂からなるので、これは一体化して外皮層2を構成することになる。
【0028】
以上にこの発明の鋳造用模型とその製作方法の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施の形態に限られるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、使用する紫外線硬化樹脂としては、上記表1に示す成分のものに限らず、種々の紫外線硬化樹脂を使用することができる。すなわち、表1のようなウレタンアクリレート系を使用すれば、上記したように、機械的特性及び熱的特性等に特に優れているので、この鋳造用模型に使用する紫外線硬化樹脂として最適となるが、他のエポキシ系の紫外線硬化樹脂等の種々の紫外線硬化樹脂を使用しても優れた鋳造用模型を製作できる。また、図3において、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布してこの紫外線硬化樹脂を硬化する工程としては、2回であるが、3回以上であってもよい。すなわち、外皮層2の肉厚として、0.2mm〜0.4mm程度となるように複数回行うようにするのが好ましい。なお、この外皮層2の肉厚としては、この0.2mm〜0.4mmに限るものではないが、肉厚が大きすぎれば、多くの樹脂を必要とすると共に重ね塗り工程及び紫外線照射工程が多くなり作業時間が大となり、また逆に肉厚が小さすぎれば、補強材としての機能を果たすことができないので、0.2mm〜0.4mm程度が好ましい。さらに、紫外線を照射するための紫外線照射装置としては、メタルハライドランプを使用したものに限らず、使用する紫外線硬化樹脂を硬化することができる紫外線を照射できるものであればよい。
【0029】
【発明の効果】
請求項1の鋳造用模型によれば、良好な精度が得られると共に、充分な硬度を有し、樹脂型と同等の耐摩耗性を得ることができ、中量生産さらには大量生産にも対応することができる。しかも、この紫外線硬化樹脂の硬化時の体積収縮率が小さく、硬化による紫外線硬化樹脂の割れが発生しにくく、鋳造用模型として高品質となる。また、この鋳造用模型は、木質ベースと外皮層とからなり、木質ベースを合板や合成木材等にて構成できるので、低コストにて提供することができる。
【0030】
請求項2の鋳造用模型によれば、特に、耐用性に優れたものとなって、長期にわたって、鋳型造型に際して高品質を維持した状態で使用することができる。
【0031】
請求項3の鋳造用模型の製作方法によれば、この紫外線硬化樹脂が木質ベースに対していわゆるなじんだ状態となって、木質ベースと外皮層とが強固に一体化する。このため、外皮層の木質ベースからの剥離等を防止でき、寿命が長くなる。しかも、紫外線硬化樹脂の硬化時においては、体積収縮率が小さく、硬化による紫外線硬化樹脂の割れが発生しにくいので、鋳造用模型として高品質となる。
また、紫外線硬化樹脂を木質ベースに塗布して、これを硬化させればよいので、製作工程は単純であり、短時間にこの鋳造用模型を製作することができる。これによって、模型製造者は、ユーザが求めているユーザに対する納期の短縮化を達成できる。さらに、外皮層は硬化した紫外線硬化樹脂であるので、良好な精度が得られると共に、充分な硬度を有し、樹脂型と同等の耐摩耗性を得ることができる。
【0032】
請求項4の鋳造用模型の製作方法によれば、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布してこの紫外線硬化樹脂を硬化する工程を、少なくとも2回以上行うことになって、所望の肉厚の外皮層を精度よく形成することができる。また、1回の紫外線硬化樹脂の塗布厚さを薄くできるので、硬化のための紫外線照射時間が短く、製作時間として長くならない。さらに、上記請求項3と同様、外皮層の木質ベースからの剥離等を防止でき、寿命が長くなり、しかも、紫外線硬化樹脂の硬化時においては、体積収縮率が小さく、硬化による紫外線硬化樹脂の割れが発生しにくいので、鋳造用模型として高品質となる。さらに、外皮層は硬化した紫外線硬化樹脂であるので、良好な精度が得られると共に、充分な硬度を有し、樹脂型と同等の耐摩耗性を得ることができる。
【0033】
請求項5の鋳造用模型の製作方法によれば、特に、製作された鋳造用模型は耐用性に優れたものとなって、長期にわたって、鋳型造型に際して高品質を維持した状態で使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の鋳造用模型の実施形態を示す簡略図である。
【図2】この発明の鋳造用模型の製作方法の実施形態を示す工程説明図である。
【図3】この発明の鋳造用模型の製作方法の他の実施形態を示す工程説明図である。
【符号の説明】
1 木質ベース
2 外皮層
【発明の属する技術分野】
この発明は、鋳造用模型とその製作方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より鋳型造型に際しては、模型(鋳造用模型)を使用している。そして、模型としては、大量生産に供する場合には金型を使用し、中量生産に供する場合には樹脂型を使用し、小量生産に供する場合には木型を使用している。近年においては、製品の多様化により大量生産よりも中小生産が増加している。このため、模型に要するコストを低減すると共に、短時間に製造できるものが要望されてきた。そこで、中小生産に対しても木型を使用しようとする試みがなされている。
【0003】
すなわち、木型として、合板や合成木材等を使用することによって、コストの低減を図ろうとするのである。すなわち、合板や合成木材を使用して、複数の板材を接合することによって鋳造用模型を構成するのである。この場合、これらの木目方向の不一致や各板材の木質のばらつき等によって、耐用寿命が短く、かつ模型としての精度も悪かった。また、このような木製模型は、使用によって摩耗するが、木目によって、凹凸に摩耗することになる。このため、この模型を使用する場合、鋳型造型における模型抜き工程において、模型が抜けにくくなる場合があった。さらに、模型を抜く場合に、いわゆる逆目となる部位が生じた場合には、特に抜けにくくなる。そこで、従来では、このような木型の表面に塗料(例えば、ウレタン系やエポキシ系の塗料)を塗布することによって、表面を精度良く形成すると共に、摩耗しにくいものとしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように、木型の表面に塗料を塗布したものでは、塗料が剥離したり、摩耗したりして、耐久性に劣っていた。また、塗料を厚く塗って耐久性を向上しようとしても、塗料は厚く塗るほど剥離し易く、さらには、亀目状にクラックが発生したりする場合もあった。
【0005】
この発明は上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、摩耗が生じ難く、しかも低コストで生産性に優れた鋳造用模型を提供することにある。また、このような鋳造用模型を製作することが可能な鋳造用模型の製作方法を提供することもこの発明の目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで請求項1の鋳造用模型は、木質ベース1と、紫外線照射にて硬化してこの木質ベース1と一体化する紫外線硬化樹脂からなる外皮層2とで構成したことを特徴としている。
【0007】
上記請求項1の鋳造用模型は、外皮層2は硬化した紫外線硬化樹脂であるので、良好な精度が得られると共に、充分な硬度を有し、摩耗しにくいものとなる。しかも、この紫外線硬化樹脂の硬化時の体積収縮率が小さく、硬化による紫外線硬化樹脂の割れが発生しにくい。
【0008】
請求項2の鋳造用模型は、上記紫外線硬化樹脂がウレタンアクリレート系であることを特徴としている。
【0009】
上記請求項2の鋳造用模型によれば、紫外線硬化樹脂がウレタンアクリレート系であるので、機械的特性及び熱的特性等に特に優れ、耐用性に優れたものとなっている。
【0010】
請求項3の鋳造用模型は、木質ベース1の表面に、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布した後、この紫外線硬化樹脂に紫外線を照射することによってこれを硬化して、上記木質ベース1の表面を覆う外皮層2を形成することを特徴としている。
【0011】
上記請求項3の鋳造用模型の製作方法によれば、木質ベース1の表面に、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布した後、この紫外線硬化樹脂に紫外線を照射することによってこれを硬化するものであるので、この紫外線硬化樹脂が木質ベース1に対して、いわゆるなじんだ状態となって、木質ベース1と外皮層2とが強固に一体化する。しかも、紫外線硬化樹脂の硬化時においては、体積収縮率が小さく、硬化による紫外線硬化樹脂の割れが発生しにくい。また、外皮層2は硬化した紫外線硬化樹脂であるので、良好な精度が得られると共に、充分な硬度を有し、摩耗しにくいものとなっている
【0012】
請求項4の鋳造用模型の製作方法は、木質ベース1の表面に、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布した後、この紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して、これを硬化し、その後さらに、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布してこの紫外線硬化樹脂を硬化する工程を行って、上記木質ベース1の表面を覆う外皮層2を形成することを特徴としている。
【0013】
上記請求項4の鋳造用模型の製作方法によれば、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布してこの紫外線硬化樹脂を硬化する工程を、少なくとも2回以上行うことになって、所望の肉厚の外皮層2を精度よく形成することができる。しかも、紫外線硬化樹脂が木質ベース1に対していわゆるなじんだ状態となって、外皮層2と木質ベース1とが強固に一体化する。また、紫外線硬化樹脂の硬化時においては、体積収縮率が小さく、硬化による紫外線硬化樹脂の割れが発生しにくい。さらに、外皮層2は硬化した紫外線硬化樹脂であるので、良好な精度が得られると共に、充分な硬度を有し、摩耗しにくいものとなっている。
【0014】
請求項5の鋳造用模型の製作方法は、上記紫外線硬化樹脂がウレタンアクリレート系であることを特徴としている。
【0015】
上記請求項5の鋳造用模型の製作方法によれば、紫外線硬化樹脂がウレタンアクリレート系であるので、特に機械的特性、及び熱的特性に優れ、製作された鋳造用模型は耐久性に優れたものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次にこの発明の鋳造用模型とその製作方法の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、鋳造用模型の簡略図を示し、この鋳造用模型は、木質ベース1と、この木質ベース1を覆う外皮層2とからなり、ベース3上に配置されている。木質ベース1は、合板や合成木材や中質繊維板等からなる。そして、外皮層2は、紫外線照射にて硬化して木質ベース1と一体化する紫外線硬化樹脂からなる。また、外皮層2の厚さ(肉厚)は、例えば、0.2mm〜0.4mm程度とされる。なお、中質繊維板は、一般的にMDF(Medium Density Fiberboard)と称されているもので、主に木材等の植物繊維を圧縮成形した繊維板のうち、密度が0.35g/立方cm以上、0.80g/立方cm未満のものを指す(JIS A 5905)。
【0017】
紫外線硬化樹脂とは、紫外線の光エネルギーによって光架橋反応、光重合反応等を行い、液状の紫外線硬化樹脂の溶解性が変化して、液状から固体状樹脂に変化する樹脂である。紫外線硬化樹脂としては、一般には、光重合性オリゴマー(広義の単量体を含む重合主剤)、反応性希釈剤(光重合性モノマー)、及び光重合開始剤が必須要件であり、これらに必要に応じて光重合開始助剤、添加剤、着色剤等が配合されてなる。なお、紫外線とは、可視光線の短波長端360nm〜400nmを上限とし、下限を1nm程度までの波長範囲の電磁波である。
【0018】
光重合性オリゴマーには、ウレタンアクリレート系、エポキシ系、エポキシアクリレート系、エステルアクリレート系、アクリレート系等がある。ウレタンアクリレート系は光ラジカル触媒であり、エポキシ系は光カチオンハイブリッド触媒系である。光カチオンハイブリッド触媒系は、イオン重合系を含むものであって、ラジカル重合系に比べて、重合速度は遅いが、重合収縮歪みが小さい。このため、光カチオンハイブリッド触媒系は、造型物(硬化した紫外線硬化樹脂)の寸法精度に優れる。また、ウレタンアクリレート系は高分子主鎖中にウレタン基を有し、分子間凝集力が強く、高分子主鎖中にポリエーテル基を有するエポキシ樹脂に比べて、機械的特性及び熱的特性に優れている。
【0019】
また、反応性希釈剤(光重合性モノマー)には、アクリレート系、エポキシ系等があり、光重合開始剤には、ベンジン系、パーオキシド系等があり、光重合開始助剤には、アミノ類、キノン類等があり、添加剤には、熱重合禁止剤、接着付与剤等があり、着色剤には、顔料、染料等がある。
【0020】
次に、鋳造用模型の製作方法について図2を使用して説明する。まず、合板等を積層して接着し、これを切断、切削することによって木質ベース1を製作する。次にこの木質ベース1に硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布する(工程S1)。この際、木質ベース1の表面の「バリ」等を紙やすり(ぺーパ)等で取り除いておく。また、紫外線硬化樹脂を塗布する場合、例えば、ノズルから樹脂が噴射する塗装ガンを使用する。この際、ノズルの噴射口の孔径を、例えば、0.5〜0.7mm程度とする。なお、上記塗装ガンの噴射口孔径が大きいと、短時間に広面積を塗布できるので塗布時間を短くできるが、塗布膜(塗装膜)が美しく仕上がらず、逆に孔径が小さいと、塗布膜(塗装膜)が美しく仕上がるが、塗布時間が長くなる。このため、使用する樹脂等によって相違するが、上記のような塗装ガンを使用する場合には、噴射口の孔径0.5〜0.7mm程度とするのが好ましい。そして、使用する紫外線硬化樹脂としては、ウレタンアクリレート系であって、次の表1のような成分のものを使用する。また、この紫外線硬化樹脂に希釈液(この場合、シンナー)を混合する。紫外線硬化樹脂(主剤)と希釈液との配合比は、100:10とする。
【0021】
【表1】
【0022】
その後、木質ベース1の表面に塗布された紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する(工程S2)。例えば、特殊金属のハロゲン化物封入のメタルハライドランプを使用した紫外線照射装置にて紫外線を照射する。この紫外線照射装置としては、例えば、主波長が365nmであり、有効波長域が300nm〜450nmである。次に、紙やすり(ぺーパ)等にて、硬化して形成された外皮層2の表面を仕上げる(工程S3)。これによって、木質ベース1と、この木質ベース1を覆う外皮層2からなる鋳造用模型を製作することができる。
【0023】
ところで、塗布する紫外線硬化樹脂にはシンナーが混合されているので、紫外線照射の際に、シンナーが発泡して、その塗装面が白濁することがある。このため、あまり厚く紫外線硬化樹脂を塗布することは好ましくない。そこで、図3に示すように、紫外線硬化樹脂の複数回に分けて塗布し、その都度、その紫外線硬化樹脂を硬化させるようにするのが好ましい。
【0024】
すなわち、この木質ベース1に硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布する(工程S1)。その後、木質ベース1の表面に塗布された紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する(工程S2)。次に、紙やすり(ぺーパ)等にて表面を磨いた後、再度、液状の紫外線硬化樹脂を塗布し(工程S4)、この紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する(工程S5)。その後、紙やすり(ぺーパ)等にて、硬化して形成された外皮層2の表面を仕上げる(工程S6)。これによって、木質ベース1と、この木質ベース1を覆う外皮層2からなる鋳造用模型を製作することができる。
【0025】
ところで、上記鋳造用模型の製作方法は、本発明者等による以下のような知見に基づくものである。すなわち、木質ベースを構成する合板や合成木材等に、液状の紫外線硬化を塗布して、これに紫外線を照射して硬化させれば、紫外線硬化樹脂が硬化する際に、合板や合成木材等にいわゆるなじんだ状態となって、この紫外線硬化樹脂がこの合板や合成木材等に対して強固に一体化するということである。このため、鋳造用模型の製作方法では、紫外線硬化樹脂を木質ベース1の表面に塗って、この紫外線硬化樹脂を硬化するものであるので、紫外線硬化樹脂が木質ベース1に対して外皮層2が強固に一体化して、その外皮層2が剥離しにくいものとなる。しかも、紫外線硬化樹脂の硬化時の体積収縮率が小さいので、硬化による紫外線硬化樹脂の割れ(クラック)が発生しにくい。このため、鋳造用模型として高品質となる。これに対して、紫外線硬化樹脂でない樹脂、例えば熱硬化性樹脂等からなる塗料を合板や合成木材等を塗布して、これを硬化させたものでは、この樹脂が単に硬化するだけであって、このようなものでは、合板や合成木材等になじまず、剥離しやすく、しかも、樹脂の硬化時の体積収縮性が大であって、割れ(クラック)が発生するおそれがある。
【0026】
また、鋳造用模型の製作方法では、紫外線硬化樹脂を木質ベース1に塗布して、これを硬化させればよいので、その製作工程は単純であり、短時間にこの鋳造用模型を製作することができる。そして、この鋳造用模型の製作方法にて製作された鋳造用模型は、外皮層2は硬化した紫外線硬化樹脂であるので、硬度精度に優れ、樹脂型と同等の耐摩耗性を得ることができ、中量生産さらには大量生産にも対応することができる。しかも、木質ベース1を、合板や合成木材等にて構成できるので、この鋳造用模型を低コストにて提供することができる。
【0027】
ところで、図3においては、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布してこの紫外線硬化樹脂を硬化する工程を、2回行うことになるが、1回の紫外線硬化樹脂の塗布厚さを薄くできるので、硬化のための紫外線照射時間が短く、製作時間として長くならない。また、いわゆる重ね塗りを行うので、所望の肉厚の外皮層2は精度良く仕上げることができる。なお、1回目の硬化にて形成された樹脂層と、2回目の硬化にて形成させた樹脂層とは同一の樹脂からなるので、これは一体化して外皮層2を構成することになる。
【0028】
以上にこの発明の鋳造用模型とその製作方法の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施の形態に限られるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、使用する紫外線硬化樹脂としては、上記表1に示す成分のものに限らず、種々の紫外線硬化樹脂を使用することができる。すなわち、表1のようなウレタンアクリレート系を使用すれば、上記したように、機械的特性及び熱的特性等に特に優れているので、この鋳造用模型に使用する紫外線硬化樹脂として最適となるが、他のエポキシ系の紫外線硬化樹脂等の種々の紫外線硬化樹脂を使用しても優れた鋳造用模型を製作できる。また、図3において、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布してこの紫外線硬化樹脂を硬化する工程としては、2回であるが、3回以上であってもよい。すなわち、外皮層2の肉厚として、0.2mm〜0.4mm程度となるように複数回行うようにするのが好ましい。なお、この外皮層2の肉厚としては、この0.2mm〜0.4mmに限るものではないが、肉厚が大きすぎれば、多くの樹脂を必要とすると共に重ね塗り工程及び紫外線照射工程が多くなり作業時間が大となり、また逆に肉厚が小さすぎれば、補強材としての機能を果たすことができないので、0.2mm〜0.4mm程度が好ましい。さらに、紫外線を照射するための紫外線照射装置としては、メタルハライドランプを使用したものに限らず、使用する紫外線硬化樹脂を硬化することができる紫外線を照射できるものであればよい。
【0029】
【発明の効果】
請求項1の鋳造用模型によれば、良好な精度が得られると共に、充分な硬度を有し、樹脂型と同等の耐摩耗性を得ることができ、中量生産さらには大量生産にも対応することができる。しかも、この紫外線硬化樹脂の硬化時の体積収縮率が小さく、硬化による紫外線硬化樹脂の割れが発生しにくく、鋳造用模型として高品質となる。また、この鋳造用模型は、木質ベースと外皮層とからなり、木質ベースを合板や合成木材等にて構成できるので、低コストにて提供することができる。
【0030】
請求項2の鋳造用模型によれば、特に、耐用性に優れたものとなって、長期にわたって、鋳型造型に際して高品質を維持した状態で使用することができる。
【0031】
請求項3の鋳造用模型の製作方法によれば、この紫外線硬化樹脂が木質ベースに対していわゆるなじんだ状態となって、木質ベースと外皮層とが強固に一体化する。このため、外皮層の木質ベースからの剥離等を防止でき、寿命が長くなる。しかも、紫外線硬化樹脂の硬化時においては、体積収縮率が小さく、硬化による紫外線硬化樹脂の割れが発生しにくいので、鋳造用模型として高品質となる。
また、紫外線硬化樹脂を木質ベースに塗布して、これを硬化させればよいので、製作工程は単純であり、短時間にこの鋳造用模型を製作することができる。これによって、模型製造者は、ユーザが求めているユーザに対する納期の短縮化を達成できる。さらに、外皮層は硬化した紫外線硬化樹脂であるので、良好な精度が得られると共に、充分な硬度を有し、樹脂型と同等の耐摩耗性を得ることができる。
【0032】
請求項4の鋳造用模型の製作方法によれば、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布してこの紫外線硬化樹脂を硬化する工程を、少なくとも2回以上行うことになって、所望の肉厚の外皮層を精度よく形成することができる。また、1回の紫外線硬化樹脂の塗布厚さを薄くできるので、硬化のための紫外線照射時間が短く、製作時間として長くならない。さらに、上記請求項3と同様、外皮層の木質ベースからの剥離等を防止でき、寿命が長くなり、しかも、紫外線硬化樹脂の硬化時においては、体積収縮率が小さく、硬化による紫外線硬化樹脂の割れが発生しにくいので、鋳造用模型として高品質となる。さらに、外皮層は硬化した紫外線硬化樹脂であるので、良好な精度が得られると共に、充分な硬度を有し、樹脂型と同等の耐摩耗性を得ることができる。
【0033】
請求項5の鋳造用模型の製作方法によれば、特に、製作された鋳造用模型は耐用性に優れたものとなって、長期にわたって、鋳型造型に際して高品質を維持した状態で使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の鋳造用模型の実施形態を示す簡略図である。
【図2】この発明の鋳造用模型の製作方法の実施形態を示す工程説明図である。
【図3】この発明の鋳造用模型の製作方法の他の実施形態を示す工程説明図である。
【符号の説明】
1 木質ベース
2 外皮層
Claims (5)
- 木質ベース(1)と、紫外線照射にて硬化してこの木質ベース(1)と一体化する紫外線硬化樹脂からなる外皮層(2)とで構成したことを特徴とする鋳造用模型。
- 上記紫外線硬化樹脂がウレタンアクリレート系であることを特徴とする請求項1の鋳造用模型。
- 木質ベース(1)の表面に、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布した後、この紫外線硬化樹脂に紫外線を照射することによってこれを硬化して、上記木質ベース(1)の表面を覆う外皮層(2)を形成することを特徴とする鋳造用模型の製作方法。
- 木質ベース(1)の表面に、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布した後、この紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して、これを硬化し、その後さらに、硬化前の液状の紫外線硬化樹脂を塗布してこの紫外線硬化樹脂を硬化する工程を行って、上記木質ベース(1)の表面を覆う外皮層(2)を形成することを特徴とする鋳造用模型の製作方法。
- 上記紫外線硬化樹脂がウレタンアクリレート系であることを特徴とする請求項3又は請求項4の鋳造用模型の製作方法。
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JP2003029646A JP2004237322A (ja) | 2003-02-06 | 2003-02-06 | 鋳造用模型とその製作方法 |
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JP2010186031A (ja) * | 2009-02-12 | 2010-08-26 | Fujikura Ltd | 光ファイバケーブル |
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- 2003-02-06 JP JP2003029646A patent/JP2004237322A/ja active Pending
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