JP2004237237A - 汚泥の可溶化処理方法 - Google Patents

汚泥の可溶化処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004237237A
JP2004237237A JP2003030897A JP2003030897A JP2004237237A JP 2004237237 A JP2004237237 A JP 2004237237A JP 2003030897 A JP2003030897 A JP 2003030897A JP 2003030897 A JP2003030897 A JP 2003030897A JP 2004237237 A JP2004237237 A JP 2004237237A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sludge
media
chamber
stirring
solubilized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003030897A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsuyoshi Onozato
剛志 小野里
Hiroaki Kezuka
博明 毛塚
Yoshinori Hisayoshi
良則 久芳
Takeshi Ishikawa
剛 石川
Susumu Gunji
進 郡司
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Mining Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Mining Co Ltd filed Critical Mitsui Mining Co Ltd
Priority to JP2003030897A priority Critical patent/JP2004237237A/ja
Publication of JP2004237237A publication Critical patent/JP2004237237A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Treatment Of Sludge (AREA)
  • Crushing And Grinding (AREA)

Abstract

【課題】効率的かつ安定的に汚泥の粉砕、可溶化が可能な処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】有機物を含む汚泥を可溶化処理する際に、メディア撹拌型湿式粉砕機40を用いる。汚泥を含む汚水を粉砕室2内に送り、回転軸21と一体に撹拌分離部材13を回転させると、メディアと可溶化されるべき汚泥とが遠心力を受ける。またメディアには撹拌分離部材13に追従した回転運動が生じる。さらに、汚泥を輸送してきた流体には旋回流が生じる。このため、メディア或いは可溶化されるべき汚泥は、粉砕室2内或いは撹拌分離部材13の羽根部で共に撹拌され、汚泥が粉砕されて可溶化される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水、し尿等の生活排水或いは食品工場排水、パルプ工場排水などの産業排水の排水処理施設から発生する有機物を含有する汚泥の粉砕、可溶化処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、生活排水、産業排水等を好気性処理若しくは嫌気性処理した際に発生する余剰汚泥は、脱水、乾燥後、産業廃棄物として埋め立てたり、焼却したりすることによって処分していた。しかし、近年、埋立地の確保が困難になるとともに、焼却処分するための設備費、維持管理費が多大なために、汚泥の減量化が求められている。
【0003】
汚泥の生物的な減量化法としては、好気性消化法や嫌気性消化法によって処理する方法が知られている。しかしながら、好気性消化法、嫌気性消化法は、長時間の滞留時間を必要とする割には減量化率が低いという問題点がある。
【0004】
このような問題を解消するため、物理的な処理あるいは化学的な処理によって汚泥を可溶化し、特に汚泥のなかの微生物群を破壊して、細胞壁の分解、細胞内部から細胞質の溶出等により、微生物菌体を可溶化することにより、生分解性を向上させて、汚泥を減量化する方法、つまり、汚泥を可溶化して生物処理槽に送り、生物的分解を行い、汚泥を減量化する方法が数多く提案されている。汚泥を可溶化する方法として、メディア撹拌型湿式粉砕機、超音波、熱処理、ホモジナイザー、ミキサーなどによる物理的、オゾン処理、アルカリ処理などの化学的処理が提案されている。ここで、汚泥の可溶化とは、物理的や化学的な方法により、汚泥が破砕、粉砕、溶解し、粒子の状態から液状の状態に変わることである。
【0005】
これらの方法のうち、従来において、メディア撹拌型湿式粉砕機による方法は、粉砕室にメディアを充填し、その中に撹拌部材を備え、撹拌部材を高速回転することによりメディアを撹拌し、撹拌されたメディア間に生じる剪断力、摩擦力により汚泥を粉砕、可溶化し、ギャップ、スリット、スクリーン等による機械的な分離機構を用いてメディアと可溶化物とを分離し、可溶化物のみを送り出す方法であった。
【0006】
しかし、このような機械的な分離機構のメディア撹拌型湿式粉砕機においては、スリットやスクリーンを有する粉砕メディア分離部で噛み込み、目詰まりを起こして、粉砕機の安定した運転が実施できないという問題が多々発生した。
【0007】
これに対し、破砕の媒体としてのビーズの真比重を5.0以上と限定し、スリット、スクリーンを有するビーズ分離部での目詰まりの防止を図るように構成した汚泥の破砕方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
また、ビーズ分離部に設けられたミル室内外を連通する間隙の幅を限定し、スリット、スクリーンを有するビーズ分離部での目詰まりの防止を図るように構成した汚泥の破砕方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−156394号公報
【特許文献2】
特開2000−153171号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の特許文献1の明細書の中には、メディアの真比重が5.0以下では汚泥の濃度が高くなると、十分な破砕効果が得られなくなり、スリットやスクリーンを有するビーズ分離部で目詰まりを起こして、粉砕機の運転が不可能になるので、使用するメディアの真比重を5.0以上と限定したとの内容の記載がある。
【0011】
また、上記の特許文献2の明細書の中には、下水、排水処理施設等から発生する汚泥の可溶化の際に、その汚泥と一緒に紙、人毛等の天然繊維や、各種合成繊維、半合成繊維が含まれており、繊維質は粉砕機で破砕されにくいために残存し、スリット、スクリーン等の機械的分離機構のメディア分離部に目詰まりを起こして、粉砕機の安定した運転が実施できなくなるために、スリット等分離機構における粉砕室内外を連通する隙間の幅を限定したとの内容の記載がある。
【0012】
このように、特許文献1では、メディアの真比重を5.0以上と規定し、粉砕効果を向上させ、又、特許文献2では、スリット等の分離機構における可溶化物の粉砕室内外を連通する隙間の幅を限定し、それぞれにおいて目詰まりの防止を図っている。
【0013】
しかし、これらの方法においても、機械的な分離方式の構造では、完全に目詰まりや噛み込みを防止するということは不可能である。さらに、使用する粉砕メディアの真比重が限定されて、メディアの種類の選択範囲が狭まることにより、処理物、処理動力、或いはメディアの価格に影響を与えたり、或いは隙間幅の下限が生じることにより、粉砕メディア径が限定され、粉砕効率の向上に歯止めがかかる等の問題も生じる。
【0014】
本発明は、上記のような従来の問題を解決したものであって、メディア撹拌型湿式粉砕機を使用して、汚泥濃度やスリット間隔に左右されることなく、効率的かつ安定的に汚泥の粉砕、可溶化が可能な処理方法を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するために、本発明の請求項1に係る汚泥の可溶化処理方法は、有機物を含む汚泥を可溶化処理するに際し、粉砕メディアと汚泥を可溶化したものとを遠心分離する機能を備えたメディア撹拌型湿式粉砕機を用いる手段を採用している。
また、本発明の請求項2に係る汚泥の可溶化処理方法は、請求項1に記載の汚泥の可溶化処理方法において、前記メディア撹拌型湿式粉砕機は、内部に粉砕メディアを収納する粉砕室が設けられる粉砕タンクと、該粉砕タンクを貫通して一端部が前記粉砕室内に位置する回転可能な中空の回転軸と、該回転軸の前記粉砕室内に位置する一端部に取り付けられるとともに、内部に前記回転軸の中空部に連通する外周側が前記粉砕室内に開口する分離室が設けられ、かつ該分離室の外周側開口部に前記回転軸の回転方向に沿って所定の間隔毎に複数の羽根が設けられる撹拌分離部材と、前記粉砕タンクに設けられるとともに、前記粉砕室内外を連通する汚泥の供給口と、前記回転軸の他端部に設けられるとともに、前記回転軸の中空部内外を連通する可溶化物の排出口とを備えてなる手段を採用している。
【0016】
【作用】
本発明は、上記のような手段を採用したことにより、汚泥を含む汚水をポンプ等により供給口から粉砕室内に押し込み、回転軸と一体に撹拌分離部材を回転させると、粉砕メディアと粉砕されるべき汚泥とが遠心力を受け、また撹拌分離部材の回転力に引きずられて粉砕メディアに回転運動が生じ、さらに汚泥を輸送してきた流体に旋回流が生じることにより、粉砕室内において汚泥が粉砕されて可溶化されることになる。可溶化された汚泥は、粉砕メディア及び汚泥に作用する遠心力と、この遠心力の作用方向と逆方向に可溶化物を輸送する流体による抗力とのバランスにより、粉砕メディアから分離され、撹拌分離部材の分離室及び回転軸の中空部を介して排出口に導かれ、排出口から粉砕室外に排出されることになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるメディアと可溶化物とを遠心分離する機構を備えたメディア撹拌型湿式粉砕機は、遠心分離作用を起こす分離部材が撹拌部材を兼ねている構造のものであるが、撹拌部材と分離部材とが異なる構造のものであっても良い。要は、メディア撹拌型湿式粉砕機の分離部に遠心分離機構を備えているものであれば良い。
【0018】
本発明において使用するメディア撹拌型湿式粉砕機は、撹拌と分離を兼ねた撹拌分離部材が回転することにより、メディアと可溶化されるべき汚泥は遠心力を与えられ、さらに撹拌分離部材の回転力に引きずられたメディアの回転運動または汚泥の旋回運動も加わり、メディアと汚泥とを撹拌し、汚泥を粉砕、可溶化する。この可溶化と同時にこの遠心力と遠心力の作用する方向と逆方向に流動する汚泥や可溶化物を含む汚水(以下、輸送流体という)による抗力とのバランスから、メディアと可溶化物とを力学的に分離する機能を合わせ持ち、可溶化、分離を一つの機構で行わせる。さらに、可溶化、分離を一機構で処理することを可能とするために、輸送流体の流れを撹拌分離部材で発生する遠心力の作用方向と逆方向にし、撹拌分離部材の外周側から中心部に向かわせ、回転軸内の中空部を通過させ、中空部に連結されている排出口へ到達させている。
【0019】
汚泥を含む汚水は、供給口から粉砕室内に送られ、粉砕室内でメディアと混在する。駆動源に接続されている回転軸は、回転することにより撹拌分離部材を一体に回転させ、撹拌分離部材の円板あるいは羽根板によって、メディアと可溶化されるべき汚泥は遠心力を受ける。さらに、メディアには、撹拌分離部材に追従した回転運動が生じ、また輸送流体には旋回流が生じる。そのため、メディアあるいは可溶化されるべき汚泥は、粉砕室内あるいは撹拌分離部材の羽根部で共に撹拌され、汚泥は粉砕され可溶化される。
【0020】
可溶化物は、撹拌分離部材の羽根板によって得られる遠心力に対して、粉砕室から撹拌分離部材内へ旋回しながら流入する輸送流体と共に、撹拌分離部材内の分離室へ輸送される。分離室へ流入した可溶化物は、分離室と連通している回転軸の中空部に送られ、さらに排出口へと導かれる。一方、粉砕メディアは、可溶化物に比べて桁違いに大きいので、当然、撹拌分離部材の羽根から受ける遠心力が抗力に優り、撹拌分離部材内の分離室へは進入できず、撹拌分離部材内の羽根板の部分あるいは粉砕室内に滞留する。さらに、一部の可溶化されなかった汚泥は、メディアと同様に、作用する力関係から撹拌分離部材内の分離室には進入することができずに、再度粉砕可溶化されることになる。このように、遠心分離機構を備えたメディア撹拌型湿式粉砕機においては、汚泥の可溶化物とメディアとで作用する力関係が異なるために、自ずと力学的に分離されることになり、機械的な分離の必要性は生じない。
【0021】
このような本発明においては、汚泥の可溶化物とメディアの分離に力学的な分離機構を採用することにより、機械的な分離機構の場合に生じた噛み込み、目詰まり等のトラブルが解消され、安定した連続運転を維持するとともに、高濃度廃水への対応や超微小な粉砕メディアの使用も可能になり、可溶化への対応が容易で、可溶化の効率が向上した。
【0022】
次に、本発明による汚泥の可溶化処理方法に使用する、メディアと汚泥の可溶化物とを遠心分離する機能を備えたメディア撹拌型湿式粉砕機の一実施の形態について図1を参照しつつ説明する。
【0023】
すなわち、このメディア撹拌型湿式粉砕機40は、内部に粉砕室2が設けられる粉砕タンク1と、粉砕タンク1を貫通して一端部が粉砕室2内に位置する中空の回転軸21と、回転軸21の粉砕室2内に位置する一端部に取り付けられる撹拌分離部材13とを備えている。
【0024】
粉砕タンク1は、円筒状の外周板4と、外周板4の一端開口部を閉塞する円板状の前蓋板6と、外周板4の他端開口部を閉塞する円板状の後蓋板7とからなるものであって、内部に円筒状の空間である粉砕室2が形成されるようになっている。前蓋板6及び後蓋板7は、外周板4の両側に設けられたフランジ部4aとボルトにより取り付けられ、外周板4に対して着脱可能な構造となっている。外周板4と外周板4の外周側に設けられたジャケット板5との間に環状の空間であるジャケット8を形成する。ジャケット板5にはジャケット8内外を連通する給排水口9、10が設けられている。
【0025】
粉砕室2の壁面(外周板4の壁面、前蓋板6の壁面(中央部を除く)、及び後蓋板7の壁面(中央部を除く))には、ライナー11、12が設けられ、このライナー11、12により粉砕室2の壁面が保護されるようになっている。ライナー11、12は、粉砕室2の壁面の形状、寸法の変更、調整を容易にするために、着脱可能な構造となっている。すなわち、ライナー11は、前蓋板6の内面に着脱可能に取り付けられ、前蓋板6の保護、及び前蓋板6の壁面の形状、寸法を必要に応じて変更、調整している。ライナー12は、前蓋板6と後蓋板7とで両側から挟持された状態で固定され、外周板4及び後蓋板7の壁面の保護、及びそれらの壁面の形状、寸法を必要に応じて変更、調整している。ライナー12は、外周板4側の部分と後蓋板7側の部分とに分割してもよい。ライナー11、12の形状は、特に限定するものではなく、粉砕物の種類あるいは粉砕の程度により対応すればよい。例えば、ライナー12については、外周板4側の内側断面形状を円形、多角形、凹凸形状等にしたり、後蓋板7側の内側断面形状を凹凸状にすることができる。また、ライナー11についても、内側断面形状を凹凸状にすることができる。
【0026】
粉砕室2内に位置する回転軸の一端部には、撹拌分離部材13が取り付けられるようになっている。撹拌分離部材13は、回転軸21の一端部に取り付けられるボス14と、ボス14の外周面に一体に設けられるとともに、回転軸21の軸線方向に所定の間隔をおいて対向する前円板17と後円板18と、前円板17と後円板18との間の外周側の部分に周方向に向かって等間隔ごとに一体に設けられる、両円板17、18に交差する複数の羽根板19とを備えている。
【0027】
前円板17と後円板18と羽根板19とによって囲まれる部分には中空の分離室20が設けられ、この分離室20の外周部は隣接する羽根板19、19間を介して粉砕室2内に連通するようになっている。
【0028】
前円板17と羽根板19とは一体で仕上げられ、ボス14と後円板18とは一体物あるいは一体仕上げとなっている。前円板17、羽根板19、後円板18及びボス14の取付けの形態は特に限定するものではない。
【0029】
回転軸21の中空部22の先端部はプラグ24によって閉塞され、このプラグ24とボスとの回転軸21に押えるように、押え部材25が取り付けられている。撹拌粉砕能力を高めるために、前円板17と後円板18の粉砕室2に面する部分に凹凸(図示せず)を設けてもよい。
【0030】
羽根板19は、回転軸21を中心として放射状あるいは放射線に対して所定の角度をなすように設けられている。好ましくは、回転方向に羽根板19と放射線とが成す角(図示せず)は鋭角とし、この角度を付けた羽根板19の回転により粉砕メディアが撹拌分離部材13から粉砕室2に押し出されるようになる。
【0031】
ボス14の外周側に前円板17、後円板18、及び羽根板19を設けて撹拌分離部材13を構成しているが、ボスを使用せずに撹拌分離部材を構成してもよい。
【0032】
ボス14の内周面にはリング溝15が設けられるとともに、このリング溝15と分離室20との間を相互に連通する複数の連通孔16が設けられている。ボス14のリング溝15に対応する回転軸21の部分には、一端がリング溝15に連通し、他端が回転軸21の中空部22に連通する複数の連通孔23が設けられるようになっている。従って、分離室20と回転軸21の中空部22とは、ボス14の連通孔16、リング溝15、回転軸21の連通孔23を介して相互に連通するものである。
【0033】
回転軸21の他端部には、排出口27を有するロータリージョイント26が取り付けられ、この排出口27に回転軸21の中空部22が連通するようになっている。なお、ボス14を使用しない場合には、回転軸21の連通孔23を撹拌分離部材13の分離室20に直接に連通させればよい。
【0034】
前蓋板6に、好ましくはその中央部に、粉砕室2内外を連通する処理物の供給口28が設けられ、この供給口28から処理物が粉砕室2内に供給されるようになっている。
【0035】
回転軸21の後蓋板7を貫通する部分にはシール部材29が設けられ、このシール部材29により粉砕室2内から流体が外部に漏れるのを防止するようになっている。
【0036】
回転軸21の他端部にはVプーリー30が取り付けられ、このVプーリー30は、Vベルト31を介して駆動源(図示せず)に接続されるようになっている。
【0037】
そして、上記のような構成の粉砕機の供給口28から汚泥を含む汚水をポンプ等により粉砕室2内に押し込み、回転軸21と一体に撹拌分離部材13を回転させると、撹拌分離部材13の前円板17、後円板18及び羽根板19によって粉砕メディアと粉砕されるべき汚泥が遠心力を受け、また撹拌分離部材13の回転力に引きずられて粉砕メディアに回転運動が生じ、さらに汚泥を輸送してきた流体に旋回流が生じる。このため、粉砕メディアあるいは粉砕されるべき汚泥は、粉砕室2内あるいは撹拌分離部材13の羽根板19部で共に撹拌され、汚泥に対し粉砕が行われる。この場合、撹拌分離部材13の回転速度あるいは羽根板19の枚数は粉砕される粒子の大きさを考慮して決定している。これにより当然、粉砕メディアは、流体による押し込み力に優る遠心力を受けるようになり、撹拌分離部材13の羽根板19部あるいは粉砕室2内に滞留する。一方、汚泥の可溶化物は、遠心力より押し込み力が優り、撹拌分離部材13の分離室20内に輸送流体として押し込まれる。押し込まれた輸送流体は、ボス14の連通孔16、リング溝15を通過し、回転軸21の連通孔23を経由して中空部22に至り、中空部22からロータリージョイント26の排出口27に至る。粉砕に際しては、衝突、摩擦等により発熱する。この発熱による粉砕室2内の温度上昇を抑えるためにジャケット8に水を供給し、粉砕室2内を冷却している。
【0038】
<実施例1>
試験装置は、図2に示すように、汚泥を貯留するためのホールディングタンク41、循環ポンプ42、前述した遠心分離タイプのメディア撹拌型湿式粉砕機40とで構成した。10Lの汚泥を循環ポンプ42を用いてホールディングタンク41とメディア撹拌型粉砕機40とを10L/minで循環させ、粉砕、可溶化処理した。その処理の間、COD、SS濃度をホールディングタンク41内で時系列的に測定し、その結果を汚泥減量率、可溶化率にまとめ、図5に示した。汚泥としては、下水処理場の余剰汚泥を濃度10800mg/Lに濃縮したものを使用した。ホールディングタンク41内の汚泥の温度を30℃に保持した。
汚泥減量率=運転時のSS濃度/運転前のSS濃度
(粉砕により細胞が分解され、SSの減少を測定することにより、汚泥減量の程度を判断する。)
可溶化率=運転時のサンプル上清COD/運転前の汚泥を含む汚水全体のCOD
(粉砕により細胞が分解されて、生物で分解できる形、つまりCOD値として測定される形に可溶化された程度を判断する。)
サンプル上清とは、粉砕機で処理した汚泥を含む汚水を3000rpm、10minで遠心操作を行い、その上清を孔径0.5μmのフィルタで濾過したものである。
Figure 2004237237
【0039】
<比較例1>
試験装置は、図3及び図4に示すように、汚泥を貯留するためのホールディングタンク51、スリットタイプのメディア撹拌型湿式粉砕機50とで構成した。すなわち、このメディア撹拌型湿式粉砕機50は、両端が閉塞された筒状をなす粉砕容器61と、粉砕容器61内の容器本体62と軸線を一致させた状態で設けられ、粉砕容器61内を径方向に内側室63と外側室64の2室に区画するとともに、両室63、64間を連通する複数のスリット68が全周に渡って設けられる筒状のセパレータ67と、内側室63内に粉砕容器61と軸線を一致させた状態で回転可能に設けられる撹拌部材69と、内側室63内外を連通する処理物の供給口65と、外側室64内外を連通する処理物の排出口66とを備えている。メディア撹拌型湿式粉砕機50は、循環ポンプの代用も兼ねている。10Lの汚泥をホールディングタンク51とメディア撹拌型粉砕機50との間を10L/minで循環させ、粉砕、可溶化処理した。その処理の間、COD、SS濃度をホールディングタンク51内で時系列的に測定し、その結果を汚泥減量率、可溶化率にまとめ、図5に示した。
汚泥としては、実施例と同様の下水処理場の余剰汚泥を濃度10800mg/Lに濃縮したものを使用した。ホールディングタンク51内の汚泥の温度を30℃に保持した。
Figure 2004237237
【0040】
実施例1では、汚泥の減量化、可溶化が滞留時間と共に進行し、汚泥の減量化率0.25以下、可溶化率0.7以上は5分経過後には到達し、10分経過後には減量化率0.2以下、可溶化率0.9以上に至り、効率的な可溶化処理が行われた。一方、比較例1では、滞留時間が1分経過後、分離部のスリットに異物が噛み込んで閉塞し、粉砕機が過負荷状態に陥り、運転不能に至ってしまった。その時点の汚泥減量化率0.9、可溶化率0.08程度であり、可溶化処理と言えるような状態には到達しなかった。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、請求項1のように構成して、メディアと汚泥の可溶化物とを遠心分離する機構を備えたメディア撹拌型湿式粉砕機を使用して有機物を含む汚泥の可溶化処理を行うようにしたので、汚泥濃度やスリット間隔に左右されることなく、効率的かつ安定的に汚泥の粉砕、可溶化処理を行うことができることになる。
また、請求項2のように構成したことにより、粉砕室内に汚泥を含む汚水をポンプ等により押し込み、回転軸と一体に撹拌分離部材を回転させると、メディアと粉砕されるべき汚泥が遠心力を受け、また撹拌分離部材の回転力によりメディアに回転運動が生じ、さらに汚泥を輸送してきた流体に旋回流が生じることになり、これにより、メディアと粉砕されるべき汚泥とが粉砕室内で共に撹拌され、汚泥が粉砕され、可溶化されることになる。そして、汚泥の可溶化物は、遠心力によってメディアから分離され、撹拌分離部材の分離室、回転軸中空部を介して排出口に導かれ、排出口から外部に排出されることになる。従って、汚泥濃度やスリット間隔に左右されることなく、効率的かつ安定的に汚泥の粉砕、可溶化処理を行うことができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による汚泥の可溶化処理方法に使用するメディア撹拌型湿式粉砕機の一例を示した説明図である。
【図2】本発明による汚泥の可溶化処理方法を実施するために使用する試験装置の一例を示した説明図である。
【図3】スリットタイプのメディア撹拌型湿式粉砕機の一例を示した説明図である。
【図4】本発明による汚泥の可溶化処理方法と比較するために使用する試験装置の一例を示した説明図である。
【図5】図2に示す試験装置による試験結果と図4に示す試験装置による試験結果とを比較した説明図である。
【符号の説明】
1……粉砕タンク
2……粉砕室
4……外周板
4a……フランジ部
5……ジャケット板
6……前蓋板
7……後蓋板
8……ジャケット
9、10……給排水口
11、12……ライナー
13……撹拌分離部材
14……ボス
15……リング溝
16、23……連通孔
17……前円板
18……後円板
19……羽根板
20……分離室
21……回転軸
22……中空部
24……プラグ
25……押え部材
26……ロータリージョイント
27……排出口
28……供給口
29……シール部材
30……Vプーリー
31……Vベルト
40、50……粉砕機
41、51……ホールディングタンク
42……循環ポンプ
61……粉砕容器
62……容器本体
63……内側室
64……外側室
65……供給口
66……排出口
67……セパレータ
68……スリット
69……撹拌部材

Claims (2)

  1. 有機物を含む汚泥を可溶化処理するに際し、粉砕メディアと汚泥を可溶化したものとを遠心分離する機能を備えたメディア撹拌型湿式粉砕機を用いることを特徴とする汚泥の可溶化処理方法。
  2. 前記メディア撹拌型湿式粉砕機は、内部に粉砕メディアを収納する粉砕室が設けられる粉砕タンクと、該粉砕タンクを貫通して一端部が前記粉砕室内に位置する回転可能な中空の回転軸と、該回転軸の前記粉砕室内に位置する一端部に取り付けられるとともに、内部に前記回転軸の中空部に連通する外周側が前記粉砕室内に開口する分離室が設けられ、かつ該分離室の外周側開口部に前記回転軸の回転方向に沿って所定の間隔毎に複数の羽根が設けられる撹拌分離部材と、前記粉砕タンクに設けられるとともに、前記粉砕室内外を連通する汚泥の供給口と、前記回転軸の他端部に設けられるとともに、前記回転軸の中空部内外を連通する可溶化物の排出口とを備えてなることを特徴とする請求項1に記載の汚泥の可溶化処理方法。
JP2003030897A 2003-02-07 2003-02-07 汚泥の可溶化処理方法 Pending JP2004237237A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003030897A JP2004237237A (ja) 2003-02-07 2003-02-07 汚泥の可溶化処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003030897A JP2004237237A (ja) 2003-02-07 2003-02-07 汚泥の可溶化処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004237237A true JP2004237237A (ja) 2004-08-26

Family

ID=32957656

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003030897A Pending JP2004237237A (ja) 2003-02-07 2003-02-07 汚泥の可溶化処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004237237A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008253928A (ja) * 2007-04-06 2008-10-23 Ashizawa Finetech Ltd メディア攪拌ミル

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008253928A (ja) * 2007-04-06 2008-10-23 Ashizawa Finetech Ltd メディア攪拌ミル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101233574B1 (ko) 순환형 매체 교반밀
JP2006212488A (ja) 媒体攪拌型粉砕装置
JP3663010B2 (ja) 粉砕機
JP2013123705A (ja) 攪拌粉砕機
JP2006239577A (ja) メディア攪拌型湿式粉砕機
KR102244898B1 (ko) 유성기어를 이용한 음식물 감량 처리장치
JP4953805B2 (ja) 媒体攪拌型粉砕装置
JP4310142B2 (ja) 媒体撹拌型粉砕機及び媒体撹拌型粉砕機を使用する汚泥処理装置
KR200414796Y1 (ko) 음식물 쓰레기 처리장치
KR20170049730A (ko) 이동식 화장실의 분뇨처리장치
JPH10230182A (ja) 粉砕機
JP2004237237A (ja) 汚泥の可溶化処理方法
KR20070082135A (ko) 음식물 쓰레기 처리장치
KR102287258B1 (ko) 음식물 처리기
JP2003144950A (ja) 粉砕機
JP4274627B2 (ja) 汚泥の破砕方法およびこれを利用した嫌気性消化方法
KR100768541B1 (ko) 비누 분쇄기
JP3570221B2 (ja) 生ごみ処理装置
JP2005199125A (ja) メディア攪拌ミル
JP2005125192A (ja) セパレータ及び粉砕機
JP2000254535A (ja) 混練粉砕機
JP2008029902A (ja) メディア撹拌ミル
JP4918272B2 (ja) 循環型メディア撹拌ミル
JPH0889835A (ja) 流動性処理物質の有機成分を連続的に分解する方法および装置
KR20230041420A (ko) 음식물 쓰레기 처리기의 분쇄 및 교반수단

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050606

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050929

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Effective date: 20050929

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

A977 Report on retrieval

Effective date: 20071009

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20071023

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20080318

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02