JP3570221B2 - 生ごみ処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は主に家庭の台所で発生する有機物(生ごみや調理排液等)を微生物により分解処理し、下水道管に流す生ごみ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の生ごみ処理装置では、乾燥、減量させるもの、焼却してしまうもの、微生物により分解させるもの、また、粉砕手段等をシンクの下に設け使い勝手を良くしたもの、さらに、粉砕手段で粉砕した有機物を、微生物の生息する分解槽に送り込み、この分解槽内の微生物により有機物を分解する方法も考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の生ごみ処理装置では、乾燥や減量するタイプのものは、処理後の減量された生ごみの廃棄が必要であり、微生物分解するものはかなり大型の浄化槽タイプのものであり、台所シンクの下に設置できる大きさでなかった。微生物分解タイプの装置を小型化するためには、有機物の分解能力や分解速度を高めるため、どうしても好気性微生物により有機物を分解させる好気性微生物分解が必須となる。しかし、好気性微生物分解では、分解には必ず酸素(空気)を必要とし、さらに、シンク下に収納できるくらい分解槽全体を小さく構成するためには、生息する微生物量を増やす必要がある。そのため、微生物の生息する分解槽内ろ材の比表面積を大きくする必要があった。しかし、比表面積を大きくすると、増殖した微生物により空気との接触が絶たれるという問題が起こり、かえって分解性能を低下しやすいものであった。
【0004】
そこで、特願平08−322781号公報に記載した、横円筒型の分解槽にろ材を満たし、分解槽を適宜回転させることにより、微生物が増殖しても空気と常に接触できる方式を考案し小型化を可能にしている。しかし、この方式では、粉砕手段とつながる調整槽を分解槽の上方に位置させているため全体の高さが高くなり、粉砕手段から生ごみを搬送する場合、自然には落下せず、何らかの搬送手段を用いなければならず、高さが高くなり、シンク下に設置できなくなる場合が多くなる。また、調整槽は面状の小孔のあいた仕切部に生ごみがためられ、分解槽に落下してゆくが、その落下の状態は、分解槽に均一に落下する事は少なく、分解槽に均一に有機物(生ごみ等)を供給できないため、微生物の分解も効率よく行われているいるとは言い難い。
【0005】
本発明は、このような生ごみ処理装置の課題を解決し、微生物の分解性能を向上させるとともに、生ごみ処理装置の小型化を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、生ごみを粉砕する手段と、内部に微生物を着床させるろ材を満たし、外周部に多数の小孔を設けた分解槽と、この分解槽の回転駆動手段と、前記分解槽からの処理水を貯留し、下水道管とつながる水槽と、水槽内の排水を前記分解槽に送る循環ポンプ装置とを備え、横円筒型の分解槽内部には、外周部に多数の小孔を有し、前記粉砕手段とつながる調整槽を配したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、生ごみを粉砕する手段と、内部に微生物を着床させるろ材を満たし、外周部に多数の小孔を設けた分解槽と、この分解槽の回転駆動手段と、前記分解槽からの処理水を貯留し、下水道管とつながる水槽と、水槽内の排水を前記分解槽に送る循環ポンプ装置とを備え、横円筒型の分解槽内部には、外周部に多数の小孔を有し、前記粉砕手段とつながる調整槽を配したものである。
【0008】
このように、生ごみ等の有機物を微生物により分解するための分解槽内部に、粉砕手段とつながる調整槽を設け、分解槽及び調整槽を回転駆動手段で回転駆動させることにより、調整槽の有機物が確実に分解槽を通過し、しかも調整槽全体が回転するため、有機物が均一に分解槽に分散されやすくなり、分解される効率が高くなるため、より小型化できるものである。また、調整槽の位置が低くなるため、分解槽を大きくしても粉砕手段からの有機物の搬送に機械力を使用しなくてもよく、生ごみ処理装置全体の小型化が可能となる。
【0009】
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の分解槽及び調整槽を横円筒型とし、前記調整槽内に固定翼を設けたもので、この固定翼により粉砕された生ごみをさらに裁断し、微生物により分解されやすい状態にして分解槽へ移行させることができ、分解能力を向上させるものである。
【0010】
本発明の請求項3記載の発明は、請求項2記載の固定翼に関し、この固定翼の調整槽の内周面に近接した部分を螺旋状に構成したもので、この螺旋状部分で粉砕された生ごみを調整槽の長手方向へ順次送ることができ、横円筒型の調整槽や分解槽の長手方向の寸法を大きくしても、生ごみを分解槽全体に分散させることができ、しかも高さを低くして台所シンク下に収納しやすくできるものである。
【0011】
本発明の請求項4記載の発明は、請求項1記載の調整槽内部に粒状の硬質固形物を入れたもので、調整槽を回転させることにより、生ごみが硬質固形物にすりつぶされるようにして粉砕され、微生物による分解能力を高めることが出来るものである。
【0012】
本発明の請求項5記載の発明は、分解槽及び調整槽を横円筒型とし、前記調整槽内に回転翼を設けたもので、この回転翼により、粉砕された生ごみを常に裁断し続けることが出来、微生物による分解能力をさらに高めることが出来るものである。
【0013】
【実施例】
本発明の一実施例を図1、2に基づき説明する。
【0014】
図1、2において、1は流し台で、その上部に設けたシンク2の排水口部3には生ごみを粉砕する粉砕手段4が設けられている。粉砕手段4と生ごみ処理部5は切り換え弁6を有するパイプ7でつながっている。生ごみ処理部5は、横円筒状の分解槽8と、この分解槽8内部に配置した調整槽9と、分解槽8からの処理水を貯留する水槽10で構成されている。調整槽9は横円筒形状とし、分解槽8の内部に同心円状に配され、粉砕手段4とパイプ7を介して接続されている。
【0015】
分解槽8,調整槽9の円筒部11,12はそれぞれ金網状の多数の小孔を有する部材で構成され、回転駆動手段13で一体に回転するようになっている。また、分解槽8には、微生物を生息せるためのろ材14を必要量充填してある。調整槽9内部には、調整槽9の円筒部12の内側に近接して固定翼15が設けられている。この固定翼15は分解槽8及び調整槽9を回転軸支する回転軸を有している。さらに、水槽10の底部16より循環ポンプ17で処理水を分解槽8にもどしている。また、切り換え弁6及び18を介して下水管19にそれぞれつながっている。
【0016】
また、固定翼の他の実施例を図3に示す。図3に示すように、固定翼20の調整槽9の円筒部12に近接した部分は、螺旋状になっているものである。
【0017】
また、図4には、調整槽9の内部に、粒状の硬質固形物21を入れた場合を示している。この粒状硬質固形物21は、金属、セラミック、硬質非分解性樹脂、等が考えられる。
【0018】
以上のように構成された生ごみ処理装置において、その動作を説明する。
台所で発生した生ごみを粉砕手段4に投入し、電源を入れて粉砕しながら水を流し込んでやると、切り換え弁6が切り替わり、粉砕された生ごみや水はパイプ7を通って生ごみ処理部5の調整槽9に入る。粉砕された生ごみは、回転駆動手段13によって、調整槽9内で撹拌され、固定翼15によって、さらに細かく裁断されてゆく。
【0019】
そして、円筒外周部12の金網を通過し、分解槽8内部に入る。分解槽8内に入った生ごみは、ろ材14に付着している微生物によって分解されてゆく。そして、分解してできた水分や、分解しきらなかった有機物は、再度循環ポンプ17により分解槽8に戻され、これを何度も繰り返しているうちに大部分の有機物が分解され、今度は切り換え弁18が下水管19側に切り替わり、下水道に排水される。
【0020】
このとき、この生ごみ処理部5をシンク2の下に設置しようとすれば、調整槽9の位置が分解槽9の内部にあるため、粉砕手段4の方を高くでき、生ごみの搬送を何ら強制手段を用いる必要が無く、自然落下で送ることができる。
【0021】
また、調整槽9で裁断や溶解した生ごみは、必ず分解槽8を通過する構成であり、確実に微生物と接触し、分解されるようになっている。また、調整槽9が回転することにより、固定翼15と調整槽9の円筒外周部12との間で生ごみが微粉砕され、微生物にとって分解しやすい状態になり、全体として有機物の分解速度を上げることが可能となる。
【0022】
さらに、図3の固定翼20のように螺旋状に構成することによって、調整槽9に入った生ごみは調整槽9の回転で順次奥の方へ送られる。このため、調整槽9が長手方向に長くなっても均一に生ごみを分解槽8全体へ送ることができ、同じ容積でも生ごみ処理部5の全体の高さを低く構成できる。
【0023】
また、図4には調整槽9の内部に粒状の硬質固形物21が入っており、調整槽9が回転することによって、この硬質固形物21によりすりつぶされ、微生物に分解されやすい状態にすることができるものである。
【0024】
また、固定翼15に別の回転駆動装置(図示せず)を設け、回転翼とすることにより、調整槽9に入った生ごみの撹拌を随時行うことができ、生ごみの微粉砕時間を短縮することが可能となる。
【0025】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の発明は、生ごみ等の有機物を微生物により分解するための分解槽内に調整槽を設けているので、これら槽を回転駆動させることにより、調整槽の有機物(生ごみ等)が確実に分解槽を通過し、しかも調整槽全体が回転するため、有機物が均一に分解槽に分散されやすくなり、分解される効率が高くなり、より小型化できるものである。
【0026】
また、調整槽の位置が低くなるため、分解槽を大きくしても粉砕手段からの生ごみの搬送に機械力を使用しなくてもよく、生ごみ処理装置全体の小型化が可能となり、台所シンク下へ設置しやすくなるという効果がある。
【0027】
また、本発明の請求項2記載の発明は、横円筒型調整槽内部の円筒外周部内面に近接した固定翼を設けた構成とし、粉砕された生ごみをさらに裁断し、微生物により分解されやすい状態にして分解槽へ移行させることができ、分解能力や速度を向上させ、生ごみ処理装置全体を小型化できると言う効果がある。
【0028】
また、本発明の請求項3記載の発明は、固定翼を螺旋形状としているので、粉砕された生ごみを調整槽の長手方向へ順次送ることができ、そのため、横円筒型調整槽や分解槽の長手方向の寸法を大きくしても、生ごみを分解槽全体に分散させて移行させ、分解槽全体に有機物を分散出来、そのため、同じ容積でも全体の高さを低くして台所シンク下に収納しやすくできると言う効果がある。
【0029】
また、本発明の請求項4記載の発明は、調整槽内部に粒状の硬質固形物を入れた構成とし、調整槽を回転させることにより、粉砕された生ごみをさらに裁断し、微生物による分解能力を高めることが出来るという効果がある。
【0030】
また、本発明の請求項5記載の発明は、横円筒型調整槽内に回転翼を設けることにより、粉砕された生ごみを随時に微細化し続けることが出来、微生物による分解能力や速度をさらに高めることが出来、全体を小型化できるという効果がある。
【0031】
このような処理装置の分解性能を高め、処理部を小さく構成する事により、生ごみ等の発生する台所のシンクで処理が出来、更にメンテナンスや処理後の後始末無を無く、生ごみや台所排水の生物化学的酸素要求量(BOD)等も減らし、直接下水管へ流すことのできるものであり、生ごみ処理の家事作業を大幅に改善するとともに、臭いや運搬時の汁だれで室内を汚す事もないような生ごみ処理装置を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における生ごみ処理装置の断面図
【図2】図1のA−A断面図
【図3】本発明の他の実施例における生ごみ処理装置の断面図
【図4】本発明のさらに他の実施例における生ごみ処理装置の断面図
【符号の説明】
4 粉砕手段
8 分解槽
9 調整槽
10 水槽
13 回転駆動手段
14 ろ材
15 固定翼
17 循環ポンプ
21 粒状硬質固形物
Claims (5)
- 生ごみを粉砕する手段と、内部に微生物を着床させるろ材を満たし、外周部に多数の小孔を設けた分解槽と、この分解槽の回転駆動手段と、前記分解槽からの処理水を貯留し、下水道管とつながる水槽と、水槽内の排水を前記分解槽に送る循環ポンプ装置とを備え、横円筒型の分解槽内部には、外周部に多数の小孔を有し、前記粉砕手段とつながる調整槽を配した生ごみ処理装置。
- 分解槽及び調整槽を横円筒型とし、前記調整槽内に固定翼を設けた請求項1記載の生ごみ処理装置。
- 固定翼は、横円筒型の調整槽の内周面に近接した部分を螺旋状に構成した請求項2記載の生ごみ処理装置。
- 調整槽内部に粒状の硬質固形物を入れた請求項1記載の生ごみ処理装置。
- 分解槽及び調整槽を横円筒型とし、前記調整槽内に回転翼を設けた請求項1記載の生ごみ処理装置。
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP14899298A JP3570221B2 (ja) | 1998-05-29 | 1998-05-29 | 生ごみ処理装置 |
Publications (2)
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