JP2004237157A - 回転塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録膜材料のスピンアウトによるロスを低減させ、膜厚の制御性を向上させることが可能な回転塗布装置を提供する。
【解決手段】円盤状基板の円周または半径方向に塗布タイミング、塗布時間等の制御機構が独立するノズルを複数設け、各ノズルに溶液を送る溶液供給タンクは各ノズルごとに別々であり、各溶液タンクの溶液濃度と溶液を圧送する液圧を個別設定可能にすることで、円盤状基板の回転数に合わせて異なる濃度の溶液を塗布タイミング、塗布濃度、塗布位置を変えて溶液塗布が可能であるため、目的の膜厚を得るための制御性が向上し、膜形成に必要な溶液を適量塗布することが可能である。
【選択図】 図1
【解決手段】円盤状基板の円周または半径方向に塗布タイミング、塗布時間等の制御機構が独立するノズルを複数設け、各ノズルに溶液を送る溶液供給タンクは各ノズルごとに別々であり、各溶液タンクの溶液濃度と溶液を圧送する液圧を個別設定可能にすることで、円盤状基板の回転数に合わせて異なる濃度の溶液を塗布タイミング、塗布濃度、塗布位置を変えて溶液塗布が可能であるため、目的の膜厚を得るための制御性が向上し、膜形成に必要な溶液を適量塗布することが可能である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD、DVDに代表される光ディスク基板上に、色素溶液、紫外線硬化樹脂などの塗料をスピンコート法により塗布し、該塗布溶液で基板上に膜形成する回転塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のスピンコート法を図6に示す。光ディスク基板62を低速回転させた状態で、塗布ノズル61より塗布溶液63を塗布する。一定量の塗布溶液を塗布した後、基板を高速回転させ、基板上に塗布溶液を展延するというものである(特許文献1)。
【0003】
また、複数個のノズルを用いた回転塗布装置として、円盤状基板上の半径方向に複数個のノズルを設けることにより、低速回転でより均一な膜厚が形成可能であり、スピン時間の短縮化が可能であるというものがある(特許文献2)。
【0004】
更に、追記録型光ディスクの生産では、基板の信号記録部分がない最外周部分(半径58〜60mm)についた色素を洗浄する洗浄工程がある。従来の洗浄工程を図7に示した。スピンコート法にて記録膜65を形成した光ディスク基板64を500〜3500rpmで回転させた状態で、洗浄用ノズル66と洗浄用ノズル67より洗浄液69(例えばイソプロピルアルコール)を塗布する。その後5〜20秒で洗浄工程は完了し、洗浄工程後の基板外周部には記録膜65が存在しなくなる。
【0005】
塗布溶液を吸引し、回収する方法として、溶液回収機構を設けることで、塗膜形成と塗膜洗浄を同一装置内で実施可能であり、色素溶液と洗浄液が別々に回収可能であるというものがある(特許文献3)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−339783号公報
【特許文献2】
特開平5−269425号公報
【特許文献3】
特開平11−250511号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のスピンコート法では、塗布溶液、回転速度、回転時間等の制御因子を最適化することによって、基板上へ溶液を展延させ、目的の膜厚を制御していた。このようなスピンコート法では、遠心力を用いて塗布溶液を基板上へ広げるため、塗布溶液の多くは基板の外へスピンアウトしてしまい材料ロスが大きく、また、スピンアウト量を減らすために塗布量を減らすと膜厚の制御性が難しい。
【0008】
また、従来方法では、基板を回転させた状態で溶液を塗布することによって、溶液を塗布している間にも、溶液が基板外周へ移動してしまうため、塗布バラツキが生じてしまうことになる。
【0009】
また、例えば特許文献2に記載された発明は、塗布用ノズルを円盤状基板の半径方向に増やすことによって、塗布時の膜厚の均一性を向上させ、回転速度と回転時間を短縮しているが、各ノズルは異なる半径方向に取り付けられているため、各ノズルの単位面積当たりの塗布量(g/mm2)は異なる(外周の方は塗布面積が大きい)ため、溶液塗布時の均一性には課題があった。また、液温の異なる塗布溶液を異なるノズルから塗布することによって膜厚の制御性を向上させているが、異なる液温の溶液は同一の液圧にて塗布しているため、温度制御のみで膜厚制御を実施するのは困難である。さらに、各々のノズルより塗布する溶液温度を変えてしまうと、スピン中の溶液粘度、溶液の発揮スピードが変化してしまうため、スピン時の膜制御性が失われてしまうという課題があった。
【0010】
更に、特許文献3に記載された発明では、洗浄用溶液の回収機構をスピンコート装置に搭載することで、同一装置内で記録膜形成と記録膜洗浄を可能としているが、洗浄液を使用する洗浄工程をなくすことは難しいと考える。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するものであり、記録膜材料のスピンアウトによるロスを低減し、膜厚の制御性を向上させることが可能な回転塗布装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、円盤状基板の円周または半径方向に塗布タイミング、塗布時間等の制御機構が独立しているノズルを複数設け、各ノズルに溶液を送る溶液供給タンクは各ノズルごとに別々であり、各溶液タンクの溶液濃度と溶液を圧送する液圧を個別設定可能にすることで、円盤状基板の回転数に合わせて異なる濃度の溶液を塗布タイミング、塗布濃度、塗布位置を変えて溶液塗布が可能であるため、目的の膜厚を得るための制御性が向上し、膜形成に必要な溶液を適量塗布することが可能となる。
【0013】
また、ノズルは、円盤状基板上の任意半径、任意の回転速度で回転移動が可能であり、基板を回転させずに溶液塗布が可能であるため、溶液塗布時に塗布バラツキの原因となる溶液移動は起こらない。
【0014】
また、吸引ノズルを設けることで、円盤状基板上で展延中の溶液を回収可能である。円盤状基板の任意の外周部分で溶液を吸引することで、過剰溶液の回収が可能であるのと同時に、円盤状基板の外周部分の未塗布部分をつくることが可能であるため、追記録型光ディスクの生産で洗浄工程が不要となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1及び図2に複数ノズルを有する回転塗布装置の実施形態を示す。
【0016】
図1及び図2において、直径50〜120mm、厚さ0.1〜1.2mmの円盤状の光ディスク基板2を記録面が上向きになるように回転ステージ1に配置する。回転ステージ1には、基板の中心孔をガイドする案内ピン21が配置され、回転中の基板を保持するための吸引溝22が設けられている。
【0017】
このとき、光ディスク基板2を回転速度60〜200rpmで回転させた状態で、光ディスク基板2の半径23mm、180°間隔で円周方向に配置された塗布ノズル3、塗布ノズル4より色素溶液10を0.1〜1.0g塗布する。色素溶液10は、アルコール(例えばテトラフルオロプロパノール)に色素(例えばジアゾ系、シアニン系)を溶かしたものであり、色素重量濃度0.03〜3.0wt%としたものであり、溶液供給タンク12、溶液供給タンク13にチューブ7を通して圧送される。溶液圧はレギュレータ8で制御される。塗布ノズル3、塗布ノズル4からの溶液塗布終了0.5〜10秒後(色素溶液10が光ディスク基板2の半径30〜50mmにある状態の時)に、光ディスク基板2の半径30〜50mm、180°間隔で円周方向に配置された塗布ノズル5、塗布ノズル6より色素溶液11を0.1〜1.0g塗布する。
【0018】
ここで、色素溶液11の濃度は色素溶液10との相対濃度比0.1〜5倍となるように設定する。色素溶液11は溶液供給タンク14、溶液供給タンク15から塗布ノズル5、塗布ノズル6へ圧送され、塗布される。
【0019】
塗布ノズル5と塗布ノズル6の塗布時は、光ディスク基板2の回転速度は60〜200rpmであり、色素溶液10と色素溶液11は光ディスク基板2上で重なり合っての最外周(半径60mm)まで達する。その後、色素溶液の溶媒を乾燥させるために、回転速度500〜3500rpmで3〜20秒間回転させてスピンコートによる膜形成を完了する。
【0020】
また、円周方向におけるノズルの個数は、等間隔に配置可能であればよく、例えば円周方向の60°間隔で6個、90°間隔で4個であっても可能である。
【0021】
また、半径方向におけるノズルの個数についても、個数、配置は不問である。
【0022】
また、ノズルはX、Y、Z方向の移動が可能であり、塗布時に所定の塗布位置に設定可能であれば実施可能である。
【0023】
更に、本実施例では溶液塗布装置として塗布ノズルを挙げたが、溶液供給部分が溶液塗布可能な複数の吐出口ごとに分かれていれば、インクジェットノズル等でも実施可能である。
【0024】
(実施の形態2)
図3は実施の形態1の塗布ノズルと制御機構の模式図を示す。
【0025】
図3において、塗布ノズル31の先端には内径φ0.1mm〜0.5mm、長さ5〜20mmのニードル32を有している。塗布ノズル31はチューブ37(テフロン(登録商標)製:内径φ2〜6mm)で溶液供給タンク34(例えば材質はステンレス製であり、その容積は500mL〜20L)につながっている。溶液供給タンク34より各ノズルへ圧送される溶液量はレギュレータ35で0.01〜0.2MPaで制御可能である。
【0026】
ノズル31内にはエアー圧で上下可動が可能なシリンダ33がある。コントローラ38でエアー圧を送るタイミング、塗布時間(例えば0.1〜30秒)、シリンダ押し上げ量(例えばエアー圧は0.01〜0.5MPa)を調整することが可能である。
【0027】
例えば、ニードル32は内径φ0.26mm(長さ12mm)、レギュレータ35を0.15MPa、チューブ37の内径φ3mm、溶液タンク34の容量3.5Lで、コントローラ38の塗布時間1.5秒、シリンダ押し上げ量0.28MPaにすることで、塗布量0.4g(溶液の比重は1.5とする)となる。
【0028】
(実施の形態3)
図4は円周方向に移動可能なノズルの模式図を示す。
【0029】
図4において、塗布ノズル41は、ネジ等で固定部46に固定されており固定部46が取り付けられている円板42は回転軸43を中心に回転する。モータ等で回転軸43を5〜500rpmで回転させた状態で、塗布ノズル41から溶液塗布することで、基板上に円状に溶液塗布が可能である。溶液塗布後の基板は図2に示すような回転ステージ上で500〜3500rpmで5〜20秒間回転させることで、膜形成が可能である。チューブ45は溶液用、チューブ44はシリンダ駆動用であり、円板42の内部を通って溶液供給タンク、エアー供給部と連結している。
【0030】
また、本実施例では塗布ノズルが円板に固定している状態で示したが、円板43上の半径方向にガイド等で移動可能の場合であっても実施可能である。
【0031】
(実施の形態4)
図5は吸引ノズルの断面図を示す。
【0032】
図5において、吸引ノズル51の先端にはニードル55(内径φ0.1mm〜0.5mm、長さ5〜20mm)が取り付けられている。吸引ノズル51はトラップ52を介し真空ポンプへとつながっている。トラップ52は吸引ノズル51より吸引した溶液が真空ポンプ内への流れ込みを防ぐ役割をしている。
【0033】
例えば、スピンコート法を用いた色素溶液塗布において、光ディスク基板53を180rpmで回転させた状態で、半径23mmの位置へ色素溶液を0.3g塗布する。半径23mmに塗布された色素溶液は、真円を描きながら外周へと広がる。色素溶液は、溶液塗布後5〜10秒程度で半径60mm(最外周)まで広がってしまうため、それよりも早いタイミング(例えば、塗布終了後2〜3秒後)で吸引ノズル51を光ディスク基板53の半径58mm、基板とニードルとの距離0.5〜3mmの位置まで移動させる。
【0034】
半径58mmのところまで広がってきた移動中色素溶液57は吸引ノズル51に吸引される。吸引された色素溶液57は溶液回収タンク52の底に回収溶液54として溜まる。移動中色素溶液57を回収された光ディスク基板53は、基板上に移動可能な溶液が残らなくなるため、その後のスピン条件によらず半径58mmより外周部分に未塗布部分を有した状態でスピンコートによる膜形成を完了する。
【0035】
また、本実施の形態では吸引ノズルが1個の例で示したが、吸引ノズルを複数設置しても実施可能である。また、吸引ノズルは特定の位置に固定、または移動可能な場合も実施可能である。
【0036】
【発明の効果】
本発明回転塗布装置によると、少量の塗布溶液で膜厚の制御性を向上させることができるうえに追記録型光ディスクの洗浄工程が不要とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を示す側面図
【図2】本発明の実施の形態1を示す模式図
【図3】本発明の実施の形態2を示す模式図
【図4】本発明の実施の形態3を示す模式図
【図5】本発明の実施の形態4を示す断面図
【図6】従来のスピンコート法を示す模式図
【図7】従来の洗浄工程を示す断面図
【符号の説明】
1 回転ステージ
2 光ディスク基板
3、4、5、6 塗布ノズル
7 チューブ
8 レギュレータ
10、11 色素溶液
12、13、14、15 溶液供給タンク
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD、DVDに代表される光ディスク基板上に、色素溶液、紫外線硬化樹脂などの塗料をスピンコート法により塗布し、該塗布溶液で基板上に膜形成する回転塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のスピンコート法を図6に示す。光ディスク基板62を低速回転させた状態で、塗布ノズル61より塗布溶液63を塗布する。一定量の塗布溶液を塗布した後、基板を高速回転させ、基板上に塗布溶液を展延するというものである(特許文献1)。
【0003】
また、複数個のノズルを用いた回転塗布装置として、円盤状基板上の半径方向に複数個のノズルを設けることにより、低速回転でより均一な膜厚が形成可能であり、スピン時間の短縮化が可能であるというものがある(特許文献2)。
【0004】
更に、追記録型光ディスクの生産では、基板の信号記録部分がない最外周部分(半径58〜60mm)についた色素を洗浄する洗浄工程がある。従来の洗浄工程を図7に示した。スピンコート法にて記録膜65を形成した光ディスク基板64を500〜3500rpmで回転させた状態で、洗浄用ノズル66と洗浄用ノズル67より洗浄液69(例えばイソプロピルアルコール)を塗布する。その後5〜20秒で洗浄工程は完了し、洗浄工程後の基板外周部には記録膜65が存在しなくなる。
【0005】
塗布溶液を吸引し、回収する方法として、溶液回収機構を設けることで、塗膜形成と塗膜洗浄を同一装置内で実施可能であり、色素溶液と洗浄液が別々に回収可能であるというものがある(特許文献3)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−339783号公報
【特許文献2】
特開平5−269425号公報
【特許文献3】
特開平11−250511号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のスピンコート法では、塗布溶液、回転速度、回転時間等の制御因子を最適化することによって、基板上へ溶液を展延させ、目的の膜厚を制御していた。このようなスピンコート法では、遠心力を用いて塗布溶液を基板上へ広げるため、塗布溶液の多くは基板の外へスピンアウトしてしまい材料ロスが大きく、また、スピンアウト量を減らすために塗布量を減らすと膜厚の制御性が難しい。
【0008】
また、従来方法では、基板を回転させた状態で溶液を塗布することによって、溶液を塗布している間にも、溶液が基板外周へ移動してしまうため、塗布バラツキが生じてしまうことになる。
【0009】
また、例えば特許文献2に記載された発明は、塗布用ノズルを円盤状基板の半径方向に増やすことによって、塗布時の膜厚の均一性を向上させ、回転速度と回転時間を短縮しているが、各ノズルは異なる半径方向に取り付けられているため、各ノズルの単位面積当たりの塗布量(g/mm2)は異なる(外周の方は塗布面積が大きい)ため、溶液塗布時の均一性には課題があった。また、液温の異なる塗布溶液を異なるノズルから塗布することによって膜厚の制御性を向上させているが、異なる液温の溶液は同一の液圧にて塗布しているため、温度制御のみで膜厚制御を実施するのは困難である。さらに、各々のノズルより塗布する溶液温度を変えてしまうと、スピン中の溶液粘度、溶液の発揮スピードが変化してしまうため、スピン時の膜制御性が失われてしまうという課題があった。
【0010】
更に、特許文献3に記載された発明では、洗浄用溶液の回収機構をスピンコート装置に搭載することで、同一装置内で記録膜形成と記録膜洗浄を可能としているが、洗浄液を使用する洗浄工程をなくすことは難しいと考える。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するものであり、記録膜材料のスピンアウトによるロスを低減し、膜厚の制御性を向上させることが可能な回転塗布装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、円盤状基板の円周または半径方向に塗布タイミング、塗布時間等の制御機構が独立しているノズルを複数設け、各ノズルに溶液を送る溶液供給タンクは各ノズルごとに別々であり、各溶液タンクの溶液濃度と溶液を圧送する液圧を個別設定可能にすることで、円盤状基板の回転数に合わせて異なる濃度の溶液を塗布タイミング、塗布濃度、塗布位置を変えて溶液塗布が可能であるため、目的の膜厚を得るための制御性が向上し、膜形成に必要な溶液を適量塗布することが可能となる。
【0013】
また、ノズルは、円盤状基板上の任意半径、任意の回転速度で回転移動が可能であり、基板を回転させずに溶液塗布が可能であるため、溶液塗布時に塗布バラツキの原因となる溶液移動は起こらない。
【0014】
また、吸引ノズルを設けることで、円盤状基板上で展延中の溶液を回収可能である。円盤状基板の任意の外周部分で溶液を吸引することで、過剰溶液の回収が可能であるのと同時に、円盤状基板の外周部分の未塗布部分をつくることが可能であるため、追記録型光ディスクの生産で洗浄工程が不要となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1及び図2に複数ノズルを有する回転塗布装置の実施形態を示す。
【0016】
図1及び図2において、直径50〜120mm、厚さ0.1〜1.2mmの円盤状の光ディスク基板2を記録面が上向きになるように回転ステージ1に配置する。回転ステージ1には、基板の中心孔をガイドする案内ピン21が配置され、回転中の基板を保持するための吸引溝22が設けられている。
【0017】
このとき、光ディスク基板2を回転速度60〜200rpmで回転させた状態で、光ディスク基板2の半径23mm、180°間隔で円周方向に配置された塗布ノズル3、塗布ノズル4より色素溶液10を0.1〜1.0g塗布する。色素溶液10は、アルコール(例えばテトラフルオロプロパノール)に色素(例えばジアゾ系、シアニン系)を溶かしたものであり、色素重量濃度0.03〜3.0wt%としたものであり、溶液供給タンク12、溶液供給タンク13にチューブ7を通して圧送される。溶液圧はレギュレータ8で制御される。塗布ノズル3、塗布ノズル4からの溶液塗布終了0.5〜10秒後(色素溶液10が光ディスク基板2の半径30〜50mmにある状態の時)に、光ディスク基板2の半径30〜50mm、180°間隔で円周方向に配置された塗布ノズル5、塗布ノズル6より色素溶液11を0.1〜1.0g塗布する。
【0018】
ここで、色素溶液11の濃度は色素溶液10との相対濃度比0.1〜5倍となるように設定する。色素溶液11は溶液供給タンク14、溶液供給タンク15から塗布ノズル5、塗布ノズル6へ圧送され、塗布される。
【0019】
塗布ノズル5と塗布ノズル6の塗布時は、光ディスク基板2の回転速度は60〜200rpmであり、色素溶液10と色素溶液11は光ディスク基板2上で重なり合っての最外周(半径60mm)まで達する。その後、色素溶液の溶媒を乾燥させるために、回転速度500〜3500rpmで3〜20秒間回転させてスピンコートによる膜形成を完了する。
【0020】
また、円周方向におけるノズルの個数は、等間隔に配置可能であればよく、例えば円周方向の60°間隔で6個、90°間隔で4個であっても可能である。
【0021】
また、半径方向におけるノズルの個数についても、個数、配置は不問である。
【0022】
また、ノズルはX、Y、Z方向の移動が可能であり、塗布時に所定の塗布位置に設定可能であれば実施可能である。
【0023】
更に、本実施例では溶液塗布装置として塗布ノズルを挙げたが、溶液供給部分が溶液塗布可能な複数の吐出口ごとに分かれていれば、インクジェットノズル等でも実施可能である。
【0024】
(実施の形態2)
図3は実施の形態1の塗布ノズルと制御機構の模式図を示す。
【0025】
図3において、塗布ノズル31の先端には内径φ0.1mm〜0.5mm、長さ5〜20mmのニードル32を有している。塗布ノズル31はチューブ37(テフロン(登録商標)製:内径φ2〜6mm)で溶液供給タンク34(例えば材質はステンレス製であり、その容積は500mL〜20L)につながっている。溶液供給タンク34より各ノズルへ圧送される溶液量はレギュレータ35で0.01〜0.2MPaで制御可能である。
【0026】
ノズル31内にはエアー圧で上下可動が可能なシリンダ33がある。コントローラ38でエアー圧を送るタイミング、塗布時間(例えば0.1〜30秒)、シリンダ押し上げ量(例えばエアー圧は0.01〜0.5MPa)を調整することが可能である。
【0027】
例えば、ニードル32は内径φ0.26mm(長さ12mm)、レギュレータ35を0.15MPa、チューブ37の内径φ3mm、溶液タンク34の容量3.5Lで、コントローラ38の塗布時間1.5秒、シリンダ押し上げ量0.28MPaにすることで、塗布量0.4g(溶液の比重は1.5とする)となる。
【0028】
(実施の形態3)
図4は円周方向に移動可能なノズルの模式図を示す。
【0029】
図4において、塗布ノズル41は、ネジ等で固定部46に固定されており固定部46が取り付けられている円板42は回転軸43を中心に回転する。モータ等で回転軸43を5〜500rpmで回転させた状態で、塗布ノズル41から溶液塗布することで、基板上に円状に溶液塗布が可能である。溶液塗布後の基板は図2に示すような回転ステージ上で500〜3500rpmで5〜20秒間回転させることで、膜形成が可能である。チューブ45は溶液用、チューブ44はシリンダ駆動用であり、円板42の内部を通って溶液供給タンク、エアー供給部と連結している。
【0030】
また、本実施例では塗布ノズルが円板に固定している状態で示したが、円板43上の半径方向にガイド等で移動可能の場合であっても実施可能である。
【0031】
(実施の形態4)
図5は吸引ノズルの断面図を示す。
【0032】
図5において、吸引ノズル51の先端にはニードル55(内径φ0.1mm〜0.5mm、長さ5〜20mm)が取り付けられている。吸引ノズル51はトラップ52を介し真空ポンプへとつながっている。トラップ52は吸引ノズル51より吸引した溶液が真空ポンプ内への流れ込みを防ぐ役割をしている。
【0033】
例えば、スピンコート法を用いた色素溶液塗布において、光ディスク基板53を180rpmで回転させた状態で、半径23mmの位置へ色素溶液を0.3g塗布する。半径23mmに塗布された色素溶液は、真円を描きながら外周へと広がる。色素溶液は、溶液塗布後5〜10秒程度で半径60mm(最外周)まで広がってしまうため、それよりも早いタイミング(例えば、塗布終了後2〜3秒後)で吸引ノズル51を光ディスク基板53の半径58mm、基板とニードルとの距離0.5〜3mmの位置まで移動させる。
【0034】
半径58mmのところまで広がってきた移動中色素溶液57は吸引ノズル51に吸引される。吸引された色素溶液57は溶液回収タンク52の底に回収溶液54として溜まる。移動中色素溶液57を回収された光ディスク基板53は、基板上に移動可能な溶液が残らなくなるため、その後のスピン条件によらず半径58mmより外周部分に未塗布部分を有した状態でスピンコートによる膜形成を完了する。
【0035】
また、本実施の形態では吸引ノズルが1個の例で示したが、吸引ノズルを複数設置しても実施可能である。また、吸引ノズルは特定の位置に固定、または移動可能な場合も実施可能である。
【0036】
【発明の効果】
本発明回転塗布装置によると、少量の塗布溶液で膜厚の制御性を向上させることができるうえに追記録型光ディスクの洗浄工程が不要とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を示す側面図
【図2】本発明の実施の形態1を示す模式図
【図3】本発明の実施の形態2を示す模式図
【図4】本発明の実施の形態3を示す模式図
【図5】本発明の実施の形態4を示す断面図
【図6】従来のスピンコート法を示す模式図
【図7】従来の洗浄工程を示す断面図
【符号の説明】
1 回転ステージ
2 光ディスク基板
3、4、5、6 塗布ノズル
7 チューブ
8 レギュレータ
10、11 色素溶液
12、13、14、15 溶液供給タンク
Claims (5)
- 円盤状基板に塗料をスピンコート法によって塗布する回転塗布装置において、塗布用ノズルが前記円盤状基板の円周方向もしくは半径方向に複数個配置され、各ノズルは前記円盤状基板上で円周方向に移動可能であり、前記円盤状基板上の塗料を回収する吸引ノズルを有すことを特徴とする回転塗布装置。
- 塗料は、色素を溶媒で溶解させた色素溶液であり、円盤状基板上に前記色素溶液で記録膜を形成することを特徴とする請求項1記載の回転塗布装置。
- 複数個のノズルは、各々が異なる溶液供給タンクにつながっており、溶液濃度、溶液圧力、塗布時間、ノズル径を個別に設定可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の回転塗布装置。
- ノズルは円盤状基板上を任意の半径で回転移動し、回転速度は1rpm〜500rpmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の回転塗布装置。
- 吸引ノズルは円盤状基板上を移動可能であり、スピン中の前記円盤状基板上の塗料を任意のポイントで吸引し、前記円盤状基板の外周部分に未塗布部分を形成することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の回転塗布装置。
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