JP2004236433A - 制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】同期電動機の可動部(ロータ又は可動子)の位置や速度を検出するセンサで磁極位置を検出する際に、動作状態を監視し、対応する処理を行う。
【解決手段】タンデム制御ではないときは、電動機のPWMをイネーブルとして、磁極位置検出動作を開始させ、位置のフードバックによって動作異常を検出する(118〜124)。タンデム制御で位置検出器が2つの場合には、マスタ、スレーブの電動機の一方をフリー状態とし、他方に磁極位置検出動作をさせ、位置のフードバックによって動作異常を検出する(110〜117、120〜124)。タンデム制御で位置検出器が1つの場合には、マスタ軸、スレーブ軸の電動機の相対磁極位置ずれを調整し、同時に磁極位置検出動作をさせ位置フードバックによって動作異常を検出する(103〜109)。磁極位置検出動作の異常を検出できる。タンデム制御でも磁極位置検出動作中に機械のたわみ、ねじれを防止し正常に磁極検出できる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同期電動機の制御装置に関し、特に、同期電動機の可動部(回転式同期電動機においてはロータ、同期リニアモータにおいては可動子)の磁極位置検出ができる制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
同期電動機においては、ロータの磁極位置を検出し励磁位相を決定して電流を流すように制御することから、可動部の磁極位置を検出する必要がある。従来、この磁極位置を検出するために、磁極位置検出専用のエンコーダやレゾルバ、ホール素子などのセンサが用いられていた。この磁極位置検出専用のエンコーダやレゾルバなどのセンサは高価である。又、センサと電動機の磁極位置との位置合わせを行う必要があり、このセンサ取り付け作業も困難で、電動機の生産性を悪化させていた。
【0003】
そこで、磁極位置検出専用のセンサを備えなくても、ロータの位置や速度を検出する位置検出器や速度検出器等のセンサを用いて、磁極位置を検出するようにした検出方法が開発されている。この方法は、所定励磁位相に直流を印加し、このとき移動する可動部の移動方向を検出し、ロータの磁極位置を推定し、この推定磁極位置に基づいて次回の励磁位相を特定して直流電流を印加する。この動作を繰り返すことにより、ロータの磁極位置を検出するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−78487号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
磁極位置検出専用のセンサを備えず、ロータの位置や速度を検出するセンサ、同期リニアモータにおいては可動子の位置や速度を検出するセンサを利用して磁極位置を検出する方法では、所定励磁位相に直流を印加し、可動部の移動方向によって、磁極位置を推定するものであるが、直流電流を印加したとき、ロータの移動は所定範囲内であるべきにも拘わらず、大きく移動し、動作異常を生じることがある。
【0006】
特に、2台以上の電動機で1つの軸、すなわち1つの被駆動体を駆動するタンデム制御において、どちらか一方の電動機しか、位置や速度を検出するセンサを持たない場合には、この一方の電動機に取り付けられたセンサによって、磁極位置を検出する場合、この一方の電動機と他の電動機の磁極位置が相違する等の原因によって、2台以上の電動機で駆動される軸(被駆動体)がねじれたり、たわみを生じたりすることによって、正しい磁極位置を検出できない場合がある。 そこで、本発明の目的は、同期電動機の可動部(ロータ又は可動子)の位置や速度を検出するセンサによって磁極位置を検出する際に、動作状態を監視して、動作異常を検出するとともに、前記タンデム制御の例においても正しい磁極位置検出ができる制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1に係わる発明は、磁極を配したロータと、励磁巻線を施したステータと、ロータ位置又は速度を検出するセンサとを有する同期電動機を駆動制御すると共にステータの所定励磁位相に電流を印加して前記磁極位置を検出する電動機制御部と、該電動機制御部に指令を与えて数値制御する数値制御部とからなる制御装置において、前記数値制御部は前記電動機制御部に対して磁極位置検出の開始指令を出力し、前記電動機制御部は前記開始指令に基づき磁極位置検出を開始すると共に、前記数値制御部に対して磁極位置検出状態を通知し、前記数値制御部は通知された磁極位置検出状態に基づいて正常動作や動作異常を判断し、対応する処理を行うようにした。又、請求項2に係わる発明は、前記動作異常を検出したとき、検出動作を停止してアラームを表示するようにした。
【0008】
さらに、請求項3に係わる発明は、2台以上の同期電動機によって1つの被駆動体を駆動制御するための複数の前記電動機制御部と前記数値制御部とで構成された制御装置であるとき、前記数値制御部から前記複数の電動機制御部のいずれかの電動機制御部に対して磁極位置検出の開始指令を出力して磁極位置検出を有効とさせると共に、その他の電動機制御部に対して電動機の励磁を解かせ、磁極検出を行う側の電動機制御部への干渉を無くし、前記所定の電動機制御部のみで磁極検出を行わせ、請求項1、請求項2に係わる発明のように磁極位置検出の動作異常を検出するようにした。
【0009】
請求項4に係わる発明は、2台以上の同期電動機によって1つの被駆動体を駆動制御するための複数の前記電動機制御部と前記数値制御部とで構成された制御装置であるとき、前記数値制御部から前記複数の電動機制御部に対して磁極位置検出の開始指令を出力して磁極位置検出を同時に有効とさせるようにして、請求項1、請求項2に係わる発明のように磁極位置検出の動作異常を検出するようにした。さらに、請求項5に係わる発明は、前記2台以上の同期電動機における磁極位置の相互のずれを記憶させた記憶装置を具備し、前記複数の電動機制御部は磁極位置検出開始時に前記記憶装置に記憶された磁極位置の相互のずれを読み出して磁極位置検出を行うようにした。
【0010】
又、請求項6に係わる発明は、磁極を配したロータと,励磁巻線を施したステータと、ロータ位置を検出するセンサとを有する同期電動機の代わりに、固定子もしくは可動子の一方に磁極を配置し他方に励磁巻線を施し、可動子の位置を検出するセンサを備えた同期リニアモータを用い、これら同期リニアモータを制御する制御装置においても上述した請求項1〜請求項5と同様に、磁極位置検出の動作異常を検出するようにした。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態のブロック図である。この実施形態では、2つの同期リニアモータによって、被駆動体である1つのテーブルを駆動するタンデム制御において、各同期リニアモータに設けられた位置・速度を検出するリニアスケールによって、磁極位置を検出するものである。
【0012】
本実施形態は、数値制御装置で構成される数値制御部1、マスタ軸の同期リニアモータ4mを駆動制御する電動機制御部を構成するマスタ制御部2m、及びスレーブ軸の同期リニアモータ4sを駆動制御する電動機制御部を構成するスレーブ制御部2s、及びマスタアンプ3m、スレーブアンプ3sで構成されている。マスタ軸の同期リニアモータ4mは、固定子5mと可動子6mで構成され、又、スレーブ軸の同期リニアモータ4sは、固定子5sと可動子6sで構成されている。固定子5m,5sと可動子6m,6sの一方に磁極、他方に励磁巻線が施されている。この図1に示す実施形態では、固定子5m,5sに磁極が設けられ、可動子6m,6sに励磁巻線が施されている。
【0013】
さらに、マスタ軸、スレーブ軸には、可動子6m,6sの位置・速度を検出するリニアスケール7m,7sがそれぞれ設けられ、該リニアスケール7m,7sで検出された位置・速度は、それぞれマスタ制御部2m、スレーブ制御部2sにフィードバックされている。又、各可動子6m,6sには、被駆動体のテーブル8が取り付けられている。
【0014】
数値制御部1からは、移動指令がマスタ制御部2m,スレーブ制御部2sに出力され、該移動指令に基いて各マスタ制御部2m,スレーブ制御部2sはそれぞれのマスタアンプ3m、スレーブアンプ3sを介して同期リニアモータ4m,4sを駆動制御して、各可動子6m、6sに取り付けられたテーブル8を同期して駆動制御する。
【0015】
特に、本発明に関連して、数値制御部1からマスタ制御部2m及びスレーブ制御部2sに、磁極位置検出のための磁極検出開始信号、マスタアンプ3m、スレーブアンプ3sへのPWM信号をイネーブルするように指令するイネーブル信号が出力される。又、マスタ制御部2m及びスレーブ制御部2sは、数値制御部1に、磁極位置検出中を示す信号、磁極位置検出完了を示す信号、及び、リニアスケール7m,7sからフィードバックされてくる位置フィードバック信号をも出力している。
【0016】
数値制御部1は、マスタ制御部2m及びスレーブ制御部2sに、磁極検出開始信号、イネーブル信号を出力することによって、マスタ制御部2m及びスレーブ制御部2sで実行される磁極位置検出処理を制御し、又、このマスタ制御部2m及びスレーブ制御部2sから送り返されてくる磁極位置検出中信号、位置フィードバック信号に基づいて、磁極位置検出完了信号が送り返されてくるまで、磁極位置検出動作を監視し、動作異常と判断したときには、磁極位置検出動作を停止させると共にアラーム等を出力するようにしている。
【0017】
図2は、数値制御部1のプロセッサが行う磁極位置検出動作を管理及び監視するための処理フローチャートである。
この図2に示す例は、この数値制御部1が適用される各種システムに適用できるように構成されており、磁極位置検出手段(センサ)の有無や複数の同期電動機が接続されるタンデム制御の場合においても、磁極位置検出の管理、監視ができるようにしている。
【0018】
数値制御部1に磁極位置検出指令が入力されると、数値制御部1のプロセッサは、まず、該数値制御部1に接続された同期電動機が磁極位置を検出するセンサを備えているものか否か判断し(ステップ100)、備えているものであれば磁極位置検出処理は必要がないから、このまま終了する。一方、同期電動機に磁極位置を検出するセンサを備えるものでなければ、複数の同期電動機で1つの被駆動体を駆動制御するタンデム制御か否か判断する(ステップ101)。
【0019】
図1に示す実施形態においては、被駆動体のテーブル8を2つの同期リニアモータ4m,4sで同期駆動するものであるから、タンデム制御と判断され、次に位置検出のためのスケールが1つか、2つ以上か判断される(ステップ102)。この図1に示した実施形態では、リニアスケールが2本あることから、ステップ110に移行し、まず、マスタ制御部2mに対してはイネーブル信号をON、スレーブ制御部2sに対してはイネーブル信号をOFFと指令する。これにより、マスタ制御部2mは、同期リニアモータ4mを駆動するマスタアンプ3mへのPWM信号をON状態にし、かつ、スレーブ制御部2sは、スレーブアンプ3sへのPWM信号をOFF状態にすることによって、スレーブ軸の同期リニアモータ4sは励磁が解かれ、自由に移動可能なフリー状態とする。
【0020】
そして、数値制御部1のプロセッサはマスタ制御部2mに磁極位置検出開始指令を出力する(ステップ111)。この磁極位置検出開始指令を受けてマスタ制御部2mのプロセッサは、前述した特許文献1等に示された磁極位置検出動作処理を開始する。
【0021】
数値制御部1のプロセッサは、マスタ制御部2mから、磁極位置検出中信号が送信されてくるまで待ち(ステップ112)、該磁極位置検出中信号を受信すると、マスタ制御部2mから送られてくる位置フィードバック信号を監視し、所定時間における移動が所定値以内か、所定値以上で異常動作か、及び検出完了信号が送られてきたかの判断を繰り返し行い(ステップ113〜115)、磁極位置検出動作を監視する。
【0022】
図1に示すように、マスタ軸及びスレーブ軸の各同期リニアモータ4m,4sの可動子6m,6sはテーブル8に結合されているが、スレーブ軸を駆動する同期リニアモータ4sはPWM信号がOFF状態、すなわちディセーブル状態となって励磁が解かれていることから、マスタ軸を駆動する同期リニアモータ4mの可動子6mが磁極位置検出動作のために移動したとき、テーブル8及びスレーブ軸の同期リニアモータ4sの可動子6sも共に移動し、テーブル8や、マスタ軸やスレーブ軸の伝動機構にねじれやたわみが発生することはない。
【0023】
ステップ113〜115の処理を繰り返し実行して、磁極位置検出動作を監視し、位置フィードバック信号によって可動子5mの移動が所定値以上で異常動作と判断されたときには、ステップ123に移行して、イネーブルOFFをマスタ制御部2mに出力し、かつアラームを出力して、表示手段等で磁極位置検出動作異常のアラームを表示する。又、イネーブルOFFを受けたマスタ制御部2mは、PWM信号をディセーブル状態として、可動子6mを自由に移動できるフリーの状態として、この磁極位置検出動作処理を終了する。
【0024】
一方、異常が検出されず、磁極位置検出完了信号がマスタ制御部2mから送られてくると、数値制御部1のプロセッサは、マスタ制御部2mに対してはイネーブル信号をOFF、スレーブ制御部2sに対してはイネーブル信号をONと指令する。これにより、マスタ制御部2mは、PWM信号をOFF状態(ディセーブル状態)にし、マスタ軸の同期リニアモータ4mの可動子6mを自由に移動可能なフリー状態とする。スレーブ制御部2sは、スレーブアンプ3sへのPWM信号をON状態にすることによって、スレーブ軸の同期リニアモータ4sの磁極位置検出動作を可能にする(ステップ116)。
【0025】
次に、スレーブ制御部2sに対して磁極位置開始指令信号を出力する(ステップ117)。スレーブ制御部2sはこの磁極位置開始指令信号を受けて、磁極位置検出動作処理を開始する。そして、数値制御部1のプロセッサは、スレーブ制御部2sから送られてくる磁極位置検出中の信号を受けて(ステップ120)、ステップ112〜115と同一のステップ121〜124の異常検出処理を、磁極位置検出完了信号がスレーブ制御部2sから送られてくるまで繰り返し実行する。そして前述したように、送られてくる位置フードバック信号による可動子6sの所定時間内における移動量が大きい場合には、磁極位置検出処理動作異常として、アラームを出力すると共に、イネーブルOFFをスレーブ制御部に出力し磁極位置検出動作を不能にする。
【0026】
又、異常が検出されずスレーブ制御部2sから磁極位置検出完了信号が送られてくれば、この磁極位置検出動作管理・監視処理を終了する。このスレーブ軸を駆動するリニアモータ4sの磁極検出動作においても、マスタ軸のリニアモータ4mはPWMがOFFとなり励磁が解かれているので、その可動子6mは自由に移動できる状態であり、テーブル8等の機械にねじれやたわみを発生させることはない。
【0027】
以上が図1に示した本発明のタンデム制御を実行する実施形態における磁極位置検出動作管理・監視処理動作である。
一方、タンデム制御でないとき、同期電動機は単独で被駆動体を駆動するものであるから、他の同期電動機との関係を考慮する必要がないので、この場合には、まず、イネーブル信号をONとして同期電動機を駆動するアンプへのPWM信号をON状態にし(ステップ118)、磁極位置検出開始指令信号をONとして、該同期電動機を駆動制御する制御部に磁極位置検出処理動作を開始させる(ステップ119)。そして、数値制御部1のプロセッサは、前述したステップ120以下の処理を実行し、磁極位置検出動作を監視する。
【0028】
また、数値制御部1がタンデム制御を行うものであり、かつ、スケールが1本と判断された場合(ステップ102)、この場合は、複数の同期電動機で被駆動体を同期して駆動するにも拘わらず、位置や速度を検出する検出器は1つしかないものである。例えば、図1において、マスタ軸に対してのみリニアスケール7mが設けられ、スレーブ軸に対してはリニアスケール7sが設けられていない場合である。以下、このようなマスタ軸に対してのみリニアスケール7mが設けられているものとして説明する。
【0029】
まず、マスタ制御部2m、スレーブ制御部2sにイネーブル信号ONを出力する。これにより、マスタ制御部2m及びスレーブ制御部2sはPWM信号をイネーブル状態として、マスタ及びスレーブの同期リニアモータを稼働可能の状態にする(ステップ103)。
【0030】
次に、マスタ制御部2m、スレーブ制御部2sに磁極位置検出開始指令信号を出力し(ステップ104)、マスタ制御部2m及びスレーブ制御部2sからの磁極位置検出中の信号を待ち、該信号を受けると(ステップ105)、それぞれマスタ軸、スレーブ軸に対して、ステップ106〜109で示す磁極位置検出動作の異常検出、監視処理を行う。なお、このステップ106〜109で示す磁極位置検出動作の異常検出、監視処理は前述したステップ113〜115,及び、ステップ121〜124と同等であるが、相違する点は、マスタ制御部2m又はスレーブ制御部2sのいずれかにおいて、動作異常が検出されたときには、マスタ制御部2m、スレーブ制御部2sに対してイネーブルOFFを出力し、PWM信号をディセーブルとして、両同期リニアモータ4m,4sをフリーの状態とし、磁極位置検出動作を停止する。又、アラーム信号を出力し、磁極位置検出動作異常が発生したことを知らせる。
【0031】
又、異常が検出されず、マスタ制御部2m及びスレーブ制御部2sから磁極位置検出完了の信号が送られてくれば、この磁極位置検出動作管理・監視処理を終了する。なお、このスケールが1つしか備えていないタンデム制御においては、上述したように、マスタ軸、スレーブ軸の同期電動機(同期リニアモータ)を同時に駆動して磁極位置検出処理を行うので、マスタ軸、スレーブ軸の同期電動機(同期リニアモータ)の磁極位置の相対的ずれがないように調整しておく必要がある。相対的なずれがなければ、磁極位置検出動作中、マスタ軸、スレーブ軸の同期電動機(同期リニアモータ)4m,4sは、同期して動作するから問題はない。しかし、このマスタ軸、スレーブ軸の同期電動機(同期リニアモータ)4m,4sの磁極位置が相対的にずれている場合には、予めこの相対ずれを測定して数値制御部1の記憶装置内等に記憶しておき、磁極位置検出動作を開始する際このずれを読み出し、スレーブ制御部2s又はマスタ制御部2mに送出してこのずれ分補正して、磁極位置検出動作を行うようにする。
【0032】
なお、上述した実施形態では、電動機制御部(マスタ制御部2m、スレーブ制御部2s)から送られてくる位置フィードバック信号によって磁極位置検出動作異常を検出するようにしたが、この位置フィードバック信号の代わりに速度フィードバック信号を用いて、磁極位置検出動作異常を検出するようにしてもよい。又、上述した実施形態では同期リニアモータによるタンデム制御の例を説明したが、通常の回転式の同期電動機に対しても本発明は適用できるものである。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、磁極位置検出のセンサを備えない同期電動機において、ロータや可動子の位置、速度を検出するセンサを利用して、磁極位置を検出する際に、その検出動作を監視し、動作異常を検出することができる。又、タンデム制御を行う場合においても、機械にねじれやたわみを発生させることなく磁極位置検出動作を正常に実行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のブロック図である。
【図2】同実施形態において数値制御部が実施する磁極位置検出動作管理・監視処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 数値制御部(数値制御装置)
2m マスタ制御部
2s スレーブ制御部
3m マスタアンプ
3s スレーブアンプ
4m マスタ軸の同期リニアモータ
4s スレーブ軸の同期リニアモータ
5m,5s 固定子
6m,6s 可動子
7m,7s リニアスケール

Claims (6)

  1. 磁極を配したロータと、励磁巻線を施したステータと、ロータ位置又は速度を検出するセンサとを有する同期電動機を駆動制御すると共にステータの所定励磁位相に電流を印加して前記磁極位置を検出する電動機制御部と、該電動機制御部に指令を与えて数値制御する数値制御部とからなる制御装置において、
    前記数値制御部は前記電動機制御部に対して磁極位置検出の開始指令を出力し、前記電動機制御部は前記開始指令に基づき磁極位置検出を開始すると共に、前記数値制御部に対して磁極位置検出状態を通知し、前記数値制御部は通知された磁極位置検出状態に基づいて正常完了や動作異常を判断し、対応する処理を行うことを特徴とする制御装置。
  2. 前記数値制御部は、前記動作異常を検出したとき検出動作を停止させて、アラームを表示する請求項1に記載の制御装置。
  3. 2台以上の同期電動機によって1つの被駆動体を駆動制御するための複数の前記電動機制御部と前記数値制御部とで構成された制御装置であって、
    前記数値制御部から前記複数の電動機制御部のいずれかの電動機制御部に対して磁極位置検出の開始指令を出力して磁極位置検出を有効とさせると共に、その他の電動機制御部に対して電動機の励磁を解かせ、磁極検出を行う側の電動機制御部への干渉を無くし、前記所定の電動機制御部のみで磁極検出を行う請求項1又は請求項2に記載の制御装置。
  4. 2台以上の同期電動機によって1つの被駆動体を駆動制御するための複数の前記電動機制御部と前記数値制御部とで構成された制御装置であって、
    前記数値制御部から前記複数の電動機制御部に対して磁極位置検出の開始指令を出力して磁極位置検出を同時に有効とさせるようにした請求項1又は請求項2に記載の制御装置。
  5. 前記2台以上の同期電動機における磁極位置の相互のずれを記憶させた記憶装置を具備し、
    前記複数の電動機制御部は磁極位置検出開始時に前記記憶装置に記憶された磁極位置の相互のずれを読み出して磁極位置検出を行うようにした請求項4に記載の制御装置。
  6. 磁極を配したロータと、励磁巻線を施したステータと、ロータ位置を検出するセンサとを有する同期電動機の代わりに、固定子もしくは可動子の一方に磁極を配置し他方に励磁巻線を施し、可動子の位置を検出するセンサを備えた同期リニアモータを用いる請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の制御装置。
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