JP2004235931A - コンバージェンス補正回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な機能をもつ高価な波形発生用ICを用いることなく、多様なコンバージェンス補正波形を生成することができ、画面水平方向の中央部と両端部においてそれぞれ所望のコンバージェンス補正量を実現でき、画質の向上を実現できるコンバージェンス補正回路を提供する。
【解決手段】コンバージェンス補正信号生成回路100は水平同期信号に応じてパラボラ波形の補正信号を生成し、三角波発生回路120は、パラボラ補正信号に周期が一致し、一周期の真ん中に振幅の極値が設定される三角波を生成し、出力増幅回路110はパラボラ補正信号に三角波を加算し、当該加算結果に応じて補正電流を生成してコンバージェンスヨークに供給するので、補正電流のパラボラ波形の傾きを任意に制御することができ、スクリーン画面上任意の位置におけるコンバージェンスの補正量を自由に制御できる。
【選択図】 図1
【解決手段】コンバージェンス補正信号生成回路100は水平同期信号に応じてパラボラ波形の補正信号を生成し、三角波発生回路120は、パラボラ補正信号に周期が一致し、一周期の真ん中に振幅の極値が設定される三角波を生成し、出力増幅回路110はパラボラ補正信号に三角波を加算し、当該加算結果に応じて補正電流を生成してコンバージェンスヨークに供給するので、補正電流のパラボラ波形の傾きを任意に制御することができ、スクリーン画面上任意の位置におけるコンバージェンスの補正量を自由に制御できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インライン型電子銃を用いた陰極線管(CRT)において、電子銃によって放射された電子ビームのコンバージェンスを補正するコンバージェンス補正回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラーテレビ受信機のCRTにおいて、3原色の赤色(R),緑色(G),青色(B)にそれぞれ対応する3本の電子ビームが電子銃によって放射される。これらの電子ビームが電子レンズによってフォーカス(収束)が制御され、さらに陰極線管のネック部に設けられた補正用コイル及び磁石によってコンバージェンスずれ、ランデングずれなどの誤差が補正された上、偏向コイル(偏向ヨークとも呼ばれる)で発生する磁界によって所定の方向に偏向される。このため、スクリーン上でほぼ一点に収束された電子ビームが3色蛍光体に打ち込まれ、蛍光体にそれぞれ輝度が変調されたR,G,B3色の画素が表示される。そして、偏向ヨークにより発生する偏向磁場を制御して電子ビームをスクリーン上に走査させることによって、スクリーンにカラーの映像を表示することができる。
【0003】
カラー映像を表示する陰極線管では、コンバージェンスずれが生じるとR,G,Bの3色に対応する3本の電子ビームがスクリーン上一点に収束することができなくなり、3色の画像の重ね合わせが悪くなるので、スクリーン上に色合いの不自然な画像が表示される。このため、カラー映像を表示する陰極線管ではコンバージェンスのずれを補正する必要がある。
【0004】
コンバージェンスの補正は、陰極線管のネック部に設けられた補正用磁石または補正用コイルを用いて行われる。補正用コイルには、補正電流を入力して、磁場を発生することによりコンバージェンスずれを補正する。
【0005】
以下、図面を参照しながら陰極線管の構成について説明する。
図5は、陰極線管の一構成例を示す概略図である。図示のように、陰極線管は漏斗状の形をしたガラスバブルで形成されている。ガラスバルブは、膨らんでいるコーン部20と、細い円筒状のネック部10の2つの部分からなる。コーン部の底面(スクリーン)20bにR,G,Bの3色に対応する蛍光体がそれぞれ塗布され、この3色蛍光体に電子銃によって放射される3本の電子ビームを打ち込むとR,G,Bの3色をそれぞれ発光する。また、爆縮現象を防ぐためにコーン部20の外壁に金属の補強バンド18を設けるなどの防爆補強対策が施されている。
【0006】
ネック部10の先端には電子銃11が設けられている。図6は、電子銃11の一構成例を示す概略図である。図6に示すように、電子銃11は、R,G,B3色にそれぞれ対応する3本の電子銃が水平方向に一直線に配置されている、いわゆるインライン型電子銃である。緑色(G)に対応する電子銃は中央に配置され、赤色(R)と青色(B)に対応する電子銃は、それぞれ両側に配置されている。中央に配置されている電子銃(Gに対応する)がネック部10の管軸に一致する。
なお、図6に示すインライン型電子銃の他に、デルタ型電子銃なども実用化されているが、本発明では、このインライン型電子銃を対象とする。
【0007】
電子銃11からコーン部20に向けて、管体の外周にピュリティ(色純化)磁石などを含む磁石セット12、コンバージェンスヨーク14、そして偏向ヨーク16が順次外嵌されている。磁石セット12には、ピュリティ磁石のほか、例えば、2極磁石、4極磁石及び6極磁石なども含まれ、これらの磁石はともに電子ビームの軌道を調整するための補正用磁石である。
【0008】
コンバージェンスヨーク14は、補正電流に応じて磁界を発生し、電流ビームのコンバージェンスずれを補正して、電子銃11によって放出された3本の電子ビームをスクリーン20bの蛍光面でほぼ一点に収束するように制御する。
偏向ヨーク16は、それぞれ水平偏向ヨークと水平偏向ヨークによって構成されている。水平偏向ヨークに水平周期の偏向電流が入力され、垂直偏向ヨークに垂直周期の偏向電流が入力されるので、偏向ヨーク16によって偏向磁場が発生され、このため電子ビームがスクリーン表面を走査し、映像が表示される。
【0009】
コンバージェンスヨーク14に入力される補正電流は、例えば、映像信号の水平周期に一致するパラボラ波形の電流である。当該パラボラ電流に応じて、コンバージェンスヨーク14によって補正磁場が発生し、補正磁場によって電子銃11から放射された電流ビームのコンバージェンスが補正される。
【0010】
図7は、インライン型電子銃11によってスクリーン上に入射した電子ビームのコンバージェンスずれを示す概念図である。図7(a)に示すように、電子ビームのコンバージェンスずれは、水平方向において変化する。即ち、水平方向において画面の中央部ではコンバージェンスずれがほとんどなく、中央部から離れるほどコンバージェンスずれが大きくなる。このため、コンバージェンスヨーク14に、図7(b)に示すように映像信号の水平周期に一致するパラボラ状の補正電流を供給することによって、コンバージェンス補正のための磁場強度を一水平周期の間変化させるように、即ち、画面の中央部に磁場強度を弱め、画面の両端に磁場強度を強めることによって、画面全体にわたって均一したコンバージェンス補正を実現できる。
【0011】
図8は、こうしたコンバージェンス補正のための補正電流を生成する補正回路の一例を示している。図示のように、この補正回路は、コンバージェンス補正波形発生回路100と出力増幅回路110を有している。
【0012】
コンバージェンス補正波形発生回路100は、例えば、半導体集積回路(IC)からなり、映像信号の水平周期に同期して所定の波形をもつパラボラ補正信号Sc を出力する。補正信号Sc が抵抗素子2を介して出力増幅回路110に出力される。
出力増幅回路110は、図示のように、抵抗素子3と4からなる分圧部、演算増幅器5と抵抗素子6、7からなる増幅部を有している。分圧部により所定の基準電圧Vref が発生され、演算増幅器5の非反転入力端子に入力される。一方、コンバージェンス補正波形発生回路100から入力される補正信号Sc が演算増幅器5の反転入力端子に入力される。
【0013】
このため、出力増幅部110によって、補正信号Sc 及び基準電圧Vref 応じた補正電流が生成され、コンバージェンスヨーク8に出力される。このため、コンバージェンスヨーク8によって一水平周期に強度が変化するコンバージェンス補正磁場が生成され、CRTのスクリーンの水平方向にわたってコンバージェンスずれが均一に補正される。
【0014】
【特許文献1】
特開平2001−69523号公報
【特許文献2】
特開平2000−253271号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のコンバージェンス補正回路は、補正信号Sc を出力するコンバージェンス補正波形発生回路100が既成のIC回路を用いるため、出力可能なパラボラ波形の仕様が決まっている。即ち、図8に示す従来のコンバージェンス補正回路では、基準電圧Vref を調整して出力するパラボラ電流Ipのカットオフを調整するのみが可能であり、パラボラ電流の波形を調整することができないという不利益がある。
【0016】
テレビ受信機の大画面化により、フォーカスずれの補正とのかかわりで、画面の水平方向において中心部と左右両端部で補正すべきコンバージェンスずれの量が単純なパラボラ波形では対応できなくなる。画面中間部と左右両端部におけるコンバージェンスの補正量を個別に変えたい場合、図9に示す回路を用いなければならない。
【0017】
図9のコンバージェンス補正回路は、CPU200、ROM210、同期信号発生部220、波形出力IC回路230、D/A変換器270及び出力増幅部280を有している。また、波形出力IC回路230は、図示のように、RAM240、演算回路250及びタイミング発生回路260を含む。
【0018】
ROM210は、予め作成された基本コンバージェンス補正信号の波形データを記憶し、電子ビームが画面を走査する位置に応じて、補正波形の補間データを作成し、RAM240に記憶する。CPU200の制御に基づき、ROM210から基本コンバージェンス補正波形データが読み出され、さらに、RAM240に記憶されている補間データが読み出され、演算回路250によって、基本コンバージェンス波形に補間処理が施した波形データが計算される。この波形データがD/A変換器270によってアナログの波形信号に変換され、出力増幅部280によって増幅され、コンバージェンス補正電流としてコンバージェンスヨーク8に出力される。
【0019】
図9に示すコンバージェンス補間回路によって、テレビ受信機に個別に対応して、コンバージェンス補正量を制御することができ、基本のパラボラ波形に対して、各テレビ受信機ごとに異なる波形の補正信号を生成でき、複雑な補正電流を生成することが可能である。しかし、こうした補正波形を出力する波形出力IC230は高価であり、またこのような波形出力ICを用いたコンバージェンス補正回路構成も複雑になり、テレビ受信機のコスト増を招いてしまう。
【0020】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複雑な機能をもつ高価な波形発生用ICを用いることなく、多様なコンバージェンス補正波形を生成することができ、画面の中間部と端部においてそれぞれ所望のコンバージェンス補正量を実現でき、画質の向上を実現できるコンバージェンス補正回路を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のコンバージェンス補正回路は、陰極線管のコンバージェンスずれを補正するコンバージェンス補正回路であって、水平同期信号に応じて、所定のパラボラ波形をもつパラボラ補正信号を生成する補正信号生成回路と、上記水平同期信号に応じて、上記パラボラ補正信号の一周期の真ん中に振幅の極値が設定される三角波を生成する三角波発生回路と、上記パラボラ補正信号に上記三角波発生回路によって生成される上記三角波を加算し、当該加算の結果に応じて補正電流を発生し、コンバージェンスヨークに供給する出力増幅回路とを有する。
【0022】
また、本発明では、好適には、上記三角波発生回路は、上記水平同期信号に応じて生成された方形波を積分する積分回路を有する。
【0023】
さらに、本発明では、好適には、上記三角波発生回路は、上記水平同期信号に応じて、上記パラボラ補正信号の一周期の真ん中に電圧が切り替わる方形波を生成する方形波発生回路と、上記方形波発生回路によって発生された方形波を積分する積分回路とを有する。
【0024】
本発明によれば、補正信号生成回路によって水平同期信号に応じてパラボラ波形の補正信号が生成され、また、水平同期信号に応じて、上記パラボラ補正信号に周期が一致し、かつその一周期の真ん中に振幅の極値、例えば、レベル最大点または最小点が設定されている三角波が生成される。パラボラ補正信号に三角波が加算され、当該加算結果に応じて補正電流が生成され、コンバージェンスヨークに入力される。このため、加算後の補正信号においてパラボラ波形の傾きを任意に制御することができ、陰極線管のスクリーン画面上任意の位置におけるコンバージェンスずれの補正量を自由に制御することが可能になる。これによって、安価で簡素な補正回路によって所望のコンバージェンス補正を実現でき、画質の向上を実現できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
図1は本発明に係るコンバージェンス補正回路の第1の実施形態を示す回路図である。
図示のように、本実施形態のコンバージェンス補正回路は、コンバージェンス補正波形発生回路100、出力増幅回路110及び三角波発生回路120を有している。
【0026】
コンバージェンス補正波形発生回路100は、例えば、半導体集積回路(IC)からなり、水平同期信号HDVに同期して所定の波形をもつパラボラ補正信号Sc1及びのこぎり波H−SAWを出力する。パラボラ補正信号Sc1が抵抗素子2を介して出力増幅回路110に出力される。
【0027】
出力増幅回路110は、図示のように、抵抗素子3と4からなる分圧部と、演算増幅器5と抵抗素子6、7からなる増幅部を有している。分圧部により所定の基準電圧Vref1が発生され、演算増幅器5の非反転入力端子に入力される。一方、コンバージェンス補正波形発生回路100から入力されるパラボラ補正信号Sc1、三角波発生回路120によって生成される三角波TRA、さらに、出力電流Ip に応じて発生したフィードバック信号がともにが演算増幅器5の反転入力端子に入力される。
【0028】
三角波発生回路120は、コンバージェンス補正波形発生回路100から出力されるのこぎり波H−SAWを演算増幅器12の非反転入力端子に入力する抵抗素子9、抵抗素子10と11からなる分圧部、演算増幅器12、抵抗素子13,14及びキャパシタ15からなる積分回路、npnトランジスタ16、pnpトランジスタ18、及び抵抗素子17,19,20からなるバッファ回路を有している。
【0029】
抵抗素子10と11からなる分圧部は、基準電圧Vref2を発生して、演算増幅器12の反転入力端子に入力する。
コンバージェンス補正波形発生回路100によって出力されるのこぎり波H−SAWは、水平同期信号HDVと同じ周期を有している。
【0030】
演算増幅器12は、基準電圧Vref2とのこぎり波H−SAWとを比較して、パルス信号Sp を出力する。ここで、基準電圧Vref2のレベルは、演算増幅器12から出力されるパルス信号Sp が、水平周期Hの半周期ごとにハイレベルとローレベルが切り替わる、即ちデューティが50%の波形に制御されるように設定される。
【0031】
抵抗素子13,14及びキャパシタ15で構成される積分回路は、演算増幅器12から出力されるパルス信号Sp を積分し、三角波を出力する。
【0032】
トランジスタ16、抵抗素子17、さらに、トランジスタ18と抵抗素子19によって、それぞれエミッタフォロワが構成されている。こうして2段のエミッタフォロワによってバッファ回路が形成される。その結果、所定の振幅を持つ三角波TRAが生成され、抵抗素子20を介して出力増幅部110に出力される。
【0033】
図2は、本実施形態のコンバージェンス補正回路の各部分の信号波形を示す波形図である。以下、図1の回路図及び図2の波形図を参照しつつ、本実施形態のコンバージェンス補正回路の動作について説明する。
【0034】
図2(A)は、コンバージェンス補正波形発生回路100によって出力されるのこぎり波H−SAWの波形を示している。前述したように、コンバージェンス補正波形発生回路100は、入力される水平同期信号HDVに応じて、パラボラ補正信号Sc1及びのこぎり波H−SAWをそれぞれ出力する。
【0035】
のこぎり波H−SAWが三角波発生回路120に入力される。そこで、のこぎり波H−SAWが基準電圧Vref2によってスライスされ、パルス信号Sp が生成される。三角波発生回路120において、抵抗素子10と11によって分圧して得た基準電圧Vref2がパルス信号Sp のデューティが50%となるように、抵抗素子10または11の抵抗値が調整される。
【0036】
演算増幅器12から出力されるパルス信号Sp が積分されて、図2(C)に示す三角波TRAが出力される。パルス信号Sp のデューティが50%となるように基準電圧Vref2が制御された結果、図2(C)に示すように、三角波TRAが水平周期Hに一致し、かつ振幅の最小点が一水平周期の真ん中にある。
【0037】
図2(C)に示す三角波TRAが出力増幅回路110に入力される。出力増幅回路110において、コンバージェンス補正波形発生回路100によって出力されるパラボラ補正信号Sc1と三角波TRAが加算され、加算結果に応じたパラボラ補正電流Ip がコンバージェンスヨーク8に出力される。
【0038】
図2(D)は、補正前のパラボラ補正信号Sc1と三角波TRAが加算した補正後の波形Sc2をそれぞれ示している。図示のように、パラボラ補正信号Sc1に三角波TRAが加算された結果、より傾きの大きいパラボラ波形を持つ補正信号Sc2が得られる。
【0039】
図2(E)は、コンバージェンスヨーク8に供給される補正電流Ip の波形を示している。ここで、比較のため、三角波TRAが加算される前のパラボラ補正信号Sc1に応じて生成される補正電流と三角波TRAが加算されたあとの補正Sc2に応じて生成される補正電流Ip の両方が示されている。図示のように、三角波TRAを加算することによって、コンバージェンスヨーク8に供給される補正電流の傾きが調整される。
【0040】
このように、本実施形態のコンバージェンス補正回路を用いることにより、通常と同じ画面の左右端部のコンバージェンス補正量を設定した場合、画面の中央部と左右両端部との間にある中間部分の補正量を自由に制御することができる。このため、種々のサイズ及び特性をもつCRTに対応できるコンバージェンス補正回路を実現できる。
【0041】
図3は、コンバージェンスヨーク8によって生成したコンバージェンス補正磁場によって、コンバージェンス補正が行われる状況を示す概念図である。
図3(a)に示すように、補正を行わない状態では、コンバージェンスずれによって、R,G,Bに対応する3本の電子ビームのうち、RとBに対応する電子ビームが画面の両端において互いに反対する方向にずれて、3本の電子ビームがスクリーン上の一点に収束できなくなる。コンバージェンスずれは、画面上水平方向の中心部に近づくにつれて減少し、画面中心部では、コンバージェンスずれがほぼなくなる。
【0042】
上述したコンバージェンスずれを補正するために、本実施形態のコンバージェンス補正回路によって生成したパラボラ状の補正電流Ip をコンバージェンスヨーク8に出力することによって、画面の中央部と左右両端部に異なる強度の磁場が発生するので、それぞれの位置に発生するコンバージェンスずれが適宜補正され、図3(b)に示すように、画面上の任意の位置においてR,G,Bに対応する3本の電子ビームをほぼ一点に収束させることができる。また、スクリーンのサイズ及びCRTの特性の差により、画面の任意の位置に生じるコンバージェンスずれの量が異なるので、本実施形態のコンバージェンス補正回路を用いることにより、補正電流Ip のパラボラ波形の傾きを自由に制御することができ、個々のCRTに対してコンバージェンスのずれを最適に補正することができる。
【0043】
なお、図1に示す本実施形態のコンバージェンス補正回路において、パラボラ補正信号Sc1を出力増幅回路110に出力する抵抗素子2及び三角波TRAを出力増幅回路120に出力する抵抗素子20の抵抗値を変えることにより、コンバージェンスヨーク8に出力する補正電流Ip のパラボラ波形の傾きを自由に変化させることが可能である。従って、これらの抵抗素子を適宜調整することによって、CRTの表示画面の水平方向に任意の場所におけるコンバージェンス補正量を自由に制御することが可能である。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によれば、一水平周期の中心に頂点をもつ三角波TRAを生成し、振幅を適宜調整された三角波TRAを固定の波形をもつパラボラ補正信号Sc1に加算することで、傾きを自由に制御できるパラボラ信号Sc2を生成できる。当該補正後のパラボラ信号Sc2に応じて補正電流Ip を生成し、コンバージェンスヨーク8に供給することにより、CRTの表示画面において画面の中央部と左右両端部、さらにその中間部分において、コンバージェンス補正量を任意に制御することができる。
【0045】
第2実施形態
図4は本発明に係るコンバージェンス補正回路の第2の実施形態を示す回路図である。
図示のように、本実施形態のコンバージェンス補正回路は、コンバージェンス補正波形発生回路100、出力増幅回路110及び三角波発生回路130を有している。なお、図4においては、図1に示す第1の実施形態のコンバージェンス補正回路と同一の構成部分には共通の符号を付して表記している。
【0046】
本実施形態のコンピュータ補正回路において、三角波発生回路130は、第1の実施形態の三角波発生回路120と異なる構成を有する。以下、本実施形態の三角波発生回路130を中心に説明する。
【0047】
三角波発生回路130は、図4に示すように、キャパシタ21、抵抗素子22,23からなる微分回路、トランジスタ24、抵抗素子25及びキャパシタ26からなる積分回路を有し、さらに、第1の実施形態の三角波発生回路120とほぼ同じように、抵抗素子10,11からなる分圧部、演算増幅器12と抵抗素子13,14、キャパシタ15からなる積分回路、さらにnpnトランジスタ16、pnpトランジスタ18、及び抵抗素子17,19,20からなる2段直列接続のバッファ回路を有している。
【0048】
本実施形態の三角波発生回路130において、外部から入力される水平同期信号HDVがキャパシタ21と抵抗素子22,23からなる微分回路によって微分され、さらにトランジスタ24、抵抗素子25及びキャパシタ26からなる積分回路によって、例えば、のこぎり波が生成される。当該のこぎり波が抵抗素子9を介して、演算増幅器12の非反転入力端子に入力される。一方、抵抗素子10と11によって生成した基準電圧Vref2が演算増幅器12の反転入力端子に入力される。これらの入力信号に応じて、演算増幅器12によってパルス信号が出力される。
【0049】
抵抗素子10と11の抵抗値を適宜制御することによって、演算増幅器12から出力されるパルス信号は、水平周期に一致し、かつデューティが50%の波形に制御される。
演算増幅器12から出力されるパルス信号が、抵抗13,14及びキャパシタ15からなる積分回路によって積分され、水平周期をもつ三角波TRAが出力される。さらに、当該三角波TRAの最小点が一水平周期の中央に現れるように制御される。
【0050】
三角波TRAは抵抗素子20を介して出力増幅回路110に出力される。出力増幅回路110において、コンバージェンス補正波形発生回路100から入力されるパラボラ補正信号と三角波TRAが加算され、当該加算の結果に応じて、補正電流Ip が生成される。そして、補正電流Ip がコンバージェンスヨーク8に入力されるので、当該コンバージェンスヨーク8によって生成された磁場により、電子ビームのコンバージェンスずれが補正される。
【0051】
以上説明したように、本実施形態によれば、コンバージェンス補正波形発生回路100により、水平周期に一致したパラボラ補正信号Sc1が生成され、三角波発生回路130において、水平同期信号HDVに応じて、水平周期に一致し、かつパラボラ補正信号Sc1の1周期の真ん中に振幅の最小点がくる三角波TRAが生成される。出力増幅回路110においてパラボラ補正信号Sc1と三角波TRAが加算され、当該加算の結果に応じて補正電流Ip が生成される。このため、出力される補正電流Ip のパラボラ波形の傾きを自由に制御することができ、画面の中央部と左右の端部、及びその中間部のコンバージェンス補正量を自由に制御可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のコンバージェンス補正回路によれば、一定の波形をもつパラボラ補正信号を出力する簡素な機能をもつ補正信号発生用集積回路を用いて、当該集積回路によって発生されるパラボラ補正信号に同期して、かつパラボラ補正信号の一周期の真ん中に中心点がくる三角波の補正信号を生成し、パラボラ補正信号に振幅が一定に制御される三角波を加算することにより、パラボラ補正信号の傾きを任意に制御でき、これに応じて補正電流を発生してコンバージェンスヨークに供給することによって、画面の中央部及び左右両端部のコンバージェンス補正量が制御でき、さらにその中間部分の任意の位置におけるコンバージェンス補正量を自由に調整できる利点がある。
本発明のコンバージェンス補正回路を用いることにより、機能が簡素で安価なパラボラ信号生成用集積回路を用いながら、パラボラ波形の傾きや振幅を任意に制御できる補正電流を生成可能であり、さらに回路の構成を複雑化することなく、小規模で安価な回路によって種々の仕様をもつ陰極線管に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコンバージェンス補正回路の第1の実施形態を示す回路図である。
【図2】コンバージェンス補正回路の動作を示す波形図である。
【図3】スクリーン上にコンバージェンスずれを補正する状況を示す概念図である。
【図4】本発明に係るコンバージェンス補正回路の第2の実施形態を示す回路図である。
【図5】陰極線管の一構成例を示す構成図である。
【図6】インライン型電子銃の構成を示す概念図である。
【図7】コンバージェンスずれによる画面上の画素の位置を示す図である。
【図8】従来のコンバージェンス補正回路の一例を示す回路図である。
【図9】従来のコンバージェンス補正回路の他の構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
100…コンバージェンス補正波形発生回路、110…出力増幅回路、120,130…三角波発生回路、VCC…電源電圧、GND…接地電位。
【発明の属する技術分野】
本発明は、インライン型電子銃を用いた陰極線管(CRT)において、電子銃によって放射された電子ビームのコンバージェンスを補正するコンバージェンス補正回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラーテレビ受信機のCRTにおいて、3原色の赤色(R),緑色(G),青色(B)にそれぞれ対応する3本の電子ビームが電子銃によって放射される。これらの電子ビームが電子レンズによってフォーカス(収束)が制御され、さらに陰極線管のネック部に設けられた補正用コイル及び磁石によってコンバージェンスずれ、ランデングずれなどの誤差が補正された上、偏向コイル(偏向ヨークとも呼ばれる)で発生する磁界によって所定の方向に偏向される。このため、スクリーン上でほぼ一点に収束された電子ビームが3色蛍光体に打ち込まれ、蛍光体にそれぞれ輝度が変調されたR,G,B3色の画素が表示される。そして、偏向ヨークにより発生する偏向磁場を制御して電子ビームをスクリーン上に走査させることによって、スクリーンにカラーの映像を表示することができる。
【0003】
カラー映像を表示する陰極線管では、コンバージェンスずれが生じるとR,G,Bの3色に対応する3本の電子ビームがスクリーン上一点に収束することができなくなり、3色の画像の重ね合わせが悪くなるので、スクリーン上に色合いの不自然な画像が表示される。このため、カラー映像を表示する陰極線管ではコンバージェンスのずれを補正する必要がある。
【0004】
コンバージェンスの補正は、陰極線管のネック部に設けられた補正用磁石または補正用コイルを用いて行われる。補正用コイルには、補正電流を入力して、磁場を発生することによりコンバージェンスずれを補正する。
【0005】
以下、図面を参照しながら陰極線管の構成について説明する。
図5は、陰極線管の一構成例を示す概略図である。図示のように、陰極線管は漏斗状の形をしたガラスバブルで形成されている。ガラスバルブは、膨らんでいるコーン部20と、細い円筒状のネック部10の2つの部分からなる。コーン部の底面(スクリーン)20bにR,G,Bの3色に対応する蛍光体がそれぞれ塗布され、この3色蛍光体に電子銃によって放射される3本の電子ビームを打ち込むとR,G,Bの3色をそれぞれ発光する。また、爆縮現象を防ぐためにコーン部20の外壁に金属の補強バンド18を設けるなどの防爆補強対策が施されている。
【0006】
ネック部10の先端には電子銃11が設けられている。図6は、電子銃11の一構成例を示す概略図である。図6に示すように、電子銃11は、R,G,B3色にそれぞれ対応する3本の電子銃が水平方向に一直線に配置されている、いわゆるインライン型電子銃である。緑色(G)に対応する電子銃は中央に配置され、赤色(R)と青色(B)に対応する電子銃は、それぞれ両側に配置されている。中央に配置されている電子銃(Gに対応する)がネック部10の管軸に一致する。
なお、図6に示すインライン型電子銃の他に、デルタ型電子銃なども実用化されているが、本発明では、このインライン型電子銃を対象とする。
【0007】
電子銃11からコーン部20に向けて、管体の外周にピュリティ(色純化)磁石などを含む磁石セット12、コンバージェンスヨーク14、そして偏向ヨーク16が順次外嵌されている。磁石セット12には、ピュリティ磁石のほか、例えば、2極磁石、4極磁石及び6極磁石なども含まれ、これらの磁石はともに電子ビームの軌道を調整するための補正用磁石である。
【0008】
コンバージェンスヨーク14は、補正電流に応じて磁界を発生し、電流ビームのコンバージェンスずれを補正して、電子銃11によって放出された3本の電子ビームをスクリーン20bの蛍光面でほぼ一点に収束するように制御する。
偏向ヨーク16は、それぞれ水平偏向ヨークと水平偏向ヨークによって構成されている。水平偏向ヨークに水平周期の偏向電流が入力され、垂直偏向ヨークに垂直周期の偏向電流が入力されるので、偏向ヨーク16によって偏向磁場が発生され、このため電子ビームがスクリーン表面を走査し、映像が表示される。
【0009】
コンバージェンスヨーク14に入力される補正電流は、例えば、映像信号の水平周期に一致するパラボラ波形の電流である。当該パラボラ電流に応じて、コンバージェンスヨーク14によって補正磁場が発生し、補正磁場によって電子銃11から放射された電流ビームのコンバージェンスが補正される。
【0010】
図7は、インライン型電子銃11によってスクリーン上に入射した電子ビームのコンバージェンスずれを示す概念図である。図7(a)に示すように、電子ビームのコンバージェンスずれは、水平方向において変化する。即ち、水平方向において画面の中央部ではコンバージェンスずれがほとんどなく、中央部から離れるほどコンバージェンスずれが大きくなる。このため、コンバージェンスヨーク14に、図7(b)に示すように映像信号の水平周期に一致するパラボラ状の補正電流を供給することによって、コンバージェンス補正のための磁場強度を一水平周期の間変化させるように、即ち、画面の中央部に磁場強度を弱め、画面の両端に磁場強度を強めることによって、画面全体にわたって均一したコンバージェンス補正を実現できる。
【0011】
図8は、こうしたコンバージェンス補正のための補正電流を生成する補正回路の一例を示している。図示のように、この補正回路は、コンバージェンス補正波形発生回路100と出力増幅回路110を有している。
【0012】
コンバージェンス補正波形発生回路100は、例えば、半導体集積回路(IC)からなり、映像信号の水平周期に同期して所定の波形をもつパラボラ補正信号Sc を出力する。補正信号Sc が抵抗素子2を介して出力増幅回路110に出力される。
出力増幅回路110は、図示のように、抵抗素子3と4からなる分圧部、演算増幅器5と抵抗素子6、7からなる増幅部を有している。分圧部により所定の基準電圧Vref が発生され、演算増幅器5の非反転入力端子に入力される。一方、コンバージェンス補正波形発生回路100から入力される補正信号Sc が演算増幅器5の反転入力端子に入力される。
【0013】
このため、出力増幅部110によって、補正信号Sc 及び基準電圧Vref 応じた補正電流が生成され、コンバージェンスヨーク8に出力される。このため、コンバージェンスヨーク8によって一水平周期に強度が変化するコンバージェンス補正磁場が生成され、CRTのスクリーンの水平方向にわたってコンバージェンスずれが均一に補正される。
【0014】
【特許文献1】
特開平2001−69523号公報
【特許文献2】
特開平2000−253271号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のコンバージェンス補正回路は、補正信号Sc を出力するコンバージェンス補正波形発生回路100が既成のIC回路を用いるため、出力可能なパラボラ波形の仕様が決まっている。即ち、図8に示す従来のコンバージェンス補正回路では、基準電圧Vref を調整して出力するパラボラ電流Ipのカットオフを調整するのみが可能であり、パラボラ電流の波形を調整することができないという不利益がある。
【0016】
テレビ受信機の大画面化により、フォーカスずれの補正とのかかわりで、画面の水平方向において中心部と左右両端部で補正すべきコンバージェンスずれの量が単純なパラボラ波形では対応できなくなる。画面中間部と左右両端部におけるコンバージェンスの補正量を個別に変えたい場合、図9に示す回路を用いなければならない。
【0017】
図9のコンバージェンス補正回路は、CPU200、ROM210、同期信号発生部220、波形出力IC回路230、D/A変換器270及び出力増幅部280を有している。また、波形出力IC回路230は、図示のように、RAM240、演算回路250及びタイミング発生回路260を含む。
【0018】
ROM210は、予め作成された基本コンバージェンス補正信号の波形データを記憶し、電子ビームが画面を走査する位置に応じて、補正波形の補間データを作成し、RAM240に記憶する。CPU200の制御に基づき、ROM210から基本コンバージェンス補正波形データが読み出され、さらに、RAM240に記憶されている補間データが読み出され、演算回路250によって、基本コンバージェンス波形に補間処理が施した波形データが計算される。この波形データがD/A変換器270によってアナログの波形信号に変換され、出力増幅部280によって増幅され、コンバージェンス補正電流としてコンバージェンスヨーク8に出力される。
【0019】
図9に示すコンバージェンス補間回路によって、テレビ受信機に個別に対応して、コンバージェンス補正量を制御することができ、基本のパラボラ波形に対して、各テレビ受信機ごとに異なる波形の補正信号を生成でき、複雑な補正電流を生成することが可能である。しかし、こうした補正波形を出力する波形出力IC230は高価であり、またこのような波形出力ICを用いたコンバージェンス補正回路構成も複雑になり、テレビ受信機のコスト増を招いてしまう。
【0020】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複雑な機能をもつ高価な波形発生用ICを用いることなく、多様なコンバージェンス補正波形を生成することができ、画面の中間部と端部においてそれぞれ所望のコンバージェンス補正量を実現でき、画質の向上を実現できるコンバージェンス補正回路を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のコンバージェンス補正回路は、陰極線管のコンバージェンスずれを補正するコンバージェンス補正回路であって、水平同期信号に応じて、所定のパラボラ波形をもつパラボラ補正信号を生成する補正信号生成回路と、上記水平同期信号に応じて、上記パラボラ補正信号の一周期の真ん中に振幅の極値が設定される三角波を生成する三角波発生回路と、上記パラボラ補正信号に上記三角波発生回路によって生成される上記三角波を加算し、当該加算の結果に応じて補正電流を発生し、コンバージェンスヨークに供給する出力増幅回路とを有する。
【0022】
また、本発明では、好適には、上記三角波発生回路は、上記水平同期信号に応じて生成された方形波を積分する積分回路を有する。
【0023】
さらに、本発明では、好適には、上記三角波発生回路は、上記水平同期信号に応じて、上記パラボラ補正信号の一周期の真ん中に電圧が切り替わる方形波を生成する方形波発生回路と、上記方形波発生回路によって発生された方形波を積分する積分回路とを有する。
【0024】
本発明によれば、補正信号生成回路によって水平同期信号に応じてパラボラ波形の補正信号が生成され、また、水平同期信号に応じて、上記パラボラ補正信号に周期が一致し、かつその一周期の真ん中に振幅の極値、例えば、レベル最大点または最小点が設定されている三角波が生成される。パラボラ補正信号に三角波が加算され、当該加算結果に応じて補正電流が生成され、コンバージェンスヨークに入力される。このため、加算後の補正信号においてパラボラ波形の傾きを任意に制御することができ、陰極線管のスクリーン画面上任意の位置におけるコンバージェンスずれの補正量を自由に制御することが可能になる。これによって、安価で簡素な補正回路によって所望のコンバージェンス補正を実現でき、画質の向上を実現できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
図1は本発明に係るコンバージェンス補正回路の第1の実施形態を示す回路図である。
図示のように、本実施形態のコンバージェンス補正回路は、コンバージェンス補正波形発生回路100、出力増幅回路110及び三角波発生回路120を有している。
【0026】
コンバージェンス補正波形発生回路100は、例えば、半導体集積回路(IC)からなり、水平同期信号HDVに同期して所定の波形をもつパラボラ補正信号Sc1及びのこぎり波H−SAWを出力する。パラボラ補正信号Sc1が抵抗素子2を介して出力増幅回路110に出力される。
【0027】
出力増幅回路110は、図示のように、抵抗素子3と4からなる分圧部と、演算増幅器5と抵抗素子6、7からなる増幅部を有している。分圧部により所定の基準電圧Vref1が発生され、演算増幅器5の非反転入力端子に入力される。一方、コンバージェンス補正波形発生回路100から入力されるパラボラ補正信号Sc1、三角波発生回路120によって生成される三角波TRA、さらに、出力電流Ip に応じて発生したフィードバック信号がともにが演算増幅器5の反転入力端子に入力される。
【0028】
三角波発生回路120は、コンバージェンス補正波形発生回路100から出力されるのこぎり波H−SAWを演算増幅器12の非反転入力端子に入力する抵抗素子9、抵抗素子10と11からなる分圧部、演算増幅器12、抵抗素子13,14及びキャパシタ15からなる積分回路、npnトランジスタ16、pnpトランジスタ18、及び抵抗素子17,19,20からなるバッファ回路を有している。
【0029】
抵抗素子10と11からなる分圧部は、基準電圧Vref2を発生して、演算増幅器12の反転入力端子に入力する。
コンバージェンス補正波形発生回路100によって出力されるのこぎり波H−SAWは、水平同期信号HDVと同じ周期を有している。
【0030】
演算増幅器12は、基準電圧Vref2とのこぎり波H−SAWとを比較して、パルス信号Sp を出力する。ここで、基準電圧Vref2のレベルは、演算増幅器12から出力されるパルス信号Sp が、水平周期Hの半周期ごとにハイレベルとローレベルが切り替わる、即ちデューティが50%の波形に制御されるように設定される。
【0031】
抵抗素子13,14及びキャパシタ15で構成される積分回路は、演算増幅器12から出力されるパルス信号Sp を積分し、三角波を出力する。
【0032】
トランジスタ16、抵抗素子17、さらに、トランジスタ18と抵抗素子19によって、それぞれエミッタフォロワが構成されている。こうして2段のエミッタフォロワによってバッファ回路が形成される。その結果、所定の振幅を持つ三角波TRAが生成され、抵抗素子20を介して出力増幅部110に出力される。
【0033】
図2は、本実施形態のコンバージェンス補正回路の各部分の信号波形を示す波形図である。以下、図1の回路図及び図2の波形図を参照しつつ、本実施形態のコンバージェンス補正回路の動作について説明する。
【0034】
図2(A)は、コンバージェンス補正波形発生回路100によって出力されるのこぎり波H−SAWの波形を示している。前述したように、コンバージェンス補正波形発生回路100は、入力される水平同期信号HDVに応じて、パラボラ補正信号Sc1及びのこぎり波H−SAWをそれぞれ出力する。
【0035】
のこぎり波H−SAWが三角波発生回路120に入力される。そこで、のこぎり波H−SAWが基準電圧Vref2によってスライスされ、パルス信号Sp が生成される。三角波発生回路120において、抵抗素子10と11によって分圧して得た基準電圧Vref2がパルス信号Sp のデューティが50%となるように、抵抗素子10または11の抵抗値が調整される。
【0036】
演算増幅器12から出力されるパルス信号Sp が積分されて、図2(C)に示す三角波TRAが出力される。パルス信号Sp のデューティが50%となるように基準電圧Vref2が制御された結果、図2(C)に示すように、三角波TRAが水平周期Hに一致し、かつ振幅の最小点が一水平周期の真ん中にある。
【0037】
図2(C)に示す三角波TRAが出力増幅回路110に入力される。出力増幅回路110において、コンバージェンス補正波形発生回路100によって出力されるパラボラ補正信号Sc1と三角波TRAが加算され、加算結果に応じたパラボラ補正電流Ip がコンバージェンスヨーク8に出力される。
【0038】
図2(D)は、補正前のパラボラ補正信号Sc1と三角波TRAが加算した補正後の波形Sc2をそれぞれ示している。図示のように、パラボラ補正信号Sc1に三角波TRAが加算された結果、より傾きの大きいパラボラ波形を持つ補正信号Sc2が得られる。
【0039】
図2(E)は、コンバージェンスヨーク8に供給される補正電流Ip の波形を示している。ここで、比較のため、三角波TRAが加算される前のパラボラ補正信号Sc1に応じて生成される補正電流と三角波TRAが加算されたあとの補正Sc2に応じて生成される補正電流Ip の両方が示されている。図示のように、三角波TRAを加算することによって、コンバージェンスヨーク8に供給される補正電流の傾きが調整される。
【0040】
このように、本実施形態のコンバージェンス補正回路を用いることにより、通常と同じ画面の左右端部のコンバージェンス補正量を設定した場合、画面の中央部と左右両端部との間にある中間部分の補正量を自由に制御することができる。このため、種々のサイズ及び特性をもつCRTに対応できるコンバージェンス補正回路を実現できる。
【0041】
図3は、コンバージェンスヨーク8によって生成したコンバージェンス補正磁場によって、コンバージェンス補正が行われる状況を示す概念図である。
図3(a)に示すように、補正を行わない状態では、コンバージェンスずれによって、R,G,Bに対応する3本の電子ビームのうち、RとBに対応する電子ビームが画面の両端において互いに反対する方向にずれて、3本の電子ビームがスクリーン上の一点に収束できなくなる。コンバージェンスずれは、画面上水平方向の中心部に近づくにつれて減少し、画面中心部では、コンバージェンスずれがほぼなくなる。
【0042】
上述したコンバージェンスずれを補正するために、本実施形態のコンバージェンス補正回路によって生成したパラボラ状の補正電流Ip をコンバージェンスヨーク8に出力することによって、画面の中央部と左右両端部に異なる強度の磁場が発生するので、それぞれの位置に発生するコンバージェンスずれが適宜補正され、図3(b)に示すように、画面上の任意の位置においてR,G,Bに対応する3本の電子ビームをほぼ一点に収束させることができる。また、スクリーンのサイズ及びCRTの特性の差により、画面の任意の位置に生じるコンバージェンスずれの量が異なるので、本実施形態のコンバージェンス補正回路を用いることにより、補正電流Ip のパラボラ波形の傾きを自由に制御することができ、個々のCRTに対してコンバージェンスのずれを最適に補正することができる。
【0043】
なお、図1に示す本実施形態のコンバージェンス補正回路において、パラボラ補正信号Sc1を出力増幅回路110に出力する抵抗素子2及び三角波TRAを出力増幅回路120に出力する抵抗素子20の抵抗値を変えることにより、コンバージェンスヨーク8に出力する補正電流Ip のパラボラ波形の傾きを自由に変化させることが可能である。従って、これらの抵抗素子を適宜調整することによって、CRTの表示画面の水平方向に任意の場所におけるコンバージェンス補正量を自由に制御することが可能である。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によれば、一水平周期の中心に頂点をもつ三角波TRAを生成し、振幅を適宜調整された三角波TRAを固定の波形をもつパラボラ補正信号Sc1に加算することで、傾きを自由に制御できるパラボラ信号Sc2を生成できる。当該補正後のパラボラ信号Sc2に応じて補正電流Ip を生成し、コンバージェンスヨーク8に供給することにより、CRTの表示画面において画面の中央部と左右両端部、さらにその中間部分において、コンバージェンス補正量を任意に制御することができる。
【0045】
第2実施形態
図4は本発明に係るコンバージェンス補正回路の第2の実施形態を示す回路図である。
図示のように、本実施形態のコンバージェンス補正回路は、コンバージェンス補正波形発生回路100、出力増幅回路110及び三角波発生回路130を有している。なお、図4においては、図1に示す第1の実施形態のコンバージェンス補正回路と同一の構成部分には共通の符号を付して表記している。
【0046】
本実施形態のコンピュータ補正回路において、三角波発生回路130は、第1の実施形態の三角波発生回路120と異なる構成を有する。以下、本実施形態の三角波発生回路130を中心に説明する。
【0047】
三角波発生回路130は、図4に示すように、キャパシタ21、抵抗素子22,23からなる微分回路、トランジスタ24、抵抗素子25及びキャパシタ26からなる積分回路を有し、さらに、第1の実施形態の三角波発生回路120とほぼ同じように、抵抗素子10,11からなる分圧部、演算増幅器12と抵抗素子13,14、キャパシタ15からなる積分回路、さらにnpnトランジスタ16、pnpトランジスタ18、及び抵抗素子17,19,20からなる2段直列接続のバッファ回路を有している。
【0048】
本実施形態の三角波発生回路130において、外部から入力される水平同期信号HDVがキャパシタ21と抵抗素子22,23からなる微分回路によって微分され、さらにトランジスタ24、抵抗素子25及びキャパシタ26からなる積分回路によって、例えば、のこぎり波が生成される。当該のこぎり波が抵抗素子9を介して、演算増幅器12の非反転入力端子に入力される。一方、抵抗素子10と11によって生成した基準電圧Vref2が演算増幅器12の反転入力端子に入力される。これらの入力信号に応じて、演算増幅器12によってパルス信号が出力される。
【0049】
抵抗素子10と11の抵抗値を適宜制御することによって、演算増幅器12から出力されるパルス信号は、水平周期に一致し、かつデューティが50%の波形に制御される。
演算増幅器12から出力されるパルス信号が、抵抗13,14及びキャパシタ15からなる積分回路によって積分され、水平周期をもつ三角波TRAが出力される。さらに、当該三角波TRAの最小点が一水平周期の中央に現れるように制御される。
【0050】
三角波TRAは抵抗素子20を介して出力増幅回路110に出力される。出力増幅回路110において、コンバージェンス補正波形発生回路100から入力されるパラボラ補正信号と三角波TRAが加算され、当該加算の結果に応じて、補正電流Ip が生成される。そして、補正電流Ip がコンバージェンスヨーク8に入力されるので、当該コンバージェンスヨーク8によって生成された磁場により、電子ビームのコンバージェンスずれが補正される。
【0051】
以上説明したように、本実施形態によれば、コンバージェンス補正波形発生回路100により、水平周期に一致したパラボラ補正信号Sc1が生成され、三角波発生回路130において、水平同期信号HDVに応じて、水平周期に一致し、かつパラボラ補正信号Sc1の1周期の真ん中に振幅の最小点がくる三角波TRAが生成される。出力増幅回路110においてパラボラ補正信号Sc1と三角波TRAが加算され、当該加算の結果に応じて補正電流Ip が生成される。このため、出力される補正電流Ip のパラボラ波形の傾きを自由に制御することができ、画面の中央部と左右の端部、及びその中間部のコンバージェンス補正量を自由に制御可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のコンバージェンス補正回路によれば、一定の波形をもつパラボラ補正信号を出力する簡素な機能をもつ補正信号発生用集積回路を用いて、当該集積回路によって発生されるパラボラ補正信号に同期して、かつパラボラ補正信号の一周期の真ん中に中心点がくる三角波の補正信号を生成し、パラボラ補正信号に振幅が一定に制御される三角波を加算することにより、パラボラ補正信号の傾きを任意に制御でき、これに応じて補正電流を発生してコンバージェンスヨークに供給することによって、画面の中央部及び左右両端部のコンバージェンス補正量が制御でき、さらにその中間部分の任意の位置におけるコンバージェンス補正量を自由に調整できる利点がある。
本発明のコンバージェンス補正回路を用いることにより、機能が簡素で安価なパラボラ信号生成用集積回路を用いながら、パラボラ波形の傾きや振幅を任意に制御できる補正電流を生成可能であり、さらに回路の構成を複雑化することなく、小規模で安価な回路によって種々の仕様をもつ陰極線管に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコンバージェンス補正回路の第1の実施形態を示す回路図である。
【図2】コンバージェンス補正回路の動作を示す波形図である。
【図3】スクリーン上にコンバージェンスずれを補正する状況を示す概念図である。
【図4】本発明に係るコンバージェンス補正回路の第2の実施形態を示す回路図である。
【図5】陰極線管の一構成例を示す構成図である。
【図6】インライン型電子銃の構成を示す概念図である。
【図7】コンバージェンスずれによる画面上の画素の位置を示す図である。
【図8】従来のコンバージェンス補正回路の一例を示す回路図である。
【図9】従来のコンバージェンス補正回路の他の構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
100…コンバージェンス補正波形発生回路、110…出力増幅回路、120,130…三角波発生回路、VCC…電源電圧、GND…接地電位。
Claims (3)
- 陰極線管のコンバージェンスずれを補正するコンバージェンス補正回路であって、
水平同期信号に応じて、所定のパラボラ波形をもつパラボラ補正信号を生成する補正信号生成回路と、
上記水平同期信号に応じて、上記パラボラ補正信号の一周期の真ん中に振幅の極値が設定される三角波を生成する三角波発生回路と、
上記パラボラ補正信号に上記三角波発生回路によって生成される上記三角波を加算し、当該加算の結果に応じて補正電流を発生し、コンバージェンスヨークに供給する出力増幅回路と
を有するコンバージェンス補正回路。 - 上記三角波発生回路は、上記水平同期信号に応じて生成された方形波を積分する積分回路を有する
請求項1記載のコンバージェンス補正回路。 - 上記三角波発生回路は、上記水平同期信号に応じて、上記パラボラ補正信号の一周期の真ん中に電圧が切り替わる方形波を生成する方形波発生回路と、
上記方形波発生回路によって発生された方形波を積分する積分回路と
を有する請求項1記載のコンバージェンス補正回路。
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2003
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