JP2004235543A - 気相成長装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、反応管の清掃が不要で、連続して気相成長できる半導体膜の気相成長装置及び気相成長方法を提供する。
【解決手段】基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーターと、反応管内部に前記基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部と、を備え、前記仕切り部の前記サセプターの上方位置に開口部を設け、該開口部下部に前記開口部の面積より大きい面積の第2種ガスだまり部を形成したことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーターと、反応管内部に前記基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部と、を備え、前記仕切り部の前記サセプターの上方位置に開口部を設け、該開口部下部に前記開口部の面積より大きい面積の第2種ガスだまり部を形成したことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体膜の気相成長装置、及び成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、GaN、InGaN、AlGaN等のIII族窒化ガリウム系半導体を用いた半導体レーザ素子、発光ダイオード等の半導体発光素子の需要が急速に高まっている。窒化ガリウム系半導体の製造方法としては、トリメチルガリウム、トリメチルインジュウム、又はトリメチルアルミニュウム等の有機金属ガスをIII族金属源として、アンモニアを窒素源として用い、あらかじめ反応管にセットされたサファイア等の基板上に原料導入管から、導入し、加熱された基板上で気相成長させる方法が知られている。この方法では基板上で原料を含むガスが加熱されることにより発生する熱対流によって基板に対向した反応管壁に分解生成物または反応生成物が析出し、反応管を汚染し、析出した固形物が基板に落下し、落下した場所には反応が進まない不具合があった。気相成長を行う毎に反応管壁の清掃が必要となり、連続して成長できない欠点があつた。またこれらを解決するために別の方法が示されている(特許文献1参照)。基板に対して平行ないし傾斜する方向に、反応ガスを供給し、基板の表面に対して実質的に垂直な方向に副噴射管により反応ガスを含まない押圧ガスを供給し、反応ガスを基板に吹き付ける方向を変更させて半導体膜を成長させる方法が示されているが、副噴射管は下方の基板に向かって開口面積が大きくなるテーパー状をしているため装置が大型となる欠点があった。また窒化化合物半導体以外の使用では副噴射管における押圧ガスのロスが大きくて使用できない欠点があった。前記の気相成長装置あるいは気相成長方法においては、直交するガス流、すなわち原料ガスを含むガスと押圧ガスが基板上で混合されるためガス流に乱れが生じやすかった。例えば、複数枚の基板の同時成長を行う場合は基板の広範囲にわたって均一な濃度で原料ガスを供給することは困難であった。
【0003】
【特許文献1】
特許2628404号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、反応管壁の汚染を防止することを課題の1つとする。また、反応管壁に付着した固形物の基板への落下を防止することを課題の1つとする。また、反応管の清掃回数を削減することを課題の1つとする。また、連続して気相成長でき、大型基板あるいは複数枚の基板の同時成長を可能とすることを課題の1つとする。また、ガス流の乱れを少なくして基板上に均一に原料ガスを供給することを課題の1つとする。そして、小型で、使用ガスの量の少ない気相成長装置及び気相成長方法を提供することを課題の1つとする。また、窒化化合物半導体以外の材料の気相成長にも使用できる、気相成長装置及び気相成長方法を提供することを課題の1つとする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、請求項1に記載のように、基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーターと、反応管内部に前記基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部と、を備え、前記仕切り部の前記サセプターの上方位置に開口部を設け、該開口部下部に前記開口部の面積より大きい面積の第2種ガスだまり部を形成したことを特徴とする。
【0006】
本発明は、請求項2に記載のように、前記第2種ガスだまり部を前記仕切り部の前記開口部を含む凸状としたことを特徴とする。
【0007】
本発明は、請求項3に記載のように、前記第2種ガスだまり部を基準として、その上流側である第2種ガス導入側流路の高さをX1、その下流側である第2種ガス排出側流路の高さをY1とした時、X1>Y1としたことを特徴とする。
【0008】
本発明は、請求項4に記載のように、前記第2種ガスの流路長は前記第1種ガスの流路長より短くしたことを特徴とする。
【0009】
本発明は、請求項5に記載のように、前記サセプターが複数枚の基板を載せる構造としたことを特徴とする。
【0010】
本発明は、請求項6に記載のように、反応管内に設置され加熱された基板の表面に、原料ガスを供給して基板表面に実質的に半導体膜を気相成長させる方法において、基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、該仕切り部の前記サセプターの上方位置に開口部を設け、該開口部下部に設けられた前記開口部より大きい第2種ガスだまり部により前記第2種ガスを制御し、前記第2種ガスによって前記第1種ガスに側圧を加えながら気相成長を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明は、請求項7に記載のように、反応管内に設置され加熱された基板の表面に、原料ガスを供給して基板表面に実質的に半導体膜を気相成長させる方法において、基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、該仕切り部の前記サセプターの上方位置に開口部を設け、該開口部下部に設けられた開口部より大きい第2種ガスだまり部に第2種ガス突出部を形成し、該第2種ガス突出部により第1種ガスに側圧を加えるとともに、前記第2種ガスだまり部以外の前記仕切り部下部排出側へ第2種ガスを挟んで第1種ガスを排出するようにしたことを特徴とする。
【0012】
本発明は、請求項8に記載のように、基板が自転及び/又は公転するとともに気相成長反応がサセプター全面に行われるようにしたことを特徴とする。
【0013】
本発明は、請求項9に記載のように、前記第2種ガスだまり部の第2種ガス導入側の壁高さをA1、第2種ガス排出側壁高さをB1としたとき、A1>B1としたことを特徴とする。
【0014】
本発明は、請求項10に記載のように、基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーター及び、反応管内部基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、該仕切り部の前記基板の上方位置に開口部を設けた気相成長装置において、前記反応管の上壁に傾斜を持たせ、第2種ガス導入側の前記上壁高さをX3、第2種ガス排出側の前記上壁高さをY3としたとき、X3>Y3としたことを特徴とする。
【0015】
本発明は、請求項11に記載のように、基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーター及び、反応管内部基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、該仕切り部の前記サセプターの上方位置に開口部を設けた気相成長装置において、前記開口部よりも下流の第2種ガス排出部側上壁に、排出部側面積が導入側面積より小さくなるような段差を持たせたことを特徴とする。
【0016】
本発明は、請求項12に記載のように、基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーター及び、反応管内部基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、該仕切り部の前記サセプターの上方位置に開口部を設けた気相成長装置において、前記開口部の上に位置する第2種ガス流路上壁に、排出部側面積が導入側面積より小さくなるような段差を持たせたことを特徴とする。
【0017】
本発明は、請求項13に記載のように、基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーター及び、反応管内部基板に実質的に平行になるように配置された下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、該仕切り部の前記サセプターの上方位置に開口部を設けた気相成長装置において、前記開口部の上方に位置する流路上壁に、第2種ガス排出部側面積が導入部側面積より小となるような傾斜をもたせたことを特徴とする。
【0018】
本発明は、請求項14に記載のように、基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーター及び、反応管内部基板に実質的に平行になるように配置された下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する第1の仕切り板を備え、該仕切り板の前記サセプターの上方位置に第1の開口部を設けた気相成長装置において、前記第2種ガス流路に第2の仕切り板を設け、該第2の仕切り板の前記サセプターの上方位置に第2の開口部を設け、前記第1の開口部の長さをE、前記第2の開口部の長さをFとしたとき、E>Fとしたことを特徴とする。
【0019】
本発明は、請求項15に記載のように、前記開口部の面積を前記基板の面積の0.5〜6倍にしたことを特徴とする。
【0020】
本発明は、請求項16に記載のように、第1種ガスの導入部と排出部を持つ第1の反応管と、基板を載せるために前記第1の反応管の底部に配置されたサセプターと、該基板を加熱するためのヒーターと、第2種ガスの導入部と排出部を備え形状が略U字でガスを底部で第1の反応管内のガスと平行に流せるように前記第1の反応管に積層された第2の反応管とを備え、基板サセプターの上部に前記第1の反応管の上部と第2の反応管の底部を接続する開口部を設けたことを特徴とする。
【0021】
本発明は、請求項17に記載のように、基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーターと、第1種ガスを流すための導入部と排出部を備え前記サセプターに実質的に平行に第1種ガスを流す第1の流路を有する反応管とを備え、前記反応管は、該反応管の上部に第2種ガスを前記サセプターに実質的に平行に流す第2の流路と、前記第1と第2の流路を前記サセプターの上方位置で連絡する開口部とを備え、前記第2の流路は、第2種ガスが前記サセプターの上面と垂直な方向に導入と排出されるように、前記第2種ガスの導入部と排出部を反応管上部から上向きに引き出したことを特徴とする。
【0022】
本発明は、請求項18に記載のように、第2種のガスの導入側部、排出側部が反応管を通して反応管上部に引き出されたことを特徴とする。
【0023】
本発明は、請求項19に記載のように、前記傾斜の角度を0.1〜10度としたことを特徴とする。
【0024】
本発明は、請求項20に記載のように、反応管内に設置され加熱された基板の表面に、原料ガスを供給して基板表面に実質的に半導体膜を気相成長させる方法において、基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、前記仕切り部の前記基板の上方位置に開口部を設け、第2種ガス導入側の流路を第2種ガス排出側の流路より大きくすることにより、前記開口部に第2種ガスによる突出部を作り、該突出部によって第1種ガスに側圧を加えるとともに、前記仕切り部と第1種ガスの間に第2種ガスを挟むようにして第1種ガスを排出することを特徴とする。
【0025】
本発明は、請求項21に記載のように、反応管内に設置され加熱された基板の表面に、原料ガスを供給して基板表面に実質的に半導体膜を気相成長させる方法において、基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する第1の仕切り部を備え、第1の仕切り部の前記基板の上方位置に第1の開口部を設け、第1の仕切り部の上に第2の仕切り部を備え、第2の仕切り部の前記基板の上方位置に第2の開口部を設け、第1の仕切り部上及び第2の仕切り部2の上に第2種ガスを流し、第1、第2の開口部に第2種ガスによる突出部を作り、この突出部のによって第1種ガスに側圧を加えることを特徴とする。
【0026】
本発明は、請求項22に記載のように、反応管内に設置され加熱された基板の表面に、原料ガスを供給して基板表面に実質的に半導体膜を気相成長させる方法において、基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する第1の仕切り部を備え、第1の仕切り部の前記基板の上方位置に第1の開口部を設け、第1の仕切り部の上に第2の仕切り部2を備え、第2の仕切り部2の前記基板の上方位置に第2の開口部を設け、第1、第2の仕切り部の上に第2種ガスを流し、第1、第2の開口部1、開口部2に第2種ガスによる突出部を作り、この突出部によって第1種ガスに側圧を加えるとともに、前記第1の仕切り部と第1種ガスの間に第2種ガスを挟むようにして第1種ガスを排出することを特徴とする。
【0027】
本発明は、請求項23に記載のように、第1種ガスと第2種ガスを隔てる前記仕切り部を反応管を横断する仕切り板としたことを特徴とする。
【0028】
本発明は、請求項24に記載のように、前記第2種ガスだまり部において、ガス排出側ガスだまり壁高さを略0としたことを特徴とする。
【0029】
本発明は、請求項25に記載のように、第2種ガス専用の排出部を閉じることにより、第2種ガスの流路長を第1ガスの流路長より短くしたことを特徴とする。
【0030】
本発明は、請求項26に記載のように、前記開口部の平面形状は長方形、正方形、円、楕円、卵形の何れかとしたことを特徴とする。
【0031】
本発明は、請求項27に記載のように、前記第2種ガスだまり部の平面形状は長方形、正方形、円、楕円、卵形の何れかとしたことを特徴とする。
【0032】
本発明は、請求項28に記載のように、第1種ガスを原料ガスとし、第2種ガスを原料ガスを含まないガスとしたことを特徴とする。
【0033】
本発明は、請求項29に記載のように、前記仕切り部の構成材料が石英であることを特徴とする。
【0034】
本発明は、請求項30に記載のように、反応管内に設置され加熱された基板の表面に、原料ガスを供給して基板表面に実質的に半導体膜を気相成長させる方法において、基板に実質的に平行に配置された第1種ガスと第2種ガスを隔てる仕切り部の前記基板上部に開口部を設け、この開口部において第2種ガス導入側のみとして排出側を閉じ、前記開口部によって第2種ガスの突出部を制御することにより、第1種ガスに第2種ガスの側圧を加えながら気相成長を行うことを特徴とする。
【0035】
本発明は、請求項31に記載のように、前記仕切り部と第1種ガスの間に前記第2種ガスを挟むようにして前記第1種ガスを排出するようにしたことを特徴とする。
【0036】
本発明は、請求項32に記載のように、前記第2種ガスの流量は前記第1種ガスの流量の1/6〜1/30であることを特徴とする。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図で、同図(A)は、反応管の長さ方向に沿った装置の断面図、同図(B)は反応管の幅方向に沿った装置の断面図である。
【0038】
図1に示すように、装置100は、反応管101と、基板102を保持するサセプター103とを備えている。反応管101は石英製で、幅300mm、高さ30mm、長さ500mmの扁平で横長な筒状をしている。サセプター103は、反応管101の底部に配置され、外形寸法が280mm程度の円形の石英製で、基板102を回転(公転あるいは自転)させることができる。装置100は、ヒーター104を備え、基板102を高温に加熱することができる。ヒーター104は、サセプター103と一体に設けている。図1には、サセプター103上に一枚の基板102しか記載していなが、直径が1インチ前後のGaN基板の場合、中心に1枚、その周囲に5枚、合わせて6枚の基板をサセプター103上に配置することができ、複数枚の同時成膜を可能としている。
【0039】
この成長装置は、基板102に実質的に平行となるように配置され、下部に原料ガス(第1種ガス)109の導入部105と反応済みガスの排出部106を備え、上部に原料ガス109を含まないガス(第2種ガス)(以下押圧ガスという)110の導入部107と排出部108を持つ仕切り部111a、111bを形成したことを特徴とする。基板102の上方に位置する仕切り部111aに、開口部112を備え、開口部112の下部に開口部112の面積より大きい面積のガスだまり部115を形成したことを特徴とする。ガスだまり部115は、反応管101の中央に位置する仕切り部111aを他の仕切り部111bよりも一段高い位置になるように上方に突出させることによって形成している。このガスだまり部115は、開口部112から導入されるガス(押圧ガス)110を下に向けて凸状に保つように作用する。
【0040】
この装置100は、反応管101の内部に仕切り部111を水平に配置することによって、反応管101の内部を上下に仕切っている。仕切り部111を配置することによって、異なるガスの流路を上下に平行に形成している。反応管101の一端に原料ガス109の導入部105、反応管101の他端に反応済みガスの排出部106を備えている。反応管101の一端に押圧ガス110の導入部107、反応管101の他端に押圧ガス110の排出部108を備えている。原料ガス109の導入部105と反応済みガスの排出部106を結ぶ流路と、押圧ガス110の導入部107と排出部108を結ぶ流路は、互いに平行で同じ方向にガスを流すようにしているが、互いに平行で反対方向にガスを流すようにすることもできる。
【0041】
サセプター103(基板102)の上方に位置する仕切り部111aには、凸状部が形成されている。この凸状部の上面に開口部112が形成され、この開口部112によって上下のガス流路が連絡する。開口部112は、上下の流路と平行な面に形成している。
【0042】
図2は、本発明の第1の実施形態である気相成長装置による気相成長方法を示す概略図である。図2において、図1の気相成長装置を用い、基板102としてGaN基板を用い、それをサセプター103の上面にセットする。次いで、反応管101内を水素ガスで置換し、その後、原料ガス導入部105より水素ガスを60L/minの割合で供給し、押圧ガス導入部107より水素ガスを10L/minの割合で供給しながら基板102を1,000℃に加熱し、GaN基板102の熱処理を10分間行った。
【0043】
その後、原料ガス導入部105よりトリメチルガリウム、アンモニアを含む水素ガス(トリメチルガリウムを250μmol/minの割合、アンモニアを40L/minの割合、水素を50L/minの割合)を供給した。ここで、開口部112の面積を直径2インチの円として、押圧ガス導入部107より窒素ガスを40L/minの割合で供給し、押圧ガス排出部108の流路を絞り込み、開口部112に側圧により窒素ガスを供給した。その結果、開口部112の下部に設けられたガスだまり部115に窒素ガスが供給される。これにより図2に破線で示すように押圧ガス110の突出部113が、サセプター103(基板102)の真上に下向きに形成された。
【0044】
この押圧ガス110の突出部113により原料ガス109に側圧を加え、トリメチルガリウム、アンモニアを含む水素ガスがGaN基板102を包み込んだ状態とした。この状態で気相成長を60分間行った。
【0045】
サセプター103を毎分10回転(公転)させるとともに、基板102自身も毎分30回転(自転)させた。気相成長後、基板102と対向する反応管壁に固形物の付着及び汚れがあるかどうか調査した。その結果、固形物付着及び汚れはなかった。得られたGaN膜の膜厚変動幅(最大値―最小値)/平均値は1%以下であった。ホール移動度は平均260cm^2/VSと良好な結果が得られた。
【0046】
更に図面を参照して、本発明の別の実施形態を詳細に説明する。図3は、本発明の第2の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図である。この概略図を用いて本発明の別の気相成長方法を示す。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0047】
図3において、開口部112を基準としてその上流側に位置するガス110の流路(押圧ガス110の導入部107側の流路)の高さをX1、下流側に位置するガス110の流路(押圧ガスの排出部108側の流路)の高さをY1としたとき、X1>Y1となるようにした。この例では、仕切り部111にX1>Y1となるような段差を形成した。そして、押圧ガス110の排出部108の流路を絞り込むような制御を行うことによって、ガスだまり部115に窒素ガスを側圧により供給すると、図3に示すように、突出部113が下向きに形成され、この突出部113により、原料ガス109に側圧を加える。そして、原料ガス109がGaN基板102を包み込んだ状態とし、この状態で気相成長を行う。
【0048】
このときX1−Y1の差分の押圧ガスは、下部114において、下部114と反応済みガスに挟まれて反応済みガス排出部106より排出される。そのため反応済みガスと排出側仕切り部の下部114は接触することがない。気相成長後、排出側仕切り部の下部114に固形物の付着及び汚れがあるかどうか調査した。その結果、固形物付着及び汚れはなかった。反応管上部壁部及び押圧ガスの排出側仕切り部の下部114に汚れがないため反応管の清掃が不要で、連続して気相成長することができる。
【0049】
図4は、本発明の第3の実施形態である気相成長装置の基本的な構成を示す概略図である。この概略図を用いて本発明の別の気相成長装置100を示す。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0050】
図4において、開口部112の面積より大きい押圧ガスだまり部115において、ガス導入側のガスだまり壁高さをA1、ガス排出側ガスだまり壁高さをB1としたときA1>B1とした。このようにすることによりA1−B1の差分の押圧ガスは、原料を含まない窒素ガスの排出側仕切り板下部114において排出側仕切り板下部114と反応済みガスに挟まれる。そのため反応済みガスが仕切り板下部114に接触することなく、図2,3と同様に固形物の付着及び汚れはない。
【0051】
図5は、本発明の第4の実施形態である気相成長装置の基本的な構成を示す概略図である。この概略図を用いて本発明の別の気相成長装置100を示す。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0052】
図5において、押圧ガス110を、仕切り部111を構成する一枚の仕切り板116によって仕切る。仕切り板116のサセプター103(基板102)の上方位置に開口部112を設ける。開口部112を含むように、仕切り板116の下部に周囲を壁で囲んだガスだまり部115を形成する。ガス導入側のガスだまり壁115a高さをA2、ガス排出側ガスだまり壁115b高さをB2としたとき、A2>B2となるように壁高さを設定した。こうすることによりA2−B2の差分の押圧ガス110は、高さB2の壁115bを通り、仕切り板116のガス排出側下部114と反応済みガスに挟まれて反応済み排出側下部106より排出される。そのため反応済みガスと仕切り板排出側下部114は接触することはなく、図2,3,4の例と同様に固形物の付着及び汚れはない。
【0053】
次に図面を参照して、本発明の別の実施形態を詳細に説明する。図6は、本発明の第5の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図である。この概略図を用いて本発明の別の気相成長方法を示す。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0054】
図6において、原料ガス109と押圧ガス110を仕切る仕切り板116の基板の上方位置に開口部112を設け、一枚の仕切り板116によって仕切る。仕切り板116のサセプター103(基板102)の上方位置に開口部112を設ける。開口部112を含むように、仕切り板116の下部に周囲を壁で囲んだガスだまり部115を形成する。ガス導入側のガスだまり壁115aの高さをA2、ガスの排出側ガスだまり壁115b高さを略0とした。A2>0とすることにより、A2相当の押圧ガス110は、仕切り板ガス排出側下部114と反応済みガスに挟まれて反応済みガス排出部106より排出されるため反応済みガスと仕切り板排出側下部114は接触することはないため、図2,3,4、5の例と同様に固形物の付着及び汚れはない。
【0055】
以上、本発明の図2〜図6に示す気相成長装置、気相成長方法によると、基板102の上方に位置する反応管上壁部及び押圧ガスの仕切り部下部114の汚れがないため、反応管101の清掃が不要で、連続して気相成長できる特徴を有する。
【0056】
更に、押圧ガス110の流路において、押圧ガス110の制御、例えば押圧ガス排出部108を絞ることによる流路の圧力の増加、或いは流速の低下により、押圧ガス110により開口部112の面積より大きいガスだまり部115ができる。これにより、押圧ガス110による突出部113を発生させ、突出部113により原料ガス109へ側圧を加えることにより原料ガス109が基板102を包み込んだ状態で気相成長するため大面積にわたってガス流の乱れはなく、安定した成長が可能となる。
【0057】
ここで、原料ガス109と押圧ガス110を隔てる仕切り部を従来の反応管を用いて反応管の上部壁面とすることもできるし、又は、平面の仕切り板を用いてもよい。原料ガスと押圧ガスを隔てる仕切り部の開口部112面積を、ガスだまり部115を設けることにより基板面積の0.2〜2倍にすることができる。更に、原料ガスと押圧ガスを隔てる開口部を含んだ、押圧ガスだまり部115面積を基板面積の0.5〜6倍にして、大型基板あるいは複数枚の基板の同時成長ができるとともに基板102上に均一に、原料ガス109を供給できる。
【0058】
押圧ガス110の流路長は原料ガス109の流路長より短くしてガスの消費量を削減するとともに装置を小型化することができる。開口部112の形状は、押圧ガス110の突出部113により原料ガス109(トリメチルガリウム、アンモニアを含む水素ガス)に側圧を加えて原料ガス109が基板102を包み込んだ状態で気相成長すれば、形状にこだわらないが長方形、正方形、円、楕円、卵形とすることができる。押圧ガス110、窒素ガスのガスだまり部115の形状も、原料ガス109が基板102を包み込んだ状態で気相成長すれば、形状にこだわらないが長方形、正方形、円、楕円、卵形とすることができる。
【0059】
原料ガス109としてはアルシン、ホォスフィン、シラン等金属水素化合物、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなどのIII族金属源、トリヒトラジン、アルキルアミン等、アンモニアなどが用いられる。原料ガスが含まれないガス110としては、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスほか窒素、水素などが用いられる。
【0060】
原料ガス109と押圧ガスを隔てる仕切り部111a、111bの構成材料として石英、石英ガラス、石英焼結体を用いることができる。サセプター103は4インチ以上の大型基板を載せるようにし、複数枚の基板を載せる構造とすることができる。基板102はサセプター103により自転及び又は公転することにより気相成長反応がサセプター103全面に行われる。開口部112から基板102までの距離は15mm以下、好ましくは10mm以下である。
【0061】
以上のように、本発明によれば押圧ガスだまり部115のガス突出部113の側圧を用いることにより、基板102に均一に原料ガス109を供給でき、原料ガス109が基板102を包み込んだ状態で気相成長するため原料ガス109の流れに乱れは発生しない。
【0062】
反応管101は横型で扁平形であるため小型化でき、押圧ガス110の使用量が少なく、原料ガス109、押圧ガス110の流路が平行であるため装置全体を扁平矩形とすることにより原料ガス109の量も少なくできる。押圧ガス110の流量(例えばL/min)を、例えば押圧ガス排出部108を絞るなどの制御をすることにより、基板(サセプター)上部において押圧ガスだまり113により原料ガス109へ側圧を加えることができる。流量以外にも流速、流圧を変えることにより同様な効果が得られる。
【0063】
ヒーター104による、基板102の最高加熱温度は300℃程度の比較的低い温度から1,000℃以上の比較的高い温度まで幅広く適用することができる。反応管101内の気圧は常圧のほか、減圧から0.1MPa/cm^2Gのように加圧下とすることもできる。
【0064】
図7は、本発明の第6の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図である。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0065】
図7に示すように、例えば幅150mm、高さ20mm、長さ250mmの石英製の反応管101に、2枚の仕切り板116a,bを水平に配置する。2枚の仕切り板116a,bは、上下の高さ位置が相違するように段差をもって配置される。この例では、開口部112を基準としてガス110の流路(押圧ガス110の導入部107側の流路)の上流側の流路の高さをX2とし、下流側に位置するガス110の流路(押圧ガスの排出部108側の流路)の高さをY2としたとき、X2>Y2となるように仕切り板116a,bが配置される。そのため、ガス導入側の仕切り板116aが排気側の仕切り板116bよりも低い位置に配置される。開口部112の直下にサセプター103が位置する。サセプター103は、直径が100mmの円形である。サセプター103の上に1インチGaN 基板102を置く。
【0066】
反応管内を水素ガスで置換した後、原料ガス導入部105より水素ガス60L/minの割合(L/minはLiter/minの略である)で供給しながらGaN 基板102を1,000℃に加熱し 、GaN基板102の熱処理を10分間行う。
【0067】
その後、原料ガス導入部105より原料(トリメチルガリウム250μmol/minの割合、アンモニア40L/minの割合、水素50L/minの割合)を供給する。ここで、押圧ガス導入部107より窒素ガス40mL/minの割合を供給する。開口部112の面積を直径1インチの円とした。導入側の流路高さX2(8mm)、排出側の流路高さY2(4mm)の時、X2>Y2であるため、X2−Y2にあたる流量差により、開口部112に窒素ガスの突出部113が発生する。この突出部113によって、原料ガスに側圧を加え、原料ガス109がGaN基板102を包んだ状態を保ち、この状態で気相成長する。
【0068】
押圧ガス110は、窒素ガスの排出側仕切り板下部114で反応済みガスを挟みこみ反応済みガス排出部106に排出するため排出側仕切り板下部114は反応済みガスで汚れることはない。気相成長は60分間行った。サセプター103及び基板102は毎分30回転させた。気相成長後、基板102と対向する反応管壁及び押圧ガス110の排出側仕切り板下部114に固形物の付着及び汚れがあるかどうか調査した。結果、固形物付着及び汚れはなかった。
【0069】
以上のように反応管上部壁部及び押圧ガス110の排出側仕切り部下部104に汚れがないため反応管の清掃が不要にとなり、連続して気相成長できる。得られたGaN膜の膜厚変動幅(最大値―最小値)/平均値は1%以下であった。ホール移動度は265cm^2/VSと良好な結果が得られた。
【0070】
次に図面を使用して、本発明の別の実施形態を詳細に説明する。図8は、本発明の第7の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図である。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。図7に示す実施形態においては、仕切り板116に段差を持たせていたが、この段差に代えて反応管101の上壁面に傾斜101cを設けた点を特徴としている。
【0071】
図8に示すように、反応管101に、開口部112を有する仕切り板116を水平に配置するとともに、反応管101の上壁面に傾斜101cを持たせた。押圧ガス110の流路が、ガス導入側よりも排出側が狭くなるように、反応管101の上壁面に傾斜101cが形成されている。傾斜の角度は1度に設定しているが。0.1〜10度の範囲に設定することができる。押圧ガス110の流路が先に行くにしたがって搾られるので、開口部112に窒素ガスの突出部113を発生させることができる。
【0072】
図9は本発明の第8の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図である。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。図8に示す実施形態においては、反応管101の上壁面を傾斜させていたが、この傾斜に代えて反応管101の上壁面に段差101sを設けた点を特徴としている。
【0073】
図9に示すように、開口部112からガス排出側に30mmの位置、すなわち開口部112を基準として下流側に段差101sを形成した。この段差101sは、この段差よりも下流路のガス110の流路の面積が上流側のガス110の流路の面積の2/3以下、好ましくは1/2以下になるように設定される。この段差101sによって、開口部112に窒素ガスの突出部113を発生させることができる。
【0074】
図10は本発明の第9の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図である。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。図9に示す実施形態においては、段差101sを開口部112を基準として下流側に形成していたが、図10に示す例では、この段差101sの位置を変更して開口部112の真上に設けた点を特徴としている。
【0075】
図11は本発明の第10の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図である。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。図10に示す実施形態においては、開口部112の真上に段差101sを設けていたが、図11に示す例では、この段差101sに代えて、傾斜面101cを開口部112の真上に設けた点を特徴としている。傾斜面101cは、図8のように反応管101の上壁面の全長域にもけるのではなく、開口部112の長さ範囲と対応して反応管101の一部の領域に形成している。
【0076】
図8〜図11に示す気相成長装置において、1インチGaN基板102を直径100mmのサセプター103に置き、反応管内を水素ガスで置換した。その後、原料ガス導入部105より水素ガス60L/minの割合で供給しながらGaN 基板102を1,000℃に加熱し 、GaN基板102の熱処理を10分間行った。原料ガス導入部105よりトリメチルガリウム、アンモニアを含む水素ガス(トリメチルガリウム250μmol/minの割合、アンモニア40L/minの割合,水素50L/minの割合)を供給した。ここで、押圧ガス導入部107より窒素ガス40L/minの割合を供給した。開口部112の面積を直径2インチの円として、押圧ガス導入部側面積―排出部側面積による流量差により、開口部112に窒素ガスの突出部113を発生させた。この突出部113によって、原料ガスに側圧を加え、原料がGaN基板102を包み込んだ状態を保ちながら気相成長した。
【0077】
押圧ガス110、窒素ガスの排出側仕切り板下部114で反応済みガスにより挟み込み排出部106に排出するため排出側仕切り部114は反応済みガスで汚れることはない。気相成長は60分間行った。サセプター103及び基板102は毎分30回転させた。気相成長後基板102と対向する反応管壁及び押圧ガス110の排出側仕切り板下部114に固形物の付着及び汚れがあるかどうか調査した。結果、固形物付着及び汚れはなかった。
【0078】
以上のように反応管上部壁部及び押圧ガス110の排出側仕切り部下部114に汚れがないため反応管の清掃が不要になり、連続して気相成長できる。得られたGaN膜の膜厚変動幅(最大値―最小値)/平均値は1%以下であった。ホール移動度は260cm^2/VSと良好な結果が得られた。
【0079】
本発明によれば押圧ガス110の側圧を用いることにより基板102に均一に原料ガス109を供給でき、垂直に噴出する押圧ガスで原料ガス109を基板102に吹き付ける方法でないため、原料ガス109と押圧ガス110が基板102上で混合されることがないためガス流に乱れがない。反応管101は横型で扁平形であるため小型化でき、押圧ガス110の使用量が少なく、原料ガス109、押圧ガス110の流路が平行であるため装置全体を扁平矩形とすることにより原料ガス109の量も少なくできる。
【0080】
ここで、原料ガス109と押圧ガス110を隔てる仕切り部を従来の反応管を用いて反応管の上部壁面とすることもできるし、又は反応管を横断する平面の仕切り板を用いてもよい。又、原料ガス109と押圧ガス110を隔てる仕切り部の開口部面積を、サセプター103が回転するため基板1枚の面積の0.5〜6倍にすることができる。開口部112から基板102までの距離は15mm以下、好ましくは10mm以下である。又、押圧ガス110の流路長は原料ガス109の流路長より短くして押圧ガス110の消費量を減らすことができる。
【0081】
又、開口部112の形状は、押圧ガス110により原料ガス109へ側圧を加えて原料ガス109が基板102を包み込んだ状態で気相成長すれば、形状にこだわらないが長方形、正方形、円、楕円、卵形とすることができる。又、原料ガス109としてはアルシン、ホォスフィン、シラン等金属水素化合物、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなどのIII族金属源、トリヒトラジン、アルキルアミン等、アンモニアなどが用いられる。本発明において、原料ガスとして原料を水素、ヘリウム、アルゴン、窒素等のガスによって希釈して供給するガスを含む。原料ガスが含まれないガス110としては、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスほか窒素、水素などが用いられる。又、原料ガス109と押圧ガス110を隔てる仕切り部の構成材料として石英、石英ガラス、石英焼結体を用いることができる。
【0082】
図12は本発明の第11の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図である。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0083】
図12に示すように、装置100は、基板102を載せるためのサセプター103と、該基板を加熱するためのヒーター104及び、反応管内部基板102に実質的に平行になるように配置された下部に原料ガス109の導入部105、排出部106部を有し、上に押圧ガス110の第1導入部107a、第1排出部108aを有する第1仕切り板116aを備え、第1仕切り板116aの基板102(サセプター103)の上部に、開口長さEの開口部112aを設け、第1仕切り板116aの上に、押圧ガス110の第2導入部107b、第2排出部108bを有する第2仕切り板116bを備え、第2仕切り板116bの基板102(サセプター103)の上部に、開口長さFの開口部112bを設けた気相成長装置において、E(直径30mm)>F(直径15mm)とし、2つの開口部112a,bにより押圧ガス110の突出部113を基板102方向により深く突出することができるような構成としたことを特徴とする。
【0084】
仕切り部111を構成する第1、第2の仕切り板116a,116bは、原料ガス109の流路と平行に、押圧ガス110の2つの流路を形成する。押圧ガス110の2つの流路は、上下に平行して形成される。第1、第2の仕切り板116a,116bに形成した開口部112a,bは、それぞれがサセプター103(基板102)と平面的に重なる位置に配置される。
【0085】
図13は本発明の図12に示す実施形態である気相成長装置を用いた、気相成長方法を示す概略図である。
【0086】
図13において、1インチのGaN基板102をサセプター103に置き、反応管内を水素ガスで置換する。その後、原料ガス導入部105より水素ガス60L/minの割合で供給しながらGaN 基板102を1,000℃に加熱し 、GaN基板102の熱処理を10分間行った。原料ガス導入部105より原料ガス(トリメチルガリウム250μmol/minの割合、アンモニア40L/minの割合,水素50L/minの割合)を供給するとともに、押圧ガス導入部107a,bより各々窒素ガス20/minの割合を供給して、開口部112a,bに窒素ガスの突出部を発生させる。これらの突出部が合成され、突出部113が形成される。この突出部113によって、原料ガスに側圧を加え原料ガス109がGaN基板102を包み込んだ状態に保ちながら気相成長する。ここで、窒素ガスの突出部113より窒素ガスの排出側仕切り部111の下部114に窒素ガス110が、反応済みガスにより挟まれ反応済みガス排出部116に排出される。そのため窒素ガスの排出側仕切り部下部114は反応済みガスで汚れることはない。気相成長は60分間行った。
【0087】
開口部112bの側圧が開口部112aの側圧に加わり基板102に対してより深い側圧を加えることができるため、得られたGaN膜の膜厚変動幅(最大値―最小値)/平均値は1%以下であった。ホール移動度は265cm^2/VSと良好な結果が得られた。
【0088】
本発明によれば押圧ガス110の側圧を用いることにより基板102に均一に原料ガス109を供給でき、垂直方向からの押圧によって原料ガス109を基板102に吹き付ける方法でないため、原料ガス109と押圧ガス110が基板102上で混合されることが殆どないためガス流に乱れがない。更に開口部112a,bにより側圧を細かく調整できる特徴がある。
【0089】
サセプター103及び基板102は毎分30回転させた。気相成長後基板102と対向する反応管壁に固形物の付着及び汚れがあるかどうか調査した。結果、固形物付着及び汚れはなかった。以上のように反応管上部壁部及び押圧ガス110の排出側仕切り部下部104に汚れがないため反応管の清掃が不要にとなり、連続して気相成長できる。ここで、押圧ガス110の流量は原料ガス109の流量の1/16〜1/30とすることができる。又、押圧ガス110の流量(例えばL/min)を制御することにより基板102上部において原料ガス109へ押圧ガス110の側圧を加えることができる。流量以外にも流速、流圧を変えることにより同様な効果が得られる。又、基板の最高温度は300℃程度の比較的低い温度から1,000℃以上の比較的高い温度まで幅広く適用することができる。反応管101内の気圧は常圧のほか、減圧から0.1mPa/cm^2Gのように加圧下とすることもできる。
【0090】
図14は本発明の第12の実施形態である気相成長装置の基本的な構成を示す概略図である。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0091】
図14において、装置100は、反応管101の上部壁面を仕切り板116とし、基板102の上方位置に基板102と同じ面積の開口部112を設け、押圧ガスの導入部107、排出部108を備える流路101bが、略U字で、押圧ガス110がその流路の底部で基板102に水平に流せるように形成されていることを特徴とする。
【0092】
装置100は、横長筒状の反応管101aに、U字状の反応管101bを積層し、横長筒状の反応管101aの上壁とU字状の反応管101bの底壁にサセプター103の上方位置で穴を開けて開口部112を形成した構成となっている。
【0093】
図7〜図12の気相成長装置において押圧ガスの導入部107、排出部108形状を図14のように略U字とし、反応管を通して反応管上部に導入部107、排出部108を引き出すことにより、ガス流路長を短くして押圧ガス110の使用量を少なくすることができる。
【0094】
図14においてガスの導入部107、排出部108を備える流路(反応管101b)の形状を図14のように略U字として反応管101a上部に引き出した構造を示したが、反応管上部に横方向に引き出しても良い。これにより装置を小型化できる。これが本発明の第12の実施形態である気相成長装置の基本的な構成である。
【0095】
反応管は横型で扁平形であるため小型化でき、押圧ガス110使用量が少なく、原料ガス109、押圧ガス110の流路が平行であるため装置全体を扁平矩形形とすることにより原料ガスの量も少なくできる。尚、図12、図13に示す実施形態による本発明は、既にある気相成長装置を改造することによって従来の半導体膜に加え、GaN等のIII族窒化物半導体の成長も連続して可能となる特徴を有する。
【0096】
図15は、本発明の第13の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図である。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0097】
図15に示すように、装置100は、反応管101の中にガス流路を上下に仕切る仕切り板116を水平に配置し、仕切り板116に形成した開口部112の下流側で仕切り板の上に位置する流路(排出部108)を壁108wによって塞いだことを特徴とする。
【0098】
ここで原料ガス109と押圧ガス110を隔てる仕切り部を従来の反応管を用いて反応管上部壁面とすることもできるし、又は平面の仕切り板を用いてもよい。又、原料ガス109と押圧ガス110を隔てる仕切り部の開口部面積を、サセプターが回転するため基板面積の0.5〜5倍にすることができる。また、開口部部分112の形状は、押圧ガス110の突出部113が発生し突出部により原料ガス109へ側圧を加えて原料ガス109が基板102を包み込んだ状態で気相成長すれば、形状にこだわらないが、長方形、正方形、円、楕円、卵形とすることができる。又、原料ガス109としてはアルシン、ホォスフィン、シラン等金属水素化合物、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなどのIII族金属源、トリヒトラジン、アルキルアミン等、アンモニアなどが用いられる。原料が含まれないガス110としては、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスほか窒素、水素などが用いられる。原料ガス109と押圧ガス110を隔てる仕切り部111の構成材料として石英、石英ガラス、石英焼結体を用いることができる。
【0099】
図16は、図15で示した本発明の気相成長装置を用いた、気相成長方法を示す該略図である。図15の気相成長装置を用い、GaN基板102をサセプター103にセットする。その後、反応管内を水素ガスで置換した後、原料ガス導入部105より水素ガス60L/minの割合で供給し、押圧ガス導入部107より水素ガス10L/minの割合で供給しながら基板102を1,000℃に加熱し、GaN基板102の熱処理を10分間行った。原料ガス導入部105より原料ガス(トリメチルガリウム250μmol/minの割合、アンモニア40L/minの割合,水素50L/minの割合)を供給する。ここで、開口部112面積を基板面積と同じくして、押圧ガス導入部107より窒素ガスを40L/minの割合を供給する。開口部112下の開口部112と同じ面積の押圧ガスだまり部115において、排出側仕切り部111の上部(押圧ガスの排出部108)は閉じられているため、開口部112の下に押圧ガス110の突出部113が形成され、突出部113により原料ガス109に側圧を加える。
【0100】
そして、原料がGaN基板102を包み込んだ状態で気相成長を60分間行った。サセプター103を毎分10回転させるとともに、基板102も毎分30回転させた。気相成長後、基板102と対向する反応管壁に固形物の付着及び汚れがあるかどうか調査した。結果、固形物付着及び汚れはなかった。得られたGaN膜の膜厚変動幅(最大値―最小値)/平均値は1%以下であった。ホール移動度は平均265cm^2/VSと良好な結果が得られた。
【0101】
ここで、押圧ガス排出部108が閉じられているため押圧ガスの量を1/2にできた。
【0102】
図17は、本発明の第14の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図である。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0103】
図17に示す装置100は、図1に示す装置100を基本構成とし、その排気部108を開口部112の下流域で壁108wによって閉じたことに特徴がある。
【0104】
図18は、図17に示す本発明の気相成長装置を用いた、気相成長方法を示す概略図である。先と同様に気相成長後、基板102と対向する反応管壁に固形物の付着及び汚れがあるかどうか調査した。基板102と対向する反応管壁に固形物の付着及び汚れはなかった。又、反応済みガスは押圧ガス排出側仕切り部下部114と押圧ガスの突出部から流れ出す押圧ガスによって挟まれるため、押圧ガスの排出側仕切り部下部114は反応済みガスで汚れることはない。基板102上部の反応管上部壁部、押圧ガスだまり115内、及び押圧ガスの排出側仕切り部下部104の汚れが無いため反応管の清掃が不要で、連続して気相成長できる。
【0105】
ここで、押圧ガス110の流量は原料ガス109の流量の1/6〜1/30とすることができる。又、基板102の最高加熱温度は300℃の比較的低い温度から1000℃以上の比較的高い温度まで幅広く適用することができる。反応管101内の気圧は常圧のほか、減圧から0.1MPa/cm^2Gのように加圧下とすることもできる。
【0106】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形をすることが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0107】
例えば本発明の実施形態では、GaN基板を用いた半導体気相成長方法について説明したが、他の基板、例えば、サファイア基板、SiC基板、Si基板、GaAs基板、InP基板等、格子間の整合性や、熱膨張等を考慮して基板を適宜選択することができる。
【0108】
更に、GaN系化合物半導体を用いた気相成長方法について説明したが、他の半導体材料例えばInGaAlNのNの1部又は全部をAsおよび/またはP等で置換した材料やGaAs系化合物半導体を用いた気相成長方法にも本発明を適用できる。
【0109】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によると、加熱された基板上に半導体膜を気相成長させ際、側圧により大口径基板及び複数枚の基板に均一に原料ガスを供給できる。また、側圧を利用するため、ガス流の乱れを防止することができる。また、小型で、使用ガス量の少ない、半導体膜の気相成長装置もしくは方法を提供することができる。また、気相成長させる基板に対向した反応管壁や、反応済みガス排出側仕切り部の下部の汚染を防止することができる。固形物の基板上への落下を防止することができる。反応管の清掃が不要で、大口径基板、もしくは複数枚の基板を同時に、連続して、安定して気相成長することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である気相成長装置の基本的な構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態である気相成長装置を用いた気相成長方法を示す概略図である。
【図3】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図4】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図5】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図6】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図7】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図8】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図9】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図10】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図11】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図12】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図13】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図14】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図15】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図16】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図17】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図18】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【符号の説明】
101:反応管
102:基板
103:サセプター
104:ヒーター
105:原料ガス導入部
106:反応済みガス排出部
107:押圧ガス導入部
108:押圧ガス排出部
109:原料ガス
110:押圧ガス
111,111a、111b:仕切り部
112,112a、112b:開口部
113:押圧ガスの突出部
114:押圧ガスの排出側仕切り部下部
115:押圧ガスのガスだまり部
116:仕切り板
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体膜の気相成長装置、及び成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、GaN、InGaN、AlGaN等のIII族窒化ガリウム系半導体を用いた半導体レーザ素子、発光ダイオード等の半導体発光素子の需要が急速に高まっている。窒化ガリウム系半導体の製造方法としては、トリメチルガリウム、トリメチルインジュウム、又はトリメチルアルミニュウム等の有機金属ガスをIII族金属源として、アンモニアを窒素源として用い、あらかじめ反応管にセットされたサファイア等の基板上に原料導入管から、導入し、加熱された基板上で気相成長させる方法が知られている。この方法では基板上で原料を含むガスが加熱されることにより発生する熱対流によって基板に対向した反応管壁に分解生成物または反応生成物が析出し、反応管を汚染し、析出した固形物が基板に落下し、落下した場所には反応が進まない不具合があった。気相成長を行う毎に反応管壁の清掃が必要となり、連続して成長できない欠点があつた。またこれらを解決するために別の方法が示されている(特許文献1参照)。基板に対して平行ないし傾斜する方向に、反応ガスを供給し、基板の表面に対して実質的に垂直な方向に副噴射管により反応ガスを含まない押圧ガスを供給し、反応ガスを基板に吹き付ける方向を変更させて半導体膜を成長させる方法が示されているが、副噴射管は下方の基板に向かって開口面積が大きくなるテーパー状をしているため装置が大型となる欠点があった。また窒化化合物半導体以外の使用では副噴射管における押圧ガスのロスが大きくて使用できない欠点があった。前記の気相成長装置あるいは気相成長方法においては、直交するガス流、すなわち原料ガスを含むガスと押圧ガスが基板上で混合されるためガス流に乱れが生じやすかった。例えば、複数枚の基板の同時成長を行う場合は基板の広範囲にわたって均一な濃度で原料ガスを供給することは困難であった。
【0003】
【特許文献1】
特許2628404号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、反応管壁の汚染を防止することを課題の1つとする。また、反応管壁に付着した固形物の基板への落下を防止することを課題の1つとする。また、反応管の清掃回数を削減することを課題の1つとする。また、連続して気相成長でき、大型基板あるいは複数枚の基板の同時成長を可能とすることを課題の1つとする。また、ガス流の乱れを少なくして基板上に均一に原料ガスを供給することを課題の1つとする。そして、小型で、使用ガスの量の少ない気相成長装置及び気相成長方法を提供することを課題の1つとする。また、窒化化合物半導体以外の材料の気相成長にも使用できる、気相成長装置及び気相成長方法を提供することを課題の1つとする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、請求項1に記載のように、基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーターと、反応管内部に前記基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部と、を備え、前記仕切り部の前記サセプターの上方位置に開口部を設け、該開口部下部に前記開口部の面積より大きい面積の第2種ガスだまり部を形成したことを特徴とする。
【0006】
本発明は、請求項2に記載のように、前記第2種ガスだまり部を前記仕切り部の前記開口部を含む凸状としたことを特徴とする。
【0007】
本発明は、請求項3に記載のように、前記第2種ガスだまり部を基準として、その上流側である第2種ガス導入側流路の高さをX1、その下流側である第2種ガス排出側流路の高さをY1とした時、X1>Y1としたことを特徴とする。
【0008】
本発明は、請求項4に記載のように、前記第2種ガスの流路長は前記第1種ガスの流路長より短くしたことを特徴とする。
【0009】
本発明は、請求項5に記載のように、前記サセプターが複数枚の基板を載せる構造としたことを特徴とする。
【0010】
本発明は、請求項6に記載のように、反応管内に設置され加熱された基板の表面に、原料ガスを供給して基板表面に実質的に半導体膜を気相成長させる方法において、基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、該仕切り部の前記サセプターの上方位置に開口部を設け、該開口部下部に設けられた前記開口部より大きい第2種ガスだまり部により前記第2種ガスを制御し、前記第2種ガスによって前記第1種ガスに側圧を加えながら気相成長を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明は、請求項7に記載のように、反応管内に設置され加熱された基板の表面に、原料ガスを供給して基板表面に実質的に半導体膜を気相成長させる方法において、基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、該仕切り部の前記サセプターの上方位置に開口部を設け、該開口部下部に設けられた開口部より大きい第2種ガスだまり部に第2種ガス突出部を形成し、該第2種ガス突出部により第1種ガスに側圧を加えるとともに、前記第2種ガスだまり部以外の前記仕切り部下部排出側へ第2種ガスを挟んで第1種ガスを排出するようにしたことを特徴とする。
【0012】
本発明は、請求項8に記載のように、基板が自転及び/又は公転するとともに気相成長反応がサセプター全面に行われるようにしたことを特徴とする。
【0013】
本発明は、請求項9に記載のように、前記第2種ガスだまり部の第2種ガス導入側の壁高さをA1、第2種ガス排出側壁高さをB1としたとき、A1>B1としたことを特徴とする。
【0014】
本発明は、請求項10に記載のように、基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーター及び、反応管内部基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、該仕切り部の前記基板の上方位置に開口部を設けた気相成長装置において、前記反応管の上壁に傾斜を持たせ、第2種ガス導入側の前記上壁高さをX3、第2種ガス排出側の前記上壁高さをY3としたとき、X3>Y3としたことを特徴とする。
【0015】
本発明は、請求項11に記載のように、基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーター及び、反応管内部基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、該仕切り部の前記サセプターの上方位置に開口部を設けた気相成長装置において、前記開口部よりも下流の第2種ガス排出部側上壁に、排出部側面積が導入側面積より小さくなるような段差を持たせたことを特徴とする。
【0016】
本発明は、請求項12に記載のように、基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーター及び、反応管内部基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、該仕切り部の前記サセプターの上方位置に開口部を設けた気相成長装置において、前記開口部の上に位置する第2種ガス流路上壁に、排出部側面積が導入側面積より小さくなるような段差を持たせたことを特徴とする。
【0017】
本発明は、請求項13に記載のように、基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーター及び、反応管内部基板に実質的に平行になるように配置された下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、該仕切り部の前記サセプターの上方位置に開口部を設けた気相成長装置において、前記開口部の上方に位置する流路上壁に、第2種ガス排出部側面積が導入部側面積より小となるような傾斜をもたせたことを特徴とする。
【0018】
本発明は、請求項14に記載のように、基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーター及び、反応管内部基板に実質的に平行になるように配置された下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する第1の仕切り板を備え、該仕切り板の前記サセプターの上方位置に第1の開口部を設けた気相成長装置において、前記第2種ガス流路に第2の仕切り板を設け、該第2の仕切り板の前記サセプターの上方位置に第2の開口部を設け、前記第1の開口部の長さをE、前記第2の開口部の長さをFとしたとき、E>Fとしたことを特徴とする。
【0019】
本発明は、請求項15に記載のように、前記開口部の面積を前記基板の面積の0.5〜6倍にしたことを特徴とする。
【0020】
本発明は、請求項16に記載のように、第1種ガスの導入部と排出部を持つ第1の反応管と、基板を載せるために前記第1の反応管の底部に配置されたサセプターと、該基板を加熱するためのヒーターと、第2種ガスの導入部と排出部を備え形状が略U字でガスを底部で第1の反応管内のガスと平行に流せるように前記第1の反応管に積層された第2の反応管とを備え、基板サセプターの上部に前記第1の反応管の上部と第2の反応管の底部を接続する開口部を設けたことを特徴とする。
【0021】
本発明は、請求項17に記載のように、基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーターと、第1種ガスを流すための導入部と排出部を備え前記サセプターに実質的に平行に第1種ガスを流す第1の流路を有する反応管とを備え、前記反応管は、該反応管の上部に第2種ガスを前記サセプターに実質的に平行に流す第2の流路と、前記第1と第2の流路を前記サセプターの上方位置で連絡する開口部とを備え、前記第2の流路は、第2種ガスが前記サセプターの上面と垂直な方向に導入と排出されるように、前記第2種ガスの導入部と排出部を反応管上部から上向きに引き出したことを特徴とする。
【0022】
本発明は、請求項18に記載のように、第2種のガスの導入側部、排出側部が反応管を通して反応管上部に引き出されたことを特徴とする。
【0023】
本発明は、請求項19に記載のように、前記傾斜の角度を0.1〜10度としたことを特徴とする。
【0024】
本発明は、請求項20に記載のように、反応管内に設置され加熱された基板の表面に、原料ガスを供給して基板表面に実質的に半導体膜を気相成長させる方法において、基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、前記仕切り部の前記基板の上方位置に開口部を設け、第2種ガス導入側の流路を第2種ガス排出側の流路より大きくすることにより、前記開口部に第2種ガスによる突出部を作り、該突出部によって第1種ガスに側圧を加えるとともに、前記仕切り部と第1種ガスの間に第2種ガスを挟むようにして第1種ガスを排出することを特徴とする。
【0025】
本発明は、請求項21に記載のように、反応管内に設置され加熱された基板の表面に、原料ガスを供給して基板表面に実質的に半導体膜を気相成長させる方法において、基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する第1の仕切り部を備え、第1の仕切り部の前記基板の上方位置に第1の開口部を設け、第1の仕切り部の上に第2の仕切り部を備え、第2の仕切り部の前記基板の上方位置に第2の開口部を設け、第1の仕切り部上及び第2の仕切り部2の上に第2種ガスを流し、第1、第2の開口部に第2種ガスによる突出部を作り、この突出部のによって第1種ガスに側圧を加えることを特徴とする。
【0026】
本発明は、請求項22に記載のように、反応管内に設置され加熱された基板の表面に、原料ガスを供給して基板表面に実質的に半導体膜を気相成長させる方法において、基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する第1の仕切り部を備え、第1の仕切り部の前記基板の上方位置に第1の開口部を設け、第1の仕切り部の上に第2の仕切り部2を備え、第2の仕切り部2の前記基板の上方位置に第2の開口部を設け、第1、第2の仕切り部の上に第2種ガスを流し、第1、第2の開口部1、開口部2に第2種ガスによる突出部を作り、この突出部によって第1種ガスに側圧を加えるとともに、前記第1の仕切り部と第1種ガスの間に第2種ガスを挟むようにして第1種ガスを排出することを特徴とする。
【0027】
本発明は、請求項23に記載のように、第1種ガスと第2種ガスを隔てる前記仕切り部を反応管を横断する仕切り板としたことを特徴とする。
【0028】
本発明は、請求項24に記載のように、前記第2種ガスだまり部において、ガス排出側ガスだまり壁高さを略0としたことを特徴とする。
【0029】
本発明は、請求項25に記載のように、第2種ガス専用の排出部を閉じることにより、第2種ガスの流路長を第1ガスの流路長より短くしたことを特徴とする。
【0030】
本発明は、請求項26に記載のように、前記開口部の平面形状は長方形、正方形、円、楕円、卵形の何れかとしたことを特徴とする。
【0031】
本発明は、請求項27に記載のように、前記第2種ガスだまり部の平面形状は長方形、正方形、円、楕円、卵形の何れかとしたことを特徴とする。
【0032】
本発明は、請求項28に記載のように、第1種ガスを原料ガスとし、第2種ガスを原料ガスを含まないガスとしたことを特徴とする。
【0033】
本発明は、請求項29に記載のように、前記仕切り部の構成材料が石英であることを特徴とする。
【0034】
本発明は、請求項30に記載のように、反応管内に設置され加熱された基板の表面に、原料ガスを供給して基板表面に実質的に半導体膜を気相成長させる方法において、基板に実質的に平行に配置された第1種ガスと第2種ガスを隔てる仕切り部の前記基板上部に開口部を設け、この開口部において第2種ガス導入側のみとして排出側を閉じ、前記開口部によって第2種ガスの突出部を制御することにより、第1種ガスに第2種ガスの側圧を加えながら気相成長を行うことを特徴とする。
【0035】
本発明は、請求項31に記載のように、前記仕切り部と第1種ガスの間に前記第2種ガスを挟むようにして前記第1種ガスを排出するようにしたことを特徴とする。
【0036】
本発明は、請求項32に記載のように、前記第2種ガスの流量は前記第1種ガスの流量の1/6〜1/30であることを特徴とする。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図で、同図(A)は、反応管の長さ方向に沿った装置の断面図、同図(B)は反応管の幅方向に沿った装置の断面図である。
【0038】
図1に示すように、装置100は、反応管101と、基板102を保持するサセプター103とを備えている。反応管101は石英製で、幅300mm、高さ30mm、長さ500mmの扁平で横長な筒状をしている。サセプター103は、反応管101の底部に配置され、外形寸法が280mm程度の円形の石英製で、基板102を回転(公転あるいは自転)させることができる。装置100は、ヒーター104を備え、基板102を高温に加熱することができる。ヒーター104は、サセプター103と一体に設けている。図1には、サセプター103上に一枚の基板102しか記載していなが、直径が1インチ前後のGaN基板の場合、中心に1枚、その周囲に5枚、合わせて6枚の基板をサセプター103上に配置することができ、複数枚の同時成膜を可能としている。
【0039】
この成長装置は、基板102に実質的に平行となるように配置され、下部に原料ガス(第1種ガス)109の導入部105と反応済みガスの排出部106を備え、上部に原料ガス109を含まないガス(第2種ガス)(以下押圧ガスという)110の導入部107と排出部108を持つ仕切り部111a、111bを形成したことを特徴とする。基板102の上方に位置する仕切り部111aに、開口部112を備え、開口部112の下部に開口部112の面積より大きい面積のガスだまり部115を形成したことを特徴とする。ガスだまり部115は、反応管101の中央に位置する仕切り部111aを他の仕切り部111bよりも一段高い位置になるように上方に突出させることによって形成している。このガスだまり部115は、開口部112から導入されるガス(押圧ガス)110を下に向けて凸状に保つように作用する。
【0040】
この装置100は、反応管101の内部に仕切り部111を水平に配置することによって、反応管101の内部を上下に仕切っている。仕切り部111を配置することによって、異なるガスの流路を上下に平行に形成している。反応管101の一端に原料ガス109の導入部105、反応管101の他端に反応済みガスの排出部106を備えている。反応管101の一端に押圧ガス110の導入部107、反応管101の他端に押圧ガス110の排出部108を備えている。原料ガス109の導入部105と反応済みガスの排出部106を結ぶ流路と、押圧ガス110の導入部107と排出部108を結ぶ流路は、互いに平行で同じ方向にガスを流すようにしているが、互いに平行で反対方向にガスを流すようにすることもできる。
【0041】
サセプター103(基板102)の上方に位置する仕切り部111aには、凸状部が形成されている。この凸状部の上面に開口部112が形成され、この開口部112によって上下のガス流路が連絡する。開口部112は、上下の流路と平行な面に形成している。
【0042】
図2は、本発明の第1の実施形態である気相成長装置による気相成長方法を示す概略図である。図2において、図1の気相成長装置を用い、基板102としてGaN基板を用い、それをサセプター103の上面にセットする。次いで、反応管101内を水素ガスで置換し、その後、原料ガス導入部105より水素ガスを60L/minの割合で供給し、押圧ガス導入部107より水素ガスを10L/minの割合で供給しながら基板102を1,000℃に加熱し、GaN基板102の熱処理を10分間行った。
【0043】
その後、原料ガス導入部105よりトリメチルガリウム、アンモニアを含む水素ガス(トリメチルガリウムを250μmol/minの割合、アンモニアを40L/minの割合、水素を50L/minの割合)を供給した。ここで、開口部112の面積を直径2インチの円として、押圧ガス導入部107より窒素ガスを40L/minの割合で供給し、押圧ガス排出部108の流路を絞り込み、開口部112に側圧により窒素ガスを供給した。その結果、開口部112の下部に設けられたガスだまり部115に窒素ガスが供給される。これにより図2に破線で示すように押圧ガス110の突出部113が、サセプター103(基板102)の真上に下向きに形成された。
【0044】
この押圧ガス110の突出部113により原料ガス109に側圧を加え、トリメチルガリウム、アンモニアを含む水素ガスがGaN基板102を包み込んだ状態とした。この状態で気相成長を60分間行った。
【0045】
サセプター103を毎分10回転(公転)させるとともに、基板102自身も毎分30回転(自転)させた。気相成長後、基板102と対向する反応管壁に固形物の付着及び汚れがあるかどうか調査した。その結果、固形物付着及び汚れはなかった。得られたGaN膜の膜厚変動幅(最大値―最小値)/平均値は1%以下であった。ホール移動度は平均260cm^2/VSと良好な結果が得られた。
【0046】
更に図面を参照して、本発明の別の実施形態を詳細に説明する。図3は、本発明の第2の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図である。この概略図を用いて本発明の別の気相成長方法を示す。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0047】
図3において、開口部112を基準としてその上流側に位置するガス110の流路(押圧ガス110の導入部107側の流路)の高さをX1、下流側に位置するガス110の流路(押圧ガスの排出部108側の流路)の高さをY1としたとき、X1>Y1となるようにした。この例では、仕切り部111にX1>Y1となるような段差を形成した。そして、押圧ガス110の排出部108の流路を絞り込むような制御を行うことによって、ガスだまり部115に窒素ガスを側圧により供給すると、図3に示すように、突出部113が下向きに形成され、この突出部113により、原料ガス109に側圧を加える。そして、原料ガス109がGaN基板102を包み込んだ状態とし、この状態で気相成長を行う。
【0048】
このときX1−Y1の差分の押圧ガスは、下部114において、下部114と反応済みガスに挟まれて反応済みガス排出部106より排出される。そのため反応済みガスと排出側仕切り部の下部114は接触することがない。気相成長後、排出側仕切り部の下部114に固形物の付着及び汚れがあるかどうか調査した。その結果、固形物付着及び汚れはなかった。反応管上部壁部及び押圧ガスの排出側仕切り部の下部114に汚れがないため反応管の清掃が不要で、連続して気相成長することができる。
【0049】
図4は、本発明の第3の実施形態である気相成長装置の基本的な構成を示す概略図である。この概略図を用いて本発明の別の気相成長装置100を示す。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0050】
図4において、開口部112の面積より大きい押圧ガスだまり部115において、ガス導入側のガスだまり壁高さをA1、ガス排出側ガスだまり壁高さをB1としたときA1>B1とした。このようにすることによりA1−B1の差分の押圧ガスは、原料を含まない窒素ガスの排出側仕切り板下部114において排出側仕切り板下部114と反応済みガスに挟まれる。そのため反応済みガスが仕切り板下部114に接触することなく、図2,3と同様に固形物の付着及び汚れはない。
【0051】
図5は、本発明の第4の実施形態である気相成長装置の基本的な構成を示す概略図である。この概略図を用いて本発明の別の気相成長装置100を示す。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0052】
図5において、押圧ガス110を、仕切り部111を構成する一枚の仕切り板116によって仕切る。仕切り板116のサセプター103(基板102)の上方位置に開口部112を設ける。開口部112を含むように、仕切り板116の下部に周囲を壁で囲んだガスだまり部115を形成する。ガス導入側のガスだまり壁115a高さをA2、ガス排出側ガスだまり壁115b高さをB2としたとき、A2>B2となるように壁高さを設定した。こうすることによりA2−B2の差分の押圧ガス110は、高さB2の壁115bを通り、仕切り板116のガス排出側下部114と反応済みガスに挟まれて反応済み排出側下部106より排出される。そのため反応済みガスと仕切り板排出側下部114は接触することはなく、図2,3,4の例と同様に固形物の付着及び汚れはない。
【0053】
次に図面を参照して、本発明の別の実施形態を詳細に説明する。図6は、本発明の第5の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図である。この概略図を用いて本発明の別の気相成長方法を示す。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0054】
図6において、原料ガス109と押圧ガス110を仕切る仕切り板116の基板の上方位置に開口部112を設け、一枚の仕切り板116によって仕切る。仕切り板116のサセプター103(基板102)の上方位置に開口部112を設ける。開口部112を含むように、仕切り板116の下部に周囲を壁で囲んだガスだまり部115を形成する。ガス導入側のガスだまり壁115aの高さをA2、ガスの排出側ガスだまり壁115b高さを略0とした。A2>0とすることにより、A2相当の押圧ガス110は、仕切り板ガス排出側下部114と反応済みガスに挟まれて反応済みガス排出部106より排出されるため反応済みガスと仕切り板排出側下部114は接触することはないため、図2,3,4、5の例と同様に固形物の付着及び汚れはない。
【0055】
以上、本発明の図2〜図6に示す気相成長装置、気相成長方法によると、基板102の上方に位置する反応管上壁部及び押圧ガスの仕切り部下部114の汚れがないため、反応管101の清掃が不要で、連続して気相成長できる特徴を有する。
【0056】
更に、押圧ガス110の流路において、押圧ガス110の制御、例えば押圧ガス排出部108を絞ることによる流路の圧力の増加、或いは流速の低下により、押圧ガス110により開口部112の面積より大きいガスだまり部115ができる。これにより、押圧ガス110による突出部113を発生させ、突出部113により原料ガス109へ側圧を加えることにより原料ガス109が基板102を包み込んだ状態で気相成長するため大面積にわたってガス流の乱れはなく、安定した成長が可能となる。
【0057】
ここで、原料ガス109と押圧ガス110を隔てる仕切り部を従来の反応管を用いて反応管の上部壁面とすることもできるし、又は、平面の仕切り板を用いてもよい。原料ガスと押圧ガスを隔てる仕切り部の開口部112面積を、ガスだまり部115を設けることにより基板面積の0.2〜2倍にすることができる。更に、原料ガスと押圧ガスを隔てる開口部を含んだ、押圧ガスだまり部115面積を基板面積の0.5〜6倍にして、大型基板あるいは複数枚の基板の同時成長ができるとともに基板102上に均一に、原料ガス109を供給できる。
【0058】
押圧ガス110の流路長は原料ガス109の流路長より短くしてガスの消費量を削減するとともに装置を小型化することができる。開口部112の形状は、押圧ガス110の突出部113により原料ガス109(トリメチルガリウム、アンモニアを含む水素ガス)に側圧を加えて原料ガス109が基板102を包み込んだ状態で気相成長すれば、形状にこだわらないが長方形、正方形、円、楕円、卵形とすることができる。押圧ガス110、窒素ガスのガスだまり部115の形状も、原料ガス109が基板102を包み込んだ状態で気相成長すれば、形状にこだわらないが長方形、正方形、円、楕円、卵形とすることができる。
【0059】
原料ガス109としてはアルシン、ホォスフィン、シラン等金属水素化合物、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなどのIII族金属源、トリヒトラジン、アルキルアミン等、アンモニアなどが用いられる。原料ガスが含まれないガス110としては、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスほか窒素、水素などが用いられる。
【0060】
原料ガス109と押圧ガスを隔てる仕切り部111a、111bの構成材料として石英、石英ガラス、石英焼結体を用いることができる。サセプター103は4インチ以上の大型基板を載せるようにし、複数枚の基板を載せる構造とすることができる。基板102はサセプター103により自転及び又は公転することにより気相成長反応がサセプター103全面に行われる。開口部112から基板102までの距離は15mm以下、好ましくは10mm以下である。
【0061】
以上のように、本発明によれば押圧ガスだまり部115のガス突出部113の側圧を用いることにより、基板102に均一に原料ガス109を供給でき、原料ガス109が基板102を包み込んだ状態で気相成長するため原料ガス109の流れに乱れは発生しない。
【0062】
反応管101は横型で扁平形であるため小型化でき、押圧ガス110の使用量が少なく、原料ガス109、押圧ガス110の流路が平行であるため装置全体を扁平矩形とすることにより原料ガス109の量も少なくできる。押圧ガス110の流量(例えばL/min)を、例えば押圧ガス排出部108を絞るなどの制御をすることにより、基板(サセプター)上部において押圧ガスだまり113により原料ガス109へ側圧を加えることができる。流量以外にも流速、流圧を変えることにより同様な効果が得られる。
【0063】
ヒーター104による、基板102の最高加熱温度は300℃程度の比較的低い温度から1,000℃以上の比較的高い温度まで幅広く適用することができる。反応管101内の気圧は常圧のほか、減圧から0.1MPa/cm^2Gのように加圧下とすることもできる。
【0064】
図7は、本発明の第6の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図である。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0065】
図7に示すように、例えば幅150mm、高さ20mm、長さ250mmの石英製の反応管101に、2枚の仕切り板116a,bを水平に配置する。2枚の仕切り板116a,bは、上下の高さ位置が相違するように段差をもって配置される。この例では、開口部112を基準としてガス110の流路(押圧ガス110の導入部107側の流路)の上流側の流路の高さをX2とし、下流側に位置するガス110の流路(押圧ガスの排出部108側の流路)の高さをY2としたとき、X2>Y2となるように仕切り板116a,bが配置される。そのため、ガス導入側の仕切り板116aが排気側の仕切り板116bよりも低い位置に配置される。開口部112の直下にサセプター103が位置する。サセプター103は、直径が100mmの円形である。サセプター103の上に1インチGaN 基板102を置く。
【0066】
反応管内を水素ガスで置換した後、原料ガス導入部105より水素ガス60L/minの割合(L/minはLiter/minの略である)で供給しながらGaN 基板102を1,000℃に加熱し 、GaN基板102の熱処理を10分間行う。
【0067】
その後、原料ガス導入部105より原料(トリメチルガリウム250μmol/minの割合、アンモニア40L/minの割合、水素50L/minの割合)を供給する。ここで、押圧ガス導入部107より窒素ガス40mL/minの割合を供給する。開口部112の面積を直径1インチの円とした。導入側の流路高さX2(8mm)、排出側の流路高さY2(4mm)の時、X2>Y2であるため、X2−Y2にあたる流量差により、開口部112に窒素ガスの突出部113が発生する。この突出部113によって、原料ガスに側圧を加え、原料ガス109がGaN基板102を包んだ状態を保ち、この状態で気相成長する。
【0068】
押圧ガス110は、窒素ガスの排出側仕切り板下部114で反応済みガスを挟みこみ反応済みガス排出部106に排出するため排出側仕切り板下部114は反応済みガスで汚れることはない。気相成長は60分間行った。サセプター103及び基板102は毎分30回転させた。気相成長後、基板102と対向する反応管壁及び押圧ガス110の排出側仕切り板下部114に固形物の付着及び汚れがあるかどうか調査した。結果、固形物付着及び汚れはなかった。
【0069】
以上のように反応管上部壁部及び押圧ガス110の排出側仕切り部下部104に汚れがないため反応管の清掃が不要にとなり、連続して気相成長できる。得られたGaN膜の膜厚変動幅(最大値―最小値)/平均値は1%以下であった。ホール移動度は265cm^2/VSと良好な結果が得られた。
【0070】
次に図面を使用して、本発明の別の実施形態を詳細に説明する。図8は、本発明の第7の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図である。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。図7に示す実施形態においては、仕切り板116に段差を持たせていたが、この段差に代えて反応管101の上壁面に傾斜101cを設けた点を特徴としている。
【0071】
図8に示すように、反応管101に、開口部112を有する仕切り板116を水平に配置するとともに、反応管101の上壁面に傾斜101cを持たせた。押圧ガス110の流路が、ガス導入側よりも排出側が狭くなるように、反応管101の上壁面に傾斜101cが形成されている。傾斜の角度は1度に設定しているが。0.1〜10度の範囲に設定することができる。押圧ガス110の流路が先に行くにしたがって搾られるので、開口部112に窒素ガスの突出部113を発生させることができる。
【0072】
図9は本発明の第8の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図である。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。図8に示す実施形態においては、反応管101の上壁面を傾斜させていたが、この傾斜に代えて反応管101の上壁面に段差101sを設けた点を特徴としている。
【0073】
図9に示すように、開口部112からガス排出側に30mmの位置、すなわち開口部112を基準として下流側に段差101sを形成した。この段差101sは、この段差よりも下流路のガス110の流路の面積が上流側のガス110の流路の面積の2/3以下、好ましくは1/2以下になるように設定される。この段差101sによって、開口部112に窒素ガスの突出部113を発生させることができる。
【0074】
図10は本発明の第9の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図である。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。図9に示す実施形態においては、段差101sを開口部112を基準として下流側に形成していたが、図10に示す例では、この段差101sの位置を変更して開口部112の真上に設けた点を特徴としている。
【0075】
図11は本発明の第10の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図である。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。図10に示す実施形態においては、開口部112の真上に段差101sを設けていたが、図11に示す例では、この段差101sに代えて、傾斜面101cを開口部112の真上に設けた点を特徴としている。傾斜面101cは、図8のように反応管101の上壁面の全長域にもけるのではなく、開口部112の長さ範囲と対応して反応管101の一部の領域に形成している。
【0076】
図8〜図11に示す気相成長装置において、1インチGaN基板102を直径100mmのサセプター103に置き、反応管内を水素ガスで置換した。その後、原料ガス導入部105より水素ガス60L/minの割合で供給しながらGaN 基板102を1,000℃に加熱し 、GaN基板102の熱処理を10分間行った。原料ガス導入部105よりトリメチルガリウム、アンモニアを含む水素ガス(トリメチルガリウム250μmol/minの割合、アンモニア40L/minの割合,水素50L/minの割合)を供給した。ここで、押圧ガス導入部107より窒素ガス40L/minの割合を供給した。開口部112の面積を直径2インチの円として、押圧ガス導入部側面積―排出部側面積による流量差により、開口部112に窒素ガスの突出部113を発生させた。この突出部113によって、原料ガスに側圧を加え、原料がGaN基板102を包み込んだ状態を保ちながら気相成長した。
【0077】
押圧ガス110、窒素ガスの排出側仕切り板下部114で反応済みガスにより挟み込み排出部106に排出するため排出側仕切り部114は反応済みガスで汚れることはない。気相成長は60分間行った。サセプター103及び基板102は毎分30回転させた。気相成長後基板102と対向する反応管壁及び押圧ガス110の排出側仕切り板下部114に固形物の付着及び汚れがあるかどうか調査した。結果、固形物付着及び汚れはなかった。
【0078】
以上のように反応管上部壁部及び押圧ガス110の排出側仕切り部下部114に汚れがないため反応管の清掃が不要になり、連続して気相成長できる。得られたGaN膜の膜厚変動幅(最大値―最小値)/平均値は1%以下であった。ホール移動度は260cm^2/VSと良好な結果が得られた。
【0079】
本発明によれば押圧ガス110の側圧を用いることにより基板102に均一に原料ガス109を供給でき、垂直に噴出する押圧ガスで原料ガス109を基板102に吹き付ける方法でないため、原料ガス109と押圧ガス110が基板102上で混合されることがないためガス流に乱れがない。反応管101は横型で扁平形であるため小型化でき、押圧ガス110の使用量が少なく、原料ガス109、押圧ガス110の流路が平行であるため装置全体を扁平矩形とすることにより原料ガス109の量も少なくできる。
【0080】
ここで、原料ガス109と押圧ガス110を隔てる仕切り部を従来の反応管を用いて反応管の上部壁面とすることもできるし、又は反応管を横断する平面の仕切り板を用いてもよい。又、原料ガス109と押圧ガス110を隔てる仕切り部の開口部面積を、サセプター103が回転するため基板1枚の面積の0.5〜6倍にすることができる。開口部112から基板102までの距離は15mm以下、好ましくは10mm以下である。又、押圧ガス110の流路長は原料ガス109の流路長より短くして押圧ガス110の消費量を減らすことができる。
【0081】
又、開口部112の形状は、押圧ガス110により原料ガス109へ側圧を加えて原料ガス109が基板102を包み込んだ状態で気相成長すれば、形状にこだわらないが長方形、正方形、円、楕円、卵形とすることができる。又、原料ガス109としてはアルシン、ホォスフィン、シラン等金属水素化合物、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなどのIII族金属源、トリヒトラジン、アルキルアミン等、アンモニアなどが用いられる。本発明において、原料ガスとして原料を水素、ヘリウム、アルゴン、窒素等のガスによって希釈して供給するガスを含む。原料ガスが含まれないガス110としては、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスほか窒素、水素などが用いられる。又、原料ガス109と押圧ガス110を隔てる仕切り部の構成材料として石英、石英ガラス、石英焼結体を用いることができる。
【0082】
図12は本発明の第11の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図である。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0083】
図12に示すように、装置100は、基板102を載せるためのサセプター103と、該基板を加熱するためのヒーター104及び、反応管内部基板102に実質的に平行になるように配置された下部に原料ガス109の導入部105、排出部106部を有し、上に押圧ガス110の第1導入部107a、第1排出部108aを有する第1仕切り板116aを備え、第1仕切り板116aの基板102(サセプター103)の上部に、開口長さEの開口部112aを設け、第1仕切り板116aの上に、押圧ガス110の第2導入部107b、第2排出部108bを有する第2仕切り板116bを備え、第2仕切り板116bの基板102(サセプター103)の上部に、開口長さFの開口部112bを設けた気相成長装置において、E(直径30mm)>F(直径15mm)とし、2つの開口部112a,bにより押圧ガス110の突出部113を基板102方向により深く突出することができるような構成としたことを特徴とする。
【0084】
仕切り部111を構成する第1、第2の仕切り板116a,116bは、原料ガス109の流路と平行に、押圧ガス110の2つの流路を形成する。押圧ガス110の2つの流路は、上下に平行して形成される。第1、第2の仕切り板116a,116bに形成した開口部112a,bは、それぞれがサセプター103(基板102)と平面的に重なる位置に配置される。
【0085】
図13は本発明の図12に示す実施形態である気相成長装置を用いた、気相成長方法を示す概略図である。
【0086】
図13において、1インチのGaN基板102をサセプター103に置き、反応管内を水素ガスで置換する。その後、原料ガス導入部105より水素ガス60L/minの割合で供給しながらGaN 基板102を1,000℃に加熱し 、GaN基板102の熱処理を10分間行った。原料ガス導入部105より原料ガス(トリメチルガリウム250μmol/minの割合、アンモニア40L/minの割合,水素50L/minの割合)を供給するとともに、押圧ガス導入部107a,bより各々窒素ガス20/minの割合を供給して、開口部112a,bに窒素ガスの突出部を発生させる。これらの突出部が合成され、突出部113が形成される。この突出部113によって、原料ガスに側圧を加え原料ガス109がGaN基板102を包み込んだ状態に保ちながら気相成長する。ここで、窒素ガスの突出部113より窒素ガスの排出側仕切り部111の下部114に窒素ガス110が、反応済みガスにより挟まれ反応済みガス排出部116に排出される。そのため窒素ガスの排出側仕切り部下部114は反応済みガスで汚れることはない。気相成長は60分間行った。
【0087】
開口部112bの側圧が開口部112aの側圧に加わり基板102に対してより深い側圧を加えることができるため、得られたGaN膜の膜厚変動幅(最大値―最小値)/平均値は1%以下であった。ホール移動度は265cm^2/VSと良好な結果が得られた。
【0088】
本発明によれば押圧ガス110の側圧を用いることにより基板102に均一に原料ガス109を供給でき、垂直方向からの押圧によって原料ガス109を基板102に吹き付ける方法でないため、原料ガス109と押圧ガス110が基板102上で混合されることが殆どないためガス流に乱れがない。更に開口部112a,bにより側圧を細かく調整できる特徴がある。
【0089】
サセプター103及び基板102は毎分30回転させた。気相成長後基板102と対向する反応管壁に固形物の付着及び汚れがあるかどうか調査した。結果、固形物付着及び汚れはなかった。以上のように反応管上部壁部及び押圧ガス110の排出側仕切り部下部104に汚れがないため反応管の清掃が不要にとなり、連続して気相成長できる。ここで、押圧ガス110の流量は原料ガス109の流量の1/16〜1/30とすることができる。又、押圧ガス110の流量(例えばL/min)を制御することにより基板102上部において原料ガス109へ押圧ガス110の側圧を加えることができる。流量以外にも流速、流圧を変えることにより同様な効果が得られる。又、基板の最高温度は300℃程度の比較的低い温度から1,000℃以上の比較的高い温度まで幅広く適用することができる。反応管101内の気圧は常圧のほか、減圧から0.1mPa/cm^2Gのように加圧下とすることもできる。
【0090】
図14は本発明の第12の実施形態である気相成長装置の基本的な構成を示す概略図である。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0091】
図14において、装置100は、反応管101の上部壁面を仕切り板116とし、基板102の上方位置に基板102と同じ面積の開口部112を設け、押圧ガスの導入部107、排出部108を備える流路101bが、略U字で、押圧ガス110がその流路の底部で基板102に水平に流せるように形成されていることを特徴とする。
【0092】
装置100は、横長筒状の反応管101aに、U字状の反応管101bを積層し、横長筒状の反応管101aの上壁とU字状の反応管101bの底壁にサセプター103の上方位置で穴を開けて開口部112を形成した構成となっている。
【0093】
図7〜図12の気相成長装置において押圧ガスの導入部107、排出部108形状を図14のように略U字とし、反応管を通して反応管上部に導入部107、排出部108を引き出すことにより、ガス流路長を短くして押圧ガス110の使用量を少なくすることができる。
【0094】
図14においてガスの導入部107、排出部108を備える流路(反応管101b)の形状を図14のように略U字として反応管101a上部に引き出した構造を示したが、反応管上部に横方向に引き出しても良い。これにより装置を小型化できる。これが本発明の第12の実施形態である気相成長装置の基本的な構成である。
【0095】
反応管は横型で扁平形であるため小型化でき、押圧ガス110使用量が少なく、原料ガス109、押圧ガス110の流路が平行であるため装置全体を扁平矩形形とすることにより原料ガスの量も少なくできる。尚、図12、図13に示す実施形態による本発明は、既にある気相成長装置を改造することによって従来の半導体膜に加え、GaN等のIII族窒化物半導体の成長も連続して可能となる特徴を有する。
【0096】
図15は、本発明の第13の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図である。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0097】
図15に示すように、装置100は、反応管101の中にガス流路を上下に仕切る仕切り板116を水平に配置し、仕切り板116に形成した開口部112の下流側で仕切り板の上に位置する流路(排出部108)を壁108wによって塞いだことを特徴とする。
【0098】
ここで原料ガス109と押圧ガス110を隔てる仕切り部を従来の反応管を用いて反応管上部壁面とすることもできるし、又は平面の仕切り板を用いてもよい。又、原料ガス109と押圧ガス110を隔てる仕切り部の開口部面積を、サセプターが回転するため基板面積の0.5〜5倍にすることができる。また、開口部部分112の形状は、押圧ガス110の突出部113が発生し突出部により原料ガス109へ側圧を加えて原料ガス109が基板102を包み込んだ状態で気相成長すれば、形状にこだわらないが、長方形、正方形、円、楕円、卵形とすることができる。又、原料ガス109としてはアルシン、ホォスフィン、シラン等金属水素化合物、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなどのIII族金属源、トリヒトラジン、アルキルアミン等、アンモニアなどが用いられる。原料が含まれないガス110としては、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスほか窒素、水素などが用いられる。原料ガス109と押圧ガス110を隔てる仕切り部111の構成材料として石英、石英ガラス、石英焼結体を用いることができる。
【0099】
図16は、図15で示した本発明の気相成長装置を用いた、気相成長方法を示す該略図である。図15の気相成長装置を用い、GaN基板102をサセプター103にセットする。その後、反応管内を水素ガスで置換した後、原料ガス導入部105より水素ガス60L/minの割合で供給し、押圧ガス導入部107より水素ガス10L/minの割合で供給しながら基板102を1,000℃に加熱し、GaN基板102の熱処理を10分間行った。原料ガス導入部105より原料ガス(トリメチルガリウム250μmol/minの割合、アンモニア40L/minの割合,水素50L/minの割合)を供給する。ここで、開口部112面積を基板面積と同じくして、押圧ガス導入部107より窒素ガスを40L/minの割合を供給する。開口部112下の開口部112と同じ面積の押圧ガスだまり部115において、排出側仕切り部111の上部(押圧ガスの排出部108)は閉じられているため、開口部112の下に押圧ガス110の突出部113が形成され、突出部113により原料ガス109に側圧を加える。
【0100】
そして、原料がGaN基板102を包み込んだ状態で気相成長を60分間行った。サセプター103を毎分10回転させるとともに、基板102も毎分30回転させた。気相成長後、基板102と対向する反応管壁に固形物の付着及び汚れがあるかどうか調査した。結果、固形物付着及び汚れはなかった。得られたGaN膜の膜厚変動幅(最大値―最小値)/平均値は1%以下であった。ホール移動度は平均265cm^2/VSと良好な結果が得られた。
【0101】
ここで、押圧ガス排出部108が閉じられているため押圧ガスの量を1/2にできた。
【0102】
図17は、本発明の第14の実施形態である気相成長装置100の基本的な構成を示す概略図である。先の実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0103】
図17に示す装置100は、図1に示す装置100を基本構成とし、その排気部108を開口部112の下流域で壁108wによって閉じたことに特徴がある。
【0104】
図18は、図17に示す本発明の気相成長装置を用いた、気相成長方法を示す概略図である。先と同様に気相成長後、基板102と対向する反応管壁に固形物の付着及び汚れがあるかどうか調査した。基板102と対向する反応管壁に固形物の付着及び汚れはなかった。又、反応済みガスは押圧ガス排出側仕切り部下部114と押圧ガスの突出部から流れ出す押圧ガスによって挟まれるため、押圧ガスの排出側仕切り部下部114は反応済みガスで汚れることはない。基板102上部の反応管上部壁部、押圧ガスだまり115内、及び押圧ガスの排出側仕切り部下部104の汚れが無いため反応管の清掃が不要で、連続して気相成長できる。
【0105】
ここで、押圧ガス110の流量は原料ガス109の流量の1/6〜1/30とすることができる。又、基板102の最高加熱温度は300℃の比較的低い温度から1000℃以上の比較的高い温度まで幅広く適用することができる。反応管101内の気圧は常圧のほか、減圧から0.1MPa/cm^2Gのように加圧下とすることもできる。
【0106】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形をすることが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0107】
例えば本発明の実施形態では、GaN基板を用いた半導体気相成長方法について説明したが、他の基板、例えば、サファイア基板、SiC基板、Si基板、GaAs基板、InP基板等、格子間の整合性や、熱膨張等を考慮して基板を適宜選択することができる。
【0108】
更に、GaN系化合物半導体を用いた気相成長方法について説明したが、他の半導体材料例えばInGaAlNのNの1部又は全部をAsおよび/またはP等で置換した材料やGaAs系化合物半導体を用いた気相成長方法にも本発明を適用できる。
【0109】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によると、加熱された基板上に半導体膜を気相成長させ際、側圧により大口径基板及び複数枚の基板に均一に原料ガスを供給できる。また、側圧を利用するため、ガス流の乱れを防止することができる。また、小型で、使用ガス量の少ない、半導体膜の気相成長装置もしくは方法を提供することができる。また、気相成長させる基板に対向した反応管壁や、反応済みガス排出側仕切り部の下部の汚染を防止することができる。固形物の基板上への落下を防止することができる。反応管の清掃が不要で、大口径基板、もしくは複数枚の基板を同時に、連続して、安定して気相成長することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である気相成長装置の基本的な構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態である気相成長装置を用いた気相成長方法を示す概略図である。
【図3】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図4】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図5】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図6】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図7】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図8】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図9】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図10】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図11】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図12】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図13】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図14】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図15】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図16】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図17】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図18】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【符号の説明】
101:反応管
102:基板
103:サセプター
104:ヒーター
105:原料ガス導入部
106:反応済みガス排出部
107:押圧ガス導入部
108:押圧ガス排出部
109:原料ガス
110:押圧ガス
111,111a、111b:仕切り部
112,112a、112b:開口部
113:押圧ガスの突出部
114:押圧ガスの排出側仕切り部下部
115:押圧ガスのガスだまり部
116:仕切り板
Claims (32)
- 基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーターと、反応管内部に前記基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部と、を備え、前記仕切り部の前記サセプターの上方位置に開口部を設け、該開口部下部に前記開口部の面積より大きい面積の第2種ガスだまり部を形成したことを特徴とする気相成長装置。
- 前記第2種ガスだまり部を前記仕切り部の前記開口部を含む凸状としたことを特徴とする請求項1記載の気相成長装置。
- 前記第2種ガスだまり部を基準として、その上流側である第2種ガス導入側流路の高さをX1、その下流側である第2種ガス排出側流路の高さをY1とした時、X1>Y1としたことを特徴とする請求項1記載の気相成長装置。
- 前記第2種ガスの流路長は前記第1種ガスの流路長より短くしたことを特徴とする請求項1記載の気相成長装置。
- 前記サセプターが複数枚の基板を載せる構造としたことを特徴とする請求項1記載の気相成長装置。
- 反応管内に設置され加熱された基板の表面に、原料ガスを供給して基板表面に実質的に半導体膜を気相成長させる方法において、基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、該仕切り部の前記サセプターの上方位置に開口部を設け、該開口部下部に設けられた前記開口部より大きい第2種ガスだまり部により前記第2種ガスを制御し、前記第2種ガスによって前記第1種ガスに側圧を加えながら気相成長を行うことを特徴とする気相成長方法。
- 反応管内に設置され加熱された基板の表面に、原料ガスを供給して基板表面に実質的に半導体膜を気相成長させる方法において、基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、該仕切り部の前記サセプターの上方位置に開口部を設け、該開口部下部に設けられた開口部より大きい第2種ガスだまり部に第2種ガス突出部を形成し、該第2種ガス突出部により第1種ガスに側圧を加えるとともに、前記第2種ガスだまり部以外の前記仕切り部下部排出側へ第2種ガスを挟んで第1種ガスを排出するようにしたことを特徴とする気相成長方法。
- 基板が自転及び/又は公転するとともに気相成長反応がサセプター全面に行われるようにしたことを特徴とする請求項6〜7記載の気相成長方法。
- 前記第2種ガスだまり部の第2種ガス導入側の壁高さをA1、第2種ガス排出側壁高さをB1としたとき、A1>B1としたことを特徴とする請求項2記載の気相成長装置。
- 基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーター及び、反応管内部基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、該仕切り部の前記基板の上方位置に開口部を設けた気相成長装置において、前記反応管の上壁に傾斜を持たせ、第2種ガス導入側の前記上壁高さをX3、第2種ガス排出側の前記上壁高さをY3としたとき、X3>Y3としたことを特徴とする気相成長装置。
- 基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーター及び、反応管内部基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、該仕切り部の前記サセプターの上方位置に開口部を設けた気相成長装置において、前記開口部よりも下流の第2種ガス排出部側上壁に、排出部側面積が導入側面積より小さくなるような段差を持たせたことを特徴とする気相成長装置。
- 基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーター及び、反応管内部基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、該仕切り部の前記サセプターの上方位置に開口部を設けた気相成長装置において、前記開口部の上に位置する第2種ガス流路上壁に、排出部側面積が導入側面積より小さくなるような段差を持たせたことを特徴とする気相成長装置。
- 基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーター及び、反応管内部基板に実質的に平行になるように配置された下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、該仕切り部の前記サセプターの上方位置に開口部を設けた気相成長装置において、前記開口部の上方に位置する流路上壁に、第2種ガス排出部側面積が導入部側面積より小となるような傾斜をもたせたことを特徴とする気相成長装置。
- 基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーター及び、反応管内部基板に実質的に平行になるように配置された下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する第1の仕切り板を備え、該仕切り板の前記サセプターの上方位置に第1の開口部を設けた気相成長装置において、前記第2種ガス流路に第2の仕切り板を設け、該第2の仕切り板の前記サセプターの上方位置に第2の開口部を設け、前記第1の開口部の長さをE、前記第2の開口部の長さをFとしたとき、E>Fとしたことを特徴とする気相成長装置。
- 前記開口部の面積を前記基板の面積の0.5〜6倍にしたことを特徴とする請求項9〜14記載の気相成長装置。
- 第1種ガスの導入部と排出部を持つ第1の反応管と、基板を載せるために前記第1の反応管の底部に配置されたサセプターと、該基板を加熱するためのヒーターと、第2種ガスの導入部と排出部を備え形状が略U字でガスを底部で第1の反応管内のガスと平行に流せるように前記第1の反応管に積層された第2の反応管とを備え、基板サセプターの上部に前記第1の反応管の上部と第2の反応管の底部を接続する開口部を設けたことを特徴とする気相成長装置。
- 基板を載せるためのサセプターと、該基板を加熱するためのヒーターと、第1種ガスを流すための導入部と排出部を備え前記サセプターに実質的に平行に第1種ガスを流す第1の流路を有する反応管とを備え、前記反応管は、該反応管の上部に第2種ガスを前記サセプターに実質的に平行に流す第2の流路と、前記第1と第2の流路を前記サセプターの上方位置で連絡する開口部とを備え、前記第2の流路は、第2種ガスが前記サセプターの上面と垂直な方向に導入と排出されるように、前記第2種ガスの導入部と排出部を反応管上部から上向きに引き出したことを特徴とする気相成長装置。
- 第2種のガスの導入側部、排出側部が反応管を通して反応管上部に引き出されたことを特徴とする請求項9〜14記載の気相成長装置。
- 前記傾斜の角度を0.1〜10度としたことを特徴とする請求項10あるいは請求項13記載の気相成長装置。
- 反応管内に設置され加熱された基板の表面に、原料ガスを供給して基板表面に実質的に半導体膜を気相成長させる方法において、基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する仕切り部を備え、前記仕切り部の前記基板の上方位置に開口部を設け、第2種ガス導入側の流路を第2種ガス排出側の流路より大きくすることにより、前記開口部に第2種ガスによる突出部を作り、該突出部によって第1種ガスに側圧を加えるとともに、前記仕切り部と第1種ガスの間に第2種ガスを挟むようにして第1種ガスを排出することを特徴とする気相成長方法。
- 反応管内に設置され加熱された基板の表面に、原料ガスを供給して基板表面に実質的に半導体膜を気相成長させる方法において、基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する第1の仕切り部を備え、第1の仕切り部の前記基板の上方位置に第1の開口部を設け、第1の仕切り部の上に第2の仕切り部を備え、第2の仕切り部の前記基板の上方位置に第2の開口部を設け、第1の仕切り部上及び第2の仕切り部2の上に第2種ガスを流し、第1、第2の開口部に第2種ガスによる突出部を作り、この突出部のによって第1種ガスに側圧を加えることを特徴とする気相成長方法。
- 反応管内に設置され加熱された基板の表面に、原料ガスを供給して基板表面に実質的に半導体膜を気相成長させる方法において、基板に実質的に平行になるように配置され、下部に第1種ガスの導入部、排出部を有し、上部に第2種ガスの導入部、排出部を有する第1の仕切り部を備え、第1の仕切り部の前記基板の上方位置に第1の開口部を設け、第1の仕切り部の上に第2の仕切り部2を備え、第2の仕切り部2の前記基板の上方位置に第2の開口部を設け、第1、第2の仕切り部の上に第2種ガスを流し、第1、第2の開口部1、開口部2に第2種ガスによる突出部を作り、この突出部によって第1種ガスに側圧を加えるとともに、前記第1の仕切り部と第1種ガスの間に第2種ガスを挟むようにして第1種ガスを排出することを特徴とする気相成長方法。
- 第1種ガスと第2種ガスを隔てる前記仕切り部を反応管を横断する仕切り板としたことを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
- 前記第2種ガスだまり部において、ガス排出側ガスだまり壁高さを略0としたことを特徴とする請求項1記載の気相成長装置。
- 第2種ガス専用の排出部を閉じることにより、第2種ガスの流路長を第1ガスの流路長より短くしたことを特徴とする請求項1記載の気相成長装置。
- 前記開口部の平面形状は長方形、正方形、円、楕円、卵形の何れかとしたことを特徴とする請求項1、2、9〜18の何れかに記載の気相成長装置。
- 前記第2種ガスだまり部の平面形状は長方形、正方形、円、楕円、卵形の何れかとしたことを特徴とする請求項1記載の気相成長装置。
- 第1種ガスを原料ガスとし、第2種ガスを原料ガスを含まないガスとしたことを特徴とする請求項1、9〜14,16〜18の何れかに記載の気相成長装置。
- 前記仕切り部の構成材料が石英であることを特徴とする請求項1、9〜18の何れかに記載の気相成長装置。
- 反応管内に設置され加熱された基板の表面に、原料ガスを供給して基板表面に実質的に半導体膜を気相成長させる方法において、基板に実質的に平行に配置された第1種ガスと第2種ガスを隔てる仕切り部の前記基板上部に開口部を設け、この開口部において第2種ガス導入側のみとして排出側を閉じ、前記開口部によって第2種ガスの突出部を制御することにより、第1種ガスに第2種ガスの側圧を加えながら気相成長を行うことを特徴とする気相成長方法。
- 前記仕切り部と第1種ガスの間に前記第2種ガスを挟むようにして前記第1種ガスを排出するようにしたことを特徴とする請求項30に記載の気相成長方法。
- 前記第2種ガスの流量は前記第1種ガスの流量の1/6〜1/30であることを特徴とする請求項6,7,20〜22の何れかに記載の気相成長方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003024204A JP2004235543A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | 気相成長装置及び方法 |
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JP2011108870A (ja) * | 2009-11-18 | 2011-06-02 | Sumitomo Electric Ind Ltd | エピタキシャル基板の製造方法およびエピタキシャル基板 |
-
2003
- 2003-01-31 JP JP2003024204A patent/JP2004235543A/ja not_active Withdrawn
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