JP2001284269A - 気相成長装置及び方法 - Google Patents

気相成長装置及び方法

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JP2001284269A
JP2001284269A JP2000100907A JP2000100907A JP2001284269A JP 2001284269 A JP2001284269 A JP 2001284269A JP 2000100907 A JP2000100907 A JP 2000100907A JP 2000100907 A JP2000100907 A JP 2000100907A JP 2001284269 A JP2001284269 A JP 2001284269A
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Shiro Sakai
士郎 酒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱された基板に原料ガスを含むガスを供給
して気相成長させる装置及び方法において、基板と平行
に対向する反応管壁を汚染することがなく、繰り返して
気相成長を行える気相成長装置及び方法を提供する。 【解決手段】 基板に実質的に平行なガス導入部から原
料ガスを含むガスを導入し、基板と平行に対向する反応
管壁に配置された通気性を有する微多孔質部材から原料
を含まないガスを導入することにより、反応管壁の汚染
を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体膜の気相成
長装置及び気相成長方法に関し、さらに詳細には基板に
実質的に平行に配置されたガス導入部から原料ガスを含
むガスを導入すると共に、基板と平行に対向する反応管
壁に配置された通気性を有する微多孔質部材から原料を
含まないガスを導入する半導体膜の気相成長装置及び気
相成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、加熱した基板を設置した反応
管に原料ガスを流すことによって基板上に半導体結晶な
どの薄膜を得る気相成長装置及びそれを用いた気相成長
方法が知られている。例えば、トリメチルガリウム、ト
リメチルアルミニウム、アンモニア等の原料ガスを、水
素、窒素などの希釈ガスと共に、基板に平行な位置に設
けられた1以上の原料導入管から導入し、加熱された基
板上で結晶を成長させる方法が行われてきた。
【0003】この方法では、基板部分で原料ガスを含む
ガスが加熱されることによる熱対流によって、基板に対
向した反応管壁面に原料ガスの分解生成物または反応生
成物が析出し、反応管を汚染するほか、析出した固体が
基板上に落ちることによって結晶の品質を著しく劣化さ
せるという問題があった。
【0004】このため、気相成長操作を行うたびごとに
反応管を洗浄するか、又は頻繁に反応管を洗浄する必要
があり、生産性が悪いという欠点があった。
【0005】このように半導体膜の気相成長を行う上
で、基板に平行に対向する反応管壁の汚染を防止するこ
とが極めて重要なことであり、さらに基板に対向する部
分より下流部分の反応管壁の汚染も防止することが望ま
れていた。
【0006】この問題の解決方法として各種の方法が提
案されている。例えば、図5のように原料を含むガスの
導入部に仕切板を介して基板に平行な2以上の流路を設
け、基板に近い側の流路から原料ガスを導入し、基板に
遠い側の流路からは原料ガスを含まないガスを導入する
ことによって、基板に対向する反応管壁の汚れを防止す
る方法が提案されている。
【0007】しかし、この方法では、基板に対向する反
応管壁の汚れを十分に防止することができず、特に基板
の面積が大きくなると、成長領域内の下流部分に対向す
る反応管壁では汚れを防ぐことができないという問題が
あった。この成長領域内の下流部分に対向する反応管壁
の汚れを防ぐためには、原料ガスを含まないガスを大量
に流す必要があり、原料ガスを含まないガスを大量に流
すと基板上でのガス流に乱れを生じ、良好な気相成長が
行われないという欠点があった。
【0008】また、この構造においては、平行な2以上
のガス流が層流となって流れることを意図したものであ
るが、基板が大きく、すなわち結晶の成長領域が大きく
なると成長領域内の下流部分では複数のガス流が相互に
拡散して原料ガス濃度に上流部分と下流部分で差を生じ
るために、均一な成長が行われないという欠点もあっ
た。
【0009】さらに、図6のように、基板に平行な位置
に3つ以上のガス流路を設け、基板に近い2つ以上の流
路から2種類以上の原料ガスを含むガスを、基板に最も
遠い流路から原料ガスを含まないガスを導入して基板に
対向する反応管壁の汚れを防止する方法も提案されてい
る(特開平9−260291号公報)。この方法では、
原料ガスを含む複数のガス流はできるだけ基板上で混合
するよう、同時に原料ガスを含まないガス流とはできる
だけ混合しないことを意図して設計されている。この2
つの矛盾する要求を満たすため、原料ガスを含まないガ
スの流量を大きくするなどの方法が採られるが、ガスの
使用量が多くなり製造コストが高くなるという欠点があ
った。さらにこの方法では、基板の大型化、あるいは複
数枚の基板を同時に処理する装置にした場合には、基板
に対向する反応管壁の汚染が著しく増大するために、気
相成長を行うことができなかった。
【0010】さらに、図7のように、基板に対向する位
置の反応管壁を除いて汚染の問題となる基板に対向する
反応管壁面をなくし、基板に直交する位置にガス噴射管
を設けて、基板に平行な位置に設けられた1つ以上の流
路から原料ガスを含むガスを導入すると共に、ガス噴射
管から原料ガスを含まないガスを導入して、原料を含む
ガスを基板面に押圧する方法も知られている(特許第2
628404号公報の変形)。またこの方法では、基板
に平行に配置された導入部より供給される原料ガスを含
むガスが2種類以上の場合は、それらの混合も行うとい
う方法も採られている。しかし、この方法では2つの直
交するガス流が基板上で混合されるため、ガス流に乱れ
が生じガスの切り替わりが迅速に行われなかったり、原
料ガスがショートパスすることによって有効に使用され
ないこと、及び大面積にわたって均一な濃度で原料ガス
を供給することができないという問題があった。
【0011】このためこの方法では、基板の大型化、あ
るいは複数枚の基板を同時に処理するような大型の装置
にすることができないという不都合があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上のことから、本発
明の課題は、気相成長させる面積が大きい場合において
も、基板に平行に対向する反応管壁を汚染することがな
く、基板上に固体を落下させることがなく、反応管の清
掃をすることなしに気相成長操作を繰り返し行えると共
に、大面積にわたり均一な気相成長を行うことができ、
しかも使用するガスの消費量の少ない半導体膜の気相成
長装置及び気相成長方法を開発することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これらの問
題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、基板に実質的
に平行に配置された少なくとも1種のガスの導入部から
原料ガスを含むガスを導入すると共に、基板と平行に対
向する反応管壁に配置された通気性を有する微多孔質部
材から原料ガスを含まないガスを所定の方法で導入する
ことにより、これらの問題の解決し得ることを見出し、
本発明に到達した。
【0014】すなわち、本発明は、基板を載せるための
サセプターと、該サセプターを加熱するためのヒーター
と、それらを内蔵する反応管を有する半導体膜の気相成
長装置において、基板に実質的に平行となるように配置
された少なくとも1種類のガスの導入部と、基板と平行
に対向する反応管壁に配置された通気性を有する微多孔
質部材と、該微多孔質部材を介して反応管内へガスを導
入するためのガス導入部とを有し、該微多孔質部材を介
して該反応管内に導入されるガスの流量は、前記原料ガ
スの上流側の方が下流側よりも小さく設定されることを
特徴とする気相成長装置である。このようなガス流量
は、例えば微多孔質部材の孔の密度を、原料ガスの流れ
の上流側を下流側に比べて小さく設定することで達成さ
れる。
【0015】また、本発明は、基板を載せるためのサセ
プターと、該サセプターを加熱するためのヒーターと、
それらを内蔵する反応管を有する半導体膜の気相成長装
置において、基板に実質的に平行となるように配置され
た少なくとも1種の原料ガスの導入部と、基板と平行に
対向する反応管壁に配置された通気性を有する微多孔質
部材と、該微多孔質部材を介して該反応管内へガスを導
入するためのガス導入部とを有し、該ガスは該微多孔質
部材を介して前記原料ガスの下流側に向けて斜めに該反
応管内に導入されることを特徴とする気相成長装置であ
る。このようなガス流は、例えば微多孔質部材の孔を原
料ガスの下流側に向けて斜めに形成することで達成され
る。
【0016】また、本発明は、反応管内に設置され加熱
された基板の表面に原料ガスを供給して基板表面に半導
体膜を気相成長させる方法において、基板に実質的に平
行に配置されたガス導入部より原料ガスを含むガスを導
入すると共に、基板と平行に対向する反応管壁に配置さ
れた通気性を有する微多孔質部材を介して原料ガスを含
まないガスをその流量が前記原料ガスの上流側の方が下
流側よりも小さくなるように該反応管に導入して気相成
長を行うことを特徴とする気相成長方法である。
【0017】また、本発明は、反応管内に設置され加熱
された基板の表面に原料ガスを供給して基板表面に半導
体膜を気相成長させる方法において、基板に実質的に平
行に配置されたガス導入部より原料ガスを含むガスを導
入すると共に、基板と平行に対向する反応管壁に配置さ
れた通気性を有する微多孔質部材を介して原料ガスを含
まないガスを、前記原料ガスの下流側に向けて斜めに該
反応管内に導入して気相成長を行うことを特徴とする気
相成長方法である。
【0018】本発明は、主としてアルミニウム、ガリウ
ム、インジウム、窒素、燐、砒素、アンチモン、の中の
2種類以上の元素より構成される半導体結晶などの気相
成長装置及び気相成長方法に適用される。また、これら
のうち特に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミ
ニウム及びそれらの混合物の気相成長装置及び気相成長
方法に好適に用いられる。
【0019】このほか本発明は、加熱された基板上で結
晶成長させる装置または方法であればいずれのものにも
適用することができる。
【0020】本発明は、反応管内に置かれ加熱された基
板面に原料ガスを供給し結晶成長させる方法において、
基板面に平行して対向する反応管壁に配置された通気性
を有する微多孔質部材から原料ガスを含まないガスを所
定の方法で導入することによって、反応管の汚染防止を
図った気相成長装置及び気相成長方法である。
【0021】すなわち、本発明では、基板と、基板に対
向する反応管壁との間隔を狭めて原料ガスの利用効率を
高めると共に、通気性を有する微多孔質部材からガスを
所定の方法で導入することによって基板に対向する反応
管壁をガスでカバーし、反応管壁面への固体の付着を防
止するものである。
【0022】なお本発明において原料ガスとは、結晶成
長の際に、結晶構成元素として結晶中に取り込まれる元
素の供給源となるガスを意味するものである。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の気相成長装置を図1に示
す例によって説明する。本発明の気相成長装置は横形の
気相成長装置である。反応管1には基板2、及び基板2
を保持し回転させると共に加熱できる機能を有するサセ
プター3、基板2に実質的に平行な位置に設けられた原
料ガスを含むガスの導入部5、及び排気管6を備え、さ
らに基板2と平行に対向する反応管壁に配置された通気
性を有する微多孔質部材7を介してガス導入部8が設け
られている。
【0024】ここで、原料ガスを含むガスの導入部5
は、単一の導入管であってもよく、仕切板9によって、
二層または三層に区分された第一の流路10、第二の流
路11、第三の流路とすることもできる。
【0025】反応管1の横断面形状として、円形又は横
長の楕円形状とすることもできるが、反応管導入部のガ
ス流路を横広のスリット状に形成し、横断面が横広矩形
状の反応管とすることが好ましい。
【0026】このように、本発明の気相成長装置におい
ては、反応管1の横断面形状、原料ガスを含むガスの導
入部の形状に特に限定されるものではない。
【0027】本発明に適用される基板2に特に限定はな
く、サファイヤ、シリコン、シリコンカーバイト、砒化
ガリウム、などいずれも使用可能である。また、反応管
1に設置される基板2の大きさ、及び枚数に特に限定さ
れるものではない。本発明で用いられるサセプター3と
しては公知の技術を適用することができ、その形状、構
造に限定されるものではない。
【0028】本発明において、基板2と基板2に対向す
る反応管壁との間隔は、通常は20mm以下、好ましく
は10mm以下、さらに好ましくは5mm以下である。
このようにすることによって、原料ガスの利用効率を高
めることができる。
【0029】本発明の気相成長装置において、基板と平
行に対向して反応管壁に設けられる通気性を有する微多
孔質部材7は、微小な多数の孔を通して反応管1内に導
入されるガスが基板2に対向する反応管面にカバーガス
として薄いガス層を形成するためのものであり、ガス導
入部8から反応管1内に延びる多数の直管状孔群とする
こともできる。しかしながら、薄いカバーガス層を形成
し得る点で石英ガラスなどの焼結体で形成されたもの、
あるいは石英ガラス等に孔を開けたものが好ましい。
【0030】石英ガラス焼結体の孔径に特に限定はない
が、細かすぎる場合には圧力損失が大となり所望のガス
流量が得られないことから、通常は、ガラスフイルター
等の目の粗さとしてISO4793で規定されている呼
称P250〜P16程度の目の粗さないし板に直径1m
m程度以下の孔を数mm以下の間隔で並べたものが好ま
しい。
【0031】但し、微多孔質部材7の孔の密度を均一と
してほぼ均一の流量でガスを導入すると、図2に示され
るように、微多孔質部材7から排出されるガスと原料ガ
スが上流側で衝突し、原料ガスの流れに乱れが生じて図
中aの部分に原料ガスの分解生成物あるいは反応生成物
が析出し、反応管を汚染することになる。
【0032】したがって、本実施形態においては、単に
微多孔質部材7からガスを導入するのではなく、図3
(a)、(b)に示されるように、微多孔質部材7の孔
の密度を上流側ほど小さくなるように設定し、上流側ほ
ど導入されるガス流量を小さく設定している。図3
(a)は微多孔質部材7の平面図、(b)は側面図であ
り、(a)に模式的に示されるように、孔100の密度
は原料ガスの流れの上流側ほど小さく設定される。導入
ガスの流量を上流ほど小さく設定することで、原料ガス
流の乱れを抑制し、反応管1のa部分での汚染を効果的
に防止できる。
【0033】また、微多孔質部材7から導入されるガス
の流量を変化させるのではなく、反応管1への導入方向
を変化させることによっても、反応管のa部分の汚染を
抑制することができる。
【0034】図4には、微多孔質部材7の他の構成に係
る断面図が示されている。微多孔質部材7の孔200は
面に対して垂直方向に形成されるのではなく、原料ガス
の流れの下流側に向けて斜めに形成される。したがっ
て、この微多孔質部材7の孔から反応管1内に導入され
るガスも斜めに導入されることとなり、原料ガスとの衝
突を抑制することができる。なお、「斜め」とは、微多
孔質部材7の法線に対して下流側に所定角度を有するこ
と、あるいは原料ガス流と導入ガス流のなす角が90度
より小さいことを意味し、斜めの角度を適宜調整できる
ように構成することもできる。なお、孔100あるいは
200は、レーザ加工等で形成することができる。
【0035】本発明の気相成長装置において、基板2に
対向する反応管壁面に設けられる微多孔質部材7の位置
は、通常は、基板面に対向する面の若干上流部分、もし
くはその近傍から設けられ、略基板2に対応した大きさ
とすることもできるが、基板面よりも下流側に延長する
ことによって下流側での反応管の汚染を防止することが
できる。したがって、微多孔質部材7の大きさは、反応
管1の形状、反応管1の原料ガスを含むガスの導入部5
形式等によって異なり一概には特定できない。しかし、
通常は基板面に対する大きさとして0.5〜5倍、好ま
しくは1.0〜3.5倍程度である。ここで基板面の大
きさとは、気相成長操作中に基板2の端面が描く最外側
の軌跡に囲まれた面積を意味するものである。したがっ
て、通常はサセプター3の面積にほぼ等しい大きさであ
る。
【0036】本発明の気相成長装置において、反応管壁
に設けられる通気性を有する微多孔質部材7を介して原
料ガスを含まないガスを導入する導入部8は、図1に示
すように微多孔質部材7の位置から立ち上がらせて設け
ることもできるが、反応管壁を二重壁とすることによっ
て一体化された構造とすることもできる。
【0037】さらに、微多孔質部材7の耐圧性、熱的強
度などを高めるために、微多孔質部材7の形状を曲面を
持った構造とすることもできる。
【0038】本発明の気相成長方法における、気相成長
の原料ガスとしては、目的とする結晶によって異なり一
概に特定できないが、例えばアルシン、ホスフィン、シ
ラン、トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム、
アンモニア、アルキルアミン等が用いられる。
【0039】また、これらのガスの希釈用ガスとしては
水素、ヘリウム、アルゴン、窒素などが用いられる。
【0040】本発明の気相成長方法において、通気性を
有する微多孔質部材7を介して反応管に導入されるガス
は、カバーガスとして薄いガス層を形成するためのもの
であり、気相成長に寄与しないガスが用いられ、通常は
水素、ヘリウム、アルゴン、窒素などの原料ガスを含ま
ないガスである。またその流量は、カバーガス層を形成
することができればよいことから、基板面積に等しい大
きさの微多孔質部材7の面積当たり、通常は原料ガスを
含むガスの流量の1/5〜1/30、好ましくは1/5
〜1/10程度である。これよりも多いと基板2上の流
れを乱す虞があり、少なすぎる場合にはカバーガス層を
形成することができなくなる。
【0041】ここで、基板面積に等しい大きさの微多孔
質部材7の面積当たり、と規定しているように、微多孔
質部材7が反応管1の基板2部分に対向する部分よりも
下流部分まで設けられている場合には、その面積に対応
して全ガス流量が増大することを意味するものである。
【0042】なお、本発明において、通気性を有する微
多孔質部材7から導入されるガスは上記のように、通常
は気相成長反応に寄与しないガスが用いられるが、アン
モニアのようにそれ自体の分解生成物が気体に限られる
ガスの場合には、上記水素、ヘリウム、窒素などに代え
て、若しくはこれらのガスと混合して用いることもでき
る。
【0043】このように反応管1を構成することによっ
て、基板2に対向する反応管壁を汚染することがなく、
気相成長を行うことができる。さらに、反応管壁から原
料ガスの分解生成物、あるいは反応生成物が落下するこ
とがなく、反応管1を清掃することなしに繰り返して成
長操作を行うことができる。
【0044】
【実施例】次に実施例により、本発明を具体的に説明す
るが、これにより本発明が限定されるものではない。
【0045】(実施例1)図1に示すものと同様の構成で
あって石英製(幅200mm、高さ15mm)の反応管
を有し、直径2インチの基板6枚を同時に処理できる気
相成長装置を製作した。この装置を用いて、以下のよう
に直径2インチのサファイヤ基板上にGaNの結晶成長
を行った。なお、反応管の基板と平行に対向する反応管
壁面に配置した通気性を有する微多孔質部材の面積は、
サファイヤ基板面積の1.5倍であった。
【0046】サファイヤ基板をサセプター上にセット
し、反応管内を水素ガスで置換した後、基板を1150
℃に20分間加熱し、サファイヤ基板の熱処理を行っ
た。次に1050℃に下げ、温度を安定化させた後、原
料ガス導入部の第一流路からはアンモニアと水素の混合
ガス(アンモニア24L/min、水素6L/min)
を導入すると共に、第二の流路からはトリメチルガリウ
ムを含む水素ガス(トリメチルガリウム60μmol/
min、水素30L/min)を導入した。また、同時
に微多孔質部材を介して水素ガスを原料ガス導入部から
の合計ガス流量の1/10量導入(窒素6L/min)
し、GaNの気相成長を60分間行った。この間、サセ
プターは毎分10回転させた。このようにして、気相成
長を5回繰り返した。
【0047】ここでL/minは、liter/min
の略である。
【0048】その結果、反応管の壁面に固形物の付着は
認められなかった。また、冷却後基板を取り出しGaN
の膜厚を測定したところ、基板面内で平均2±0.1μ
mであり、均一な膜厚が得られていた。
【0049】ここで得られたGaN膜それぞれの電気特
性を測定したところ、平均値として、キャリヤー濃度が
3×1017/cm2、キャリヤ移動度は400cm2/V
sであり、非常に優れた結晶の得られていることが認め
られた。
【0050】(実施例2)図1に示すものと同様の構成
であって石英製(幅80mm、高さ10mm)の反応管
を有する2インチの基板1枚を処理できる気相成長装置
を製作した。この装置を用いて、以下のように直径2イ
ンチのサファイヤ基板上にGaNの結晶成長を行った。
なお、反応管の基板と平行に対向する反応管壁面に配置
した通気性を有する微多孔質部材の面積は、サファイヤ
基板面積の2.5倍であった。
【0051】サファイヤ基板をサセプター上にセット
し、反応管内を水素ガスで置換した後、基板を1150
℃に20分間加熱し、サファイヤ基板の酸化膜を除去し
た。次に1050℃に下げ、温度を安定化させた後、原
料ガス導入部の第一流路からはアンモニアと水素の混合
ガス(アンモニア8L/min、水素2L/min)を
導入すると共に、第二の流路からはトリメチルガリウム
を含む水素ガス(トリメチルガリウム20μmol/m
in、水素10L/min)を導入した。また、同時に
微多孔質部材を介して水素ガスを原料ガス導入部からの
合計ガス流量の1/5量導入(水素4L/min)し、
GaNの気相成長を80分間行った。この間、サセプタ
ーは毎分10回転させた。このようにして、気相成長を
5回繰り返した。
【0052】その結果、反応管の壁面に固形物の付着は
認められなかった。また、冷却後、基板を取り出しGa
Nの膜厚を測定したところ、基板面内で3±0.1μm
であり、均一な膜厚が得られていた。
【0053】ここで得られたGaN膜それぞれの電気特
性を測定したところ、平均値として、キャリヤー濃度が
1×1017/cm2、キャリヤ移動度は450cm2/V
sであり、非常に優れた結晶の得られていることが認め
られた。
【0054】(比較例1)実施例2における反応管を微
多孔質部材を有しない反応管に代え、それに従って基板
に平行に対向する反応管壁からの水素の導入を行わなか
ったほかは、実施例1と同様にしてGaNの気相成長を
行った。
【0055】その結果、気相成長の工程中、基板に対向
する反応管壁部分から下流の部分に徐々に原料ガスの分
解生成物の付着することが認められた。また、2回目の
成長においては、基板上への管壁の付着物の落下が見ら
れ、表面状態が大きく劣化した。
【0056】
【発明の効果】本発明の気相成長装置及び気相成長方法
によって、基板と基板に対向する反応壁との間隔を狭め
ることができ、かつ、基板と平行に対向する反応管壁に
原料ガスの分解生成物または反応生成物の付着による汚
染を防止することができるようになり、反応管の清掃を
行うことなしに、気相成長操作を繰り返し行うことがで
きる。また、基板上に固形物が落下することを防止し、
高品質の結晶を収率良く作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の気相成長装置の例の縦断面図であ
る。
【図2】 ガス導入による反応管の特性部位の汚染を示
す説明図である。
【図3】 図1における微多孔質部材の平面図及び側面
図である。
【図4】 図1における微多孔質部材の他の構成に係る
縦断面図である。
【図5】 従来の気相成長装置の例の縦断面図である。
【図6】 従来の気相成長装置の例の縦断面図である。
【図7】 従来の気相成長装置の例の縦断面図である。
【符号の説明】
1 反応管、2 基板、3 サセプター、4 ヒータ
ー、5 原料ガスを含むガスの導入部、6 排気管、7
通気性を有する微多孔質部材、8 原料ガスを含まな
いガスの導入部、9,9’ 仕切板、10 第一の流
路、11 第二の流路、13 ガス噴射管。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を載せるためのサセプターと、該サ
    セプターを加熱するためのヒーターと、それらを内蔵す
    る反応管を有する半導体膜の気相成長装置において、 基板に実質的に平行となるように配置された少なくとも
    1種の原料ガスの導入部と、 基板と平行に対向する反応管壁に配置された通気性を有
    する微多孔質部材と、該微多孔質部材を介して反応管内
    へガスを導入するためのガス導入部と、 を有し、該微多孔質部材を介して該反応管内に導入され
    るガスの流量は、前記原料ガスの上流側の方が下流側よ
    りも小さく設定されることを特徴とする気相成長装置。
  2. 【請求項2】 前記微多孔質部材の孔の密度は、前記原
    料ガスの流れの上流側の方が下流側よりも小さいことを
    特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
  3. 【請求項3】 基板を載せるためのサセプターと、該サ
    セプターを加熱するためのヒーターと、それらを内蔵す
    る反応管を有する半導体膜の気相成長装置において、 基板に実質的に平行となるように配置された少なくとも
    1種の原料ガスの導入部と、 基板と平行に対向する反応管壁に配置された通気性を有
    する微多孔質部材と、 該微多孔質部材を介して該反応管内へガスを導入するた
    めのガス導入部と、 を有し、該ガスは該微多孔質部材を介して前記原料ガス
    の下流側に向けて斜めに該反応管内に導入されることを
    特徴とする気相成長装置。
  4. 【請求項4】 前記微多孔質部材の孔は、前記原料ガス
    の下流側に向けて斜めに形成されることを特徴とする請
    求項3に記載の気相成長装置。
  5. 【請求項5】 前記微多孔質部材の面積が、基板面積の
    0.5〜5倍であることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の気相成長装置。
  6. 【請求項6】 反応管内に設置され加熱された基板の表
    面に原料ガスを供給して基板表面に半導体膜を気相成長
    させる方法において、 基板に実質的に平行に配置されたガス導入部より原料ガ
    スを含むガスを導入すると共に、基板と平行に対向する
    反応管壁に配置された通気性を有する微多孔質部材を介
    して原料ガスを含まないガスを、その流量が前記原料ガ
    スの上流側の方が下流側よりも小さくなるように該反応
    管に導入して気相成長を行うことを特徴とする気相成長
    方法。
  7. 【請求項7】 反応管内に設置され加熱された基板の表
    面に原料ガスを供給して基板表面に半導体膜を気相成長
    させる方法において、基板に実質的に平行に配置された
    ガス導入部より原料ガスを含むガスを導入すると共に、
    基板と平行に対向する反応管壁に配置された通気性を有
    する微多孔質部材を介して原料ガスを含まないガスを、
    前記原料ガスの下流側に向けて斜めに該反応管内に導入
    して気相成長を行うことを特徴とする気相成長方法。
  8. 【請求項8】 微多孔質部材を介して導入されるガスの
    流量が、基板面積と同じ微多孔質部材面積当たり、原料
    ガスを含むガスの流量の1/5〜1/30であることを
    特徴とする請求項6、7のいずれかに記載の気相成長方
    法。
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