JP2004031874A - 半導体のエピタキシャル成長装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板の材質と、エピタキシャル成長させる膜の材質との格子不整合の問題を解消する。
【解決手段】基板を支持するためのサセプタと、基板を加熱するための加熱手段と、サセプタに支持された状態の基板の温度を測定するための温度計と、サセプタに支持された状態の基板の表面に所定の原料ガス及びキャリアガスを流すためのガス供給ノズルとを設ける。まず基板の表面にc−BP(立方晶リン化ホウ素)成長用原料ガスを流して、基板の表面にc−BP層をエピタキシャル成長により形成する。さらに、そのc−BP層の表面に3C−SiC又はGaN成長用原料ガスを流して、3C−SiC層又はGaN層を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】基板を支持するためのサセプタと、基板を加熱するための加熱手段と、サセプタに支持された状態の基板の温度を測定するための温度計と、サセプタに支持された状態の基板の表面に所定の原料ガス及びキャリアガスを流すためのガス供給ノズルとを設ける。まず基板の表面にc−BP(立方晶リン化ホウ素)成長用原料ガスを流して、基板の表面にc−BP層をエピタキシャル成長により形成する。さらに、そのc−BP層の表面に3C−SiC又はGaN成長用原料ガスを流して、3C−SiC層又はGaN層を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体のエピタキシャル成長装置、たとえばSiに比べて半導体機能として優れた性能を持つワイドバンドギャップ半導体をエピタキシャル成長により製造する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
c−BP(立方晶リン化ホウ素)の成長ではP(リン)の蒸散を防ぐために、Pの分圧を高く保持しやすい常圧成長装置が一般的に使用される。
【0003】
一方、3C−SiCは、一般的なエピタキシャル成長と同様に、減圧成長装置が使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
基板となるSiと、成長させる3C−SiCとの間には、格子不整合があり、そのためにミスフィット転位による結晶欠陥が多数発生し、デバイス作成時に問題となっている。そのため、格子定数の違いによる結晶欠陥を抑制することが重要となる。
【0005】
Si基板の表面を炭化水素ガスで炭化し、これをバッファー層としてSiCを成長させる方法が知られている。
【0006】
この従来の手法によると、基板中のSi原子が炭化処理により基板表面にもち去られ、Si基板中に空孔が生じ、Si基板が荒れてしまう現象が見られる。
【0007】
また、エピタキシャル成長は基板の結晶性を成膜層も受け継ぐ。そのため、良質な結晶を得る上で、基板の荒れは避けるべきである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、基板の材質と、エピタキシャル成長させる材質との間の格子不整合の問題を解消することができる、半導体のエピタキシャル成長装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決手段を例示すると、次のとおりである。
【0010】
(1)基板を支持するためのサセプタと、基板を加熱するための加熱手段と、サセプタに支持された状態の基板の温度を測定するための温度計と、サセプタに支持された状態の基板の表面に所定の原料ガス及びキャリアガスを流すためのガス供給ノズルとを設け、まず基板の表面にc−BP(立方晶リン化ホウ素)成長用原料ガスを流して、基板の表面にc−BP層をエピタキシャル成長により形成し、そのc−BP層の表面に3C−SiC又はGaN成長用原料ガスを流して、3C−SiC層又はGaN層を形成する構成にしたことを特徴とする、半導体のエピタキシャル成長装置。
【0011】
(2)c−BPのエピタキシャル成長時には、c−BP成長用原料ガス濃度を基板近傍のみで局所的に上昇させる構成にしたことを特徴とする前述の半導体のエピタキシャル成長装置。
【0012】
(3)ガス供給ノズルが、原料ガスを噴出させる原料ガス・ノズルとキャリアガスを噴出させるキャリアガス・ノズルからなり、原料ガス・ノズルが原料ガスを基板近傍に噴出させるように設定され、キャリアガス・ノズルがその原料ガス・ノズルとは別に隣接して設けられていて、キャリアガスが原料ガスを基板に押さえ込む用に流れ、高濃度の原料ガスが基板付近に沿って流れる構成にしたことを特徴とする前述の半導体のエピタキシャル成長装置。
【0013】
(4)原料ガス・ノズルに隣接してキャリアガス・ノズルを設け、そのキャリアガス・ノズルに隣接して炉内汚れ防止用ノズルを設けたことを特徴とする前述の半導体のエピタキシャル成長装置。
【0014】
(5)ほぼ水平に保持された円筒状または角筒状の炉体と、
該炉体内部において、半導体成長用の基板を傾斜して保持するサセプタと、
該基板の温度を測る温度測定装置と、該基板を加熱するために、該基板近傍部の炉体外周に設けられて誘導加熱コイルと、
該温度測定装置及び該誘導加熱コイルと連動し、該基板の温度を300から1350℃の範囲で制御可能な温度制御装置と、
主にに半導体用の原料ガスを含むガスを傾斜した基板の下から上へ向かう方向に基板表面に並行して流れるように供給する原料ガス・ノズルと、
主にキャリアガスを含むガスを基板近傍において原料ガス・ノズルからのガスを押さえつけるように原料ガス・ノズルの上方から供給するキャリアガス・ノズルと、
さらに原料ガス・ノズル及びキャリアガス・ノズルの上方からほぼ、水平方向にキャリアガスを供給する炉内汚れ防止用ノズルと、
該基板を挟んで該ノズルの反対側に位置する除外装置及び減圧ポンプと、
該ノズルのガス流量、流速および該ポンプの動作を制御し、炉内の圧力を1〜760Torrの範囲で制御可能な炉内圧力制御装置と、
を含む立方晶リン化ホウ素(c−BP)層を有するワイドバンドギャップ半導体のエピタキシャル成長装置。
【0015】
【発明の実施の形態】
基板の荒れをもたらさない適当な物質を選択して、それによるバッファー層を設けることで、格子不整合によるミスフィット転位を抑制することができる。
【0016】
たとえば、閃亜鉛鉱型結晶であるc−BPの格子定数は、4.538オングストロームであり、3C−SiCの4.358オングストロームとほぼ同等であるため、c−BPのバッファー層を設けると、格子不整合によるミスフィット転位を抑制できる。
【0017】
また、c−BPはSiと格子定数にして16.4%の違いがあるものの、c−BPはSi上にヘテロエピタキシャル成長できる。Si基板上にc−BPをエピタキシャル成長させ、ついで3C−SiCを成長させることができる。
【0018】
c−BP成長はPの蒸散を防ぐために常圧成長を行って、3C−SiCは減圧成長をさせることが好ましい。たとえば、Si基板にまずc−BPを成長させ、次いで3C−SiCの成長に移行させることが最善である。
【0019】
本発明の好適の1つの実施態様による半導体製造装置においては、基板を支持するためのサセプタと、基板を加熱するための加熱手段と、サセプタに支持された状態の基板の温度を測定するための温度計と、サセプタに支持された状態の基板の表面に所定の原料ガス及びキャリアガスを流すためのガス供給ノズルとを設ける。まず、基板の表面にc−BP(立方晶リン化ホウ素)成長用原料ガスを流して、基板の表面にc−BP層をエピタキシャル成長により形成し、次に、そのc−BP層の表面に3C−SiC又はGaN成長用原料ガスを流して、3C−SiC層又はGaN層を形成する。なお、基板表面に形成する各層は、プログラムを用いて制御し、自動的に形成されるように構成するとよい。
【0020】
サセプタは、SiCで表面被覆されたカーボン(グラファイト)が好ましい。このSiCはCVD法による緻密なSiCで、不純物を容易に通さないものであることが好ましい。温度計は、光高温度計(two−wave opticalpyrometer)であることが好ましい。c−BP成長用原料ガスとしては、たとえば水素希釈したジボラン、または、ホスフィンと水素希釈したジボランとの混合ガスが好ましい。3C−SiC成長用原料ガスとしては、水素希釈されたモノメチルシラン、または、水素希釈されたモノメチルシランとプロパンの混合ガスであることが好ましい。原料ガスが複数のガスからなるときは、事前に十分混合させてから噴出させることが好ましい。
【0021】
c−BPと3C−SiCの成長圧力は著しく異なるので、c−BPの成長時にはc−BP成長用原料ガス濃度を基板近傍のみで局所的に上昇させることが好ましい。たとえば、原料ガスを基板近傍に噴出させる原料ガス・ノズルと、キャリアガス・ノズルを隣接して別々に設け、高濃度の原料ガスが基板付近に沿って流れるように設定する。好ましくは、原料ガスが基板上を層流状態で流れることである。
【0022】
また、基板を傾斜して設置したり、ガス供給ノズルの出口の噴出方向を傾斜させたりして、キャリアガスで原料ガスを基板の方に押さえ込むようにするのが好ましい。そのようにすることによって、基板近傍に生成する境界層の厚みを均一に制御することが容易になる。このようにすれば、基板(とくにSiウェハ)に対して均一な膜厚を形成することが可能になる。
【0023】
なお、原料ガスノズルには、プロセス初期のキャリアガスによる基板クリーニングのため、キャリアガスも流すことを可能にすることが好ましい。
【0024】
一方、原料ガスの反応により反応炉への生成物の付着が生じることを防止するために、キャリアガスと同種のガスを噴出させる炉内汚れ防止用ノズルをキャリアガス・ノズルと隣接して設けることが好ましい。
【0025】
なお、サセプタは、基板を水平に支持しても良いが、傾斜して支持する方がガスの流れを制御しやすく、好ましい。水平方向に支持する場合は、基板を高速で回転させ、原料ガスは基板中央部上方から鉛直下向きに噴出し、その原料ガス流の周囲をキャリアガスが包むように流し、基板表面では原料ガスが一様に表層に接触ながら流れることが好ましい。
【0026】
炉体は、ほぼ水平に保持された円筒状または角筒状の炉体とであることが望ましい。その炉体内部において、半導体成長用の基板を傾斜して保持する構造のサセプタ配置される。この基板の少なくとも1点の温度を測るために温度測定装置が設けられる。温度測定装置は、炉外から直接基板温度が測れる光高熱計がサセプタ上方に設けられていることが望ましい。該基板を加熱するために、該基板近傍部の炉体外周に誘導加熱コイルを設け、サセプタをカーボン質とすることにより誘導加熱で基板を過熱することが好ましい。なお、温度測定装置と誘導過熱コイルは、温度制御装置により、基板の温度を300から1350℃の範囲で制御可能とする。主に半導体用の原料ガスを含むガスを傾斜した基板の下側から上側へ向って基板表面に並行して流れるように供給する原料ガス・ノズルをサセプタ直前に設ける。また、主にキャリアガスを含むガスを基板近傍において原料ガス・ノズルからのガスを押さえつけるように原料ガス・ノズルの上方から供給するキャリアガス・ノズルを設け、さらに原料ガス・ノズルおよびキャリアガス・ノズルの上方からほぼ、水平方向にキャリアガスを供給する炉内汚れ防止用ノズルを設ける。各ノズルは、断面形状が矩形、長楕円など炉の広さと基板の大きさを考慮して適宜選択しても良い。複数のノズルを水平方向に並べて1つのノズルを形成しても良い。基板を挟んでノズルと反対側には除害装置および減圧ポンプを設ける。除外装置は、原料ガス等の有害成分を除去するものであり、また、減圧ポンプは、炉内を減圧するためのものである。ノズルのガス流量、流速および該ポンプの動作を炉内圧力制御装置で制御して炉内の圧力を1〜760Torrの範囲で制御可能とする。このようににして立方晶リン化ホウ素(c−BP)層を有するワイドバンドギャップ半導体のエピタキシャル成長装置とする。
【0027】
なお、本発明の炉内表面は、石英ガラスとすることが望ましい。さらに好ましくは、全体を石英ガラスとする。この炉は、外部から水冷パイプで囲み水冷しても良い。ノズルも石英ガラスまたはCVD−SiC被覆部材など高純度が維持できるものが好ましい。基板は、例えば、サセプタにあわせて傾斜した周辺の部材と共にサセプタを排出口側へ移動して、または、炉体を上下分割体とし、上方をとりはずすことにより、炉外へ取り出しても良いが、別の方法でもかまわない。原料ガス・ノズル・キャリアガス・ノズル、炉内汚れ防止用ガス・ノズルからのそれぞれのガスの流れは、一般的に原料ガス・ノズルからのガスが最も流速がおそく、流量が小さく、炉内汚れ防止用ガス・ノズルからのガスが最も早く、流量も多いことが望ましい。
【0028】
【実施例】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例を説明する。
【0029】
図1〜2において、反応炉の炉内へのガス供給ノズル1は、下から順に、最下位置の原料ガス・ノズル2と、それよりも少し上方位置に隣接してあるキャリアガス・ノズル3と、さらにそのキャリアガス・ノズル3の少し上方位置にある炉内汚れ防止用ガス・ノズル4からなる。これらの原料ガス・ノズル2、キャリアガス・ノズル3および炉内汚れ防止用ガス・ノズル4は、3段構成になっており、基板5に近い方から、順に、それぞれ原料ガス、キャリアガス、炉内汚れ防止用ガスを供給するものである。
【0030】
原料ガス・ノズル2は、出口付近の通路が図1の右上方に向けて傾斜して形成されており、サセプタ6上の基板5とほぼ同じ傾斜角度に設定されている。それゆえ、原料ガス・ノズル2から噴出された原料ガスは、基板5の表面に沿って右上方に流れていく。
【0031】
キャリアガス・ノズル3の出口付近の通路は、図1の右下方に向けて15〜45度傾斜している。それゆえ、キャリアガス・ノズル3から噴出されたキャリアガスは、サセプタ6上の基板5の表面に向って流れていき、その際に、原料ガス・ノズル2から噴出した原料ガスを基板5の表面に向けて押え込む作用をする。
【0032】
炉内汚れ防止用ガス・ノズル4は、そこから噴出した炉内汚れ防止用ガスが、炉内のスペース8の天井部に沿って水平に流れるように設定されている。それにより、炉内の原料ガスの舞上がりを防止し原料ガスによる炉内の汚れをできるだけ防ぐものである。
【0033】
炉内のスペース8は、天井部がほぼ水平に伸びており、底部が図1に示されているように右上方に傾斜していて、下流に向けて絞られており、両側部が図2に示されているように同じ角度で狭くなってガス流の下流に向けて広げられている。全体的に見て、炉内のスペース8は、流路に沿って広げられている。
【0034】
温度計9は、サセプタ6上の基板5の温度を測定するためのもので、例えば熱電温度計を使用することができる。図示例では、温度計9は、炉内スペース8の上方に配置されているが、他の任意の場所(たとえばサセプタ6の内部や、その下方)に配置することができる。
【0035】
サセプタ6は、炉内に、基板5たとえば4−6インチ(100)もしくは(111)単結晶シリコン(Si)ウェーハを所定の角度(たとえば15〜30度)で傾斜した状態で支持するためのものである。
【0036】
加熱手段7は、サセプタ6上の基板5を加熱するためのものであり、図示例では、炉体外周を誘導加熱コイルがとりまくように構成されている。
【0037】
次は、図1〜2の半導体のエピタキシャル成長装置によって3C−SiC半導体を製造する手順を説明する。
【0038】
(1)炉内のスペース8の圧力は1−10Torrにし、プロセス中は均一とする。
【0039】
(2)まず、すべてのノズル2、3、4から水素ガスを導入し、Si基板5の温度を1000℃以上として、Si基板5の表面クリーニングを行う。
【0040】
(3)次に、Si基板5の温度を350−450℃として、原料ノズル2からは、ホスフィンと水素希釈されたジボランを導入し、それ以外のノズル3、4からは、水素を導入して、Si基板5の表面にc−BPの低温成長層を設ける。
【0041】
(4)原料ノズル2から導入される水素希釈されたジボランの供給を一旦止め、Si基板5の温度を800−1000℃として、水素希釈されたジボランを再び導入し、c−BPの結晶成長を実施して、c−BP膜を形成する。
【0042】
(5)原料ノズル2から導入される水素希釈されたジボランの供給を止め、Si基板5の温度を500−600℃として、ホスフィンの供給をとめ、原料ノズル2を水素パージする。原料ノズル2から水素希釈されたモノメチルシランを導入し、c−BP膜の表面に3C−SiCの初期のアモルファス層を設ける。
【0043】
(6)原料ノズル2から導入されるモノメチルシランの供給を止め、Si基板5の温度を1150−1350℃として、水素希釈されたシランおよびプロパンを導入し、前述の3C−SiCの初期の結晶層の上にさらに3C−SiCの結晶成長を実施する。
【0044】
次は、GaN半導体の製造の手順を説明する。
【0045】
(1)炉内圧力は1−10Torrで、プロセス中は均一とする。
【0046】
(2)まず、すべてのノズル2、3、4から水素ガスを導入し、Si基板5の温度を1000℃以上として、Si基板5の表面クリーニングを行う。
【0047】
(3)Si基板5の温度を350−450℃として、原料ノズル2からは、ホスフィンと水素希釈されたジボランを導入し、それ以外のノズル3、4からは、水素を導入して、Si基板5の表面にc−BPの低温成長層を設ける。
【0048】
(4)原料ノズル2から導入される水素希釈されたジボランの供給を一旦止め、Si基板5の温度を800−1000℃として、水素希釈されたジボランを再び導入し、c−BPの結晶成長を実施して、c−BP膜を形成する。
【0049】
(5)原料ノズル2から導入される水素希釈されたジボランの供給を止め、Si基板5の温度を400−500℃として、原料ノズル2から水素をキャリアとしたトリメチルガリウムとモノメチルヒドラジンを導入し、c−BP膜の表面にGaNの初期のアモルファス層を設ける。
【0050】
(6)原料ノズル2から導入されるトリメチルガリウムとモノメチルヒドラジンの供給を一旦止め、Si基板5の温度を800−1000℃として、再び水素をキャリアとしたトリメチルガリウムおよびモノメチルヒドラジンを導入し、前述のGaNの初期の結晶層の上にさらにGaNの結晶成長を実施する。
【0051】
なお、c−BPは、常圧近くまで減圧の度合いをゆるめて製造し、その後減圧しながら3C−SiC等を製造してもよい。
【0052】
【発明の効果】
本発明の装置を使用することにより、c−BPのバッファー層を設けて作成した3C−SiC半導体又はGaN半導体は、格子欠陥によるミスフィット転位が抑制され、高品質な結晶が得られる。
【0053】
BP原料ガスの濃度を局所的に上昇させると、炉内圧力を大きく変化させることなく、高品質のc−BP層を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のよる半導体のエピタキシャル成長装置の一例を示す、中心線に沿った概略垂直断面図。
【図2】図1に示した半導体のエピタキシャル成長装置を示す、中心線に沿った概略水平断面図。
【符号の説明】
1 ガス供給ノズル
2 原料ガス・ノズル
3 キャリアガス・ノズル
4 汚れ防止用ガス・ノズル
5 基板
6 サセプタ
7 加熱手段
8 炉内のスペース
9 温度計
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体のエピタキシャル成長装置、たとえばSiに比べて半導体機能として優れた性能を持つワイドバンドギャップ半導体をエピタキシャル成長により製造する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
c−BP(立方晶リン化ホウ素)の成長ではP(リン)の蒸散を防ぐために、Pの分圧を高く保持しやすい常圧成長装置が一般的に使用される。
【0003】
一方、3C−SiCは、一般的なエピタキシャル成長と同様に、減圧成長装置が使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
基板となるSiと、成長させる3C−SiCとの間には、格子不整合があり、そのためにミスフィット転位による結晶欠陥が多数発生し、デバイス作成時に問題となっている。そのため、格子定数の違いによる結晶欠陥を抑制することが重要となる。
【0005】
Si基板の表面を炭化水素ガスで炭化し、これをバッファー層としてSiCを成長させる方法が知られている。
【0006】
この従来の手法によると、基板中のSi原子が炭化処理により基板表面にもち去られ、Si基板中に空孔が生じ、Si基板が荒れてしまう現象が見られる。
【0007】
また、エピタキシャル成長は基板の結晶性を成膜層も受け継ぐ。そのため、良質な結晶を得る上で、基板の荒れは避けるべきである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、基板の材質と、エピタキシャル成長させる材質との間の格子不整合の問題を解消することができる、半導体のエピタキシャル成長装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決手段を例示すると、次のとおりである。
【0010】
(1)基板を支持するためのサセプタと、基板を加熱するための加熱手段と、サセプタに支持された状態の基板の温度を測定するための温度計と、サセプタに支持された状態の基板の表面に所定の原料ガス及びキャリアガスを流すためのガス供給ノズルとを設け、まず基板の表面にc−BP(立方晶リン化ホウ素)成長用原料ガスを流して、基板の表面にc−BP層をエピタキシャル成長により形成し、そのc−BP層の表面に3C−SiC又はGaN成長用原料ガスを流して、3C−SiC層又はGaN層を形成する構成にしたことを特徴とする、半導体のエピタキシャル成長装置。
【0011】
(2)c−BPのエピタキシャル成長時には、c−BP成長用原料ガス濃度を基板近傍のみで局所的に上昇させる構成にしたことを特徴とする前述の半導体のエピタキシャル成長装置。
【0012】
(3)ガス供給ノズルが、原料ガスを噴出させる原料ガス・ノズルとキャリアガスを噴出させるキャリアガス・ノズルからなり、原料ガス・ノズルが原料ガスを基板近傍に噴出させるように設定され、キャリアガス・ノズルがその原料ガス・ノズルとは別に隣接して設けられていて、キャリアガスが原料ガスを基板に押さえ込む用に流れ、高濃度の原料ガスが基板付近に沿って流れる構成にしたことを特徴とする前述の半導体のエピタキシャル成長装置。
【0013】
(4)原料ガス・ノズルに隣接してキャリアガス・ノズルを設け、そのキャリアガス・ノズルに隣接して炉内汚れ防止用ノズルを設けたことを特徴とする前述の半導体のエピタキシャル成長装置。
【0014】
(5)ほぼ水平に保持された円筒状または角筒状の炉体と、
該炉体内部において、半導体成長用の基板を傾斜して保持するサセプタと、
該基板の温度を測る温度測定装置と、該基板を加熱するために、該基板近傍部の炉体外周に設けられて誘導加熱コイルと、
該温度測定装置及び該誘導加熱コイルと連動し、該基板の温度を300から1350℃の範囲で制御可能な温度制御装置と、
主にに半導体用の原料ガスを含むガスを傾斜した基板の下から上へ向かう方向に基板表面に並行して流れるように供給する原料ガス・ノズルと、
主にキャリアガスを含むガスを基板近傍において原料ガス・ノズルからのガスを押さえつけるように原料ガス・ノズルの上方から供給するキャリアガス・ノズルと、
さらに原料ガス・ノズル及びキャリアガス・ノズルの上方からほぼ、水平方向にキャリアガスを供給する炉内汚れ防止用ノズルと、
該基板を挟んで該ノズルの反対側に位置する除外装置及び減圧ポンプと、
該ノズルのガス流量、流速および該ポンプの動作を制御し、炉内の圧力を1〜760Torrの範囲で制御可能な炉内圧力制御装置と、
を含む立方晶リン化ホウ素(c−BP)層を有するワイドバンドギャップ半導体のエピタキシャル成長装置。
【0015】
【発明の実施の形態】
基板の荒れをもたらさない適当な物質を選択して、それによるバッファー層を設けることで、格子不整合によるミスフィット転位を抑制することができる。
【0016】
たとえば、閃亜鉛鉱型結晶であるc−BPの格子定数は、4.538オングストロームであり、3C−SiCの4.358オングストロームとほぼ同等であるため、c−BPのバッファー層を設けると、格子不整合によるミスフィット転位を抑制できる。
【0017】
また、c−BPはSiと格子定数にして16.4%の違いがあるものの、c−BPはSi上にヘテロエピタキシャル成長できる。Si基板上にc−BPをエピタキシャル成長させ、ついで3C−SiCを成長させることができる。
【0018】
c−BP成長はPの蒸散を防ぐために常圧成長を行って、3C−SiCは減圧成長をさせることが好ましい。たとえば、Si基板にまずc−BPを成長させ、次いで3C−SiCの成長に移行させることが最善である。
【0019】
本発明の好適の1つの実施態様による半導体製造装置においては、基板を支持するためのサセプタと、基板を加熱するための加熱手段と、サセプタに支持された状態の基板の温度を測定するための温度計と、サセプタに支持された状態の基板の表面に所定の原料ガス及びキャリアガスを流すためのガス供給ノズルとを設ける。まず、基板の表面にc−BP(立方晶リン化ホウ素)成長用原料ガスを流して、基板の表面にc−BP層をエピタキシャル成長により形成し、次に、そのc−BP層の表面に3C−SiC又はGaN成長用原料ガスを流して、3C−SiC層又はGaN層を形成する。なお、基板表面に形成する各層は、プログラムを用いて制御し、自動的に形成されるように構成するとよい。
【0020】
サセプタは、SiCで表面被覆されたカーボン(グラファイト)が好ましい。このSiCはCVD法による緻密なSiCで、不純物を容易に通さないものであることが好ましい。温度計は、光高温度計(two−wave opticalpyrometer)であることが好ましい。c−BP成長用原料ガスとしては、たとえば水素希釈したジボラン、または、ホスフィンと水素希釈したジボランとの混合ガスが好ましい。3C−SiC成長用原料ガスとしては、水素希釈されたモノメチルシラン、または、水素希釈されたモノメチルシランとプロパンの混合ガスであることが好ましい。原料ガスが複数のガスからなるときは、事前に十分混合させてから噴出させることが好ましい。
【0021】
c−BPと3C−SiCの成長圧力は著しく異なるので、c−BPの成長時にはc−BP成長用原料ガス濃度を基板近傍のみで局所的に上昇させることが好ましい。たとえば、原料ガスを基板近傍に噴出させる原料ガス・ノズルと、キャリアガス・ノズルを隣接して別々に設け、高濃度の原料ガスが基板付近に沿って流れるように設定する。好ましくは、原料ガスが基板上を層流状態で流れることである。
【0022】
また、基板を傾斜して設置したり、ガス供給ノズルの出口の噴出方向を傾斜させたりして、キャリアガスで原料ガスを基板の方に押さえ込むようにするのが好ましい。そのようにすることによって、基板近傍に生成する境界層の厚みを均一に制御することが容易になる。このようにすれば、基板(とくにSiウェハ)に対して均一な膜厚を形成することが可能になる。
【0023】
なお、原料ガスノズルには、プロセス初期のキャリアガスによる基板クリーニングのため、キャリアガスも流すことを可能にすることが好ましい。
【0024】
一方、原料ガスの反応により反応炉への生成物の付着が生じることを防止するために、キャリアガスと同種のガスを噴出させる炉内汚れ防止用ノズルをキャリアガス・ノズルと隣接して設けることが好ましい。
【0025】
なお、サセプタは、基板を水平に支持しても良いが、傾斜して支持する方がガスの流れを制御しやすく、好ましい。水平方向に支持する場合は、基板を高速で回転させ、原料ガスは基板中央部上方から鉛直下向きに噴出し、その原料ガス流の周囲をキャリアガスが包むように流し、基板表面では原料ガスが一様に表層に接触ながら流れることが好ましい。
【0026】
炉体は、ほぼ水平に保持された円筒状または角筒状の炉体とであることが望ましい。その炉体内部において、半導体成長用の基板を傾斜して保持する構造のサセプタ配置される。この基板の少なくとも1点の温度を測るために温度測定装置が設けられる。温度測定装置は、炉外から直接基板温度が測れる光高熱計がサセプタ上方に設けられていることが望ましい。該基板を加熱するために、該基板近傍部の炉体外周に誘導加熱コイルを設け、サセプタをカーボン質とすることにより誘導加熱で基板を過熱することが好ましい。なお、温度測定装置と誘導過熱コイルは、温度制御装置により、基板の温度を300から1350℃の範囲で制御可能とする。主に半導体用の原料ガスを含むガスを傾斜した基板の下側から上側へ向って基板表面に並行して流れるように供給する原料ガス・ノズルをサセプタ直前に設ける。また、主にキャリアガスを含むガスを基板近傍において原料ガス・ノズルからのガスを押さえつけるように原料ガス・ノズルの上方から供給するキャリアガス・ノズルを設け、さらに原料ガス・ノズルおよびキャリアガス・ノズルの上方からほぼ、水平方向にキャリアガスを供給する炉内汚れ防止用ノズルを設ける。各ノズルは、断面形状が矩形、長楕円など炉の広さと基板の大きさを考慮して適宜選択しても良い。複数のノズルを水平方向に並べて1つのノズルを形成しても良い。基板を挟んでノズルと反対側には除害装置および減圧ポンプを設ける。除外装置は、原料ガス等の有害成分を除去するものであり、また、減圧ポンプは、炉内を減圧するためのものである。ノズルのガス流量、流速および該ポンプの動作を炉内圧力制御装置で制御して炉内の圧力を1〜760Torrの範囲で制御可能とする。このようににして立方晶リン化ホウ素(c−BP)層を有するワイドバンドギャップ半導体のエピタキシャル成長装置とする。
【0027】
なお、本発明の炉内表面は、石英ガラスとすることが望ましい。さらに好ましくは、全体を石英ガラスとする。この炉は、外部から水冷パイプで囲み水冷しても良い。ノズルも石英ガラスまたはCVD−SiC被覆部材など高純度が維持できるものが好ましい。基板は、例えば、サセプタにあわせて傾斜した周辺の部材と共にサセプタを排出口側へ移動して、または、炉体を上下分割体とし、上方をとりはずすことにより、炉外へ取り出しても良いが、別の方法でもかまわない。原料ガス・ノズル・キャリアガス・ノズル、炉内汚れ防止用ガス・ノズルからのそれぞれのガスの流れは、一般的に原料ガス・ノズルからのガスが最も流速がおそく、流量が小さく、炉内汚れ防止用ガス・ノズルからのガスが最も早く、流量も多いことが望ましい。
【0028】
【実施例】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例を説明する。
【0029】
図1〜2において、反応炉の炉内へのガス供給ノズル1は、下から順に、最下位置の原料ガス・ノズル2と、それよりも少し上方位置に隣接してあるキャリアガス・ノズル3と、さらにそのキャリアガス・ノズル3の少し上方位置にある炉内汚れ防止用ガス・ノズル4からなる。これらの原料ガス・ノズル2、キャリアガス・ノズル3および炉内汚れ防止用ガス・ノズル4は、3段構成になっており、基板5に近い方から、順に、それぞれ原料ガス、キャリアガス、炉内汚れ防止用ガスを供給するものである。
【0030】
原料ガス・ノズル2は、出口付近の通路が図1の右上方に向けて傾斜して形成されており、サセプタ6上の基板5とほぼ同じ傾斜角度に設定されている。それゆえ、原料ガス・ノズル2から噴出された原料ガスは、基板5の表面に沿って右上方に流れていく。
【0031】
キャリアガス・ノズル3の出口付近の通路は、図1の右下方に向けて15〜45度傾斜している。それゆえ、キャリアガス・ノズル3から噴出されたキャリアガスは、サセプタ6上の基板5の表面に向って流れていき、その際に、原料ガス・ノズル2から噴出した原料ガスを基板5の表面に向けて押え込む作用をする。
【0032】
炉内汚れ防止用ガス・ノズル4は、そこから噴出した炉内汚れ防止用ガスが、炉内のスペース8の天井部に沿って水平に流れるように設定されている。それにより、炉内の原料ガスの舞上がりを防止し原料ガスによる炉内の汚れをできるだけ防ぐものである。
【0033】
炉内のスペース8は、天井部がほぼ水平に伸びており、底部が図1に示されているように右上方に傾斜していて、下流に向けて絞られており、両側部が図2に示されているように同じ角度で狭くなってガス流の下流に向けて広げられている。全体的に見て、炉内のスペース8は、流路に沿って広げられている。
【0034】
温度計9は、サセプタ6上の基板5の温度を測定するためのもので、例えば熱電温度計を使用することができる。図示例では、温度計9は、炉内スペース8の上方に配置されているが、他の任意の場所(たとえばサセプタ6の内部や、その下方)に配置することができる。
【0035】
サセプタ6は、炉内に、基板5たとえば4−6インチ(100)もしくは(111)単結晶シリコン(Si)ウェーハを所定の角度(たとえば15〜30度)で傾斜した状態で支持するためのものである。
【0036】
加熱手段7は、サセプタ6上の基板5を加熱するためのものであり、図示例では、炉体外周を誘導加熱コイルがとりまくように構成されている。
【0037】
次は、図1〜2の半導体のエピタキシャル成長装置によって3C−SiC半導体を製造する手順を説明する。
【0038】
(1)炉内のスペース8の圧力は1−10Torrにし、プロセス中は均一とする。
【0039】
(2)まず、すべてのノズル2、3、4から水素ガスを導入し、Si基板5の温度を1000℃以上として、Si基板5の表面クリーニングを行う。
【0040】
(3)次に、Si基板5の温度を350−450℃として、原料ノズル2からは、ホスフィンと水素希釈されたジボランを導入し、それ以外のノズル3、4からは、水素を導入して、Si基板5の表面にc−BPの低温成長層を設ける。
【0041】
(4)原料ノズル2から導入される水素希釈されたジボランの供給を一旦止め、Si基板5の温度を800−1000℃として、水素希釈されたジボランを再び導入し、c−BPの結晶成長を実施して、c−BP膜を形成する。
【0042】
(5)原料ノズル2から導入される水素希釈されたジボランの供給を止め、Si基板5の温度を500−600℃として、ホスフィンの供給をとめ、原料ノズル2を水素パージする。原料ノズル2から水素希釈されたモノメチルシランを導入し、c−BP膜の表面に3C−SiCの初期のアモルファス層を設ける。
【0043】
(6)原料ノズル2から導入されるモノメチルシランの供給を止め、Si基板5の温度を1150−1350℃として、水素希釈されたシランおよびプロパンを導入し、前述の3C−SiCの初期の結晶層の上にさらに3C−SiCの結晶成長を実施する。
【0044】
次は、GaN半導体の製造の手順を説明する。
【0045】
(1)炉内圧力は1−10Torrで、プロセス中は均一とする。
【0046】
(2)まず、すべてのノズル2、3、4から水素ガスを導入し、Si基板5の温度を1000℃以上として、Si基板5の表面クリーニングを行う。
【0047】
(3)Si基板5の温度を350−450℃として、原料ノズル2からは、ホスフィンと水素希釈されたジボランを導入し、それ以外のノズル3、4からは、水素を導入して、Si基板5の表面にc−BPの低温成長層を設ける。
【0048】
(4)原料ノズル2から導入される水素希釈されたジボランの供給を一旦止め、Si基板5の温度を800−1000℃として、水素希釈されたジボランを再び導入し、c−BPの結晶成長を実施して、c−BP膜を形成する。
【0049】
(5)原料ノズル2から導入される水素希釈されたジボランの供給を止め、Si基板5の温度を400−500℃として、原料ノズル2から水素をキャリアとしたトリメチルガリウムとモノメチルヒドラジンを導入し、c−BP膜の表面にGaNの初期のアモルファス層を設ける。
【0050】
(6)原料ノズル2から導入されるトリメチルガリウムとモノメチルヒドラジンの供給を一旦止め、Si基板5の温度を800−1000℃として、再び水素をキャリアとしたトリメチルガリウムおよびモノメチルヒドラジンを導入し、前述のGaNの初期の結晶層の上にさらにGaNの結晶成長を実施する。
【0051】
なお、c−BPは、常圧近くまで減圧の度合いをゆるめて製造し、その後減圧しながら3C−SiC等を製造してもよい。
【0052】
【発明の効果】
本発明の装置を使用することにより、c−BPのバッファー層を設けて作成した3C−SiC半導体又はGaN半導体は、格子欠陥によるミスフィット転位が抑制され、高品質な結晶が得られる。
【0053】
BP原料ガスの濃度を局所的に上昇させると、炉内圧力を大きく変化させることなく、高品質のc−BP層を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のよる半導体のエピタキシャル成長装置の一例を示す、中心線に沿った概略垂直断面図。
【図2】図1に示した半導体のエピタキシャル成長装置を示す、中心線に沿った概略水平断面図。
【符号の説明】
1 ガス供給ノズル
2 原料ガス・ノズル
3 キャリアガス・ノズル
4 汚れ防止用ガス・ノズル
5 基板
6 サセプタ
7 加熱手段
8 炉内のスペース
9 温度計
Claims (5)
- 基板を支持するためのサセプタと、基板を加熱するための加熱手段と、サセプタに支持された状態の基板の温度を測定するための温度計と、サセプタに支持された状態の基板の表面に所定の原料ガス及びキャリアガスを流すためのガス供給ノズルとを設け、まず基板の表面にc−BP(立方晶リン化ホウ素)成長用原料ガスを流して、基板の表面にc−BP層をエピタキシャル成長により形成し、そのc−BP層の表面に3C−SiC又はGaN成長用原料ガスを流して、3C−SiC層又はGaN層を形成する構成にしたことを特徴とする、半導体のエピタキシャル成長装置。
- c−BPのエピタキシャル成長時には、c−BP成長用原料ガス濃度を基板近傍のみで局所的に上昇させる構成にしたことを特徴とする請求項1に記載の半導体のエピタキシャル成長装置。
- ガス供給ノズルが、原料ガスを噴出させる原料ガス・ノズルとキャリアガスを噴出させるキャリアガス・ノズルからなり、原料ガス・ノズルが原料ガスを基板近傍に噴出させるように設定され、キャリアガス・ノズルがその原料ガス・ノズルとは別に隣接して設けられていて、キャリアガスが原料ガスを基板に押さえ込むように流れ、高濃度の原料ガスが基板付近に沿って流れる構成にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体のエピタキシャル成長装置。
- 原料ガス・ノズルに隣接してキャリアガス・ノズルを設け、そのキャリアガス・ノズルに隣接して炉内汚れ防止用ノズルを設けたことを特徴とする請求項3又は4に記載の半導体のエピタキシャル成長装置。
- ほぼ水平に保持された円筒状または角筒状の炉体と、
該炉体内部において、半導体成長用の基板を傾斜して保持するサセプタと、
該基板の温度を測る温度測定装置と、該基板を加熱するために、該基板近傍部の炉体外周に設けられて誘導加熱コイルと、
該温度測定装置及び該誘導加熱コイルと連動し、該基板の温度を300から 1350℃の範囲で制御可能な温度制御装置と、
主にに半導体用の原料ガスを含むガスを傾斜した基板の下から上へ向かう方向に基板表面に並行して流れるように供給する原料ガス・ノズルと、
主にキャリアガスを含むガスを基板近傍において原料ガス・ノズルからのガスを押さえつけるように原料ガス・ノズルの上方から供給するキャリアガス・ノズルと、
さらに原料ガス・ノズル及びキャリアガス・ノズルの上方からほぼ、水平方向にキャリアガスを供給する炉内汚れ防止用ノズルと、
該基板を挟んで該ノズルの反対側に位置する除外装置及び減圧ポンプと、
該ノズルのガス流量、流速および該ポンプの動作を制御し、炉内の圧力を1〜760Torrの範囲で制御可能な炉内圧力制御装置と、
を含む立方晶リン化ホウ素(c−BP)層を有するワイドバンドギャップ半導体のエピタキシャル成長装置。
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