JP2004235535A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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照彦 蔵町
Hideo Yamanaka
英生 山中
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Abstract

【課題】半導体レーザ素子が密閉容器内に設置されてなる半導体レーザ装置において、半導体レーザ素子端面等への汚染物質の付着を防止し、良好な特性および信頼性を得る。
【解決手段】密閉容器2内に、発振波長が350〜450nmの範囲にある半導体レーザ素子6が設置されてなる半導体レーザ装置において、半導体レーザ素子6の駆動温度を50〜80℃の範囲に保つ。温度調節手段は例えば半導体レーザ素子6を加温するヒータ50と、その温度を検出するサーミスタ51と、温調回路52とから構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザ素子が密閉容器内に設置されてなる半導体レーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば特許文献1に示されるように、半導体レーザ素子、コリメータレンズ、集光レンズ、および光ファイバ等が密閉容器内に収容されてなる半導体レーザ装置が知られている。この種の半導体レーザ装置においては、密閉容器内に残存する汚染物質が半導体レーザ素子の出射端面、レンズおよび光ファイバ等の光学部品に付着して、レーザ特性を劣化させるという問題が認められている。汚染物質としては、製造工程の雰囲気中から混入する炭化水素が挙げられ、この炭化水素が、レーザ光により重合あるいは分解されて上記光学部品等に付着することが分かっている。
【0003】
上述のような用途に好適に用いられる半導体レーザ素子の一つとして、上記特許文献1には、発振波長が350〜450nmの範囲にあるGaN系半導体レーザ素子が示されているが、このような範囲の短波長のレーザ光はエネルギーが高いため、モジュール内に存在する炭化水素を重合あるいは分解させる作用が高い。したがって、このような半導体レーザ素子を密閉容器内に収容して用いる場合は、上記の問題が特に顕著となる。
【0004】
上述の問題を解決するために、以下に示すように種々の方法が提案されている。例えば特許文献2には、炭化水素の光分解による光学部品等への堆積を防止するためには容器内の炭化水素量を0.1%以下にすることが効果的であり、これにより波長400nm以下のレーザ光の出力低下を防止できることが記載されている。また、封止雰囲気をドライエアとすることも提案されており、雰囲気中の酸素と堆積した炭化水素との光化学反応によって、堆積物の除去効果が期待されている。
【0005】
また特許文献3には、炭化水素の光分解による半導体レーザ素子端面への炭化水素の付着を防止するために、このガスを分解する酸素を100ppm以上封止ガスに混入させることが記載されている。
【0006】
また特許文献4には、油分等の汚染物質を脱脂および洗浄して除去することにより、長期信頼性が確保できることが記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−202442号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平11−167132号公報
【0009】
【特許文献3】
米国特許第5392305号明細書
【0010】
【特許文献4】
特開平11−87814号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
レーザ光と炭化水素の反応により生成される炭化水素系の堆積物は、上記特許文献3に示されるように、一定量以上の酸素を含んだガス雰囲気においてCOとHOとに分解される。
【0012】
しかしながら、この種の堆積物としては炭化水素化合物だけでなく、ケイ素化合物の存在も確認されており、酸素を雰囲気中に含有させるだけではこの種の堆積物を分解除去できないことが解っている。堆積するケイ素化合物は、シロキサン結合(Si−O−Si)、シラノール基(−Si−OH)等のSiを含有した有機化合物ガス(以下、有機ケイ素化合物と記す)とレーザ光との光化学反応により発生する。炭化水素化合物およびケイ素化合物等の堆積物は、光学的な吸収を発生させるため、連続発振における経時信頼性を著しく損なうものである。なお、ここで言うケイ素化合物とは、有機、無機を問わずケイ素を含むあらゆる構造を有しているものを示し、無機SiOxおよび有機ケイ素化合物を含む。
【0013】
Siを含有した有機化合物ガス発生源は、主として半導体レーザ装置製造工程に使用されているシリコーン系材料である。すなわち、これが半導体レーザ装置内の各部品の表面に付着している場合があり、また、半導体レーザモジュールを封止して使用する場合は、その封止ガス中に微量含まれる。これらの工程中のガス成分は、通常のクリーンルームや封止ガス精製機では完全に除去することができず、完全な除去には多大な設備投資が必要となる。特許文献4に開示されている油分等の脱脂工程を通しても、上記のような製造過程雰囲気からの上記化合物の混入は避けることができない。
【0014】
特に、発振波長が350〜450nmの範囲にあるレーザでは、酸素濃度に対するモジュールの経時劣化速度の依存性は赤外の半導体レーザ素子の場合と異なり、赤外波長レーザに見られるような酸素濃度増加に伴う改良が見られない。すなわち、赤外波長のレーザ光については、レーザ光路上に依存する光学部品(半導体レーザ素子端面、光学部品、モジュール内ファイバ入射端面等)の表面に堆積する炭化水素化合物の分解反応が酸素濃度の増加と共に活発になり、経時信頼性の向上が見られるが、発振波長が上記範囲にあるレーザの場合は、酸素濃度が100ppm以上では逆に信頼性が悪くなる。これは100ppm以上の領域では、ケイ素化合物の堆積が顕在化するためである。
【0015】
本発明は上記の事情に鑑みて、半導体レーザ素子が密閉容器内に配置されてなる半導体レーザ装置において、半導体レーザ素子端面や光学部品等への汚染物質の堆積を防止して、信頼性の高い半導体レーザ装置を提供することを目的するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明による半導体レーザ装置は、前述したように密閉容器内に、発振波長が350〜450nmの範囲にある半導体レーザ素子が設置されてなる半導体レーザ装置において、半導体レーザ素子の駆動温度を50〜80℃の範囲に保つ温度調節手段を備えたことを特徴とするものである。
【0017】
なお上記の温度調節手段は、前記密閉容器内における半導体レーザ素子の近傍部分のみを50〜80℃の範囲に保つように構成されていることが望ましい。
【0018】
また本発明による半導体レーザ装置は、上記密閉容器内に、光ファイバと、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を該光ファイバに入力するための光学部材とを備えた構成を前提とするものであることが望ましい。
【0019】
【発明の効果】
図3は、一般的な半導体レーザ素子の駆動温度と劣化率との関係を示すものであり、このように駆動温度を上げるほど経時特性が悪化することが分かっている。また図4は、密閉容器内に半導体レーザ素子が設置されてなる半導体レーザ装置において、GC−MASで揮発有機物量を同定した場合の揮発有機物の換算定量値(ヘキサデカンの揮発ガス量〔g〕に対する揮発有機物総量〔μg〕)と環境温度との関係を示すものである。このように、揮発有機物は環境温度が高いほど増える。以上の点、並びに環境温度が一般に20℃程度を下回ると結露の問題が生じることから、従来の半導体レーザ装置において半導体レーザ素子は、通常20〜30℃の温度下で駆動されていた。
【0020】
ところが本発明者の研究によると、図4のような傾向が有るにも拘わらず、密閉容器内に設置された半導体レーザ素子の出射端面に実際に付着する有機物の厚みと駆動温度との関係を実際に調べてみると、図5に一例を示すように、駆動温度が高いほど有機物付着厚みが小さくなる傾向が有ることが分かった。なお図5の特性は、100℃に加熱したときに発生する揮発有機物の総量が10μg/gである部材によって構成された半導体レーザ素子からなる半導体レーザ装置について測定したものである。
【0021】
上述の新しい知見に基づいて本発明では、従来よりも著しく高い50〜80℃という温度範囲で半導体レーザ素子を駆動するようにしたものである。なお上記図5に示される通り、半導体レーザ素子の出射端面における有機物の付着厚みは、駆動温度が50℃以上になると特に小さくなるので、本発明では駆動温度の最低値をこの50℃とするものである。一方、図3に示す半導体レーザ素子の劣化率は、実使用においては一般に7×10−5(1/h)以下程度であることが望まれるので、本発明では駆動温度の最高値を、若干の余裕もみて80℃とするものである。
【0022】
以上により本発明によれば、半導体レーザ素子の駆動温度上昇による経時劣化も比較的少なく、また該素子の出射端面やその他の光学部材等への汚染物質の付着も抑えられた、信頼性の高い半導体レーザ装置を得ることができる。
【0023】
図6は、半導体レーザ素子から所定出力のレーザ光が出射するようにAPC(Automatic Power Control)駆動するとき、規格化駆動電流(駆動電流/初期駆動電流)の値が、該素子の出射端面における有機物付着の有無に応じて変わる様子の一例を示すものである。ここに示される通り、有機物が付着している場合は、半導体レーザの駆動時間が増えるのにつれて規格化駆動電流が増大するのに対し、有機物が付着していない場合は、半導体レーザの駆動時間が増えても規格化駆動電流はほとんど増大することがない。なお、この比較に供した有機物の付着厚みは100nmである。本発明の半導体レーザ装置は、上述した通り半導体レーザ素子の出射端面への有機物の付着を抑えることができるので、所定出力のレーザ光を出射させる上で必要な駆動電流が増大することを防止可能となる。
【0024】
なお本発明による半導体レーザ装置において、上記の温度調節手段が、密閉容器内における半導体レーザ素子の近傍部分のみを50〜80℃の範囲に保つように構成されている場合は、半導体レーザ素子以外の素子や光学部材を、室温あるいはその程度の所定温度に保つことができるので、それらが高温になることによって信頼性が低下したり、有機物の揮発量が増えることを防止できる。
【0025】
また本発明による半導体レーザ装置が、密閉容器内に、光ファイバと、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を該光ファイバに入力するための光学部材とを備えた構成を前提とするものである場合は、半導体レーザ素子の出射端面や光ファイバの入射端面、さらには光学部材の光通過面への汚染物質の付着を少なく抑えて、光ファイバから出射するレーザ光の出力を高く安定に維持することが可能になる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0027】
図1は本発明の第1の実施形態によるキャン封止型半導体レーザ装置の概略構成を示すものである。図示の通りこの半導体レーザ装置は、ステム1と、無反射コーティングが施された窓ガラス3を有して上記ステム1の上に封止固定された円筒形の密閉容器(キャン)2とを備えている。そしてこの密閉容器2内においてステム1の上にはヒートブロック4が固定され、該ヒートブロック4にサブマウント5を介してチップ状態のGaN系半導体レーザ素子6が接着されている。
【0028】
またステム1には電極端子8が固定され、この電極端子8と半導体レーザ素子6とがワイヤ9によって接続されている。またステム1にはモニタ用フォトダイオード10が固設され、このモニタ用フォトダイオード10と別の電極端子11とがワイヤ12によって接続されている。
【0029】
なお図1では、容器内の部品構成を解りやすくするため、密閉容器2の手前半分については省略してある。
【0030】
本実施形態の半導体レーザ装置においては、発振波長が350〜450nmの範囲にある(例えば410nm)GaN系半導体レーザ素子6が用いられており、この半導体レーザ素子6の前方出射光であるレーザ光7が窓ガラス3から密閉容器2の外に出射する。また、半導体レーザ素子6の後方出射光の光量がモニタ用フォトダイオード10によって検出され、その光量検出信号が図示外のAPC回路に入力されて、レーザ光7の出力が一定となるように半導体レーザ素子6の駆動電流が制御される。
【0031】
また上記ステム1の裏側表面には、ヒートブロック4に対応する位置において電熱体からなるヒータ50が固定され、さらにそのヒータ50の近傍においてサーミスタ51が固定されている。ヒータ50は温調回路52から供給される駆動電流S1によって駆動されて、ヒートブロック4の近傍部分を加温する。サーミスタ51はヒートブロック4の近傍部分の温度を検出し、温度検出信号S2を温調回路52に入力する。温調回路52は入力された温度検出信号S2に応じてヒータ50の駆動電流S1を調節することにより、ヒートブロック4の近傍部分の温度を、50〜80℃の範囲内の所定温度に制御する。
【0032】
以上の構成により、半導体レーザ素子6もほぼ上記所定温度に制御される。そこで、前述した理由により、半導体レーザ素子6の出射端面や窓ガラス3の内表面への炭化水素化合物やケイ素化合物等の堆積、付着が抑えられ、出力が安定した信頼性の高い半導体レーザ装置を得ることができる。また、半導体レーザ素子6の出射端面に対する汚染物質の付着を抑えることができるので、APC駆動により所定出力のレーザ光7を出射させる上で必要な半導体レーザ素子6の駆動電流が増大することも防止可能となる。
【0033】
次に、本発明の第2の実施形態による半導体レーザ装置について説明する。図3の(a)、(b)はそれぞれ、ファイバ合波レーザモジュールとして構成された本実施形態の半導体レーザ装置の平面形状、側面形状を示すものである。本装置においては、密閉容器40の底面にベース板42が固定されており、このベース板42上に、ヒートブロック20と、集光レンズホルダ45と、ファイバホルダ46とが固設されている。
【0034】
上記ヒートブロック20には、一例として7個のチップ状態のGaN系半導体レーザ素子LD21〜LD27が接着されている。またヒートブロック20に取り付けられたコリメータレンズホルダ44には、各GaN系半導体レーザ素子LD21〜LD27に対応させて7個のコリメータレンズ31〜37が保持されている。そして集光レンズホルダ45には集光レンズ43が保持され、ファイバホルダ46にはマルチモード光ファイバ30の一端部が保持されている。
【0035】
なお図3においては、図の複雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザ素子のうち、半導体レーザ素子LD21およびLD27にのみ符号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズ31および37にのみ符号を付している。
【0036】
容器40の壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザ素子LD21〜LD27に駆動電流を供給する配線47が容器外に引き出されている。容器40内に上述の各要素が収容、固定された後、その開放した上部には蓋41が固定され、それにより該容器40の内部が気密封止される。
【0037】
GaN系半導体レーザ素子LD21〜LD27としては、発振波長が350〜450nmの範囲にある(例えば410nm)ものが用いられている。これらのGaN系半導体レーザ素子LD21〜LD27は、それぞれ発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザ光B21〜B27を発する。これらの半導体レーザ素子LD21〜LD27は、活性層と平行な方向に発光点が一列に並ぶように配設されている。
【0038】
一方、コリメータレンズ31〜37の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズ31〜37は、例えば、樹脂または光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズ31〜37は、長さ方向がGaN系半導体レーザ素子LD21〜LD27の発光点の配列方向と直交する向きにして、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
【0039】
したがって、GaN系半導体レーザ素子LD21〜LD27から発せられたレーザ光B21〜B27は、上述のように細長形状の各コリメータレンズ31〜37に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。本例では、各コリメータレンズ31〜37の幅は1.1mm、長さは4.6mmであり、それらに入射するレーザ光B21〜B27の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。コリメータレンズ31〜37の各々は、焦点距離=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
【0040】
集光レンズ43は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で長く切り取って、コリメータレンズ31〜37の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ43は、焦点距離=12.5mm、NA=0.3である。この集光レンズ43も、例えば樹脂または光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
【0041】
マルチモード光ファイバ30は、ステップインデックス型光ファイバ、グレーデッドインデックス型光ファイバ、および複合型光ファイバのいずれでもよく、例えば三菱電線工業株式会社製のグレーデッドインデックス型光ファイバを用いることができる。この光ファイバ30は、コア中心部がグレーデッドインデックスで外周部がステップインデックスであり、コア径=25μm、NA=0.3、端面コートの透過率=99.5%以上である。また、マルチモード光ファイバの代わりに、シングルモード光ファイバが用いられてもよい。
【0042】
上記の構成において、GaN系半導体レーザ素子LD21〜27の各々から発散光状態で出射したレーザ光B21〜B27は、対応するコリメータレンズ31〜37によって平行光化される。平行光化されたレーザ光B21〜B27は、集光レンズ43によって集光され、マルチモード光ファイバ30の入射端面上で収束する。これらのレーザ光B21〜B27は、マルチモード光ファイバ30に入射して該光ファイバ内を伝搬し、1本のレーザ光に合波されてマルチモード光ファイバ30から出射する。
【0043】
本実施の形態では、レーザ光B21〜B27のマルチモード光ファイバ30への結合効率が0.9となる。したがってGaN系半導体レーザ素子LD21〜LD27の各出力が100mWの場合には、出力630mW(=100mW×0.9×7)の合波レーザ光を得ることができる。
【0044】
ここでヒートブロック20の上面には、7個のGaN系半導体レーザ素子LD21〜27に近接して延びる細長い電熱体からなるヒータ50が固定され、さらにそのヒータ50の近傍においてサーミスタ51が固定されている。ヒータ50は温調回路52から供給される駆動電流S1によって駆動されて、GaN系半導体レーザ素子LD21〜27の近傍部分を加温する。サーミスタ51はGaN系半導体レーザ素子LD21〜27の近傍部分の温度を検出し、温度検出信号S2を温調回路52に入力する。温調回路52は入力された温度検出信号S2に応じてヒータ50の駆動電流S1を調節することにより、GaN系半導体レーザ素子LD21〜27の近傍部分の温度を、50〜80℃の範囲内の所定温度に制御する。
【0045】
以上の構成により、GaN系半導体レーザ素子LD21〜27もほぼ上記所定温度に制御される。そこで、前述した理由により、GaN系半導体レーザ素子LD21〜27の出射端面、レンズ20、31〜37、さらにはマルチモード光ファイバ30の入射端面への炭化水素化合物やケイ素化合物等の堆積、付着が抑えられるので、この半導体レーザ装置は合波レーザ光の出力が高く安定した、信頼性の高いものとなる。また、GaN系半導体レーザ素子LD21〜27の出射端面に対する汚染物質の付着を抑えることができるので、APC駆動により所定出力の合波レーザ光を出射させる上で必要なGaN系半導体レーザ素子LD21〜27の駆動電流が増大することも防止可能となる。
【0046】
さらに、GaN系半導体レーザ素子LD21〜27の温度を上述のような比較的高い範囲に維持しておくと、それらをON−OFFスイッチングして駆動する場合には、ON時とOFF時の温度差が小さくなるので、ON時の立ち上がり特性も向上する。
【0047】
なお、上述のように所定出力の合波レーザ光を出射させるためには、例えばマルチモード光ファイバ30から出射した合波レーザ光をハーフミラー等により一部分岐してその光量を検出し、その光量検出信号をAPC回路に入力し、該信号に基づいてGaN系半導体レーザ素子LD21〜27の駆動電流を制御すればよい。
【0048】
先に説明した図3〜5の特性は、上記第2の実施形態による半導体レーザ装置において、各GaN系半導体レーザ素子LD21〜27毎の出力が30mWとなるようにAPC駆動した場合について測定したものである。
【0049】
また図6の特性は、上記第2の実施形態による半導体レーザ装置において上記と同様にAPC駆動して、GaN系半導体レーザ素子LD21〜27の出射端面に有機物付着が認められなかった場合と、GaN系半導体レーザ素子LD21〜27を温度調節しない以外は上記第2の実施形態と同様に構成した半導体レーザ装置を同様にAPC駆動して、厚み100nmの有機物付着が認められた場合とについて測定したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による半導体レーザ装置を示す一部破断斜視図
【図2】本発明の第2の実施形態による半導体レーザ装置を示す平面図(a)と側面図(b)
【図3】半導体レーザ素子の駆動温度と、その劣化率との関係を示すグラフ
【図4】半導体レーザ装置の環境温度と、その密閉容器内で発生する有機物の量との関係を示すグラフ
【図5】半導体レーザ素子の駆動温度と、その出射端面に付着する有機物の厚みとの関係を示すグラフ
【図6】半導体レーザ素子の駆動時間と、所定出力を得るのに必要な規格化駆動電流との関係を、素子端面に有機物が付着している場合と付着していない場合とで比較して示すグラフ
【符号の説明】
1 ステム
2 密閉容器
4 ヒートブロック
6 GaN系半導体レーザ素子
20 ヒートブロック
30 マルチモード光ファイバ
31〜37 コリメータレンズ
40 密閉容器
43 集光レンズ
50 ヒータ
51 サーミスタ
52 温調回路
LD21〜LD27 GaN系半導体レーザ素子

Claims (3)

  1. 密閉容器内に、発振波長が350〜450nmの範囲にある半導体レーザ素子が設置されてなる半導体レーザ装置において、前記半導体レーザ素子の駆動温度を50〜80℃の範囲に保つ温度調節手段を備えたことを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 前記温度調節手段が、前記密閉容器内における前記半導体レーザ素子の近傍部分のみを50〜80℃の範囲に保つように構成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記密閉容器内に、光ファイバと、前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を該光ファイバに入力するための光学部材とを備えていることを特徴とする請求項1または2記載の半導体レーザ装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006156627A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Nichia Chem Ind Ltd 半導体レーザ装置
JP2006269569A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Fuji Photo Film Co Ltd レーザモジュール
JP2015023204A (ja) * 2013-07-22 2015-02-02 株式会社島津製作所 ファイバカップリングレーザモジュール

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