JP2004126001A - レーザ装置 - Google Patents

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Kazuhiko Nagano
永野 和彦
Hideo Yamanaka
山中 英生
Teruhiko Kuramachi
蔵町 照彦
Yoji Okazaki
岡崎 洋二
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Abstract

【課題】複数の半導体レーザ素子から出射されたレーザビームをマルチモード光ファイバに合波するレーザ装置において、低コストで高い出力と信頼性を得る。
【解決手段】銅あるいは銅合金からなるヒートブロック8上に配列固定された7個のチップ状態の横シングルモードシングルキャビティGaN系半導体レーザLD1〜LD7と、コリメータレンズ11と、集光レンズ12と、1本のマルチモード光ファイバ15とからなる16個の合波レーザF1〜16を、給気口37と排気口38とを有する容器30内に、光ファイバ15の出射端を容器30外に引き出した状態で設置し、該容器30を給気口37および排気口38から、汚染物質を除去するフィルタ41と、不活性ガスを循環させるロータリーポンプ42とボンベ44からの不活性ガスの補充を調整するバルブ43とを備えてなる気体循環装置に連結する。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザ装置に関し、特に、複数の半導体レーザ素子から発せられたレーザビームを集光光学系により光ファイバに合波するレーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紫外域のレーザビームを発生させる装置として、密閉容器内に複数の半導体レーザ素子と、1本のマルチモード光ファイバと、複数の半導体レーザ素子から出射されたレーザビームをマルチモード光ファイバに結合する集光光学系とを備えてなる高出力化が可能な合波レーザ光源、および複数の前記合波レーザ光源からなる露光光源が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記のような合波レーザ光源において、容器内に存在する微粒子、各部材の接着剤等から発生する有機系ガスあるいは製造中に混入する炭化水素化合物等が半導体レーザ素子の出射端面、レンズあるいは光ファイバの出射端面等に付着して、レーザ特性を劣化させるという問題がある。炭化水素化合物は、特に短波長のレーザ光により重合あるいは分解され、その重合物あるいは分解物が付着し、出力の向上を妨げることが知られている。さらに、容器が気密封止されているため、温度上昇等により容器内の有機系ガスの濃度が上昇し、さらに付着量が増加するという問題がある。
【0004】
また、空中に浮遊する低分子シロキサンが紫外線による光化学反応で酸素と反応し、光学ガラス窓部品にSiOxの形で堆積、付着することが開示されており、このため、大気と接する「窓」部材の定期的な交換を推奨している(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
このような問題を解決するために、炭化水素化合物を二酸化炭素と水に分解することを目的とした酸素を100ppm以上封止ガスに混入させることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
また、400nm以下の紫外線を光学部品に照射する光学系において、光学系の雰囲気を99.9%以上(体積分率)の窒素とすることが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0007】
また、レーザ装置内の油分等を脱脂、洗浄することが提案されている(例えば、特許文献5参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−202442号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平11−54852号公報
【0010】
【特許文献3】
米国特許5392305号公報
【0011】
【特許文献4】
特開平11−167132号公報
【0012】
【特許文献5】
特開11−87814号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1記載のような複数の合波レーザ光源を用いた露光光源の場合、一容器毎に、上記特許文献3あるいは4に記載のように雰囲気を調整することは、工程の増加あるいは製造バラツキを生じさせ、コストの上昇を招くことになる。
【0014】
また、気密封止された容器においては、その気密度を上げるために、電極端子を容器に接着する接着剤として容器材料と熱膨張係数がほぼ同等であるコバール(鉄−Ni−コバルト合金)が用いられている。しかし、コバールは高価であるため、複数の合波レーザ光源を用いた露光光源の場合、合波レーザ光源の増加に伴いコストが上昇するという問題がある。
【0015】
一方、本出願人による特願2002−101722号において、発振波長が350〜450nmの半導体レーザ素子を含むモジュールでは、封止雰囲気の酸素濃度が高くなり過ぎると、却ってレーザ特性が劣化することが判明したことが記載されている。
【0016】
レーザモジュールに使用する半導体レーザ素子の発振波長を410nm、810nm、980nmと変更し、特許文献5に記載されているような洗浄工程を実施したレーザモジュールを用いて、封止雰囲気中の酸素濃度に対する信頼性の変化を評価したところ、波長410nmの半導体レーザ素子を用いたレーザモジュールでは、経時モジュール劣化速度の酸素濃度に対する依存性は、波長810nm、波長980nmの赤外波長を用いたモジュールに見られるような、酸素濃度増加に伴うレーザ特性の改良効果が見られなかった。
【0017】
すなわち、波長810nm、980nmの赤外波長のレーザ光に対しては、モジュール内ファイバ入射端面、レンズ等、レーザ光路上に存在する光学部品表面に堆積する炭化水素系有機化合物の分解反応が、酸素濃度の増加とともに活発になり、経時信頼性の向上が見られる。これに対し、波長410nmのレーザ光に対しては、酸素濃度が100ppm以上になると逆に信頼性が悪くなる。
【0018】
これは、酸素濃度が100ppm以上の領域では、ファイバ端面集光部におけるケイ素化合物の堆積が顕在化することによる。このケイ素化合物の堆積物も炭化水素化合物と同様に、光学的な吸収を発生させるため、連続発振における経時信頼性が著しく損なわれる。
【0019】
すなわち、レーザ光と炭化水素ガスの反応により生成される炭化水素堆積物は、一定量以上の酸素を含んだガス雰囲気下で二酸化炭素(CO)と水(HO)とに分解されて除去される。しかしながら、堆積物には炭化水素だけではなく珪素化合物が含まれている。この珪素化合物の堆積物は、酸素を雰囲気中に含有させるだけでは分解あるいは除去することができない。堆積する珪素化合物は、シロキサン結合(Si−O−Si)、シラノール基(−Si−OH)等の珪素(ケイ素)原子を含有する有機化合物ガス(以下、「有機珪素化合物」という)とレーザ光の光化学反応により発生する。しかも、雰囲気中の酸素の存在は、その光化学反応の反応速度を速めてしまう。
【0020】
ここでいう珪素化合物とは、有機、無機を問わず珪素原子を含むあらゆる構造を有している化合物であり、無機酸化珪素(SiOx)、有機珪素化合物、炭化珪素化合物、有機炭化珪素化合物等が含まれる。また、有機珪素化合物ガスは、モジュール製造工程中の任意の場所に使用されているシリコーン系材料から発せられるガスであり、モジュール内の各部品表面に付着している場合に、これを封止して使用すると封止雰囲気中にも微量の有機珪素化合物ガスが含まれる。
【0021】
これらの製造工程中に存在するガス成分は、通常のクリーンルームが封止ガス精製機を設置するだけでは、完全に除去することができない。これを除去するためには多大な設備投資が必要となる。また、特許文献5に記載のよう脱脂、洗浄工程を実施しても製造工程雰囲気中から有機ケイ素化合物ガスが混入するのを避けることはできない。
【0022】
従って、上記のように、炭化水素化合物の堆積を防止するために、封止雰囲気中に酸素を含有させる場合であっても、酸素含有量が多すぎると珪素化合物の堆積が増加してレーザ特性が劣化し、信頼性が悪化することになる。そして、モジュール内部のファイバ入射端面、レンズ等の光学部品は、モジュール内に接着剤やロウ材で固定されており、特許文献2のようにこれらを交換することは不可能である。
【0023】
本発明は上記事情に鑑み、低コストで製造可能な、高出力および高信頼性が得られるレーザ装置を提供することを目的とするものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明のレーザ装置は、複数の半導体レーザ素子と、1本のマルチモード光ファイバと、前記複数の半導体レーザ素子からそれぞれ出射されたレーザビームを集光し前記マルチモード光ファイバの入射端に結合させる集光光学系とからなる複数の合波レーザ、
複数の合波レーザを、光ファイバの出射端を外部に引き出した状態で収容する、排気口と給気口とを有する1つの容器、および
容器の外部にあって、排気口と給気口とに連結された気体循環系路を有し、該系路中に汚染物質を除去するフィルタを備えた容器内部に不活性ガスを常圧で流動させる気体循環装置を備えたことを特徴とするものである。
【0025】
不活性ガスは、窒素、酸素、希ガスおよびハロゲン系ガスの少なくとも1つであることが望ましい。ハロゲン系ガスには、ハロゲン族ガスおよびハロゲン化合物ガスの少なくとも一方を含む。
【0026】
特に、窒素あるいはアルゴン等のガス中に、1ppm以上の濃度の酸素とハロゲン系ガスとを含むことが望ましい。さらには1〜100ppmとすることが望ましい。また、ハロゲン族ガスおよびハロゲン化合物ガスは、フッ素原子を含有していることが望ましい。また、ハロゲン化合物ガスは炭素、窒素、硫黄およびキセノン各々のフッ化物と、炭素、窒素、硫黄およびキセノン各々の塩化物とからなる群から選択される少なくとも一種であることが望ましい。
【0027】
また、容器内部に収容される半導体レーザ素子の共振器端面、光ファイバ入射端、および集光光学系を被覆する最表面層を、ハロゲン族ガスおよびハロゲン化合物ガスに対し不活性な材料で構成することが望ましい。この不活性な材料は、インジウム、ガリウム、アルミニウム、チタンおよびタンタル各々の酸化物とガリウム、アルミニウム、チタンおよびタンタル各々の窒化物とからなる群から選択される少なくとも一種であることが望ましい。
【0028】
前記容器は、開閉可能な蓋体を有していてもよい。
【0029】
半導体レーザ素子は、GaN系の半導体からなることが望ましい。
【0030】
【発明の効果】
本発明のレーザ装置によれば、上記のような構成とすることにより、結果的に低コストで製造可能な、高い出力および信頼性を有するレーザ装置を得ることができる。
【0031】
具体的には、常に不活性ガスが容器内を流動することとなるため、各部材への汚染物質の付着を良好に防止することができる。また、従来技術のように高精度に雰囲気を調整する必要がないので、容易に低コストで高い出力および信頼性を得ることが可能なレーザ装置とすることができる。
【0032】
さらに、気体循環系路に、汚染物質を除去するためのフィルタを備えているので、密閉容器内あるいは気体循環装置に含まれる汚染物質を良好に除去することができる。
【0033】
また、容器が開閉可能な蓋体を有しているものにおいては、複数の合波レーザのうち一部に故障等により部材の交換が必要となったとき、容易に交換することができるので、メンテナンスにかかる費用および時間を削減することが可能である。
【0034】
不活性ガスとして、1ppm以上の濃度の酸素とハロゲン系ガスとを含む場合は、炭化水素堆積物が酸化分解されて減少すると共に、ケイ素化合物による堆積物がハロゲン系ガスで分解、除去されて減少するので、レーザ特性の劣化が効果的に抑制される。これにより信頼性の高いレーザモジュールを提供することができる。
【0035】
また、容器内部に収容される半導体レーザ素子の共振器端面、光ファイバの入射端、および集光光学系を被覆する最表面層を、ハロゲン族ガスおよびハロゲン化合物ガスに対し不活性な材料で構成することは、ハロゲン系ガスは反応性が高いので、これらの部材の劣化を防止するのに効果的である。
【0036】
また、半導体レーザ素子がGaN系の半導体からなるレーザ装置においては、エネルギーの高い紫外域のレーザビームを発するため、本発明を適用することは、汚染物質の付着を防止するのに特に効果的である。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0038】
本発明の第1の実施の形態によるレーザ装置について説明する。図1にそのレーザ装置の概略平面図を示し、図2にその側面図を示し、図3に正面図および背面図を示し、図4に気体循環系路を示す。
【0039】
本実施の形態によるレーザ装置は、図1に示すように、銅または銅合金からなるヒートブロック(放熱ブロック)8上に配列固定された7個のチップ状態の横シングルモードシングルキャビティGaN系半導体レーザLD1、LD2、LD3、LD4、LD5、LD6およびLD7と、マイクロレンズアレイ11と、集光レンズ13と、1本のマルチモード光ファイバ15とからなる16個の合波レーザF1〜F16が、マルチモード光ファイバ15の出射端を外部に引き出した状態で、給気口37と排気口38とを有する容器30に設置されてなるものである。給気口37および排気口38には、それぞれ、気体循環装置に連結された配管31,32が接続されている。
【0040】
容器30内の底面にはベース板9が固定され、このベース板9の上面に前記ヒートブロック8が取り付けられ、そしてこのヒートブロック8にマイクロレンズアレイ11を保持するレンズホルダ10が固定されている。さらにベース板9の上面には、集光レンズ13を保持する集光レンズホルダ12と、マルチモード光ファイバ15の入射端部を保持するファイバホルダ14が固定されている。またGaN系半導体レーザ素子LD1〜7に駆動電流を供給する配線類17は、容器30の横壁面に形成された開口を通して容器外に引き出されている。
【0041】
この容器30の上方開口には、図2に示すように、蓋33がハンダ付けされる。
【0042】
なお、図2においては、図の煩雑化を避けるために、GaN系半導体レーザ素子LD1〜7のうち1つのGaN系半導体レーザ素子LD7にのみ番号を付し、またレーザビームB1〜7のうちB7のみに番号を付してある。
【0043】
また、本実施の形態によるレーザ装置は、図3に示すように、容器30の一方の側面(正面側)には、マルチモード光ファイバ15が一列に並んで引出されている。また、反対側の側面(背面側)には、配線類17が同様に一列に引出されている。そして、容器30のマルチモード光ファイバ15および配線類17が引出される側面と直交する側面に、配管32に連結する給気口37および配管31に連結する排気口38が設けられている。なお、容器30は不図示のペルチェ素子上に設置されている。
【0044】
さらに、本レーザ装置は、図4に示すように、汚染物質を除去するフィルタ41と、不活性ガスを循環させるロータリーポンプ42と、ボンベ44からの気体の補充を調整するバルブ43とからなる気体循環装置を備えるものであり、容器30内を不活性ガスが循環される。
【0045】
不活性ガスは、駆動制御回路等を用いて、半導体レーザ素子LD1〜7の駆動と連動して流動させるようにしてもよいし、常時流すようにしてもよい。さらに半導体レーザ素子を駆動させる前に一定時間流動させておいてもよい。
【0046】
なお、容器30内を流動させる不活性ガスとしては、アルゴン等の希ガス、窒素(純度99.99%)、窒素と酸素の混合ガス(酸素濃度1ppm以上)、および窒素と1ppm以上の濃度の酸素とハロゲン族ガスおよびハロゲン化合物ガスの少なくとも一方との混合ガスのいずれかを用いることが望ましい。
【0047】
流動させるガス中に、1ppm以上の濃度の酸素が含まれると、レーザモジュールの劣化を抑制することができる。このような劣化抑制効果が得られるのは、含有される酸素が、炭化水素成分の光分解により発生した固形物を酸化分解するためである。一方、酸素濃度が1ppm未満であると、劣化抑制効果が得られない。酸素濃度が高すぎると却って有機珪素化合物ガスの光化学反応が促進されるので、流動させる不活性ガス中の酸素濃度は1〜800ppmの範囲が好ましく、1〜100ppmの範囲が特に好ましい。
【0048】
ハロゲン族ガスとは、塩素ガス(Cl)、フッ素ガス(F)等のハロゲンガスであり、ハロゲン化合物ガスとは、塩素原子(Cl)、臭素原子(Br)、ヨウ素原子(I)、フッ素原子(F)等のハロゲン原子を含有するガス状の化合物である。
【0049】
ハロゲン化合物ガスとしては、CFCl、CFCl、CFCl、CFBr、CCl、CCl−O、CCl、Cl−H、CFBr、PCl、CF、SF、NF、XeF、C、CHF等が挙げられるが、フッ素又は塩素と炭素(C)、窒素(N)、硫黄(S)、キセノン(Xe)との化合物が好ましく、フッ素原子を含有するものが特に好ましい。
【0050】
ハロゲン系ガスが微量から劣化抑制効果を発揮するが、顕著な劣化抑制効果を得るためには、ハロゲン系ガスの含有濃度を1ppm以上とするのが好ましい。このような劣化抑制効果が得られるのは、流動ガス雰囲気中に含有されるハロゲン系ガスが有機珪素化合物ガスの光分解により発生した堆積物を分解するためである。
【0051】
光学部品を被覆する最表面の材料には、珪素(Si)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、スズ(Sn)、またはジルコニウム(Zr)の酸化物または窒化物等、ハロゲン系ガスに対して反応性を有する材料を使用する場合には、これらの光学部品の最表面層がエッチングされて、モジュールの信頼性が低下する。
【0052】
従って、不活性ガスが流動する容器内に曝される半導体レーザ素子の共振器端面、マルチモード光ファイバの入射端部、および集光光学系の最表面層には、例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)またはタンタル(Ta)の酸化物または窒化物のように、ハロゲン系ガスに対して不活性な材料を使用することが好ましい。
【0053】
フィルタ41としては、吸着剤が充填されてなるものを用いることが望ましい。
【0054】
吸着剤としてはゼオライト吸着剤、活性炭あるいはゼオライト吸着剤と活性炭の両方を用いることができる。ゼオライト吸着剤としては、東ソー(株)製の「ゼオラム F9 HA」が好ましく、この「ゼオラム F9 HA」はアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の結晶性含水アルミノケイ酸塩(Me/x・Al・mSiO・nHO:Meはx価の金属イオン)からなるものである。ゼオライト吸着剤の量は容器の内容積、推定される汚染物質および吸着剤の吸着能力等を考慮して決定されることが望ましい。またゼオライト系の吸着剤に限らず他の組成からなる吸着剤を用いてよい。
【0055】
また、さらに、吸着剤が充填されたフィルター内に、Pt、Pd等の触媒を添加し、このフィルターを500℃に加熱して炭化水素化合物を分解させるようにしてもよい。
【0056】
なお、本実施の形態においては、半導体レーザ素子LD1〜7は、出射方向から見て一次元状に配置したが、二次元状に配置してもよく、その場合、マイクロレンズアレイも二次元状に配置したものを用いることが望ましい。
【0057】
また、マイクロレンズアレイ11のかわりに、7つのコリメータレンズを個別に一次元状にホルダに保持されたものを用いてもよい。
【0058】
また、フィルタ41は、容器30の排気口側にのみ設けたが、さらにバルブ43と給気口37との間に設けてもよい。
【0059】
また、ペルチェ素子により温度調節を行ったが、水冷によるものであってもよい。
【0060】
図1に示すように、GaN系半導体レーザLD1〜7は、発振波長が例えば全て共通の400nmであり、最大出力も全て共通の50mWである。これらのGaN系半導体レーザLD1、LD2、LD3、LD4、LD5、LD6およびLD7から発散光状態で出射したレーザビームB1、B2、B3、B4、B5、B6およびB7は、それぞれマイクロレンズアレイ11によって平行光化される。
【0061】
平行光とされたレーザビームB1〜7は、集光レンズ13によって集光され、マルチモード光ファイバ15のコアの入射端面上で収束する。本例ではマイクロレンズアレイ11および集光レンズ13によって集光光学系が構成され、それとマルチモード光ファイバ15とによって合波光学系が構成されている。すなわち、集光レンズ13によって上述のように集光されたレーザビームB1〜7がこのマルチモード光ファイバ15のコアに入射してファイバ15内を伝搬し、1本のレーザビームに合波されて出射端より出射する。
【0062】
GaN系半導体レーザ素子LD1〜7としては、発光幅が約1μmで、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が一例としてそれぞれ10°、30°の状態で各々レーザビームB1〜7を発するものが用いられている。これらのGaN系半導体レーザ素子LD1〜7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
【0063】
この構成においては、マイクロレンズアレイ11の各レンズのNA(開口数)を0.2とし、集光レンズ13による各ビームの集束角α=11°とすると、レーザビームB1〜7のマルチモード光ファイバ15のコア上での収束スポット径は約18μmとなる。そして、GaN系半導体レーザ素子LD1〜7の出力が全て50mWであるので、合波されたレーザビームの出力は350mWとなる。さらに、本レーザ装置では、350mWの出力を有するマルチモード光ファイバが16本配列されているので、350mW×16=5.6Wもの高出力を得ることができる。
【0064】
なお、GaN系半導体レーザLD1〜7は、例えばAlNからなるサブマウント上に固設されたものをヒートブロック8に取付けてもよい。
【0065】
マルチモード光ファイバ15としては、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを基本として、コア径=50μm、NA=0.2、端面コートの透過率=99.5%以上のものが用いられている。本例の場合、先に述べたコア径×NAの値は10μmである。
【0066】
なおマルチモード光ファイバ15としては、ステップインデックス型のもの、グレーデッドインデックス型のもの、およびそれらの複合型のものが全て適用可能である。
【0067】
上記実施の形態においては、容器30はメタル封止されるものであるが、図5に示すように、容器30の上面および蓋33の容器30との接触面に半円形の溝を設け、フッ素系樹脂からなるゴムパッキン35を該溝に挟んで、ねじ36によって蓋34を容器30に固定してもよい。このように、蓋34をねじにより固定することにより、容器30が開閉可能となる。これにより、容器内の部品に損傷あるいは故障が生じた場合、蓋34を外すことにより、容易に内部の部品を交換することができる。
【0068】
本発明によるレーザ装置は、フィルタにより容器内あるいは気体循環系路内に存在する有機系ガスあるいは微粒子等の汚染物質が除去された不活性ガスが、常に容器内を流動するため、汚染物質が半導体レーザ素子の出射端面、マイクロレンズアレイ、集光レンズ、光ファイバの出射端等に付着するのを良好に防止することができ、高い出力と信頼性を得ることができる。また、複数の合波レーザを一容器内に設置し、容器内を不活性ガスが流動することとしているため、従来技術のように、気密度を上げるためのコバールのような高価な材料を用いる必要が無く、低コストで製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるレーザ装置を示す概略平面図
【図2】第1の実施の形態によるレーザ装置の実装形態を示す側面図
【図3】第1の実施の形態によるレーザ装置の実装形態を示す正面図および背面図
【図4】第1の実施の形態によるレーザ装置に備えられた気体循環装置を示す系路図
【図5】第1の実施の形態によるレーザ装置における、蓋体の他の固定形態を示す断面図
【符号の説明】
LD1〜7  GaN系半導体レーザ素子
B1〜7  レーザビーム
F1〜F16  合波レーザ
9  ベース板
10  レンズホルダ
11  マイクロレンズアレイ
12  集光レンズホルダ
13  集光レンズ
14  ファイバホルダ
15  マルチモード光ファイバ
17  配線類
30  容器
31、32  配管
33,34  蓋
35  ゴムパッキン
36  ねじ
37  給気口
38  排気口

Claims (4)

  1. 複数の半導体レーザ素子と、1本のマルチモード光ファイバと、前記複数の半導体レーザ素子からそれぞれ出射されたレーザビームを集光し前記マルチモード光ファイバの入射端に結合させる集光光学系とからなる複数の合波レーザ、
    前記複数の合波レーザを、前記光ファイバの出射端を外部に引き出した状態で収容する、排気口と給気口とを有する1つの容器、および
    該容器の外部にあって、前記排気口と給気口とに連結された気体循環系路を有し、該系路中に汚染物質を除去するフィルタを備えた前記容器内部に不活性ガスを常圧で流動させる気体循環装置を備えたことを特徴とするレーザ装置。
  2. 前記不活性ガスが、窒素、酸素、希ガスおよびハロゲン化合物ガスの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載のレーザ装置。
  3. 前記容器が開閉可能な蓋体を有することを特徴とする請求項1または2記載のレーザ装置。
  4. 前記半導体レーザ素子が、GaN系の半導体からなることを特徴とする請求項1、2または3記載のレーザ装置。
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