JP2004235183A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価な製造装置で短期間に絶縁膜を形成でき、ヒューズ領域上方にもはんだバンプおよび再配線を配置することができる半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置は、素子の不良救済のためのヒューズ70を有しヒューズ70を被う絶縁膜90を有し絶縁膜90上にバンプ104を有するものであって、絶縁膜90は有機材料により形成されている。絶縁膜が感光材料により形成されることもある。また製造方法は、ウエハ上に素子20〜22およびヒューズ70を形成する工程と、ウエハの素子の検査後にヒューズ70を切断する工程と、ヒューズ70を切断後に絶縁膜90を形成する工程と、絶縁膜90上にバンプ104を形成する工程とを含み、絶縁膜90の形成をフューズ70を形成する工程以降の後工程において実施する。
【選択図】 図6
【解決手段】半導体装置は、素子の不良救済のためのヒューズ70を有しヒューズ70を被う絶縁膜90を有し絶縁膜90上にバンプ104を有するものであって、絶縁膜90は有機材料により形成されている。絶縁膜が感光材料により形成されることもある。また製造方法は、ウエハ上に素子20〜22およびヒューズ70を形成する工程と、ウエハの素子の検査後にヒューズ70を切断する工程と、ヒューズ70を切断後に絶縁膜90を形成する工程と、絶縁膜90上にバンプ104を形成する工程とを含み、絶縁膜90の形成をフューズ70を形成する工程以降の後工程において実施する。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体チップ上に例えばはんだバンプを形成し、フリップチップ工法にて組立てを行う半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体チップ上にはんだバンプを形成し、はんだバンプをパッケージ基板にフリップチップ工法で実装する組立てを行う場合、通常は半導体チップに予め用意されたパッドにはんだバンプを形成するか、若しくはパッドからチップ上のパッシベーション上に再配線を施し、再配線上にはんだバンプを形成する。
【0003】
半導体チップにメモリ素子が存在する場合には、通常、欠陥による歩留まり低下を救済する方法をとる。これは、チップ上にあらかじめ用意されたヒューズを切断することにより、メモリの不良セルを冗長セルに置き換える冗長救済が行われる。この冗長救済は、ウエハ状態で半導体チップの検査を実施して冗長救済の情報を作成し、レーザーによる不良メモリのヒューズ切断を行う必要があるため、冗長救済後には切断されたヒューズ領域はパッシベーションが開口して、チップのメタル配線が剥き出しの状態となっている。このため、ヒューズ上の領域にはんだバンプや、再配線を配置する事ができなくなる。
【0004】
また、はんだバンプ形成の工法によっては、ウエハ上全面にはんだバンプ冶金金属(以下UBM)が蒸着されるため、ヒューズ領域の上方にはんだバンプを配置しない場合にも、UBMの蒸着により切断したヒューズがショートしたり、パターンエッチング時に腐食する場合があり、冗長救済が正しく反映されなくなるという問題があった。
【0005】
この問題に対して、特開2002−289692では、ヒューズ切断後、フューズ領域上方の保護として、ウエハ全体をTEOS膜やBPSG膜などの無機絶縁膜を形成した後、リソグラフィ工程とエッチング工程とを追加してはんだバンプと電極とを接続するための無機絶縁膜の開口部を形成する事により、問題の解決を図っている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−289692
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2002−289692による方法では、ヒューズを切断したウエハを拡散の前工程に戻す必要があるため、クリーン度を保ったまま、ヒューズ切断を実施、若しくはウエハ洗浄をする工法、環境を確立する必要があり、高価な設備が必要となる。また、ウエハ拡散工程でのリソグラフィ工法とエッチング工程にて無機絶縁膜の開口部を形成するために、プロセスコストの増加や製造期間の長期化などの課題を有していた。
【0008】
したがって、この発明の目的は、安価な製造方法で短期間に絶縁膜を形成でき、ヒューズ領域上方にもはんだバンプおよび再配線を配置することができる半導体装置およびその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の半導体装置は、素子の不良救済のためのヒューズを有しヒューズを被う絶縁膜を有し絶縁膜上にバンプを有する半導体装置であって、絶縁膜が有機材料により形成されたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項1記載の半導体装置によれば、メモリセルなどの冗長救済を行うためのヒューズ領域に、例えばポリイミド、ベンゾシクロブテン、ポリベンゾオキサイド等の有機材料で絶縁膜を形成することにより、リソグラフィ工程で形成する必要がある無機材質の絶縁膜に比較して、安価な製造装置で短期間に絶縁膜を形成でき、ヒューズの場所に制約されることなく、ヒューズ領域上方にもはんだバンプおよび再配線を配置することができる。またウエハ拡散工程の前工程ではなく、組み立て以降の後工程で膜付け以降のすべての処理を実施することができ、このようにした場合、コスト削減、期間短縮を実現できる。
【0011】
請求項2記載の半導体装置は、請求項1において、絶縁膜が、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、またはポリベンゾオキサイドにより形成されているものである。
【0012】
請求項2記載の半導体装置によれば、請求項1と同様な効果がある。
【0013】
請求項3記載の半導体装置は、素子の不良救済のためのヒューズを有しヒューズを被う絶縁膜を有し絶縁膜上にバンプを有する半導体装置であって、絶縁膜が感光材料により形成されたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項3記載の半導体装置によれば、請求項1と同様な効果のほか、ヒューズ領域上方の絶縁膜を感光性材料で形成することにより、現像とケミカルエッチングで膜付けおよびパターンニングできるため、リソグラフィ工程でのステッパ装置や、ドライエッチ装置を必要が無くなるので、製造期間と、コストを削減することができる。
【0015】
請求項4記載の半導体装置の製造方法は、請求項1、請求項2または請求項3記載の半導体装置の製造方法であって、ウエハ上に素子および素子の不良救済のためのヒューズを形成する工程と、ウエハの素子の検査後にヒューズを切断する工程と、ヒューズを切断後にヒューズを被う絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜上にバンプを形成する工程とを含み、絶縁膜の形成をヒューズを形成する工程以降の後工程において実施することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0016】
請求項4記載の半導体装置の製造方法によれば、請求項1、請求項2または請求項3と同様な効果のほか、ウエハ拡散の前工程ではなくウエハ検査以降の後工程にて絶縁膜の膜付け、パターンニングが可能となるため、試作および生産を通じてコスト削減、期間短縮、および加工自由度の向上を実現することができる。
【0017】
請求項5記載の半導体装置の製造方法は、請求項1、請求項2または請求項3記載の半導体装置の製造方法であって、ウエハ上に素子および素子の不良救済のためのヒューズを形成する工程と、ウエハの素子の検査後にヒューズを切断する工程と、ヒューズを切断後にヒューズを被う絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜上にバンプを形成する工程とを含み、絶縁膜およびバンプの形成を、ウエハ検査完了後の、良品チップのみに実施することを特徴とするものである。
【0018】
請求項5記載の半導体装置の製造方法によれば、請求項4と同様な効果のほか、ウエハ上のチップ全体ではなく、検査した後の良品チップのみに加工することができるので、試作、生産を通じてコスト削減、期間短縮および加工自由度の向上を実現することができる。
【0019】
請求項6記載の半導体装置の製造方法は、請求項1、請求項2または請求項3記載の半導体装置の製造方法であって、ウエハ上に素子および前記素子の不良救済のためのヒューズを形成する工程と、前記ウエハの前記素子の検査後に前記ヒューズを切断する工程と、前記ヒューズを切断後に前記ヒューズを被う絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、ダイシング工程と、前記絶縁膜上にバンプを形成する工程とを含み、前記絶縁膜および前記バンプの形成を、前記ウエハの検査および前記ダイシングの完了後のチップ状態で実施することを特徴とするものである。
【0020】
請求項6記載の半導体装置の製造方法によれば、請求項1、請求項2または請求項3と同様な効果のほか、ウエハ上のチップ全体ではなく、ダイシングした後の単体チップにも加工することができ、試作、生産を通じてコスト削減、期間短縮、加工自由度の向上を実現することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態の半導体装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の半導体装置の断面図である。
【0022】
1は半導体チップの基板、20および21はウエハ拡散工程により基板内に生成されたロジックトランジスタ領域、22は同様に生成されたメモリセル領域、30および31はロジック領域のトランジスタと配線層を接続するコンタクト、32および33はメモリ領域のトランジスタと配線とを接続するコンタクト、40〜43は第一層のメタル配線、50〜53は第一層のメタル配線40〜43と、第二層のメタル配線60、61および冗長救済を行うためのヒューズ70とを接続するビアである。80は各メタル層間と、チップ表面を保護する保護膜である。60a、61aは第二層のメタル配線60、61にあって、検査および再配線を実施する際に使用するパッドであり、パッド60a、61a上の保護膜80は開口している。ヒューズ70はメモリセル領域上方に配置されており、ヒューズ70を切断しない場合に表面から内部配線、素子を保護するために、通常保護膜80が薄膜状態で膜付けされている。
【0023】
本実施の形態では第一層と第二層のメタル配線40〜43、60、61の2層配線の例を示しているが、配線層は何層でも同様である。また、本実施の形態ではヒューズ70は最上層のメタル配線60、61と同層のメタルを使用しているが、下位層のメタルで形成される場合もある。
【0024】
上記のように製造されたウエハに対して、ウエハ内の各チップの検査を実施してメモリセルの良否判定を行い、不良判定されたメモリのうち、予め用意された冗長セルで救済可能なチップに対しては、救済するための情報を検査結果より生成し、ヒューズ70を切断することにより救済を実施する。
【0025】
図2は、ヒューズ切断を実施し、冗長救済された後のチップの断面図である。ヒューズ70はレーザーの照射等の方法により切断される。また、ヒューズ70上の保護膜80もヒューズ切断に伴って同様に切断されるため、切断後はヒューズ70を形成するメタルが剥き出しの状態となっている。
【0026】
このように、メモリ冗長救済が実施され、ヒューズ70の箇所のメタルが剥き出しになったチップに対して、ヒューズ70上に絶縁膜を形成する事により、ヒューズ領域上に再配線およびバンプ例えばはんだバンプを配置する。本実施の形態では、有機材料であるポリイミドにて絶縁膜を形成する。
【0027】
図3において、90はウエハの表面に塗布されたポリイミドの絶縁膜である。ポリイミドは常温で液体であるため、塗布は常温でスピンコート等の工法により実施できる。次に塗布したポリイミド膜の上にフォトレジスト91を塗布する。
フォトレジスト91をパターン化されたマスク等によって感光させる。
【0028】
図4はフォトレジスト91が感光した状態を示す。フォトレジスト91の部位92および93は、再配線を接続するパッド60a、61aを使用するため開口させる部位であり、これらの部分を残して硬化させる。次にフォトレジスト91およびポリイミドを溶解する薬品により、部位92および93のフォトレジスト90および下方のポリイミド膜をケミカルエッチングする。
【0029】
図5はケミカルエッチング後のウエハ状態を示す。パッド60a、61a上には開口部60b、61bが形成され、ヒューズ70は絶縁膜90であるポリイミド膜により絶縁され保護される。
【0030】
この後絶縁膜90を硬化させるために熱処理を行うが、通常無機膜の形成温度として約400℃以上の高温が必要となるのに対し、ポリイミドやその他の有機絶縁膜の場合は約300〜350℃での温度で硬化処理を行う事が可能である。
【0031】
図6ははんだバンプ形成後の状態である。100はメタルからなる再配線で、パッド60a、61a の開口部60b、61bからチップの絶縁膜90上にメタルにより再配線100が施される。再配線100の再配線金属と、はんだバンプ104の接合を強化するUBM102を再配線上に施しUBM上にはんだバンプ104を形成する。
【0032】
はんだバンプ104を形成後、ダイシングを行い、ウエハ検査の結果をもとに良品チップをウエハより採り出して、パッケージ基板にフリップチップ実装する。
【0033】
本発明の第一の実施の形態では、絶縁膜90としてポリイミドの例を示したが、同様の工法を実現できるベンゾシクロブテンやポリベンゾオキサイド、その他の有機材料を使用しても、常温での膜付け、ケミカルエッチング、低温での熱効果での絶縁膜90の形成が可能である。
【0034】
以上のように、本発明の第一の実施の形態の半導体装置によれば、有機材料で生成した絶縁膜90により、ヒューズ領域に制約されることなくチップ全体に再配線100およびはんだバンプ104を配置する事ができるため、チップ上の全領域を有効に使用することができる。また、通常ウエハ拡散を行う前工程での無機膜を形成する場合には、ドライエッチングを行うために、真空、プラズマ等の条件、装置が必要となるのに比べ、フォトレジスト91によるケミカルエッチングで絶縁膜90の生成が可能となるため、低コストで、短期間に実現することができる。また、無機膜を形成する際に必要な高温条件が必要で無く、拡散が完了したチップに対する熱による影響も少なくすることができる。なお、冗長救済でのレーザーによるフューズ加工の場合の他に、電圧調整トリミングにフューズを切断する場合に適用できる事は言うまでもない。
【0035】
次に本発明の第二の実施の形態について説明する。本発明の第一の実施の形態と同様に、図2のウエハを検査後メモリ冗長救済を実施したウエハに対して絶縁膜90を形成する。ここでは、感光性を持つ例えばポリイミドで絶縁膜を形成する場合を説明する。図7は、冗長救済を実施したウエハに対して感光性を持つポリイミドの絶縁膜110を塗布している。このウエハに対して、パターン化されたマスク等によって感光させる。通常ポリイミドは、感光部が硬化するネガ特性を持つため、図8のポリイミドを開口させる部位111および112を遮光して感光させる。なお、感光性絶縁膜がポジ型の場合とネガ型の場合では、露光により残る観光性有機絶縁膜が逆となるので、感光部を逆に設定する必要がある。
【0036】
次にポリイミドを溶解する薬品により、部位111および112のポリイミドをケミカルエッチングする。ケミカルエッチング後のウエハ状態は、図5と同一となる。すなわち、パッド60aおよび61a の上部は開口され、ヒューズ70はポリイミド110により絶縁される。この後、熱処理によりポリイミド膜を硬化させ、その後は第一の実施の形態と同様に再配線、バンプを形成して、ダイシング後フリップチップ工法でパッケージ基板に実装する。この実施の形態では、感光性を持つポリイミドを絶縁膜110として形成したが、ポリイミド以外の感光性有機膜を使用する場合も、同様の工程にて絶縁膜形成、ヒューズ領域上の再配線、およびはんだバンプ配置を実現することができる。
【0037】
以上のように、本発明の第二の実施の形態の半導体装置によれば、絶縁膜110に感光性材料を使用することにより、レジストによるパターンニング工程を省略できる。また、ウエハ拡散を行う前工程での無機膜を形成する方式に比較して、低コストで、短期間に絶縁膜を形成することができる。さらに、無機材質の絶縁膜を形成する際に必要な高温を与える必要が無く、拡散が完了したチップに対する熱により影響も少なくすることができる。
【0038】
次に本発明の第三の実施の形態について説明する。チップ上に無機膜を形成するためは、真空状態や、気相成長のためのプラズマCVD装置等の設備が必要となり、ウエハ拡散を行う半導体製造の前工程での膜形成が必要となる。本発明では、チップ上に形成する絶縁膜として、有機材料を使用するため、常温で有機樹脂の塗布、感光性樹脂の現像、および薬品によるケミカルエッチングで膜形成ができる。
【0039】
このため、本発明の半導体装置の製造方法では、絶縁膜の形成を前工程で実施する必要が無くなる。これにより、ウエハを検査した後の組立て工程において、良品チップのみに絶縁膜のパターンニング、再配線およびはんだバンプの形成を実施し、不良チップに対する処理を省略する事により、コスト削減、製造期間の短縮を実現することができる。
【0040】
さらに、ダイシング後の単体チップに対しても、絶縁膜形成、再配線、はんだバンプの生成をすることができるため、コスト削減、製造期間の短縮が可能になると共に、チップごとに条件を変更した組立て実験や、製造工程の最適化、歩留まり確認などが容易にできる。
【0041】
このように本発明の半導体装置の製造方法によれば、絶縁膜形成以降を半導体製造の後工程で実施することができるため、製造コスト削減、製造期間短縮が可能であると共に、組立て自由度の向上を実現することができる。
【0042】
以上説明したように、本発明の半導体装置では、有機膜によるヒューズ領域の絶縁を行うことにより、ヒューズの場所に制約されることなく再配線、はんだバンプをチップ上に形成できると共に、製造コスト削減、製造期間の短縮を実現し、さらに、拡散した半導体チップを無機膜形成時に必要な温度に比較して、より低温ですることができる。また、本発明の半導体装置の製造方法によれば、絶縁膜の形成以降を半導体組立て以降の後工程で行うことができるため、製造コストの削減、製造期間の短縮と、組立てアウトソーシング、実験、解析など製造の自由度の向上を実現する事ができる。
【0043】
【発明の効果】
請求項1記載の半導体装置によれば、メモリセルなどの冗長救済を行うためのヒューズ領域に、例えばポリイミド、ベンゾシクロブテン、ポリベンゾオキサイド等の有機材料で絶縁膜を形成することにより、リソグラフィ工程で形成する必要がある無機材質の絶縁膜に比較して、安価な製造装置で短期間に絶縁膜を形成でき、ヒューズの場所に制約されることなく、ヒューズ領域上方にもはんだバンプおよび再配線を配置することができる。またウエハ拡散工程の前工程ではなく、組み立て以降の後工程で膜付け以降のすべての処理を実施することができ、このようにした場合、コスト削減、期間短縮を実現できる。
【0044】
請求項2記載の半導体装置によれば、請求項1と同様な効果がある。
【0045】
請求項3記載の半導体装置によれば、請求項1と同様な効果のほか、ヒューズ領域上方の絶縁膜を感光性材料で形成することにより、現像とケミカルエッチングで膜付けおよびパターンニングできるため、リソグラフィ工程でのステッパ装置や、ドライエッチ装置を必要が無くなるので、製造期間と、コストを削減することができる。
【0046】
請求項4記載の半導体装置の製造方法によれば、請求項1、請求項2または請求項3と同様な効果のほか、ウエハ拡散の前工程ではなくウエハ検査以降の後工程にて絶縁膜の膜付け、パターンニングが可能となるため、試作および生産を通じてコスト削減、期間短縮、および加工自由度の向上を実現することができる。
【0047】
請求項5記載の半導体装置の製造方法によれば、請求項4と同様な効果のほか、ウエハ上のチップ全体ではなく、検査した後の良品チップのみに加工することができるので、試作、生産を通じてコスト削減、期間短縮および加工自由度の向上を実現することができる。
【0048】
請求項6記載の半導体装置の製造方法によれば、請求項1、請求項2または請求項3と同様な効果のほか、ウエハ上のチップ全体ではなく、ダイシングした後の単体チップにも加工することができ、試作、生産を通じてコスト削減、期間短縮、加工自由度の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の半導体装置の断面図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態の半導体装置のヒューズ切断時の断面図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態の半導体装置のフォトレジスト塗布後の断面図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態の半導体装置のフォトレジスト感光後の断面図である。
【図5】本発明の第二の実施の形態の絶縁膜形成後の断面図である。
【図6】本発明の第二の実施の形態の再配線、はんだバンプ形成後の断面図である。
【図7】本発明の第二の実施の形態の絶縁膜形成後の断面図である。
【図8】本発明の第二の実施の形態の絶縁膜感光後の断面図である。
【符号の説明】
1:半導体チップ基板
20、21:ロジック素子領域
22:メモリ素子領域
30、31:ロジック素子と配線とのコンタクト
32、33:メモリ素子と配線とのコンタクト
40〜43:第一層配線
50〜53:第一層配線と第二層配線とのビア
60、61:第二層配線
60a、61a:パッド
70 :ヒューズ
80 :絶縁膜
90 :有機膜
91 :フォトレジスト
92〜93:フォトレジストエッチング領域
100、101:再配線
102、103:はんだバンプした冶金(UBM)
104、105:はんだバンプ
110:感光性材料による絶縁膜
111、112:絶縁膜のエッチング領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体チップ上に例えばはんだバンプを形成し、フリップチップ工法にて組立てを行う半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体チップ上にはんだバンプを形成し、はんだバンプをパッケージ基板にフリップチップ工法で実装する組立てを行う場合、通常は半導体チップに予め用意されたパッドにはんだバンプを形成するか、若しくはパッドからチップ上のパッシベーション上に再配線を施し、再配線上にはんだバンプを形成する。
【0003】
半導体チップにメモリ素子が存在する場合には、通常、欠陥による歩留まり低下を救済する方法をとる。これは、チップ上にあらかじめ用意されたヒューズを切断することにより、メモリの不良セルを冗長セルに置き換える冗長救済が行われる。この冗長救済は、ウエハ状態で半導体チップの検査を実施して冗長救済の情報を作成し、レーザーによる不良メモリのヒューズ切断を行う必要があるため、冗長救済後には切断されたヒューズ領域はパッシベーションが開口して、チップのメタル配線が剥き出しの状態となっている。このため、ヒューズ上の領域にはんだバンプや、再配線を配置する事ができなくなる。
【0004】
また、はんだバンプ形成の工法によっては、ウエハ上全面にはんだバンプ冶金金属(以下UBM)が蒸着されるため、ヒューズ領域の上方にはんだバンプを配置しない場合にも、UBMの蒸着により切断したヒューズがショートしたり、パターンエッチング時に腐食する場合があり、冗長救済が正しく反映されなくなるという問題があった。
【0005】
この問題に対して、特開2002−289692では、ヒューズ切断後、フューズ領域上方の保護として、ウエハ全体をTEOS膜やBPSG膜などの無機絶縁膜を形成した後、リソグラフィ工程とエッチング工程とを追加してはんだバンプと電極とを接続するための無機絶縁膜の開口部を形成する事により、問題の解決を図っている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−289692
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2002−289692による方法では、ヒューズを切断したウエハを拡散の前工程に戻す必要があるため、クリーン度を保ったまま、ヒューズ切断を実施、若しくはウエハ洗浄をする工法、環境を確立する必要があり、高価な設備が必要となる。また、ウエハ拡散工程でのリソグラフィ工法とエッチング工程にて無機絶縁膜の開口部を形成するために、プロセスコストの増加や製造期間の長期化などの課題を有していた。
【0008】
したがって、この発明の目的は、安価な製造方法で短期間に絶縁膜を形成でき、ヒューズ領域上方にもはんだバンプおよび再配線を配置することができる半導体装置およびその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の半導体装置は、素子の不良救済のためのヒューズを有しヒューズを被う絶縁膜を有し絶縁膜上にバンプを有する半導体装置であって、絶縁膜が有機材料により形成されたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項1記載の半導体装置によれば、メモリセルなどの冗長救済を行うためのヒューズ領域に、例えばポリイミド、ベンゾシクロブテン、ポリベンゾオキサイド等の有機材料で絶縁膜を形成することにより、リソグラフィ工程で形成する必要がある無機材質の絶縁膜に比較して、安価な製造装置で短期間に絶縁膜を形成でき、ヒューズの場所に制約されることなく、ヒューズ領域上方にもはんだバンプおよび再配線を配置することができる。またウエハ拡散工程の前工程ではなく、組み立て以降の後工程で膜付け以降のすべての処理を実施することができ、このようにした場合、コスト削減、期間短縮を実現できる。
【0011】
請求項2記載の半導体装置は、請求項1において、絶縁膜が、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、またはポリベンゾオキサイドにより形成されているものである。
【0012】
請求項2記載の半導体装置によれば、請求項1と同様な効果がある。
【0013】
請求項3記載の半導体装置は、素子の不良救済のためのヒューズを有しヒューズを被う絶縁膜を有し絶縁膜上にバンプを有する半導体装置であって、絶縁膜が感光材料により形成されたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項3記載の半導体装置によれば、請求項1と同様な効果のほか、ヒューズ領域上方の絶縁膜を感光性材料で形成することにより、現像とケミカルエッチングで膜付けおよびパターンニングできるため、リソグラフィ工程でのステッパ装置や、ドライエッチ装置を必要が無くなるので、製造期間と、コストを削減することができる。
【0015】
請求項4記載の半導体装置の製造方法は、請求項1、請求項2または請求項3記載の半導体装置の製造方法であって、ウエハ上に素子および素子の不良救済のためのヒューズを形成する工程と、ウエハの素子の検査後にヒューズを切断する工程と、ヒューズを切断後にヒューズを被う絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜上にバンプを形成する工程とを含み、絶縁膜の形成をヒューズを形成する工程以降の後工程において実施することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0016】
請求項4記載の半導体装置の製造方法によれば、請求項1、請求項2または請求項3と同様な効果のほか、ウエハ拡散の前工程ではなくウエハ検査以降の後工程にて絶縁膜の膜付け、パターンニングが可能となるため、試作および生産を通じてコスト削減、期間短縮、および加工自由度の向上を実現することができる。
【0017】
請求項5記載の半導体装置の製造方法は、請求項1、請求項2または請求項3記載の半導体装置の製造方法であって、ウエハ上に素子および素子の不良救済のためのヒューズを形成する工程と、ウエハの素子の検査後にヒューズを切断する工程と、ヒューズを切断後にヒューズを被う絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜上にバンプを形成する工程とを含み、絶縁膜およびバンプの形成を、ウエハ検査完了後の、良品チップのみに実施することを特徴とするものである。
【0018】
請求項5記載の半導体装置の製造方法によれば、請求項4と同様な効果のほか、ウエハ上のチップ全体ではなく、検査した後の良品チップのみに加工することができるので、試作、生産を通じてコスト削減、期間短縮および加工自由度の向上を実現することができる。
【0019】
請求項6記載の半導体装置の製造方法は、請求項1、請求項2または請求項3記載の半導体装置の製造方法であって、ウエハ上に素子および前記素子の不良救済のためのヒューズを形成する工程と、前記ウエハの前記素子の検査後に前記ヒューズを切断する工程と、前記ヒューズを切断後に前記ヒューズを被う絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、ダイシング工程と、前記絶縁膜上にバンプを形成する工程とを含み、前記絶縁膜および前記バンプの形成を、前記ウエハの検査および前記ダイシングの完了後のチップ状態で実施することを特徴とするものである。
【0020】
請求項6記載の半導体装置の製造方法によれば、請求項1、請求項2または請求項3と同様な効果のほか、ウエハ上のチップ全体ではなく、ダイシングした後の単体チップにも加工することができ、試作、生産を通じてコスト削減、期間短縮、加工自由度の向上を実現することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態の半導体装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の半導体装置の断面図である。
【0022】
1は半導体チップの基板、20および21はウエハ拡散工程により基板内に生成されたロジックトランジスタ領域、22は同様に生成されたメモリセル領域、30および31はロジック領域のトランジスタと配線層を接続するコンタクト、32および33はメモリ領域のトランジスタと配線とを接続するコンタクト、40〜43は第一層のメタル配線、50〜53は第一層のメタル配線40〜43と、第二層のメタル配線60、61および冗長救済を行うためのヒューズ70とを接続するビアである。80は各メタル層間と、チップ表面を保護する保護膜である。60a、61aは第二層のメタル配線60、61にあって、検査および再配線を実施する際に使用するパッドであり、パッド60a、61a上の保護膜80は開口している。ヒューズ70はメモリセル領域上方に配置されており、ヒューズ70を切断しない場合に表面から内部配線、素子を保護するために、通常保護膜80が薄膜状態で膜付けされている。
【0023】
本実施の形態では第一層と第二層のメタル配線40〜43、60、61の2層配線の例を示しているが、配線層は何層でも同様である。また、本実施の形態ではヒューズ70は最上層のメタル配線60、61と同層のメタルを使用しているが、下位層のメタルで形成される場合もある。
【0024】
上記のように製造されたウエハに対して、ウエハ内の各チップの検査を実施してメモリセルの良否判定を行い、不良判定されたメモリのうち、予め用意された冗長セルで救済可能なチップに対しては、救済するための情報を検査結果より生成し、ヒューズ70を切断することにより救済を実施する。
【0025】
図2は、ヒューズ切断を実施し、冗長救済された後のチップの断面図である。ヒューズ70はレーザーの照射等の方法により切断される。また、ヒューズ70上の保護膜80もヒューズ切断に伴って同様に切断されるため、切断後はヒューズ70を形成するメタルが剥き出しの状態となっている。
【0026】
このように、メモリ冗長救済が実施され、ヒューズ70の箇所のメタルが剥き出しになったチップに対して、ヒューズ70上に絶縁膜を形成する事により、ヒューズ領域上に再配線およびバンプ例えばはんだバンプを配置する。本実施の形態では、有機材料であるポリイミドにて絶縁膜を形成する。
【0027】
図3において、90はウエハの表面に塗布されたポリイミドの絶縁膜である。ポリイミドは常温で液体であるため、塗布は常温でスピンコート等の工法により実施できる。次に塗布したポリイミド膜の上にフォトレジスト91を塗布する。
フォトレジスト91をパターン化されたマスク等によって感光させる。
【0028】
図4はフォトレジスト91が感光した状態を示す。フォトレジスト91の部位92および93は、再配線を接続するパッド60a、61aを使用するため開口させる部位であり、これらの部分を残して硬化させる。次にフォトレジスト91およびポリイミドを溶解する薬品により、部位92および93のフォトレジスト90および下方のポリイミド膜をケミカルエッチングする。
【0029】
図5はケミカルエッチング後のウエハ状態を示す。パッド60a、61a上には開口部60b、61bが形成され、ヒューズ70は絶縁膜90であるポリイミド膜により絶縁され保護される。
【0030】
この後絶縁膜90を硬化させるために熱処理を行うが、通常無機膜の形成温度として約400℃以上の高温が必要となるのに対し、ポリイミドやその他の有機絶縁膜の場合は約300〜350℃での温度で硬化処理を行う事が可能である。
【0031】
図6ははんだバンプ形成後の状態である。100はメタルからなる再配線で、パッド60a、61a の開口部60b、61bからチップの絶縁膜90上にメタルにより再配線100が施される。再配線100の再配線金属と、はんだバンプ104の接合を強化するUBM102を再配線上に施しUBM上にはんだバンプ104を形成する。
【0032】
はんだバンプ104を形成後、ダイシングを行い、ウエハ検査の結果をもとに良品チップをウエハより採り出して、パッケージ基板にフリップチップ実装する。
【0033】
本発明の第一の実施の形態では、絶縁膜90としてポリイミドの例を示したが、同様の工法を実現できるベンゾシクロブテンやポリベンゾオキサイド、その他の有機材料を使用しても、常温での膜付け、ケミカルエッチング、低温での熱効果での絶縁膜90の形成が可能である。
【0034】
以上のように、本発明の第一の実施の形態の半導体装置によれば、有機材料で生成した絶縁膜90により、ヒューズ領域に制約されることなくチップ全体に再配線100およびはんだバンプ104を配置する事ができるため、チップ上の全領域を有効に使用することができる。また、通常ウエハ拡散を行う前工程での無機膜を形成する場合には、ドライエッチングを行うために、真空、プラズマ等の条件、装置が必要となるのに比べ、フォトレジスト91によるケミカルエッチングで絶縁膜90の生成が可能となるため、低コストで、短期間に実現することができる。また、無機膜を形成する際に必要な高温条件が必要で無く、拡散が完了したチップに対する熱による影響も少なくすることができる。なお、冗長救済でのレーザーによるフューズ加工の場合の他に、電圧調整トリミングにフューズを切断する場合に適用できる事は言うまでもない。
【0035】
次に本発明の第二の実施の形態について説明する。本発明の第一の実施の形態と同様に、図2のウエハを検査後メモリ冗長救済を実施したウエハに対して絶縁膜90を形成する。ここでは、感光性を持つ例えばポリイミドで絶縁膜を形成する場合を説明する。図7は、冗長救済を実施したウエハに対して感光性を持つポリイミドの絶縁膜110を塗布している。このウエハに対して、パターン化されたマスク等によって感光させる。通常ポリイミドは、感光部が硬化するネガ特性を持つため、図8のポリイミドを開口させる部位111および112を遮光して感光させる。なお、感光性絶縁膜がポジ型の場合とネガ型の場合では、露光により残る観光性有機絶縁膜が逆となるので、感光部を逆に設定する必要がある。
【0036】
次にポリイミドを溶解する薬品により、部位111および112のポリイミドをケミカルエッチングする。ケミカルエッチング後のウエハ状態は、図5と同一となる。すなわち、パッド60aおよび61a の上部は開口され、ヒューズ70はポリイミド110により絶縁される。この後、熱処理によりポリイミド膜を硬化させ、その後は第一の実施の形態と同様に再配線、バンプを形成して、ダイシング後フリップチップ工法でパッケージ基板に実装する。この実施の形態では、感光性を持つポリイミドを絶縁膜110として形成したが、ポリイミド以外の感光性有機膜を使用する場合も、同様の工程にて絶縁膜形成、ヒューズ領域上の再配線、およびはんだバンプ配置を実現することができる。
【0037】
以上のように、本発明の第二の実施の形態の半導体装置によれば、絶縁膜110に感光性材料を使用することにより、レジストによるパターンニング工程を省略できる。また、ウエハ拡散を行う前工程での無機膜を形成する方式に比較して、低コストで、短期間に絶縁膜を形成することができる。さらに、無機材質の絶縁膜を形成する際に必要な高温を与える必要が無く、拡散が完了したチップに対する熱により影響も少なくすることができる。
【0038】
次に本発明の第三の実施の形態について説明する。チップ上に無機膜を形成するためは、真空状態や、気相成長のためのプラズマCVD装置等の設備が必要となり、ウエハ拡散を行う半導体製造の前工程での膜形成が必要となる。本発明では、チップ上に形成する絶縁膜として、有機材料を使用するため、常温で有機樹脂の塗布、感光性樹脂の現像、および薬品によるケミカルエッチングで膜形成ができる。
【0039】
このため、本発明の半導体装置の製造方法では、絶縁膜の形成を前工程で実施する必要が無くなる。これにより、ウエハを検査した後の組立て工程において、良品チップのみに絶縁膜のパターンニング、再配線およびはんだバンプの形成を実施し、不良チップに対する処理を省略する事により、コスト削減、製造期間の短縮を実現することができる。
【0040】
さらに、ダイシング後の単体チップに対しても、絶縁膜形成、再配線、はんだバンプの生成をすることができるため、コスト削減、製造期間の短縮が可能になると共に、チップごとに条件を変更した組立て実験や、製造工程の最適化、歩留まり確認などが容易にできる。
【0041】
このように本発明の半導体装置の製造方法によれば、絶縁膜形成以降を半導体製造の後工程で実施することができるため、製造コスト削減、製造期間短縮が可能であると共に、組立て自由度の向上を実現することができる。
【0042】
以上説明したように、本発明の半導体装置では、有機膜によるヒューズ領域の絶縁を行うことにより、ヒューズの場所に制約されることなく再配線、はんだバンプをチップ上に形成できると共に、製造コスト削減、製造期間の短縮を実現し、さらに、拡散した半導体チップを無機膜形成時に必要な温度に比較して、より低温ですることができる。また、本発明の半導体装置の製造方法によれば、絶縁膜の形成以降を半導体組立て以降の後工程で行うことができるため、製造コストの削減、製造期間の短縮と、組立てアウトソーシング、実験、解析など製造の自由度の向上を実現する事ができる。
【0043】
【発明の効果】
請求項1記載の半導体装置によれば、メモリセルなどの冗長救済を行うためのヒューズ領域に、例えばポリイミド、ベンゾシクロブテン、ポリベンゾオキサイド等の有機材料で絶縁膜を形成することにより、リソグラフィ工程で形成する必要がある無機材質の絶縁膜に比較して、安価な製造装置で短期間に絶縁膜を形成でき、ヒューズの場所に制約されることなく、ヒューズ領域上方にもはんだバンプおよび再配線を配置することができる。またウエハ拡散工程の前工程ではなく、組み立て以降の後工程で膜付け以降のすべての処理を実施することができ、このようにした場合、コスト削減、期間短縮を実現できる。
【0044】
請求項2記載の半導体装置によれば、請求項1と同様な効果がある。
【0045】
請求項3記載の半導体装置によれば、請求項1と同様な効果のほか、ヒューズ領域上方の絶縁膜を感光性材料で形成することにより、現像とケミカルエッチングで膜付けおよびパターンニングできるため、リソグラフィ工程でのステッパ装置や、ドライエッチ装置を必要が無くなるので、製造期間と、コストを削減することができる。
【0046】
請求項4記載の半導体装置の製造方法によれば、請求項1、請求項2または請求項3と同様な効果のほか、ウエハ拡散の前工程ではなくウエハ検査以降の後工程にて絶縁膜の膜付け、パターンニングが可能となるため、試作および生産を通じてコスト削減、期間短縮、および加工自由度の向上を実現することができる。
【0047】
請求項5記載の半導体装置の製造方法によれば、請求項4と同様な効果のほか、ウエハ上のチップ全体ではなく、検査した後の良品チップのみに加工することができるので、試作、生産を通じてコスト削減、期間短縮および加工自由度の向上を実現することができる。
【0048】
請求項6記載の半導体装置の製造方法によれば、請求項1、請求項2または請求項3と同様な効果のほか、ウエハ上のチップ全体ではなく、ダイシングした後の単体チップにも加工することができ、試作、生産を通じてコスト削減、期間短縮、加工自由度の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の半導体装置の断面図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態の半導体装置のヒューズ切断時の断面図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態の半導体装置のフォトレジスト塗布後の断面図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態の半導体装置のフォトレジスト感光後の断面図である。
【図5】本発明の第二の実施の形態の絶縁膜形成後の断面図である。
【図6】本発明の第二の実施の形態の再配線、はんだバンプ形成後の断面図である。
【図7】本発明の第二の実施の形態の絶縁膜形成後の断面図である。
【図8】本発明の第二の実施の形態の絶縁膜感光後の断面図である。
【符号の説明】
1:半導体チップ基板
20、21:ロジック素子領域
22:メモリ素子領域
30、31:ロジック素子と配線とのコンタクト
32、33:メモリ素子と配線とのコンタクト
40〜43:第一層配線
50〜53:第一層配線と第二層配線とのビア
60、61:第二層配線
60a、61a:パッド
70 :ヒューズ
80 :絶縁膜
90 :有機膜
91 :フォトレジスト
92〜93:フォトレジストエッチング領域
100、101:再配線
102、103:はんだバンプした冶金(UBM)
104、105:はんだバンプ
110:感光性材料による絶縁膜
111、112:絶縁膜のエッチング領域
Claims (6)
- 素子の不良救済のためのヒューズを有し前記ヒューズを被う絶縁膜を有し前記絶縁膜上にバンプを有する半導体装置であって、前記絶縁膜が有機材料により形成されたことを特徴とする半導体装置。
- 絶縁膜が、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、またはポリベンゾオキサイドにより形成されている請求項1記載の半導体装置。
- 素子の不良救済のためのヒューズを有し前記ヒューズを被う絶縁膜を有し前記絶縁膜上にバンプを有する半導体装置であって、前記絶縁膜が感光材料により形成されたことを特徴とする半導体装置。
- 請求項1、請求項2または請求項3記載の半導体装置の製造方法であって、ウエハ上に素子および前記素子の不良救済のためのヒューズを形成する工程と、前記ウエハの前記素子の検査後に前記ヒューズを切断する工程と、前記ヒューズを切断後に前記ヒューズを被う絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上にバンプを形成する工程とを含み、前記絶縁膜の形成を前記ヒューズを形成する工程以降の後工程において実施することを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 請求項1、請求項2または請求項3記載の半導体装置の製造方法であって、ウエハ上に素子および前記素子の不良救済のためのヒューズを形成する工程と、前記ウエハの前記素子の検査後に前記ヒューズを切断する工程と、前記ヒューズを切断後に前記ヒューズを被う絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上にバンプを形成する工程とを含み、前記絶縁膜および前記バンプの形成を、前記ウエハ検査完了後の、良品チップのみに実施することを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 請求項1、請求項2または請求項3記載の半導体装置の製造方法であって、ウエハ上に素子および前記素子の不良救済のためのヒューズを形成する工程と、前記ウエハの前記素子の検査後に前記ヒューズを切断する工程と、前記ヒューズを切断後に前記ヒューズを被う絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、ダイシング工程と、前記絶縁膜上にバンプを形成する工程とを含み、前記絶縁膜および前記バンプの形成を、前記ウエハの検査および前記ダイシングの完了後のチップ状態で実施することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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2003
- 2003-01-28 JP JP2003018264A patent/JP2004235183A/ja active Pending
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