JP2004234444A - 船の設備稼働状態監視システム - Google Patents
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Abstract
【課題】陸側からの指示で船の主機情報中、必要な情報だけを取り込み通信費を低減する。
【解決手段】船の主機の稼働状態を、衛星回線16を使用した電子メールシステムを利用して、陸側の監視センタ端末32で監視するシステムにおいて、陸側の監視センタ端末32から、主機18を監視するセンサ20中、監視しようとするセンサ20のセンサ名と監視期間を指定して要求メールを送る。船側の主機監視サーバ24を構成する処理部28は、要求メールを解読し、記録部22に記録されている時系列ファイルの中、指定に対応する主機情報を抜き出し、抜き出した主機情報を陸側の監視センタ端末32宛の返信メールに添付して送付する。このため、陸側の監視センタ端末32は、必要な情報だけを取り込むことができ通信費が低減される。
【選択図】図1
【解決手段】船の主機の稼働状態を、衛星回線16を使用した電子メールシステムを利用して、陸側の監視センタ端末32で監視するシステムにおいて、陸側の監視センタ端末32から、主機18を監視するセンサ20中、監視しようとするセンサ20のセンサ名と監視期間を指定して要求メールを送る。船側の主機監視サーバ24を構成する処理部28は、要求メールを解読し、記録部22に記録されている時系列ファイルの中、指定に対応する主機情報を抜き出し、抜き出した主機情報を陸側の監視センタ端末32宛の返信メールに添付して送付する。このため、陸側の監視センタ端末32は、必要な情報だけを取り込むことができ通信費が低減される。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、船に備え付けられる設備である主機(エンジン)の稼働状態あるいは冷凍サイクルを有する船内空調機や冷蔵・冷凍機の稼働状態などを陸上で遠隔監視する船の設備稼働状態監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、船の帰港時にサービスマンが訪船し、主機に関する情報を採取してサービス会社等に持ち帰り、そのサービス会社内で、主機の稼働状態を解析するようにしていた。しかし、船の航海中にも、主機の稼働状態を監視したいという要請がある。
【0003】
この要請に応えるため、近時の船陸間通信システムに係わる技術では、陸側のコンピュータから衛星を経由して船のコンピュータにログインしてLAN(Local Area Network)を構成し、陸側のコンピュータで船の主機の情報等を取得している(特許文献1参照)。
【0004】
また、前記の要請に応える他の技術では、船に設置されたコンピュータから衛星を経由して陸側のコンピュータに電子メールにより船の情報を送付している(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−211111号公報
【特許文献2】
特開2001−283145号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1および2のように、衛星経由で船陸間LANを構築する場合や一般的な電子メールを使用する場合には、通信プロトコルが衛星通信環境に適応していないので、衛星遅延、ブロッキング等により、結果として通信時間が長くなり通信コストがきわめて高くなるという問題がある。
【0007】
すなわち、特許文献1および2に係る技術では、送信側は、規定された単位(パケット)で送信し、受信側は、送られてきたパケットを正常に受信するとACKを送信側へ返す。送信側は、ACKを受信すると次のパケットを送信する。送信側および受信側は全てのデータを送り終わるまで、この動作を繰り返す。
【0008】
従って、衛星遅延があると受信側にパケットが届くまでの時間、送信側にACKが届くまでの時間を要し、通信時間が掛かってしまうため通信コストが高くなる。
【0009】
また、ブロッキングにより通信中に回線が切断された場合には、切断された箇所からデータの送信が行われるのではなく、再び最初からデータを送信する必要があることから、この場合にも通信コストが高くなる。
【0010】
また、電子メールシステムでは船から陸上への一方的な通信回線接続にとどまっている。
【0011】
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、陸側からの指示で必要な情報だけを取り込むことを可能とし、結果として通信費を低減することを可能とする電子メールを利用した船の設備稼働状態監視システムを提供することを目的とする。
【0012】
また、この発明は、陸側からの指示で必要なとき、たとえばリアルタイムに、必要な情報だけを取り込むことを可能とし、結果として通信費を低減することを可能とする電子メールを利用した船の設備稼働状態監視システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の船の設備稼働状態監視システムは、船に備え付けられている設備の稼働状態を、衛星通信を使用した電子メールシステムを利用して、陸側で監視するシステムであって、前記船には、前記設備の稼働状態を監視し、監視している設備の稼働状態を表す情報を設備情報としてそれぞれ出力する複数のセンサと、船側メールサーバと、前記設備情報を時系列ファイルとして記録する記録部と、この記録部と前記船側メールサーバとの仲介処理を行う処理部とを含む設備監視サーバとが備えられ、前記陸側には、前記センサ中、所望の設備情報を検出するセンサを指定するとともに、指定したセンサにおける監視期間を指定し、前記センサ指定と前記監視期間指定とを含む前記船に対する要求メールを生成する端末と、前記端末から供給された前記要求メールを前記船側メールサーバに送付する陸側メールサーバとが備えられ、前記船側の前記設備監視サーバの処理部は、前記船側メールサーバを経由して得た前記要求メールを解読し、前記記録部に記録されている時系列ファイルの中、前記センサ指定と前記監視期間指定に対応する設備情報を抜き出し、抜き出した設備情報を陸側の前記端末宛の返信メールとして前記船側メールサーバに送付することを特徴とする(請求項1記載の発明)。
【0014】
この発明によれば、陸側の端末から、設備を監視するセンサ中、監視しようとするセンサ(所望の設備情報を検出するセンサ)と監視期間を指定して要求メールを送り、船側の処理部は、要求メールを解読し、記録部に記録されている時系列ファイルの中、センサ指定と監視期間指定に対応する設備情報を処理部を介して抜き出し、抜き出した設備情報を陸側の端末宛の返信メールとして前記船側メールサーバに送付するようにしている。このため、陸側からの指示で必要な情報(指定監視期間内の指定センサの設備情報)だけを取り込むことを可能とし、結果として通信費を低減することができる。なお、指定したセンサにおける監視期間を指定する際に、同時に、必要な採取周期を指定することで、さらに通信費を低減することができる。
【0015】
この場合、陸側メールサーバが端末から要求メールを受けたときには、船に対する通信をリアルタイムに確立させ、要求メールを船側メールサーバに送付するようにすることで、端末から必要なときリアルタイムに船側に要求メールを送ることができる(請求項2記載の発明)。
【0016】
その一方、船側メールサーバは、返信メールを処理部から受けたとき、陸側メールサーバに対する通信をリアルタイムに確立させ、返信メールを陸側メールサーバに送付するようにすることで、所望の設備稼働状態情報をリアルタイムで端末側に送付することができる(請求項3記載の発明)。
【0017】
結果として、必要なとき、必要な設備稼働状態情報をリアルタイムで端末で得ることができる。
【0018】
また、請求項1−3のいずれか1項に記載の船の設備稼働状態監視システムにおいて、前記処理部は、前記センサから出力される設備情報が予め設定された所定値を超えたときに記録部への記録を開始し、記録開始後、前記所定値を下回ったとき記録を終了して記録ファイルを完結させる機能を有するようにしている(請求項4記載の発明)。
【0019】
このようにすれば、予め設定された所定値を超えているときのみ記録されるので、設備情報の所定値を、設備の、たとえば、定格負荷状態対応値に設定することにより、定格負荷状態での設備の稼働状態を監視することができる。また、所定値を設備の過負荷状態推定値に設定することにより、過負荷状態での設備の稼働状態および過負荷状態の連続時間等の監視だけに限定して監視することもできる。なお、所定値は、陸側の端末からの指示で可変して設定することができる。
【0020】
船には、さらに、航法受信機が備えられる。処理部は、その航法受信機から船の位置を入力し、船が予め設定された開始と終了の緯度または経度を超えたかどうかにより、前記船の片航海の開始と終了を判断することで、片航海における時系列ファイルの記録開始と記録終了(ファイルの完結)の時期を容易に決定することができる(請求項5記載の発明)。なお、片航海の終了については、片航海開始からの日数または時間等を設定することで、その日数または時間等の経過により判断することも可能である。
【0021】
また、処理部は、航路中に少なくとも2つの海域を設け、前記海域毎に開始と終了の緯度または経度を設定し、前記少なくとも2つの海域を通過したときに、片航海の開始と終了を判断する機能を有することで、同様に、片航海における時系列ファイルの記録開始と記録終了(ファイルの完結)の時期を容易に決定することができる(請求項6記載の発明)。なお、各海域毎の航海の終了については、各海域の開始からの日数または時間等を設定することで、その日数または時間等の経過により各海域の航海の終了を判断することも可能である。
【0022】
請求項5または6記載の船の設備稼働状態監視システムにおいて、前記処理部は、片航海終了によって完結されたファイルが生成された場合に、前記片航海分の完結ファイルを前記処理部へ送り、前記処理部は、前記片航海分の完結ファイルを前記陸側の端末に対して電子メールによって自動一括送信を行う機能を有することで、片航海分の完結ファイルをリアルタイムに端末側で得ることができる(請求項7記載の発明)。
【0023】
なお、船に航法受信機が備えられ、各センサにローカルな内部時計が備えられているとき、処理部は、各センサの内部時計によるローカルな日時を含む出力情報を、航法受信機により受信した世界標準時間で一元化した時系列ファイルを生成するようにすることで、時系列ファイルの取扱(端末からの監視期間の指定等)が容易になる(請求項8記載の発明)。
【0024】
また、処理部が、センサから出力される設備情報中に警報情報あるいはその解除情報が含まれているかどうかを判断する機能を有し、警報情報あるいはその解除情報が含まれていると判断したとき、警報情報あるいはその解除情報を処理部に渡す。処理部は、警報情報あるいはその解除情報を陸側の端末宛の電子メールとして船側メールサーバに送付することにより、船側メールサーバ、衛星回線および陸側メールサーバを介して陸側の端末宛に送付することができる。その結果、受信した陸側の端末から、警報情報を出力したセンサを指定して設備情報の要求メールを船側に送付することができる(請求項9または10記載の発明)。なお、陸側の端末からの要求メールの送付は、期間の設定が必要になるときには手動操作で行われるが、警報情報が含まれていたと判断したときには自動的に警報情報の発生時点の前、たとえば1日間の設備情報を送付するように予め決めておくことにより自動的に行うことも可能である。
【0025】
前記の設備は、船の心臓部である主機とすることが好適である(請求項11記載の発明)。この場合、たとえば、前記設備の稼働状態を監視し、設備情報をそれぞれ出力する複数のセンサの中には、前記主機の回転数を常時監視する主機回転数監視センサが含まれ、前記処理部は、前記主機回転数監視センサから送られてくる前記主機回転数が主機の運転を開始したと判断できる最小値を予め所定値に設定し、所定値を超えたとき記録部への記録を開始し、記録開始後、所定値を下回ったとき記録を終了して記録ファイルを完結させる機能を有するようにする。
【0026】
このようにすれば、運転開始−運転終了までの主機の稼働状態を監視することができる。
【0027】
また、所定値を定格以上の回転数に設定することにより、過負荷状態での主機の稼働状態および過負荷運転での連続時間等の監視だけに限定して主機の稼働状態を監視することもできる。なお、所定回転数は、陸側の端末からの指示で可変して設定することができる。
【0028】
また、前記の設備は、冷凍サイクルを有する設備とすることが好適である(請求項12記載の発明)。船には、船内空調機、冷蔵・冷凍機など冷凍サイクルを有する設備が備え付けられており、これらの設備の稼働状況を船の航海中にも陸側で所望のときに得ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について船の主機の稼働状態を監視する場合を例として、図1−図5の図面を参照して説明する。図1は、この発明の船の設備稼働状態監視システムの第1実施形態に係る船用主機稼働状態監視システム10の全体構成を示すブロック図である。
【0030】
この船用主機稼働状態監視システム10は、船の推進力を得るための主機18の稼働状態を、衛星回線16を利用した電子メールシステムを利用して、陸側の監視センタ端末32で監視する遠隔モニタリングシステムである。
【0031】
図1に示すように、この船用主機稼働状態監視システム10は、基本的に、船に搭載される船側システム12と、陸側システム14を構成する監視センタ端末32と、この監視センタ端末32と船側システム12とをインマルサット衛星等を利用して無線通信回線で接続する衛星回線16とから構成されている。
【0032】
船側システム12は、主機18の稼働状態を監視し、主機情報(主機監視情報ともいう。)をそれぞれ出力する複数のセンサ(主機稼働状態監視センサともいう。)20と、船側メールサーバ26と、複数のセンサ20の各主機情報を各センサ20毎に、時系列ファイルとして記録するハードディスクドライブ等の記録部22と、この記録部22と船側メールサーバ26との仲介処理(メールボックスインタフェース)を行う処理部28とを含む主機監視サーバ24と、主機監視サーバ24に接続される航法受信機30とを備えている。
【0033】
ここで主機18の稼働状態を監視するセンサ20としては、主機18の各シリンダのライナ温度センサ、各シリンダ毎の燃焼圧力センサ、各シリンダ毎の圧縮圧力判定センサ、ブレーキホースパワーセンサ、主機回転数センサ(主機回転数監視センサともいう。)、船速センサ、負荷センサ、ターボチャージャー回転数センサ、気化器圧力センサ、燃料消費量センサ、注油量センサ、複数の排気温度センサ等がある。
【0034】
一方、陸側システム14は、主機18の稼働状態を監視するセンサ20中、所望の主機情報を検出するセンサ20をセンサ名等で指定するとともに、指定したセンサ20における監視期間(開始年月日時分−終了年月日時分)および採取周期を指定し、センサ指定と監視期間および採取周期指定とを含む船に対する電子メールである要求メールを生成する監視センタ端末32と、監視センタ端末32からインターネット33を介して船側に電子メールを送出する陸側メールサーバ34とを備えている。
【0035】
陸側メールサーバ34と船側メールサーバ26とは衛星回線16により前記船側宛に要求メールがある場合、リアルタイムかつ自動的に通信回線接続可能となっている。
【0036】
上記の主機監視サーバ24と、船側メールサーバ26と、航法受信機30と、監視センタ端末32と、陸側メールサーバ34とは、それぞれ、プログラムに従って、一連の計算またはデータ処理を自動的に行うコンピュータの機能を有している。
【0037】
そして、船側の処理部28は、陸側の監視センタ端末32からの前記要求メールを解読し、記録部22に記録されている時系列ファイルの中、センサ指定と監視期間および採取周期指定に対応する主機情報を抜き出し、抜き出した主機情報を添付ファイルとする陸側の監視センタ端末32宛の返信メールを作成し、船側メールサーバ26に送付する。船側メールサーバ26は、添付ファイル付き返信メールを衛星回線16、陸側メールサーバ34、インターネット33を介して陸側の監視センタ端末32に送付する。
【0038】
なお、図1例の船用主機稼働状態監視システム10では、船側システム12を1つのシステムとして描いているが、陸側の監視センタ端末32は、複数の船の各船側システム12(それぞれメールアドレスが異なる)の主機稼働状態を同時に監視することができる。
【0039】
次に、上記した実施形態のより詳しい動作について、添付のフローチャートを参照しながら説明する。
【0040】
なお、主機18の稼働状態を監視する情報を船側システム12から陸側の監視センタ端末32に転送する処理としては、下記のケース1−3の3つのケースがあるので、以下、ケース毎に説明する。
【0041】
ケース1:陸側の監視センタ端末32からの要求に対して主機情報を船側に転送する場合(図2、図3)
ケース2:片航海終了時に片航海の主機情報を船側システム12から陸側に転送する場合(図4)
ケース3:警報が発生した場合または警報が解除した場合、その時の情報を船側システム12から陸側に転送する場合(図5)。
【0042】
ケース1の説明
この場合、まず、図2に示す陸側メールサーバ34の処理(船宛のメール着信処理)において、陸側の監視センタ端末32から必要な時期に、主機情報の必要なセンサ名の指定と必要なだけの監視期間(開始年月日時分−終了年月日時分)および監視期間内での必要なだけのデータ採取周期(たとえば1時間)を指定した要求メールを陸側監視センタ端末32で作成しインターネット33を介して陸側メールサーバ34へ転送すると、ステップS101において、この要求メールを陸側メールサーバ34が受信する。
【0043】
次に、ステップS102において、陸側メールサーバ34は、その要求メールが一般の船宛か、あるいは主機稼働状態を監視しようとする船(該船という。)宛なのかを判定する。該船宛のメールであれば、ステップS103において、リアルタイムに陸側メールサーバ34から船側メールサーバ26へダイアルアップし、衛星回線16を確立してその要求メールを自動的に強制送付するメール処理を行う。
【0044】
その一方、ステップS102の判定において、該船宛でないとされれば、ステップS104において、船側への強制送付処理は行わず、船側メールサーバ26から陸側メールサーバ34宛へダイアルアップした際に、陸側のメールを船側メールサーバ26に送付する通常のメール処理を行う。
【0045】
次に、図3に示す船側処理(該船側のメール着信処理)において、ステップS201で、該船側の船側メールサーバ26は、メールを受信する。
【0046】
メールを受信した船側メールサーバ26は、ステップS202において、そのメールの内容が一般メールなのか、あるいは主機情報の要求メールなのかを宛先(アドレス)を見て判定し、一般メールであれば、船側メールサーバ26中の、メールクライアントのメールボックスに投函し、要求メールであれば、処理部28に渡す。
【0047】
処理部28は、要求メールであれば、ステップS203において、その要求内容に記されたセンサ名、監視期間および採取周期に従って、処理部28により記録部22中の所定値(主機の運転が開始したと判断できる回転数の最小値)を上回ったときに記録された時系列ファイルの中から該当する主機情報を抜き出し、さらに、抜き出した主機情報を添付ファイルとして返信メールを生成し、船側メールサーバ26に転送する。
【0048】
船側メールサーバ26は、ステップS204において、この返信メールをリアルタイムに陸側の監視センタ端末32宛に衛星回線16を介して送信する。
【0049】
なお、ステップS202の判定において、主機情報の要求メールでなければ、ステップS205において、通常のメール処理をする。
【0050】
以上説明したように、ケース1の処理では、陸側の監視センタ端末32から、主機18を監視するセンサ20中、監視しようとする、換言すれば主機情報を得ようとするセンサ名と監視期間および採取周期を指定して要求メールを送る。船側の処理部28は、要求メールを解読し、記録部22に記録されている時系列ファイルの中、センサ指定と監視期間および採取周期の指定に対応する主機情報を処理部28により抜き出し、抜き出した主機情報を添付ファイルとする陸側の監視センタ端末32宛の返信メールとして船側メールサーバ26に送付することで、結果として陸側の監視センタ端末32に送付される。
【0051】
このため、陸側の監視センタ端末32で要求メールを作成するだけで、必要な情報(指定監視期間内の指定センサ20の主機情報)だけを自動的に取り込むことができ、結果として通信費を低減することができる。
【0052】
この場合、陸側メールサーバ34が監視センタ端末32から要求メールを受けたときには、船に対する衛星回線16を利用する通信をリアルタイムに確立させて船側メールサーバ26に送付するようにしているので、監視センタ端末32側から必要なときリアルタイムに船側に要求メールを送ることができる。
【0053】
その一方、船側メールサーバ26は、上記の要求メールに対する返信メールを処理部28から受けたとき、陸側メールサーバ34に対する衛星回線16を利用する通信をリアルタイムに確立させ、返信メールを船側メールサーバ26を介して陸側メールサーバ34に送付するようにしているので、陸側の監視センタ端末32で必要とされる主機稼働状態情報をリアルタイムにかつ自動的に監視センタ端末32側に送付することができる。
【0054】
このようにして、必要なとき、自発的に必要な主機稼働状態情報をリアルタイムに陸側システム14の監視センタ端末32で取得することができる。
【0055】
ここで、上記の所定回転数は可変することもできる。この所定回転数の指定あるいは変更は、監視センタ端末32から要求メールにより設定することができる。
【0056】
ケース2の説明
まず、図4に示すステップS301において、GPS(Global Positioning System)衛星等からの電波を航法受信機30により受け、逐次本船(船側システム12を搭載している船)位置を主機監視サーバ24を構成する処理部28に供給する。
【0057】
ステップS302において、処理部28は、本船位置が片航海開始となる緯度または経度を超えたかどうかを判定する。
【0058】
片航海開始となる緯度または経度を超えた場合、ステップS303において、主機18の稼働状態を監視するセンサ20の情報を取り込み、ステップS304において、記録部22中の規定の保管場所に新たな片航海における新たな時系列ファイルとして記録を開始する(片航海の主機情報の抜き出し開始)。
【0059】
次に、ステップS305において、本船位置が片航海終了となる緯度または経度を超えたかどうか(あるいは片航海終了とみなす記録開始からの日数または時間を経過したかどうか)を判定する。
【0060】
超えていない場合(あるいは経過していない場合)には、片航海中と判断して、ステップS303、S304の主機情報取得処理および記録処理を継続する。
【0061】
ステップS305の判定において、片航海終了となる緯度または経度を超えた場合(あるいは片航海終了とみなす記録開始からの日数または時間を経過した場合)、ステップS306において主機情報の記録を停止し、片航海の時系列ファイルを完結する(片航海の主機情報の抜き出し処理終了)。
【0062】
ステップS307において、片航海分の完結時系列ファイルに係る主機情報を生成し、ステップS308において、リアルタイムに主機情報を添付ファイルとするメールを作成し、船側メールサーバ26に渡すことで、船側メールサーバ26から陸側の監視センタ端末32宛にリアルタイムに送信される。このため、監視センタ端末32で、片航海分の完結ファイルを片航海終了時にリアルタイムに取得することができる。
【0063】
また、この図4に示すフローチャートによる処理によれば、船の主機監視サーバ24を構成する処理部28は、航法受信機30から船の位置を入力し、船が予め設定された開始と終了の緯度または経度を超えたかどうかにより、前記船の片航海の開始と終了を判断することで、片航海における時系列ファイルの記録開始と記録終了(ファイルの完結)の時期を容易に決定することができる。なお、片航海の終了については、片航海開始からの日数または時間等を設定することで、その日数または時間等の経過により判断することも可能である。
【0064】
また、処理部28は、航路中に少なくとも2つの海域を設け、前記海域毎に開始と終了の緯度または経度を設定し、前記少なくとも2つの海域を通過したときに、片航海の開始と終了を判断する機能を有することで、同様に、片航海における時系列ファイルの記録開始と記録終了(ファイルの完結)の時期を容易に決定することができる。なお、各海域毎の航海の終了については、各海域の開始からの日数または時間等を設定することで、その日数または時間等の経過により各海域の航海の終了を判断することも可能である。
【0065】
さらに、記録部22に地図情報を記憶しておき、航法受信機30から船の位置を入力したとき、処理部28は、船が予め設定された出港地または仕向地から一定距離内に存在するかどうかを上記地図情報を参照して判断し、この判断結果に基づき、船の片航海の開始と終了を判断する機能を有するようにして、片航海における時系列ファイルの記録開始、記録終了(ファイルの完結)の時期を決定するようにすることもできる。
【0066】
ケース3の説明
この場合、まず、図5のステップS401において、各センサ20から主機情報が処理部28に入力される。
【0067】
そして、ステップS402において、処理部28は、その主機情報の中に警報情報あるいは警報解除情報が含まれていないかを判定する。
【0068】
もし、警報情報あるいは警報解除情報が含まれていると判定した場合、ステップS403において、警報情報あるいは警報解除情報を発生したセンサ20の識別符号と前記警報情報あるいは警報解除情報を含む主機情報を生成し、ステップS404において、リアルタイムに警報情報付き主機情報を添付ファイルとするメールを陸側監視センタ端末32宛に送信する。このようにすれば、陸側監視センタ端末32で、自動的にかつリアルタイムに船の警報情報あるいは警報解除情報を得ることができる。
【0069】
警報情報を受けた監視センタ端末32は、警報情報、いわゆるアラーム情報に関連したセンサ、必要なだけの期間および採取周期のみの主機情報の送信要求をメールにて行うことによって、船側システム12からの主機情報の転送量を極度に少なくでき、かつ主機情報が少ないので監視が容易になると同時に通信費の削減効果が得られる。
【0070】
なお、前記した記録開始の回転数等の所定値、記録開始と終了の緯度または経度(あるいは終了とみなす日数または時間)、海域毎の記録開始と終了の緯度または経度(あるいは終了とみなす日数または時間)、陸側の監視センタ端末32のメールアドレス等は、陸側の監視センタ端末32からの指示で可変して設定することができる。
【0071】
また、この発明は、上述した第1実施形態の船用主機稼働状態監視システム10に限らず、たとえば、図6に示すように、船に備え付けられる設備として主機18の他、冷蔵・冷凍機48等の冷凍サイクルを有する設備(船内空調機も含む。)の稼働状態を、上述した主機18と同様に複数のセンサ50を用いて設備監視サーバ124で監視する船用設備稼働状態監視システム100に適用することができる。
【0072】
船の場合、冷蔵・冷凍機48は、生鮮食料品を輸送するための冷凍コンテナ、および長期洋上生活のために食料を保存する設備として用いられる。
【0073】
冷蔵・冷凍機48は、周知のように、冷気を発生させるために液体冷媒を気化させる蒸発器、蒸発器で気化された冷媒を高温の気体冷媒に圧縮する圧縮機、圧縮された気体冷媒を冷却して液体冷媒にもどす熱交換器とから構成されている。なお、熱交換器の冷却媒体として水が用いられるが、この水は海水を浄水器で真水にした清水が用いられる。
【0074】
そのため、センサ50としては、蒸発器で発生する冷気を検出する温度センサ、圧縮された気体冷媒の圧力を検出する圧力センサ、蒸発器に供給される冷媒の流量を検出する流量センサなどが設けられている。
【0075】
以上詳細に説明したように、上述した第1、第2実施形態によれば、船用電子メールシステムを利用してもLANを構築したものと同様に、陸側から必要な時期に必要な主機情報、あるいは冷蔵・冷凍機情報等を、自動的に、すなわち船の乗組員の介入なしに(手を煩わせることなしに)取得することができるという利点がある。また、船用に設計された電子メールシステムで機能が実現できるので、省通信費が見込めるという効果がある。
【0076】
なお、実際上、各センサ20,50にはローカルな内部時計が備えられており、処理部28は、各センサの内部時計によるローカルな日時を含むセンサ出力情報、すなわち主機情報を、航法受信機30により受信した世界標準時間(UTC:Coordinated Universal Time)で一元化した時系列ファイルを生成するようにしているので、時系列ファイルの取扱(監視センタ端末32からの監視期間の指定等)が容易である。
【0077】
また、衛星回線間の送受信メールのデータは全て自動的に圧縮処理および解凍処理を行うようにすることで、通信時間を短縮して通信コストを低減する等、この明細書の記載内容に基づき種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0078】
この発明は、船に備え付けられている設備中、主機18や冷蔵・冷凍機48など主要部分の設備に適用して好適である。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、自発的な陸側からの指示、あるいは船からの警報情報の受信に応じた陸側からの指示で必要な設備情報だけを陸側で取り込むことができる。すなわち、陸側からの指示で必要なときにリアルタイムに必要な設備情報だけを取り込むことができる。また、船の片航海終了時に、陸側で定期的かつ自動的に船側の設備情報を取り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係る船用主機稼働状態監視システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】陸側から船宛メールを強制送付する手順を説明するフローチャートである。
【図3】船が主機情報要求メールを着信した際の手順を説明するフローチャートである。
【図4】片航海終了時の主機情報添付メールの作成手順を説明するフローチャートである。
【図5】警報発生時の主機情報添付メールの作成手順を説明するフローチャートである。
【図6】この発明の第2実施形態に係る船用設備稼働状態監視システムの全体構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…船用主機稼働状態監視システム 12…船側システム
14…陸側システム 16…衛星回線
18…主機 20,50…センサ
22…記録部 24…主機監視サーバ
26…船側メールサーバ 28…処理部
30…航法受信機 32…監視センタ端末
33…インターネット 34…陸側メールサーバ
48…冷蔵・冷凍機
100…船用設備稼働状態監視システム 124…設備監視サーバ
【発明の属する技術分野】
この発明は、船に備え付けられる設備である主機(エンジン)の稼働状態あるいは冷凍サイクルを有する船内空調機や冷蔵・冷凍機の稼働状態などを陸上で遠隔監視する船の設備稼働状態監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、船の帰港時にサービスマンが訪船し、主機に関する情報を採取してサービス会社等に持ち帰り、そのサービス会社内で、主機の稼働状態を解析するようにしていた。しかし、船の航海中にも、主機の稼働状態を監視したいという要請がある。
【0003】
この要請に応えるため、近時の船陸間通信システムに係わる技術では、陸側のコンピュータから衛星を経由して船のコンピュータにログインしてLAN(Local Area Network)を構成し、陸側のコンピュータで船の主機の情報等を取得している(特許文献1参照)。
【0004】
また、前記の要請に応える他の技術では、船に設置されたコンピュータから衛星を経由して陸側のコンピュータに電子メールにより船の情報を送付している(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−211111号公報
【特許文献2】
特開2001−283145号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1および2のように、衛星経由で船陸間LANを構築する場合や一般的な電子メールを使用する場合には、通信プロトコルが衛星通信環境に適応していないので、衛星遅延、ブロッキング等により、結果として通信時間が長くなり通信コストがきわめて高くなるという問題がある。
【0007】
すなわち、特許文献1および2に係る技術では、送信側は、規定された単位(パケット)で送信し、受信側は、送られてきたパケットを正常に受信するとACKを送信側へ返す。送信側は、ACKを受信すると次のパケットを送信する。送信側および受信側は全てのデータを送り終わるまで、この動作を繰り返す。
【0008】
従って、衛星遅延があると受信側にパケットが届くまでの時間、送信側にACKが届くまでの時間を要し、通信時間が掛かってしまうため通信コストが高くなる。
【0009】
また、ブロッキングにより通信中に回線が切断された場合には、切断された箇所からデータの送信が行われるのではなく、再び最初からデータを送信する必要があることから、この場合にも通信コストが高くなる。
【0010】
また、電子メールシステムでは船から陸上への一方的な通信回線接続にとどまっている。
【0011】
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、陸側からの指示で必要な情報だけを取り込むことを可能とし、結果として通信費を低減することを可能とする電子メールを利用した船の設備稼働状態監視システムを提供することを目的とする。
【0012】
また、この発明は、陸側からの指示で必要なとき、たとえばリアルタイムに、必要な情報だけを取り込むことを可能とし、結果として通信費を低減することを可能とする電子メールを利用した船の設備稼働状態監視システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の船の設備稼働状態監視システムは、船に備え付けられている設備の稼働状態を、衛星通信を使用した電子メールシステムを利用して、陸側で監視するシステムであって、前記船には、前記設備の稼働状態を監視し、監視している設備の稼働状態を表す情報を設備情報としてそれぞれ出力する複数のセンサと、船側メールサーバと、前記設備情報を時系列ファイルとして記録する記録部と、この記録部と前記船側メールサーバとの仲介処理を行う処理部とを含む設備監視サーバとが備えられ、前記陸側には、前記センサ中、所望の設備情報を検出するセンサを指定するとともに、指定したセンサにおける監視期間を指定し、前記センサ指定と前記監視期間指定とを含む前記船に対する要求メールを生成する端末と、前記端末から供給された前記要求メールを前記船側メールサーバに送付する陸側メールサーバとが備えられ、前記船側の前記設備監視サーバの処理部は、前記船側メールサーバを経由して得た前記要求メールを解読し、前記記録部に記録されている時系列ファイルの中、前記センサ指定と前記監視期間指定に対応する設備情報を抜き出し、抜き出した設備情報を陸側の前記端末宛の返信メールとして前記船側メールサーバに送付することを特徴とする(請求項1記載の発明)。
【0014】
この発明によれば、陸側の端末から、設備を監視するセンサ中、監視しようとするセンサ(所望の設備情報を検出するセンサ)と監視期間を指定して要求メールを送り、船側の処理部は、要求メールを解読し、記録部に記録されている時系列ファイルの中、センサ指定と監視期間指定に対応する設備情報を処理部を介して抜き出し、抜き出した設備情報を陸側の端末宛の返信メールとして前記船側メールサーバに送付するようにしている。このため、陸側からの指示で必要な情報(指定監視期間内の指定センサの設備情報)だけを取り込むことを可能とし、結果として通信費を低減することができる。なお、指定したセンサにおける監視期間を指定する際に、同時に、必要な採取周期を指定することで、さらに通信費を低減することができる。
【0015】
この場合、陸側メールサーバが端末から要求メールを受けたときには、船に対する通信をリアルタイムに確立させ、要求メールを船側メールサーバに送付するようにすることで、端末から必要なときリアルタイムに船側に要求メールを送ることができる(請求項2記載の発明)。
【0016】
その一方、船側メールサーバは、返信メールを処理部から受けたとき、陸側メールサーバに対する通信をリアルタイムに確立させ、返信メールを陸側メールサーバに送付するようにすることで、所望の設備稼働状態情報をリアルタイムで端末側に送付することができる(請求項3記載の発明)。
【0017】
結果として、必要なとき、必要な設備稼働状態情報をリアルタイムで端末で得ることができる。
【0018】
また、請求項1−3のいずれか1項に記載の船の設備稼働状態監視システムにおいて、前記処理部は、前記センサから出力される設備情報が予め設定された所定値を超えたときに記録部への記録を開始し、記録開始後、前記所定値を下回ったとき記録を終了して記録ファイルを完結させる機能を有するようにしている(請求項4記載の発明)。
【0019】
このようにすれば、予め設定された所定値を超えているときのみ記録されるので、設備情報の所定値を、設備の、たとえば、定格負荷状態対応値に設定することにより、定格負荷状態での設備の稼働状態を監視することができる。また、所定値を設備の過負荷状態推定値に設定することにより、過負荷状態での設備の稼働状態および過負荷状態の連続時間等の監視だけに限定して監視することもできる。なお、所定値は、陸側の端末からの指示で可変して設定することができる。
【0020】
船には、さらに、航法受信機が備えられる。処理部は、その航法受信機から船の位置を入力し、船が予め設定された開始と終了の緯度または経度を超えたかどうかにより、前記船の片航海の開始と終了を判断することで、片航海における時系列ファイルの記録開始と記録終了(ファイルの完結)の時期を容易に決定することができる(請求項5記載の発明)。なお、片航海の終了については、片航海開始からの日数または時間等を設定することで、その日数または時間等の経過により判断することも可能である。
【0021】
また、処理部は、航路中に少なくとも2つの海域を設け、前記海域毎に開始と終了の緯度または経度を設定し、前記少なくとも2つの海域を通過したときに、片航海の開始と終了を判断する機能を有することで、同様に、片航海における時系列ファイルの記録開始と記録終了(ファイルの完結)の時期を容易に決定することができる(請求項6記載の発明)。なお、各海域毎の航海の終了については、各海域の開始からの日数または時間等を設定することで、その日数または時間等の経過により各海域の航海の終了を判断することも可能である。
【0022】
請求項5または6記載の船の設備稼働状態監視システムにおいて、前記処理部は、片航海終了によって完結されたファイルが生成された場合に、前記片航海分の完結ファイルを前記処理部へ送り、前記処理部は、前記片航海分の完結ファイルを前記陸側の端末に対して電子メールによって自動一括送信を行う機能を有することで、片航海分の完結ファイルをリアルタイムに端末側で得ることができる(請求項7記載の発明)。
【0023】
なお、船に航法受信機が備えられ、各センサにローカルな内部時計が備えられているとき、処理部は、各センサの内部時計によるローカルな日時を含む出力情報を、航法受信機により受信した世界標準時間で一元化した時系列ファイルを生成するようにすることで、時系列ファイルの取扱(端末からの監視期間の指定等)が容易になる(請求項8記載の発明)。
【0024】
また、処理部が、センサから出力される設備情報中に警報情報あるいはその解除情報が含まれているかどうかを判断する機能を有し、警報情報あるいはその解除情報が含まれていると判断したとき、警報情報あるいはその解除情報を処理部に渡す。処理部は、警報情報あるいはその解除情報を陸側の端末宛の電子メールとして船側メールサーバに送付することにより、船側メールサーバ、衛星回線および陸側メールサーバを介して陸側の端末宛に送付することができる。その結果、受信した陸側の端末から、警報情報を出力したセンサを指定して設備情報の要求メールを船側に送付することができる(請求項9または10記載の発明)。なお、陸側の端末からの要求メールの送付は、期間の設定が必要になるときには手動操作で行われるが、警報情報が含まれていたと判断したときには自動的に警報情報の発生時点の前、たとえば1日間の設備情報を送付するように予め決めておくことにより自動的に行うことも可能である。
【0025】
前記の設備は、船の心臓部である主機とすることが好適である(請求項11記載の発明)。この場合、たとえば、前記設備の稼働状態を監視し、設備情報をそれぞれ出力する複数のセンサの中には、前記主機の回転数を常時監視する主機回転数監視センサが含まれ、前記処理部は、前記主機回転数監視センサから送られてくる前記主機回転数が主機の運転を開始したと判断できる最小値を予め所定値に設定し、所定値を超えたとき記録部への記録を開始し、記録開始後、所定値を下回ったとき記録を終了して記録ファイルを完結させる機能を有するようにする。
【0026】
このようにすれば、運転開始−運転終了までの主機の稼働状態を監視することができる。
【0027】
また、所定値を定格以上の回転数に設定することにより、過負荷状態での主機の稼働状態および過負荷運転での連続時間等の監視だけに限定して主機の稼働状態を監視することもできる。なお、所定回転数は、陸側の端末からの指示で可変して設定することができる。
【0028】
また、前記の設備は、冷凍サイクルを有する設備とすることが好適である(請求項12記載の発明)。船には、船内空調機、冷蔵・冷凍機など冷凍サイクルを有する設備が備え付けられており、これらの設備の稼働状況を船の航海中にも陸側で所望のときに得ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について船の主機の稼働状態を監視する場合を例として、図1−図5の図面を参照して説明する。図1は、この発明の船の設備稼働状態監視システムの第1実施形態に係る船用主機稼働状態監視システム10の全体構成を示すブロック図である。
【0030】
この船用主機稼働状態監視システム10は、船の推進力を得るための主機18の稼働状態を、衛星回線16を利用した電子メールシステムを利用して、陸側の監視センタ端末32で監視する遠隔モニタリングシステムである。
【0031】
図1に示すように、この船用主機稼働状態監視システム10は、基本的に、船に搭載される船側システム12と、陸側システム14を構成する監視センタ端末32と、この監視センタ端末32と船側システム12とをインマルサット衛星等を利用して無線通信回線で接続する衛星回線16とから構成されている。
【0032】
船側システム12は、主機18の稼働状態を監視し、主機情報(主機監視情報ともいう。)をそれぞれ出力する複数のセンサ(主機稼働状態監視センサともいう。)20と、船側メールサーバ26と、複数のセンサ20の各主機情報を各センサ20毎に、時系列ファイルとして記録するハードディスクドライブ等の記録部22と、この記録部22と船側メールサーバ26との仲介処理(メールボックスインタフェース)を行う処理部28とを含む主機監視サーバ24と、主機監視サーバ24に接続される航法受信機30とを備えている。
【0033】
ここで主機18の稼働状態を監視するセンサ20としては、主機18の各シリンダのライナ温度センサ、各シリンダ毎の燃焼圧力センサ、各シリンダ毎の圧縮圧力判定センサ、ブレーキホースパワーセンサ、主機回転数センサ(主機回転数監視センサともいう。)、船速センサ、負荷センサ、ターボチャージャー回転数センサ、気化器圧力センサ、燃料消費量センサ、注油量センサ、複数の排気温度センサ等がある。
【0034】
一方、陸側システム14は、主機18の稼働状態を監視するセンサ20中、所望の主機情報を検出するセンサ20をセンサ名等で指定するとともに、指定したセンサ20における監視期間(開始年月日時分−終了年月日時分)および採取周期を指定し、センサ指定と監視期間および採取周期指定とを含む船に対する電子メールである要求メールを生成する監視センタ端末32と、監視センタ端末32からインターネット33を介して船側に電子メールを送出する陸側メールサーバ34とを備えている。
【0035】
陸側メールサーバ34と船側メールサーバ26とは衛星回線16により前記船側宛に要求メールがある場合、リアルタイムかつ自動的に通信回線接続可能となっている。
【0036】
上記の主機監視サーバ24と、船側メールサーバ26と、航法受信機30と、監視センタ端末32と、陸側メールサーバ34とは、それぞれ、プログラムに従って、一連の計算またはデータ処理を自動的に行うコンピュータの機能を有している。
【0037】
そして、船側の処理部28は、陸側の監視センタ端末32からの前記要求メールを解読し、記録部22に記録されている時系列ファイルの中、センサ指定と監視期間および採取周期指定に対応する主機情報を抜き出し、抜き出した主機情報を添付ファイルとする陸側の監視センタ端末32宛の返信メールを作成し、船側メールサーバ26に送付する。船側メールサーバ26は、添付ファイル付き返信メールを衛星回線16、陸側メールサーバ34、インターネット33を介して陸側の監視センタ端末32に送付する。
【0038】
なお、図1例の船用主機稼働状態監視システム10では、船側システム12を1つのシステムとして描いているが、陸側の監視センタ端末32は、複数の船の各船側システム12(それぞれメールアドレスが異なる)の主機稼働状態を同時に監視することができる。
【0039】
次に、上記した実施形態のより詳しい動作について、添付のフローチャートを参照しながら説明する。
【0040】
なお、主機18の稼働状態を監視する情報を船側システム12から陸側の監視センタ端末32に転送する処理としては、下記のケース1−3の3つのケースがあるので、以下、ケース毎に説明する。
【0041】
ケース1:陸側の監視センタ端末32からの要求に対して主機情報を船側に転送する場合(図2、図3)
ケース2:片航海終了時に片航海の主機情報を船側システム12から陸側に転送する場合(図4)
ケース3:警報が発生した場合または警報が解除した場合、その時の情報を船側システム12から陸側に転送する場合(図5)。
【0042】
ケース1の説明
この場合、まず、図2に示す陸側メールサーバ34の処理(船宛のメール着信処理)において、陸側の監視センタ端末32から必要な時期に、主機情報の必要なセンサ名の指定と必要なだけの監視期間(開始年月日時分−終了年月日時分)および監視期間内での必要なだけのデータ採取周期(たとえば1時間)を指定した要求メールを陸側監視センタ端末32で作成しインターネット33を介して陸側メールサーバ34へ転送すると、ステップS101において、この要求メールを陸側メールサーバ34が受信する。
【0043】
次に、ステップS102において、陸側メールサーバ34は、その要求メールが一般の船宛か、あるいは主機稼働状態を監視しようとする船(該船という。)宛なのかを判定する。該船宛のメールであれば、ステップS103において、リアルタイムに陸側メールサーバ34から船側メールサーバ26へダイアルアップし、衛星回線16を確立してその要求メールを自動的に強制送付するメール処理を行う。
【0044】
その一方、ステップS102の判定において、該船宛でないとされれば、ステップS104において、船側への強制送付処理は行わず、船側メールサーバ26から陸側メールサーバ34宛へダイアルアップした際に、陸側のメールを船側メールサーバ26に送付する通常のメール処理を行う。
【0045】
次に、図3に示す船側処理(該船側のメール着信処理)において、ステップS201で、該船側の船側メールサーバ26は、メールを受信する。
【0046】
メールを受信した船側メールサーバ26は、ステップS202において、そのメールの内容が一般メールなのか、あるいは主機情報の要求メールなのかを宛先(アドレス)を見て判定し、一般メールであれば、船側メールサーバ26中の、メールクライアントのメールボックスに投函し、要求メールであれば、処理部28に渡す。
【0047】
処理部28は、要求メールであれば、ステップS203において、その要求内容に記されたセンサ名、監視期間および採取周期に従って、処理部28により記録部22中の所定値(主機の運転が開始したと判断できる回転数の最小値)を上回ったときに記録された時系列ファイルの中から該当する主機情報を抜き出し、さらに、抜き出した主機情報を添付ファイルとして返信メールを生成し、船側メールサーバ26に転送する。
【0048】
船側メールサーバ26は、ステップS204において、この返信メールをリアルタイムに陸側の監視センタ端末32宛に衛星回線16を介して送信する。
【0049】
なお、ステップS202の判定において、主機情報の要求メールでなければ、ステップS205において、通常のメール処理をする。
【0050】
以上説明したように、ケース1の処理では、陸側の監視センタ端末32から、主機18を監視するセンサ20中、監視しようとする、換言すれば主機情報を得ようとするセンサ名と監視期間および採取周期を指定して要求メールを送る。船側の処理部28は、要求メールを解読し、記録部22に記録されている時系列ファイルの中、センサ指定と監視期間および採取周期の指定に対応する主機情報を処理部28により抜き出し、抜き出した主機情報を添付ファイルとする陸側の監視センタ端末32宛の返信メールとして船側メールサーバ26に送付することで、結果として陸側の監視センタ端末32に送付される。
【0051】
このため、陸側の監視センタ端末32で要求メールを作成するだけで、必要な情報(指定監視期間内の指定センサ20の主機情報)だけを自動的に取り込むことができ、結果として通信費を低減することができる。
【0052】
この場合、陸側メールサーバ34が監視センタ端末32から要求メールを受けたときには、船に対する衛星回線16を利用する通信をリアルタイムに確立させて船側メールサーバ26に送付するようにしているので、監視センタ端末32側から必要なときリアルタイムに船側に要求メールを送ることができる。
【0053】
その一方、船側メールサーバ26は、上記の要求メールに対する返信メールを処理部28から受けたとき、陸側メールサーバ34に対する衛星回線16を利用する通信をリアルタイムに確立させ、返信メールを船側メールサーバ26を介して陸側メールサーバ34に送付するようにしているので、陸側の監視センタ端末32で必要とされる主機稼働状態情報をリアルタイムにかつ自動的に監視センタ端末32側に送付することができる。
【0054】
このようにして、必要なとき、自発的に必要な主機稼働状態情報をリアルタイムに陸側システム14の監視センタ端末32で取得することができる。
【0055】
ここで、上記の所定回転数は可変することもできる。この所定回転数の指定あるいは変更は、監視センタ端末32から要求メールにより設定することができる。
【0056】
ケース2の説明
まず、図4に示すステップS301において、GPS(Global Positioning System)衛星等からの電波を航法受信機30により受け、逐次本船(船側システム12を搭載している船)位置を主機監視サーバ24を構成する処理部28に供給する。
【0057】
ステップS302において、処理部28は、本船位置が片航海開始となる緯度または経度を超えたかどうかを判定する。
【0058】
片航海開始となる緯度または経度を超えた場合、ステップS303において、主機18の稼働状態を監視するセンサ20の情報を取り込み、ステップS304において、記録部22中の規定の保管場所に新たな片航海における新たな時系列ファイルとして記録を開始する(片航海の主機情報の抜き出し開始)。
【0059】
次に、ステップS305において、本船位置が片航海終了となる緯度または経度を超えたかどうか(あるいは片航海終了とみなす記録開始からの日数または時間を経過したかどうか)を判定する。
【0060】
超えていない場合(あるいは経過していない場合)には、片航海中と判断して、ステップS303、S304の主機情報取得処理および記録処理を継続する。
【0061】
ステップS305の判定において、片航海終了となる緯度または経度を超えた場合(あるいは片航海終了とみなす記録開始からの日数または時間を経過した場合)、ステップS306において主機情報の記録を停止し、片航海の時系列ファイルを完結する(片航海の主機情報の抜き出し処理終了)。
【0062】
ステップS307において、片航海分の完結時系列ファイルに係る主機情報を生成し、ステップS308において、リアルタイムに主機情報を添付ファイルとするメールを作成し、船側メールサーバ26に渡すことで、船側メールサーバ26から陸側の監視センタ端末32宛にリアルタイムに送信される。このため、監視センタ端末32で、片航海分の完結ファイルを片航海終了時にリアルタイムに取得することができる。
【0063】
また、この図4に示すフローチャートによる処理によれば、船の主機監視サーバ24を構成する処理部28は、航法受信機30から船の位置を入力し、船が予め設定された開始と終了の緯度または経度を超えたかどうかにより、前記船の片航海の開始と終了を判断することで、片航海における時系列ファイルの記録開始と記録終了(ファイルの完結)の時期を容易に決定することができる。なお、片航海の終了については、片航海開始からの日数または時間等を設定することで、その日数または時間等の経過により判断することも可能である。
【0064】
また、処理部28は、航路中に少なくとも2つの海域を設け、前記海域毎に開始と終了の緯度または経度を設定し、前記少なくとも2つの海域を通過したときに、片航海の開始と終了を判断する機能を有することで、同様に、片航海における時系列ファイルの記録開始と記録終了(ファイルの完結)の時期を容易に決定することができる。なお、各海域毎の航海の終了については、各海域の開始からの日数または時間等を設定することで、その日数または時間等の経過により各海域の航海の終了を判断することも可能である。
【0065】
さらに、記録部22に地図情報を記憶しておき、航法受信機30から船の位置を入力したとき、処理部28は、船が予め設定された出港地または仕向地から一定距離内に存在するかどうかを上記地図情報を参照して判断し、この判断結果に基づき、船の片航海の開始と終了を判断する機能を有するようにして、片航海における時系列ファイルの記録開始、記録終了(ファイルの完結)の時期を決定するようにすることもできる。
【0066】
ケース3の説明
この場合、まず、図5のステップS401において、各センサ20から主機情報が処理部28に入力される。
【0067】
そして、ステップS402において、処理部28は、その主機情報の中に警報情報あるいは警報解除情報が含まれていないかを判定する。
【0068】
もし、警報情報あるいは警報解除情報が含まれていると判定した場合、ステップS403において、警報情報あるいは警報解除情報を発生したセンサ20の識別符号と前記警報情報あるいは警報解除情報を含む主機情報を生成し、ステップS404において、リアルタイムに警報情報付き主機情報を添付ファイルとするメールを陸側監視センタ端末32宛に送信する。このようにすれば、陸側監視センタ端末32で、自動的にかつリアルタイムに船の警報情報あるいは警報解除情報を得ることができる。
【0069】
警報情報を受けた監視センタ端末32は、警報情報、いわゆるアラーム情報に関連したセンサ、必要なだけの期間および採取周期のみの主機情報の送信要求をメールにて行うことによって、船側システム12からの主機情報の転送量を極度に少なくでき、かつ主機情報が少ないので監視が容易になると同時に通信費の削減効果が得られる。
【0070】
なお、前記した記録開始の回転数等の所定値、記録開始と終了の緯度または経度(あるいは終了とみなす日数または時間)、海域毎の記録開始と終了の緯度または経度(あるいは終了とみなす日数または時間)、陸側の監視センタ端末32のメールアドレス等は、陸側の監視センタ端末32からの指示で可変して設定することができる。
【0071】
また、この発明は、上述した第1実施形態の船用主機稼働状態監視システム10に限らず、たとえば、図6に示すように、船に備え付けられる設備として主機18の他、冷蔵・冷凍機48等の冷凍サイクルを有する設備(船内空調機も含む。)の稼働状態を、上述した主機18と同様に複数のセンサ50を用いて設備監視サーバ124で監視する船用設備稼働状態監視システム100に適用することができる。
【0072】
船の場合、冷蔵・冷凍機48は、生鮮食料品を輸送するための冷凍コンテナ、および長期洋上生活のために食料を保存する設備として用いられる。
【0073】
冷蔵・冷凍機48は、周知のように、冷気を発生させるために液体冷媒を気化させる蒸発器、蒸発器で気化された冷媒を高温の気体冷媒に圧縮する圧縮機、圧縮された気体冷媒を冷却して液体冷媒にもどす熱交換器とから構成されている。なお、熱交換器の冷却媒体として水が用いられるが、この水は海水を浄水器で真水にした清水が用いられる。
【0074】
そのため、センサ50としては、蒸発器で発生する冷気を検出する温度センサ、圧縮された気体冷媒の圧力を検出する圧力センサ、蒸発器に供給される冷媒の流量を検出する流量センサなどが設けられている。
【0075】
以上詳細に説明したように、上述した第1、第2実施形態によれば、船用電子メールシステムを利用してもLANを構築したものと同様に、陸側から必要な時期に必要な主機情報、あるいは冷蔵・冷凍機情報等を、自動的に、すなわち船の乗組員の介入なしに(手を煩わせることなしに)取得することができるという利点がある。また、船用に設計された電子メールシステムで機能が実現できるので、省通信費が見込めるという効果がある。
【0076】
なお、実際上、各センサ20,50にはローカルな内部時計が備えられており、処理部28は、各センサの内部時計によるローカルな日時を含むセンサ出力情報、すなわち主機情報を、航法受信機30により受信した世界標準時間(UTC:Coordinated Universal Time)で一元化した時系列ファイルを生成するようにしているので、時系列ファイルの取扱(監視センタ端末32からの監視期間の指定等)が容易である。
【0077】
また、衛星回線間の送受信メールのデータは全て自動的に圧縮処理および解凍処理を行うようにすることで、通信時間を短縮して通信コストを低減する等、この明細書の記載内容に基づき種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0078】
この発明は、船に備え付けられている設備中、主機18や冷蔵・冷凍機48など主要部分の設備に適用して好適である。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、自発的な陸側からの指示、あるいは船からの警報情報の受信に応じた陸側からの指示で必要な設備情報だけを陸側で取り込むことができる。すなわち、陸側からの指示で必要なときにリアルタイムに必要な設備情報だけを取り込むことができる。また、船の片航海終了時に、陸側で定期的かつ自動的に船側の設備情報を取り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係る船用主機稼働状態監視システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】陸側から船宛メールを強制送付する手順を説明するフローチャートである。
【図3】船が主機情報要求メールを着信した際の手順を説明するフローチャートである。
【図4】片航海終了時の主機情報添付メールの作成手順を説明するフローチャートである。
【図5】警報発生時の主機情報添付メールの作成手順を説明するフローチャートである。
【図6】この発明の第2実施形態に係る船用設備稼働状態監視システムの全体構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…船用主機稼働状態監視システム 12…船側システム
14…陸側システム 16…衛星回線
18…主機 20,50…センサ
22…記録部 24…主機監視サーバ
26…船側メールサーバ 28…処理部
30…航法受信機 32…監視センタ端末
33…インターネット 34…陸側メールサーバ
48…冷蔵・冷凍機
100…船用設備稼働状態監視システム 124…設備監視サーバ
Claims (12)
- 船に備え付けられている設備の稼働状態を、衛星通信を使用した電子メールシステムを利用して、陸側で監視するシステムであって、
前記船には、
前記設備の稼働状態を監視し、監視している設備の稼働状態を表す情報を設備情報として出力する複数のセンサと、
船側メールサーバと、
前記設備情報を時系列ファイルとして記録する記録部と、この記録部と前記船側メールサーバとの仲介処理を行う処理部とを含む設備監視サーバと
が備えられ、
前記陸側には、
前記センサ中、所望の設備情報を検出するセンサを指定するとともに、指定したセンサにおける監視期間を指定し、前記センサ指定と前記監視期間指定とを含む前記船に対する要求メールを生成する端末と、
前記端末から供給された前記要求メールを前記船側メールサーバに送付する陸側メールサーバと
が備えられ、
前記船側の前記設備監視サーバの処理部は、前記船側メールサーバを経由して得た前記要求メールを解読し、前記記録部に記録されている時系列ファイルの中、前記センサ指定と前記監視期間指定に対応する設備情報を抜き出し、抜き出した設備情報を陸側の前記端末宛の返信メールとして前記船側メールサーバに送付する
ことを特徴とする船の設備稼働状態監視システム。 - 請求項1記載の船の設備稼働状態監視システムにおいて、
前記陸側メールサーバが前記端末から前記要求メールを受けたときには、前記船に対する通信をリアルタイムに確立させ、前記要求メールを前記船側メールサーバに送付する
ことを特徴とする船の設備稼働状態監視システム。 - 請求項1記載の船の設備稼働状態監視システムにおいて、
前記船側メールサーバは、前記返信メールを前記処理部から受けたとき、前記陸側メールサーバに対する通信をリアルタイムに確立させ、前記返信メールを陸側メールサーバに送付する
ことを特徴とする船の設備稼働状態監視システム。 - 請求項1−3のいずれか1項に記載の船の設備稼働状態監視システムにおいて、
前記処理部は、前記センサから出力される設備情報が予め設定された所定値を超えたときに前記記録部に対する記録を開始し、記録開始後、前記所定値を下回ったとき記録を終了して記録ファイルを完結させる機能を有する
ことを特徴とする船の設備稼働状態監視システム。 - 請求項4記載の船の設備稼働状態監視システムにおいて、
前記船には、さらに、航法受信機が備えられ、
前記処理部は、前記航法受信機から前記船の位置を入力し、前記船が予め設定された緯度または経度を超えたかどうかにより、前記船の片航海の開始と終了を判断する機能を有する
ことを特徴とする船の設備稼働状態監視システム。 - 請求項4記載の船の設備稼働状態監視システムにおいて、
前記船には、さらに、航法受信機が備えられ、
前記処理部は、航路中に少なくとも2つの海域を設け、前記海域毎に開始と終了の緯度または経度を設定し、前記少なくとも2つの海域を通過したときに、片航海の終了を判断する機能を有する
ことを特徴とする船の設備稼働状態監視システム。 - 請求項5または6記載の船の設備稼働状態監視システムにおいて、
前記処理部は、片航海終了によって完結された記録ファイルが生成された場合に、前記片航海分の完結記録ファイルを、自動一括送信メールとして、前記船側メールサーバに送付する
ことを特徴とする船の設備稼働状態監視システム。 - 請求項1記載の船の設備稼働状態監視システムにおいて、
前記船には、さらに、航法受信機が備えられ、
前記各センサには、ローカルな内部時計が備えられ、
前記処理部は、前記各センサの前記内部時計によるローカルな日時を含む出力情報を、前記航法受信機により受信した世界標準時間で一元化した前記時系列ファイルを生成する
ことを特徴とする船の設備稼働状態監視システム。 - 請求項1記載の船の設備稼働状態監視システムにおいて、
前記処理部は、前記センサから出力される前記設備情報中に警報情報が含まれているかどうかを判断する機能を有し、警報情報が含まれていると判断したとき、前記警報情報を前記陸側の端末宛の送信メールとして、前記船側メールサーバに送付する
ことを特徴とする船の設備稼働状態監視システム。 - 請求項9記載の船の設備稼働状態監視システムにおいて、
前記処理部は、前記センサから出力される前記設備情報中に前記警報情報の解除情報が含まれているかどうかを判断する機能を有し、解除情報が含まれていると判断したとき、前記解除情報を前記陸側の端末宛の送信メールとして、前記船側メールサーバに送付する
ことを特徴とする船の設備稼働状態監視システム。 - 請求項1−10のいずれか1項に記載の船の設備稼働状態監視システムにおいて、
前記設備が主機である
ことを特徴とする船の設備稼働状態監視システム。 - 請求項1−10のいずれか1項に記載の船の設備稼働状態監視システムにおいて、
前記設備が冷凍サイクルを有する設備である
ことを特徴とする船の設備稼働状態監視システム。
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