JP2004233676A - 対話制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】状態管理部3の対話余裕度判定部12は、車両の走行位置や走行速度等の情報の他、音声認識率や音声認識時のノイズレベル、対話時の応答レスポンスや対話が成立しているか等の情報も利用して利用者の対話に対する余裕度(対話余裕度)を算出する。次に、対話余裕度判定部12は、前回算出した対話余裕度と今回算出した対話余裕度とが同一か否かを判定する。もし、前回算出した対話余裕度と今回算出した対話余裕度とが同一ではない場合、対話シナリオ指定部13は、対話制御部11が用いる対話シナリオの指定を変更する。また、車両の利用者との対話中に対話シナリオが変更されると、入力済みの情報が無駄になるので、対話シナリオ指定部13は、対話シナリオ変更を加味した対話遷移の更新を行う。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の利用者との対話形式により、該利用者の意志を判断するための対話制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の運転者との対話形式により、該運転者の意志を判断するための対話制御装置には、車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、検出された車両の運転状態から運転者の緊張度を判定する緊張度判定手段と、判定された運転者の緊張度に応じて音声標準パターンを切り替えて、入力音声パターンと比較照合させる切替手段とを備え、運転者の緊張度の判定を速やかに行い、この緊張度に応じて音声標準パターンを切り替えることにより、音声標準パターンの切り替えに時間がかからず、運転者の緊張度の変化に速やかに追随して精度の高い音声認識ができるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平09−127979号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に記載されているような従来の装置では、運転者の緊張度に追従して運転者の音声を認識するための音声標準パターンを切り替えることにより、運転者の音声を認識することはできても、運転者が緊張しているために、その発話内容が言語として意味の通じないものであった場合、運転者の意志を判断することができないという問題があった。
すなわち、運転者が緊張している状態で発声した音声には、運転者の意志を判断するに足りる情報が含まれていない場合が多いために、音声を認識することはできても言語としては理解できず、運転者の意志を判断できない場合がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、車両の状況から車両の利用者の余裕度を判断し、利用者に負担をかけずにその意志を判断することができる対話制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明に係る対話制御装置は、車両の利用者からの対話入力に対応して、所定の対話シナリオに沿って前記利用者との対話制御を行う対話制御装置であって、前記利用者が入力を行うための入力手段(例えば実施の形態の音声入力用マイク1、または音声入力用マイク31)と、前記車両の走行状況、または運転状態を検出する車両状態検出手段(例えば実施の形態の車両状態検出装置7、またはナビゲーション装置32)と、所定の対話シナリオに基づき、前記利用者との対話を制御する対話制御手段(例えば実施の形態の対話制御部11、または対話制御部51)と、前記車両状態検出手段の出力に基づいて、前記利用者の対話に対する余裕度を判定する対話余裕度判定手段(例えば実施の形態の対話余裕度判定部12、または対話余裕度判定部52)と、判定された前記利用者の対話に対する余裕度に応じて、前記対話制御手段が用いる対話シナリオを指定する対話シナリオ指定手段(例えば実施の形態の対話シナリオ指定部13、または対話シナリオ指定部53)とを備えたことを特徴とする。
【0007】
以上の構成を備えた対話制御装置は、車両の走行状況、または運転状態を検出した車両状態検出手段の出力に基づいて、対話余裕度判定手段が利用者の対話に対する余裕度を判定し、もし利用者に余裕がないと判定された場合には、対話シナリオ指定手段が、対話制御手段の用いる対話用のシナリオに、余裕がなくても対応できる簡単なシナリオを指定することで、車両の利用者は確実かつ短時間で音声による入力を完了することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の対話制御装置を示すブロック図である。
図1において、音声入力用マイク1は、利用者の音声を入力するための音声入力手段であって、音声入力用マイク1を介して入力された利用者の音声は、音声認識装置2に入力される。
音声認識装置2では、利用者の入力する音声を所定の音声認識辞書と比較して音声認識を行い、認識結果を状態管理部3へ出力する。
【0009】
状態管理部3は、対話シナリオに沿ったガイダンス(音声、画像情報)に従って、音声認識装置2を介した音声入力用マイク1からの音声入力、または操作部(後述するディスプレイ8に備えられたタッチパネル等)からの入力により、車両の利用者に機器操作や情報検索を行わせる処理部であって、対話シナリオや利用者に提供される情報は、情報蓄積部4に記憶されている。
また、音声合成装置5は、利用者との対話において、状態管理部3が出力するガイダンスや利用者へ提供される情報を合成音声により通知する音声合成部であって、音声合成装置5が生成した合成音声はスピーカ6から出力される。
【0010】
また、状態管理部3には、GPS(Global Positioning System )を備えたナビゲーション装置や車両の走行速度を検出する速度センサ、更にはステアリングやブレーキ等に設けられたセンサにより、車両の走行位置や走行速度、利用者の運転操作等を含む車両の走行状況や運転状態を検出する車両状態検出装置7が接続されており、状態管理部3は、随時車両の位置情報や走行速度、運転状態等を取得することができる。
更に、状態管理部3には、利用者との対話において、状態管理部3が出力するガイダンスや利用者へ提供される情報を画像情報として表示すると共に、利用者が必要事項を入力するためのタッチパネルを備えたディスプレイ8や、音声入力時の発話トリガ用スイッチ9が接続されている。
【0011】
また、状態管理部3は、所定の対話シナリオに基づき、利用者との対話を制御する対話制御部11と、車両状態検出装置7により検出された車両の走行状況や運転状態に基づいて、利用者の対話に対する余裕度を判定する対話余裕度判定部12と、判定された利用者の対話に対する余裕度に応じて、情報蓄積部4に記憶された複数の対話シナリオの中から、対話制御部11へ最適な対話シナリオを指定する対話シナリオ指定部13とを含んでいる。なお、対話余裕度判定部12は、車両状態検出装置7により検出された車両の走行位置や走行速度等の情報の他、音声認識装置2における音声認識率や音声認識時のノイズレベル、状態管理部3における対話時の応答レスポンスや対話が成立しているか等の情報も利用して利用者の対話に対する余裕度を判定する。
【0012】
次に、本実施の形態の対話制御装置の基本動作について、図面を参照して説明する。図2は、本実施の形態の対話制御装置の基本動作を示すフローチャートである。
図2において、まず状態管理部3の対話制御部11は、車両の利用者に情報蓄積部4に記憶された対話シナリオに沿ったメニューを表示し、メニューの中から希望の項目を選択させる(ステップS1)。
そして、選択された項目の内容のガイダンスを、音声合成装置5及びスピーカ6による音声、あるいはディスプレイ8による画像表示により対話形式で表示し(ステップS2)、利用者に音声入力用マイク1からの音声入力、またはタッチパネル等の操作部からの入力により、必要事項を入力させる(ステップS3)。
【0013】
次に、対話制御部11は、入力された必要事項の内容が充分か否かを判定し(ステップS4)、まだ必要事項の入力がある場合(ステップS4のNO)、ステップS2へ戻り、上述の動作を繰り返す。
また、ステップS4において、もう必要事項の入力がない場合(ステップS4のYES)、状態管理部3は、車両の利用者が希望する機器操作や情報提供を行う(ステップS5)。
また、利用者に追加操作、または追加情報が必要か否かを入力させ(ステップS6)、追加操作、または追加情報が必要である場合(ステップS6のYES)、ステップS2へ戻り、上述の動作を繰り返す。
一方、ステップS6において、追加操作、または追加情報が必要でない場合(ステップS6のNO)、対話制御装置の動作を終了する。
【0014】
次に、本実施の形態の対話制御装置の対話シナリオ変更動作について、図面を参照して説明する。図3は、本実施の形態の対話制御装置の対話シナリオ変更動作を示すフローチャートである。
図3において、まず、状態管理部3の対話余裕度判定部12は、上述のように、車両の走行位置や走行速度等の情報の他、音声認識率や音声認識時のノイズレベル、対話時の応答レスポンスや対話が成立しているか等の情報も利用して利用者の対話に対する余裕度(対話余裕度)を算出する(ステップS11)。
次に、対話余裕度判定部12は、前回算出した対話余裕度と今回算出した対話余裕度とが同一か否かを判定する(ステップS12)。
【0015】
もし、ステップS12において、前回算出した対話余裕度と今回算出した対話余裕度とが同一である場合(ステップS12のYES)、状態管理部3の対話シナリオ指定部13は、何もせず対話シナリオ変更動作を終了する。
一方、ステップS12において、前回算出した対話余裕度と今回算出した対話余裕度とが同一ではない場合(ステップS12のNO)、対話シナリオ指定部13は、対話制御部11が用いる対話シナリオの指定を変更する(ステップS13)。
また、車両の利用者との対話中に対話シナリオが変更されると、入力済みの情報が無駄になるので、対話シナリオ指定部13は、対話シナリオ変更を加味した対話遷移の更新を行い(ステップS14)、対話シナリオ変更動作を終了する。
【0016】
具体的に説明すると、状態管理部3の対話制御部11は、対話シナリオと共にサービス内容に共通のパラメータ遷移状態を示す情報を管理し、入力がどこまで進んだか、どの入力項目に何が入力されたかを記憶することで、対話シナリオが途中で入れ替わったとしても、その遷移状態や入力項目を参照して、対話の継続を可能とする。
【0017】
次に、状態管理部3の対話余裕度判定部12における具体的な対話余裕度算出方法と、対話シナリオ指定部13により指定された具体的な対話シナリオの例について説明する。
まず、対話余裕度判定部12における対話余裕度算出方法について説明すると、対話余裕度判定部12は、具体的には音声パラメータ、ユーザパラメータ、車両パラメータの3つのパラメータにより対話余裕度を算出する。
【0018】
音声パラメータは、音声認識に関わるパラメータであって、利用者の発話に対する音声認識率の過去所定回数の平均値P[%]と、音声が入力されていない時の車内の騒音レベルを表すノイズレベルN[dB]とから計算される。具体的には、表1に示すように、音声認識率の過去所定回数の平均値P[%]を規定値P1、P2(但し、P1>P2)により3段階の値S1、S2、S3(但し、S1>S2>S3)に変換すると共に、表2に示すように、ノイズレベルN[dB]を規定値N1、N2(但し、N1<N2)により3段階の値SN1、SN2、SN3(但し、SN1>SN2>SN3)に変換し、両者の和(S1〜S3のいずれか+SN1〜SN3のいずれか)を音声パラメータとする。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
また、ユーザパラメータは、対話制御に関わるパラメータであって、状態管理部3による発話誘導ガイダンス終了から利用者の発話入力までの対話時間追従度を表す対話レスポンスの過去所定回数の平均時間Reと、利用者の発話内容が発話誘導ガイダンスの指示に従った内容であるか、対話内容の追従度を表す発話正解率の過去所定回数の平均値Coとから計算される。具体的には、表3に示すように、対話レスポンスの過去所定回数の平均時間Reを規定値Re1、Re2(但し、Re1<Re2)により3段階の値R1、R2、R3(但し、R1>R2>R3)に変換すると共に、表4に示すように、発話正解率の過去所定回数の平均値Coを規定値Co1、Co2(但し、Co1<Co2)により3段階の値C1、C2、C3(但し、C1<C2<C3)に変換し、両者の和(R1〜R3のいずれか+C1〜C3のいずれか)をユーザパラメータとする。
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
また、車両パラメータは、車両に関わるパラメータであって、車両の走行速度V[km/h]と、車両が走行する道路の種別を表す走行道路Wと、車両のステアリングの操舵頻度SRとから計算される。具体的には、表5に示すように、車両の走行速度V[km/h]を規定値Ve1、Ve2(但しVe1<Ve2)により、3段階の値V1、V2、V3(但し、V1>V2>V3)に変換すると共に、表6に示すように、走行道路W(但しW1<W2<W3)として3種類の道路を定義する。また、表7に示すように、操舵頻度SRを規定値SR1、SR2(但し、SR1<SR2)により、3段階の値ST1、ST2、ST3(但し、ST1>ST2>ST3)に変換し、全ての項目の和(V1〜V3のいずれか+W1〜W3のいずれか+ST1〜ST3のいずれか)を車両パラメータとする。
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】
【表7】
【0028】
そして、下記(1)式により余裕度Kを算出すると共に、表8に示すように、余裕度Kを規定値a1、a2(但し、a1>a2)により判定し、3種類の対話シナリオA(余裕度大、多数語同時入力、情報量大)、対話シナリオB(余裕度中、少数語同時入力、情報量中)、対話シナリオC(余裕度小、逐次入力、情報量小)のいずれが最適であるかを判定する。
K=「音声パラメータ」+「ユーザパラメータ」+「車両パラメータ」 ・・・(1)
【0029】
【表8】
【0030】
次に、3種類の対話シナリオA、B、Cの具体例について説明する。
表9は、航空券予約における対話シナリオAの具体例であって、5語を同時入力する場合の対話シナリオである。
【表9】
【0031】
表10は、航空券予約における対話シナリオBの具体例であって、2語を同時入力する場合の対話シナリオである。
【0032】
【表10】
【0033】
表11は、航空券予約における対話シナリオCの具体例であって、言葉を逐次入力する場合の対話シナリオである。
【0034】
【表11】
【0035】
同様に、表12は、車両の機器操作における対話シナリオAの具体例であって、4語を同時入力する場合の対話シナリオである。
【0036】
【表12】
【0037】
表13は、車両の機器操作における対話シナリオBの具体例であって、2語を同時入力する場合の対話シナリオである。
【0038】
【表13】
【0039】
表14は、車両の機器操作における対話シナリオCの具体例であって、言葉を逐次入力する場合の対話シナリオである。
【0040】
【表14】
【0041】
以上説明したように、本実施の形態の対話制御装置は、車両の走行状況、または運転状態を検出した車両状態検出装置7の出力に基づいて、対話余裕度判定部12が利用者の対話に対する余裕度を判定し、もし利用者に余裕がないと判定された場合には、対話シナリオ指定部13が、対話制御部11で用いる対話用のシナリオに、余裕がなくても対応できる簡単なシナリオを指定することで、車両の利用者は確実かつ短時間で音声による入力を完了することができる。
【0042】
従って、車両の状況から車両の利用者の余裕度を判断し、利用者に負担をかけずにその意志を判断することができるようになるという効果が得られる。また、利用者は、状態に応じた対話により違和感が軽減され、確実かつ短時間で音声による入力を完了することができ、快適な対話入力が可能になるという効果が得られる。
【0043】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態の対話制御装置を示すブロック図である。第2の実施の形態の対話制御装置は、第1の実施の形態の対話制御装置が車両側のみに設けられた装置で構成されていたのに対して、音声を認識する装置と対話を制御する装置とが、車両と無線通信により接続される情報センタ側に設けられることを特徴とする。
図4において、音声入力用マイク31は、車両20側に設けられ、車両20の利用者の音声を入力するための音声入力手段であって、音声入力用マイク31を介して入力された利用者の音声は、ナビゲーション装置32に入力される。
【0044】
また、ナビゲーション装置32は、利用者とのインタフェース機能を備えると共に、GPS(Global Positioning System )や車両20の走行速度を検出する速度センサ、更にはステアリングやブレーキ等に設けられたセンサ等を備え、車両20の走行位置や走行速度、利用者の運転操作等を含む車両20の走行状況や運転状態を検出する車両状態検出装置であって、ナビゲーション装置32は、随時車両20の位置情報や走行速度、運転状態等を取得することができる。
【0045】
また、ナビゲーション装置32には、通信装置33やスピーカ34、更には利用者が必要事項を入力するためのタッチパネルを備えたディスプレイ35が接続され、音声入力用マイク31から入力された利用者の音声、またはタッチパネル等の操作部からの入力内容は、情報センタと無線通信回線を接続可能な通信装置33を介して情報センタ21へ送信され、一方、通信装置33が情報センタ21から受信した対話シナリオに沿ったガイダンス(音声、画像情報)や利用者へ提供される情報(音声、画像情報)は、ナビゲーション装置32を介して、音声はスピーカ34から出力され、画像情報はディスプレイ35に表示される。なお、ナビゲーション装置32には、利用者との対話において、音声入力時の発話トリガ用スイッチ36も接続されている。
【0046】
一方、車両20と無線通信により接続される情報センタ21には、車両20と無線通信回線を接続可能な通信装置41が設けられ、通信装置41を介して車両20から受信した利用者の音声は、音声認識装置42に入力される。音声認識装置42では、車両20から受信した利用者の音声を所定の音声認識辞書と比較して音声認識を行い、認識結果を状態管理部43へ出力する。
【0047】
また、状態管理部43は、対話シナリオに沿ったガイダンス(音声、画像情報)に従って、通信装置41と音声認識装置42を介した車両20からの音声入力、または通信装置41で受信した車両20の操作部(タッチパネル等)からの入力により、車両20の利用者に機器操作や情報検索を行わせる処理部であって、対話シナリオや利用者に提供される情報は、情報蓄積部44に記憶されている。なお、情報センタ21は複数の車両20と無線通信回線を接続できる。
【0048】
更に、状態管理部43について詳細に説明すると、状態管理部43は、所定の対話シナリオに基づき、利用者との対話を制御する対話制御部51と、車両20より受信した車両の走行状況や運転状態に基づいて、利用者の対話に対する余裕度を判定する対話余裕度判定部52と、判定された利用者の対話に対する余裕度に応じて、情報蓄積部44に記憶された複数の対話シナリオの中から、対話制御部51へ最適な対話シナリオを指定する対話シナリオ指定部53とを含んでいる。なお、対話余裕度判定部52は、車両20より受信した車両の走行位置や走行速度等の情報の他、音声認識装置42における音声認識率や音声認識時のノイズレベル、状態管理部43における対話時の応答レスポンスや対話が成立しているか等の情報も利用して利用者の対話に対する余裕度を判定する。
【0049】
また、音声合成装置45は、車両20の利用者との対話において、状態管理部43が出力するガイダンスや利用者へ提供される情報を合成音声により通知する音声合成部であって、音声合成装置45が生成した合成音声は、通信装置41を介して車両20へ送信されると共に、車両20において通信装置33により受信され、ナビゲーション装置32を介してスピーカ34から出力される。
【0050】
次に、本実施の形態の対話制御装置の動作について説明すると、本実施の形態の対話制御装置の動作は、車両20の利用者の音声が無線通信により情報センタ21へ送信されて音声認識されると共に、対話シナリオにそったガイダンスや利用者へ提供される情報に関する合成音声や画像情報が情報センタ21から車両20へ送信されて利用者に対して出力されることを除き、第1の実施の形態の対話制御装置と基本的には変わりがない。
【0051】
すなわち、本実施の形態の対話制御装置の基本動作は、まず情報センタ21に設けられた状態管理部43の対話制御部51が、車両20へ情報蓄積部44に記憶された対話シナリオに沿ったメニューを送信すると共に、車両20のナビゲーション装置32が受信したメニューを利用者に表示してメニューの中から希望の項目を選択させる。
そして、対話制御部51は、選択された項目の内容を通信装置41を介して受信すると共に、その内容のガイダンスを、同様に車両20へ送信し、ナビゲーション装置32が音声、あるいは画像表示により対話形式で表示する。そして、利用者に音声入力用マイク31からの音声入力、またはタッチパネル等の操作部からの入力により、必要事項を入力させる。
【0052】
次に、対話制御部51は、入力された内容を通信装置41を介して受信すると共に、入力された必要事項の内容が充分か否かを判定し、まだ必要事項の入力がある場合は利用者に必要事項を入力させる。
また、もう必要事項の入力がない場合、状態管理部43は、通信装置41を介して、車両20へ利用者が希望する機器操作を指示したり、利用者が希望する情報を送信し、利用者に情報提供を行う。
また、利用者に追加操作、または追加情報が必要か否かを入力させ、追加操作、または追加情報が必要である場合、上述の動作を繰り返す。一方、追加操作、または追加情報が必要でない場合、対話制御装置の動作を終了する。
【0053】
一方、本実施の形態の対話制御装置の対話シナリオ変更動作は、まず、状態管理部43の対話余裕度判定部52は、上述のように、車両の走行位置や走行速度等の情報の他、音声認識率や音声認識時のノイズレベル、対話時の応答レスポンスや対話が成立しているか等の情報も利用して利用者の対話に対する余裕度(対話余裕度)を算出する。
次に、対話余裕度判定部52は、前回算出した対話余裕度と今回算出した対話余裕度とが同一か否かを判定する。
【0054】
もし、前回算出した対話余裕度と今回算出した対話余裕度とが同一である場合、状態管理部43の対話シナリオ指定部53は、何もせず対話シナリオ変更動作を終了する。
一方、前回算出した対話余裕度と今回算出した対話余裕度とが同一ではない場合、対話シナリオ指定部53は、対話制御部51が用いる対話シナリオの指定を変更する。
また、車両の利用者との対話中に対話シナリオが変更されると、入力済みの情報が無駄になるので、対話シナリオ指定部53は、対話シナリオ変更を加味した対話遷移の更新を行い、対話シナリオ変更動作を終了する。
【0055】
従って、本実施の形態の対話制御装置でも、対話余裕度判定部52により車両20の利用者の対話に対する余裕度を判定し、対話シナリオ指定部53が、判定された余裕度に基づいた対話シナリオを対話制御部51へ指定することで、もし利用者に余裕がなくても簡単なシナリオを指定することで、車両の利用者は確実かつ短時間で音声による入力を完了し、利用者に負担をかけずにその意志を判断することができる。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態の対話制御装置は、車両の走行状況、または運転状態を検出したナビゲーション装置32の出力に基づいて、対話余裕度判定部52が利用者の対話に対する余裕度を判定し、もし利用者に余裕がないと判定された場合には、対話シナリオ指定部53が、対話制御部51で用いる対話用のシナリオに、余裕がなくても対応できる簡単なシナリオを指定することで、車両の利用者は確実かつ短時間で音声による入力を完了することができる。
【0057】
従って、車両の状況から車両の利用者の余裕度を判断し、利用者に負担をかけずにその意志を判断することができるようになるという効果が得られる。また、利用者は、状態に応じた対話により違和感が軽減され、確実かつ短時間で音声による入力を完了することができ、快適な対話入力が可能になるという効果が得られる。
また、情報センタ側に音声認識装置42や状態管理部43、更には情報蓄積部44を設けることで、車両20側の装置の負担を減らして車両20の組立コストや部品コストを削減し、個々の車両に情報蓄積部等を設ける場合よりも総合的なコストを削減することができるという効果が得られる。
【0058】
なお、上述の第1、第2の実施の形態では、対話余裕度判定部12または対話余裕度判定部52が判定する車両の利用者の対話に対する余裕度に基づいて、対話シナリオ指定部13または対話シナリオ指定部53が、対話制御部11または対話制御部51の用いる対話シナリオを指定する例について説明したが、利用者が対話制御部11または対話制御部51が表示するメニューに基づいて、利用者が余裕度や読み上げ速度、認識候補表示数等、対話パラメータを設定したり、対話シナリオをマニュアルで設定するようにしても良い。
【0059】
【発明の効果】
以上の如く、本発明の対話制御装置によれば、利用者に対話を行う余裕がないと判定された場合には、対話シナリオ指定手段が、対話制御手段の用いる対話用のシナリオに、余裕がなくても対応できる簡単なシナリオを指定することで、車両の利用者は確実かつ短時間で音声による入力を完了することができる。
【0060】
従って、利用者に負担をかけずにその意志を判断することができるようになるという効果が得られると共に、利用者は、状態に応じた対話により違和感が軽減され、確実かつ短時間で音声による入力を完了することができ、快適な対話入力が可能になるという効果が得られる。
また、車両と無線通信により接続される情報センタ側に装置の一部を構成することで、車両側の装置の負担を減らして車両の組立コストや部品コストを削減し、個々の車両に装置全てを設ける場合よりも総合的なコストを削減することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の対話制御装置を示すブロック図である。
【図2】同実施の形態の対話制御装置の基本動作を示すフローチャートである。
【図3】同実施の形態の対話制御装置の対話シナリオ変更動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態の対話制御装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、31 音声入力用マイク(入力手段)
2、42 音声認識装置
3、43 状態管理部
4、44 情報蓄積部
5、45 音声合成装置
6、34 スピーカ
7 車両状態検出装置(車両状態検出手段)
8、35 ディスプレイ
9、36 発話トリガ用スイッチ
11、51 対話制御部(対話制御手段)
12、52 対話余裕度判定部(対話余裕度判定手段)
13、53 対話シナリオ指定部(対話シナリオ指定手段)
20 車両
21 情報センタ
32 ナビゲーション装置(車両状態検出手段)
33、41 通信装置
Claims (1)
- 車両の利用者からの対話入力に対応して、前記利用者との対話制御を行う対話制御装置であって、
前記利用者が入力を行うための入力手段と、
前記車両の走行状況、または運転状態を検出する車両状態検出手段と、
所定の対話シナリオに基づき、前記利用者との対話を制御する対話制御手段と、
前記車両状態検出手段の出力に基づいて、前記利用者の対話に対する余裕度を判定する対話余裕度判定手段と、
判定された前記利用者の対話に対する余裕度に応じて、前記対話制御手段が用いる対話シナリオを指定する対話シナリオ指定手段と
を備えたことを特徴とする対話制御装置。
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