JP2004232796A - パイプ支持バンドの仮止め具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パイプPを抱持する2つ割バンド本体1、1の一対の取付片部11、11で建屋に固設される足部材2を挟み込み、ボルト3及びナット4で一対の取付片部11、11を上記足部材2に固着するパイプ支持バンドの仮止め具5であって、一方の取付片部11、11の片面に添装される取付ベース50と、この取付ベース50の側辺部より切欠かれ上記添装状態で前記貫通孔12に対応する位置にまで延びるボルト係止用切欠部51と、上記取付ベース50の上端及び/又は下端から略垂直方向に延設され、他方の取付片部11に係止する係止爪52aを設けた片部52とよりなり、上記ボルト係止用切欠部51の切欠幅寸法がボルト軸部31の山径よりやや小さく且つ谷径よりやや大きく設定されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の壁面、天井面等に沿って配設されるパイプを抱持支承するパイプ支持バンドの仮止め具に関し、詳しくは、パイプを抱持する2つ割バンド本体の一対の取付片部で足部材を挟み込み、ボルト、ナットで両者を固着するパイプ支持バンドの仮止め具に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1は、本出願人が先に提案したパイプ支持バンド用仮止め具の一例を示すものである。この従来技術によれば、マンション等の高層建築物の壁面等に沿って、縦樋等のパイプを配設するに際し、基部が互いにヒンジ結合された2つ割りのバンド本体をパイプの周体に抱持させ、各バンド本体の先端に形成された取付片部を、壁面等に取付けられた足部材を挟み込むように重合させ、且つ後記する仮止め具を添装して、これらを一体的にボルト・ナットで締結することにより壁面等への配設がなされる。
【0003】
上記仮止め具は板金材等からなり、一方の取付片部の片面に添装される取付ベースと、その上下端部から垂直に延設された互いに並行な上下一対の片部とより構成される。この片部には一方の取付片部及び他方の取付片部にそれぞれ係止する2種の係止爪を備え、また、取付ベースには取付片部に開設されたボルト用貫通孔に対応する位置に、開口径がボルト軸部の山径よりやや小さく且つ遠心方向の切込み部を備えたボルト挿通孔が設けられている。
【0004】
このような仮止め具を用いて、上記バンド本体によりパイプを建屋の壁面等に配設する場合、予め、取付ベース側の上記係止爪を一方の取付片部に係止させて取付ベースをこの取付片部の片面に添装させ、ボルトを取付ベースに形成された上記ボルト挿通孔に圧入させると共に取付片部に開設された貫通孔に貫挿させておく。次いで、壁面等に取付けられた上記足部材の貫通孔(長孔)に上記ボルトを挿通させ、パイプの周体に2つ割りバンド本体を抱持させる。そして、他方の取付片部を、上記もう一方の係止爪に係止させつつ、この取付片部に開設された貫通孔に上記ボルトを貫挿させ、該ボルトにナットを螺合させて上記締結固着がなされる。
【0005】
上記のような仮止め具を用いたパイプの配設作業においては、取付ベースに形成されたボルト挿通孔の開口径がボルト軸部の山径より小さくされているから、このボルト挿通孔及び上記貫通孔にボルトを貫挿させた状態では、その抜けが防止され、作業中ボルトから手を離しても、ボルトが抜け出して落下するような懸念がない。また、片部に形成された2種の係止爪により、足部材を挟みこんだ状態で両バンド本体の取付片部が重合状態に維持されるから、ナットの締付前においてバンド本体から手を離してもバンド本体が外れることがない。従って、作業者は両手がフリーとなり、パイプを抱持しながらのボルト・ナットの締付作業を効率よく行うことができる。特に、マンション等の高層建築物の危険な高所作業を伴う建築現場においては、このような作業性の良さは安全性の点でも極めて高く評価されている。
【0006】
【特許文献1】
特許第3364468号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなパイプ支持バンドの仮止め具は、パイプ配設作業の作業効率を飛躍的に向上させ、また作業の安全性の面でも高く評価されているが、次のような問題点も指摘されるようになった。即ち、取付ベースに形成されたボルト挿通孔の開口径が、ボルト軸部の山径よりやや小さくされているから、この挿通孔にボルトを挿通させる際には、ボルトを叩き込むよう圧入する必要がある。仮止め具がバネ鋼のような板金材からなる場合は、上記ボルト挿通孔が穿孔によって形成されるため、その開口縁部が鋭利となっており、そのため、上記圧入の際にこの鋭利な開口縁部によってボルトのねじ山が損耗することがあり、これがその後のナットの螺合締付作業に支障を来して締付不能となったり、或いは締付強度を低下させる原因となっていた。
【0008】
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、ボルトの挿通の際にそのねじ山が損耗することなく、しかも挿通後の上記配設作業において、ボルトが抜け落ちることなく作業効率の向上を図ることができるパイプ支持バンドの仮止め具を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係るパイプ支持バンドの仮止め具は、パイプを抱持する2つ割バンド本体の一対の取付片部で建屋に固設される足部材を挟み込み、この一対の取付片部及び足部材にはボルトの軸部を挿通する1以上の貫通孔が各々開設され、上記ボルト及びナットで一対の取付片部を上記足部材に固着するパイプ支持バンドの仮止め具であって、一方の取付片部の片面に添装される取付ベースと、この取付ベースの側辺部より切欠かれ上記添装状態で前記貫通孔に対応する位置にまで延びるボルト係止用切欠部と、上記取付ベースの上端及び/又は下端から略垂直方向に延設され、他方の取付片部に係止する係止爪を設けた片部とよりなり、上記ボルト係止用切欠部の切欠幅寸法がボルト軸部の山径よりやや小さく且つ谷径よりやや大きく設定されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の仮止め具をばね鋼等の板金材で得る場合、上記ボルト係止用切欠部は打ち抜きにより形成され、また片部或いは係止部は、曲げ或いは切起こし加工によって形成される。
【0011】
このような構成の仮止め具を用いて建屋の壁面等にパイプの配設を行う場合、予め、ボルトの軸部をボルト係止用切欠部の切欠開口部より横移動させて係止させる。この場合、ボルト係止用切欠部の切欠幅寸法がボルト軸部の山径よりやや小さく且つ谷径よりやや大きく設定されているから、切欠部の切欠縁部がボルト軸部の谷部に嵌り込むようになるから、この規制によりボルトの軸方向の動きが阻止される。この状態で取付ベースを一方の取付片部の片面に添装させると共に、ボルトの軸部を取付片部に開設された貫通孔に貫挿させておく。次いで、壁面等に取付けられた上記足部材の貫通孔(長孔)に上記ボルトを挿通させ、パイプの周体に2つ割りバンド本体を抱持させる。そして、他方の取付片部を、上記係止爪に係止させつつ、この取付片部に開設された貫通孔に上記ボルトを貫挿させ、該ボルトにナットを螺合させて各部材の締結固着がなされる。
【0012】
斯かる配設作業において、ボルト係止用切欠部にボルトを係止させる場合、ボルトの軸部をボルト係止用切欠部の切欠開口部より横移動させて係止させるので、ボルトのねじ山に何等衝撃がかからず、ねじ山部分が損耗することがない。しかも、切欠部の切欠縁部がボルト軸部の谷部に嵌り込むようになるから、この規制によりボルトの軸方向の動きが阻止され、ボルトが抜け出すこともない。
【0013】
請求項2の発明に係るパイプ支持バンドの仮止め具は、上記ボルト係止用切欠部に代え、取付ベースに形成されたボルト挿通孔と、このボルト挿通孔に連なり上記添装状態で前記貫通孔に対応する位置にまで延びるボルト係止用長孔部分とよりなるものを採用し、この長孔部分の開口幅寸法をボルト軸部の山径よりやや小さく且つ谷径よりやや大きく設定している。
【0014】
この構成によれば、先ずボルト挿通孔にボルトの軸部を挿通させ、その後長孔部分内を横移動させる。この場合、長孔部分の開口幅寸法がボルト軸部の山径よりやや小さく且つ谷径よりやや大きく設定されているので、上記同様長孔部分の開口縁部がボルト軸部の谷部に嵌り込むようになり、ボルトのねじ山を損耗させるようなストレスがかからず、この規制によりボルトの軸方向の動きが阻止され、ボルトが抜け出すこともない。
【0015】
請求項3の発明に係るパイプ支持バンドの仮止め具は、取付ベースの側辺部より切欠かれ上記添装状態で前記貫通孔に対応する位置にまで延びるボルト係止用切欠部の近傍に、挿通されたボルトの頭部をその頂面から押さえる頭部押え部を設けることによりボルトの抜け出しを防止せんとするものである。即ち、ボルトを切欠部内に横移動させれば、ボルトの頭部は、ボルト係止用切欠部の近傍に設けられた頭部押え部により押さえられるから、ボルトのねじ山を損耗させるようなストレスがかからず、ボルトの抜け出しも防止される。
【0016】
請求項4の発明に係るパイプ支持バンドの仮止め具は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、上記片部は、上記取付ベースの上端及び下端から、略並行に各々延設された一対の上片部及び下片部で構成されていることを特徴とし、これにより、他方の取付片部を上下の係止爪で係止し、その仮止めを確実にできる。
【0017】
請求項5の発明に係るパイプ支持バンドの仮止め具は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、上記片部には、取付ベースとにより上記一方の取付片部を把持する第2の係止爪が更に設けられていることを特徴とする。従って、取付ベースを一方の取付片部に添装する際、この第2の係止爪が一方の取付片部に係止され、取付ベースが一方の取付片部から外れ落ちることを防止できる。
【0018】
請求項6の発明に係るパイプ支持バンドの仮止め具は、上記ボルト係止部(ボルト係止用切欠部又はボルト係止用長孔部分)の外側にボルト頭部の廻り止め部が形成されていることを特徴とする。これによれば、ナットを締め付ける際に、ボルトの頭部が廻り止め部によりその回動が規制され、いわゆる共廻りが生じないから、ナットを回転操作するだけで足部材を挟み込んだ一対の取付片部を容易且つ素早く締め付けでき、作業効率を更に高めることができる。
【0019】
請求項7の発明に係るパイプ支持バンドの仮止め具は、請求項1乃至6のいずれかにおいて、上記取付ベースの取付片部又は足部材添装面側に隆起突部が形成されていることを特徴とする。このような。隆起突部は、ボルト係止部の周辺部分に形成することが望ましく、ボルト・ナットにより締結したとき、この隆起突部が取付ベースと取付片部間或いは取付ベースと足部材間に存在することになるから、締結時の締付力によりこの隆起突部に圧縮力が作用する。従って、その反力が皿ばね或いはスプリングワッシャのような機能を奏し、ボルトの緩みを抑制する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るパイプ支持バンドの仮止め具の実施形態を図面に基づき説明する。図1は本発明に係るパイプ支持バンドの仮止め具を用いたパイプ固定要領を示す分解斜視図、図2は本発明に係る仮止め具の第1の実施形態を示す斜視図、図3は同取付要領を示す縦断面図である。
【0021】
図1におけるパイプ支持バンドAは、一般的な従来品であり、図中想像線で示すパイプPを抱持すべく、基部がヒンジピン10を介して結合され開閉する2つ割バンド本体1、1の先側一対の取付片部11、11で、基端を建屋の壁面等に固定した足部材2の足本体21を挟み込み、両者をボルト3とナット4で締結固着するようにしている。一対の取付片部11、11には、互いに対応する位置に、ボルト3の軸部31を挿通する2個の貫通孔12、12が開設され、足部材2の足本体21には、ボルト3の軸部31を挿通する貫通孔としての長孔22が開設されている。
【0022】
パイプ支持バンドAは、図1のようにパイプPの周体に2つ割バンド本体1、1をして抱持され、一対の取付片部11、11を足部材2の足本体21を挟み込むようにして重合させ、ボルト3及びナット4により取付片部11、11が足部材2に締結・固着されるが、この締結・固着の際に本発明の仮止め具5が使用される。
【0023】
図例の仮止め具5は、ばね鋼、ステンレス板、アルミ板、銅板等の板金材からなり、一方の取付片部11、11の片面に添装される取付ベース50と、この取付ベース50にその側辺部から上記2つの貫通孔12、12と対応する位置にまで延びるよう切欠き形成されたボルト係止用切欠部51、51と、この取付ベース50の上端及び下端から略垂直方向に延設され、他方の取付片部11に係止する係止爪52a、52aを先端に設けた片部52、52とにより基本的に構成されている。
【0024】
上記ボルト係止用切欠部51、51の切欠幅寸法dは、ボルト軸部31の山径よりやや小さく且つ谷径よりやや大きく設定されている。片部52、52の取付ベース50側に、取付ベース50が添装される取付片部11に係止する第2の係止爪52b、52bが切起こし形成されている。また、取付ベース50には、ボルト係止用切欠部51、51の近傍位置にボルト頭部32の側辺に当接するボルト3の廻り止め部54…が折曲げ形成されている。更に、取付ベース50の取付片部11側面であってボルト係止用切欠部51、51の周辺部に複数の隆起突部58…が形成されている。
【0025】
このような仮止め具5を用い、パイプ支持バンドAによりパイプPを建屋の壁面(不図示)に配設する要領について、図1及び図3に基づき説明する。先ず、図3(a)に示すように、仮止め具5のボルト係止用切欠部51にボルト3の軸部31をその切欠開口部より横移動させて係止させる。この場合、ボルト係止用切欠部51の上記切欠幅寸法dは、ボルト軸部31の山径よりやや小さく且つ谷径よりやや大きくされているから、ボルト係止用切欠部51の切欠縁部がボルト軸部31の谷部に嵌り込むように移動して、ボルト3が所定の位置に係止される。この係止によってボルト3が抜け落ちることがなく、しかもボルト3のねじ山には何等衝撃がかからないから、ねじ山部が損耗するようなことがない。
【0026】
次いで、図1のようにパイプPの周体に仮抱持させた2つ割バンド本体1、1の一方の取付片部11に、仮止め具5を係止させる。即ち、図3(b)に示すように、取付片部11に開設された貫通孔12にボルト3の軸部31を挿通させながら、第2の係止爪52b、52bを押し開くようにして取付ベース50を取付片部11の片面側に添装させる。この状態では、取付ベース50の裏面と弾性復元した第2の係止爪52b、52bとにより、取付片部11が挟まれるようになり、仮止め具5は手離しても脱落する懸念なく取付片部11に安定的に係止される。また、このような係止状態においては、ボルト3の軸部31は取付片部11の貫通孔12により規制されるから、その横方向の移動も阻止される。この状態で施工現場等に持ち込まれる。
【0027】
更に、図3(c)に示すように、足部材2の長孔22にボルト3の軸部31を挿通させ、引き続き、他方の取付片部11をその貫通孔12にボルト3の軸部31を挿通させながら、係止爪52a、52aを押し開くようにして足本体21の片面側に添装するよう押し込む。この状態では、係止爪52a、52aが、弾性復元して、上記他方の取付片部11の外面側に当接するよう位置するから、この取付片部11及び足本体21が外れることがなく、取付片部11、11及び足本体21の重合状態が維持される。尚、他方の取付片部11を重合させる作業において、上記2つ割バンド本体1、1の一方が上下にずれていることがあるが、このような場合でも、ボルト3の軸部31がボルト係止用切欠部51による支持部を支点として揺動が許容されているから、ボルト軸部31の貫通孔12への誘導がし易く、作業が効率的になされる。
【0028】
上記のように重合状態を維持した状態で、図3(c)に示すように、ナット4をボルト3の軸部31に螺装締結がなされる。この場合、取付片部11、11及び足本体21は、仮止め具5およびボルト3により重合状態が維持されており、しかもボルト3の頭部32が廻り止め部54に当接してその廻り止め(共廻り止め)がなされているから、作業者は、その両手をパイプPの抱持とナット4の締付操作に供することができ、極めて安全且つ効率的にその作業を行うことができる。
【0029】
上記のような締結作業によって、パイプ支持バンドAはパイプPを抱持し、この先側の取付片部11、11が足本体21を挟み込むように足部材2に締結固着される。ボルト3及びナット4による締結状態では、上記隆起突部58…が取付ベース50と取付片部11との間に挟圧状態で介在されることになるから、この隆起突部58…の復元反力により、皿ばね或いはスプリングワッシャのような機能が発現され、取付片部11、11及び足本体21の強固な緊合重合状態が維持される。
【0030】
図4(a)〜(f)は、ボルト係止用切欠部51の種々の形成態様を示すものであり、図4(a)のボルト係止用切欠部51aは、取付ベース50の側辺部から開口幅dで切欠かれ、最奥部の径がdの半円部分がボルトの係止部とされる。ボルトの軸部はこの切欠開口部から横移動されてボルト係止用切欠部51aに挿入されて、最奥部の半円部分に至り上記のように軸方向の抜けが阻止された状態で係止される。
【0031】
図4(b)のボルト係止用切欠部51bは、上記同様切欠かれ最奥部にはボルトの山径より小さいが上記dよりやや大きい径d1の円形部分がボルトの係止部とされる。この場合、上記と同様にボルトの軸部が挿入されるが、一旦この円形部分にボルト軸部が収まると、ボルトの軸方向の抜けが防止される上に、横移動も拘束されることになる。
【0032】
図4(c)のボルト係止用切欠部51cは、(a)のボルト係止用切欠部51aに加え、切欠対向内辺部に小突起を設け、最奥部の係止部に係止されているボルトの横移動を規制せんとするものである。図4(d)(e)(f)のボルト係止用切欠部51d、51e、51fは、最奥部の係止部に遠心方向の切込みを形成したものである。このような切込みが形成されている場合、ボルト軸部の谷部に対する係止位置が少し軸部の先側であっても、ナットによる締付の際に係止位置の頭部側への移動を許容し、その締付強度の低下を防止することができる。
【0033】
図5は、取付ベース50に形成されるボルト係止手段の第2の実施形態を示すものであり、ボルト挿通孔53と、このボルト挿通孔53に連なり上記添装状態で前記取付片部の貫通孔に対応する位置にまで延びるボルト係止用長孔部分53aとよりなる。ボルト挿通孔53の径d2はボルト軸部の山径より大とされ、また長孔部分53aの幅寸法dは、上記と同様ボルト軸部の山径よりやや小さく且つ谷径よりやや大とされている。従って、ボルトの軸部をボルト挿通孔53に挿通し、その後長孔部分53aに沿って横方向(図では左方向)に移動させると、長孔部分53aの開口縁部がボルト軸部の谷部に嵌り込み、ボルトは軸方向への抜けが阻止される状態で長孔部分53aに係止される。
【0034】
図6(a)(b)(c)は、上記ボルトの廻り止め部54の変形例を示す。図6(a)の廻り止め部54aは、取付ベース50に2条の切込みを入れ、絞り加工によりブリッジ状に隆起させたものである。図6(b)の廻り止め部54bは、取付ベース50に切起こし加工を施し舌片状に形成したものである。図例の廻り止め部54bは斜めに切起こされたものであるが、取付ベース50に対して略垂直に切起こされたものであってもよい。また、図6(c)の廻り止め部54cは、取付ベース50の上下辺部を断面半円形の突状に曲成したものである。
【0035】
これら廻り止め部54a、54b、54cは、ボルト係止用切欠部51にボルトを係止した状態では、ボルト頭部の側部が当接し、ナットの螺装締結作業時において、ボルトの共廻りを阻止するべく機能する。図例ではいずれも上下一対形成した例が示されているが、いずれか一方のみとすること、或いは3個以上設けることも可能である。形状も図例のものに限定されず他の形状も採用可能である。
【0036】
図2において、2点鎖線で示す部分55、55は、上記ボルト3及びナット4による締結後、上下片部52、52を含んで破断除去する為に形成された破断促進部を示す。本発明に係る仮止め具5は、上記のように取付片部11、11をボルト3及びナット4により足部材2に重合固着させる際に、文字通りこれら部材同士を仮止めする為に用いられるもので、元来重合固着後は不要とされるものである。しかも、その構造上、特に上下の片部52、52が突出するため、これに手などを引っ掛けて怪我をする恐れがあり、また仮止め具5が目立ち見映えもよくない。更に、雨水が溜まり易く、錆の原因ともなり、劣化が促進されることにもなる。
【0037】
上記破断促進部55、55は、このような難点を極力払拭する為に形成されたもので、図7(a)〜(h)は、その種々の形成態様を示すものである。図7(a)の破断促進部55aは、取付ベース50の肉厚を線状に薄くする小凹溝によってその幅方向全幅に亘って形成されたものであり、図7(b)の破断促進部55bは、取付ベース50の幅方向中央部を残してこの小凹溝を形成したものである。
【0038】
また、図7(c)の破断促進部55cは、上記小凹溝と取付ベース50の両側辺部からの切込みとを併用したものであり、図7(d)の破断促進部55dは、小凹溝と穿孔とを併用したもの、図7(e)の破断促進部55eは、取付ベース50の両側辺部からの切込みのみによるものである。更に、図7(f)の破断促進部55fは、切込みと穿孔とを併用したもの、図7(g)の破断促進部55gは、楕円もしくは長円状の長孔によるもの、そして図7(h)の破断促進部55hは、多数の小穿孔によりノッチ状に形成したものを夫々示す。
【0039】
このような破断促進部55a〜hは、取付ベース50の肉厚を薄くし、或いは実質的に取付ベース50の幅を狭めるものであり、上記のように取付片部11、11をボルト3及びナット4により足部材2に重合固着させた後、上下の片部52、52を反り曲げるようにすれば、これら破断促進部55a〜hから片部52、52が破断除去される。従って、上記重合固着状態においては、仮止め具5は、取付ベース50のみが残り、突出する部分が除去されるから、上記のように手等を引っ掛ける懸念がなく、また見映えもシンプルとなり、更に雨水の溜まり部分が少なくなって、錆の発生や劣化の促進も少なくなる。
【0040】
図2では、更に上下片部52、52の先側に2点鎖線で示す折曲促進部56、56が形成されている。この折曲促進部56、56は、上記破断促進部55a〜hにより片部52、52を破断除去しないまでも、上下片部52、52の先側突出部分を、他方の取付片部11の外側面に、手やハンマー等により叩き込み折曲展装させる為のものである。
【0041】
この折曲促進部56、56としては、図7に示す破断促進部55a〜hと同じような形成態様が採用可能である。上記と同様各部材を重合固着させた後、片部52、52の先側を殴打し、折曲促進部56、56から折曲して他方の取付片部11の外側面に展装させると、上記同様突出部分がなくなり、手等を引っ掛ける懸念がなく、また見映えもシンプルとなる。
【0042】
図8は、第1の実施形態の変形例を示し、取付ベース50の上下端から、断面半円形の突条に曲成して、上下並行に片部52、52を延設したものである。この断面半円形の突条部分54d、54dの間隔は、六角ボルト頭部の対向辺間距離に略等しいかやや大きく設定されている。従って、前述と同様にボルトをボルト係止用切欠部51、51に挿通し、取付片部を足部材に重合しナットにより螺装締結する際、ボルトの頭部がこの突条部分54d、54d間に嵌り込むようになるので、これによりボルトの回転が規制され、ボルトの廻り止め機能を奏することになる。
【0043】
また、この突条部分54d、54dの曲成基部55i、55iは、曲成加工の際に応力が集中するので脆くなっており、上記ナットにより螺装締結した後、片部52、52を反り曲げるようにすれば、この曲成基部55i、55iより片部52、52が破断除去可能となる。特に、ナットによる螺装締結時にボルト頭部の回転応力が突条部分54d、54dに付加され、この応力が曲成基部55i、55iに更に蓄積されるから、より破断除去がし易くなる。このように、曲成基部55i、55iは、上記の破断促進部と同様の機能を奏するので、この例の場合は別途破断促進部を形成することを要しないのである。
【0044】
更に、取付ベース50の外面側略中央を、絞り加工により方形に凹まし、その反対面に隆起突部58を形成している。この隆起突部58は、上記重合状態でボルト・ナットで各部材を締結固着させた際に、その復元反力により、皿ばね或いはスプリングワッシャのような機能を発現するもので、これによりボルトの緩み防止効果が得られる。その他の構成は、上記と同様であるので、共通部分には同一の符号を付し、その説明を割愛する。
【0045】
図9に示す例は隆起突部の変形例を示すものであり、(a)は平面図、(b)はボルトを係止させた場合の縦断面図である。即ち、ボルト係止用切欠部51の最奥部の周辺部をボルト3の頭部32側に隆起させ、この部分を隆起突部58としている。従って、ナットにより締結した際、この隆起突部58がボルト頭部32と取付片部との間に挟圧され、その復元反力により上記同様皿ばねのような機能が発現される。このような隆起突部58は、図5の長孔部分53aにも適用されるものである。
【0046】
図10に示す例は、別の変形例であり、上下一対の片部52、52の先側部分が互いに開くよう折曲されて、前記パイプ支持バンドAにおける他方の取付片部11を導入し易くする為のガイド部57、57とされている。このようなガイド部57、57を設けると、取付片部11を導入し係止爪52a、52aに係止させて仮止めする作業がし易く、作業の合理化が図られる。また破断促進部55、55から片部52、52を破断除去する場合、このガイド部57、57が把持部となるので、摘み易く破断除去作業等の施工性が大変良好となる。その他の構成は、上記と同様であるので、ここでも共通部分には同一の符号を付し、その説明を割愛する。
【0047】
図11は、更に別の変形例であり、取付ベース50が、一方の取付片部11と足本体21との間に添装されるタイプの仮止め具5であることを示す。上記各例では仮止め具5の取付ベース50が取付片部11の外側面に添装されるが、この場合折り曲げ延設された片部52、52と取付片部11との間に雨水が溜まり易く、錆の発生の原因となり、或いは劣化を促進することが予想される。また、取付片部11の外側面にはパイプ支持バンドAの品番やメーカー名等が標示されていることが多く、この面が取付ベース50で覆われてしまうと、現場合せに支障を来たしたり、或いは商品の宣伝効果が減退したりすることにもなる。
【0048】
本例では、取付ベース50の上下端から、片部52、52の延設方向とは反対の方向に、第2の係止爪52b、52bを突出するよう設け、これにより仮止め具5を取付片部11の一方に係止するようにしている。従って、この取付片部11の上辺部には第2の係止爪52bのみが存在し、空間部分が多くなるからこの部分に雨水等が溜まりにくくなる。また、標示等がなされる取付片部11の外側面が取付ベース50で覆われず、露出部分が多いからこの標示等が読み取れる状態に維持される。なお、この第2の係止爪52bは、係止構造によっては不要とすることも出来る。
【0049】
また、取付ベース50には、2種の実施形態のボルト係止手段が形成されている。即ち、図における取付ベース50の右側辺部から開口幅が大きく(ボルト軸部の山径より大きく)切欠かれた切欠部分51gと、これに連なるボルト係止用切欠部51と、図5と同様のボルト挿通孔53及びこれに連なるボルト係止用長孔部分53aとを備える。切欠部分51gは、その開口幅がボルト挿通孔53の径と略同じとされ、形状は略半円形である。
【0050】
図12は、図11に示す仮止め具5を用いて取付片部11、11を足部材2に重合固着する要領を示す図である。この場合、先ず、一方の取付片部11の貫通孔12にボルト3の軸部31を挿通させ、次いで取付ベース50の切欠部分51g及びボルト挿通孔53にボルト3の軸部31を挿入する。その後仮止め具5を横移動させて、ボルト3の軸部31をボルト係止用切欠部51及びボルト係止用長孔部分53aに係止させる。
【0051】
この状態では、両ボルト3は夫々ボルト係止用切欠部51及びボルト係止用長孔部分53aに係止されているから、軸方向の抜けが阻止される。その後は、上記と同じ要領で足部材2の足本体21及び他方の取付片部11の夫々の長孔22及び貫通孔12にボルト3の軸部31を挿通させ、図12のように仮止め具5により取付片部11、11及び足本体21を仮止めする。そして、ナット4をボルト3の軸部31に螺装締結させ、これら部材を緊合固着状態とする。
【0052】
この仮止め具5の取付ベース50には図11に示すようにボルト係止用切欠部51及びボルト係止用長孔部分53aの近傍部に複数の隆起突部58…が形成されており、図12のようにボルト3及びナット4により螺装締結する際、この隆起突部58…が取付ベース50と取付片部11との間に介在し、両者によって挟圧されることになるから、その復元反力により、皿ばね或いはスプリングワッシャのようなボルトの緩みを防止する機能が発現され、上記緊合固着状態が長く維持される。また、片部52、52を取付ベース50に対して図のようにRを小さく屈曲形成するようにすれば、この屈曲部分55に応力が集中するから、この屈曲部分55を前記の破断促進部として機能させることができる。その他の構成は上記の例と同様であるので、ここでも共通部分には同一の符号を付しその説明を割愛する。
【0053】
図13(a)(b)(c)は、本発明に係る仮止め具の第3の実施形態を示すものである。図13(a)(b)(c)は、いずれも本実施形態の仮止め具6の要部のみを示しており、その全体形状は省略されている。取付ベース60には、取付ベース60の側辺部より切欠かれ取付片部との添装状態でその貫通孔に対応する位置にまで延びるボルト係止用切欠部61の近傍に、挿通されたボルトの頭部をその頂面から押さえる頭部押え部63を、切起こし脚部62を介して設けることによりボルトの抜け出しを防止せんとするものである。
【0054】
この場合、ボルト係止用切欠部61に係止されるボルト3の頭部32の頂面が頭部押え部63により押えられ、その軸方向の抜けが阻止されるから、ボルト係止用切欠部61の切欠開口幅は上記のように設定することを要さず、開口部からボルト軸部31を遊挿し得るものであれば良い。図13(a)(b)(c)のいずれの態様も望ましく採用されるものであり、特に切起こし脚部62をボルト頭部32の辺部に当接するようにすれば、ボルト3の廻り止め機能が付加され、その有用性が向上する。
【0055】
尚、図13は仮止め具6の要部だけを示しているが、取付ベース60には上記と同様の片部や係止爪等が形成され、上記各実施形態と同様の機能を奏するよう構成されるものである。但し、図11及び図12に示す実施形態には、その特性上本実施形態は適用されない。また、図13(a)の頭部押え部63は、ボルト係止用切欠部61の幅方向両側にあっても良いことは言うまでもない。
【0056】
上記実施形態における仮止め具5及び6は、板金材で構成するのが望ましいが、これらを樹脂の成形品により構成することも可能である。また、第2の係止爪52bは、係止構造により不要とすることもできる。更に、建屋の壁面にパイプを配設施工する例について述べたが、天井面等に配設施工する場合にも適用され得ることは言うまでもない。
【0057】
【発明の効果】
請求項1の発明に係るパイプ支持バンドによれば、パイプの配設作業において、ボルト係止用切欠部にボルトを係止させる場合、ボルトの軸部をボルト係止用切欠部の切欠開口部より横移動させて係止させるので、ボルトのねじ山に何等衝撃がかからず、ねじ山部分が損耗することがない。しかも、切欠部の切欠縁部がボルト軸部の谷部に嵌り込むようになるから、この規制によりボルトの軸方向の動きが阻止され、ボルトが抜け出すこともない。
【0058】
また、請求項2の発明によれば、先ずボルト挿通孔にボルトの軸部を挿通させ、その後長孔部分内を横移動させるが、長孔部分の開口幅寸法がボルト軸部の山径よりやや小さく且つ谷径よりやや大きく設定されているので、上記同様長孔部分の開口縁部がボルト軸部の谷部に嵌り込むようになり、ボルトのねじ山を損耗させるようなストレスがかからず、この規制によりボルトの軸方向の動きが阻止され、ボルトが抜け出すこともない。
【0059】
請求項3の発明においては、ボルトを切欠部内に横移動させれば、ボルトの頭部は、ボルト係止用切欠部の近傍に設けられた頭部押え部により押さえられるから、ボルトのねじ山を損耗させるようなストレスがかからず、ボルトの抜け出しも防止される。
【0060】
請求項4の発明によれば、請求項1乃至3のいずれかにおいて、上記片部が、上記取付ベースの上端及び下端から、略並行に各々延設された一対の上片部及び下片部で構成されているから、他方の取付片部を上、下の係止爪で係止し、その仮止めを確実にできる。
【0061】
請求項5の発明によれば、請求項1乃至4のいずれかにおいて、上記片部には、取付ベースとにより上記一方の取付片部を把持する第2の係止爪が更に設けられているので取付ベースを一方の取付片部に添装する際、この第2の係止爪が一方の取付片部に係止され、取付ベースが一方の取付片部から外れ落ちることを防止できる。
【0062】
請求項6の発明によれば、請求項1乃至5のいずれかにおいて、上記ボルト係止用切欠部またはボルト係止用長孔部分の外側にボルト頭部の廻り止め部が形成されているので、ナットを締め付ける際に、ボルトの頭部が廻り止め部によりその回動が規制され、ナットを回転操作するだけで足部材を挟み込んだ一対の取付片部を容易且つ素早く締め付けでき、作業効率を更に高めることができる。
【0063】
請求項7の発明によれば、請求項1乃至6のいずれかにおいて、上記取付ベースの取付片部又は足部材添装面側に隆起突部が形成されているので、ボルト・ナットにより締結したとき、この隆起突部が取付ベースと取付片部間或いは取付ベースと足部材間に存在することになり、締結時の締付力によりこの隆起突部に圧縮力が作用する。従って、その反力が皿ばね或いはスプリングワッシャのような機能を奏し、ボルトの緩みを抑制する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパイプ支持バンドの仮止め具を用いたパイプ固定要領を示す分解斜視図である。
【図2】本発明に係る仮止め具の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図3】同取付要領を示す縦断面図であり、(a)は仮止め具にボルトを挿通させた状態を、(b)は取付片部の一方に仮止め具を係止させた状態を、(c)は重合された一対の取付片部及び足部材に仮止め具を係止させた状態を夫々示す。
【図4】(a)〜(f)は、第1の実施形態におけるボルト係止用切欠部の種々の形成態様を示す概略平面図である。
【図5】第2の実施形態におけるボルト係止手段の概略平面図である。
【図6】(a)(b)(c)は、ボルトの廻り止め部の変形例を示す要部の斜視図である。
【図7】(a)〜(h)は、破断促進部の種々の形成態様を示す要部の平面図である。
【図8】第1の実施形態の変形例を示す斜視図である。
【図9】隆起突部の変形例を示すものであり、(a)は平面図、(b)はボルトを係止させた場合の縦断面図である。
【図10】第1の実施形態の別の変形例を示す斜視図である。
【図11】第1の実施形態の更に別の変形例を示す斜視図である。
【図12】同取付要領を示す縦断面図である。
【図13】(a)(b)(c)は、第2の実施形態の種々の態様を示す要部の斜視図である。
【符号の説明】
A パイプ支持バンド
P パイプ
1 2つ割バンド本体
11 取付片部
12 貫通孔
2 足部材
21 足本体
22 長孔
3 ボルト
31 軸部
32 頭部
4 ナット
5 仮止め具
50 取付ベース
51 ボルト係止用切欠部
52 片部
52a 係止爪
52b 第2の係止爪
53 ボルト挿通孔
53a ボルト係止用長孔部分
54 廻り止め部
58 隆起突部
6 仮止め具
60 取付ベース
61 ボルト係止用切欠部
63 頭部押え部
Claims (7)
- パイプを抱持する2つ割バンド本体の一対の取付片部で建屋に固設される足部材を挟み込み、この一対の取付片部及び足部材にはボルトの軸部を挿通する1以上の貫通孔が各々開設され、上記ボルト及びナットで一対の取付片部を上記足部材に固着するパイプ支持バンドの仮止め具であって、
一方の取付片部の片面に添装される取付ベースと、この取付ベースの側辺部より切欠かれ上記添装状態で前記貫通孔に対応する位置にまで延びるボルト係止用切欠部と、上記取付ベースの上端及び/又は下端から略垂直方向に延設され、他方の取付片部に係止する係止爪を設けた片部とよりなり、上記ボルト係止用切欠部の切欠幅寸法がボルト軸部の山径よりやや小さく且つ谷径よりやや大きく設定されていることを特徴とするパイプ支持バンドの仮止め具。 - パイプを抱持する2つ割バンド本体の一対の取付片部で建屋に固設される足部材を挟み込み、この一対の取付片部及び足部材にはボルトの軸部を挿通する1以上の貫通孔が各々開設され、上記ボルト及びナットで一対の取付片部を上記足部材に固着するパイプ支持バンドの仮止め具であって、
一方の取付片部の片面に添装される取付ベースと、この取付ベースに形成されたボルト挿通孔と、このボルト挿通孔に連なり上記添装状態で前記貫通孔に対応する位置にまで延びるボルト係止用長孔部分と、上記取付ベースの上端及び/又は下端から略垂直方向に延設され、他方の取付片部に係止する係止爪を設けた片部とよりなり、上記長孔部分の開口幅寸法がボルト軸部の山径よりやや小さく且つ谷径よりやや大きく設定されていることを特徴とするパイプ支持バンドの仮止め具。 - パイプを抱持する2つ割バンド本体の一対の取付片部で建屋に固設される足部材を挟み込み、この一対の取付片部及び足部材にはボルトの軸部を挿通する1以上の貫通孔が各々開設され、上記ボルト及びナットで一対の取付片部を上記足部材に固着するパイプ支持バンドの仮止め具であって、
一方の取付片部の片面に添装される取付ベースと、この取付ベースの側辺部より切欠かれ上記添装状態で前記貫通孔に対応する位置にまで延びるボルト係止用切欠部と、上記取付ベースの上端及び/又は下端から略垂直方向に延設され、他方の取付片部に係止する係止爪を設けた片部とよりなり、上記ボルト係止用切欠部の近傍には係止されたボルトの頭部をその頂面から押さえる頭部押え部が形成されていることを特徴とするパイプ支持バンドの仮止め具。 - 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
上記片部は、上記取付ベースの上端及び下端から、略並行に各々延設された一対の上片部及び下片部で構成されているパイプ支持バンドの仮止め具。 - 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
上記片部には、取付ベースとにより上記一方の取付片部を把持する第2の係止爪が更に設けられているパイプ支持バンドの仮止め具。 - 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
上記ボルト係止用切欠部又はボルト係止用長孔部分の外側にボルト頭部の廻り止め部が形成されているパイプ支持バンドの仮止め具。 - 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
上記取付ベースの取付片部又は足部材添装面側に隆起突部が形成されているパイプ支持バンドの仮止め具。
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