JP2004232481A - ヘリウム用スクロール圧縮装置 - Google Patents

ヘリウム用スクロール圧縮装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ヘリウム用スクロール圧縮装置において、高性能化、小型化及び軽量化を図り、安価で信頼性の高いものとする。
【解決手段】ヘリウム用スクロール圧縮装置910は、ヘリウムガスを圧縮する圧縮機部及びこれを駆動する電動機部を有するスクロール圧縮機100と、スクロール圧縮機100から吐出されるヘリウムガス中の潤滑油を分離する油分離器700と、これから流入されるヘリウムガスを冷却するガス冷却器710と、潤滑油を冷却する油冷却器33と、スクロール圧縮機100を駆動制御する制御装置400と、をユニット内に収納して構成される。スクロール圧縮機100は油冷却器33で冷却された潤滑油を差圧によって圧縮機部に注入する油注入機構31を備えている。電動機部は三相4極の直流仕様電動機部で構成されると共に、制御装置400はスクロール圧縮機100の回転数制御可能な直流仕様インバータ制御装置で構成される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘリウム用スクロール圧縮装置に係り、特に作動ガスとしてヘリウムガスを用いて超高真空分野のクライオポンプ装置等に使用されるヘリウム用スクロール圧縮装置に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のインバータ制御に関するヘリウム用スクロール圧縮機としては、例えば特許文献1に記載されたのものがある(従来技術1)。このスクロール圧縮機は、ヘリウムガスを作動ガスとして圧縮する圧縮機部と、この圧縮機部を駆動する電動機部と、圧縮機部及び電動機部を収納する密閉容器と、密閉容器を貫通する油インジェクション管を通して潤滑油を差圧によって圧縮機部に注入する油注入機構とを備えている。そして、上述した圧縮機部は、鏡板に渦巻状のラップを直立する固定スクロールと鏡板に渦巻状のラップを直立する旋回スクロールとを前記両ラップを互いに内側にして噛み合わせて圧縮室を形成し、この圧縮室を中心に移動させて容積を縮小しヘリウムガスを圧縮して密閉容器内に吐出するように形成されている。また、上述した油注入機構は密閉容器の底部に貯留された潤滑油が外部に導かれ冷却されて供給されるように形成している。さらには、上述した電動機部は交流仕様の電動機部で構成され、上述した制御装置はスクロール圧縮機の回転数制御可能な交流仕様のインバータ制御装置で構成されている。
【0003】
一方、インバータ制御に関する空調用スクロール圧縮機としては、例えば特許文献2に記載されたものがある(従来技術2)。このスクロール圧縮機は、R22冷媒を作動冷媒として圧縮する圧縮機部と、この圧縮機部を駆動する電動機部と、圧縮機部及び電動機部を収納する密閉容器とを備えている。そして、上述した圧縮機部は、鏡板に渦巻状のラップを直立する固定スクロールと鏡板に渦巻状のラップを直立する旋回スクロールとを前記両ラップを互いに内側にして噛み合わせて圧縮室を形成し、この圧縮室を中心に移動させて容積を縮小し冷媒ガスを圧縮して密閉容器内に吐出するように形成されている。また、上述した電動機部は直流仕様の電動機部で構成され、上述した制御装置はスクロール圧縮機の回転数制御可能な交流仕様のインバータ制御装置で構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平3−271583号公報
【特許文献2】
特開平5−172065号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術1では、圧縮機定格出力が2.2kW〜4.4kWクラスの比較的小形なヘリウム用途のスクロール圧縮機の場合において、電動機部が交流仕様の電動機部で構成されると共に、制御装置がスクロール圧縮機の回転数制御可能な交流仕様のインバータ制御装置で構成されているため、インバータ制御装置の効率と電動機部の効率が総体的に低く、スクロール圧縮機全体としての省エネルギー性に問題があった。
【0006】
即ち、電動機部の効率が低い場合には、電動機部の発熱量が増加するため、油注入機構部に流入させる油インジェクション量を多量に行なってスクロール圧縮機全体を冷却する必要がある。油インジェクション量が多くなると、圧縮機部の油攪拌損失などが増加し、これに伴って電動機部への入力が増加し、この点からも電動機部の発熱量が増加してしまうものであった。
【0007】
また、可変速できる最大の回転数域においては電動機入力、インバータ入力が増えてさらに性能が低下するという問題があった。この高速回転時における入力増加により、軸受荷重が増大し、そのことによって軸受寿命が低下するという問題があった。特に、円筒コロ軸受部を主軸受として用いた場合に、その軸受寿命の低下が問題となっていた。
【0008】
さらに、上述した従来技術1のスクロール圧縮機を収納した圧縮機ユニットにおいては、油インジェクション量が増加することによって、ユニット内に組み込まれた油冷却器の容量を増やす必要があるので、該油冷却器の外形寸法が大きくなり、ひいては圧縮機ユニット全体寸法が大きくなり過ぎるという圧縮機ユニット特有の問題があった。
【0009】
一方、従来技術2のスクロール圧縮機では、油注入機構部を備えていないため、低速域で圧縮機部のシール効果や体積効率の改善機能が十分得られず、低速域で成績係数が低下してしまうという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、高性能化、小型化及び軽量化が図れると共に、安価で信頼性の高いヘリウム用スクロール圧縮装置を得ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、本発明は、作動ガスとしてヘリウムガスを圧縮する圧縮機部及びこの圧縮機部を駆動する電動機部を有するスクロール圧縮機と、前記スクロール圧縮機から吐出されるヘリウムガス中の潤滑油を分離する油分離器と、前記油分離器から流入されるヘリウムガスを冷却するガス冷却器と、潤滑油を冷却する油冷却器と、前記スクロール圧縮機を駆動制御する制御装置と、をユニット内に収納し、前記スクロール圧縮機は前記油冷却器で冷却された潤滑油を差圧によって前記圧縮機部に注入する油注入機構を備え、前記電動機部は三相4極の直流仕様電動機部で構成し、前記制御装置は前記スクロール圧縮機の回転数制御可能な直流仕様インバータ制御装置で構成したものである。
【0012】
本発明は、さらに、下式(1)に示すスクロールラップ部の設定容積比Vrが2.1前後のスクロール歯形形状を有する互にかみ合わされた固定スクロール及び旋回スクロールを備えて前記圧縮機部を構成したものである。
【0013】
Vr=(2λ1−4π+α)/(2λs+2π+α) (1)
ここで、λ1:ラップ巻き終り角度、λS:ラップ巻き始め角度、π:円周率、α:旋回半径εthとスクロールラップの基礎円半径aの比である。
【0014】
本発明は、さらに、下式(2)に示すインジェクション油パラメ−タUoが0.125〜0.135の範囲になるように構成したものである。
【0015】
Uo=(Vr×Qoil)/Vth (2)
本発明は、さらに、前記スクロール圧縮機から吐出されるヘリウムガスの温度が65℃以下となるように前記油注入機構部に流入する油インジェクション量を設定する絞り手段を備えたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例のヘリウム用スクロール圧縮装置を図1から図12を参照しながら説明する。
【0017】
まず、図1及び図2を参照しながら本実施例のヘリウム用スクロール圧縮装置910の全体構成に関して説明する。図1は本発明の一実施例になる注油式ヘリウム用スクロール圧縮装置を備えたヘリウム冷凍装置の構成図、図2は同ヘリウム用スクロール圧縮装置の斜視図である。なお、図1ではスクロール圧縮機100を簡易的に横に図示してあるが、実際にはスクロール圧縮機100は図3に示すように縦型として用いられる。
【0018】
ヘリウム冷凍装置はヘリウム用スクロール圧縮装置910、冷凍機800を備えて構成されている。ヘリウム用スクロール圧縮装置910と冷凍機800とは配管720、730を介して接続されている。
【0019】
ヘリウム用スクロール圧縮装置910は、冷凍機800を除く冷凍サイクル911の構成機器と、スクロール圧縮機100内の潤滑油を冷却してスクロール圧縮機100の圧縮室に注入するインジェクション回路913と、スクロール圧縮機100の回転数を制御する直流インバータ制御装置400と、この直流インバータ制御装置400に通風して冷却する冷却用ファン440と、を備えて構成されている。
【0020】
冷凍サイクル911は、直流(Direct Current)電動機を内蔵した注油式密閉形スクロール圧縮機100、油分離器700、ガス冷却器710及び冷凍機800を備えて構成されている。これらの機器は、配管550、702、720、730、752を介して直列に接続されて作動冷媒を循環させる閉ループとなるように構成されている。また、油分離器700からガス冷却器710及び冷凍機800をバイパスしてスクロール圧縮機100に油を戻す配管740が設けられている。この冷凍サイクルの作動冷媒としてはヘリウムガスが用いられている。なお、スクロール圧縮機100は、2〜5馬力クラス、行程容積30〜80ccクラスのものが用いられている。
【0021】
係る冷凍サイクルにおいて、スクロール圧縮機100から吐出された高温、高圧のヘリウムガスは油分離器700で油を分離した後、ガス冷却器710で冷却される。次にヘリウムガスはヘリウム冷凍機800で断熱膨張された後、配管730、752を通して再び吸入ガスとしてスクロール圧縮機100に戻される。このようにして、冷凍装置としての機能が得られる。
【0022】
油インジェクション回路913は、油ストレーナ38、油冷却器33、伽ピラリーチューブや油量調整弁などからなる絞り手段271を備え、これらを配管36、36a、36bを介して直列に接続することにより構成されている。この油インジェクション回路913は、スクロール圧縮機100内に溜められた潤滑油内に連通する油取り出し管30と、スクロール圧縮機100の圧縮室に連通する油インジェクション管31と、の間に接続されている。
【0023】
スクロール圧縮機100内に溜められた潤滑油は、潤滑油に加えられる吐出圧力と圧縮室の中間圧力との差圧によって油取り出し管30内に流入していく。この流入した潤滑油は、油ストレーナ38で塵埃などを除去した後、油冷却器33で適宜冷却され、絞り手段271で油インジェクション量を調節されて油インジェクション管31からスクロール圧縮機100の圧縮室へ注入される。
【0024】
直流インバータ制御装置400は、スクロール圧縮機100の外部に配置され、スクロール圧縮機100に電気的に接続されている。そして、商用電源500から供給される電力をこの直流インバータ制御装置400で電力変換してスクロール圧縮機100に供給する。具体的には、直流インバータ400が電動機部3に印加する直流電圧の大きさと直流電圧の転流作用(ブラシレス電動機特有な極変換作用)で制御することによりスクロール圧縮機100の回転数を変化させる。
【0025】
ヘリウム用スクロール圧縮装置910を構成する上述した機器は、図1の一点鎖線で示すユニット912内に収納されている。また、これらの機器は、ユニット912内に図2の破線で示すように配置され、配管や配線などで繋がっている。これらの機器の配置構成は、全体の配置スペースがコンパクトで配管や配線が短くなるように配慮されている。この場合、スクロール圧縮機100、油冷却器33及びガス冷却器710の小型化が重要であり、本実施例では、後述するようにスクロール圧縮機100、油冷却器33及びガス冷却器710を大幅に小型化することができ、これによってユニット912の外形寸法を大幅に縮小することことができる。このユニット912は、幅寸法L1、奥行き寸法L2、高さ寸法L3の外径寸法を有する略直方形状の箱体で形成されている。そして、冷却用ファン440の通風のために、前面や側面などに通風口912aを有している。このユニット外形寸法(L1、L2、L3寸法)は、後述する成績係数の飛躍的な改善でスクロール圧縮機100、ガス冷却器710及び油冷却器33が小形化できることにより約十数%縮小するものであり、ひいてはユニットの軽量化図れる。
【0026】
次に、図3から図8を参照しながらヘリウム用スクロール圧縮装置910の主要部の詳細を説明する。図3は図1のヘリウム用スクロール圧縮装置の主要部の構成図、図4は図3のA−A断面図、図5は図3の固定スクロールの平面図、図6は図5の固定スクロールの縦断面図、図7は図3の旋回スクロールの平面図、図8は図7の旋回スクロールの縦断面図である。
【0027】
図3において、密閉容器1内の上方にはスクロール圧縮機部2が収納され、下方には電動機部3が収納されている。そして、密閉容器1内は上部室1aと電動機室1bとに区画されている。スクロール圧縮機部2は固定スクロール5と旋回スクロール6を互いに噛み合わせて圧縮室(密閉空間)8を形成している。
【0028】
固定スクロール5は、円板状の鏡板5aと、これに直立しインボリウト曲線あるいはこれに近似の曲線に形成されたラップ5bとからなり、その中心部に吐出口10、外周部に吸入口15a,15bを有している。旋回スクロール6は、円板状の鏡板6aと、これに直立し固定スクロールのラップと同一形状に形成されたラップ6bと、鏡板6aの反ラップ面に形成されたボス部6cとからなっている。
【0029】
フレーム11は中央部に軸受部26、27を形成している。これらの軸受部26、27には回転軸15が支承されている。回転軸15の一側には偏心軸部15aが設けられている。偏心軸部15aはボス部6cに旋回運動が可能なように挿入されている。
【0030】
また、固定スクロール5はフレーム11に複数本のボルト11eによって固定されている。旋回スクロール6はオルダムリングおよびオルダムキーよりなるオルダム機構12によってフレーム11に支承されている。これによって旋回スクロール6は、固定スクロール5に対して、自転しないで旋回運動をするように形成されている。旋回スクロール6の旋回運動により圧縮室8は中心方向に移動され、これに伴って圧縮室8の容積が縮小されてヘリウムガスが圧縮されて吐出室10から密閉容器1内に吐出される。従って、本実施例では密閉容器1内は吐出圧力になる。
【0031】
回転軸16の他側(下部)には電動機軸部16bが形成されている。この電動機軸部16aには直流仕様の電動機部3が直結されている。この電動機部3は、三相4極電動機仕様で整流子不付きの三相永久磁石同期電動機であり、直流ブラシレス電動機である。この電動機部3は、ロータ3bを永久磁石とすることにより磁極を構成し、交流電動機における励磁電流を不要としているため、電動機効率が格段に向上するものである。これにより、電動機入力・電流を大幅に低減することができるものである。
【0032】
直流仕様の直流電動機部3において、ステータ3aの長さS1をロータ3bの長さS2より長く設定することによって、電動機トルクの増加を図ることができるようになっている。例えば、ロータ3bの長さS2=65mmに対してステータ3aの長さS1=70mmとすることによって、電動機部3の最大トルクを約10〜15%前後増大させることができる。
【0033】
直流電動機部3のステータ3aの巻線に電気的に接続された電源端子部340には、外部に配置された直流仕様のインバータ制御装置400が電気的につながっている。直流インバータ制御装置400は商用電源500に接続される。直流インバータ制御装置400の出力周波数は、例えば50Hzから200Hzである。この場合、三相4極の直流仕様ステータ3aを有する電動機部3であるのため、圧縮機の回転軸16の回転数は25Hzから100Hzの同期速度となる。
【0034】
固定スクロール5の吸入口15には吸入管17が接続されている。吸入管17は、密閉容器1を貫通して垂直方向に吸入口15に接続されている。吐出口10が開口している上部室1aは通路18a,18bを介して電動機室1bと連通している。この電動機室1bは密閉容器1を貫通する吐出管20に連通されている。また、電動機室1bの上部と下部とは、直流仕様の電動機ステータ3aと密閉容器1の側壁との間の隙間25a、25b、および電動機ステータ3aと電動機ロータ3bとの隙間25cを介して連通されている。
【0035】
なお、旋回スクロール6の旋回運動に伴い生じる遠心力を相殺するために、バランスウエイト9aと副バランスウエイト9bとが回転軸16とロータ3bとに設けられている。また、吸入管17と固定スクロール5との間には高圧部と低圧部とをシールするOリング21が設けられている。
【0036】
旋回スクロール6の鏡板6aの背面には、スクロール圧縮機部2とフレーム11で囲まれた空間23(以下背圧室と呼ぶ)が形成されている。この背圧室23には旋回スクロール6の鏡板6aに穿設した細孔6eを介して吸入圧力と吐出圧力の中間圧力のヘリウムガスが導入され、旋回スクロール6を固定スクロール5に押付ける軸方向の付与力が与えられる。
【0037】
密閉容器1の底部に溜められた潤滑油24は、密閉容器1内の高圧圧力と背圧室23の中間圧力との差圧により油吸上管16dへ吸上げられた後、回転軸16内の中央穴50を上昇し旋回軸受32へ、また横穴51を介して補助軸受26から主軸受27(円筒コロ軸受部)へ給油される。
【0038】
各軸受32、26、27へ給油された潤滑油24は、背圧室23を経て圧縮室8へ注入され、圧縮ガスと混合されて吐出ガスと共に上部室1aへ吐出される。なお、フォーミング防止用油板28は密閉容器1の底部に溜められた潤滑油24の油面上に配設され、スクロール圧縮機100の起動時に発生する潤滑油24のフォーミング現象を防止するようになっている。
【0039】
固定スクロール5及び旋回スクロール6のスクロールラップ5b、6bとしては、次の式(1)に示すスクロールラップ部の設定容積比Vrが2.1前後のスクロール歯形形状を有するものが用いられる。
【0040】
Vr=(2λ1−4π+α)/(2λs+2π+α) (1)
ここで、λ1:ラップ巻き終り角度(インボリュート伸開角)、λS:ラップ巻き始め角度(インボリュート伸開角)、π:円周率、α:旋回半径εthとスクロールラップの基礎円半径aの比(=εth/a)である。
【0041】
スクロールラップ部の設定容積比Vrを2.1前後に設定する理由は、運転圧力比範囲として吐出圧力Pd/吸込圧力Ps=1.7〜5.0が効率上優位になるためである。特にスクロール圧縮機100を回転数制御する場合には、低い運転圧力比域(例えば吐出圧力Pd/吸込圧力Ps=1.7〜3.5)での運転頻度が多くなるためである。
【0042】
密閉容器1の底部には、潤滑油が溜められると共に、この潤滑油24を器外へ取出す油取り出し管30が設けられている。油取り出し管30の流入部30aが密閉容器1の底部の潤滑油24内に開口され、油取り出し管30が潤滑油24内と連通されている。
【0043】
また、密閉容器1の上部には、スクロール圧縮機部2の圧縮途中の圧縮室8へ潤滑油24を注入する単数個の油インジェクション管31が設けられている。
【0044】
そして、油取り出し管30と油インジェクション管31とは、油ストレーナ38、油冷却器33及び絞り手段271を介して接続されている。油取り出し管30、油ストレーナ38、油冷却器33、絞り手段271及び油インジェクション管31との間は油配管36で接続され、これらによって油インジェクション回路913が形成されている。
【0045】
油インジェクション管31は、スクロール圧縮機部2の作動ヘリウムガスを冷却するため、密閉容器1を貫通して固定スクロール5の鏡板部5aに設けられた油注入用ポート22に接続されている。油注入用ポート22の開口部は、図5及び図6に示すように、固定スクロール5のラップ5b間(ラップ歯溝部)に位置し、旋回スクロール6のラップ6bの歯先面に対向して設けられている。係る構成によって、密閉容器1の底部から油インジェクション管31に供給された潤滑油24はポート22を経て固定スクロール5のラップ歯溝部に注入される。
【0046】
ここで、スクロール圧縮機100の圧縮過程でのヘリウムガスの冷却効果を高めるため、ヘリウムガスの吸入過程から冷却できるように構成されている。即ち、油注入用ポート22は、圧縮室8とつながると共に、旋回スクロール6の旋回運動によりスクロールラップ外周部の吸入室5fに間欠的に連通する位置に設けられている。換言すれば、油注入機構は圧縮室8と連通されると共に、吸入室5fにも間欠的に連通されるようなっている。
【0047】
油注入用ポート22の穴径doは、ラップ厚さtより大きく設定されると共に、溝幅寸法Dtより小さく設定されている。これによって、差圧による油インジェクション量が大量な場合でも、圧縮過程でその油インジェクション管31内にヘリウムガスがその油注入用ポート22から逃げやすくなり、該油インジェクション管31内の圧力脈動を減少させることができる。
【0048】
上記構成により、商用電源500から直流インバータ制御装置400を通して直流電動機部3に直流電力が供給されると、直流仕様の電動機ロータ3bに直結した電動機軸部16bが回転して偏心軸部16aが偏心回転すると、旋回軸受32を介して旋回スクロール6は旋回運動を行う。
【0049】
この旋回運動により、圧縮室8は次第に中心に移動して容積が縮小する。これに伴って、ヘリウムガスは作動ガスとして吸入管17から吸入口15a、15bを経て吸入室5fへ入ると共に、軸受32、26,27を潤滑した潤滑油24は旋回スクロール6の旋回スクロール鏡板外周部の微小隙間等から吸入室5fへ流入して前記作動ガスに混入し、さらには、油インジェクション管31に供給された潤滑油24はポート22を経て圧縮室8に注入される。軸受32、26,27を経由した潤滑油24とポート22から注入された潤滑油24とを含んだ作動ガスは、圧縮室8で圧縮されて吐出口10から上部室1aへ吐出され、通路18a,18bを通って電動機室1bへ流入される。図3において、実線の矢印は潤滑油24の流れを、太い二重線の矢印はヘリウムガスの流れをそれぞれ示している。
【0050】
狭い通路18a,18bから広い空間の電動機室1bに流入した作動ガスと潤滑油24は、その流速が急激に低下し、かつ流れ方向が変更するため、作動ガス中に含まれる潤滑油24の大部分が分離され、作動ガスの一部は通路25a及び電動機下部の空間1cを通り、再度通路25bを上昇して、吐出管20内へ流出される。潤滑油24は電動機ロータ外周部の隙間25a、25bを通って流下され、密閉容器1の底部に留められる。
【0051】
密閉容器1の底部に溜められた潤滑油24は、密閉容器1内の吐出圧力が加えられ、この高圧の吐出圧力と背圧室23の中間圧力との差圧により油吸上管16dへ吸上げられた後、回転軸16内の中央穴50を上昇し旋回軸受32へ給油されると共に、横穴51を介して補助軸受26から主軸受27(円筒コロ軸受部)へ給油される。
【0052】
また、密閉容器1の底部に溜められた潤滑油24は、潤滑油に加えられる吐出圧力とポート22が開口している圧縮室8の中間圧力との差圧によって油取り出し管30の流入部30aから油取り出し管30内に流入していく。油取り出し管30内へ流入した潤滑油24は、油配管36を通って油ストレーナ38に至り、ここで塵埃などが除去されされた後、油配管36を通って油冷却器33へ至り、ここで適宜冷却される。冷却された潤滑油24は、絞り手段271により適切な油インジェクション量に調節されて油インジェクション管31に供給され、ポート22を経て圧縮室8へ注入される。この様にして圧縮室8へ注入された油は、該圧縮室8内において作動ガスの冷却作用およびスクロールラップ先端部等の摺動部を潤滑する役目を果す。
【0053】
圧縮室8へ注入された潤滑油24は、圧縮室8内において作動ガスの冷却作用およびスクロールラップ先端部等の摺動部を潤滑する役目を果す。そして、この潤滑油24は、上述したように、作動ガスと共に圧縮された後、吐出口10より上部室1aへ吐出され、前述と同様に電動機室1bで作動ガスから分離されて密閉容器1の底部に溜められる。
【0054】
なお、本実施例では密閉容器1内が吐出圧力となる高圧チャンバ方式としているが、本発明は密閉容器1内が吐出圧力より低い圧力(例えば吸入圧力)となる低圧チャンバ方式のヘリウム用スクロール圧縮機に対しても対象となる。その場合には、圧縮機外部に設置されている油分離器700から分離された潤滑油24を外部の油冷却器(図示せず)にて冷却し、その冷却した潤滑油を、油インジェクション管31からスクロール圧縮機部の油注入機構部と接続すると共に、軸受給油機構に接続するようにすればよい。
【0055】
図9及び図10を参照しながら本実施例のヘリウム用スクロール圧縮装置910の成績係数が優れていることを説明する。図9は本実施例の直流インバータ及び直流電動機部を備えたヘリウム用スクロール圧縮装置と従来技術1の交流インバータ及び交流電動機部を備えたヘリウム用スクロール圧縮装置とにおける圧縮機回転数の変化に対する成績係数Kの変化を比較して示す図、図10は従来技術2の直流インバータ及び直流電動機部を備えたヘリウム用スクロール圧縮装置における圧縮機回転数の変化に対する成績係数Kの変化を示す図である。図9における成績係数Kはヘリウムガス吐出ガス量(Nm/h)をインバータ入力(kW)で除した値(Nm/h・kW)であり、図10における成績係数Kは冷凍能力(kcal)をインバータ入力(W)で除した値(kcal/h・W)である。
【0056】
本実施例によれば、図9から明らかなように、その成績係数Khが従来技術1の成績係数K1に対して十数%改善でき、特に低速域(例えば1400〜1600rpm)では数十%の著しい改善効果がある。このような低速域での改善効果は、ヘリウム用途の場合、作動ガスの冷却のための油インジェクション機構部の潤滑油24による圧縮機全体への冷却効果が低速域になるほど顕著に機能するためである。即ち、潤滑油24が差圧にて圧縮室8に供給されるため、油インジェクション量は圧縮機回転数によらずほぼ一定量となるからである。そして、スクロール圧縮機100で発生した熱(電動機の発熱や摺動部の発熱など)を冷却するのに必要な冷却量は、低速になるほど小さくなるため、低速になるほど潤滑油24による冷却効果が一層高まるというヘリウム用スクロール圧縮機に特有な作用を奏する。
【0057】
上述した成績係数Knの向上は、直流インバータ制御装置400及び直流電動機部3の適用によって電動機効率の大幅な改善がなされ、これに伴って電動機発熱量が大きく抑えられることとなり、圧縮機全体を冷却する油インジェクション量を従来技術1に対して格段に少なく設定できるからである。そして、高速域での成績係数の改善効果は、電動機効率の改善効果の他に、油インジェクション量低下による油攪拌損失動力の低減による改善効果を含むものである。また、低速域での成績係数の改善効果は、さらに潤滑油24による圧縮室8内のシール効果に伴う体積効率の改善、内部圧縮動力の低減による改善効果を含むものである。
【0058】
一方、冷媒としてフロン22などが使用される空調用途の直流インバータ制御装置及び直流電動機部を備えたスクロール圧縮機では、その成績係数が図10に示すように変化する。即ち、空調用途では、直流インバータを使用しても低速域では成績係数は低下する。これは、油注入機構部を備えていないために、低速域では圧縮室8内のシール効果や体積効率の改善機能が十分でないためである。
【0059】
このように、直流インバータ装置400及び直流電動機部3を備えた本実施例のヘリウム用スクロール圧縮装置では、空調用途にはない特有の効果を奏するものである。
【0060】
本実施例のヘリウム用スクロール圧縮装置910は、ヘリウムガス能力Qgが高くしかも油上がり量Xoが少ないことを、図11を参照しながら説明する。図11は吐出ガス温度Tdの変化に対するHeガス能力(前記ヘリウムガス吐出ガス量(Nm3/h)と同一値)Qg及び圧縮機から流出する油上がり量Xoの変化を示す。
【0061】
従来技術1では、電動機効率が低いために電動機発熱量が大きくなり、吐出ガス温度Tdが高くならざるを得ず、70℃以上になってしまうものであったが、本実施例では、電動機効率が約十%から数%向上するために電動機発熱量が低減され、吐出ガス温度Tdが例えばTd=50〜65℃にまで低下させることができる。従って、図11から明らかなように、本実施例によれば、ヘリウムガス能力Qgが高くしかも油上がり量Xoが低い状態で運転することができる。これによって、密閉容器1内に潤滑油24を確実に保有させることができ、軸受26、27、32での油切れ現象を回避できる。
【0062】
特に本実施例では、吐出管20の表面温度となる吐出ガス温度Tdが約65℃以下となるように油注入機構部に流入する冷却用インジェクション油量を調節する絞り手段271が備えられている。即ち、密閉容器1下部より潤滑油24を油インジェクション管31に導く油配管36に油量調整弁271が備えられている。これによって、本実施例では、ヘリウムガス能力Qgが高くしかも油上がり量Xoが低い状態で運転できるようになっている。
【0063】
本実施例のヘリウム用スクロール圧縮装置では、次の式(2)に示すインジェクション油パラメータUoが0.125〜0.135になるように設定したことを特徴とするものである。
【0064】
Uo=(Vr×Qoil)/Vth (2)
ここで、Vth:圧縮機の行程容積(cm/rev)、Vr:設定容積比、Qoil:インジェクション油量(リットル/分)である。
【0065】
実用的には、上記インジェクション油パラメータUoの値は0.125〜0.135の範囲が適切である。この点を図12及び図13を参照しながら説明する。図12は本実施例及び従来技術1のヘリウム用スクロール圧縮装置におけるヘリウム用スクロール圧縮装置の圧縮機回転数に対する油インジェクション量の変化を示す図、図13は本実施例及び従来技術1のヘリウム用スクロール圧縮装置におけるヘリウム用スクロール圧縮装置の油インジェクションパラメータに対する成績係数の変化を示す図である。
【0066】
図12から明らかなように、本実施例によれば、圧縮機の低速域から高速域まで全範囲にわたって従来技術1の油インジェクション量を低減することが可能である。
【0067】
また、本実施例によれば、油インジェクションパラメータUoの低い範囲、具体的にはUoが0.125〜0.135の範囲に設定することができるので、図13から明らかなように、成績係数Kh’の良好な状態で運転することができる。
【0068】
図14を参照しながら本実施例のヘリウム用スクロール圧縮装置910の吐出ガス温度Tdが低くしかもインバータ入力Winが小さいことを説明する。図14は油インジェクション量Qoilの変化に対する吐出ガス温度Td及びインバータ入力Winの変化を示す。
【0069】
吐出ガス温度Td及びインバータ入力Winは、図14に示すように、油インジェクション量の低下とともに低下する。従来技術1では、電動機効率が低いために電動機発熱量が大きくなり、油インジェクション量が多くならざるを得ないものであったが、本実施例では、電動機効率が約十%から数%向上するために電動機発熱量が低減され、油インジェクション量を大幅に低減させることができる。
【0070】
このことが、本実施例の成績係数が従来技術1に対して飛躍的に改善される理由となる。即ち、直流インバータ制御装置と直流電動機部を備えた本実施例のヘリウム用スクロール圧縮装置によって、(1)電動機部の効率の改善、(2)油インジェクション量Qoilの最適化、即ち吐出ガス温度Tdの低下による体積効率の向上(ヘリウム吐出ガス流量の増加)、(3)圧縮動力の低減、それによるインバータ入力の低減、(4)油インジェクション量の低減による攪拌損失動力の低減、それによるインバータ入力の低減できる。これらの全体の効果が十数%の成績係数が向上するということにつながっており、ヘリウム用途特有な効果が実現できるものである。
【0071】
このように、本実施例では、直流インバータ制御装置と、永久磁石を採用した直流仕様電動機部を内蔵すると共に冷却のためのスクロール圧縮機部に油注入機構を備えたヘリウム専用スクロール圧縮機との組み合わせにより、従来技術1に対して数十パーセント以上の高性能なヘリウム用スクロール圧縮装置が実現でき、さらにヘリウム圧縮ユニット装置として10%以上の軽量化・小形化が図れるというヘリウム用途特有な効果が得られるものである。
【0072】
本実施例の効果を纏めると次のとおりである。
(1)広い運転周波数範囲において、ヘリウム用スクロール圧縮装置にて省エネルギー性の高いヘリウム圧縮装置を提供できる。従来装置に対して、特に低い運転周波数域で数十%優位にある高性能化を達成できる。
(2)インジェクション油量が約20%位少なくて済むので、油冷却器の容量低下などにより、ヘリウム圧縮機ユニット全体寸法が小型化できる。
(3)吐出ガス温度の低下差ようにより、油上がり量が低下し、圧縮機底部の油保有を確実になさしめ、軸受部での油切れ現象を回避できる。このため、圧縮機の信頼性が向上できる。上記(2)項との相乗効果により、より一層軽量化ができ、製品コストが低く抑えることができる。
(4)高性能化により、圧縮機荷重が低下し、主軸受部の軸受寿命が延びると共に、吐出ガス温度も65℃以下に設定でき、コイル温度も低下して電動機保護機能も増すので、圧縮機の信頼性向上の効果も派生する。即ち、電動機焼損を未然に防止でき、信頼性の高いヘリウム圧縮装置を提供できる。
【0073】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、高性能化、小型化及び軽量化が図れると共に、安価で信頼性の高いヘリウム用スクロール圧縮装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例になる注油式ヘリウム用スクロール圧縮装置を備えたヘリウム冷凍装置の構成図である。
【図2】同ヘリウム用スクロール圧縮装置の斜視図である。
【図3】図1のヘリウム用スクロール圧縮装置の主要部の構成図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】図3の固定スクロールの平面図である。
【図6】図5の固定スクロールの縦断面図である。
【図7】図3の旋回スクロールの平面図である。
【図8】図7の旋回スクロールの縦断面図である。
【図9】図1のヘリウム用スクロール圧縮装置及び従来技術1のヘリウム用スクロール圧縮装置の圧縮機回転数に対する成績係数を示す図である。
【図10】従来技術2のヘリウム用スクロール圧縮装置の圧縮機回転数に対する成績係数を示す図である。
【図11】図1のヘリウム用スクロール圧縮装置及び従来技術1のヘリウム用スクロール圧縮装置における吐出ガス温度Tdの変化に対するヘリウムガス能力及び油上がり量の変化を示す図である。
【図12】図1のヘリウム用スクロール圧縮装置及び従来技術1のヘリウム用スクロール圧縮装置におけるヘリウム用スクロール圧縮装置の圧縮機回転数に対する油インジェクション量の変化を示す図である。
【図13】図1のヘリウム用スクロール圧縮装置及び従来技術1のヘリウム用スクロール圧縮装置におけるヘリウム用スクロール圧縮装置の油インジェクションパラメータに対する成績係数の変化を示す図である。
【図14】図1のヘリウム用スクロール圧縮装置及び従来技術1のヘリウム用スクロール圧縮装置におけるヘリウム用スクロール圧縮装置の油インジェクション量に対する吐出ガス温度及びインバータ入力の変化を示す図である。
【符号の説明】
1…密閉容器、1a…吐出室、1b…電動機室、3…直流用電動機部、3a…電動機ステータ、3b…電動機ロータ、5…固定スクロール、5a…固定スクロール鏡板、5b…ラップ、5f…吸入室、6…旋回スクロール、6a…旋回スクロール鏡板、6b…ラップ、6c…ボス部、8…圧縮室、9a,9b…バランスウエイト、10…吐出口、11…フレーム、12…オルダム機構、15…吸入口、16…回転軸、16a…偏心軸部、16b…電動機軸部、16d…油吸上管、17…吸入管、18a,18b…通路、20…吐出管、21…Oリング、22…ポート、24…潤滑油、25a,25b,25c…隙間、26…補助軸受、27…主軸受、30…油取り出し管、30a…流入部、31…油インジェクション管、32…旋回軸受、33…油冷却器、36…油配管、38…油ストレーナ、100…スクロール圧縮機、271…絞り手段、390…動力電源線、400…直流インバータ制御装置、440…冷却用ファン、500…商用電源、550…配管、700…油分離器、710…ガス冷却器、720…配管、730…吸入配管、740…油戻り管、752…吸入配管、800…冷凍機、910…ヘリウム用スクロール圧縮装置、912…ユニット。

Claims (5)

  1. 作動ガスとしてヘリウムガスを圧縮する圧縮機部及びこの圧縮機部を駆動する電動機部を有するスクロール圧縮機と、前記スクロール圧縮機から吐出されるヘリウムガス中の潤滑油を分離する油分離器と、前記油分離器から流入されるヘリウムガスを冷却するガス冷却器と、潤滑油を冷却する油冷却器と、前記スクロール圧縮機を駆動制御する制御装置と、をユニット内に収納し、
    前記スクロール圧縮機は前記油冷却器で冷却された潤滑油を差圧によって前記圧縮機部に注入する油注入機構を備え、
    前記電動機部は三相4極の直流仕様電動機部で構成し、
    前記制御装置は前記スクロール圧縮機の回転数制御可能な直流仕様インバータ制御装置で構成した
    ことを特徴とするヘリウム用スクロール圧縮装置。
  2. 下式(1)に示すスクロールラップ部の設定容積比Vrが2.1前後のスクロール歯形形状を有する互にかみ合わされた固定スクロール及び旋回スクロールを備えて前記圧縮機部を構成したことを特徴とする請求項1に記載のヘリウム用スクロール圧縮装置。
    Vr=(2λ1−4π+α)/(2λs+2π+α) (1)
    ここで、λ1:ラップ巻き終り角度、λS:ラップ巻き始め角度、π:円周率、α:旋回半径εthとスクロールラップの基礎円半径aの比である。
  3. 下式(2)に示すインジェクション油パラメ−タUoが0.125〜0.135の範囲になるように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のヘリウム用スクロール圧縮装置。
    Uo=(Vr×Qoil)/Vth (2)
    ここで、Vth:圧縮機の行程容積(cm/rev)、Vr:設定容積比、Qoil:インジェクション油量(リットル/分)である。
  4. 前記スクロール圧縮機から吐出されるヘリウムガスの温度が65℃以下となるように前記油注入機構部に流入する油インジェクション量を設定する絞り手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のヘリウム用スクロール圧縮装置。
  5. ヘリウムガスを作動ガスとして圧縮する圧縮機部と、この圧縮機部を駆動する電動機部と、前記圧縮機部及び前記電動機部を収納する密閉容器と、前記密閉容器を貫通する油インジェクション管を通して潤滑油を差圧によって前記圧縮機部に注入する油注入機構と、を備えたヘリウム用スクロール圧縮機において、
    前記圧縮機部は、鏡板に渦巻状のラップを直立する固定スクロールと鏡板に渦巻状のラップを直立する旋回スクロールとを前記両ラップを互いに内側にして噛み合わせて圧縮室を形成し、この圧縮室を中心に移動させて容積を縮小しヘリウムガスを圧縮して前記密閉容器内に吐出するように形成し、
    前記油注入機構は前記密閉容器の底部に貯留された潤滑油が外部に導かれ冷却されて供給されるように形成し、
    前記電動機部は三相4極の直流電動機部で構成し、
    前記制御装置は前記スクロール圧縮機の回転数制御可能な直流インバータ制御装置で構成した
    ことを特徴とするヘリウム用スクロール圧縮機。
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