JP3637368B2 - 冷凍装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気圧縮冷凍サイクルを用いる空気調和機及び室外機並びに冷凍装置に関し、低価格品から高価格品までの広い用途、共通化を進め機種展開を容易にするものに好適である。
【0002】
【従来の技術】
蒸気圧縮冷凍サイクルを使用した空気調和機及び室外機並びに冷凍装置に用いる冷媒圧縮機としては、回転数がほぼ一定として駆動される一定速形圧縮機、回転速度が制御されるインバータ形圧縮機があり、商用周波数の交流電圧で容易に駆動できること等よりかご型導体(巻線)を設けた誘導電動機が採用されることが多い。また、高効率化の観点より回転子鉄心に永久磁石を設けてなる回転子と電機子鉄心に三相巻線を設けた電機子を有するDCモータを採用することも例えば、特開平5−211796号公報に記載されているように知られている。
さらに、産業用モータは、省エネルギニーズの要求より、高効率で商用電源駆動が可能なものとして埋込磁石同期電動機が提案され、例えば 平野他3名:新高率モータと応用:技報 安川、第62巻、No.4、1998、通巻241号 に記載されている。
【特許文献1】
特開平5−211796号公報
【非特許文献1】
平野他3名著,「新高率モータと応用」技報 安川,第62巻,No.4,1998,通巻241号
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術において、特開平5−211796号公報に記載されているものでは、高効率化の点では良いが、始動するためにはその電源に周波数を可変できるインバータを採用することが必然的となり、電源回路等が複雑化し、冷凍サイクルを有するシステムとして見た場合、用途によっては必要以上に複雑となり高価となることがある。
また、上記従来技術による埋込磁石同期電動機を冷凍サイクルが用いられる空気調和機及び室外機並びに冷凍装置に採用するには、例えば、電動機の回転速度についても冷凍サイクルに必要とされる冷媒吐出量、冷凍サイクルとしての効率を考慮しなければならないし、圧縮機の圧縮室の容積、圧縮機全体の大きさ、さらには圧縮機を搭載する室外ユニットのサイズなどが大きくならないようにしなければならない。
【0004】
さらに、冷凍サイクルを始動する場合、圧縮機の吐出側と吸入側の差圧が大きいと埋込磁石同期電動機であっても始動が不可能となったり、その信頼性が不充分となったりする恐れがある。
さらに、冷凍サイクルの定常運転時、つまり同期状態の運転時に過負荷が生じると埋込磁石同期電動機の回転子が大きく失速したり、電動機の巻線温度が上昇して最悪の場合、巻線の絶縁材料が劣化したり、巻線の絶縁破壊を生じたりして、装置の信頼性が著しく損なわることになる。
さらに、埋込磁石同期電動機の永久磁石の冷凍サイクルを循環する冷媒や潤滑油の劣化に対する影響も最小限となるようにする必要がある。
【0005】
本発明の目的は、消費電力を小さくし、高効率とすると共に、商用電源駆動が可能で信頼性の高い冷凍サイクルを用いた空気調和機及び室外機並びに冷凍装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、高効率であるにも係わらず、圧縮機の圧縮室の容積、圧縮機全体の大きさ、さらには圧縮機を搭載する室外ユニット、冷凍装置(含む空気調和機)の小型化を図ることにある。
なお、本発明は上記課題、目的の少なくとも一つを達成するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、電動機によって駆動される複数台の圧縮機を備え、冷媒が循環する冷凍サイクルを有し、インバータ電源で駆動され容量制御可能な可変速形圧縮機と、一定速形圧縮機と、を有する冷凍装置において、前記一定速形圧縮機の吐出側に設けられた逆止弁と、圧縮機機構部と、該圧縮機機構部の下部に設けられ回転子の外周近傍に導体が埋設されてかご型導体が形成されその内側に2極に着磁された永久磁石が埋設された前記電動機と、が圧力容器内に設けられ、冷媒ガスが前記電動機を通過する前記一定速形圧縮機と、前記電動機の下部に設けられ前記圧縮機機構部の摺動部及び軸受の潤滑を行う潤滑油が溜められる油溜め部と、を備え、前記一定速形圧縮機の始動時は非同期状態で駆動して前記冷媒及び前記潤滑油を加熱し、定常時は同期電動機として同期速度で運転されるものである。
【0007】
また、上記のものにおいて、前記一定速形圧縮機をスクロール圧縮機としたことが望ましい。
【0008】
さらに、上記のものにおいて、前記永久磁石としてネオジウム又はサマリウム・コバルト磁石を用いたことが望ましい。
【0009】
さらに、上記のものにおいて、前記一定速形圧縮機の吐出側と吸入側をバイパスし開閉弁が設けられたバイパス回路と、前記一定速形圧縮機の吐出側に設けられた吐出圧力検出装置と、を備え、前記冷凍サイクルの運転中に前記吐出圧力検出装置で検出される値が設定圧力値以上になった場合、前記開閉弁を開けることが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に図を参照して説明する。
蒸気圧縮冷凍サイクルを用いる空気調和機の効率向上のためには、冷凍サイクルを構成する部品の中で最も消費電力が大きい冷媒圧縮機に用いる電動機の効率を向上することが効果的である。従来、冷媒圧縮機には誘導電動機が用いられることが多いが、それに比べ効率の高い電動機としては、回転子鉄心内に永久磁石を埋設した同期電動機が知られている。同期電動機は、電動機の回転子に埋設された永久磁石と固定子より発生した回転磁場の引き合いを利用して回転することから、誘導電動機では発生する電動機の回転子に流れる2次電流が発生せず、これによるエネルギー損失がないことから効率が高くなる。
しかし、冷媒圧縮機に用いる電動機として同期電動機を使用する場合、以下のようなことを考慮しなければならない。
【0011】
冷媒圧縮機の電動機として同期電動機を使用し、その同期電動機に直接、商用電源を接続すると、電動機の固定子より発生する回転磁界は電源周波数(50/60Hz)に相当する回転速度(同期速度)となる。冷媒圧縮機に用いる電動機の回転子は、冷媒圧縮機の回転部品と一体化されているため慣性力が大きい。そのため、始動時において、回転子は固定子より発生する回転磁界の回転速度に追従できず、冷凍サイクルは始動できない。よって、一定速形圧縮機が必要とされる場合、商用電源駆動を前提とすることが好ましいので同期電動機を使用することはできなかった。
【0012】
図1および図2は、本発明による一実施の形態である空気調和機であり、圧縮機が商用電源で駆動される一定速形圧縮機であり、その圧縮機に用いられる電動機の回転子鉄心が同期速度以下では、誘導電動機として作用する同期電動機を内蔵し、つまり回転子鉄心内に2極に着磁された永久磁石が埋設されている。
図1に示す空気調和機は、一定速形圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、室外膨張装置5、室内膨張装置6、室内熱交換器7、アキュムレータ9を順次連結し構成されている。一定速形圧縮機1に使用する電動機として、その回転子に、回転子の外周近傍に周方向に沿ってかご型巻線(導体)を形成し、かつ回転子に永久磁石が埋設されることで、回転子の回転速度が同期速度になるまでは誘導電動機として作用し、回転子の回転速度が同期速度となると同期電動機として働く。そのため、インバータを用いなくても始動が可能であると共に、同期速度での運転時、つまり商用電源の電源周波数(50/60Hz)で決まる回転数(3000r/min、3600r/min)での定常運転時において、電動機の回転子に2次電流が発生しないので効率を向上できる。
【0013】
また、一定速形圧縮機1に用いる電動機として、電動機の回転子に永久磁石を埋設しているが、単なる永久磁石形の同期電動機と、その同期電動機の同期速度付近まで駆動することのできる誘導電動機とを組み合わせても良い。この場合、始動時はまず誘導電動機のみに電力を供給し、電動機の回転子が同期電動機の同期速度付近まで回転速度が達したら、誘導電動機への電力の供給を断ち、同時に同期電動機に電力を供給する。これにより、圧縮機1は定常運転にて同期電動機のみで駆動され、電動機及び圧縮機1の運転効率が高くなり、空気調和機全体としての効率も大幅に向上する。
つまり、同期電動機は誘導電動機にあった固定子と回転子間の滑り(スリップ)が発生しないため、誘導電動機に比べ、回転子の回転速度の負荷変動が小さく、同じ負荷ならば圧縮機1の回転数が速くなるので、圧縮機1の冷媒圧縮機構部により圧縮される冷媒量も増加し、圧縮機1の冷媒吐出量が増加し、図2に示すように冷凍サイクルの通常の負荷範囲ではその能力を向上することができる。
【0014】
特に、冷凍サイクルが過負荷となる運転時においても、同期状態で滑りが0となり、かご形導体に電流が流れないので、誘導電動機が過負荷では滑りが大きいことと比較して、能力が向上する効果は非常に大きくなる。さらに、圧縮機1をスクロール圧縮機とすれば圧縮トルクの変動が小さいことから、電動機に対する負荷変動が小さいのでより一層効率向上を図ることができる。なお、図2では冷房運転時の例を示しているが、暖房運転時においても同様である。
【0015】
また、電動機の回転子の回転速度は、電動機の極数に反比例するため、電動機の極数を最小の2極とすることで、電動機の回転子の回転速度は速くなり、圧縮機1からの冷媒吐出量は多くなる。よって、圧縮機1の圧縮室の容積を小さくすることができ、圧縮機1及びそれを搭載する室外ユニット20のサイズを小型化することができる。さらに、インバータが用いられる可変速形の空気調和機などとも圧縮機構部あるいはその他の冷凍サイクルに必要とされる部品を共通化することができ、機種展開等も容易で安価とすることができる。
【0016】
圧縮機1及び回転子52の詳細を図6、7を参照して説明する。
圧縮機機構部は、固定スクロール60の端板61に直立する渦巻状ラップ63と、旋回スクロール57の端板58に直立する渦巻状ラップ68とを噛み合わせて形成し、旋回スクロール57をクランクシャフト55によって旋回運動させることで圧縮動作を行う。
固定スクロール60及び旋回スクロール57によって形成される圧縮室59(59a、59b…)のうち、最も外径側に位置している圧縮室は旋回運動に伴って両スクロール60、57の中心に向かって移動し、容積が次第に縮小する。両圧縮室59a、59bが両スクロール60、57の中心近傍に達すると、両圧縮室内の圧縮された冷媒ガスは圧縮室と連通した吐出口62から吐出される。吐出された冷媒ガスは、固定スクロール60及びフレーム56に設けられたガス通路を通ってフレーム56下部の圧縮容器内に至り圧縮容器の側壁に設けられた吐出パイプ64から圧縮機外に排出される。
【0017】
また、圧力容器内(電動機室)に電動機が内封されており、電動機で旋回スクロール57が駆動されて圧縮動作を行う。
電動機の下部には、油溜め部66が設けられ、そのなかの潤滑油は回転運動によって生じる圧力差によってクランクシャフト55内に設けられた油孔65を通って旋回スクロール57とクランクシャフト55との摺動部、滑り軸受け等の潤滑を行う。
電動機は固定子51と回転子52とで構成される埋込磁石形同期電動機であり、固定子51は固定子鉄心53とそれに巻き回された電機子巻線(導体)とを有し、回転子52は、永久磁石71が埋設され、磁石間スリット73を有する回転子鉄心52を設けている。
図7は、回転子52の詳細構造を示し、永久磁石71が2極に着磁され、かつ回転子52の外周近傍に導体が埋設されてかご型導体(巻線)72を形成している。
【0018】
次に図3を用いて、他の実施の形態について説明する。
冷凍サイクルを始動する場合、圧縮機1の吐出側と吸入側の差圧が大きいと始動が不可能となったり、その信頼性が不充分となったりするので電動機の始動トルクを充分確保する必要がある。そのため、冷凍サイクルを誘導電動機として始動し、その後、同期電動機として運転するにしても電動機の始動トルクを大きくするには誘導電動機としての作用を、つまり、回転子のかご形導体の量を多くしたり、電流を多くするため線径を太くしたりしなければならず、圧縮機1が大型化する恐れがある。そして、コンパクト化するには、かご形導体が設けられた回転子の鉄心に永久磁石を埋め込むことが構造的にも困難となる。また冷凍サイクル内の圧力がバランスするには、圧縮機1が停止してから数分間かかる。
【0019】
そこで、圧縮機1の吐出側と吸入側とをバイパス管で接続し、そのバイパス回路を開閉する開閉弁10を設け、始動前に開閉弁10を開けることで、吐出圧力と吸入圧力との差圧を小さくすることができるので、圧縮機1は始動しやすくなり、かご形導体の量を少なくできるので、永久磁石を回転子52に設けることも容易となり、コンパクト化に適し、信頼性を確保することができる。
【0020】
さらに、圧縮機1の運転中において、圧縮機1の電動機の回転子52にかかるトルクが大きくなる、つまり吐出圧力が高くなると、電動機の回転子は失速する恐れがある。そこで、電動機の回転子52が失速しない吐出圧力の値Pdsetを設定し、吐出圧力検出装置14により吐出圧力を計測し、吐出圧力がPdsetまで上昇したら、開閉弁10を開けることで吐出圧力を下げることで、電動機の失速による冷凍サイクルの異常を防止できる。さらに、圧縮機をスクロール圧縮機とすれば圧縮トルクの変動が少ないので、この冷凍サイクルの異常をより防止して、信頼性を高め、低騒音化を達成することができる。
圧力検出装置14としては、設定圧力Pdsetとなったときに、電気回路のスイッチが開(または閉)するように設定した圧力スイッチでもよい。
【0021】
次に図4を用いて、本発明による他の実施の形態について説明する。
本空気調和機は、室外熱交換器3と室内熱交換器7(室外熱交換器3と室内膨張装置6)の間に受液器11が設けられており、主配管と受液器11内とをつなぐ冷媒導入出管もしくは主配管の流れ方向に対して後流側に受液器11内のガス冷媒をバイパスするバイパス管と、そのバイパス回路を開閉する開閉弁10a、10bとを設けている。
冷房運転時においては、開閉弁10bを開けることで、受液器11内のガス冷媒を導出することができ、受液器11出入口の冷媒かわき度が大きくなり、凝縮器として働く室外熱交換器3の出口の冷媒かわき度が大きくなるため、凝縮器として有効に活用することができるので、凝縮圧力が低く抑えることができ吐出圧力を下げることができる。暖房時においては開閉弁10aを開けることで、冷房時と同様の効果を得ることができる。
これを利用して、圧縮機1に用いる電動機の回転子52が失速しない吐出圧力Pdsetを設定し、吐出圧力検出装置14により吐出圧力を検出し、Pdsetまで上昇したら、冷房時は開閉弁10bを、暖房時は開閉弁10aを開けることで吐出圧力を下げることができ、冷凍サイクルの異常を防ぐことができる。
【0022】
図5を用いて他の実施の形態について説明する。
圧縮機1としては、1台の可変速形圧縮機1aと1台以上の商用電源で駆動される一定速形圧縮機1bを搭載し、一定速圧縮機1bの吐出側に逆止弁13、さらに油分離器12を設けている。
【0023】
室内ユニットは21a、21bのように複数設けられそれぞれの使用状態によって負荷が大きく変動する。室内ユニット側の負荷が小さい場合、圧縮機1a、1bを全て駆動する必要はなく、可変速形圧縮機1aのみを駆動することで容量制御運転を実施する。可変速形圧縮機1aのみ駆動の時に、室内ユニット側の負荷が大きくなり、可変速形圧縮機1aのみでは能力を確保できなくなった場合、一定速圧縮機1bを駆動する。そのとき、可変速形圧縮機1aは既に駆動されているので、一定速形圧縮機1bにして見れば吐出側圧力と吸入側圧力との差圧が大きくなる。そこで、一定速形圧縮機1bの吐出側に逆止弁13を設置し、可変速形圧縮機1aが駆動中においても、一定速形圧縮機1bの吐出側圧力と吸入側圧力との差圧を小さくして、商用電源での始動を容易にすることができる。よって、マルチエアコンのように大容量化が要求されても、インバータ電源を増設することなく、容量可変幅を大きく、かつ木目細かい制御を実現することができる。
【0024】
以上において、圧縮機1として、電動機の回転子52の鉄心内に埋設した永久磁石として、磁力の大きいネオジム、鉄、ボロン磁石、またはサマリウム・コバルト磁石を用いれば、永久磁石の大きさを小さく、かつ数を少なくすることができる。よって、回転子52の鉄心内にかご形導体と永久磁石を設けることが構造的に容易となり、圧縮機1を小型化できる。そして、効率も向上されるので、圧縮機1を搭載する室外ユニット(室外機)20の大きさを小さくすることができる。
さらに、電動機の永久磁石としてネオジム、鉄、ボロン磁石やサマリウム・コバルト磁石を用いた場合、冷媒及び潤滑油と永久磁石とが接触して、永久磁石の構成物質であるネオジムやサマリウムなどの希土類元素が強力な触媒として作用し、潤滑油を劣化して、その劣化生成物が冷凍サイクル中の低温部でスラッジとして析出し、キャピラリを閉塞するため冷媒の流れが阻害され、冷媒圧縮機の温度が異常に上昇してしまう。
しかし、永久磁石の表面をコーティング、ニッケルメッキ、またはアルミメッキを施し被覆することで、圧縮機1内の冷媒及び潤滑油と永久磁石とが直接接することがなくなるので、潤滑油の劣化を抑えることができ、信頼性を向上することができる。
【0025】
以上により、冷凍サイクルは商用電源で運転されるので、冷凍サイクルを有するシステムとして単純化でき、広い用途に適用できる。また、回転子に埋め込まれる永久磁石を2極とするので、商用電源として50Hz又は60Hzの低い周波数であるにも係わらず、比較的高い回転数(3000r/min、3600r/min)で冷凍サイクルの定常運転を行うことができ、圧縮機、室外ユニット、冷凍装置等を小形でコンパクトにして、冷凍サイクルの効率向上、低騒音化などに有利となる。特に、冷凍サイクルの効率は、定常運転時に電動機が同期状態となり滑りに対する電力が不要となること、外気温度が変化して負荷が大きくなっても圧縮機の回転数は変化しないので圧縮効率が低下しないこと、冷凍サイクルに対する負荷変動があっても冷凍サイクル自体を安定にできること、なども合わせてより一層向上することができる。
【0026】
また、始動時、冷媒液が圧縮機に多量に戻って潤滑油の油粘度を低下させたり、暖房運転の始動時は立ち上がりが悪くなるが、冷媒ガスが電動機室を通過するようにして、さらに、商用電源で始動から同期に入るまではすべりを生じた非同期状態で駆動されるので、電動機の発熱が冷媒及び潤滑油を加熱し、圧縮機の軸受けの損傷を防止したり、暖房能力を増加することができる。
【0027】
さらに、少なくとも暖房運転の場合、冷凍サイクルを誘導電動機として始動するので、電動機の発熱が冷媒及び潤滑油を加熱し粘度の低下を防ぎ、圧縮機の軸受けの損傷を防止し、暖房能力を増加することができる。そして、それにも係わらずその後、電動機が同期状態となり圧縮機の回転数は変化しないので外気温度が変化して負荷が大きくなっても圧縮効率の低下を防ぐことができる。
【0028】
さらに、可変速形圧縮機が駆動中であっても、逆止弁によって一定速形圧縮機の吐出側圧力と吸入側圧力との差圧を小さくして商用電源での始動を容易にすることができ、大容量化してもその分インバータ電源を大きくすることなく、容量可変幅を大きく、かつ木目細かい制御を実現することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、消費電力を小さくし、高効率とすると共に、信頼性の高い冷凍サイクルを用いた空気調和機及び室外機並びに冷凍装置を提供することができる。さらに、高効率であるにも係わらず、圧縮機の圧縮室の容積、圧縮機全体の大きさ、さらには圧縮機を搭載する室外ユニット、冷凍装置の小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一実施の形態による冷凍サイクルの系統図。
【図2】 本発明に係る一実施の形態によるの空気調和機の外気温度に対する冷房能力の関係を示すグラフ。
【図3】本発明に係るさらに他の実施の形態による冷凍サイクルの系統図。
【図4】本発明に係るさらに他の実施の形態による冷凍サイクルの系統図。
【図5】本発明に係るさらに他の実施の形態による冷凍サイクルの系統図。
【図6】本発明に係る一実施の形態による圧縮機の側断面図。
【図7】本発明に係る一実施の形態による電動機の回転子の断面図。
【符号の説明】
1、1b…一定速圧縮機、1a…インバータ圧縮機、2…四方弁、3…室外熱交換器、4…室外送風装置、5、5a…室外膨張装置、6、6a、6b…室内膨張装置、7、7a、7b…室内熱交換器、8、8a、8b…室内送風装置、9…アキュムレータ、10、10a、10b…電磁開閉弁、11…受液器、12…油分離器 13…逆止弁、14…吐出圧力検出装置、20…室外ユニット、21、21a、21b…室内ユニット。
Claims (4)
- 電動機によって駆動される複数台の圧縮機を備え、冷媒が循環する冷凍サイクルを有し、インバータ電源で駆動され容量制御可能な可変速形圧縮機と、一定速形圧縮機と、を有する冷凍装置において、
前記一定速形圧縮機の吐出側に設けられた逆止弁と、
圧縮機機構部と、該圧縮機機構部の下部に設けられ回転子の外周近傍に導体が埋設されてかご型導体が形成されその内側に2極に着磁された永久磁石が埋設された前記電動機と、が圧力容器内に設けられ、前記冷媒が前記電動機を通過する前記一定速形圧縮機と、
前記電動機の下部に設けられ前記圧縮機機構部の摺動部及び軸受の潤滑を行う潤滑油が溜められる油溜め部と、
を備え、前記一定速形圧縮機の始動時は非同期状態で駆動して前記冷媒及び前記潤滑油を加熱し、定常時は同期電動機として同期速度で運転されることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1に記載のものにおいて、前記一定速形圧縮機をスクロール圧縮機としたことを特徴とする冷凍装置。
- 請求項1に記載のものにおいて、前記永久磁石としてネオジウム又はサマリウム・コバルト磁石を用いたことを特徴とする冷凍装置。
- 請求項1に記載のものにおいて、前記一定速形圧縮機の吐出側と吸入側をバイパスし開閉弁が設けられたバイパス回路と、前記一定速形圧縮機の吐出側に設けられた吐出圧力検出装置と、を備え、前記冷凍サイクルの運転中に前記吐出圧力検出装置で検出される値が設定圧力値以上になった場合、前記開閉弁を開けることを特徴とする冷凍装置。
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