JP2012215159A - 密閉型回転式圧縮機及びこの密閉型回転式圧縮機を用いた冷凍サイクル装置 - Google Patents

密閉型回転式圧縮機及びこの密閉型回転式圧縮機を用いた冷凍サイクル装置 Download PDF

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Abstract

【課題】圧縮機の外部に持ち出される冷凍機油量を低減できる密閉型回転式圧縮機及びこの密閉型回転式圧縮機を用いた冷凍サイクル装置を提供する。
【解決手段】冷媒を圧縮する圧縮要素102と、圧縮要素102の上方に設けられ、回転子5及び固定子1を有し、圧縮要素102を駆動する電動要素103と、電動要素103の上部に設けられた油分離機40と、圧縮要素102、電動要素103及び油分離機40を収納した密閉容器101と、を備え、電動要素103の回転子5と固定子1との間に形成され、上方向に冷媒が通過する空隙の上部を覆うように油分離機40が配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気調和機又は冷凍機等に使用される密閉型回転式圧縮機及びこの密閉型回転式圧縮機を用いた冷凍サイクル装置に関するものである。
空気調和機又は冷凍機等に使用される密閉型回転式圧縮機は、その体積効率などの性能を維持するために、圧縮要素(例えばクランクシャフト、シリンダ等)の各摺動部品の間隙を冷凍機油で満たす必要がある。そのため、圧縮要素に対する油面レベルの維持をはかる必要がある。
しかし、その空気調和機又は冷凍機等の出力容量の増加に伴って冷凍サイクル装置に封入される冷媒量が増加すると、圧縮機外に搬出されて冷凍サイクル装置内を循環する冷凍機油の量が増加する。それにより、密閉型回転式圧縮機内部に貯溜した冷凍機油量が減少し、圧縮要素への給油不足が生じることで圧縮要素の摩耗が促進されてしまう。
このような冷凍サイクル装置内を循環する冷凍機油量を抑制するために、密閉容器内部に油分離機を備えることで密閉型圧縮機外部に吐出される冷凍機油量を低下させたものとして、「密閉容器内の上側に回転子と固定子とを有する電動要素を、下側にこの電動要素によって駆動される圧縮要素を夫々収納し、回転子の上方にこの回転子と一体に回転する油分離板を設けた密閉型圧縮機において、前記コイルエンドの油分離板との対向面に耐冷媒性のスポンジ材を取り付けたことを特徴とする密閉型圧縮機の油分離装置」というものがある(例えば、特許文献1参照)。
実公昭62−82379号公報(実用新案登録請求の範囲)
特許文献1に示したような密閉型圧縮機は、冷媒が圧縮機下部から上部へと移動する際に、冷凍機油が冷媒と共に持ち上げられる。また、特許文献1に示した密閉型圧縮機は、電動要素の固定子と回転子との間が冷媒の流路となっているが、油分離装置がその流路の上部を覆うように配置されていない。そのため、油分離の機能が効率的に働かないので、圧縮機の外部に搬出される冷凍機油の量が十分に低減できない。これにより、圧縮要素の摩耗等により、密閉型回転式圧縮機の信頼性が低下するという課題があった。
本発明は、圧縮機の外部に持ち出される冷凍機油量を低減できる密閉型回転式圧縮機及びこの密閉型回転式圧縮機を用いた冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
本発明の密閉型回転式圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮要素と、前記圧縮要素の上方に設けられ、回転子及び固定子を有し、前記圧縮要素を駆動する電動要素と、前記電動要素の上部に設けられた油分離機と、前記圧縮要素、前記電動要素及び前記油分離機を収納した密閉容器と、を備え、前記電動要素の回転子と固定子との間に形成され、上方向に前記冷媒が通過する空隙の上部を覆うように前記油分離機が配置されているものである。
本発明によれば、電動機の回転子と固定子の間の空隙を冷媒が通過し、その空隙の上部を覆うように冷凍機油を分離するための油分離機を配置したことで、運転時に圧縮機の外部に持ち出される冷凍機油量が低減する。それにより、圧縮要素の摩耗等を抑制し、信頼性の高い密閉型回転式圧縮機を得ることができる。
本発明の実施の形態1〜4における密閉型回転式圧縮機を示す正面断面図である。 図1のA−A断面図である。 本発明の実施の形態3における密閉型回転式圧縮機の駆動回路を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態4における密閉型回転式圧縮機を用いた冷凍サイクル装置を示す概略構成図である。
以下、本発明における密閉型回転式圧縮機の例について、図面を用いて詳細に説明する。
実施の形態1.
まず、本実施の形態1における密閉型回転式圧縮機の構成について説明する。なお、以下の説明において密閉型回転式圧縮機を略して圧縮機と称することがある。
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型回転式圧縮機130の正面断面図であり、図2は、図1のA−A断面図を示すものである。
図1に示す密閉型回転式圧縮機130は、1シリンダ型ロータリー圧縮機である。なお、本実施の形態1では密閉型回転式圧縮機の一例として、ロータリー型圧縮機を一例に示したが、スクロール型、レシプロ型等、電動要素が密閉容器内に配置される密閉型回転式圧縮機であればその圧縮構造を問わない。
密閉型回転式圧縮機130は、上部容器101aと下部容器101bとで構成される密閉容器101内に、冷媒を圧縮する圧縮要素102と、この圧縮要素102を駆動する電動要素103を収納している。圧縮要素102と電動要素103とは、クランクシャフト104で連結され、圧縮要素102が密閉容器101の下部に、電動要素103が密閉容器101の上部に収納されている。
次に、圧縮要素102及びその近傍の構成について図1を用いて説明する。
圧縮要素102は、シリンダ105内にクランクシャフト104の偏心部104bに嵌合するローリングピストン109が収納されている。そして、シリンダ105内に図示しない長方形の板状のベーンが設けられ、そのベーンの一端はローリングピストン109の外周に接触し、吸入側の空間と吐出側の空間とを仕切っている。シリンダ105の上下方向両端の開口部は、主軸受106及び副軸受107で閉塞されている。また、主軸受106は、クランクシャフト104の偏心部104bの上部において、主軸部104aと摺動自在に嵌合している。また、副軸受107は、クランクシャフト104の偏心部104bの下部において、副軸部104cと摺動自在に嵌合している。
シリンダ105には冷媒を流入させるための吸入孔110が設けられており、その吸入孔110は吸入連結管128を介して吸入マフラー127に連結している。吸入マフラー127は、冷媒音の発生を抑止する役割を有している。また、主軸受106には、図示しない吐出孔が形成されている。また、主軸受106の外側には吐出マフラー108が設けられており、吐出マフラー108の上部には吐出穴108aが形成されている。そして、シリンダ105から吐き出される圧縮された冷媒が、吐出孔及び吐出マフラー108を介して吐出穴108aから密閉容器101内に吐き出される構成となっている。ここで、圧縮要素102の動作を潤滑にするための冷凍機油が、冷媒と共に密閉容器101内に吐き出される。
次に、電動要素103及びその近傍の構成について、図1及び図2を用いて説明する。
本実施の形態1では、電動要素103の一例として、略円筒形状の固定子1とその内側で回転する回転子5とを備えたブラシレスDCモーターを用いる。なお、本実施の形態1のモーターは、固定子と回転子を用いたモーターであれば、他のものでもよい。
回転子5は、薄板電磁鋼板を打抜き形成される回転子鉄心シートを積層した回転子鉄心21を有している。また、回転子鉄心21には、磁石挿入孔22が形成されており、磁石挿入孔22に永久磁石23が挿入されている。
回転子鉄心21の内径はクランクシャフト104の外径より小さく、回転子鉄心21はクランクシャフト104に焼嵌め固定される。そして、回転子5の外周を覆うように略円筒状の固定子1が設けられており、回転子5と固定子1との間には、冷媒を通過させるための空隙10が形成されている。
固定子1は回転子5と同様に、薄板電磁鋼板を打抜き形成される固定子鉄心シートを積層した固定子鉄心2を有している。固定子鉄心2は、9個の磁極歯27を有し、磁極歯27で囲まれるスロット26が形成されている。そして巻線4は、絶縁部材3を介して各磁極歯27に集中巻方式で巻かれている。そして、9個の独立した巻線4を接続して三相・六極の巻線が形成されている。なお、極数及び巻き線方式等は上記のものに限られない。
巻線4は固定子1の上部に設けられた圧接端子6に接続され、圧接端子6はリード線7を介して密閉容器101の上部に設けられたガラス端子119に接続されている。そして、それらの線及び端子を介して密閉容器101外部の駆動回路から固定子1に電力が供給されることで回転子5が回転する。回転子5の回転によりクランクシャフト104が回転し、上述した圧縮要素102による圧縮動作が行われる。
また、回転子5は、回転時の振れを打ち消す役割と、永久磁石23の飛散を防止する役割とを持つ、円盤状の上バランスウェイト24a及び下バランスウェイト24bを有する。上バランスウェイト24aは回転子5の上部に設けられ、下バランスウェイト24bは回転子5の下部に設けられており、どちらも回転子鉄心21に垂直に挿入されたリベット25により固定される。リベット25は、回転子鉄心21に形成されるリベット孔に挿入されている。なお、本実施の形態における上バランスウェイト24a及び下バランスウェイト24bは、回転子5の上下の端板を兼ねているが、端板とは別の部品としてもよい。
上述したように回転子5と固定子1の間には空隙10が形成されており、圧縮要素102から吐出された冷媒は、空隙10を通り密閉容器101の上部へ導かれる。また、その冷媒と共に冷凍機油が、密閉容器101の上部に導かれる。また、空隙10は、上部に導かれた冷凍機油を密閉容器101の下部に落とすための役割を同時に持っている。
また、固定子1と密閉容器101の間にも、密閉容器101の上部と下部を連通する空隙11が存在し、上記空隙10と同様の役割を持っている。
ここで、前述したように圧縮要素102から吐出され、電動要素103の空隙10及び11から上部に流出する冷媒は、冷凍機油が含まれている。そのため、回転子5の上部には、例えば略円盤形状の油分離機40が空隙10の上部を覆うように設けられている。そして、圧縮機の運転中は、この油分離機40を回転させることによって空隙10及び11から上部に流出した冷凍機油を冷媒と遠心分離する。仮に、油分離機40により空隙10の上部が覆われていない場合、その覆われていない部分から一部の冷媒が遠心分離されずに上方に流れ、直接吐出管129から外部に流出する。しかし、本実施の形態1の油分離機40は空隙10の上部を覆うように設けられているため、空隙10から流出した冷媒の大部分が油分離機40に衝突するので遠心分離を効率的に行うことができる。これにより、冷媒は上部の吐出管129から外部に流出するが、分離された冷凍機油は、空隙10及び空隙11を通り下部に落ちるため、圧縮機外部への冷凍機油の流出が抑制される。
なお、油分離機40の形状は円盤形状に限られるものではなく、空隙10を覆うものであればよい。また、回転により冷凍機油を遠心分離させるものに限られず、回転せずに冷媒と油分離機40との衝突により冷媒と冷凍機油とを分離させるものであってもよい。
また、冷媒の流路として、さらに回転子5を上下方向に貫通する風穴を形成した場合でも、油分離機40は回転子5より径が大きいので、その風穴上部が油分離機40により覆われることとなる。そのため、その風穴を通って圧縮機上部へ移動した冷媒と共に持ち上げられる冷凍機油に対しても効率的に遠心分離を行うことができる。
以上のように、本実施の形態1では、油分離機40を回転子5と固定子1の間の空隙10の上部を覆うように配置した。そのため、回転子5と固定子1の間の空隙10を通って圧縮機下部から上部へ移動する冷媒と共に持ち上げられる冷凍機油とが、前記油分離機40の遠心分離効果により効率的に分離される。
これにより、圧縮機運転時に圧縮機外部に持ち出される冷凍機油量を低減することができ、信頼性の高い密閉型回転式圧縮機を得ることができる。
実施の形態2.
本実施の形態2における密閉型回転式圧縮機では、回転子5に用いる永久磁石23の一例として、フェライト磁石を用いた例を説明する。なお、特に説明しない構成については、実施の形態1と同じであるものとする。
フェライト磁石は、焼結磁石のため耐腐性・耐酸化性に優れており、また、磁気保持力が高いので減磁しにくく、安定している。また、フェライト磁石は、酸化鉄が主成分であることから、コストが低いという長所がある。しかし、フェライト磁石は、現在主流である希土類磁石に比べ磁力が低いという短所がある。磁力の低さを補うために、回転子5に用いる永久磁石23としてフェライト磁石を使用する場合、希土類磁石を用いた場合と同等性能を出すためには磁石体積を大きくする必要がある。そのために、回転子鉄心21及び永久磁石23の軸方向長さを長くすることで磁石体積を増加させると、固定子1の巻線4と固定子鉄心2との間の静電容量が増大し、漏洩電流が大きくなってしまうという問題点が生じる。
一方、漏洩電流の増加をさせないために磁石サイズを内径側に大きくすることで磁石体積を増加させると、回転子5内に冷媒を通過させるための風穴を設けることができない。しかしながら、本実施の形態1に示したように、冷媒の流路として、回転子5と固定子1との間の空隙10及び固定子1と密閉容器101との間の空隙11を使用している。そして、油分離機40を空隙10の上部を覆うように配置したので、冷媒と冷凍機油との分離を効率的に行うことができる。
以上のように、本実施の形態2における密閉型回転式圧縮機は、永久磁石23としてフェライト磁石を使用したため、上述したようなフェライト磁石の長所を効果として得ることができる。そして、フェライト磁石の短所である磁力が低いという点を補うため、永久磁石23の軸方向長さを長くするのではなく永久磁石23を内径側に大きくしたことで、漏洩電流の増加を抑制できる。また、永久磁石23を内径側に大きくしたことで、風穴を形成できなくても、実施の形態1と同様に油分離機40を空隙10の上部を覆うように配置したので、冷媒と冷凍機油との分離を効率的に行うことができる。
これにより、信頼性の高い密閉型回転式圧縮機を得ることができる。
実施の形態3.
本実施の形態3では、電動要素103を駆動する駆動回路のスイッチング素子及びダイオード素子に用いる半導体の一例としてワイドバンドギャップ半導体を用いた例について説明する。なお、特に説明しない構成については、実施の形態1及び2と同じであるものとする。
密閉型回転式圧縮機130のガラス端子119(図1参照)は、駆動回路136に接続している。
以下に、駆動回路136の構成の例及びそれに用いられるワイドバンドギャップ半導体について詳しく説明する。
図3は、本発明の実施の形態3における密閉型回転式圧縮機130の駆動回路136を示す概略構成図である。
駆動回路136は、ダイオード素子等により構成され電源301から供給される交流電流を整流する整流器302、直流リアクトル303、直流平滑コンデンサ305およびスイッチング素子を有する逆変換器304を備えている。本実施の形態3では、整流器302のダイオード素子及び逆変換器304のスイッチング素子の少なくとも一方にワイドバンドギャップ半導体(例えばSiCやGaN)を用いている。
また、この駆動回路136は、直流母線電圧検出手段306、出力電流検出手段308、出力周波数設定手段310、PWM演算手段309、および逆変換器駆動手段307を備えている。
直流母線電圧検出手段306は、逆変換器304に印加される電圧を検出し、出力電流検出手段308は、逆変換器304から密閉型回転式圧縮機130に出力される出力電流を検出する。PWM演算手段309は、直流母線電圧検出手段306、出力電流検出手段308、および出力周波数設定手段310からの信号に基づいて演算処理等を行う。詳しくは、空気調和機又は冷凍機等の所要空調能力や、圧縮機駆動時の所要駆動トルクが出力されるようなPWM演算信号を生成して逆変換器駆動手段307に出力する。逆変換器駆動手段307は、PWM演算手段309から出力されたPWM演算信号に基づいて逆変換器304をPWM制御する。これにより、駆動回路136は、PWMインバータとして動作する。
ワイドバンドギャップ半導体は従来のSi半導体と比較すると、熱に強いのでヒートシンクの放熱フィンの小型化や水冷部の空冷化等が可能となり、また、より大きな電流を流すことができる。
また、ワイドバンドギャップ半導体は従来のSi半導体と比較し、電力損失が少なく、駆動回路内の発熱が抑制される。それにより、ワイドバンドギャップ半導体を用いたことで、従来のSi半導体を使用した場合と比べ、大きな電流を流すことができる。また、ワイドバンドギャップ半導体は従来のSi半導体と比較し、電動要素103を駆動する際のキャリア周波数を増加させることができる。
より大きな電流を流せることにより、電動要素103をより高回転乃至高負荷で回転させることができ、またキャリア周波数を増加させられることにより、広範囲の条件において効率的に密閉型回転式圧縮機130の運転が可能となる。しかし、電動要素103をより高回転乃至高負荷で回転させると圧縮機外部に持ち出される冷凍機油量が増えてしまう。
しかしながら、本実施の形態3の密閉型回転式圧縮機130においても、実施の形態1に説明したような油分離機40を配置したことにより、圧縮機運転時に圧縮機外部に持ち出される冷凍機油量を低減することができる。
以上のように、本実施の形態3における密閉型回転式圧縮機は、ワイドバンドギャップ半導体を用いたことで、従来のSi半導体と比較した有利な効果を得られる。また、ワイドバンドギャップ半導体を用いることで大きな電流を流した場合であっても、実施の形態1及び2と同様に油分離機40を空隙10の上部を覆うように配置したので、冷凍機油量の圧縮機外への流出を抑制できるという効果が得られる。
これにより、信頼性が高くかつ広範囲の条件で運転可能な密閉型回転式圧縮機130を得ることができる。
なお、駆動回路136のスイッチング素子やダイオード素子の両方がワイドバンドギャップ半導体によって形成されていることが望ましいが、いずれか一方の素子がワイドバンドギャップ半導体よって形成されていてもよく、いずれの場合でも上記の効果を奏することができる。
実施の形態4.
本実施の形態4では、実施の形態1〜3に示した密閉型回転式圧縮機を用いた冷凍サイクル装置の一例について説明する。
図4は、本発明の実施の形態4に係る密閉型回転式圧縮機130を用いた冷凍サイクル装置200を示す概略構成図である。
図4において、本実施の形態4における冷凍サイクル装置200の各構成機器は、配管を介して順次接続されている。詳しくは、実施の形態1〜3に示した密閉型回転式圧縮機130の冷媒吐出側に、四方切換弁131が設けられており、冷房運転と暖房運転との切替時に経路を切り換えている。密閉型回転式圧縮機130は、実施の形態3で説明した駆動回路136により駆動される。また、四方切換弁131の暖房運転時の冷媒下流側には、室内側熱交換器134が設けられており、冷房運転時の冷媒下流側には、室外側熱交換器132が設けられている。また、室内側熱交換器134と室外側熱交換器132との間には、減圧装置133が設けられている。減圧装置133は、例えば電動膨張弁などである。また、密閉型回転式圧縮機130の冷媒吸入側に、冷媒音を抑止するための吸入マフラー127が接続され、さらにその上流側には、冷媒を貯留するアキュムレーター135が接続されている。
次に、以上のように構成された冷凍サイクル装置200の動作について、暖房運転時及び冷房運転時のそれぞれについて説明する。なお、図4の矢印は、実線が暖房運転時の冷媒の流れ方向であり、破線が冷房運転時の冷媒流れ方向である。
暖房運転の場合、密閉型回転式圧縮機130で圧縮された高温高圧の冷媒は、四方切換弁131を介して、室内側熱交換器134に流れる。暖房運転の場合、室内側熱交換器134は、凝縮器として機能するので、冷媒が凝縮し、液化する。室内側熱交換器134から流出した冷媒は、減圧装置133により膨張し、低温低圧の二相状態となる。減圧装置133から流出した冷媒は、室外側熱交換器132へ流入する。暖房運転の場合、室外側熱交換器132は蒸発器として機能するので、冷媒は蒸発し、ガス化する。そして、室外側熱交換器132から流出した冷媒は、四方切換弁131、アキュムレーター135及び吸入マフラー127を通って再び密閉型回転式圧縮機130に流入する。
冷房運転の場合、密閉型回転式圧縮機130で圧縮された高温高圧の冷媒は、四方切換弁131を介して、室外側熱交換器132に流れる。冷房運転の場合、室外側熱交換器132は、凝縮器として機能するので、冷媒が凝縮し、液化する。室外側熱交換器132から流出した冷媒は、減圧装置133により膨張し、低温低圧の二相状態となる。減圧装置133から流出した冷媒は、室内側熱交換器134へ流入する。冷房運転の場合、室内側熱交換器134は蒸発器として機能するので、冷媒は蒸発し、ガス化する。そして、室内側熱交換器134から流出した冷媒は、四方切換弁131、アキュムレーター135及び吸入マフラー127を通って再び密閉型回転式圧縮機130に流入する。
このような冷凍サイクル装置200において、密閉型回転式圧縮機130から冷凍機油が流出した場合、例えば室外側熱交換器132及び室内側熱交換器134において、冷却面に油膜ができることにより熱交換効率が低下するという問題点がある。また、冷凍サイクル装置200において、各構成機器の分解整備が困難な構造であるので、冷凍サイクル装置200内に油を流出させないことが重要となる。そのため、本実施の形態4の冷凍サイクル装置200は、実施の形態1〜3に示した密閉型回転式圧縮機130を用いることにより、冷凍サイクル装置200に流出する冷凍機油を低減し、熱交換効率の低下を抑制している。
以上のように、本実施の形態4の冷凍サイクル装置200に実施の形態1〜3に記載した密閉型回転式圧縮機130を用いて圧縮機外部に流出する冷凍機油を抑制することで、熱交換効率の低下を抑制できるので、信頼性が高い冷凍サイクル装置200を提供することが出来る。
1 固定子、2 固定子鉄心、3 絶縁部材、4 巻線、5 回転子、6 圧接端子、7 リード線、10,11 空隙、21 回転子鉄心、22 磁石挿入孔、23 永久磁石、24 バランスウェイト、24a 上バランスウェイト、24b 下バランスウェイト、25 リベット、26 スロット、27 磁極歯、40 油分離機、101 密閉容器、101a 上部容器、101b 下部容器、102 圧縮要素、103 電動要素、104 クランクシャフト、104a 主軸部、104b 偏心部、104c 副軸部、105 シリンダ、106 主軸受、107 副軸受、108 吐出マフラー、108a 吐出穴、109 ローリングピストン、110 吸入孔、119 ガラス端子、127 吸入マフラー、128 吸入連結管、129 吐出管、130 密閉型回転式圧縮機、131 四方切換弁、132 室外側熱交換器、133 減圧装置、134 室内側熱交換器、135 アキュムレーター、136 駆動回路、200 冷凍サイクル装置、301 電源、302 整流器、303 直流リアクトル、304 逆変換器、305 直流平滑コンデンサ、306 直流母線電圧検出手段、307 逆変換器駆動手段、308 出力電流検出手段、309 PWM演算手段、310 出力周波数設定手段。

Claims (5)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮要素と、
    前記圧縮要素の上方に設けられ、回転子及び固定子を有し、前記圧縮要素を駆動する電動要素と、
    前記電動要素の上部に設けられた油分離機と、
    前記圧縮要素、前記電動要素及び前記油分離機を収納した密閉容器と、
    を備え、
    前記電動要素の回転子と固定子との間に形成され、上方向に前記冷媒が通過する空隙の上部を覆うように前記油分離機が配置されていることを特徴とする密閉型回転式圧縮機。
  2. 前記油分離機は、略円盤形状であり、
    前記油分離機が回転することで冷媒と冷凍機油とを遠心分離することを特徴とする請求項1に記載の密閉型回転式圧縮機。
  3. 前記回転子は、永久磁石を有し、
    前記永久磁石は、フェライト磁石であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の密閉型回転式圧縮機。
  4. 前記電動要素を駆動する駆動回路を備え、
    前記駆動回路に設けられたスイッチング素子及びダイオード素子の少なくとも一方にワイドバンドギャップ半導体を用いたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の密閉型回転式圧縮機。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の前記密閉型回転式圧縮機を用いたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
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