JP2011167052A - 圧縮機用単相誘導電動機及び圧縮機及び冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】単相誘導電動機を使用した密閉型圧縮機の高効率化を目的とする。
【解決手段】二重かご形誘導電動機は、高調波による非同期トルクの影響が大きい。補助巻線の1極の段数/スロット数をkとすると、1/8<k≦1/4の範囲となる補助巻線の段数とスロット数の組合せを選択することにより、非同期トルクを低減させ、効率改善を図ることができる。
【選択図】図6
【解決手段】二重かご形誘導電動機は、高調波による非同期トルクの影響が大きい。補助巻線の1極の段数/スロット数をkとすると、1/8<k≦1/4の範囲となる補助巻線の段数とスロット数の組合せを選択することにより、非同期トルクを低減させ、効率改善を図ることができる。
【選択図】図6
Description
この発明は、二重かご形回転子を用いた圧縮機用単相誘導電動機および圧縮機に関するものである。
空気調和機等の冷凍空調装置に使用される圧縮機において、圧縮機構を駆動する電動機には、ブラシレスDCモータ、誘導電動機が使用されている。
誘導電動機には、三相誘導電動機と単相誘導電動機とがある。圧縮機に誘導電動機を使用する場合、三相誘導電動機は起動トルクが大きいため起動に関する問題が少ない。しかし、単相誘導電動機は、起動トルクが小さい。効率改善を行うために二次抵抗を小さくすると、起動トルクが不十分になる。そこで、起動トルクを確保するため、運転コンデンサの他に、起動コンデンサを追加したり、また、主巻線と補助巻線の位相を90°からずらすことを行う。さらに、回転子の二次抵抗を大きくして、起動トルクを大きくすることが行われる。
しかしながら、起動コンデンサを追加する方法は、部品価格が高くなる。また、主巻線と補助巻線の位相を90°からずらす方法は、固定子鉄心のスロット数によっては実現できない。さらに、回転子の二次抵抗を大きくする方法は、運転中の効率が低下する。
そこで、効率やコストを犠牲にせずに起動トルクを改善する方法として、回転子のスロット形状が外層スロットと内層スロットで形成される二重かご形回転子を使用する方法がある。二重かご形回転子は、回転子の外周側に外層スロットを、外層スロットより内側に内層スロットを構成する。外層スロットは、断面積が内層スロットの断面積より小さく、二次抵抗が大きいものが一般的である。
二重かご形回転子を用いる電動機は、起動時には、固定子の磁束と回転子の回転速度の相対速度が大きいため、表皮効果により外層アルミ(アルミニウム)バーに電流が流れ、内層アルミバーには電流が殆ど流れない。そのため、アルミバーの抵抗が大きくなり、二次抵抗が大きくなる。要求される起動トルクを出すために必要な二次抵抗は外層アルミバーの抵抗で稼げる。
圧縮機運転中の効率を上げるためには、二次抵抗は小さい方が良い。運転中は、内層スロットにも電流が流れるため、その分、アルミバーの電流の流れる面積が増加して、二次抵抗が小さくなる。
しかし、二重かご形誘導電動機は、普通かご(一重かご)形誘導電動機に比べ、漂遊負荷損が増加し、効率が低下するという課題がある。
漂遊負荷損の原因の1つに寄生非同期トルクがある。この寄生非同期トルクは固定子側の磁束の高調波成分によって回転子側の導体部に誘起される誘導電流に高調波成分がのることで生じるトルクである。
固定子の磁束に含まれる高調波磁束は、圧縮機運転時でも二重かご形回転子の回転速度との相対速度が大きいため、表皮効果により、外層スロットに高調波誘導電流が流れやすい。二重かご形回転子の外層スロットは二次抵抗が高いため、高調波誘導電流が普通かご形回転子よりも多く発生し、寄生非同期トルクが大きくなる。
また、二重かご形回転子による高調波成分増加により、高調波二次銅損が大きくなる。
また、二重かご形回転子は磁束も高調波成分が大きく、高調波鉄損も大きくなる。
また、二重かごスロットは、スロット表面積が普通かごよりも大きくなるため、表面に生じる渦電流が大きくなる。
また、漂遊負荷損の原因の1つに回転子のコアとアルミバーのショート(絶縁不良)やアルミバー間のショートがある。二重かご形回転子は、同等のスロット断面積の普通かご形回転子に比べ、回転子コアと導体部との接触面積が大きくなり、普通かごより絶縁不良が起き易い。また、外層スロットと内層スロットの連結部や外層スロットと内層スロット間の薄肉部で、アルミバー間のショートが発生し易い。
この発明は、高効率な二重かご形電動機を得るものである。
この発明に係わる圧縮機用電動機は、
密閉容器の内部に冷媒を圧縮する圧縮要素とともに収納される圧縮機用単相誘導電動機であって、前記圧縮要素と駆動軸により連結して該圧縮要素を駆動する圧縮機用単相誘導電動機において、
前記密閉容器の内周部に固定され、複数のスロットのうちの複数段に巻かれた主巻線と補助巻線との2極を備える固定子と、
前記固定子の内側に設けられ、回転子鉄心と二重かご形導体とを有する回転子と
を備え、
前記二重かご形導体は、
前記回転子鉄心に鋳込まれる二次導体であって、外層二次導体及び内層二次導体を備える二次導体と、
前記二次導体と電気的に接続されたエンドリングと
を備え、
前記固定子の補助巻線は、1極の段数/スロット数をkとすると、1/8<k≦1/4の範囲で複数段に巻かれたことを特徴とする。
密閉容器の内部に冷媒を圧縮する圧縮要素とともに収納される圧縮機用単相誘導電動機であって、前記圧縮要素と駆動軸により連結して該圧縮要素を駆動する圧縮機用単相誘導電動機において、
前記密閉容器の内周部に固定され、複数のスロットのうちの複数段に巻かれた主巻線と補助巻線との2極を備える固定子と、
前記固定子の内側に設けられ、回転子鉄心と二重かご形導体とを有する回転子と
を備え、
前記二重かご形導体は、
前記回転子鉄心に鋳込まれる二次導体であって、外層二次導体及び内層二次導体を備える二次導体と、
前記二次導体と電気的に接続されたエンドリングと
を備え、
前記固定子の補助巻線は、1極の段数/スロット数をkとすると、1/8<k≦1/4の範囲で複数段に巻かれたことを特徴とする。
二重かご形誘導電動機の高調波二次銅損、漂遊負荷損を低減でき、高効率な誘導電動機を得ることができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における回転式圧縮機の断面図、図2は、本発明の実施の形態1における電動機要素の横断面図、図3は、本発明の実施の形態1における回転子を示す斜視図、図4は、回転子のスロット形状の拡大図、図5は、本発明の実施の形態1における補助巻線の起磁力分布図、図6は、本発明の実施の形態1における二重かご形電動機と普通かご形電動機の二次銅損低減率を示す図、図7は、本発明の実施の形態1における補助巻線の高調波含有率を示す図である。
図1は、本発明の実施の形態1における回転式圧縮機の断面図、図2は、本発明の実施の形態1における電動機要素の横断面図、図3は、本発明の実施の形態1における回転子を示す斜視図、図4は、回転子のスロット形状の拡大図、図5は、本発明の実施の形態1における補助巻線の起磁力分布図、図6は、本発明の実施の形態1における二重かご形電動機と普通かご形電動機の二次銅損低減率を示す図、図7は、本発明の実施の形態1における補助巻線の高調波含有率を示す図である。
本実施の形態は、回転式圧縮機等の圧縮機に使用される圧縮機用単相誘導電動機に特徴がある。
回転式圧縮機における単相誘導電動機の構造は公知のものである。従って、図1を参照しながら1シリンダの回転式圧縮機(圧縮機の一例)の全体構成を簡単に説明する。
図1に示すように回転式圧縮機10(圧縮機又は密閉型圧縮機の一例)は、密閉容器4内に、圧縮要素200と電動機要素100(圧縮機用電動機又は誘導電動機と呼ぶ)と図示しない冷凍機油とを収納している。冷凍機油は、密閉容器4内の底部に貯留している。冷凍機油は、主に圧縮要素200の摺動部を潤滑する。密閉容器4は、胴部1と上皿容器2と下皿容器3とからなる。
圧縮要素200は、シリンダ5、上軸受け6(軸受けの一例)、下軸受け7(軸受けの一例)、駆動軸8、ローリングピストン9、ベーン等で構成される。シリンダ5は内部に圧縮室を形成する。上軸受け6、下軸受け7はシリンダ5の両端開口部(軸方向)を閉塞する。また、上軸受け6、下軸受け7は、駆動軸8の偏芯部が受ける圧縮荷重を支持する。ローリングピストン9が、駆動軸8の偏芯部に嵌合する。ベーンは、シリンダ5の溝内を往復運動し、先端がローリングピストン9と接する。シリンダ5とローリングピストン9と、ベーンとにより圧縮室が形成される。
電動機要素100は、密閉容器4の胴部1に固定される固定子12と、固定子12内部で回転する回転子11とを有する。
回転子11は、アルミダイキャスト製の二重かご形回転子である。回転子11の内周には駆動軸8が固定される。
固定子12の巻線20にリード線21が接続される。リード線21は、ガラス端子17に接続する。
ガラス端子17は、密閉容器4に溶接により固定されている。ガラス端子17に、外部の電源から電力が供給される。
ガラス端子17は、密閉容器4に溶接により固定されている。ガラス端子17に、外部の電源から電力が供給される。
回転式圧縮機10は、密閉容器4の外部に吸入マフラー14を備える。吸入マフラー14は、液冷媒が直接回転式圧縮機10に吸入されないようにするために設けられる。吸入マフラー14の吸入管15が圧縮要素200のシリンダ5に接続する。圧縮要素200で圧縮された高温・高圧のガス冷媒は、電動機要素100を通過し、最後に吐出管16から外部へ吐出される。
図2、図3、図4により、回転子11の構成を説明する。
図2は、電動機要素100を示す横断面図であり、図1のA―A断面図である。
図2は、電動機要素100を示す横断面図であり、図1のA―A断面図である。
回転子11は回転子鉄心11aと二次導体で構成される。
二次導体は、アルミバー30と、エンドリング32とで構成される。アルミバー30は、断面積が小さい外層スロットと断面積が大きい内層スロットで構成され、二重かご形導体あるいは二次導体と呼ぶ。二重かご形導体は、外層スロットと内層スロットが連結されたスロット形状と、連結されていないスロット形状とがあるが、本実施の形態では、連結されたスロット形状である。前記二重かご形導体を使用した回転子(二重かご形回転子と呼ぶ)に対し、1つのスロットで構成されたスロット形状を普通かご形回転子と呼ぶ。全てのアルミバー30の両端が2個のエンドリング32と電気的に連結されている。
回転子鉄心11aは、板厚が0.1〜1.5mmの電磁鋼板を所定の形状に打ち抜き、軸方向に積層して製作される。
二次導体は、アルミバー30と、エンドリング32とで構成される。アルミバー30は、断面積が小さい外層スロットと断面積が大きい内層スロットで構成され、二重かご形導体あるいは二次導体と呼ぶ。二重かご形導体は、外層スロットと内層スロットが連結されたスロット形状と、連結されていないスロット形状とがあるが、本実施の形態では、連結されたスロット形状である。前記二重かご形導体を使用した回転子(二重かご形回転子と呼ぶ)に対し、1つのスロットで構成されたスロット形状を普通かご形回転子と呼ぶ。全てのアルミバー30の両端が2個のエンドリング32と電気的に連結されている。
回転子鉄心11aは、板厚が0.1〜1.5mmの電磁鋼板を所定の形状に打ち抜き、軸方向に積層して製作される。
図2に示す固定子12は、2極(たとえばN極とS極との2極)の単相誘導電動機に用いられるものである。
固定子12は、固定子鉄心12aと、固定子スロット12bに挿入される主巻線20bおよび補助巻線20aとを備える。主巻線20bおよび補助巻線20aで巻線20を構成する。
図2において、補助巻線20aの1極の段数は4段である。主巻線20bの1極の段数は5段である。
図2においては、補助巻線20aを固定子スロット12bの奥に先に巻き、補助巻線20aを巻いた後から主巻線20bを巻く場合を示している。
なお、図2において、主巻線20bを固定子スロット12bの奥に先に巻き、主巻線20bを巻いた後から補助巻線20aを巻くようにしてもよい。
固定子スロット12bには巻線20と固定子鉄心12aとの間の絶縁を確保するために絶縁材が挿入されるが、図2では図示を省略する。
図2に示すとおり、固定子12は、全体として円筒形をしており、円筒形の側面4か所に平面12cを均等に設けている。A−A断面において、4か所の平面12cは、円周を切り欠いた直線で示されている。
図2の例では固定子スロット12bの数はスロットS1からS24までの24個である。但し、これは一例であり、スロット数が24個に限定されるものではない。固定子鉄心12aは、板厚が0.1mm〜1.5mmの電磁鋼板を所定の形状に打ち抜き、軸方向に積層し、カシメや溶接等により固定して製作される。
固定子12は、固定子鉄心12aと、固定子スロット12bに挿入される主巻線20bおよび補助巻線20aとを備える。主巻線20bおよび補助巻線20aで巻線20を構成する。
図2において、補助巻線20aの1極の段数は4段である。主巻線20bの1極の段数は5段である。
図2においては、補助巻線20aを固定子スロット12bの奥に先に巻き、補助巻線20aを巻いた後から主巻線20bを巻く場合を示している。
なお、図2において、主巻線20bを固定子スロット12bの奥に先に巻き、主巻線20bを巻いた後から補助巻線20aを巻くようにしてもよい。
固定子スロット12bには巻線20と固定子鉄心12aとの間の絶縁を確保するために絶縁材が挿入されるが、図2では図示を省略する。
図2に示すとおり、固定子12は、全体として円筒形をしており、円筒形の側面4か所に平面12cを均等に設けている。A−A断面において、4か所の平面12cは、円周を切り欠いた直線で示されている。
図2の例では固定子スロット12bの数はスロットS1からS24までの24個である。但し、これは一例であり、スロット数が24個に限定されるものではない。固定子鉄心12aは、板厚が0.1mm〜1.5mmの電磁鋼板を所定の形状に打ち抜き、軸方向に積層し、カシメや溶接等により固定して製作される。
二重かご形回転子の特徴を説明する。
二重かご型回転子は外層スロットの断面積が内層スロットの断面積より小さく、二次抵抗が大きい。二重かご形回転子は起動時、固定子の磁束と回転子の回転速度の相対速度が大きいため、表皮効果により二次抵抗が大きい外層スロットに誘導電流が流れやすく、起動トルクが大きくなる。定常時は固定子の磁束と回転子の回転速度の相対速度が小さくなるため、表皮効果は小さくなり、外、内層スロット全体に誘導電流が流れやすくなり、二次抵抗が下がり、高効率となる特徴を有している。しかし、前記課題に示すように漂遊負荷損が普通かごに対して大きいという問題があった。
二重かご形単相誘導電動機の漂遊負荷損を低減する方法を説明する。
図9は、図2に示した固定子12の巻線の巻数ダイアグラムを示す図である。
図9は、固定子スロット12bが24個で、主巻線20bおよび補助巻線20aとのコイルアングルが90度の場合を示している。
主巻線20bの1極の1段目の巻線は、スロットS1とS12に45本巻かれる。
主巻線20bの1極の2段目の巻線は、スロットS2とS11に44本巻かれる。
主巻線20bの1極の3段目の巻線は、スロットS3とS10に26本巻かれる。
主巻線20bの1極の4段目の巻線は、スロットS4とS9に26本巻かれる。
主巻線20bの1極の5段目の巻線は、スロットS5とS8に9本巻かれる。
主巻線20bの他極の1段目の巻線は、スロットS13とS24に45本巻かれる。
主巻線20bの他極の2段目の巻線は、スロットS14とS23に44本巻かれる。
主巻線20bの他極の3段目の巻線は、スロットS15とS22に26本巻かれる。
主巻線20bの他極の4段目の巻線は、スロットS16とS21に26本巻かれる。
主巻線20bの他極の5段目の巻線は、スロットS17とS20に9本巻かれる。
主巻線20bの各極の各段の巻線の本数は同じ本数である。
主巻線20bの各段の巻線の本数は段数が大きくなるほど減少している。
主巻線20bの1段目の巻線は、24個のスロットを半分にした12スロットのうち最も離れたスロット(スロットS1とS12)に巻く。
主巻線20bの2段目の巻線は、1段目の巻線のスロットの内隣のスロット(スロットS2とS11)に巻く。
主巻線20bの3段目の巻線は、2段目の巻線のスロットの内隣のスロット(スロットS3とS10)に巻く。
主巻線20bの4、5段目の巻線も同様に内隣のスロットに巻く。
補助巻線20aの1極の1段目の巻線は、スロットS7とS18に40本巻かれる。
補助巻線20aの1極の2段目の巻線は、スロットS8とS17に36本巻かれる。
補助巻線20aの1極の3段目の巻線は、スロットS9とS16に33本巻かれる。
補助巻線20aの1極の4段目の巻線は、スロットS10とS15に13本巻かれる。
補助巻線20aの他極の1段目の巻線は、スロットS19とS6に40本巻かれる。
補助巻線20aの他極の2段目の巻線は、スロットS20とS5に36本巻かれる。
補助巻線20aの他極の3段目の巻線は、スロットS21とS4に33本巻かれる。
補助巻線20aの他極の4段目の巻線は、スロットS22とS3に13本巻かれる。
補助巻線20aの各極の各段の巻線の本数は同じ本数である。
補助巻線20aの各段の巻線の本数は段数が大きくなるほど減少している。
補助巻線20aの1段目の巻線は、主巻線20bの1段目の巻線を巻いたスロット(スロットS1とS12)からコイルアングルが90度ずれたスロットで、かつ、24個のスロットを半分にした12スロットのうち最も離れたスロット(スロットS7とS18)に巻く。
補助巻線20aの2段目の巻線は、1段目の巻線のスロットの内隣のスロット(スロットS8とS17)に巻く。
補助巻線20aの3、4段目の巻線も同様に内隣のスロットに巻く。
主巻線20bの巻線の径は、1.05mmである。
補助巻線20aの巻線の径は、0.95mmである。
主巻線20bと補助巻線20aとが巻かれる固定子スロット12bとして、スロットS3、S4,S5がある。
スロットS3、S4,S5の主巻線20bの巻線の断面積の合計と補助巻線20aの巻線の断面積の合計との比は、スロットS5がいちばん小さくなる。
スロットS5の主巻線20bの巻線の断面積の合計と補助巻線20aの巻線の断面積の合計との比は、約25%である。
補助巻線20aが先に巻かれ主巻線20bが後から巻かれる場合、巻線機による巻線作業や製造作業の観点から固定子スロット12bの面積の25%以上を残した状態で、後から巻く巻線を巻くことが望ましい。
このため、主巻線20bの巻線の断面積の合計(主巻線20bの断面積ともいう)と補助巻線20aの巻線の断面積の合計(補助巻線20a断面積ともいう)との比がいちばん小さくなるスロットS5において、主巻線20bの巻線の断面積の合計と補助巻線20aの巻線の断面積の合計との比が25%以上になるようにしている。
図10は、補助巻線20aの巻線の径が0.85mmの場合の巻線の巻数ダイアグラムを示す図である。
図10は、図9と補助巻線20aの本数が異なる。巻線の径と本数は要求される仕様に応じて変化してよい。しかし、図10においても、主巻線20bの巻線の断面積の合計と補助巻線20aの巻線の断面積の合計との比がいちばん小さくなるスロットS5において、主巻線20bの巻線の断面積の合計と補助巻線20aの巻線の断面積の合計との比が25%以上になるようにしている。図10のスロットS5において、主巻線20bの巻線の断面積の合計と補助巻線20aの巻線の断面積の合計との比は約26%である。
図9は、図2に示した固定子12の巻線の巻数ダイアグラムを示す図である。
図9は、固定子スロット12bが24個で、主巻線20bおよび補助巻線20aとのコイルアングルが90度の場合を示している。
主巻線20bの1極の1段目の巻線は、スロットS1とS12に45本巻かれる。
主巻線20bの1極の2段目の巻線は、スロットS2とS11に44本巻かれる。
主巻線20bの1極の3段目の巻線は、スロットS3とS10に26本巻かれる。
主巻線20bの1極の4段目の巻線は、スロットS4とS9に26本巻かれる。
主巻線20bの1極の5段目の巻線は、スロットS5とS8に9本巻かれる。
主巻線20bの他極の1段目の巻線は、スロットS13とS24に45本巻かれる。
主巻線20bの他極の2段目の巻線は、スロットS14とS23に44本巻かれる。
主巻線20bの他極の3段目の巻線は、スロットS15とS22に26本巻かれる。
主巻線20bの他極の4段目の巻線は、スロットS16とS21に26本巻かれる。
主巻線20bの他極の5段目の巻線は、スロットS17とS20に9本巻かれる。
主巻線20bの各極の各段の巻線の本数は同じ本数である。
主巻線20bの各段の巻線の本数は段数が大きくなるほど減少している。
主巻線20bの1段目の巻線は、24個のスロットを半分にした12スロットのうち最も離れたスロット(スロットS1とS12)に巻く。
主巻線20bの2段目の巻線は、1段目の巻線のスロットの内隣のスロット(スロットS2とS11)に巻く。
主巻線20bの3段目の巻線は、2段目の巻線のスロットの内隣のスロット(スロットS3とS10)に巻く。
主巻線20bの4、5段目の巻線も同様に内隣のスロットに巻く。
補助巻線20aの1極の1段目の巻線は、スロットS7とS18に40本巻かれる。
補助巻線20aの1極の2段目の巻線は、スロットS8とS17に36本巻かれる。
補助巻線20aの1極の3段目の巻線は、スロットS9とS16に33本巻かれる。
補助巻線20aの1極の4段目の巻線は、スロットS10とS15に13本巻かれる。
補助巻線20aの他極の1段目の巻線は、スロットS19とS6に40本巻かれる。
補助巻線20aの他極の2段目の巻線は、スロットS20とS5に36本巻かれる。
補助巻線20aの他極の3段目の巻線は、スロットS21とS4に33本巻かれる。
補助巻線20aの他極の4段目の巻線は、スロットS22とS3に13本巻かれる。
補助巻線20aの各極の各段の巻線の本数は同じ本数である。
補助巻線20aの各段の巻線の本数は段数が大きくなるほど減少している。
補助巻線20aの1段目の巻線は、主巻線20bの1段目の巻線を巻いたスロット(スロットS1とS12)からコイルアングルが90度ずれたスロットで、かつ、24個のスロットを半分にした12スロットのうち最も離れたスロット(スロットS7とS18)に巻く。
補助巻線20aの2段目の巻線は、1段目の巻線のスロットの内隣のスロット(スロットS8とS17)に巻く。
補助巻線20aの3、4段目の巻線も同様に内隣のスロットに巻く。
主巻線20bの巻線の径は、1.05mmである。
補助巻線20aの巻線の径は、0.95mmである。
主巻線20bと補助巻線20aとが巻かれる固定子スロット12bとして、スロットS3、S4,S5がある。
スロットS3、S4,S5の主巻線20bの巻線の断面積の合計と補助巻線20aの巻線の断面積の合計との比は、スロットS5がいちばん小さくなる。
スロットS5の主巻線20bの巻線の断面積の合計と補助巻線20aの巻線の断面積の合計との比は、約25%である。
補助巻線20aが先に巻かれ主巻線20bが後から巻かれる場合、巻線機による巻線作業や製造作業の観点から固定子スロット12bの面積の25%以上を残した状態で、後から巻く巻線を巻くことが望ましい。
このため、主巻線20bの巻線の断面積の合計(主巻線20bの断面積ともいう)と補助巻線20aの巻線の断面積の合計(補助巻線20a断面積ともいう)との比がいちばん小さくなるスロットS5において、主巻線20bの巻線の断面積の合計と補助巻線20aの巻線の断面積の合計との比が25%以上になるようにしている。
図10は、補助巻線20aの巻線の径が0.85mmの場合の巻線の巻数ダイアグラムを示す図である。
図10は、図9と補助巻線20aの本数が異なる。巻線の径と本数は要求される仕様に応じて変化してよい。しかし、図10においても、主巻線20bの巻線の断面積の合計と補助巻線20aの巻線の断面積の合計との比がいちばん小さくなるスロットS5において、主巻線20bの巻線の断面積の合計と補助巻線20aの巻線の断面積の合計との比が25%以上になるようにしている。図10のスロットS5において、主巻線20bの巻線の断面積の合計と補助巻線20aの巻線の断面積の合計との比は約26%である。
図5は、本発明の実施の形態1における補助巻線の起磁力分布図である。
図5は、固定子12において、固定子が24スロット、補助巻線の1極の段数が2段〜4段の補助巻線の起磁力分布を示している。
補助巻線の1極の段数が2段の場合、補助巻線の起磁力分布は、1段の凸形状になる。
補助巻線の1極の段数が3段の場合、補助巻線の起磁力分布は、2段の凸形状になる。
補助巻線の1極の段数が4段の場合、補助巻線の起磁力分布は、3段の凸形状になり、3段の凸形状の各くぼみが正弦波の曲線と重なる。
補助巻線の1極の段数が5段の場合、図示していないが、補助巻線の起磁力分布は、4段の凸形状になり、4段の凸形状の各くぼみが正弦波の曲線と重なる。
補助巻線の1極の段数が6段の場合、図示していないが、補助巻線の起磁力分布は、5段の凸形状になり、5段の凸形状の各くぼみ点が正弦波の曲線と重なる。
このように補助巻線の1極の段数が多いほど補助巻線の起磁力分布は正弦波に近づく。
図5は、固定子12において、固定子が24スロット、補助巻線の1極の段数が2段〜4段の補助巻線の起磁力分布を示している。
補助巻線の1極の段数が2段の場合、補助巻線の起磁力分布は、1段の凸形状になる。
補助巻線の1極の段数が3段の場合、補助巻線の起磁力分布は、2段の凸形状になる。
補助巻線の1極の段数が4段の場合、補助巻線の起磁力分布は、3段の凸形状になり、3段の凸形状の各くぼみが正弦波の曲線と重なる。
補助巻線の1極の段数が5段の場合、図示していないが、補助巻線の起磁力分布は、4段の凸形状になり、4段の凸形状の各くぼみが正弦波の曲線と重なる。
補助巻線の1極の段数が6段の場合、図示していないが、補助巻線の起磁力分布は、5段の凸形状になり、5段の凸形状の各くぼみ点が正弦波の曲線と重なる。
このように補助巻線の1極の段数が多いほど補助巻線の起磁力分布は正弦波に近づく。
図6は、本発明の実施の形態1における二重かご形電動機と普通かご形電動機の二次銅損低減率を示す図である。
図6の枠上側の分数は、補助巻線の1極の段数/slot数を示しており、固定子が24スロット、補助巻線の1極の段数が2段〜6段の場合を示している。右下がりの実線は、二重かご形電動機の二次銅損低減率を示す。右下がりの破線は、普通かご形電動機の二次銅損低減率を示す。右上がりの実線は、二重かご形電動機の二次銅損低減率と普通かご形電動機の二次銅損低減率との差分であり二重かご形電動機の二次銅損低減率の効果を示す。
補助巻線の1極の段数が2段のときは、二重かご形電動機の二次銅損低減率と普通かご形電動機の二次銅損低減率とは差がない。
図6は、補助巻線の1極の段数が2段のときの二次銅損の値を100%(二次銅損低減率は0%)としている。
補助巻線の1極の段数が3段のときは、二重かご形電動機の二次銅損低減率と普通かご形電動機の二次銅損低減率とはともに増加するが、差が生じる。
補助巻線の1極の段数が4段のときは、二重かご形電動機の二次銅損低減率と普通かご形電動機の二次銅損低減率とはともに増加するが、差がやや拡大する。
補助巻線の1極の段数が5段と6段のときは、二重かご形電動機の二次銅損低減率と普通かご形電動機の二次銅損低減率とはほぼ横ばい傾向を示すが、二次銅損低減率は二重かご形電動機の二次銅損低減率のほうが良い。
このように、補助巻線の1極の段数が多いほど二次銅損低減率が増加して、5段と6段になるとほぼ横ばい傾向の増加になる。
補助巻線の1極の段数が5段または6段になると、二重かご形電動機の二次銅損低減率は約68%となり、普通かご形電動機の二次銅損低減率は約54%となり、約14%の二次銅損低減率の改善がみられる。
補助巻線の1極の段数が3段と4段と5段との二重かご形電動機の二次銅損低減率は、それぞれ約50%、約66%、約68%であり、二次銅損低減率の改善がみられる。
図6の枠上側の分数は、補助巻線の1極の段数/slot数を示しており、固定子が24スロット、補助巻線の1極の段数が2段〜6段の場合を示している。右下がりの実線は、二重かご形電動機の二次銅損低減率を示す。右下がりの破線は、普通かご形電動機の二次銅損低減率を示す。右上がりの実線は、二重かご形電動機の二次銅損低減率と普通かご形電動機の二次銅損低減率との差分であり二重かご形電動機の二次銅損低減率の効果を示す。
補助巻線の1極の段数が2段のときは、二重かご形電動機の二次銅損低減率と普通かご形電動機の二次銅損低減率とは差がない。
図6は、補助巻線の1極の段数が2段のときの二次銅損の値を100%(二次銅損低減率は0%)としている。
補助巻線の1極の段数が3段のときは、二重かご形電動機の二次銅損低減率と普通かご形電動機の二次銅損低減率とはともに増加するが、差が生じる。
補助巻線の1極の段数が4段のときは、二重かご形電動機の二次銅損低減率と普通かご形電動機の二次銅損低減率とはともに増加するが、差がやや拡大する。
補助巻線の1極の段数が5段と6段のときは、二重かご形電動機の二次銅損低減率と普通かご形電動機の二次銅損低減率とはほぼ横ばい傾向を示すが、二次銅損低減率は二重かご形電動機の二次銅損低減率のほうが良い。
このように、補助巻線の1極の段数が多いほど二次銅損低減率が増加して、5段と6段になるとほぼ横ばい傾向の増加になる。
補助巻線の1極の段数が5段または6段になると、二重かご形電動機の二次銅損低減率は約68%となり、普通かご形電動機の二次銅損低減率は約54%となり、約14%の二次銅損低減率の改善がみられる。
補助巻線の1極の段数が3段と4段と5段との二重かご形電動機の二次銅損低減率は、それぞれ約50%、約66%、約68%であり、二次銅損低減率の改善がみられる。
図6に示すように、補助巻線の段数が多くなると高調波含有率が低減し、二次銅損が低減する。二重かご形電動機は、補助巻線の1極の段数/slot数をkとすると、1/8<k≦1/4の範囲で普通かご電動機に対し、低減効果が大きい。特に、1/6<k≦1/4(4/24<k≦6/24)の範囲で、低減効果が大きい。さらに、特に、1/5<k≦1/4(4.8/24<k≦6/24)の範囲で、低減効果が大きい。
スロット数が24の場合は、補助巻線の段数が、3段から6段の範囲で低減効果が大きい。特に、補助巻線の段数が、4段から6段の範囲で低減効果が大きい。
スロット数が24の場合は、補助巻線の段数が、3段から6段の範囲で低減効果が大きい。特に、補助巻線の段数が、4段から6段の範囲で低減効果が大きい。
図7は、本発明の実施の形態1における補助巻線の高調波含有率を示す図である。
図7の枠上側の分数は、補助巻線の1極の段数/slot数を示しており、固定子が24スロット、補助巻線の1極の段数が2段〜6段の場合を示している。右下がりの実線は、二重かご形電動機の高調波含有率を示す。
図7は、補助巻線の1極の段数が2段のときの高調波の含有値を100%としている。
補助巻線の1極の段数が3段のときは、2段の場合に比べ、二重かご形電動機の高調波含有率は低下する。
補助巻線の1極の段数が4段のときは、二重かご形電動機の高調波含有率は、3段の場合に比べ、さらに低下する。
補助巻線の1極の段数が5段のときは、4段よりも若干低下する。
補助巻線の1極の段数が6段のときは、二重かご形電動機の高調波含有率はほぼ横ばい傾向の低下を示す。
補助巻線の1極の段数が2段と3段との二重かご形電動機の高調波含有率の比は、ほぼ5対3になる。
補助巻線の1極の段数が2段と4段との二重かご形電動機の高調波含有率の比は、ほぼ5対1.5になり、二重かご形電動機の高調波含有率は約70%の高調波含有率の改善がみられる。
補助巻線の1極の段数が2段と5段との二重かご形電動機の高調波含有率の比は、ほぼ5対1.3になり、二重かご形電動機の高調波含有率は約74%の高調波含有率の改善がみられる。
補助巻線の1極の段数が2段と6段との二重かご形電動機の高調波含有率の比は、ほぼ5対1.2になり、二重かご形電動機の高調波含有率は約76%の高調波含有率の改善がみられる。
図7の枠上側の分数は、補助巻線の1極の段数/slot数を示しており、固定子が24スロット、補助巻線の1極の段数が2段〜6段の場合を示している。右下がりの実線は、二重かご形電動機の高調波含有率を示す。
図7は、補助巻線の1極の段数が2段のときの高調波の含有値を100%としている。
補助巻線の1極の段数が3段のときは、2段の場合に比べ、二重かご形電動機の高調波含有率は低下する。
補助巻線の1極の段数が4段のときは、二重かご形電動機の高調波含有率は、3段の場合に比べ、さらに低下する。
補助巻線の1極の段数が5段のときは、4段よりも若干低下する。
補助巻線の1極の段数が6段のときは、二重かご形電動機の高調波含有率はほぼ横ばい傾向の低下を示す。
補助巻線の1極の段数が2段と3段との二重かご形電動機の高調波含有率の比は、ほぼ5対3になる。
補助巻線の1極の段数が2段と4段との二重かご形電動機の高調波含有率の比は、ほぼ5対1.5になり、二重かご形電動機の高調波含有率は約70%の高調波含有率の改善がみられる。
補助巻線の1極の段数が2段と5段との二重かご形電動機の高調波含有率の比は、ほぼ5対1.3になり、二重かご形電動機の高調波含有率は約74%の高調波含有率の改善がみられる。
補助巻線の1極の段数が2段と6段との二重かご形電動機の高調波含有率の比は、ほぼ5対1.2になり、二重かご形電動機の高調波含有率は約76%の高調波含有率の改善がみられる。
図7に示すように、補助巻線の段数が多くなると高調波含有率が低減する。二重かご形電動機は、補助巻線の1極の段数/slot数をkとすると、1/8<k≦1/4の範囲で普通かご型電動機に対し、低減効果が大きい。特に、1/6<k≦1/4(4/24<k≦6/24)の範囲で、低減効果が大きい。さらに、特に、1/5<k≦1/4(4.8/24<k≦6/24)の範囲で、低減効果が大きい。
スロット数が24の場合は、補助巻線の段数が、3段から6段の範囲で低減効果が大きい。特に、補助巻線の段数が、4段から6段の範囲で低減効果が大きい。
図6と図7とに示すように、補助巻線の段数が4段から6段になるに従って少しずつ低減効果が大きくなってゆく。したがって、低減効果の観点からは、4段よりは5段がよく、5段よりは6段がよい。
しかし、補助巻線の段数が増加することにより、装置構成や製造方法が複雑になる可能性があり、装置構成や製造方法の観点からは、6段よりは5段がよく、5段よりは4段がよい。
スロット数が24の場合は、補助巻線の段数が、3段から6段の範囲で低減効果が大きい。特に、補助巻線の段数が、4段から6段の範囲で低減効果が大きい。
図6と図7とに示すように、補助巻線の段数が4段から6段になるに従って少しずつ低減効果が大きくなってゆく。したがって、低減効果の観点からは、4段よりは5段がよく、5段よりは6段がよい。
しかし、補助巻線の段数が増加することにより、装置構成や製造方法が複雑になる可能性があり、装置構成や製造方法の観点からは、6段よりは5段がよく、5段よりは4段がよい。
以上のように、この実施の形態の圧縮機用単相誘導電動機は、密閉容器の内部に冷媒を圧縮する圧縮要素とともに収納され、圧縮要素と駆動軸により連結して圧縮要素を駆動する圧縮機用電動機において、密閉容器の内周部に固定される固定子と、固定子の内側に設けられ、回転子鉄心を有する回転子と、回転子鉄心に鋳込まれる外層二次導体及び内層二次導体を備える二次導体とエンドリングとで構成される二重かご導体を備え、二重かご形回転子の寄生非同期トルクを低減するために、固定子側の磁束を正弦波に近づけ、高調波含有率を低減するもので、補助巻線の1極の段数/slot数をkとすると、1/8<k≦1/4の範囲となる補助巻線の段数とスロット数で構成することを特徴とする。
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1に対し回転子のアルミバーにスキューを付けるものである。スキューを付けることにより、アルミバー両端のn次高調波誘起電圧が低減でき、高調波による寄生非同期トルクを低減できる。寄生非同期トルクが大きい二重かご形電動機では、普通かご形電動機よりも大きな効果を得ることができる。
実施の形態2は、実施の形態1に対し回転子のアルミバーにスキューを付けるものである。スキューを付けることにより、アルミバー両端のn次高調波誘起電圧が低減でき、高調波による寄生非同期トルクを低減できる。寄生非同期トルクが大きい二重かご形電動機では、普通かご形電動機よりも大きな効果を得ることができる。
実施の形態3.
実施の形態3は、実施の形態1に対し回転子鉄心にブルーイング処理を施したものである。二重かご形回転子は、普通かご形回転子に対して、コアと二次導体の接触面積が大きい為、漂遊損や高調波二次銅損、渦電流損が大きい。ブルーイングを実施することで、ロータスロットの表面に絶縁被膜を形成し、コアと二次導体のショート、二次導体間のショートにより生じるトルクの低下を防止でき、漂遊損、渦電流損を低減することができる。
実施の形態3は、実施の形態1に対し回転子鉄心にブルーイング処理を施したものである。二重かご形回転子は、普通かご形回転子に対して、コアと二次導体の接触面積が大きい為、漂遊損や高調波二次銅損、渦電流損が大きい。ブルーイングを実施することで、ロータスロットの表面に絶縁被膜を形成し、コアと二次導体のショート、二次導体間のショートにより生じるトルクの低下を防止でき、漂遊損、渦電流損を低減することができる。
実施の形態4.
図8は、実施の形態1から実施の形態3の回転式圧縮機10を使用する冷凍サイクル装置の構成図である。冷凍サイクル装置は、例えば、空気調和機である。回転式圧縮機10は電源18に接続される。回転式圧縮機10の単相誘導電動機の補助巻線20aと電源18との間に運転コンデンサが接続される。電源18から電力が回転式圧縮機10に供給され、回転式圧縮機10が駆動する。冷凍サイクル装置(空気調和機)は、回転式圧縮機10、冷媒の流れる方向を切り替える四方弁、室外熱交換器、絞り装置(減圧装置)、室内熱交換器等で構成される。これらが冷媒配管で接続される。
図8は、実施の形態1から実施の形態3の回転式圧縮機10を使用する冷凍サイクル装置の構成図である。冷凍サイクル装置は、例えば、空気調和機である。回転式圧縮機10は電源18に接続される。回転式圧縮機10の単相誘導電動機の補助巻線20aと電源18との間に運転コンデンサが接続される。電源18から電力が回転式圧縮機10に供給され、回転式圧縮機10が駆動する。冷凍サイクル装置(空気調和機)は、回転式圧縮機10、冷媒の流れる方向を切り替える四方弁、室外熱交換器、絞り装置(減圧装置)、室内熱交換器等で構成される。これらが冷媒配管で接続される。
冷凍サイクル装置(空気調和機)は、例えば、冷房運転時、図8の矢印のように冷媒が流れる。室外熱交換器は凝縮器になる。また、室内熱交換器は蒸発器になる。
図示はしないが、冷凍サイクル装置(空気調和機)の暖房運転時は、冷媒は図8の矢印と反対方向の流れとなる。四方弁によって、冷媒の流れる方向が切り替えられる。このときは、室外熱交換器は蒸発器になる。また、室内熱交換器は凝縮器になる。
また、冷媒としてR134a、R410a、R407c等に代表されるHFC系冷媒、および、R744(CO2)、R717(アンモニア)、R600a(イソブタン)、R290(プロパン)等に代表される自然冷媒が使用される。冷凍機油としてアルキルベンゼン系油に代表される弱相溶性の油又はエステル油に代表される相溶性の油が使用される。圧縮機には、回転式(ロータリ式)以外に、レシプロ式、スクロール式などが使用可能である。
上記二重かご形誘導電動機を搭載した回転式圧縮機10を冷凍サイクルに用いることにより、冷凍サイクル装置の性能の向上、小型化、低価格化が可能となる。
1 胴部、4 密閉容器、5 シリンダ、6 上軸受け、7 下軸受け、8 駆動軸、9 ローリングピストン、10 回転式圧縮機、11 回転子、11a 回転子鉄心、12 固定子、14 吸入マフラー、15 吸入管、16 吐出管、17 ガラス端子、20 巻線、21 リード線、30 アルミバー、32 エンドリング、50 回転軸、100 電動機要素、200 圧縮要素。
Claims (10)
- 密閉容器の内部に冷媒を圧縮する圧縮要素とともに収納される圧縮機用単相誘導電動機であって、前記圧縮要素と駆動軸により連結して該圧縮要素を駆動する圧縮機用単相誘導電動機において、
前記密閉容器の内周部に固定され、複数のスロットのうちの複数段に巻かれた主巻線と補助巻線との2極を備える固定子と、
前記固定子の内側に設けられ、回転子鉄心と二重かご形導体とを有する回転子と
を備え、
前記二重かご形導体は、
前記回転子鉄心に鋳込まれる二次導体であって、外層二次導体及び内層二次導体を備える二次導体と、
前記二次導体と電気的に接続されたエンドリングと
を備え、
前記固定子の補助巻線は、1極の段数/スロット数をkとすると、1/8<k≦1/4の範囲で複数段に巻かれたことを特徴とする圧縮機用単相誘導電動機。 - 前記固定子の補助巻線は、k=1/6で、複数段に巻かれたことを特徴とする請求項1記載の圧縮機用単相誘導電動機。
- 前記固定子は、24個のスロットを有し、
前記固定子の補助巻線は、1極の段数を4段としたことを特徴とする請求項2記載の圧縮機用単相誘導電動機。 - 前記固定子の補助巻線は、1/5<k≦1/4の範囲で複数段に巻かれたことを特徴とする請求項1記載の圧縮機用単相誘導電動機。
- 前記固定子は、24個のスロットを有し、
前記固定子の補助巻線は、1極の段数を5段又は6段としたことを特徴とする請求項4記載の圧縮機用単相誘導電動機。 - 前記固定子の主巻線は、1極の段数を5段とし、
補助巻線は前記固定子に先に巻かれ、主巻線は前記固定子に後から巻かれ、
主巻線と補助巻線とが巻かれたスロットのうち、主巻線の断面積と補助巻線の断面積との比がいちばん小さくなるスロットの主巻線の断面積と補助巻線の断面積との比が25%以上になることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の圧縮機用単相誘導電動機。 - 二重かご形導体にスキューをつけたことを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の圧縮機用単相誘導電動機。
- 二重かご形回転子コアの二次導体接触部にブルーイングを行ったことを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の圧縮機用単相誘導電動機。
- 請求項1乃至5いずれかに記載の圧縮機用単相誘導電動機を用いたことを特徴とする圧縮機。
- 請求項9記載の圧縮機を用いたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
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