JP2004231760A - 生分解性樹脂粉末及びその製造方法 - Google Patents

生分解性樹脂粉末及びその製造方法 Download PDF

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一彦 石原
Naofumi Sainai
直文 齊内
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稔 米原
Toshiaki Kimura
敏昭 木村
Atsuyoshi Kubotani
篤芳 窪谷
Mineo Satobi
峯雄 佐飛
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Abstract

【課題】生分解性が高い有機樹脂からなり、人体や自然環境に対する安全性がより高い徐放性担持体となりうる生分解性樹脂粉末を提供する。
【解決手段】ポリエステル系生分解性樹脂の粒子からなり、その粒子が多孔質状である生分解性樹脂粉末を使用する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多孔質状をなしているポリエステル系生分解性樹脂粒子からなる生分解性樹脂粉末及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
医薬品や農薬等の各種薬剤の徐放性担持体としては、例えば、特開昭61−227913号公報や特開昭63−258642号公報に記載されたような無機微粉末が用いられている。
【0003】
それらの無機微粒子粉末も現に要求されている安全性の基準は満たしているが、人体に対する安全性や自然環境への影響等に対する近年の意識の高まりから、より安全性の高いものが求められるようになってきており、このような無機の徐放性担持体に代えて、生分解性を有する有機質の材料を使用する試みがなされている。
【0004】
例えば、特開平3−17014号公報には、生分解性ポリマーからなる超微粉砕した生分解性粒子が開示されている。また、特開平5−148129号公報には、それ自体が油であるか、あるいは油に含有されている活性成分を封止した生分解可能なポリマー微小粒子が開示されている。また、特開平7−53725号公報には、生分解性ポリマー材料に薬物類を添加して形成されるミクロ粒子又はナノ粒子、又はポリマー材料に薬物類を包理させたミクロ粒子又はナノ粒子が開示されている。
【0005】
しかしながら、これらの従来技術では、生分解性樹脂と薬剤を相溶化させるために、通常は加熱が必要であったため、熱安定性や蒸散性の関係から、薬剤の種類によっては使用することができないという問題があった。あるいは、製剤工程が複雑で、コストがかかるという問題もあった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、生分解性が高い有機樹脂からなり、人体や自然環境に対する安全性がより高い徐放性担持体となりうる生分解性樹脂粉末を提供することを課題とするものである。特に、薬剤の種類を問わずに担持体として使用でき、製剤が容易で、従ってコストも削減できる樹脂粉末を提供しようとするものである。
【0007】
本発明の発明者らは、上記の課題を解決するために、ポリエステル系生分解性樹脂をパルス燃焼乾燥装置により一定の条件下で乾燥したときに多孔質状の樹脂粒子が得られ、この多孔質状樹脂粒子が薬剤等の徐放性担持体として有用であることを見出し、これに基づき本発明の完成に至った。
【0008】
なお、パルス燃焼乾燥法を用いて樹脂を乾燥させる方法は、例えば特開2000−80170号公報、特開平11−292978号公報、特開平11−279283号公報等に開示されているが、生分解性樹脂を用いることや、多孔質状粒子を形成することについては記載されていない。
【0009】
【特許文献1】特開平3−17014号公報
【0010】
【特許文献2】特開平3−17014号公報
【0011】
【特許文献3】特開平7−53725号公報
【0012】
【特許文献4】特開2000−80170号公報
【0013】
【特許文献5】特開平11−292978号公報
【0014】
【特許文献6】特開平11−279283号公報
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の生分解性樹脂粉末は、ポリエステル系生分解性樹脂の粒子からなる生分解性樹脂粉末であって、前記粒子が多孔質状であるものとする。
【0016】
上記生分解性樹脂粉末は、複数の樹脂微粒子が凝集して前記多孔質状の粒子を形成したものとすることができる(請求項2)。
【0017】
上記生分解性樹脂粉末は、ポリエステル系生分解性樹脂エマルションをパルス燃焼ガスに接触させる工程を含む製造方法により製造することができる(請求項3)。
【0018】
上記ポリエステル系生分解性樹脂エマルションをパルス燃焼ガスに接触させる工程は、当該樹脂のガラス転移温度以下の温度の乾燥室内で行うことが好ましい(請求項4)。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明でいうポリエステル系生分解性樹脂とは、従来からも用いられているポリエステル系生分解性高分子化合物である。
【0020】
具体例としては、乳酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、リンゴ酸、グリコール酸等のヒドロキシアルカン酸、又はε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトンの単独重合物、あるいはこれらの共重合物が挙げられる。
【0021】
また、アジピン酸やコハク酸とエチレングリコール及び/又はブチレングリコールの共重合物等の二塩基酸ポリエステルも使用可能である。
【0022】
本発明の樹脂粉末は、これらの樹脂をエマルションにしたものから得られる。エマルションの調製に使用される乳化剤は特に限定されず、非イオン性界面活性剤、又はアニオン性、カチオン性、もしくは両性の各種イオン性界面活性剤を適宜用いることができる。
【0023】
非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0024】
アニオン性界面活性剤の例としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩、N−アシルアミノ酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられる。また、カチオン性界面活性剤の例としてはアルキルアンモニウム塩、両性界面活性剤の例としてはアルキル(アミド)ベタイン、アルキルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
【0025】
上記乳化剤の使用量は、通常は、ポリエステル系生分解性樹脂100重量部に対して0.2〜20重量部(但し、固形分換算)である。
【0026】
ポリエステル系生分解性樹脂を乳化剤を用いて乳化する具体的な方法は特に限定されず、従来から用いられている一般的な乳化方法を採ることができる。
【0027】
例えば、ポリエステル系生分解性樹脂を、これを溶解できる溶媒に溶解して、乳化剤を添加した後、水を徐々に加える方法が用いられる。ここで溶媒としては、例えば、ブタノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、トルエン等の芳香族系溶媒、ジクロロメタン等の塩素系溶媒等が使用可能である。
【0028】
あるいは、ポリエステル系生分解性樹脂を上記のような溶媒に溶解した後、乳化剤水溶液を加えて一気に転相点に到達させ、その後水希釈する方法や、ポリエステル系生分解性樹脂をその溶融温度まで昇温し、乳化剤を混合後、温水を加えて乳化する方法等も用いることができる。
【0029】
なお、エマルションの長期安定性を向上させるためには、上記ポリエステル系生分解性樹脂中のカルボン酸をアルカリ性物質で中和して、pHを約3.5〜7の範囲とすることが有効であるが、本発明においてはそのようなエマルションも使用することができる。
【0030】
エマルションの調製温度は、一般には10〜150℃程度の範囲で調整可能であるが、本発明の多孔質状粒子からなる樹脂粉末を得るためには、被乳化体である樹脂のガラス転移温度以下に保持するのが好ましい。但し、樹脂のガラス転移温度が高すぎると融解温度も高くなり、融解あるいは溶媒溶融が困難となるため、樹脂のガラス転移温度は約15〜150℃の範囲が好ましい。従って、エマルション調製温度は約10〜140℃の範囲内で、使用する樹脂のガラス転移温度以下に調整すればよい。
【0031】
本発明の生分解性樹脂粉末は、上記により得られたエマルションをパルス燃焼ガスに接触させ、乾燥させることにより得られる。パルス燃焼ガスとは、パルス燃焼器内で燃料を爆発させることにより発生する、毎秒数十回〜数千回のサイクルで脈動する燃焼ガスである。パルス燃焼ガスの脈動が被乾燥物の回りの空気層に物理的衝撃を与えることにより、被乾燥物内部の水分を表面に導き出し、その水分は表面で熱エネルギーにより瞬時に蒸発する。従って、このパルス燃焼ガスを用いた乾燥方法は、熱エネルギーのみにより乾燥させる方法と比較して、低温で効率よく乾燥させることが可能であり、成分の化学変化を生じないという特長を有する。
【0032】
上記した乾燥方法により、樹脂微粒子が凝集して集合体をなした多孔質状樹脂粒子が得られる。多孔質状樹脂粒子は、表面の凹凸を除いた全体的な形状としてはほぼ球形であり、粒径は約0.1〜100μmの範囲のものが製造可能である。また、これを構成する微粒子は、擬似的な融着により相互に結合しているが、個々の粒子はほぼ球形である。この微粒子は、エマルション中に分散された樹脂粒子に直接由来すると考えられ、従って、その粒径はエマルションの粒子径に依存し、通常は0.05〜10μmの範囲のものが製造可能である。
【0033】
多孔質状粒子の好ましい粒径は、樹脂粉末の用途によって異なるが、一例としては、吸入用薬剤の担体として使用する場合は約1〜10μmの範囲が好ましい。また、例えば、トナーの担体としては一般には5〜15μm程度のものが使用されているが、必要に応じて、より微細な粒径のものを製造し、使用することができる。
【0034】
次に、本発明の樹脂粉末の製造方法につき、より具体的に説明する。図1は、本発明の樹脂粉末を製造するために使用されるパルス燃焼乾燥装置の一例を示す模式断面図である。図1において、符号1は燃焼室、符号2は乾燥室、符号3はパルスエンジン、符号4は原料供給管、符号5は燃料供給管、符号6は燃焼空気供給管、符号7は二次空気供給管、符号8はサイクロン、符号9はバグフィルター、符号10は排気ファン、符号11はスクリューコンベア、符号12は乾燥製品吐出口を示す。
【0035】
本装置においては、パルスエンジン3に燃料供給管5から燃料、燃焼空気供給管6から高圧エアを供給することによりパルス衝撃波を発生させる。このパルスエンジン3の排気側にエマルションを原料供給管4から供給すると、乾燥室内で瞬時に固液分離され、乾燥した樹脂粉末となる。この樹脂粉末は、粒子径により、乾燥室2、サイクロン8、又はバグフィルター9においてそれぞれ捕集され、スクリューコンベア11で運搬され、乾燥製品吐出口12から取り出される。分離された水分は水蒸気として排気ファン10から大気中に放出される。
【0036】
パルス燃焼乾燥装置の乾燥室内の温度は、パルス燃焼ガスが乾燥対象に接触する領域の温度が、乾燥対象である生分解性樹脂のガラス転移温度以下になるよう調整するのが好ましい。乾燥室温度が樹脂のガラス転移温度以下であると、上記したように微粒子間に擬似的な融着が起こり、微粒子間に空隙のある集合体である多孔質状粒子が得られるが、ガラス転移温度を超えた高温になると、微粒子相互が過度に融着するようになり、目的とする多孔質状粒子を得ることが困難となる。なお、温度調節は、通常は乾燥室の出口近傍の温度(出口温度)で行えばよい。
【0037】
乾燥室温度以外の乾燥条件については、パルス燃焼ガスの周波数範囲は、好ましくは50〜1000Hz、より好ましくは100〜900Hz、さらに好ましくは125〜550Hzとする。周波数が50Hz未満であると、低周波数による振動障害を生じるおそれがある。また、周波数が1000Hzを超えると、十分な乾燥効果を得ることができない傾向がある。
【0038】
パルス燃焼ガスの圧力振幅は、好ましくは±0.2kg/cm、より好ましくは±0.4kg/cm、さらに好ましくは±0.6kg/cm以上とする。圧力振幅が±0.2kg/cm未満であると、乾燥室中で粒子が十分に分散されない傾向がある。
【0039】
パルス燃焼ガスの音圧は、好ましくは100〜200デシベル、より好ましくは120〜160デシベル、さらに好ましくは140〜150デシベルとする。音圧が100デシベル未満であると、分散した粒子近傍での音波による繰り返し減圧作用による十分な撹拌作用や乾燥作用が得られない傾向がある。また、音圧が200デシベルを超えると、防音対策に多大の費用を要するようになる。
【0040】
パルス燃焼ガスの接触ガス温度(乾燥室の入口温度)は、好ましくは100〜1000℃、より好ましくは150〜700℃、さらに好ましくは150℃から500℃とする。接触ガス温度が100℃未満であると、粒子が十分に乾燥されない傾向がある。また、接触ガス温度が1000℃を超えると、粒子が熱による変性を受け易い。
【0041】
噴霧空気圧は、好ましくは1〜8kgf/cm、より好ましくは3〜6kgf/cmとする。噴霧空気圧が1kgf/cm未満では乾燥対象が霧状になり難いため乾燥が困難となり、8kgf/cmを超えると一般的なコンプレッサーでは対応しにくい圧力であるため、設備費用のコストパフォーマンスが悪くなる。
【0042】
サイクロン差圧(ΔP)は、好ましくは10〜200mmHO、より好ましくは10〜150mmHOとする。サイクロン差圧が10mmHO未満では二次空気の流入が少なすぎて粉末の捕集効率が悪くなり、200mmHOを超えると設備能力過剰となるだけである。
【0043】
本発明の生分解性樹脂粉末は、医薬品や農薬等の薬剤の除放性担体として有用であるが、それ以外に例えば複写機用トナーや粉体塗料等への適用も可能である。
【0044】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0045】
[実施例1,2]
ポリ乳酸樹脂(島津製作所(株);LACTY9030)50部をトルエン200部に溶解した溶液にポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(EO:20mol、分子量約1200)3部とスルホコハク酸ジオクチルナトリウム3部を添加し、ホモディスパーによる攪拌下、水55部を徐々に添加して乳化体とした後、減圧下でトルエンを除去した。得られた乳化体につき乳酸ナトリウム50%水溶液3.7部を用いてpH調整を行い、白濁液状の乳化物(固形分約50%、粒径0.8μm、pH3.8)115部を得た。なお、以上の操作は、トルエンに樹脂を溶解させる工程を除き、50℃以下で行った。
【0046】
上記乳化物を、図1に示した構造を有するパルス燃焼乾燥装置(パルテック(株)製、ハイパルコン25型)に投入して、下記及び表1に示した条件で乾燥し、樹脂粉末を得た。
【0047】
周波数:500ヘルツ
圧力振幅:±0.2kg/cm
音圧:140デシベル
サイクロン差圧:50mmH
【0048】
得られた樹脂粉末につき、水分含量、嵩比重、平均粒径、収率、吸油量を以下の方法により測定した。結果を表1に示す。
【0049】
水分含量:JIS K0067(1992)に準拠して測定した。
【0050】
嵩比重:JIS K3362(1990)に準拠して測定した。
【0051】
平均粒径:5gの粉末を95gの水に添加・分散し、島津製作所製レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−2000にて測定した。
【0052】
収率:回収した全粉末重量a(g)、投入したエマルション重量A(g)及びエマルション固形分比率x(%)から、次式に従い算出した;
[収率]=a/(A×x)
【0053】
吸油量:1−ブタノールを粉末に加え、紛状を維持できる量の上限を調べた。
【0054】
[実施例3]
脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂(IReChemical製、EnPol G−8060)20部をジクロロメタン80部に溶解した溶液にポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル(EO:約30mol、分子量約1600)2部とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの20%水溶液5部を添加混合後、水56部を徐々に添加して乳化させた。さらに減圧下でジクロロメタンを除去して、白色液状の乳化物(固形分約30%、粒径2.5μm、pH5.8)79部を得た。なお、以上の操作はジクロロメタンに樹脂を溶解させる工程を除き、15℃以下で行った。
【0055】
得られた樹脂粉末につき、水分含量、嵩比重、平均粒径、収率、吸油量を上記の方法により測定した。結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
Figure 2004231760
【0057】
さらに、実施例1〜3で得られた樹脂粉末の外観を電子顕微鏡(日本電子(株)製、走査電子顕微鏡JSM−T300型)を用いて観察した。得られた写真のうち、実施例1及び3についてのものを、図2(実施例1、2000倍)、図3(実施例1、10000倍)、図4(実施例3、2000倍)、図5(実施例3、3500倍)として示す。
【0058】
これらの電子顕微鏡写真から分かるように、各実施例で得られた樹脂粉末は、微粒子が凝集して球状の多孔性の粒子をなしていた。また、微粒子の粒径は、エマルション中の樹脂粒径とほぼ同じであることが確認された。なお、実施例2の粉末の電子顕微鏡写真はここには示していないが、実施例1のものと同様の外観を有していることが認められた。
【0059】
[比較例1,2]
上記実施例1で調製したエマルションをスプレードライヤー(東京理化機器(株)製、スプレードライヤーSD−2)を用いて、表2に示した条件で乾燥して粉末化することを試みた。結果を併せて示す。
【0060】
【表2】
Figure 2004231760
表2に示されたように、スプレードライヤーを用いる方法では、エマルションを粉末化することができなかった。
【0061】
【発明の効果】
本発明の生分解性樹脂粉末は、多孔質状の生分解性樹脂粒子からなり、生分解するため従来の無機材料からなるものと比較して人体や自然環境に対する安全性がより高い徐放性担持体として使用可能である。また、薬剤が粒子の空隙中に取り込まれるので、従来技術のように樹脂に溶解させるために加熱する必要がないため、薬剤の熱安定性や蒸散性に左右されることがなく使用することができ、製剤も容易である。
【0062】
また、本発明の製造方法によれば、上記した生分解性樹脂粉末を、安価で大量生産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に使用可能なパルス燃焼乾燥装置の構造を示す模式断面図である。
【図2】実施例1で得られた樹脂粉末の電子顕微鏡写真(2000倍)である。
【図3】実施例1で得られた樹脂粉末の電子顕微鏡写真(10000倍)である。
【図4】実施例3で得られた樹脂粉末の電子顕微鏡写真(2000倍)である。
【図5】実施例3で得られた樹脂粉末の電子顕微鏡写真(3500倍)である。
【符号の説明】
1……燃焼室
2……乾燥室
3……パルスエンジン
4……原料供給管
5……燃料供給管
6……燃焼空気供給管
7……二次空気供給管
8……サイクロン
9……バグフィルター
10……排気ファン
11……スクリューコンベア
12……乾燥製品吐出口

Claims (4)

  1. ポリエステル系生分解性樹脂の粒子からなる生分解性樹脂粉末であって、
    前記粒子が多孔質状であることを特徴とする生分解性樹脂粉末。
  2. 複数の樹脂微粒子が凝集して前記多孔質状の粒子を形成していることを特徴とする、請求項1に記載の生分解性樹脂粉末。
  3. ポリエステル系生分解性樹脂エマルションをパルス燃焼ガスに接触させる工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の生分解性樹脂粉末の製造方法。
  4. 前記ポリエステル系生分解性樹脂エマルションをパルス燃焼ガスに接触させる工程を、当該樹脂のガラス転移温度以下の温度の乾燥室内で行うことを特徴とする、請求項3に記載の生分解性樹脂粉末の製造方法。
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