JP2004231522A - 3−ブロモ−5−ニトロトルエンの合成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】合成時間が短縮された3−ブロモ5−ニトロトルエンの合成方法の提供。
【解決手段】2−メチル−4−ニトロアニリンと臭素を酢酸中で反応させ、2−ブロモ−4−ニトロ−6−メチルアニリンを得た後、脱アミノ化反応により、3−ブロモ−5−ニトロトルエンを得ることを特徴とする3−ブロモ5−ニトロトルエンの合成方法。
【選択図】 なし
【解決手段】2−メチル−4−ニトロアニリンと臭素を酢酸中で反応させ、2−ブロモ−4−ニトロ−6−メチルアニリンを得た後、脱アミノ化反応により、3−ブロモ−5−ニトロトルエンを得ることを特徴とする3−ブロモ5−ニトロトルエンの合成方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工数が削減された、3−ブロモ−5−ニトロトルエンの合成方法、及び3−ブロモ−5−メチルフェニルイソシアネートの合成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多糖と反応して高い分割能力を与えるイソシアネートの合成法としては、下記の先行技術に開示された方法が知られている。
【0003】
【非特許文献1】
J.Chromatogr A,787,67−77(1997)
しかし、この先行技術に開示された合成法によると、出発原料からイソシアネートまでに6工程を要するため、製造時間が掛かりすぎるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、工数を削減して合成時間を短縮できるほか、温和な反応条件を適用できる、3−ブロモ−5−ニトロトルエンの合成方法、及び光学分割剤の製造に有用な3−ブロモ−5−メチルフェニルイソシアネートの合成方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、課題の解決手段として、2−メチル−4−ニトロアニリンと臭素を有機酸中で反応させ、2−ブロモ−4−ニトロ−6−メチルアニリンを得た後、脱アミノ化反応により、3−ブロモ−5−ニトロトルエンを得ることを特徴とする3−ブロモ−5−ニトロトルエンの合成方法を提供する。
【0006】
また本発明は、他の課題の解決手段として、請求項1〜3のいずれかに記載の合成方法により得られた3−ブロモ−5−ニトロトルエンを還元した後、トリホスゲンを作用させることを特徴する、3−ブロモ−5−メチルフェニルイソシアネートの合成方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の3−ブロモ−5−ニトロトルエンの合成方法を、次に示す反応式1により説明する。
【0008】
【化1】
【0009】
まず、2−メチル−4−ニトロアニリン〔反応式1中の(1)〕と臭素を、有機中で反応させ、2−ブロモ−4−ニトロ−6−メチルアニリン〔反応式2中の(2)〕を得る。
【0010】
反応は、2−メチル−4−ニトロアニリンの有機酸溶液中に、臭素の有機酸溶液を添加する方法を適用できる。
【0011】
有機酸は、2−メチル−4−ニトロアニリンを溶解できるものであれば、有機酸単独でも良く、有機酸と水、アルコール等の他の溶媒との混合溶媒でも良い。有機酸としては、酢酸、プロピオン酸等を用いることができ、酢酸が好ましい。
【0012】
次工程の反応に移行する前、濾過等により、反応生成物である2−ブロモ−4−ニトロ−6−メチルアニリンを分離し、必要に応じて洗浄乾燥等の処理をする。
【0013】
次に、脱アミノ化反応により、2−ブロモ−4−ニトロ−6−メチルアニリンから、3−ブロモ−5−ニトロトルエン〔反応式1中の(3)〕を得る。
【0014】
脱アミノ化反応は、2−ブロモ−4−ニトロ−6−メチルアニリンを溶解できるエタノール、メタノール等の溶媒中で行うが、次のとおり、複数段階に分けて、反応系の温度管理をすることが望ましい。
【0015】
第1段階では、反応系の温度を室温〜0℃(好ましくは5〜10℃)の範囲内に調整した状態で、亜硝酸ナトリウム(好ましくはモル比で1〜2倍当量の亜硝酸ナトリウム水溶液)を添加する。
【0016】
第2段階では、反応系を室温下に放置して(望ましくは攪拌して)、反応熱により、反応系温度が45℃前後まで上昇し、その後40℃以下まで下降したことを確認した後、発泡がなくなるまで反応系を40〜50℃の温度範囲に保持しつつ、攪拌する。
【0017】
第3段階では、室温まで冷却した後、冷却、濾過等の方法を適用して、反応生成物を分取する。
【0018】
次に、本発明の3−ブロモ−5−メチルフェニルイソシアネートの合成方法を、次に示す反応式2により説明する。
【0019】
【化2】
【0020】
まず、3−ブロモ−5−ニトロトルエン〔反応式2中の(3)〕をエタノール等の溶媒に溶解させた後、冷却下、塩化錫、ラネーニッケル等の還元剤(水素化剤)を作用させ、3−ブロモ−5−メチルアニリン〔反応式2中の(4)〕を得る。
【0021】
次に、トリホスゲンをトルエン等の溶媒に溶解させた後、3−ブロモ−5−メチルアニリン及びトリエチルアミンのトルエン溶液を室温下で添加反応させ、3−ブロモ−5−メチルフェニルイソシアネート〔反応式2中の(5)〕を得る。
【0022】
本発明の合成方法を適用して得られる3−ブロモ−5−ニトロトルエンは、3−ブロモ−5−メチルフェニルイソシアネートの前駆体となるものであり、3−ブロモ−5−メチルフェニルイソシアネートは、光学分割剤として適用する公知の多糖誘導体を得るために使用できる。
【0023】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0024】
実施例1(3−ブロモ−5−ニトロトルエンの合成)
▲1▼ 2−ブロモ−4−ニトロ−6−メチルアニリンの合成
2Lの4つ口フラスコ中で、2−メチル−4−ニトロアニリン(88.41g,0.579mol)を酢酸(860ml)に加熱(60〜65℃)溶解させた後、臭素(101.0g、0.625mol)の酢酸(150ml)溶液を3.5時間かけて滴下した。更に60〜65℃で30分間攪拌した後、室温まで冷却した。反応混合物を氷水(3300ml)に注ぎ入れ、析出した固体を濾過した。残渣を、水、0.5M炭酸ナトリウム水溶液、水で順次洗浄した後、エタノール(500ml)に懸濁し、加熱還流した。冷却後、濾過して、黄色固体126.8g(収率84%)を得た。
【0025】
融点:178.2−179.5℃
1H−NMR,500MHz,inCDCl3(δ)
8.27(d,J=2.8Hz,1H)
7.95(d,J=2.8Hz,1H)
4.80(bs,2H)
2.28(s,3H)
▲2▼3−ブロモ−5−ニトロトルエンの合成
2Lの4つ口フラスコ中で、2−ブロモ−4−ニトロ−6−メチルアニリン(80.0g、0.346mol)とエタノール(800ml)を混合し、反応系を室温以下に保持した状態で濃硫酸(144ml)を滴下した。次に、反応系を5〜10℃に保持した状態で、亜硝酸ナトリウム水溶液(31.05g、0.450mol/47ml)を50分かけて滴下した。
【0026】
その後、室温下で攪拌を行い、反応熱により、反応系の温度が50℃前後まで上昇し、次いで45℃以下まで下降したことを確認した後、40〜45℃の温度に保持した状態で、発泡が停止するまで攪拌した。
【0027】
室温まで冷却後、反応混合物を氷水(3300ml)中に注ぎ入れ、析出した固体を濾過した後、メタノール(176ml)を用いて結晶化を行い、淡黄色固体63.29g(収率84%)を得た。
【0028】
融点:82.0−83.2℃
1H−NMR,500MHz,inCDCl3(δ)
8.18(bs,1H)
7.98(bs,1H)
7.66(bs,1H)
2.46(s,3H)
実施例2(3−ブロモ−5−メチルフェニルイソシアネートの合成)
▲1▼ 3−ブロモ−5−メチルアニリンの合成
2Lの4つ口フラスコ中で、3−ブロモ−5−ニトロトルエン(70.0g、0.324mol)とエタノール(600ml)を混合し、4℃付近まで冷却した。次に、反応系を10℃以下に保持した状態で、塩化錫・一水和物(300g、1.36mol)のエタノール(300ml)溶液を2時間かけて滴下した。
【0029】
その後、室温で2時間攪拌した後、反応混合物を氷水(2500ml)に注ぎ入れた。水酸化ナトリウムで中和後、セライトを充填したヌッチェを用いて濾過した。残渣を酢酸エチルで洗浄し、濾液から酢酸エチルで目的物を抽出した。
【0030】
その後、抽出液と洗浄液を合わせて、水及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、減圧蒸留により、黄色液体56.7g(収率81%)を得た。
【0031】
融点:35.8−37.0℃
B.p.:95−97℃/0.13〜0.26kPa(1〜2Torr)
1H−NMR,500MHz,inCDCl3(δ)
6.71(bs,1H)
6.64(bs,1H)
6.40(bs,1H)
3.64(bs,2H)
2.26(s,3H)
▲2▼ 3−ブロモ−5−メチルフェニルイソシアネートの合成
1Lのフラスコで、トリホスゲン(33.24g、0.112mol)をトルエン(450ml)に溶解させた後、3−ブロモ−5−メチルアニリン(56.30g、0.302mol)及びトリエチルアミン(58ml)のトルエン(250ml)溶液を30分かけて室温で滴下した。
【0032】
その後、70℃で2時間攪拌した後、室温まで冷却した。析出したトリエチルアミンの塩酸塩を濾過して除き、濾液を濃縮後、減圧蒸留にて、無色液体29.84g(収率46%)を得た。
【0033】
融点:26.3〜27.3℃
B.p.:86−87℃/0.53〜0.66kPa(4〜5Torr)
1H−NMR,500MHz,inCDCl3(δ)
7.16(bs,1H)
7.06(bs,1H)
6.84(bs,1H)
2.31(s,3H)
【0034】
【発明の効果】
本発明の合成方法は、従来技術と比べると工数が少なく、全体の合成時間を短縮することができるほか、強酸や強塩基を用いない温和な反応条件で合成できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、工数が削減された、3−ブロモ−5−ニトロトルエンの合成方法、及び3−ブロモ−5−メチルフェニルイソシアネートの合成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多糖と反応して高い分割能力を与えるイソシアネートの合成法としては、下記の先行技術に開示された方法が知られている。
【0003】
【非特許文献1】
J.Chromatogr A,787,67−77(1997)
しかし、この先行技術に開示された合成法によると、出発原料からイソシアネートまでに6工程を要するため、製造時間が掛かりすぎるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、工数を削減して合成時間を短縮できるほか、温和な反応条件を適用できる、3−ブロモ−5−ニトロトルエンの合成方法、及び光学分割剤の製造に有用な3−ブロモ−5−メチルフェニルイソシアネートの合成方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、課題の解決手段として、2−メチル−4−ニトロアニリンと臭素を有機酸中で反応させ、2−ブロモ−4−ニトロ−6−メチルアニリンを得た後、脱アミノ化反応により、3−ブロモ−5−ニトロトルエンを得ることを特徴とする3−ブロモ−5−ニトロトルエンの合成方法を提供する。
【0006】
また本発明は、他の課題の解決手段として、請求項1〜3のいずれかに記載の合成方法により得られた3−ブロモ−5−ニトロトルエンを還元した後、トリホスゲンを作用させることを特徴する、3−ブロモ−5−メチルフェニルイソシアネートの合成方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の3−ブロモ−5−ニトロトルエンの合成方法を、次に示す反応式1により説明する。
【0008】
【化1】
【0009】
まず、2−メチル−4−ニトロアニリン〔反応式1中の(1)〕と臭素を、有機中で反応させ、2−ブロモ−4−ニトロ−6−メチルアニリン〔反応式2中の(2)〕を得る。
【0010】
反応は、2−メチル−4−ニトロアニリンの有機酸溶液中に、臭素の有機酸溶液を添加する方法を適用できる。
【0011】
有機酸は、2−メチル−4−ニトロアニリンを溶解できるものであれば、有機酸単独でも良く、有機酸と水、アルコール等の他の溶媒との混合溶媒でも良い。有機酸としては、酢酸、プロピオン酸等を用いることができ、酢酸が好ましい。
【0012】
次工程の反応に移行する前、濾過等により、反応生成物である2−ブロモ−4−ニトロ−6−メチルアニリンを分離し、必要に応じて洗浄乾燥等の処理をする。
【0013】
次に、脱アミノ化反応により、2−ブロモ−4−ニトロ−6−メチルアニリンから、3−ブロモ−5−ニトロトルエン〔反応式1中の(3)〕を得る。
【0014】
脱アミノ化反応は、2−ブロモ−4−ニトロ−6−メチルアニリンを溶解できるエタノール、メタノール等の溶媒中で行うが、次のとおり、複数段階に分けて、反応系の温度管理をすることが望ましい。
【0015】
第1段階では、反応系の温度を室温〜0℃(好ましくは5〜10℃)の範囲内に調整した状態で、亜硝酸ナトリウム(好ましくはモル比で1〜2倍当量の亜硝酸ナトリウム水溶液)を添加する。
【0016】
第2段階では、反応系を室温下に放置して(望ましくは攪拌して)、反応熱により、反応系温度が45℃前後まで上昇し、その後40℃以下まで下降したことを確認した後、発泡がなくなるまで反応系を40〜50℃の温度範囲に保持しつつ、攪拌する。
【0017】
第3段階では、室温まで冷却した後、冷却、濾過等の方法を適用して、反応生成物を分取する。
【0018】
次に、本発明の3−ブロモ−5−メチルフェニルイソシアネートの合成方法を、次に示す反応式2により説明する。
【0019】
【化2】
【0020】
まず、3−ブロモ−5−ニトロトルエン〔反応式2中の(3)〕をエタノール等の溶媒に溶解させた後、冷却下、塩化錫、ラネーニッケル等の還元剤(水素化剤)を作用させ、3−ブロモ−5−メチルアニリン〔反応式2中の(4)〕を得る。
【0021】
次に、トリホスゲンをトルエン等の溶媒に溶解させた後、3−ブロモ−5−メチルアニリン及びトリエチルアミンのトルエン溶液を室温下で添加反応させ、3−ブロモ−5−メチルフェニルイソシアネート〔反応式2中の(5)〕を得る。
【0022】
本発明の合成方法を適用して得られる3−ブロモ−5−ニトロトルエンは、3−ブロモ−5−メチルフェニルイソシアネートの前駆体となるものであり、3−ブロモ−5−メチルフェニルイソシアネートは、光学分割剤として適用する公知の多糖誘導体を得るために使用できる。
【0023】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0024】
実施例1(3−ブロモ−5−ニトロトルエンの合成)
▲1▼ 2−ブロモ−4−ニトロ−6−メチルアニリンの合成
2Lの4つ口フラスコ中で、2−メチル−4−ニトロアニリン(88.41g,0.579mol)を酢酸(860ml)に加熱(60〜65℃)溶解させた後、臭素(101.0g、0.625mol)の酢酸(150ml)溶液を3.5時間かけて滴下した。更に60〜65℃で30分間攪拌した後、室温まで冷却した。反応混合物を氷水(3300ml)に注ぎ入れ、析出した固体を濾過した。残渣を、水、0.5M炭酸ナトリウム水溶液、水で順次洗浄した後、エタノール(500ml)に懸濁し、加熱還流した。冷却後、濾過して、黄色固体126.8g(収率84%)を得た。
【0025】
融点:178.2−179.5℃
1H−NMR,500MHz,inCDCl3(δ)
8.27(d,J=2.8Hz,1H)
7.95(d,J=2.8Hz,1H)
4.80(bs,2H)
2.28(s,3H)
▲2▼3−ブロモ−5−ニトロトルエンの合成
2Lの4つ口フラスコ中で、2−ブロモ−4−ニトロ−6−メチルアニリン(80.0g、0.346mol)とエタノール(800ml)を混合し、反応系を室温以下に保持した状態で濃硫酸(144ml)を滴下した。次に、反応系を5〜10℃に保持した状態で、亜硝酸ナトリウム水溶液(31.05g、0.450mol/47ml)を50分かけて滴下した。
【0026】
その後、室温下で攪拌を行い、反応熱により、反応系の温度が50℃前後まで上昇し、次いで45℃以下まで下降したことを確認した後、40〜45℃の温度に保持した状態で、発泡が停止するまで攪拌した。
【0027】
室温まで冷却後、反応混合物を氷水(3300ml)中に注ぎ入れ、析出した固体を濾過した後、メタノール(176ml)を用いて結晶化を行い、淡黄色固体63.29g(収率84%)を得た。
【0028】
融点:82.0−83.2℃
1H−NMR,500MHz,inCDCl3(δ)
8.18(bs,1H)
7.98(bs,1H)
7.66(bs,1H)
2.46(s,3H)
実施例2(3−ブロモ−5−メチルフェニルイソシアネートの合成)
▲1▼ 3−ブロモ−5−メチルアニリンの合成
2Lの4つ口フラスコ中で、3−ブロモ−5−ニトロトルエン(70.0g、0.324mol)とエタノール(600ml)を混合し、4℃付近まで冷却した。次に、反応系を10℃以下に保持した状態で、塩化錫・一水和物(300g、1.36mol)のエタノール(300ml)溶液を2時間かけて滴下した。
【0029】
その後、室温で2時間攪拌した後、反応混合物を氷水(2500ml)に注ぎ入れた。水酸化ナトリウムで中和後、セライトを充填したヌッチェを用いて濾過した。残渣を酢酸エチルで洗浄し、濾液から酢酸エチルで目的物を抽出した。
【0030】
その後、抽出液と洗浄液を合わせて、水及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、減圧蒸留により、黄色液体56.7g(収率81%)を得た。
【0031】
融点:35.8−37.0℃
B.p.:95−97℃/0.13〜0.26kPa(1〜2Torr)
1H−NMR,500MHz,inCDCl3(δ)
6.71(bs,1H)
6.64(bs,1H)
6.40(bs,1H)
3.64(bs,2H)
2.26(s,3H)
▲2▼ 3−ブロモ−5−メチルフェニルイソシアネートの合成
1Lのフラスコで、トリホスゲン(33.24g、0.112mol)をトルエン(450ml)に溶解させた後、3−ブロモ−5−メチルアニリン(56.30g、0.302mol)及びトリエチルアミン(58ml)のトルエン(250ml)溶液を30分かけて室温で滴下した。
【0032】
その後、70℃で2時間攪拌した後、室温まで冷却した。析出したトリエチルアミンの塩酸塩を濾過して除き、濾液を濃縮後、減圧蒸留にて、無色液体29.84g(収率46%)を得た。
【0033】
融点:26.3〜27.3℃
B.p.:86−87℃/0.53〜0.66kPa(4〜5Torr)
1H−NMR,500MHz,inCDCl3(δ)
7.16(bs,1H)
7.06(bs,1H)
6.84(bs,1H)
2.31(s,3H)
【0034】
【発明の効果】
本発明の合成方法は、従来技術と比べると工数が少なく、全体の合成時間を短縮することができるほか、強酸や強塩基を用いない温和な反応条件で合成できる。
Claims (4)
- 2−メチル−4−ニトロアニリンと臭素を有機酸中で反応させ、2−ブロモ−4−ニトロ−6−メチルアニリンを得た後、脱アミノ化反応により、3−ブロモ−5−ニトロトルエンを得ることを特徴とする3−ブロモ−5−ニトロトルエンの合成方法。
- 有機酸が酢酸である、請求項1記載の3−ブロモ−5−ニトロトルエンの合成方法。
- 脱アミノ化反応が、反応系の温度を室温〜0℃の範囲内に調整した状態で亜硝酸ナトリウムを添加し、反応系温度の上昇及び下降を経た後に、更に反応系を40〜50℃の温度範囲に保持する反応である、請求項1〜3のいずれかに記載の3−ブロモ−5−ニトロトルエンの合成方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の合成方法により得られた3−ブロモ−5−ニトロトルエンを還元した後、トリホスゲンを作用させることを特徴とする、3−ブロモ−5−メチルフェニルイソシアネートの合成方法。
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