JP2004231229A - 口栓部の構造、並びにこれに使用される注出口及びキャップ体 - Google Patents
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Abstract
【課題】確実にキャップ体を保持でき、しかも安全性に優れた口栓部の構造を提供する。
【解決手段】容体Bの注出口21の外周面から外方に張り出して、外周縁が円弧状に形成されて、この注出口21を閉塞するキャップ体2の回転を阻止するストッパーが設けられている一方で、前記キャップ体2は、本体3と、該本体の外周に連結片7を介して取り付けられた環体4とから構成され、前記環体4は、前記本体3の周方向において少なくとも2つの円弧部材5に分割されてなり、各円弧部材5はその端部同士が切断片6でそれぞれ連結され、これら各円弧部材5の内面には、周方向の中央部にて内側に向けて突出し、当該キャップ体2の回転を阻止する係止部と、各円弧部材5の周方向の端部にて内側に向けて突出し、前記切断片6を切断せしめる切断爪とが形成された口栓部を採用する。
【選択図】 図1
【解決手段】容体Bの注出口21の外周面から外方に張り出して、外周縁が円弧状に形成されて、この注出口21を閉塞するキャップ体2の回転を阻止するストッパーが設けられている一方で、前記キャップ体2は、本体3と、該本体の外周に連結片7を介して取り付けられた環体4とから構成され、前記環体4は、前記本体3の周方向において少なくとも2つの円弧部材5に分割されてなり、各円弧部材5はその端部同士が切断片6でそれぞれ連結され、これら各円弧部材5の内面には、周方向の中央部にて内側に向けて突出し、当該キャップ体2の回転を阻止する係止部と、各円弧部材5の周方向の端部にて内側に向けて突出し、前記切断片6を切断せしめる切断爪とが形成された口栓部を採用する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器に設けられた注出口とこの注出口を開閉するキャップ体とから構成される口栓部の構造、並びにこれに使用される注出口及びキャップ体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、包装容器に円筒状の注出口を取り付け、この注出口を開閉するために、注出口にキャップ体を着脱自在に螺合させるように構成された口栓部の構造が知られている。かかる口栓部の構造において、キャップ体が注出口に確実に保持されるようにするため、キャップ体の本体の周囲に環体を設け、この環体で注出口の外面を保持する構造が近年採用されるようになってきた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる構造の口栓部に採用されるキャップ体は、本体の周囲に環体を連結片で接続して構成されている。そして、環体は周方向に複数の円弧部材に分割され、各円弧部材は、その端部同士が切断片で連結されて構成されている。そして、各円弧部材の内面には、その周方向の端部に内側に向けて突出する係止部が形成されている。キャップ体は、この係止部を注出口の周面に嵌合させて保持される。
【0004】
一方、注出口の外周部には、半径方向外側に突出する爪が形成されている。キャップ体を開けるときに、円弧部材同士を連結している切断片を切断する役割を果たすものである。すなわち、キャップ体が回転すると、環体の内面に形成された係止部がこの爪と係合し、係止部がこの爪を乗り越えると、環体の円弧部材同士を連結している切断片が切断される。これにより、係止部が注出口を嵌合する力が失われ、キャップ体は自在に注出口の外周を回転できるようになるという作用効果を有している。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−124669号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来から採用されている構造のように、各円弧部材の周方向の端部に係止部を設け、端部のみでキャップ体を保持すると、円弧部材の周方向における中央部が不安定となる。一方、注出部に直接口を付けて内容物を飲む態様の飲料用の包装容器に、注出口の外周部から爪を突出させる構造の口栓部を採用すると、口を切るおそれがある。
【0007】
そこで、本発明では、確実にキャップ体を保持でき、しかも安全性に優れた口栓部の構造を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記課題を解決するために、筒状の注出口と、この注出口の外周に着脱自在に螺合して、該注出口を閉塞するキャップ体とを備えた容体の口栓部の構造において、前記注出口には、その注出口の外周面から外方に張り出して、前記キャップ体の回転を阻止する外周縁が円弧状に形成されたストッパーが設けられている一方で、前記キャップ体は、本体と、該本体の外周にて連結片を介して該本体に取り付けられた環体とから構成され、前記環体は、前記本体の周方向において少なくとも2つの円弧部材に分割されてなり、各円弧部材はその端部同士が切断片でそれぞれ連結され、これら各円弧部材の内面には、周方向の中央部にて内側に向けて突出し、当該キャップ体の回転を阻止する係止部と、各円弧部材の周方向の端部にて内側に向けて突出し、前記切断片を切断せしめる切断爪とが形成され、前記キャップ体は、前記係止部を前記ストッパーの外周縁に当接させてその回転が阻止される一方、前記切断爪が前記ストッパーの周方向の端縁に当接して前記キャップの回転に伴い前記切断片に負荷を与えることで前記切断片が切断されて自在に回転可能となるように構成された口栓部の構造を採用した。
【0009】
本発明によれば、キャップ体が注出口に締めつけられて、キャップ体が注出口を閉塞している状態において、環体を構成する各円弧部材の係止部が注出口の外周に形成されたストッパーの外周縁と係合して、キャップ体が注出口に対して緩むことなく確実に保持される。
【0010】
そして、前記係止部が各円弧部材の周方向における中央部に形成されていることにより、該円弧部材の弾性力により強い力で前記ストッパーの外周縁を押圧する。これにより高い保持力を得て、キャップ体が容易に緩むことを防止できる。
【0011】
また、キャップ体を緩ませる方向に回転させることで、切断爪がストッパーの当接面に当接する。この際、キャップ体の本体と、環体との間に周方向にねじりが生じる。これにより前記切断片に負荷がかかり、切断片が切断され、係止部の保持力が解除されて、キャップ体を円滑に回転させることができるようになる。
【0012】
一方、ストッパーは、その外周縁を円弧状に形成したので、例えば、注出口に直に口を付けて内部に充填された飲料を飲むような容体に本発明に係る口栓部の構造を適用しても、口を切る心配が無く安全である。
【0013】
そして、本発明では上記口栓部の構造において、前記ストッパーの外周縁は、周方向の一端側が周方向において滑らかな曲面で形成されている一方、周方向の他端側が前記切断爪と当接してこの切断爪を当該ストッパーの外周縁へ押し上げる当接面が形成され、前記キャップ体が締まる方向に回転する際、前記切断爪と前記滑らかな曲面とが当接し、前記キャップ体が緩む方向に回転する際、前記切断爪と前記当接面とが当接するように前記ストッパーは形成されたことを特徴としている。
【0014】
すなわち、内容物を容体に充填した後に、キャップ体を注出口に対して締めつける方向へ回転させた場合、切断片が切断されることなく連結状態を維持している必要がある。ストッパーの周方向における一端側の端縁を滑らかな曲面で構成したことにより、当該切断爪は円滑にストッパーの外周縁に乗り上げ、切断片に不必要な負荷を与えることを防止している。一方、内容物を注出するために、注出口に締めつけられたキャップ体を緩める方向に回転させると、確実に当接面に切断爪が当接するので、当接した状態でキャップを回転させることで、切断片に負荷を与えることができ、当該切断片を切断することができる。
【0015】
なお、前記切断爪は、その先端が前記キャップ体の周方向における緩む方向に向けて突出させることで、キャップ体を締めつける方向へ回転させる場合にあっては、切断爪は前記ストッパーの外周縁により円滑に乗り上げることができる一方、キャップ体を緩める方向へ回転させる場合にあっては、前記当接面に当接した切断爪は、切断片が切断されるまで当接面から外れてしまうことがない。
【0016】
また、本発明では上記課題を解決するために、キャップ体が着脱自在に螺合されることにより開閉される、容体に取り付けられた筒状の注出口であって、この注出口の外周面から外方に張り出して、前記キャップ体が係合してその回転が阻止されるストッパーが設けられ、このストッパーの外周縁が周方向に沿って円弧状に形成された口栓部の注出口を採用している。
【0017】
本発明が採用する口栓部の注出口によれば、ストッパーの外周面が円弧状に形成されているので、例えば、注出口に直に口を付けて内部に充填された飲料を飲むような容体に本発明に係る口栓部の構造を適用しても、口を切る心配が無く安全である。
【0018】
さらに、本発明では上記課題を解決するために、容体に取り付けられた筒状の注出口に、着脱自在に螺合させて前記注出口を開閉するキャップ体であって、このキャップ体は、本体と、該本体の外周にて連結片を介して該本体に取り付けられた環体とから構成され、前記環体は、前記本体の周方向において少なくとも2つの円弧部材に分割されてなり、各円弧部材はその端部同士が切断片でそれぞれ連結され、これら各円弧部材の内面には、周方向の中央部にて内側に向けて突出し、前記注出口の外周に形成されたストッパーの外周縁に当接させて、当該キャップ体の回転を阻止する係止部と、各円弧部材の周方向の端部にて内側に向けて突出し、前記ストッパーの周方向における端縁と当接し、前記切断片に負荷を与えることで前記切断片を切断せしめる切断爪とが形成されされたキャップ体を採用している。
【0019】
当該発明が採用するキャップ体によれば、容体の口栓部にキャップ体を確実に保持させることができる。また、切断片を切断させること無くキャップ体を注出口に締めつけることができる一方、注出口に締めつけられたキャップ体を緩めて開口せしめる場合には、切断片を切断させて環体の保持力を容易に解除できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の形態について図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は、本発明の口栓ユニット1の構造を採用する飲料容器の一実施形態を示す斜視図である。この口栓ユニット1は、容器を構成する容体Bの上部に設けられており、容体Bの上端に取り付けられる口栓本体20と、この口栓本体20の上部に形成された注出口21に螺合せしめて、注出口21を閉塞するキャップ体2とから構成されている。
【0022】
キャップ体2はその軸方向の一方の面が閉塞され、他方の面が開放された筒体により構成されている。このキャップ体2は、筒状に形成された本体3と、本体3の下端にて、本体3の外周から外側に張り出すようにして設けられた環体4とから構成されている。環体4はその周方向に2分割された円弧部材5,5から構成されており、両円弧部材5,5はその端部同士が切断片6,6で接続されている。環体4を構成している各円弧部材5,5は、その周方向の数カ所が連結片7…7によって本体3の下端に連結されている。
【0023】
一方、口栓本体20は、その上部に形成された注出口21と、容体Bの内部に挿入される下部に形成されたストロー部22とから構成されている。これら注出口21とストロー部22とは、口栓本体20の外周部から半径方向外側に張り出す層状の仕切り板23,23にて区切られている。
【0024】
注出口21には、その外周面に螺旋状の雄ねじ24が形成されている。この雄ねじ24は、キャップ体2を注出口21に螺合させるためのものである。また、注出口21の下端部に位置する上段の仕切り板23の上面には、注出口21の外周面から外方に向けて張り出すストッパー25,25がこの仕切り板23と一体に形成されている。このストッパー25,25は、注出口21に螺合されたキャップ体2が緩まぬように保持するためのものである。
【0025】
また、口栓本体20の下部に形成されたストロー部22は、円筒状に形成されており、注出口21とこのストロー部22とを区切っている仕切り板23,23の下方部分が容体Bの内部に挿入されて構成されている。
【0026】
図2〜図4はキャップ体2の詳細を示すもので、図2が切断片6,6を正面にした方向におけるキャップ体2の部分断面側面図であり、図3が、図2に示すキャップ体2を90度回転させた方向におけるキャップ体2の部分断面側面図、図4が平面図をそれぞれ示している。
【0027】
キャップ体2は、上述したように、筒状に形成された本体3と、この本体3の外周部に設けられた環体4とから構成されている。本体3の内周面には、軸方向のほぼ中央部に螺旋状の雌ねじ8が形成されている。また、本体3の上端側を閉鎖している端面3Aの内側には、この端面3Aから軸方向に延びる円状のリブ9が形成されている。このリブ9は、キャップ体2で注出口21を閉塞したときに、注出口21の上縁部分をリブ9と本体3側面との間の隙間に挿入させて、閉塞状態の座りをよくするためのものである。
【0028】
一方、本体3の外周には、軸方向に沿って延びる縦縞状の滑り止め11が形成されている。この滑り止め11は、本体3の外周面を指でつまんで口栓ユニット1を開け閉めする際、指が滑らないようにするものである。
【0029】
そして、キャップ体2を注出口21に締めつけた際、キャップ体2が緩まぬよう、注出口21に保持させるための環体4が本体3の外周部に設けられている。この環体4は、本体3の下端部において、半径方向に放射状に延びる連結片7…7によってその周方向の数カ所が本体3に転結されている。また、環体4は半円状の2つの円弧部材5,5により構成されており、環体4を構成する2つの円弧部材5,5は、周方向の端部同士が薄肉の切断片6,6で接続されて構成されている。
【0030】
これら各円弧部材5,5には、その内面に、キャップ体2を注出口21に確実に保持させるための係止部12,12と、注出口21を閉鎖しているキャップ体2を回して栓を開ける際に、係止部12,12の拘束を解くために切断片6,6を切断する切断爪13,13とがそれぞれ形成されている。
【0031】
係止部12,12は、各円弧部材5,5の周方向のほぼ中央部において、円弧部材5,5の内面から内側に向けて突出するようにして形成されている。この係止部12,12は、後述する注出口21の外周に形成されたストッパー25,25に保持させて、注出口21に締めつけられたキャップ体2が緩むことを防止している。なお、係止部12,12を各円弧部材5,5の周方向のほぼ中央部に形成したことにより、円弧部材5,5の弾性力を利用してより強い力でストッパーの外周面26,26に当接でき、高い保持力を得る構造となっている。
【0032】
一方、切断爪13,13は、各円弧部材5,5の周方向の一端において、円弧部材5,5の内面から内側に向けて突出するようにして形成されている。そして、この切断爪13,13は、注出口21に締めつけられたキャップ体2が緩むように回転させる方向へ向けてその先端が傾けられていて、先端から付け根側の外周側の面は、滑らかな曲面により形成されている。この切断爪13,13は、注出口21に締めつけられた状態からキャップ体2を回転させたときに、環体4の切断片6,6に負荷をかけて、これら切断片6,6を切断することにより、ストッパー25,25を保持している係止部12,12の保持力を解除する役割を果たしている。
【0033】
図5〜図7は、筒体の上部に形成された注出口21の詳細を示すもので、図4が注出口21の正面図、図5が注出口21の側面図、図6が注出口21の平面図である。
【0034】
注出口21の周面に形成された螺旋状の雄ねじ24は、注出口21の軸方向のほぼ中央部で、注出口21の回りを1周半程度巻くようにして度形成されている。また、キャップ体2の回転を阻止して、この注出口21に確実に保持するためのストッパー25,25は、注出口21の下端に形成された仕切り板23,23の内、上段の仕切り板23の上面に形成されている。ストッパー25,25は、仕切り板23の上面において、注出口21を挟んで対称となる2カ所で、半径方向外側に張り出すようにして形成されている。各ストッパー25,25は扇状に形成されており、その外周縁26,26が円弧状に形成されている。
【0035】
これらストッパー25,25の周方向の端面は、その一端側25a,25aが周方向において滑らかな曲面で形成されている一方、周方向の他端側25b,25bが前記切断爪13,13と当接する当接面27,27が形成されている。曲面により形成された周方向の一端側は、キャップ体2が締まる方向に回転するときに、切断爪13,13の背面が当該ストッパー25,25に最初に当接する部分をなしている。これに対し、当接面27,27の形成された他端側は、キャップ体2が緩む方向へ回転するとき、切断爪13,13の先端が最初に当接する位置をなしている。なお、この当接面27,27は、ストッパー25,25の前記他端部25b,25bにおいて、軸方向に沿って注出口21の先端に向けて立ち上がるように形成されており、仕切り板23,23の上面と一体に形成されたストッパー25,25と、周方向においてストッパー25,25の側方で当該ストパー25,25の上方に形成された張り出し部分28,28とを一体に連結するようにして構成されている。
【0036】
このように、ストッパー25,25の外周縁26,26を、半径方向外側へ突出する突起部分を設けることなく滑らかな円弧状に形成したので、例えば、注出口21に直接口を付けて容体Bに充填された飲料を飲む容体Bにこの口栓ユニット1の構造を適用した場合でも、口を切るおそれが無い。
【0037】
以上に説明した口栓ユニット1の構造によれば、キャップ体2を注出口21に締めつけると、切断爪13,13は、ストッパー25,25の一端側に形成された滑らかな曲面部分からストッパー25,25の外周縁26,26に円滑に押し広げられる。このため、キャップ体2を注出口21に回転させて締めつけても、環体4と本体3との間に周方向におけるねじりが生じることはなく、切断片6,6を切断するような負荷が環体4に作用することはない。従って、各円弧部材5,5同士の接続が維持されたまま、キャップ体2を注出口21に締めつけることができる。
【0038】
一方、図8〜図10に示すように、注出口21に締めつけられたキャップ体2を緩めると、切断片6,6が切断され、注出口21を保持している環体4の保持力が解除され、キャップ体2を自在に注出口21に対して回転させることができるようになる。
【0039】
この作用を順に説明すると、まず、図8に示すように、キャップ体2が注出口21に完全に締めつけたれた状態では、環体4を構成する各円弧部材5,5に形成された係止部12,12が注出口21に形成されたストッパー25,25の外周縁26,26に当接して、キャップ体2が注出口21に保持されている。一方、各円弧部材5,5の端部に形成された切断爪13,13は、周方向において、ストッパー25,25同士の間に位置している。この状態から矢印の方向へ、キャップ体2を回転させると図9に示す状態となる。この図9に示す状態では、キャップ体2が回転されたことに伴い、各円弧部材5,5の周方向の中央部に形成された係止部12,12がストッパー25,25から外され、周方向において、ストッパー25,25の一端の側方へ送り出されている。他方、各円弧部材5,5の端部に形成された切断爪13,13は、ストッパー25,25の周方向における端面に形成された当接面27,27の位置まで移動しており、切断爪13,13の先端が当接面27,27に当接している。
【0040】
この状態から矢印の方向にキャップ体2を回転させ、このキャップ体2を緩めようとすると、切断爪13,13が当接面27,27と干渉し、キャップ体2の回転を阻止する力が作用する。この力に抗してさらにキャップ体2を回転させると、本体3のみが先行するようにして回転され、本体3と、本体3の周囲に位置する環体4との間に位相差が生じ、キャップ体2がねじられる。これにより、切断片6,6に負荷がかかる。また、回転させようとする力に耐えきれなくなった切断爪13,13は、当接面27,27により半径方向外側に押しのけられる。これにより、環体4自体にもねじりが生じ、切断片6,6にさらなる負荷を与える。
【0041】
これらの負荷により切断片6,6は切断され、環体4が2つの円弧部材5,5に分離される(図10に示す状態)。環体4が、この図10に示すように、円弧部材5,5に分離されると、ストッパー25,25に対する保持力が解除されるため、キャップ体2は注出口21に拘束されることなく円滑に回転するようになる。これにより注出口21を閉塞していたキャップを、容易に注出口21から外すことが可能となる。
【0042】
以上に説明したキャップ体2及び口栓本体20は、樹脂材を成型加工により製造すれば均一な品質の部品を大量に製造することができる。ただし、製造方法は、成型にやらずに、機械加工などの他の方法を採用しても構わない。
【0043】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、注出口に締めつけられたキャップ体が容易に緩むことがなく、キャップ体が確実に注出口に保持される口栓部の構造、並びにこれに使用される注出口及びキャップ体を得ることができる。また、直接注出口に口を付けるような容体に本発明の口栓部を適用すれば、口を切ることなく内容物を飲むことができる安全な容体とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の口栓ユニットの構造を採用する飲料容器の一実施形態を示す斜視図。
【図2】切断片を正面にした方向におけるキャップ体の部分断面側面図。
【図3】図2に示すキャップ体を90度回転させた方向におけるキャップ体の部分断面側面図。
【図4】キャップ体の平面図。
【図5】注出口の正面図。
【図6】注出口の側面図。
【図7】注出口の平面図。
【図8】キャップ体の係止部をストッパーの外周縁に当接させてキャップ体を注出口に保持させた状態を示す口栓部の横断面図。
【図9】切断爪が当接面に当接された状態における口栓部の横断面図。
【図10】切断片が切断された状態における口栓部の横断面図。
【符号の説明】
1 口栓ユニット(口栓部)
2 キャップ体
3 本体
4 環体
5 円弧部材
6 切断片
7 連結片
12 係止部
13 切断爪
20 口栓本体
21 注出口
25 ストッパー
27 当接面
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器に設けられた注出口とこの注出口を開閉するキャップ体とから構成される口栓部の構造、並びにこれに使用される注出口及びキャップ体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、包装容器に円筒状の注出口を取り付け、この注出口を開閉するために、注出口にキャップ体を着脱自在に螺合させるように構成された口栓部の構造が知られている。かかる口栓部の構造において、キャップ体が注出口に確実に保持されるようにするため、キャップ体の本体の周囲に環体を設け、この環体で注出口の外面を保持する構造が近年採用されるようになってきた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる構造の口栓部に採用されるキャップ体は、本体の周囲に環体を連結片で接続して構成されている。そして、環体は周方向に複数の円弧部材に分割され、各円弧部材は、その端部同士が切断片で連結されて構成されている。そして、各円弧部材の内面には、その周方向の端部に内側に向けて突出する係止部が形成されている。キャップ体は、この係止部を注出口の周面に嵌合させて保持される。
【0004】
一方、注出口の外周部には、半径方向外側に突出する爪が形成されている。キャップ体を開けるときに、円弧部材同士を連結している切断片を切断する役割を果たすものである。すなわち、キャップ体が回転すると、環体の内面に形成された係止部がこの爪と係合し、係止部がこの爪を乗り越えると、環体の円弧部材同士を連結している切断片が切断される。これにより、係止部が注出口を嵌合する力が失われ、キャップ体は自在に注出口の外周を回転できるようになるという作用効果を有している。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−124669号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来から採用されている構造のように、各円弧部材の周方向の端部に係止部を設け、端部のみでキャップ体を保持すると、円弧部材の周方向における中央部が不安定となる。一方、注出部に直接口を付けて内容物を飲む態様の飲料用の包装容器に、注出口の外周部から爪を突出させる構造の口栓部を採用すると、口を切るおそれがある。
【0007】
そこで、本発明では、確実にキャップ体を保持でき、しかも安全性に優れた口栓部の構造を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記課題を解決するために、筒状の注出口と、この注出口の外周に着脱自在に螺合して、該注出口を閉塞するキャップ体とを備えた容体の口栓部の構造において、前記注出口には、その注出口の外周面から外方に張り出して、前記キャップ体の回転を阻止する外周縁が円弧状に形成されたストッパーが設けられている一方で、前記キャップ体は、本体と、該本体の外周にて連結片を介して該本体に取り付けられた環体とから構成され、前記環体は、前記本体の周方向において少なくとも2つの円弧部材に分割されてなり、各円弧部材はその端部同士が切断片でそれぞれ連結され、これら各円弧部材の内面には、周方向の中央部にて内側に向けて突出し、当該キャップ体の回転を阻止する係止部と、各円弧部材の周方向の端部にて内側に向けて突出し、前記切断片を切断せしめる切断爪とが形成され、前記キャップ体は、前記係止部を前記ストッパーの外周縁に当接させてその回転が阻止される一方、前記切断爪が前記ストッパーの周方向の端縁に当接して前記キャップの回転に伴い前記切断片に負荷を与えることで前記切断片が切断されて自在に回転可能となるように構成された口栓部の構造を採用した。
【0009】
本発明によれば、キャップ体が注出口に締めつけられて、キャップ体が注出口を閉塞している状態において、環体を構成する各円弧部材の係止部が注出口の外周に形成されたストッパーの外周縁と係合して、キャップ体が注出口に対して緩むことなく確実に保持される。
【0010】
そして、前記係止部が各円弧部材の周方向における中央部に形成されていることにより、該円弧部材の弾性力により強い力で前記ストッパーの外周縁を押圧する。これにより高い保持力を得て、キャップ体が容易に緩むことを防止できる。
【0011】
また、キャップ体を緩ませる方向に回転させることで、切断爪がストッパーの当接面に当接する。この際、キャップ体の本体と、環体との間に周方向にねじりが生じる。これにより前記切断片に負荷がかかり、切断片が切断され、係止部の保持力が解除されて、キャップ体を円滑に回転させることができるようになる。
【0012】
一方、ストッパーは、その外周縁を円弧状に形成したので、例えば、注出口に直に口を付けて内部に充填された飲料を飲むような容体に本発明に係る口栓部の構造を適用しても、口を切る心配が無く安全である。
【0013】
そして、本発明では上記口栓部の構造において、前記ストッパーの外周縁は、周方向の一端側が周方向において滑らかな曲面で形成されている一方、周方向の他端側が前記切断爪と当接してこの切断爪を当該ストッパーの外周縁へ押し上げる当接面が形成され、前記キャップ体が締まる方向に回転する際、前記切断爪と前記滑らかな曲面とが当接し、前記キャップ体が緩む方向に回転する際、前記切断爪と前記当接面とが当接するように前記ストッパーは形成されたことを特徴としている。
【0014】
すなわち、内容物を容体に充填した後に、キャップ体を注出口に対して締めつける方向へ回転させた場合、切断片が切断されることなく連結状態を維持している必要がある。ストッパーの周方向における一端側の端縁を滑らかな曲面で構成したことにより、当該切断爪は円滑にストッパーの外周縁に乗り上げ、切断片に不必要な負荷を与えることを防止している。一方、内容物を注出するために、注出口に締めつけられたキャップ体を緩める方向に回転させると、確実に当接面に切断爪が当接するので、当接した状態でキャップを回転させることで、切断片に負荷を与えることができ、当該切断片を切断することができる。
【0015】
なお、前記切断爪は、その先端が前記キャップ体の周方向における緩む方向に向けて突出させることで、キャップ体を締めつける方向へ回転させる場合にあっては、切断爪は前記ストッパーの外周縁により円滑に乗り上げることができる一方、キャップ体を緩める方向へ回転させる場合にあっては、前記当接面に当接した切断爪は、切断片が切断されるまで当接面から外れてしまうことがない。
【0016】
また、本発明では上記課題を解決するために、キャップ体が着脱自在に螺合されることにより開閉される、容体に取り付けられた筒状の注出口であって、この注出口の外周面から外方に張り出して、前記キャップ体が係合してその回転が阻止されるストッパーが設けられ、このストッパーの外周縁が周方向に沿って円弧状に形成された口栓部の注出口を採用している。
【0017】
本発明が採用する口栓部の注出口によれば、ストッパーの外周面が円弧状に形成されているので、例えば、注出口に直に口を付けて内部に充填された飲料を飲むような容体に本発明に係る口栓部の構造を適用しても、口を切る心配が無く安全である。
【0018】
さらに、本発明では上記課題を解決するために、容体に取り付けられた筒状の注出口に、着脱自在に螺合させて前記注出口を開閉するキャップ体であって、このキャップ体は、本体と、該本体の外周にて連結片を介して該本体に取り付けられた環体とから構成され、前記環体は、前記本体の周方向において少なくとも2つの円弧部材に分割されてなり、各円弧部材はその端部同士が切断片でそれぞれ連結され、これら各円弧部材の内面には、周方向の中央部にて内側に向けて突出し、前記注出口の外周に形成されたストッパーの外周縁に当接させて、当該キャップ体の回転を阻止する係止部と、各円弧部材の周方向の端部にて内側に向けて突出し、前記ストッパーの周方向における端縁と当接し、前記切断片に負荷を与えることで前記切断片を切断せしめる切断爪とが形成されされたキャップ体を採用している。
【0019】
当該発明が採用するキャップ体によれば、容体の口栓部にキャップ体を確実に保持させることができる。また、切断片を切断させること無くキャップ体を注出口に締めつけることができる一方、注出口に締めつけられたキャップ体を緩めて開口せしめる場合には、切断片を切断させて環体の保持力を容易に解除できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の形態について図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は、本発明の口栓ユニット1の構造を採用する飲料容器の一実施形態を示す斜視図である。この口栓ユニット1は、容器を構成する容体Bの上部に設けられており、容体Bの上端に取り付けられる口栓本体20と、この口栓本体20の上部に形成された注出口21に螺合せしめて、注出口21を閉塞するキャップ体2とから構成されている。
【0022】
キャップ体2はその軸方向の一方の面が閉塞され、他方の面が開放された筒体により構成されている。このキャップ体2は、筒状に形成された本体3と、本体3の下端にて、本体3の外周から外側に張り出すようにして設けられた環体4とから構成されている。環体4はその周方向に2分割された円弧部材5,5から構成されており、両円弧部材5,5はその端部同士が切断片6,6で接続されている。環体4を構成している各円弧部材5,5は、その周方向の数カ所が連結片7…7によって本体3の下端に連結されている。
【0023】
一方、口栓本体20は、その上部に形成された注出口21と、容体Bの内部に挿入される下部に形成されたストロー部22とから構成されている。これら注出口21とストロー部22とは、口栓本体20の外周部から半径方向外側に張り出す層状の仕切り板23,23にて区切られている。
【0024】
注出口21には、その外周面に螺旋状の雄ねじ24が形成されている。この雄ねじ24は、キャップ体2を注出口21に螺合させるためのものである。また、注出口21の下端部に位置する上段の仕切り板23の上面には、注出口21の外周面から外方に向けて張り出すストッパー25,25がこの仕切り板23と一体に形成されている。このストッパー25,25は、注出口21に螺合されたキャップ体2が緩まぬように保持するためのものである。
【0025】
また、口栓本体20の下部に形成されたストロー部22は、円筒状に形成されており、注出口21とこのストロー部22とを区切っている仕切り板23,23の下方部分が容体Bの内部に挿入されて構成されている。
【0026】
図2〜図4はキャップ体2の詳細を示すもので、図2が切断片6,6を正面にした方向におけるキャップ体2の部分断面側面図であり、図3が、図2に示すキャップ体2を90度回転させた方向におけるキャップ体2の部分断面側面図、図4が平面図をそれぞれ示している。
【0027】
キャップ体2は、上述したように、筒状に形成された本体3と、この本体3の外周部に設けられた環体4とから構成されている。本体3の内周面には、軸方向のほぼ中央部に螺旋状の雌ねじ8が形成されている。また、本体3の上端側を閉鎖している端面3Aの内側には、この端面3Aから軸方向に延びる円状のリブ9が形成されている。このリブ9は、キャップ体2で注出口21を閉塞したときに、注出口21の上縁部分をリブ9と本体3側面との間の隙間に挿入させて、閉塞状態の座りをよくするためのものである。
【0028】
一方、本体3の外周には、軸方向に沿って延びる縦縞状の滑り止め11が形成されている。この滑り止め11は、本体3の外周面を指でつまんで口栓ユニット1を開け閉めする際、指が滑らないようにするものである。
【0029】
そして、キャップ体2を注出口21に締めつけた際、キャップ体2が緩まぬよう、注出口21に保持させるための環体4が本体3の外周部に設けられている。この環体4は、本体3の下端部において、半径方向に放射状に延びる連結片7…7によってその周方向の数カ所が本体3に転結されている。また、環体4は半円状の2つの円弧部材5,5により構成されており、環体4を構成する2つの円弧部材5,5は、周方向の端部同士が薄肉の切断片6,6で接続されて構成されている。
【0030】
これら各円弧部材5,5には、その内面に、キャップ体2を注出口21に確実に保持させるための係止部12,12と、注出口21を閉鎖しているキャップ体2を回して栓を開ける際に、係止部12,12の拘束を解くために切断片6,6を切断する切断爪13,13とがそれぞれ形成されている。
【0031】
係止部12,12は、各円弧部材5,5の周方向のほぼ中央部において、円弧部材5,5の内面から内側に向けて突出するようにして形成されている。この係止部12,12は、後述する注出口21の外周に形成されたストッパー25,25に保持させて、注出口21に締めつけられたキャップ体2が緩むことを防止している。なお、係止部12,12を各円弧部材5,5の周方向のほぼ中央部に形成したことにより、円弧部材5,5の弾性力を利用してより強い力でストッパーの外周面26,26に当接でき、高い保持力を得る構造となっている。
【0032】
一方、切断爪13,13は、各円弧部材5,5の周方向の一端において、円弧部材5,5の内面から内側に向けて突出するようにして形成されている。そして、この切断爪13,13は、注出口21に締めつけられたキャップ体2が緩むように回転させる方向へ向けてその先端が傾けられていて、先端から付け根側の外周側の面は、滑らかな曲面により形成されている。この切断爪13,13は、注出口21に締めつけられた状態からキャップ体2を回転させたときに、環体4の切断片6,6に負荷をかけて、これら切断片6,6を切断することにより、ストッパー25,25を保持している係止部12,12の保持力を解除する役割を果たしている。
【0033】
図5〜図7は、筒体の上部に形成された注出口21の詳細を示すもので、図4が注出口21の正面図、図5が注出口21の側面図、図6が注出口21の平面図である。
【0034】
注出口21の周面に形成された螺旋状の雄ねじ24は、注出口21の軸方向のほぼ中央部で、注出口21の回りを1周半程度巻くようにして度形成されている。また、キャップ体2の回転を阻止して、この注出口21に確実に保持するためのストッパー25,25は、注出口21の下端に形成された仕切り板23,23の内、上段の仕切り板23の上面に形成されている。ストッパー25,25は、仕切り板23の上面において、注出口21を挟んで対称となる2カ所で、半径方向外側に張り出すようにして形成されている。各ストッパー25,25は扇状に形成されており、その外周縁26,26が円弧状に形成されている。
【0035】
これらストッパー25,25の周方向の端面は、その一端側25a,25aが周方向において滑らかな曲面で形成されている一方、周方向の他端側25b,25bが前記切断爪13,13と当接する当接面27,27が形成されている。曲面により形成された周方向の一端側は、キャップ体2が締まる方向に回転するときに、切断爪13,13の背面が当該ストッパー25,25に最初に当接する部分をなしている。これに対し、当接面27,27の形成された他端側は、キャップ体2が緩む方向へ回転するとき、切断爪13,13の先端が最初に当接する位置をなしている。なお、この当接面27,27は、ストッパー25,25の前記他端部25b,25bにおいて、軸方向に沿って注出口21の先端に向けて立ち上がるように形成されており、仕切り板23,23の上面と一体に形成されたストッパー25,25と、周方向においてストッパー25,25の側方で当該ストパー25,25の上方に形成された張り出し部分28,28とを一体に連結するようにして構成されている。
【0036】
このように、ストッパー25,25の外周縁26,26を、半径方向外側へ突出する突起部分を設けることなく滑らかな円弧状に形成したので、例えば、注出口21に直接口を付けて容体Bに充填された飲料を飲む容体Bにこの口栓ユニット1の構造を適用した場合でも、口を切るおそれが無い。
【0037】
以上に説明した口栓ユニット1の構造によれば、キャップ体2を注出口21に締めつけると、切断爪13,13は、ストッパー25,25の一端側に形成された滑らかな曲面部分からストッパー25,25の外周縁26,26に円滑に押し広げられる。このため、キャップ体2を注出口21に回転させて締めつけても、環体4と本体3との間に周方向におけるねじりが生じることはなく、切断片6,6を切断するような負荷が環体4に作用することはない。従って、各円弧部材5,5同士の接続が維持されたまま、キャップ体2を注出口21に締めつけることができる。
【0038】
一方、図8〜図10に示すように、注出口21に締めつけられたキャップ体2を緩めると、切断片6,6が切断され、注出口21を保持している環体4の保持力が解除され、キャップ体2を自在に注出口21に対して回転させることができるようになる。
【0039】
この作用を順に説明すると、まず、図8に示すように、キャップ体2が注出口21に完全に締めつけたれた状態では、環体4を構成する各円弧部材5,5に形成された係止部12,12が注出口21に形成されたストッパー25,25の外周縁26,26に当接して、キャップ体2が注出口21に保持されている。一方、各円弧部材5,5の端部に形成された切断爪13,13は、周方向において、ストッパー25,25同士の間に位置している。この状態から矢印の方向へ、キャップ体2を回転させると図9に示す状態となる。この図9に示す状態では、キャップ体2が回転されたことに伴い、各円弧部材5,5の周方向の中央部に形成された係止部12,12がストッパー25,25から外され、周方向において、ストッパー25,25の一端の側方へ送り出されている。他方、各円弧部材5,5の端部に形成された切断爪13,13は、ストッパー25,25の周方向における端面に形成された当接面27,27の位置まで移動しており、切断爪13,13の先端が当接面27,27に当接している。
【0040】
この状態から矢印の方向にキャップ体2を回転させ、このキャップ体2を緩めようとすると、切断爪13,13が当接面27,27と干渉し、キャップ体2の回転を阻止する力が作用する。この力に抗してさらにキャップ体2を回転させると、本体3のみが先行するようにして回転され、本体3と、本体3の周囲に位置する環体4との間に位相差が生じ、キャップ体2がねじられる。これにより、切断片6,6に負荷がかかる。また、回転させようとする力に耐えきれなくなった切断爪13,13は、当接面27,27により半径方向外側に押しのけられる。これにより、環体4自体にもねじりが生じ、切断片6,6にさらなる負荷を与える。
【0041】
これらの負荷により切断片6,6は切断され、環体4が2つの円弧部材5,5に分離される(図10に示す状態)。環体4が、この図10に示すように、円弧部材5,5に分離されると、ストッパー25,25に対する保持力が解除されるため、キャップ体2は注出口21に拘束されることなく円滑に回転するようになる。これにより注出口21を閉塞していたキャップを、容易に注出口21から外すことが可能となる。
【0042】
以上に説明したキャップ体2及び口栓本体20は、樹脂材を成型加工により製造すれば均一な品質の部品を大量に製造することができる。ただし、製造方法は、成型にやらずに、機械加工などの他の方法を採用しても構わない。
【0043】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、注出口に締めつけられたキャップ体が容易に緩むことがなく、キャップ体が確実に注出口に保持される口栓部の構造、並びにこれに使用される注出口及びキャップ体を得ることができる。また、直接注出口に口を付けるような容体に本発明の口栓部を適用すれば、口を切ることなく内容物を飲むことができる安全な容体とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の口栓ユニットの構造を採用する飲料容器の一実施形態を示す斜視図。
【図2】切断片を正面にした方向におけるキャップ体の部分断面側面図。
【図3】図2に示すキャップ体を90度回転させた方向におけるキャップ体の部分断面側面図。
【図4】キャップ体の平面図。
【図5】注出口の正面図。
【図6】注出口の側面図。
【図7】注出口の平面図。
【図8】キャップ体の係止部をストッパーの外周縁に当接させてキャップ体を注出口に保持させた状態を示す口栓部の横断面図。
【図9】切断爪が当接面に当接された状態における口栓部の横断面図。
【図10】切断片が切断された状態における口栓部の横断面図。
【符号の説明】
1 口栓ユニット(口栓部)
2 キャップ体
3 本体
4 環体
5 円弧部材
6 切断片
7 連結片
12 係止部
13 切断爪
20 口栓本体
21 注出口
25 ストッパー
27 当接面
Claims (5)
- 筒状の注出口と、この注出口の外周に着脱自在に螺合して、該注出口を閉塞するキャップ体とを備えた容体の口栓部の構造において、
前記注出口には、この注出口の外周面から外方に張り出して、前記キャップ体の回転を阻止する外周縁が円弧状に形成されたストッパーが設けられている一方で、
前記キャップ体は、本体と、該本体の外周にて連結片を介して該本体に取り付けられた環体とから構成され、
前記環体は、前記本体の周方向において少なくとも2つの円弧部材に分割されてなり、各円弧部材はその端部同士が切断片でそれぞれ連結され、
これら各円弧部材の内面には、周方向の中央部にて内側に向けて突出し、当該キャップ体の回転を阻止する係止部と、各円弧部材の周方向の端部にて内側に向けて突出し、前記切断片を切断せしめる切断爪とが形成され、
前記キャップ体は、前記係止部を前記ストッパーの外周縁に当接させてその回転が阻止される一方、前記切断爪が前記ストッパーの周方向の端縁に当接して前記キャップの回転に伴い前記切断片に負荷を与えることで前記切断片が切断されて自在に回転可能となるように構成されたことを特徴とする口栓部の構造。 - 前記ストッパーの外周縁は、周方向の一端側が周方向において滑らかな曲面で形成されている一方、周方向の他端側が前記切断爪と当接してこの切断爪を当該ストッパーの外周縁へ押し上げる当接面が形成され、
前記キャップ体が締まる方向に回転する際、前記切断爪と前記滑らかな曲面とが当接し、前記キャップ体が緩む方向に回転する際、前記切断爪と前記当接面とが当接するように前記ストッパーは形成されたことを特徴とする請求項1記載の口栓部の構造。 - 前記切断爪は、その先端が前記キャップ体の周方向における緩む方向に向けて突出していることを特徴とする請求項2記載の口栓部の構造。
- キャップ体が着脱自在に螺合されることにより開閉される、容体に取り付けられた筒状の注出口であって、
この注出口の外周面から外方に張り出して、前記キャップ体が係合してその回転が阻止されるストッパーが設けられ、このストッパーの外周縁が周方向に沿って円弧状に形成されたことを特徴とする口栓部の注出口。 - 容体に取り付けられた筒状の注出口に、着脱自在に螺合させて前記注出口を開閉するキャップ体であって、
このキャップ体は、本体と、該本体の外周にて連結片を介して該本体に取り付けられた環体とから構成され、
前記環体は、前記本体の周方向において少なくとも2つの円弧部材に分割されてなり、各円弧部材はその端部同士が切断片でそれぞれ連結され、
これら各円弧部材の内面には、周方向の中央部にて内側に向けて突出し、前記注出口の外周に形成されたストッパーの外周縁に当接させて、当該キャップ体の回転を阻止する係止部と、
各円弧部材の周方向の端部にて内側に向けて突出し、前記ストッパーの周方向における端縁と当接し、前記切断片に負荷を与えることで前記切断片を切断せしめる切断爪と、が形成されされたことを特徴とするキャップ体。
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