JP2004229896A - 貯湯容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】転倒によって内部の液体が流出する問題を確実に防止する。
【解決手段】液体を収容する内容器2、および、該内容器2内の液体を加熱する加熱手段(ヒータ3)を有する容器本体1と、外部に連通する蒸気排出路11を設けた蓋本体6、および、該蓋本体6との間に所定の空間S1を形成するように該蓋本体6に配設され内容器2の上端開口を閉塞する内蓋17を有する蓋体5とを備えた貯湯容器において、内蓋17に、内容器2を臨む入口24aと空間S1を臨む出口24bとを有する複数の連通路24A〜24Dを設け、これら各連通路24A〜24Dは、内容器2内に予め設定された満水量の液体が収容された状態で転倒した際に、その一部が液体の液面Wsより上方に位置するように形成されるとともに、少なくとも1つの連通路24の入口24aが液面Wsより上方に位置するように配設された構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】液体を収容する内容器2、および、該内容器2内の液体を加熱する加熱手段(ヒータ3)を有する容器本体1と、外部に連通する蒸気排出路11を設けた蓋本体6、および、該蓋本体6との間に所定の空間S1を形成するように該蓋本体6に配設され内容器2の上端開口を閉塞する内蓋17を有する蓋体5とを備えた貯湯容器において、内蓋17に、内容器2を臨む入口24aと空間S1を臨む出口24bとを有する複数の連通路24A〜24Dを設け、これら各連通路24A〜24Dは、内容器2内に予め設定された満水量の液体が収容された状態で転倒した際に、その一部が液体の液面Wsより上方に位置するように形成されるとともに、少なくとも1つの連通路24の入口24aが液面Wsより上方に位置するように配設された構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加湿器や電気ポット等の蒸気排出構造を備えた貯湯容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明の貯湯容器に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0003】
【特許文献1】
特許第2932451号公報
【0004】
この特許文献1の貯湯容器は、容器本体の内容器に収容した液体を加熱手段で加熱し、発生した蒸気を、内容器の上方開口部を閉鎖する蓋体に設けた蒸気通路を介して排出するようにしている。また、この貯湯容器には、転倒した際に内容器内に収容した液体が前記蒸気通路を介して外部に流出しないように、該蒸気通路が蓋体内で迂回するように設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記貯湯容器は、高温の液体を収容した状態で転倒すると、転倒の方向によっては内容器の内圧の上昇により、沸騰した液体が外部に流出する恐れがある。
【0006】
そこで、本発明では、転倒によって内部の液体が流出する問題を確実に防止できる貯湯容器を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の貯湯容器は、液体を収容する内容器、および、該内容器内の液体を加熱する加熱手段を有する容器本体と、外部に連通する蒸気排出路を設けた蓋本体、および、該蓋本体との間に所定の空間を形成するように該蓋本体に配設され前記内容器の上端開口を閉塞する内蓋を有する蓋体とを備えた貯湯容器において、前記内蓋に、前記内容器を臨む入口と前記空間を臨む出口とを有する複数の連通路を設け、これら各連通路は、前記内容器内に予め設定された満水量の液体が収容された状態で転倒した際に、その一部が液体の液面より上方に位置するように形成されるとともに、少なくとも1つの連通路の前記入口が液面より上方に位置するように配設された構成としている。
【0008】
前記貯湯容器によれば、転倒時に、入口が液面より下方に位置している連通路の内部には液体が浸入し、入口が液面より上方に位置している連通路の内部には液体が浸入しない。そして、本発明では、連通路の一部が液体の液面より上方に位置するように形成しているため、連通路の内部に浸入した液体は、液面と略同一位置まで進入するが、出口までは達しない。そのため、空間および蓋本体の蒸気排出路を介して液体が外部に流出することを防止できる。また、この状態で、内容器内の液体が高温に加熱されている場合には、内容器内の圧力が外気圧より高くなる。しかし、本発明では、少なくとも1つの連通路の内部には液体が進入しないため、内容器内と外部とが連通しており、その連通路を介して圧力を平衡できる。その結果、液面が上昇することで液体が外部に流出することも確実に防止できる。
【0009】
この貯湯容器では、前記各連通路は、起立時に、前記空間および蒸気排出路を介して内容器内で発生した蒸気を外部に排出する排気経路を構成するもので、前記出口から入口に向けて下向きに傾斜する底面を備えていることが好ましい。このようにすれば、内蓋の構成を簡素化することができる。
【0010】
または、前記内蓋は、その外周部近傍が最下端に位置するように底部が傾斜され、その下端位置に起立時に前記空間および蒸気排出路を介して内容器内で発生した蒸気を外部に排出する排出口を設けるとともに、該排出口に前記空間の側に位置する略C字形状のダクトを配設し、転倒時に前記排出口およびダクトの開口が前記液面より下方に位置した状態で、前記蓋本体の蒸気排出路における空間を臨む開口が前記液面より上方に位置するように構成してもよい。このようにすれば、転倒時に液体が流出することを防止できるうえ、起立時に発生した蒸気の通気効率を向上できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1から図7は、本発明の第1実施形態に係る貯湯容器の一例である加湿器を示す。この加湿器は、上端開口の容器本体1と、該容器本体1の上端開口を閉塞する蓋体5とを備え、容器本体1内で液体(例えば、水)を加熱することにより発生する蒸気を、蓋体5から外部に排出して室内の空気を加湿するものである。
【0012】
前記容器本体1は、略円柱形状をなし、その内部には、液体を収容する内容器2と、該内容器2内の液体を加熱する加熱手段であるヒータ3が配設され、図示しない制御基板により前記ヒータ3を加熱制御する周知の構成である。この容器本体1の背部には、蓋体5を回動可能に装着するためのヒンジ接続部4が設けられている。
【0013】
前記蓋体5は、容器本体1の上端開口を閉塞する蓋本体6と、該蓋本体6の下面に配設され前記内容器2の上端開口を閉塞する内蓋17とからなる。
【0014】
前記蓋本体6は、上面部材7と下面部材8とからなり、その背部に前記ヒンジ接続部4に装着するヒンジ接続部9を設けたものである。この蓋本体6の正面側上部には、容器本体1を閉塞した状態に固定するロック機構10が設けられている。また、蓋本体6の背面側には、外部に連通する蒸気排出路11が設けられている。この蒸気排出路11は、前記上面部材7に設けた凹部12と、該凹部12の上面開口を閉塞する複数のスリットからなる排気口13aを備えたカバー13と、前記下面部材8に設けたダクト部14とからなる。このダクト部14は、図2に示すように、該下面部材8の下側の空間S1を臨む開口15と、前記凹部12内に突出する排出部16とを備えている。
【0015】
前記内蓋17は、前記蓋本体6との間に所定の空間S1を形成するように該蓋本体6にネジ止めにより配設されるもので、金属製の下蓋18と、該下蓋18の上側に装着する樹脂製の中蓋19と、前記内容器2の上端開口縁をシールするパッキン20からなる。
【0016】
前記下蓋18は、前記容器本体1への装着状態で背面側から正面側に向けて下向きに傾斜するもので、図3に示すように、内容器2内で発生した蒸気を排出するとともに、蓋体5内で結露した液体を内容器2内に還流する複数の連通口21が所定位置に設けられている。
【0017】
前記中蓋19は、図4から図6に示すように、一対の上板22と下板23とからなり、これらにより前記連通口21を介して内容器2内を臨む入口24aと、前記空間S1内を臨む出口24bとを有する複数(本実施形態では4個)の連通路24A,24B,24C,24Dを形成したものである。これら連通路24A〜24Dは、容器本体1が起立した状態で、前記空間S1および蒸気排出路11を介して内容器2内で発生した蒸気を外部に排出する排気経路を構成する。また、前記内容器2内に予め設定された満水量の液体が収容された状態で転倒した際には、内容器2内の圧力と外気圧とを平衡しながら内容器2内の液体が外部に流出することを防止する貯水部の役割をなすものである。
【0018】
具体的には、前記各連通路24A〜24Dは、上板22に形成した4つの第1凸部25A〜25Dと、下板23に形成した4つの第2凸部26A〜26Dにより形成される。
【0019】
図5(A)および図6(A)に示すように、前記上板22の第1凸部25A〜25Dは、両端が互いに近接する平面視略C字形状のものである。そして、本実施形態では、各第1凸部25A〜25Dの端部は、周方向に略90度の間隔をもって位置するように配置されている。また、これら第1凸部25A〜25Dは、互いに1枚の隔壁を介して区画された状態で隣接している。さらに、これら第1凸部25A〜25Dは、一端から他端に向けて下向きに傾斜するように設けられ、その最上位に位置する一端に前記出口24bが設けられている。
【0020】
図5(B)および図6(B)に示すように、前記下板23の第2凸部26A〜26Dは、前記第1凸部25A〜25Dの内部に密接して嵌め込まれるものである。これら第2凸部26A〜26Dは、前記第1凸部25A〜25Dとの間に通路を形成するように、該第1凸部25A〜25Dと同様に一端から他端に向けて下向きに傾斜するように設けられ、その最下位に位置する他端に前記入口24aが設けられている。即ち、この第2凸部26A〜26Dの傾斜した上端面は、連通路24A〜24Dにおいて、出口24bから入口24aに向けて下向きに傾斜する底面を構成する。なお、これら凸部25A〜25D,26A〜26Dにより形成する連通路24A〜24Dの断面積は20mm2以上とし、蒸気の通気効率が低下することを防止することが好ましい。
【0021】
さらに、本実施形態では、図7(A)から図7(H)に示すように、前記上板22および下板23により形成される連通路24A〜24Dにおいて、最も内側に位置する連通路24Dの直径は、前記内容器2内に予め設定された満水量の液体が収容された状態で転倒した際に、その状態での頂部が液体の液面Wsより上方に位置するように形成されている。また、いずれの状態でも少なくとも1つの連通路24A〜24Dの入口24aが液面Wsより上方に位置するように構成している。言い換えれば、最も内側に位置する連通路24Dの入口24aと隣接する連通路24Aの入口24aとが略水平に位置した状態、または、連通路24Dの入口24aと隣接する連通路24Cの入口24aとが略水平に位置した状態で、これらの入口24aが、液面Wsより高い位置になるように構成している。
【0022】
前記構成の内蓋17を装着した加湿器では、起立状態として加湿動作を開始すると、内容器2内に収容した液体を加熱する。そして、この加熱により発生した蒸気は、内蓋17における下蓋18の連通口21から、該下蓋18と中蓋19との間の空間S2に進入する。ついで、中蓋19の4つの入口24aから各連通路24A〜24Dの内部に進入し、出口24bから前記空間S1内に進入する。その後、蓋本体6の開口15から蒸気排出路11の内部に進入し、排気口13aから外部に放出する。
【0023】
一方、加湿器が転倒した場合、図7(A)から図7(H)に示すように、どの位置であっても少なくとも1つの連通路24A〜24Dの前記入口24aが液面Wsより上方に位置している。しかも、各連通路24A〜24Dの一部は、同様に液面Wsより上方に位置している。そのため、各図にハッチングを付して示すように、入口24aが液面Wsより下方に位置している連通路24A〜24Dの内部には液体が浸入し、入口24aが液面Wsより上方に位置している連通路24A〜24Dの内部には液体が浸入しない。
【0024】
ここで、連通路24A〜24Dの内部に浸入した液体は、内容器2内の液面Wsと略同一位置まで進入するが、出口24bまでは達しない。そのため、空間S1および蓋本体6の蒸気排出路11を介して液体が外部に流出することを防止できる。また、この状態で、内容器2内の液体が高温に加熱されている場合には、内容器2内の圧力が外気圧より高くなる。しかし、本実施形態では、少なくとも1つの連通路24A〜24Dの内部には液体が進入していないため、内容器2内と外部とが連通しており、その連通路24A〜24Dを介して圧力を平衡させることができる。その結果、圧力により液面が上昇することで出口24bを介して液体が外部に流出することや、パッキン20を圧力で変形させる等して隙間から液体が外部に流出することも確実に防止できる。
【0025】
例えば、図7(A)に示すように、最も外側に位置する連通路24Aの出入口24a,24bが頂部に位置する状態で容器本体1が転倒している場合、該連通路24Aの入口24aは満水量の液体の液面Wsより上方に位置し、他の連通路24B〜24Dの入口24aは液面Wsより下方に位置する。そのため、連通路24Aの内部には内容器2内の液体は進入しないが、連通路24B〜24Dの内部には液体が進入する。
【0026】
しかし、連通路24B〜24Dの内部に進入した液体の液面Wsは、内容器2内の液面Wsと略同一位置まで達するが、出口24bまでは達しないため、液体が外部に流出することはない。また、内容器2の液体が高温である場合には、液体が進入していない連通路24Aを通して内容器2内の圧力と外気圧とが平衡され、同様に液体が外部に流出することを防止できる。
【0027】
図8から図11は、本発明の第2実施形態に係る貯湯容器の一例である加湿器を示す。この第2実施形態の加湿器は、異なる内蓋30を適用した点でのみ、第1実施形態と相違している。なお、蓋本体6は、内蓋30の構成の違いにより形状を調整しているが、その構成および機能は第1実施形態と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0028】
具体的には、第2実施形態の内蓋30は、第1実施形態に下蓋18と、中蓋32と、パッキン20からなり、中蓋32の構成を変更した点でのみ、第1実施形態と相違している。
【0029】
前記中蓋32は、図9および図10(A),(B)に示すように、外周部近傍が最下端に位置するように対向位置から傾斜する底部34を備えている。この底部34の最下端位置には、起立時に前記空間S1および蒸気排出路11を介して内容器2内で発生した蒸気を外部に排出する排気経路を構成する排出口35が設けられている。この排出口35には、空間S1の側に位置するように一体に突出する壁部36と、該壁部36によって形成した溝の上端を閉塞するカバー37とからなる略C字形状のダクト38が設けられている。
【0030】
また、第2実施形態の中蓋32では、その上面および下面に、パイプからなる合計で3つの連通路39A〜39Cが設けられている。これら連通路39A〜39Cの一端は、略L字形状の継手部材40A〜40Cに接続され、この継手部材40A〜40Cにより中蓋32の底部34を貫通させている。ここで、上面に配設した連通路39A,39Bは、貫通させた継手部材40A,40Bの開口が連通口21を介して内容器2内を臨む入口39aを構成し、継手部材40A,40Bに接続していない端部が空間S1内を臨む出口39bを構成する。また、下面に配設した連通路39Cは、継手部材40Cを接続していない端部が連通口21を介して内容器2内を臨む入口39aを構成し、貫通させた継手部材40Cの開口が空間S1内を臨む出口39bを構成する。
【0031】
本実施形態の連通路39A〜39Cは、内容器2内に予め設定された満水量の液体が収容された状態で転倒した際に、内容器2内の圧力と外気圧とを平衡しながら内容器2内の液体が外部に流出することを防止する役割のみをなす。即ち、容器本体1が起立した状態では、前記空間S1および蒸気排出路11を介して内容器2内で発生した蒸気を外部に排出する排気経路の作用はなさない。言い換えれば、第2実施形態では、連通路39A〜39Cをパイプにより構成するため、蒸気が流通する面積、および、結露した水を還流させる機能を十分に確保できない可能性があるため、専用の排出口35を設けた構成としている。
【0032】
そして、各連通路39A〜39Cは第1実施形態と同様に、図11(A)から図11(H)に示すように、前記内容器2内に予め設定された満水量の液体が収容された状態で転倒した際に、その状態での頂部が液体の液面Wsより上方に位置するように迂回させて配置している。また、いずれの状態でも1つの連通路39A〜39Cの入口39aが液面Wsより上方に位置するように構成している。言い換えれば、各連通路39A,39B,39Cの入口39aは、隣接する各連通路39B,39C,39Aと略水平に位置させた状態で、これらの入口39aが液面Wsより高い位置になるように構成している。
【0033】
さらに、本実施形態では、前記構成の中蓋32は、前記排出口35およびダクト38の開口が液面Wsより下方に位置した状態で、蓋本体6の蒸気排出路11における空間S1を臨む開口14が、液面Wsより上方に位置するように装着される。
【0034】
さらにまた、本実施形態では、ダクト38を配設した排出口35を設けているため、該排出口35およびダクト38の開口が液面Wsより下方に位置する状態(図11(F),(G),(H)参照)が生じる。そして、この状態では、液面Wsから上方に位置する入口39aを有する連通路39Aまたは連通路39Bは、その出口39bも液面Wsから上方に位置する構成としている。
【0035】
前記構成の内蓋30を装着した加湿器では、起立状態として加湿動作を開始すると、内容器2内に収容した液体を加熱する。そして、この加熱により発生した蒸気は、内蓋30における下蓋18の連通口21から、該下蓋18と中蓋32との間の空間S2に進入する。ついで、中蓋32の排出口35からダクト38を介して空間S1内に進入した後、蓋本体6の開口15から蒸気排出路11の内部に進入し、排気口13aから外部に放出する。
【0036】
一方、加湿器が転倒した場合、図11(A)から図11(E)に示すように、排出口35およびダクト38の開口の少なくともいずれか一方が液面Wsより上方に位置している状態では、内容器2内の液体は、排出口35およびダクト38を介して空間S1内には進入せず、図11(F)から図11(H)に示すように、排出口35およびダクト38の開口の両方が液面Wsより下方に位置している状態では、内容器2内の液体は、排出口35およびダクト38を介して空間S1内には進入する。
【0037】
空間S1内に液体が進入しない状態では、少なくとも1つの連通路39A〜39Cの前記入口39aは、液面Wsより上方に位置している。かつ、各連通路39A〜39Cの一部も同様に液面Wsより上方に位置している。そのため、各図にハッチングを付して示すように、入口39aが液面Wsより下方に位置している連通路39A〜39Dの内部には液体が浸入し、入口39aが液面Wsより上方に位置している連通路39A〜39Dの内部には液体が浸入しない。
【0038】
そして、連通路39A〜39Cの内部に浸入した液体は、内容器2内の液面Wsと略同一位置まで進入するが、出口39bまでは達しない。そのため、空間S1および蓋本体6の蒸気排出路11を介して液体が外部に流出することを防止できる。また、この状態で、内容器2内の液体が高温に加熱されている場合には、内容器2内の圧力が外気圧より高くなる。しかし、本実施形態では、少なくとも1つの連通路39A〜39Cの内部には液体が進入していないため、内容器2内と外部とが連通しており、その連通路39A〜39Cを介して圧力を平衡させることができる。その結果、パッキン20を圧力で変形させる等して隙間から液体が外部に流出することも確実に防止できる。
【0039】
例えば、図11(A)に示す状態では、連通路39Cの入口39aが液面Wsより上方に位置し、他の連通路39A,39Bの入口39aは液面Wsより下方に位置する。そのため、連通路39Cの内部には内容器2内の液体は進入しないが、連通路39A,39Bの内部には液体が進入する。
【0040】
しかし、連通路39A,39Bの内部に進入した液体の液面Wsは、内容器2内の液面Wsと略同一位置まで達するが、出口39bまでは達しないため、液体が外部に流出することはない。また、内容器2の液体が高温である場合には、液体が進入していない連通路39Cを通して内容器2内の圧力と外気圧とが平衡され、同様に液体が外部に流出することを防止できる。
【0041】
また、排出口35およびダクト38の開口が液面Wsより下方に位置することにより、空間S1内に液体が進入する状態では、蒸気排出路11の開口15は液面Wsより上方に位置している。しかも、少なくとも1つの連通路39A〜39C(本実施形態では連通路39Aまたは連通路39C)の前記出入口39a,39bは、液面Wsより上方に位置し、その連通路39A〜39Cの内部には液体が浸入しない。
【0042】
即ち、液面Wsより入口39aまたは出口39bが下方に位置する連通路39A〜39Cおよび空間S1は、貯水部の役割をなし、液面Wsより出入口39a,39bが上方に位置する連通路39A〜39Cは通気路の役割をなす。そのため、蓋本体6の蒸気排出路11を介して液体が外部に流出することを防止できる。また、この状態で、内容器2内の液体が高温に加熱されている場合には、内容器2内の圧力が外気圧より高くなる。しかし、本実施形態では、通気路の役割をなす少なくとも1つの連通路39A〜39Cにより、内外の圧力を平衡させることができる。その結果、パッキン20を圧力で変形させる等して隙間から液体が外部に流出することも確実に防止できる。
【0043】
なお、本発明の貯湯容器は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0044】
例えば、第1実施形態では4つの連通路24A〜24Dを形成し、第2実施形態では3つの連通路39A〜39Cを形成したが、その数は希望に応じて変更が可能である。
【0045】
また、第1実施形態では、第2実施形態と同様に専用の排出口35を設けてもよい。さらに、第2実施形態では、連通路39A〜39Cを構成するパイプを大径のものを適用することにより、第1実施形態と同様に専用の排出口35を設けない構成としてもよい。
【0046】
そして、前記実施形態では、本発明の構成を貯湯容器の一例として加湿器に適用したが、吐出ポンプを備え、内容器内の液体を吐出可能とした電気ポットにも適用可能であり、同様の作用および効果を得ることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の貯湯容器では、転倒した際に、一部が液体の液面より上方に位置するように複数の連通路を設けているため、これら連通路の内部に浸入した液体は、液面と略同一位置まで進入するが、出口までは達しない。そのため、空間および蓋本体の蒸気排出路を介して液体が外部に流出することを防止できる。
【0048】
また、転倒時には、少なくとも1つの連通路の前記入口が液面より上方に位置するため、内容器の内部と外気との通気を確保できる。そのため、転倒時に内容器内の圧力が高くなっても内外の圧力を平衡でき、その結果、液体が外部に流出することも確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の貯湯容器である加湿器の部分断面図である。
【図2】蓋本体の底面図である。
【図3】蓋体の底面図である。
【図4】内蓋を構成する中蓋を示し、(A)は平面図、(B)は断面図である。
【図5】(A)は中蓋を構成する上板の平面図、(B)は中蓋を構成する下板の平面図である。
【図6】(A)は中蓋を上方から見た斜視図、(B)は中蓋を下方から見た斜視図である。
【図7】(A)から(H)は種々の転倒状態での液体との関係を示す図面である。
【図8】第2実施形態の加湿器を部分断面図である。
【図9】内蓋を構成する中蓋を示す平面図である。
【図10】(A)は中蓋を上方から見た斜視図、(B)は中蓋を下方から見た斜視図である。
【図11】(A)から(H)は種々の転倒状態での液体との関係を示す図面である。
【符号の説明】
1…容器本体、2…内容器、3…ヒータ(加熱手段)、5…蓋体、6…蓋本体、11…蒸気排出路、13a…排気口、15…開口、17,30…内蓋、18…下蓋、19,32…中蓋、20…パッキン、24A〜24D,39A〜39C…連通路、24a,39a…入口、24b,39b…出口、34…底部、35…排出口、38…ダクト、S1,S2…空間、Ws…液面。
【発明の属する技術分野】
本発明は、加湿器や電気ポット等の蒸気排出構造を備えた貯湯容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明の貯湯容器に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0003】
【特許文献1】
特許第2932451号公報
【0004】
この特許文献1の貯湯容器は、容器本体の内容器に収容した液体を加熱手段で加熱し、発生した蒸気を、内容器の上方開口部を閉鎖する蓋体に設けた蒸気通路を介して排出するようにしている。また、この貯湯容器には、転倒した際に内容器内に収容した液体が前記蒸気通路を介して外部に流出しないように、該蒸気通路が蓋体内で迂回するように設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記貯湯容器は、高温の液体を収容した状態で転倒すると、転倒の方向によっては内容器の内圧の上昇により、沸騰した液体が外部に流出する恐れがある。
【0006】
そこで、本発明では、転倒によって内部の液体が流出する問題を確実に防止できる貯湯容器を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の貯湯容器は、液体を収容する内容器、および、該内容器内の液体を加熱する加熱手段を有する容器本体と、外部に連通する蒸気排出路を設けた蓋本体、および、該蓋本体との間に所定の空間を形成するように該蓋本体に配設され前記内容器の上端開口を閉塞する内蓋を有する蓋体とを備えた貯湯容器において、前記内蓋に、前記内容器を臨む入口と前記空間を臨む出口とを有する複数の連通路を設け、これら各連通路は、前記内容器内に予め設定された満水量の液体が収容された状態で転倒した際に、その一部が液体の液面より上方に位置するように形成されるとともに、少なくとも1つの連通路の前記入口が液面より上方に位置するように配設された構成としている。
【0008】
前記貯湯容器によれば、転倒時に、入口が液面より下方に位置している連通路の内部には液体が浸入し、入口が液面より上方に位置している連通路の内部には液体が浸入しない。そして、本発明では、連通路の一部が液体の液面より上方に位置するように形成しているため、連通路の内部に浸入した液体は、液面と略同一位置まで進入するが、出口までは達しない。そのため、空間および蓋本体の蒸気排出路を介して液体が外部に流出することを防止できる。また、この状態で、内容器内の液体が高温に加熱されている場合には、内容器内の圧力が外気圧より高くなる。しかし、本発明では、少なくとも1つの連通路の内部には液体が進入しないため、内容器内と外部とが連通しており、その連通路を介して圧力を平衡できる。その結果、液面が上昇することで液体が外部に流出することも確実に防止できる。
【0009】
この貯湯容器では、前記各連通路は、起立時に、前記空間および蒸気排出路を介して内容器内で発生した蒸気を外部に排出する排気経路を構成するもので、前記出口から入口に向けて下向きに傾斜する底面を備えていることが好ましい。このようにすれば、内蓋の構成を簡素化することができる。
【0010】
または、前記内蓋は、その外周部近傍が最下端に位置するように底部が傾斜され、その下端位置に起立時に前記空間および蒸気排出路を介して内容器内で発生した蒸気を外部に排出する排出口を設けるとともに、該排出口に前記空間の側に位置する略C字形状のダクトを配設し、転倒時に前記排出口およびダクトの開口が前記液面より下方に位置した状態で、前記蓋本体の蒸気排出路における空間を臨む開口が前記液面より上方に位置するように構成してもよい。このようにすれば、転倒時に液体が流出することを防止できるうえ、起立時に発生した蒸気の通気効率を向上できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1から図7は、本発明の第1実施形態に係る貯湯容器の一例である加湿器を示す。この加湿器は、上端開口の容器本体1と、該容器本体1の上端開口を閉塞する蓋体5とを備え、容器本体1内で液体(例えば、水)を加熱することにより発生する蒸気を、蓋体5から外部に排出して室内の空気を加湿するものである。
【0012】
前記容器本体1は、略円柱形状をなし、その内部には、液体を収容する内容器2と、該内容器2内の液体を加熱する加熱手段であるヒータ3が配設され、図示しない制御基板により前記ヒータ3を加熱制御する周知の構成である。この容器本体1の背部には、蓋体5を回動可能に装着するためのヒンジ接続部4が設けられている。
【0013】
前記蓋体5は、容器本体1の上端開口を閉塞する蓋本体6と、該蓋本体6の下面に配設され前記内容器2の上端開口を閉塞する内蓋17とからなる。
【0014】
前記蓋本体6は、上面部材7と下面部材8とからなり、その背部に前記ヒンジ接続部4に装着するヒンジ接続部9を設けたものである。この蓋本体6の正面側上部には、容器本体1を閉塞した状態に固定するロック機構10が設けられている。また、蓋本体6の背面側には、外部に連通する蒸気排出路11が設けられている。この蒸気排出路11は、前記上面部材7に設けた凹部12と、該凹部12の上面開口を閉塞する複数のスリットからなる排気口13aを備えたカバー13と、前記下面部材8に設けたダクト部14とからなる。このダクト部14は、図2に示すように、該下面部材8の下側の空間S1を臨む開口15と、前記凹部12内に突出する排出部16とを備えている。
【0015】
前記内蓋17は、前記蓋本体6との間に所定の空間S1を形成するように該蓋本体6にネジ止めにより配設されるもので、金属製の下蓋18と、該下蓋18の上側に装着する樹脂製の中蓋19と、前記内容器2の上端開口縁をシールするパッキン20からなる。
【0016】
前記下蓋18は、前記容器本体1への装着状態で背面側から正面側に向けて下向きに傾斜するもので、図3に示すように、内容器2内で発生した蒸気を排出するとともに、蓋体5内で結露した液体を内容器2内に還流する複数の連通口21が所定位置に設けられている。
【0017】
前記中蓋19は、図4から図6に示すように、一対の上板22と下板23とからなり、これらにより前記連通口21を介して内容器2内を臨む入口24aと、前記空間S1内を臨む出口24bとを有する複数(本実施形態では4個)の連通路24A,24B,24C,24Dを形成したものである。これら連通路24A〜24Dは、容器本体1が起立した状態で、前記空間S1および蒸気排出路11を介して内容器2内で発生した蒸気を外部に排出する排気経路を構成する。また、前記内容器2内に予め設定された満水量の液体が収容された状態で転倒した際には、内容器2内の圧力と外気圧とを平衡しながら内容器2内の液体が外部に流出することを防止する貯水部の役割をなすものである。
【0018】
具体的には、前記各連通路24A〜24Dは、上板22に形成した4つの第1凸部25A〜25Dと、下板23に形成した4つの第2凸部26A〜26Dにより形成される。
【0019】
図5(A)および図6(A)に示すように、前記上板22の第1凸部25A〜25Dは、両端が互いに近接する平面視略C字形状のものである。そして、本実施形態では、各第1凸部25A〜25Dの端部は、周方向に略90度の間隔をもって位置するように配置されている。また、これら第1凸部25A〜25Dは、互いに1枚の隔壁を介して区画された状態で隣接している。さらに、これら第1凸部25A〜25Dは、一端から他端に向けて下向きに傾斜するように設けられ、その最上位に位置する一端に前記出口24bが設けられている。
【0020】
図5(B)および図6(B)に示すように、前記下板23の第2凸部26A〜26Dは、前記第1凸部25A〜25Dの内部に密接して嵌め込まれるものである。これら第2凸部26A〜26Dは、前記第1凸部25A〜25Dとの間に通路を形成するように、該第1凸部25A〜25Dと同様に一端から他端に向けて下向きに傾斜するように設けられ、その最下位に位置する他端に前記入口24aが設けられている。即ち、この第2凸部26A〜26Dの傾斜した上端面は、連通路24A〜24Dにおいて、出口24bから入口24aに向けて下向きに傾斜する底面を構成する。なお、これら凸部25A〜25D,26A〜26Dにより形成する連通路24A〜24Dの断面積は20mm2以上とし、蒸気の通気効率が低下することを防止することが好ましい。
【0021】
さらに、本実施形態では、図7(A)から図7(H)に示すように、前記上板22および下板23により形成される連通路24A〜24Dにおいて、最も内側に位置する連通路24Dの直径は、前記内容器2内に予め設定された満水量の液体が収容された状態で転倒した際に、その状態での頂部が液体の液面Wsより上方に位置するように形成されている。また、いずれの状態でも少なくとも1つの連通路24A〜24Dの入口24aが液面Wsより上方に位置するように構成している。言い換えれば、最も内側に位置する連通路24Dの入口24aと隣接する連通路24Aの入口24aとが略水平に位置した状態、または、連通路24Dの入口24aと隣接する連通路24Cの入口24aとが略水平に位置した状態で、これらの入口24aが、液面Wsより高い位置になるように構成している。
【0022】
前記構成の内蓋17を装着した加湿器では、起立状態として加湿動作を開始すると、内容器2内に収容した液体を加熱する。そして、この加熱により発生した蒸気は、内蓋17における下蓋18の連通口21から、該下蓋18と中蓋19との間の空間S2に進入する。ついで、中蓋19の4つの入口24aから各連通路24A〜24Dの内部に進入し、出口24bから前記空間S1内に進入する。その後、蓋本体6の開口15から蒸気排出路11の内部に進入し、排気口13aから外部に放出する。
【0023】
一方、加湿器が転倒した場合、図7(A)から図7(H)に示すように、どの位置であっても少なくとも1つの連通路24A〜24Dの前記入口24aが液面Wsより上方に位置している。しかも、各連通路24A〜24Dの一部は、同様に液面Wsより上方に位置している。そのため、各図にハッチングを付して示すように、入口24aが液面Wsより下方に位置している連通路24A〜24Dの内部には液体が浸入し、入口24aが液面Wsより上方に位置している連通路24A〜24Dの内部には液体が浸入しない。
【0024】
ここで、連通路24A〜24Dの内部に浸入した液体は、内容器2内の液面Wsと略同一位置まで進入するが、出口24bまでは達しない。そのため、空間S1および蓋本体6の蒸気排出路11を介して液体が外部に流出することを防止できる。また、この状態で、内容器2内の液体が高温に加熱されている場合には、内容器2内の圧力が外気圧より高くなる。しかし、本実施形態では、少なくとも1つの連通路24A〜24Dの内部には液体が進入していないため、内容器2内と外部とが連通しており、その連通路24A〜24Dを介して圧力を平衡させることができる。その結果、圧力により液面が上昇することで出口24bを介して液体が外部に流出することや、パッキン20を圧力で変形させる等して隙間から液体が外部に流出することも確実に防止できる。
【0025】
例えば、図7(A)に示すように、最も外側に位置する連通路24Aの出入口24a,24bが頂部に位置する状態で容器本体1が転倒している場合、該連通路24Aの入口24aは満水量の液体の液面Wsより上方に位置し、他の連通路24B〜24Dの入口24aは液面Wsより下方に位置する。そのため、連通路24Aの内部には内容器2内の液体は進入しないが、連通路24B〜24Dの内部には液体が進入する。
【0026】
しかし、連通路24B〜24Dの内部に進入した液体の液面Wsは、内容器2内の液面Wsと略同一位置まで達するが、出口24bまでは達しないため、液体が外部に流出することはない。また、内容器2の液体が高温である場合には、液体が進入していない連通路24Aを通して内容器2内の圧力と外気圧とが平衡され、同様に液体が外部に流出することを防止できる。
【0027】
図8から図11は、本発明の第2実施形態に係る貯湯容器の一例である加湿器を示す。この第2実施形態の加湿器は、異なる内蓋30を適用した点でのみ、第1実施形態と相違している。なお、蓋本体6は、内蓋30の構成の違いにより形状を調整しているが、その構成および機能は第1実施形態と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0028】
具体的には、第2実施形態の内蓋30は、第1実施形態に下蓋18と、中蓋32と、パッキン20からなり、中蓋32の構成を変更した点でのみ、第1実施形態と相違している。
【0029】
前記中蓋32は、図9および図10(A),(B)に示すように、外周部近傍が最下端に位置するように対向位置から傾斜する底部34を備えている。この底部34の最下端位置には、起立時に前記空間S1および蒸気排出路11を介して内容器2内で発生した蒸気を外部に排出する排気経路を構成する排出口35が設けられている。この排出口35には、空間S1の側に位置するように一体に突出する壁部36と、該壁部36によって形成した溝の上端を閉塞するカバー37とからなる略C字形状のダクト38が設けられている。
【0030】
また、第2実施形態の中蓋32では、その上面および下面に、パイプからなる合計で3つの連通路39A〜39Cが設けられている。これら連通路39A〜39Cの一端は、略L字形状の継手部材40A〜40Cに接続され、この継手部材40A〜40Cにより中蓋32の底部34を貫通させている。ここで、上面に配設した連通路39A,39Bは、貫通させた継手部材40A,40Bの開口が連通口21を介して内容器2内を臨む入口39aを構成し、継手部材40A,40Bに接続していない端部が空間S1内を臨む出口39bを構成する。また、下面に配設した連通路39Cは、継手部材40Cを接続していない端部が連通口21を介して内容器2内を臨む入口39aを構成し、貫通させた継手部材40Cの開口が空間S1内を臨む出口39bを構成する。
【0031】
本実施形態の連通路39A〜39Cは、内容器2内に予め設定された満水量の液体が収容された状態で転倒した際に、内容器2内の圧力と外気圧とを平衡しながら内容器2内の液体が外部に流出することを防止する役割のみをなす。即ち、容器本体1が起立した状態では、前記空間S1および蒸気排出路11を介して内容器2内で発生した蒸気を外部に排出する排気経路の作用はなさない。言い換えれば、第2実施形態では、連通路39A〜39Cをパイプにより構成するため、蒸気が流通する面積、および、結露した水を還流させる機能を十分に確保できない可能性があるため、専用の排出口35を設けた構成としている。
【0032】
そして、各連通路39A〜39Cは第1実施形態と同様に、図11(A)から図11(H)に示すように、前記内容器2内に予め設定された満水量の液体が収容された状態で転倒した際に、その状態での頂部が液体の液面Wsより上方に位置するように迂回させて配置している。また、いずれの状態でも1つの連通路39A〜39Cの入口39aが液面Wsより上方に位置するように構成している。言い換えれば、各連通路39A,39B,39Cの入口39aは、隣接する各連通路39B,39C,39Aと略水平に位置させた状態で、これらの入口39aが液面Wsより高い位置になるように構成している。
【0033】
さらに、本実施形態では、前記構成の中蓋32は、前記排出口35およびダクト38の開口が液面Wsより下方に位置した状態で、蓋本体6の蒸気排出路11における空間S1を臨む開口14が、液面Wsより上方に位置するように装着される。
【0034】
さらにまた、本実施形態では、ダクト38を配設した排出口35を設けているため、該排出口35およびダクト38の開口が液面Wsより下方に位置する状態(図11(F),(G),(H)参照)が生じる。そして、この状態では、液面Wsから上方に位置する入口39aを有する連通路39Aまたは連通路39Bは、その出口39bも液面Wsから上方に位置する構成としている。
【0035】
前記構成の内蓋30を装着した加湿器では、起立状態として加湿動作を開始すると、内容器2内に収容した液体を加熱する。そして、この加熱により発生した蒸気は、内蓋30における下蓋18の連通口21から、該下蓋18と中蓋32との間の空間S2に進入する。ついで、中蓋32の排出口35からダクト38を介して空間S1内に進入した後、蓋本体6の開口15から蒸気排出路11の内部に進入し、排気口13aから外部に放出する。
【0036】
一方、加湿器が転倒した場合、図11(A)から図11(E)に示すように、排出口35およびダクト38の開口の少なくともいずれか一方が液面Wsより上方に位置している状態では、内容器2内の液体は、排出口35およびダクト38を介して空間S1内には進入せず、図11(F)から図11(H)に示すように、排出口35およびダクト38の開口の両方が液面Wsより下方に位置している状態では、内容器2内の液体は、排出口35およびダクト38を介して空間S1内には進入する。
【0037】
空間S1内に液体が進入しない状態では、少なくとも1つの連通路39A〜39Cの前記入口39aは、液面Wsより上方に位置している。かつ、各連通路39A〜39Cの一部も同様に液面Wsより上方に位置している。そのため、各図にハッチングを付して示すように、入口39aが液面Wsより下方に位置している連通路39A〜39Dの内部には液体が浸入し、入口39aが液面Wsより上方に位置している連通路39A〜39Dの内部には液体が浸入しない。
【0038】
そして、連通路39A〜39Cの内部に浸入した液体は、内容器2内の液面Wsと略同一位置まで進入するが、出口39bまでは達しない。そのため、空間S1および蓋本体6の蒸気排出路11を介して液体が外部に流出することを防止できる。また、この状態で、内容器2内の液体が高温に加熱されている場合には、内容器2内の圧力が外気圧より高くなる。しかし、本実施形態では、少なくとも1つの連通路39A〜39Cの内部には液体が進入していないため、内容器2内と外部とが連通しており、その連通路39A〜39Cを介して圧力を平衡させることができる。その結果、パッキン20を圧力で変形させる等して隙間から液体が外部に流出することも確実に防止できる。
【0039】
例えば、図11(A)に示す状態では、連通路39Cの入口39aが液面Wsより上方に位置し、他の連通路39A,39Bの入口39aは液面Wsより下方に位置する。そのため、連通路39Cの内部には内容器2内の液体は進入しないが、連通路39A,39Bの内部には液体が進入する。
【0040】
しかし、連通路39A,39Bの内部に進入した液体の液面Wsは、内容器2内の液面Wsと略同一位置まで達するが、出口39bまでは達しないため、液体が外部に流出することはない。また、内容器2の液体が高温である場合には、液体が進入していない連通路39Cを通して内容器2内の圧力と外気圧とが平衡され、同様に液体が外部に流出することを防止できる。
【0041】
また、排出口35およびダクト38の開口が液面Wsより下方に位置することにより、空間S1内に液体が進入する状態では、蒸気排出路11の開口15は液面Wsより上方に位置している。しかも、少なくとも1つの連通路39A〜39C(本実施形態では連通路39Aまたは連通路39C)の前記出入口39a,39bは、液面Wsより上方に位置し、その連通路39A〜39Cの内部には液体が浸入しない。
【0042】
即ち、液面Wsより入口39aまたは出口39bが下方に位置する連通路39A〜39Cおよび空間S1は、貯水部の役割をなし、液面Wsより出入口39a,39bが上方に位置する連通路39A〜39Cは通気路の役割をなす。そのため、蓋本体6の蒸気排出路11を介して液体が外部に流出することを防止できる。また、この状態で、内容器2内の液体が高温に加熱されている場合には、内容器2内の圧力が外気圧より高くなる。しかし、本実施形態では、通気路の役割をなす少なくとも1つの連通路39A〜39Cにより、内外の圧力を平衡させることができる。その結果、パッキン20を圧力で変形させる等して隙間から液体が外部に流出することも確実に防止できる。
【0043】
なお、本発明の貯湯容器は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0044】
例えば、第1実施形態では4つの連通路24A〜24Dを形成し、第2実施形態では3つの連通路39A〜39Cを形成したが、その数は希望に応じて変更が可能である。
【0045】
また、第1実施形態では、第2実施形態と同様に専用の排出口35を設けてもよい。さらに、第2実施形態では、連通路39A〜39Cを構成するパイプを大径のものを適用することにより、第1実施形態と同様に専用の排出口35を設けない構成としてもよい。
【0046】
そして、前記実施形態では、本発明の構成を貯湯容器の一例として加湿器に適用したが、吐出ポンプを備え、内容器内の液体を吐出可能とした電気ポットにも適用可能であり、同様の作用および効果を得ることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の貯湯容器では、転倒した際に、一部が液体の液面より上方に位置するように複数の連通路を設けているため、これら連通路の内部に浸入した液体は、液面と略同一位置まで進入するが、出口までは達しない。そのため、空間および蓋本体の蒸気排出路を介して液体が外部に流出することを防止できる。
【0048】
また、転倒時には、少なくとも1つの連通路の前記入口が液面より上方に位置するため、内容器の内部と外気との通気を確保できる。そのため、転倒時に内容器内の圧力が高くなっても内外の圧力を平衡でき、その結果、液体が外部に流出することも確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の貯湯容器である加湿器の部分断面図である。
【図2】蓋本体の底面図である。
【図3】蓋体の底面図である。
【図4】内蓋を構成する中蓋を示し、(A)は平面図、(B)は断面図である。
【図5】(A)は中蓋を構成する上板の平面図、(B)は中蓋を構成する下板の平面図である。
【図6】(A)は中蓋を上方から見た斜視図、(B)は中蓋を下方から見た斜視図である。
【図7】(A)から(H)は種々の転倒状態での液体との関係を示す図面である。
【図8】第2実施形態の加湿器を部分断面図である。
【図9】内蓋を構成する中蓋を示す平面図である。
【図10】(A)は中蓋を上方から見た斜視図、(B)は中蓋を下方から見た斜視図である。
【図11】(A)から(H)は種々の転倒状態での液体との関係を示す図面である。
【符号の説明】
1…容器本体、2…内容器、3…ヒータ(加熱手段)、5…蓋体、6…蓋本体、11…蒸気排出路、13a…排気口、15…開口、17,30…内蓋、18…下蓋、19,32…中蓋、20…パッキン、24A〜24D,39A〜39C…連通路、24a,39a…入口、24b,39b…出口、34…底部、35…排出口、38…ダクト、S1,S2…空間、Ws…液面。
Claims (3)
- 液体を収容する内容器、および、該内容器内の液体を加熱する加熱手段を有する容器本体と、
外部に連通する蒸気排出路を設けた蓋本体、および、該蓋本体との間に所定の空間を形成するように該蓋本体に配設され前記内容器の上端開口を閉塞する内蓋を有する蓋体とを備えた貯湯容器において、
前記内蓋に、前記内容器を臨む入口と前記空間を臨む出口とを有する複数の連通路を設け、
これら各連通路は、前記内容器内に予め設定された満水量の液体が収容された状態で転倒した際に、その一部が液体の液面より上方に位置するように形成されるとともに、少なくとも1つの連通路の前記入口が液面より上方に位置するように配設されたことを特徴とする貯湯容器。 - 前記各連通路は、起立時に、前記空間および蒸気排出路を介して内容器内で発生した蒸気を外部に排出する排気経路を構成するもので、前記出口から入口に向けて下向きに傾斜する底面を備えていることを特徴とする請求項1に記載の貯湯容器。
- 前記内蓋は、その外周部近傍が最下端に位置するように底部が傾斜され、その下端位置に起立時に前記空間および蒸気排出路を介して内容器内で発生した蒸気を外部に排出する排出口を設けるとともに、該排出口に前記空間の側に位置する略C字形状のダクトを配設し、
転倒時に前記排出口およびダクトの開口が前記液面より下方に位置した状態で、前記蓋本体の蒸気排出路における空間を臨む開口が前記液面より上方に位置するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の貯湯容器。
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