JP2004228459A - ウエーハの熱処理方法及び熱処理装置並びに熱処理用ボート - Google Patents

ウエーハの熱処理方法及び熱処理装置並びに熱処理用ボート Download PDF

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Abstract

【課題】ウエーハにスリップを発生させず、さらにはウエーハ裏面でのキズの発生を防止して安定した熱処理を行うことのできるウエーハの熱処理方法及び熱処理装置を提供する。
【解決手段】ウエーハを熱処理する熱処理方法において、前記ウエーハの主面が水平になるように保持し、該ウエーハの裏面に加熱した気体を吹き付けて、ウエーハの裏面側の気圧がウエーハ表面側の気圧よりも高くなるようにしながらウエーハに熱処理を行うことを特徴とするウエーハの熱処理方法、及び熱処理装置。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエーハ等のようなウエーハに熱処理を行うための熱処理方法、熱処理装置、及び熱処理用ボートに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体単結晶シリコン(以下、単にシリコンということがある)等の単結晶インゴットからウエーハを切出した後半導体デバイスを製造するまでには、ウエーハの加工プロセスから素子の形成プロセスまで多数の工程が介在する。それらの工程の一つに熱処理工程がある。この熱処理工程は、ウエーハ表層での無欠陥層の形成、酸素析出物の形成によるゲッタリング層の形成、酸化膜の形成、不純物拡散等の目的で行われ、非常に重要なプロセスである。
【0003】
このような熱処理工程で用いられる熱処理炉、例えば、酸化や不純物拡散に用いられる拡散炉(酸化・拡散装置)としては、現在、ウエーハの大口径化に伴い、ウエーハを水平に積層した状態で複数のウエーハを同時に熱処理する縦型の熱処理炉が主に用いられている。この縦型熱処理炉では、通常複数のウエーハを保持するための熱処理用ボートが用いられている。このような複数のウエーハに同時に熱処理を行う熱処理装置は、バッチ式の熱処理炉と言われている。
【0004】
図7は、バッチ式の縦型熱処理炉の一例を示す概略説明図である。熱処理炉60の反応室61の内部には熱処理用ボート62が設置されており、この熱処理用ボート62に保持された複数のウエーハ63は、反応室61の周囲に設けられたヒータ64によって加熱される。また、反応室61にはガス導入管65を介して雰囲気ガスを導入し、熱処理炉60の上方からガスを流してウエーハ63の周囲を通過させ、ガス排気管66から外部に排出する。このとき、使用する雰囲気ガスは熱処理の目的によって異なるが、主としてH、N、O、Ar等が用いられる。また、不純物拡散の場合には、これらのガスをキャリアガスとして不純物化合物ガスを導入する。
【0005】
図8は、上記のような縦型熱処理炉に設置される熱処理用ボートの具体的な構成の一例を示した概略図である。この熱処理用ボート67は、複数の支柱68が天板69と底板70によって結合されている。また、各支柱の同じ高さにウエーハ載置部となる溝71が形成されており、これらの多数の溝にそれぞれウエーハ63を保持することができる。このように複数のウエーハを保持した熱処理用ボート67を上記のような縦型熱処理炉内に配置することにより、複数のウエーハを同時に熱処理することができる。
【0006】
また、熱処理炉の別の形態として、ウエーハを1枚ずつ熱処理する枚葉式の熱処理装置がある。例えば、この枚葉式の熱処理装置としては、RTA(Rapid Thermal Annealing)と呼ばれる急速加熱・急速冷却熱処理を行うランプ加熱式の熱処理装置等があり、ウエーハ表面における欠陥の消滅、酸素ドナーの消滅、浅い拡散層の形成、薄い酸化膜の形成等を行うための熱処理に使用されている。また、シリコンウエーハ等にエピタキシャル成長を行う際に用いられるランプ加熱式の装置(エピタキシャル製造装置)も上記と同様な形態の装置であり、枚様式の熱処理装置の一つである。
【0007】
しかしながら、上記のようなバッチ式や枚様式の熱処理装置を用いたウエーハの熱処理工程では、ウエーハに金属不純物汚染、スリップ、裏面のキズ等が発生するという問題があり、これらの品質は半導体デバイス作製の歩留まりに直接影響する。これらの問題のうちスリップとウエーハ裏面のキズの問題は、ウエーハを保持する熱処理用ボートの形状に非常に大きく影響されることが知られている。
【0008】
また、スリップはウエーハに施す熱処理の熱処理温度が高くなるほど発生しやすくなる。特に、シリコンウエーハに、表層無欠陥層形成、酸素析出物形成、不純物拡散等に用いられる1200℃程度の熱処理や、SOI(Silicon on insulator)ウエーハの製造方法のひとつであるSIMOX(Separation by implanted oxygen)法で用いられる1300℃を越える熱処理を行った場合では、降伏応力の低下のためにシリコンウエーハにスリップが発生しやすい状況であった。
【0009】
さらに近年、ウエーハの直径が150mmから200mm、そして300mmへとウエーハの大口径化が進むにつれて、ウエーハを保持した際にウエーハの自重による内部応力が大きくなり、熱処理を行った時にウエーハに熱処理用ボートとの接触部からスリップが顕著に発生するため、スリップの問題が無視できなくなってきている。
【0010】
このようなスリップの発生を抑制するため、様々な形状の熱処理用ボートが考案されている。例えば、支柱の本数を3本から4本に増やしたものや、ウエーハを保持するための櫛状のウエーハ保持部を形成したもの、そのウエーハ保持部の形状を直線状から曲線状に変更したもの、さらに近年では支柱に形成した溝に円形板状やリング状のサセプタを載せ、このサセプタでウエーハを支持するタイプの熱処理用ボートも開発されている(例えば、特開平6−260438号公報)。
【0011】
しかしながら、半導体デバイスの量産にも使用されるようになってきた直径300mm、またはそれ以上の直径を有するシリコンウエーハ等では、ウエーハの自重による内部応力が著しく増大するとともに、熱処理工程の際の昇温・降温時にウエーハ面内の温度の不均一に起因して発生する熱歪応力も増大するため、上記のようなボート形状の改良だけではスリップの発生を抑えきれない状況にある。そのため、従来では昇温・降温速度を極端に緩やかにしたり、熱処理用ボートにおける溝の間隔を拡張したりする等の対策を講じているが、スリップの発生を完全に抑えることができず、その上生産性が悪化するという問題も併発していた。
【0012】
また一方で、半導体デバイスの高集積化によりそのデザインルールが0.10μmに近付くにつれて、ウエーハ裏面に生じるキズの問題も深刻になってきている。つまり、半導体デバイスのデザインルールが0.10μmとその仕様が厳しくなると、デバイス作製の際に露光工程において焦点深度が著しく浅くなるため、ウエーハ裏面に発生した微小なキズが露光機のピンチャックに接するだけで露光不良を起こし、デバイス歩留まりの低下を招いてしまう。しかしながら、上記のような従来の縦型熱処理炉等に用いられる熱処理用ボートではウエーハを裏面で保持する構造になっているため、このような裏面のキズの発生を防止することは極めて困難であった。
【0013】
このようなスリップやウエーハ裏面のキズの問題を解決する為、特開平9−330935号公報では、半導体ウエーハとの接触部に気体噴出口を備えたウエーハ支持手段を有する熱処理用ボートが開示されている。しかしながら、このような熱処理用ボートを用いてウエーハに熱処理を行っても、熱処理の際に気体噴出口から噴出する気体の影響によりウエーハ面内に温度分布を生じさせるため、スリップの発生を十分に抑制することはできなかった。さらに、ウエーハを複数枚同時に熱処理する縦型熱処理炉等では、熱処理用ボートが長いために各ウエーハ間で温度差が発生しやすく、安定した熱処理を行うことができず問題であった。
【0014】
【特許文献1】
特開平6−260438号公報
【特許文献2】
特開平9−330935号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ウエーハにスリップを発生させず、さらにはウエーハ裏面でのキズの発生を防止して安定した熱処理を行うことのできるウエーハの熱処理方法及び熱処理装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、ウエーハを熱処理する熱処理方法において、前記ウエーハの主面が水平になるように保持し、該ウエーハの裏面に加熱した気体を吹き付けて、ウエーハの裏面側の気圧がウエーハ表面側の気圧よりも高くなるようにしながらウエーハに熱処理を行うことを特徴とするウエーハの熱処理方法が提供される(請求項1)。
【0017】
このように、ウエーハを水平に保持し、そのウエーハの裏面に加熱した気体を吹き付けてウエーハ裏面側の気圧が表面側よりも高くなるようにしてウエーハに熱処理を行うことによって、ウエーハを保持した時にウエーハ保持部でのウエーハへの負荷を小さくしてウエーハの自重による内部応力を低減するとともに、ウエーハ面内の温度を均一にして熱歪応力を低減することができるため、大口径のウエーハを熱処理する場合や1200℃以上の高温で熱処理する場合であっても、ウエーハにスリップを発生させずに熱処理を行うことができる。
【0018】
このとき、前記ウエーハの表面にも加熱した気体を吹き付けることが好ましい(請求項2)。
このようにウエーハ表面にも加熱した気体を吹き付けることによって、ウエーハ全体を均一に加熱することができるため、ウエーハに生じる熱歪応力を一層低減し、スリップの発生を確実に防止して安定した熱処理を行うことができる。
【0019】
また、前記加熱した気体を、ウエーハ裏面の全面に、またはウエーハ裏面及び表面の全面に吹き付けることが好ましい(請求項3)。
このように、加熱した気体をウエーハ全面に吹き付けることによって、熱処理時のウエーハ面内での温度分布をさらに均一にすることができ、ウエーハに発生する熱歪応力を極めて小さくすることができる。
【0020】
この場合、前記気体の温度をウエーハの熱処理温度に加熱して吹き付けることが好ましい(請求項4)。
このように、気体の温度をウエーハの熱処理温度に加熱してウエーハに吹き付けることによって、別途ウエーハを加熱するウエーハ加熱手段を用いずにウエーハに熱処理を行うことが可能となるため、熱処理装置の小型化、簡略化を図ることができる。
【0021】
また、本発明の熱処理方法では、前記ウエーハを複数枚同時に熱処理することができる(請求項5)。
このように、本発明ではウエーハを複数枚同時に熱処理することができ、それによって、複数のウエーハをスリップを発生させずに効率的に熱処理することができる。
【0022】
さらに、本発明の熱処理方法では、前記ウエーハを枚葉式で熱処理することもできる(請求項6)。
従来、RTA装置等でウエーハを枚様式で熱処理するとウエーハに反りが生じやすかったが、本発明の熱処理方法によりウエーハを枚葉式で熱処理することによって、スリップを発生させず、またウエーハの反りも抑制してウエーハに熱処理を行うことができる。
【0023】
その際、前記ウエーハの裏面に加熱した気体を吹き付けて、ウエーハの外周部のみを保持した状態で、またはウエーハを浮遊させた状態で熱処理を行うことが好ましい(請求項7)。
本発明の熱処理方法によれば、ウエーハ裏面に加熱した気体を吹き付けて、ウエーハをウエーハ外周部のみを保持した状態で、または浮遊させた状態で熱処理することができ、それによって、ウエーハ裏面にキズを発生させずにウエーハの熱処理を行うことができる。
【0024】
また、本発明によれば、上記本発明のウエーハの熱処理方法により熱処理されたアニールウエーハを提供することができる(請求項8)。
このように本発明のウエーハの熱処理方法により熱処理されたアニールウエーハであれば、大口径のウエーハであっても、また1200℃以上の高温熱処理が施された場合であっても、スリップが発生してなく、さらにはウエーハ裏面にキズがないアニールウエーハとすることができる。
【0025】
そして、本発明によれば、ウエーハを熱処理する熱処理装置であって、少なくとも、前記ウエーハを投入して外部と雰囲気を遮断する反応室と、前記ウエーハを保持し加熱した気体をウエーハの裏面に吹き付けるボートと、前記ウエーハに吹き付ける気体を加熱する気体加熱装置とを具備することを特徴とするウエーハの熱処理装置が提供される(請求項9)。
【0026】
このように、少なくとも、反応室と、加熱した気体をウエーハ裏面に吹き付けるボートと、気体を加熱する気体加熱装置とを具備するウエーハの熱処理装置であれば、ウエーハの自重による内部応力やウエーハ面内温度の不均一による熱歪応力を低減してウエーハに熱処理を行うことができるため、ウエーハにスリップを発生させずに熱処理できる熱処理装置とすることができる。また、このような熱処理装置であれば、ウエーハを外周部のみを保持した状態で、またはウエーハを浮遊させた状態で熱処理することが可能となるため、ウエーハ裏面のキズを発生させずに熱処理を行うことが可能となる。さらに、加熱した気体をウエーハ裏面に吹き付けるので、ウエーハを加熱するためのウエーハ加熱手段がなくてもウエーハの熱処理が可能となるため、熱処理装置の小型化、簡略化を図ることができる。
【0027】
そして、このような本発明のウエーハの熱処理装置は、前記ウエーハを複数枚同時に熱処理するものとすることができるし(請求項10)、また前記ウエーハを枚様式で熱処理するものとすることができる(請求項11)。
このように、本発明のウエーハの熱処理装置が、ウエーハを複数枚同時に熱処理する熱処理装置であっても、ウエーハを枚様式で熱処理する熱処理装置であっても、ウエーハにスリップを発生させず、さらにはウエーハ裏面でのキズの発生を防止して熱処理できる熱処理装置となる。
【0028】
このとき、前記ボートに排気孔が形成されていることが好ましい(請求項12)。
このようにボートに排気孔が形成されていれば、加熱した気体をウエーハ裏面に吹き付けた後、気体の流通を円滑に行うことができるし、またこの排気孔の数や大きさを調節することによって、ウエーハ裏面側の気圧を容易に制御することも可能となる。
【0029】
また、前記ウエーハの表面に加熱した気体を吹き付ける上部気体供給手段を具備することが好ましい(請求項13)。
このように、本発明のウエーハの熱処理装置が上部気体供給手段を具備することによって、ウエーハ表面にも加熱した気体を吹き付けてウエーハ全体を均一に加熱することができるため、ウエーハに生じる熱歪応力を一層低減し、スリップの発生を確実に防止して安定した熱処理を行うことができる。
【0030】
さらに、前記ウエーハの裏面側の気圧がウエーハ表面側の気圧よりも高くなるように調節する調整手段を具備することが好ましい(請求項14)。
このように気圧を調節する調整手段を具備することにより、ウエーハの裏面側の気圧をウエーハ表面側よりも確実に高くすることができる。さらに、ウエーハ裏面側の気圧をウエーハ表面側の気圧よりも高くなる範囲で任意に調整することも可能となるため、必要に応じてウエーハを外周部のみを保持したり、またウエーハを浮遊させて熱処理することが可能となる。
【0031】
また、前記ウエーハを加熱するウエーハ加熱手段を有することが好ましい(請求項15)。
本発明のウエーハの熱処理装置は、上述のように、ウエーハを加熱するウエーハ加熱手段がなくてもウエーハに熱処理を行うことが可能であるが、熱処理装置がこのようにウエーハ加熱手段を別途有するものであれば、ウエーハ全体、また反応室内をより安定してすばやく加熱することができるため、より高品質のアニールウエーハを高生産性で得ることが可能となる。
【0032】
さらに、前記気体加熱装置は、石英またはSiCからなる細管が屈折させて配置され、気体加熱手段を用いて前記ウエーハに吹き付ける気体を屈折させて配置した細管に通過させながら加熱するものであることが好ましい(請求項16)。
本発明の熱処理装置における気体加熱装置がこのようにして気体を加熱するものであれば、気体加熱装置自体の構成が簡便で小型のものとすることができ、また長期の使用に耐え得るものとなり、さらにウエーハに吹き付ける気体の加熱を容易にすばやく行うことができるものとなる。
【0033】
さらに、本発明によれば、ウエーハを保持する熱処理用ボートであって、少なくとも、複数の支柱と、該複数の支柱を固定する天板及び底板と、前記ウエーハを保持するサセプタと、前記支柱に取り付けられる前記サセプタを支持するためのサセプタ支持部とを具備し、前記複数の支柱のうちの少なくとも1つが加熱した気体を通過させるための中空構造を有し、前記サセプタ支持部に前記支柱の中空構造に連通して支柱内の加熱した気体を前記サセプタに送るための通気路が形成されており、前記サセプタに前記サセプタ支持部の通気路から送られてきた加熱した気体をウエーハに吹き付けるための貫通孔が形成されていることを特徴とする熱処理用ボートが提供される(請求項17)。
【0034】
このような構成を有している熱処理用ボートであれば、上記本発明の熱処理装置のボート、すなわちウエーハを保持し加熱した気体をウエーハの裏面に吹き付けるボートとして使用することができ、このような熱処理用ボートを用いることによって、ウエーハを複数枚同時にスリップを発生させずに熱処理することができる。
【0035】
このとき、前記サセプタに排気孔が形成されていることが好ましい(請求項18)。
このように、サセプタに排気孔が形成されていれば、前述のように、加熱されたガスをウエーハ裏面から吹き付けた後、ガスの流通を円滑に行うことができるし、またこの排気孔の数や大きさを調節することにより、ウエーハ裏面側の気圧の制御も容易に行うことができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
従来、ウエーハに品質向上等の様々な目的で熱処理を行うと、ウエーハにスリップを発生させたり、またウエーハ裏面にキズを生じさせてしまい、その後のデバイス作製工程等で歩留まりを低下させるといった問題があった。
【0037】
そこで、本発明者は、熱処理の際にウエーハにスリップを発生させないようにするため、鋭意検討を重ねた結果、ウエーハに熱処理を行う際にウエーハの主面が水平になるように保持し、このウエーハの裏面に加熱した気体を吹き付けてウエーハ裏面側の気圧がウエーハ表面側よりも高くなるようにすることによって、ウエーハにスリップを発生させる要因であるウエーハの自重による内部応力とウエーハ面内の温度の不均一による熱歪応力を低減して熱処理を行うことができること、さらにウエーハ裏面のキズの発生も防止できることを見出し、本発明を完成させた。
【0038】
先ず、本発明に係るウエーハの熱処理装置について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明によれば、ウエーハを複数枚同時に熱処理することのできるバッチ式の熱処理装置と、ウエーハを1枚ずつ熱処理する枚葉式の熱処理装置の2種類の熱処理装置を提供することができる。以下、これら2種類の熱処理装置のそれぞれについて図面を参照しながら説明する。
【0039】
本発明に係るバッチ式の熱処理装置は、図1に示したように、少なくとも、ウエーハ5を投入して外部と雰囲気を遮断する反応室2と、ウエーハ5を保持し加熱した気体をウエーハ5の裏面に吹き付けるボート3と、ウエーハ5に吹き付ける気体を加熱する気体加熱装置4とを具備する熱処理装置1である。また、その他にウエーハを加熱するためのウエーハ加熱手段6が反応室2の外側に配置されており、さらに反応室2には雰囲気ガスを導入するための雰囲気ガス導入管7と雰囲気ガスがウエーハ5の周囲を通過した後に雰囲気ガスを外部に排気するための雰囲気ガス排気管8とが形成されている。
【0040】
このようなバッチ式の熱処理装置1において、気体加熱装置4としては、瞬間湯沸し器の原理を利用したものを用いることができ、例えば、石英またはSiCからなる細管9が屈折させて配置され、気体加熱手段10を用いてウエーハに吹き付ける気体を屈折させて配置した細管に通過させながら加熱する装置であることが好ましい。気体加熱装置4をこのように構成することによって、小型でかつ長期の使用に耐え得る気体加熱装置となり、またウエーハに吹き付ける気体の加熱を容易にかつ迅速に行うことができる。このとき、気体加熱手段10として、カンタル線やMoSi線等の抵抗加熱装置や、ランプ加熱装置等を用いることができる。
【0041】
また、この気体加熱装置4の前段には圧力センサー12とコントロールバルブ13が設けてあり、また気体加熱装置4の後段には加熱されたガスの温度を測定する熱電対11を設置している。そして、この圧力センサー12の情報を調整手段14に送ることにより、調整手段14でコントロールバルブ13を調節して気体の圧力、流量等を制御し、ウエーハ裏面側の気圧をウエーハ表面側の気圧よりも高くなるように調整することができる。さらに、熱電対11の情報を調整手段14に送ることにより気体加熱手段10の温度を調節して加熱する気体の温度も制御することができる。
【0042】
このようなバッチ式の熱処理装置1に用いられるウエーハを保持するためのボート3は、図2に示すように、複数の支柱21(21’)と、複数の支柱21を固定する天板22及び底板23と、支柱21’に取り付けられるサセプタを支持するためのサセプタ支持部25とを具備しており、図3示すような円形状のサセプタ24をサセプタ支持部25と支柱21に形成された溝26とで支持することができる。この円形状のサセプタ24は、図3に示すように、サセプタ外周部にテーパーを付けた皿状になっており、ウエーハを外周部のみで保持でき、またウエーハを保持した際にウエーハとサセプタとの間に一定の空間を有する構造になっている。
【0043】
また、複数の支柱21のうちの少なくとも1つの支柱21’は加熱した気体を通過させるための中空構造を有している。さらに、図4に示すように、サセプタ支持部25には、支柱の中空構造に連通して支柱21’内の加熱した気体をサセプタ24に送るための通気路28が形成されており、またサセプタ24には、サセプタ支持部の通気路28から送られてきた加熱した気体をウエーハに吹き付けるための貫通孔29がその中心に形成されている。
【0044】
このとき、サセプタ24には貫通孔29以外に、さらに直径0.1〜0.5mm程度の排気孔30が形成されていることが好ましい。この排気孔30がサセプタ24に形成されていることによって、加熱したガスをウエーハ裏面に吹き付けた後のガスの流通を円滑に行うことができるし、またこの排気孔の数や大きさを調節することによって、ウエーハ裏面側の気圧を容易に制御することが可能となる。
【0045】
また、中空構造を有する支柱21’へ加熱した気体を通過させるために、この支柱21’に沿って導管27が形成されている。この導管27は、例えば支柱21’の上部で中空構造と接続しており、支柱21’の中空構造、サセプタ支持部25の通気路28を通過して、サセプタ24の貫通孔29に供給される。
【0046】
導管27と支柱21’との接続は、支柱21’の下部、中部、上部など複数箇所で接続されていても良く、特に限定するものではないが、支柱21’の上部で中空構造と接続するようにした場合、導管の下部から供給された加熱した気体が導管27の上部に達するまでに、ウエーハ加熱手段6によっても加熱され、気体加熱装置4で加熱した気体を炉内温度と同じ温度に保温または加熱することができ、ウエーハの熱処理温度に保持された気体を安定してウエーハに吹き付けることができる。
【0047】
また、図1の別な形態として、導管27が十分に長く、導管27中の気体がウエーハ加熱手段6の加熱領域内で十分に滞留している時間がある場合、気体加熱装置4の気体加熱手段10を省き、単に圧力センサ12やコントロールバルブ13等の気体を供給する機構のみを残し、加熱されていない気体(常温の気体)を導管27の下部から供給し、導管27を通過(滞留)している間にウエーハ加熱手段6により気体を加熱するような構成としても良い。つまり、ウエーハ加熱手段6、導管27、気体を供給する機構(圧力センサ12やコントロールバルブ13等)により気体加熱装置4を構成しても良い。この場合も、ウエーハの裏面側の気圧をウエーハ表面側の気圧より高くなるように調整する調整手段14等を設けておく。
【0048】
このような本発明の熱処理用ボートとしては、CVD−SiC膜で作製されたものを使用することが好ましい。例えば、CVD−SiC膜からなる熱処理用ボートは、先ずカーボン素材でボート構造を形成してから、この上にCVD−SiCコートを行い、その後内部のカーボン素材を酸化して除去することによって作製することができる。このような熱処理用ボートの利点は、素材が超高純度のCVD−SiC膜のみからなるため、1300℃を越えるような熱処理を行った場合でもシリコンウエーハの金属不純物レベルを低く抑えられる上、簡単に中空構造を得られることである。
【0049】
また、サセプタ24の材質としては、純度が高い石英、多結晶Si、単結晶Si、SiC等を用いることが望ましいが、1300℃を越える高温領域で熱処理を行う場合には、高温でも形状が安定しているSiC素材を用い、金属汚染対策として超高純度のCVD−SiCコートを行ったものを用いることが好ましい。また、SiC素材を用いる場合には、ウエーハと接する部分に鏡面加工が施されていることが好ましい。
【0050】
尚、このバッチ式の熱処理装置1に用いられるボートは上記に限定されるものではなく、例えば特開平9−330935号公報に開示されているようなボートを使用することも可能である。ただし、本発明の熱処理用ボートでは、円形状のサセプタを用いてウエーハを保持することによって、ウエーハとサセプタとの間に形成された空間に加熱した気体を導入し、ウエーハ裏面の全面に気体を均一に吹き付けるようにする。
【0051】
次に、本発明に係る枚葉式の熱処理装置について説明する。
本発明の枚葉式の熱処理装置は、図5に示したように、少なくとも、ウエーハ41をシャッター42から投入して外部と雰囲気を遮断する反応室43と、ウエーハ41を保持し加熱した気体をウエーハの裏面に吹き付けるボート44と、ウエーハに吹き付ける気体を加熱する気体加熱装置47とを具備する熱処理装置40である。
【0052】
この反応室43内には、ウエーハ41の表面側にも加熱した気体を吹き付けるための上部気体供給手段45が設置されており、また反応室43の外側にはこの上部気体供給手段45に供給する気体を加熱するための気体加熱装置47’が配置されている。尚、加熱した気体をウエーハに吹き付けるための手段としては、少なくともウエーハ裏面側に気体を吹き付けるボート44が設置されていれば良いが、上記のように上部気体供給手段45を設置することにより、ウエーハ全体を均一に加熱することができ、それによって、ウエーハに熱処理を行った際にウエーハに生じる熱歪応力を低減し、さらに例えば急速加熱・急速冷却を行う場合に生じるウエーハの反り等も確実に防止して、安定した熱処理を行うことができる。また、このようにウエーハ41の裏面側と表面側にボート44と上部気体供給手段45とを設置した場合には、後述するようなウエーハ裏面側の気圧が表面側よりも高くなるように調節する調整手段53を設けることが好ましい。
さらに、反応室43には、加熱した気体をウエーハに吹き付けた後、最終的に気体を外部に排気するための気体排気管46が形成されている。
【0053】
このとき、ボート44と上部気体供給手段45とに供給する気体をそれぞれ加熱するための気体加熱装置47、47’(以下、気体加熱装置47’の説明については気体加熱装置47と同様とする)としては、前述のバッチ式の熱処理装置で用いた気体加熱装置4と同様の構成を有する装置、すなわち、石英またはSiCからなる細管48が屈折させて配置されており、気体加熱手段49で細管48を通過する気体を容易に加熱することのできる小型の装置を用いることができる。さらに、この気体加熱装置47の前段には圧力センサー50とコントロールバルブ51が設けてあり、また気体加熱装置47の後段には加熱されたガスの温度を測定する熱電対52が設置されている。
【0054】
そして、この圧力センサー50、50’の情報を調整手段53に送ることにより、調整手段53でコントロールバルブ51、51’をそれぞれ調節して気体の圧力、流量等を制御し、ウエーハ裏面側の気圧をウエーハ表面側の気圧よりも高くなるように調整することができる。さらに、熱電対52、52’の情報を調整手段53に送ることにより、加熱する気体の温度を制御することもできる。
【0055】
また、ボート44と上部気体供給手段45の材質は、石英やSiC等を用いることができる。ウエーハの熱処理温度が1000℃程度の温度であれば石英を用いることができ、また1000℃を超える高温領域の場合はSiCを用いることが好ましい。SiC素材を用いる場合には、CVD−SiC膜のみで形成されたものを用いることができ、特にボート44をCVD−SiC膜で形成する場合は、ウエーハと接する部分に鏡面加工が施されていることが好ましい。
【0056】
このボート44及び上部気体供給手段45には、加熱したガスを吹き出すための複数の貫通孔が形成されている。この貫通孔の数や大きさは特に限定されるものではないが、例えば、直径が0.2〜2.0mm程度の貫通孔を1.0〜5.0mm間隔で設けることによって、ウエーハ41の表面及び裏面の全面に加熱した気体を均一に吹き付けることができる。
【0057】
さらに、ボート44には、加熱したガスをウエーハ41に吹き付けた後に気体の流通を円滑にするための排気孔55が形成されていることが好ましい。この排気孔の数や大きさは特に限定されるものではないが、例えば直径0.1〜0.5mm程度の排気孔を形成することにより、加熱したガスの流通がスムーズになり、またこの排気孔の数や大きさを調節することによって、ウエーハ裏面側の気圧を制御することも可能となる。
【0058】
このような枚葉式の熱処理装置40は、気体加熱装置47、47’でウエーハの熱処理温度に加熱した気体をボート44及び上部気体供給手段45からそれぞれウエーハ41の裏面及び表面の全面に吹き付ける熱処理装置であるため、別途ウエーハ41を加熱するためのウエーハ加熱手段がなくても、例えば反応室43の周りに断熱材54を配置することにより、ウエーハを均一に熱処理することができる。したがって、従来の熱処理装置より装置の小型化を図ることができ、それによって、複数の枚様式の熱処理装置を重ね合わせて同一の気体加熱装置によって同時に操業させることも可能となり、生産性を向上させることができる。
【0059】
尚、上記熱処理装置40は、本発明のウエーハの熱処理装置の一例であって、例えば、この熱処理装置40にさらにランプ加熱手段や高周波コイル等を設けてウエーハの加熱を行っても良い。
【0060】
続いて、上記本発明のウエーハの熱処理装置を用いてウエーハに熱処理を行う熱処理方法について説明する。
始めに、図1に示すバッチ式の熱処理炉1を用いて、ウエーハを熱処理する場合について説明する。
【0061】
先ず、被熱処理ウエーハをボート3のサセプタ上に移載して、ウエーハをウエーハ外周部のみで接触するようにして水平に保持する。ウエーハの移載方法は特に限定するものではないが、例えば移載ロボット等を用いてウエーハを汚染させること無く実施することが好ましい。
【0062】
次に、ウエーハ5を保持したボート3を反応室2にロードし、その後、ガス導入管7から雰囲気ガスを導入するとともに、ウエーハ加熱手段6によって加熱を行う。その際、サセプタ24の貫通孔から気体加熱装置4で加熱した気体をウエーハ裏面に吹き付けながら熱処理を行う。このサセプタの貫通孔から吹き付ける気体は、ガス導入管7から導入する雰囲気ガスと同様のものを用いることが好ましい。
【0063】
このとき、気体加熱装置4から供給される加熱した気体の圧力を調整手段14で調整したり、また予めサセプタに形成する排気孔30の数や大きさを調節しておくことにより、ウエーハ裏面側の圧力をウエーハ表面側よりも高くすることができ、さらにウエーハをウエーハ外周部のみで保持した状態にしたり、またはウエーハを浮遊させた状態にして熱処理を行うことができる。
【0064】
また、ウエーハの昇温速度や熱処理温度については、熱処理の目的に応じて適宜決定することができる。その際、ウエーハ裏面に吹き付ける気体の温度をある程度高くしておくことにより、ウエーハに発生するスリップを防止することができるが、より好ましくは、ウエーハの昇温速度や熱処理温度に合わせてウエーハに吹き付ける気体を加熱する方が良い。それによって、ウエーハに温度分布を生じさせることなく安定して熱処理を行うことができる。
【0065】
さらに、ウエーハとサセプタの間には前述のように空間が形成されているため、サセプタの貫通孔から供給される加熱した気体をウエーハ裏面全体に均一に吹き付けることができる。したがって、熱処理時のウエーハ面内での温度分布をより均一にすることができる。
【0066】
このようにしてウエーハを複数枚同時に熱処理することによって、ウエーハの自重による内部応力を低減するとともに、ウエーハ面内の温度均一性を向上させて熱歪応力を低減することができるため、ウエーハにスリップを発生させずに熱処理を行うことができる。また、上述のように、熱処理を行う際にウエーハをウエーハ外周部のみで保持している(または、浮遊させている)ので、ウエーハの裏面にキズを発生させることもない。さらには、熱処理の際の昇温速度や降温速度を速くしたり、また熱処理ボートに保持するウエーハの間隔を縮小しても熱処理後のウエーハ(アニールウエーハ)にはスリップが発生しないため、生産性の向上を図ることができる。
【0067】
熱処理後はボート3を反応室2からアンロードし、室温まで冷却してからサセプタ上のウエーハを回収する。
このようにして製造されたアニールウエーハであれば、大口径のウエーハであっても、スリップフリーで、さらにウエーハ裏面にキズがないアニールウエーハとすることができる。
【0068】
次に、図5に示す枚葉式の熱処理炉40を用いて、ウエーハを熱処理する場合について説明する。
先ず、被熱処理ウエーハをシャッター42から反応室43に投入し、ボート44にウエーハ外周部のみで接触するようにして水平に保持する。ウエーハの移載方法については、前述と同様に移載ロボット等を用いてウエーハを汚染させること無く実施することが好ましい。
【0069】
次に、コントロールバルブ51を介して気体を気体加熱装置47に導入し、気体加熱装置47に配置した細管48を通過して、ボート44から気体をウエーハ裏面に吹き付ける。また、ウエーハ表面についても同様に、コントロールバルブ51’から導入された気体は、気体加熱装置47’を通過して上部気体供給手段45からウエーハ表面に吹き付ける。
【0070】
前述のように、このボート44及び上部気体供給手段45には、気体加熱装置を通過した気体をウエーハに吹き付けるための複数の貫通孔がそれぞれ形成されているため、気体をウエーハ41の表面及び裏面の全面に均一に吹き付けることができる。
【0071】
このとき、圧力センサ50、50’の情報を調整手段53に送り、その情報に基づいて調整手段53でコントロールバルブ51、51’を調整したり、また予めボート44の排気孔55の数や大きさを調節しておいたり、さらに例えば排気孔55をボート44のテーパ部に沿って平行に形成しておくことによって、ウエーハ裏面側の圧力をウエーハ表面側よりも高くすることができるし、さらにウエーハをウエーハ外周部のみで保持した状態にしたり、また図6に示したようにウエーハを振動を抑えて浮遊させた状態にすることもできる。このような状態でウエーハに熱処理を行うことによって、ウエーハ裏面にキズを生じさせずに熱処理を行うことができる。
【0072】
続いて、ウエーハに吹き付ける気体を気体加熱装置47、47’で加熱することによって、ウエーハに熱処理を行うことができる。このとき、気体加熱装置47、47’で加熱する気体の温度を例えば制御手段53で制御することによって、ウエーハに熱処理を行う際の昇温速度や熱処理温度を調節することができる。
【0073】
このようにしてウエーハに吹き付ける気体の温度を制御すれば、従来のようにランプ加熱手段等のようなウエーハを加熱するウエーハ加熱手段がなくても、例えば、600℃〜700℃までは100℃/min程度の速度で昇温し、温度が上昇するにつれて、昇温速度を下げつつ、1200℃程度の温度まで昇温した後、一定時間高温熱処理を行い、その後、昇温の場合と同じ程度の速度で降温を行い、600℃程度まで降温したところで、上部気体供給手段からウエーハに吹き付ける気体の流量を一気に上げて200〜300℃程度にまで下げたガスをウエーハに吹き付けてウエーハの温度を下げるといった熱処理を容易に行うことができる。
【0074】
このようにしてウエーハを枚様式で熱処理することによって、ウエーハの自重による内部応力を低減するとともに、ウエーハ面内の温度均一性を向上させて熱歪応力を低減することができるため、ウエーハにスリップを発生させずに熱処理を行うことができる。また、上述のように、ウエーハの裏面にキズを発生させることもないし、ウエーハに急速加熱・急速冷却を行ってもウエーハ全体の温度が均一であるため反りを生じさせることもない。
【0075】
その後、ウエーハの温度が100℃以下になったところで、移載ロボットにより、ウエーハをアンロードしてウエーハを回収する。
このようにして製造されたアニールウエーハであれば、大口径のウエーハであっても、スリップが発生してなく、さらにはウエーハ裏面のキズもまた反りもないアニールウエーハとすることができる。
【0076】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1として、図1に示す本発明のバッチ式の熱処理炉1を用いて、直径300mmの複数のシリコンウエーハにDZ層を形成することを目的として、アルゴン雰囲気中、1200℃で1時間の熱処理を行った。
【0077】
先ず、熱処理用ボート3として、図2に示すような構造のCVD−SiC膜のみから形成されたものに図3に示すサセプタを支持したボートを準備した。このとき、サセプタにはSiC素材の上にCVD−SiCコートを施したものを用いた。
【0078】
このような熱処理用ボートのサセプタにシリコンウエーハを保持し、このボートを700℃に加熱された反応室2内にロードした。このとき、反応室2にはガス導入管7からアルゴンガスが流されている。熱処理用ボート3を反応室2にロードした後、気体加熱手段4で700℃に加熱したアルゴンガスをサセプタ24の貫通孔29からウエーハ裏面に吹き付けて、ウエーハ裏面側の気圧を表面側よりも高くした。
【0079】
その後、ウエーハ5に吹き付ける気体を気体加熱装置4でさらに加熱し、この加熱した気体をウエーハに吹き付けるとともにウエーハ加熱手段6を用いて、ウエーハを700℃から1000℃までは10℃/min、1000℃から1200℃までは5℃/minで昇温し、1200℃で1時間保持することによってウエーハの熱処理を行った。このとき、ウエーハに吹き付ける気体もウエーハの昇温速度と同様の速度で加熱した。その後、ウエーハ5及びウエーハ5に吹き付ける気体を、1000℃まで5℃/min、そして700℃まで10℃/minの速度で降温し、ボートを反応室からアンロードしてから、室温まで冷却後ウエーハを回収した。
【0080】
(実施例2)
実施例2として、図5に示すような本発明の枚様式の熱処理装置40を用い、直径300mmのシリコンウエーハの熱処理を行なった。この熱処理は、実施例1と同様にウエーハにDZ層を形成することを目的として、アルゴン雰囲気中、1200℃で1時間の熱処理を行った。
【0081】
先ず、ウエーハ41をシャッター42から反応室43内に投入してボート44に保持し、シャッター42を閉じた。次に、気体加熱装置47、47’を介して供給される室温のアルゴンガスをボート44と上部気体供給手段45からウエーハの裏面及び表面の全面に吹き付けるとともに、制御手段53によりウエーハ裏面側の気圧を表面側よりも高くし、かつウエーハが浮遊した状態となるようにコントロールバルブ51、51’を調節した。
【0082】
その後、気体加熱装置47、47’でウエーハに吹き付けるアルゴンガスの温度を室温から600度までは100°C/minで昇温し、1000℃までは50℃/min、1100°Cまで25℃/min、1200℃までは10℃/minで加熱していき、続いて1200°Cで1時間保持した後、600℃まで昇温と同じ速度で降温した。アルゴンガスの温度を600℃まで降温した後、上部気体供給手段45から吹き付けるアルゴンガスの温度を200℃まで下げるとともにその流量を一気に増大させてウエーハを冷却した。冷却後、ウエーハを回収した。
【0083】
(比較例)
比較例として、図7に示す従来の縦型熱処理炉60を用いて、直径300mmの複数のシリコンウエーハにDZ層を形成することを目的として、アルゴン雰囲気中、1200℃で1時間の熱処理を行った。
【0084】
熱処理用ボートとして、図8に示すような4本の支柱を有する縦型の熱処理用ボート67を準備して、この熱処理用ボート67の溝71にシリコンウエーハを保持し、この熱処理用ボート67を700℃に加熱された反応室61内にロードした。このとき、反応室61にはガス導入管65からアルゴンガスが流されている。
【0085】
その後、ヒータ64を用いて、700℃から1000℃までは5℃/min、1000℃から1200℃までは2℃/minで昇温し、1200℃で1時間保持することによってウエーハの熱処理を行った。その後、昇温過程と同じ速度で降温し、ボートを反応室からアンロードしてから、室温まで冷却後ウエーハを回収した。
【0086】
上記実施例1、2及び比較例で得られたアニールウエーハに目視検査を行いスリップの発生の有無について調査を行った。
その結果、実施例1及び実施例2で得られたアニールウエーハにはスリップが発生してなく、またウエーハの裏面にもキズが全く観察されなかった。しかしながら、比較例で得られたアニールウエーハは、昇降温速度を実施例1及び実施例2に比べて遅くしたにも関わらず、図9に示すような長さ2mm〜15mmのスリップSがウエーハWの外周部に数十本発生しているのが確認された。また、この比較例のウエーハの裏面には、熱処理用ボートとの接触部に対応する位置に、スリップとは別にキズが発生していた。
【0087】
また、作製した各アニールウエーハのDZ層の幅を測定した結果、実施例1のウエーハでは20μm、実施例2では26μm、比較例では18μmであった。
【0088】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0089】
例えば、上記実施例では、シリコンウエーハにDZ層を形成することを目的として熱処理が行われているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲッタリング層の形成や酸化膜の形成、エピタキシャル成長等の種々の目的で行う熱処理に適用することができる。
【0090】
また、上記実施の形態では、ボートや上部気体供給手段にそれぞれ一つの気体加熱装置が設置されている場合について説明を行っているが、本発明では気体加熱装置を複数設置して、温度の異なる気体を切り替えてウエーハに吹き付けるようにしても良いし、逆に1つの気体加熱装置から両者に供給するようにしても良い。
【0091】
さらに、例えば上記本発明のバッチ式の熱処理装置では、ウエーハ加熱手段が設置されている例を挙げて説明を行っているが、本発明の熱処理装置ではこのウエーハ加熱手段がなくてもウエーハに熱処理を行うことができるものであり、またこのバッチ式の熱処理装置に例えばさらに上部気体供給手段を設ければ、ウエーハの熱処理をより安定して行うことができる。
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、ウエーハの自重による内部応力を低減するとともに、ウエーハ面内の温度を均一にして熱歪応力を低減することができるため、大口径のウエーハを熱処理する場合や1200℃以上の高温で熱処理する場合であっても、ウエーハにスリップを発生させず、さらにはウエーハ裏面にキズも発生させずに熱処理を安定して行うことができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバッチ式の熱処理装置の一例を示す構成概略図である。
【図2】本発明に係る熱処理用ボートの一部の構成を示す構成概略図である。
【図3】(a)は、サセプタの形状を示す概略図であり、(b)は、サセプタの断面を示す概略断面図である。
【図4】(a)は、本発明の熱処理用ボートの横断面を示す横断面図であり、(b)は、本発明の熱処理用ボートの縦断面を示す縦断面図である。
【図5】本発明に係る枚葉式の熱処理装置の一例を示す構成概略図である。
【図6】ウエーハを浮遊させた状態を示す説明図である。
【図7】縦型の熱処理炉の構成を示す概略図である。
【図8】(a)は、従来の熱処理用ボートの構成を示す概略図であり、(b)は、熱処理用ボートの断面を示す概略断面図である。
【図9】比較例で得られたアニールウエーハに発生したスリップを観察した結果を示す図である。
【符号の説明】
1…バッチ式の熱処理装置、 2…反応室、
3…ボート、 4…気体加熱装置、
5…ウエーハ、 6…ウエーハ加熱手段
7…雰囲気ガス導入管、 8…雰囲気ガス排気管、
40…枚葉式の熱処理装置、 41…ウエーハ、
42…シャッター、 43…反応室、 44…ボート、
45…上部気体供給手段、 46…気体排気管、
47…気体加熱装置。

Claims (18)

  1. ウエーハを熱処理する熱処理方法において、前記ウエーハの主面が水平になるように保持し、該ウエーハの裏面に加熱した気体を吹き付けて、ウエーハの裏面側の気圧がウエーハ表面側の気圧よりも高くなるようにしながらウエーハに熱処理を行うことを特徴とするウエーハの熱処理方法。
  2. 前記ウエーハの表面にも加熱した気体を吹き付けることを特徴とする請求項1に記載のウエーハの熱処理方法。
  3. 前記加熱した気体を、ウエーハ裏面の全面に、またはウエーハ裏面及び表面の全面に吹き付けることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウエーハの熱処理方法。
  4. 前記気体の温度をウエーハの熱処理温度に加熱して吹き付けることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のウエーハの熱処理方法。
  5. 前記ウエーハを複数枚同時に熱処理することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のウエーハの熱処理方法。
  6. 前記ウエーハを枚葉式で熱処理することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のウエーハの熱処理方法。
  7. 前記ウエーハの裏面に加熱した気体を吹き付けて、ウエーハの外周部のみを保持した状態で、またはウエーハを浮遊させた状態で熱処理を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のウエーハの熱処理方法。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のウエーハの熱処理方法により熱処理されたアニールウエーハ
  9. ウエーハを熱処理する熱処理装置であって、少なくとも、前記ウエーハを投入して外部と雰囲気を遮断する反応室と、前記ウエーハを保持し加熱した気体をウエーハの裏面に吹き付けるボートと、前記ウエーハに吹き付ける気体を加熱する気体加熱装置とを具備することを特徴とするウエーハの熱処理装置。
  10. 前記ウエーハを複数枚同時に熱処理するものであることを特徴とする請求項9に記載のウエーハの熱処理装置。
  11. 前記ウエーハを枚様式で熱処理するものであることを特徴とする請求項9に記載のウエーハの熱処理装置。
  12. 前記ボートに排気孔が形成されていることを特徴とする請求項9ないし請求項11のいずれか一項に記載のウエーハの熱処理装置。
  13. 前記ウエーハの表面に加熱した気体を吹き付ける上部気体供給手段を具備することを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれか一項に記載のウエーハの熱処理装置。
  14. 前記ウエーハの裏面側の気圧がウエーハ表面側の気圧よりも高くなるように調節する調整手段を具備することを特徴とする請求項9ないし請求項13のいずれか一項に記載のウエーハの熱処理装置。
  15. 前記ウエーハを加熱するウエーハ加熱手段を有することを特徴とする請求項9ないし請求項14のいずれか一項に記載のウエーハの熱処理装置。
  16. 前記気体加熱装置は、石英またはSiCからなる細管が屈折させて配置され、気体加熱手段を用いて前記ウエーハに吹き付ける気体を屈折させて配置した細管に通過させながら加熱するものであることを特徴とする請求項9ないし請求項15のいずれか一項に記載のウエーハの熱処理装置。
  17. ウエーハを保持する熱処理用ボートであって、少なくとも、複数の支柱と、該複数の支柱を固定する天板及び底板と、前記ウエーハを保持するサセプタと、前記支柱に取り付けられる前記サセプタを支持するためのサセプタ支持部とを具備し、前記複数の支柱のうちの少なくとも1つが加熱した気体を通過させるための中空構造を有し、前記サセプタ支持部に前記支柱の中空構造に連通して支柱内の加熱した気体を前記サセプタに送るための通気路が形成されており、前記サセプタに前記サセプタ支持部の通気路から送られてきた加熱した気体をウエーハに吹き付けるための貫通孔が形成されていることを特徴とする熱処理用ボート。
  18. 前記サセプタに排気孔が形成されていることを特徴とする請求項17に記載の熱処理用ボート。
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