JP2004228128A - 電子線露光用レチクル、電子線露光用レチクルブランク、その製造方法及び電子線露光方法 - Google Patents

電子線露光用レチクル、電子線露光用レチクルブランク、その製造方法及び電子線露光方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レチクルの反りを小さくすることができ、露光装置搭載時のレチクルの歪みを低減する電子線露光用レチクル、電子線露光用レチクルブランク等を提供する。
【解決手段】レチクル310上には、感応基板上に転写すべきデバイスパターンが、複数のメンブレン部314に分割され、行列状に配置されている。該メンブレン部314の片面(裏面)には、該メンブレン部を支持するための格子状のストラット(支柱)6からなる支持基板部が形成されている。該ストラット6のメンブレン部に対して反対側の端面には、反り補正材料膜(クロム膜)が成膜されており、レチクルの反りを低減している。
【選択図】図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子線露光用レチクル、電子線露光用レチクルブランク及びその製造方法等に関する。特には、レチクルの反りを小さくすることができ、露光装置搭載時のレチクルの歪みを低減することのできる電子線露光用レチクル等に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路の高集積化に伴い、長年微細なパターンを形成する手段の主流であった光を用いたフォトリソグラフィ技術に代わって、電子線やイオンビームのような荷電粒子線やX線を利用する新しい露光方式が検討され、実用化されている。これらのうち、電子線を利用してパターンを形成する電子線露光は、電子線そのものを数nmにまで絞ることができるため、0.1μmあるいはそれ以下の微細なパターンを作製できる点に大きな特徴を有している。
【0003】
しかし、従来からある電子線露光方式は一筆書き方式を採っているので、パターンが微細になればなるほど、より絞った電子線で描画せねばならない。このため、描画時間が長くなり、スループットに大きな影響を与えることになる。
【0004】
そこで、レチクルを利用してウェハ上で数百μm角のパターンを一括して露光していく方式が提案されている。
図6は、従来のレチクルの一例を示す図である。図6(A)は、レチクルの断面図であり、図6(B)は、レチクルの斜視図である。
【0005】
図6(A)に示すレチクルは、厚さ2μm程度のメンブレン状の電子線散乱部(シリコンメンブレン部)51に電子線透過部の開口(図示されていない。)を設けたステンシルタイプのものである。このとき、一度に電子線で露光できる領域は、ウェハ上で250μm角程度(レチクル上で1mm角程度)である。このため、レチクルは、半導体チップ全体を焼くために1mm角程度のメンブレンを敷き詰めた構造となっており、これは格子状のストラット(支柱)を有するシリコンウェハ52で支えられている。
【0006】
以下に、上記のレチクルを作製する一般的な方法について説明する。
まず、シリコン(Si)ウェハ52にボロン(B)をドープした(100)面シリコンウェハ52の裏面から水酸化カリウム水溶液でウェットエッチングする。ウェットエッチングされる場所以外は、窒化シリコン等で保護されている。また、一例で1×1020atom/cm程度のボロンを所望の厚さにドープさせ、このボロンによりウェットエッチングの速度を遅くする。これにより、容易にメンブレンを作製することができる。
【0007】
次に、メンブレン上にレジストなどを塗布し、電子線描画装置などを使用して、メンブレン上にレジストパターンを露光し、そのパターンをシリコンメンブレンに転写し、ステンシルパターンを作製する。
【0008】
しかし、上記の場合、ウェットエッチングが結晶面上で異方性を有するため、メンブレン間のストラット52に一例で54.74°の角度がついてしまう。このため、1チップ分のレチクルが非常に大きくなってしまう問題があり、メンブレン間のストラット52をなるべく細く且つ垂直にするために、シリコンストラットに対するエッチング法としてドライエッチングを採用する方法が提案されてきた。
【0009】
そのうちの1つが、上記と同様にボロンドープのシリコンウェハを利用した方法である。以下、この方法の概要について、図7を参照しながら説明する。
【0010】
図7は、従来の電子線露光用レチクルブランクの製造方法の一例を示すレチクルブランクの断面図である。
まず、図7(A)に示すように、シリコンウェハ61の表面(図中上方)にボロンをドープしてボロンドープ層62を形成する。
次に、図7(B)に示すように、シリコンウェハ61の裏面(図中下方)から所定の厚さの数十μm手前までドライエッチングで掘り進めることで、垂直なストラットを形成する。
そして、図7(C)に示すように、所定の厚さのメンブレンでエッチングストップさせるために、最後のみウェットエッチングを使用する。エッチングされる場所以外には、酸化シリコン層63を形成することにより保護されている。
最後に、この酸化シリコン層63を除去する(図7(C))。
【0011】
この方法をさらに簡素化させた方法が、SOI(Silicon On Insulator)ウェハを利用したものである。以下に、SOIウェハを用いたレチクルブランクの製造方法の概要について、図8を参照しながら説明する。
【0012】
図8は、SOIウェハを用いた従来のレチクルブランクの製造方法の一例を示すレチクルブランクの断面図である。
まず、SOIウェハを準備する。図8(A)に示すように、SOIウェハは、シリコン支持基板(支持ウェハ)71の上に酸化シリコン層72が形成され、その上に薄膜シリコン層73が形成されている。このため、中間の酸化シリコン層72をドライエッチングのエッチングトップ層として使用することができ、シリコン支持基板71の所定の部分をドライエッチングすることで、数百μm幅でレチクル面に対して垂直なストラットを持つレチクルブランクを作製することが可能である。
次に、図8(B)に示すように、シリコン支持基板71の図中下面に、レジスト又は酸化シリコン層74を形成する。
そして、図8(C)に示すように、このレジスト又は酸化シリコン層74をパターニングし、ストラット(図8(D)及び(E)の71a〜71c)を形成する部分にのみレジスト又は酸化シリコン層74のパターンを残して保護する(74a〜74c)。
図8(D)に示すように、このパターン74a〜74cをマスクとして、且つ、酸化シリコン層72をエッチングストッパーとして、シリコン支持基板71をドライエッチングし、ストラット71a〜71cを形成する。
最後に、酸化シリコン層74a〜74cをウェットエッチングにより除去する(図8(E))。
【0013】
上記のいずれの方法においても、シリコンウェハの厚さに相当するような深さのエッチングを行わなくてはならない。例えば、3インチウェハでは300μm以上、8インチウェハでは700μm以上の深さを垂直にエッチングすることが必要となる。
【0014】
このエッチングの際には、側壁保護を利用したエッチングがよく用いられる。これにより、エッチングすべき溝の横方向のエッチングを抑えるため、レジスト表面のエッチング保護のポリマー等を形成するガスをエッチングガスに添加することで、垂直性のよいエッチングを行うことができる。
【0015】
しかしながら、上述のSOIウェハで作製された電子線(縮小)露光用レチクルは、通常の光露光に用いられるガラスレチクルに比べて反りが大きい。このため、電子線露光用レチクルを露光装置にチャックするときに、大きな歪みを生じてしまうという問題がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上記の点に鑑み、本発明は、レチクルの反りを小さくすることができ、露光装置搭載時のレチクルの歪みを低減することのできる電子線露光用レチクル、電子線露光用レチクルブランク及びその製造方法等を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、本発明に係る電子線露光用レチクルは、感応基板上に転写すべきデバイスパターンが分割されて形成され、行列状に配置された複数のメンブレン部と、該メンブレン部の片面(裏面)に接続された該メンブレン部を支持する格子状のストラット(支柱)からなる支持基板部と、を備える電子線露光用レチクルであって、前記ストラットのメンブレン部の反対側の端面に、反り補正材料膜が成膜されていることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、電子線露光用レチクルの反りを非常に小さくすることができる。
【0019】
本発明に係る電子線露光用レチクルブランクは、感応基板上に転写すべきデバイスパターンが分割されて形成される、行列状に配置された複数のメンブレン部と、該メンブレン部の片面(裏面)に接続された該メンブレン部を支持する格子状のストラット(支柱)からなる支持基板部と、を備える電子線露光用レチクルブランクであって、前記ストラットのメンブレン部の反対側の端面に、反り補正材料膜が成膜されていることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る電子線露光用レチクルブランクの製造方法は、感応基板上に転写すべきデバイスパターンが分割されて形成される、行列状に配置された複数のメンブレン部と、該メンブレン部の片面(裏面)に接続された該メンブレン部を支持する格子状のストラット(支柱)からなる支持基板部と、を備える電子線露光用レチクルブランクの製造方法であって、薄膜シリコン層、酸化シリコン層及びシリコン支持基板が順に積層されたSOIウェハを準備する工程と、前記SOIウェハのシリコン支持基板面に金属又はセラミックからなる反り補正材料膜を成膜する工程と、前記反り補正材料膜上にレジスト膜を塗布する工程と、ストラットを形成する格子状の部分のみを残して、前記レジスト膜をパターニングにより除去し、レジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンをマスクとして、ストラットを形成する格子状の部分のみを残して、前記反り補正材料膜をエッチングにより除去する工程と、前記酸化シリコン層をエッチングストッパーとして、前記シリコン支持基板を同様にエッチングにより除去し、格子状のストラットを形成する工程と、前記格子状のストラットに囲まれた酸化シリコン層、及び、該ストラットの端面(最外層)のレジストパターンを除去して、反り補正材料膜、シリコン支持基板及び酸化シリコン層からなる格子状のストラットを形成し、レチクルブランクを完成する工程と、を有することを特徴とする。
【0021】
上記のレチクルブランクの製造方法においては、前記レチクルブランクの完成時点において、前記レチクルブランクの反りがゼロとなるような残留応力を有するように、前記反り補正材料膜の膜厚を成膜時に予め調整していることとすることもできる。
【0022】
また、上記のレチクルブランクの製造方法においては、前記レチクルブランクの完成後に、レチクルブランク全体の反りを測定する工程と、前記測定の結果、反りがある場合に、前記反り補正材料膜を適宜エッチングして反りを解消する工程と、をさらに加えることもできる。
この場合、レチクルブランクの完成後にも反りを調整することができるので、レチクルブランクの反りをより少なくすることができる。
【0023】
本発明に係る電子線露光方法は、照明系により、電子線を転写すべきパターンが形成されたレチクルに電子線を導き、該レチクルを透過した電子線を投影光学系によって、感応性基板に導くことにより、前記レチクル上のパターンを感応性基板に転写する電子線露光方法であって、前記レチクルには、感応基板上に転写すべきデバイスパターンが分割されて形成され、行列状に配置された複数のメンブレン部と、該メンブレン部の片面(裏面)に接続された該メンブレン部を支持する格子状のストラット(支柱)からなる支持基板部と、を備え、前記ストラットのメンブレン部の反対側の端面に、反り補正材料膜が成膜されていることを特徴とする。
【0024】
本発明に係る電子線露光方法によれば、本発明に係る電子線露光用レチクルを用いることにより、レチクルを露光装置に搭載(チャック)する時に生じる歪みを低減することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子線露光用レチクルブランクの製造方法を示すレチクルブランクの断面図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る電子線露光用レチクルブランクの製造方法を示すフローチャートである。
【0026】
まず、図1(A)に示すように、図の上から順に、薄膜シリコン層3、酸化シリコン(SiO)層2及びシリコン支持基板1から構成されたSOIウェハを準備する(S1)。
【0027】
次に、図1(B)に示すように、シリコン支持基板1の図中下方に、反り補正材料膜を成膜する(S2)。本実施形態においては、図1(A)に示すSOIウェハが活性層(薄膜シリコン層3)を上にしたとき凸形状に反っているものとする。このため、クロム(Cr)膜4が圧縮応力を有するように成膜することにより、この反りを解消する方向に基板を補正する。
この成膜の際には、クロム膜4が後の工程(S5)において、エッチングにより一部除去され、圧縮応力が減ずることを考慮しつつ、レチクルブランクの完成時点(S7)においてレチクルブランクの反りがゼロとなるような残留応力を有するように、適当な厚さ(例えば、500nm程度)に成膜しておくことが望ましい。
【0028】
この次に、クロム膜4の図中下方にレジスト膜を塗布し(S3)、図1(C)に示すように、このレジスト膜をパターニングし、ストラットを形成する部分にのみレジスト膜のパターン(レジストパターン5)を残して除去する(S4)。このとき、レジスト膜は、図1の下方から見たときに格子状になるようにパターニングされる(図4のストラット6参照。)。
【0029】
続いて、図1(D)に示すように、このレジストパターン5をマスクとして、クロムエッチング液でクロム膜4をエッチングにより除去する(S5)。これにより、クロム膜4も格子状に整形される。ここで、クロムのエッチング方法としてウェットエッチングを採用したが、ドライエッチングを用いてもよい。
同様に、図1(E)に示すように、このレジストパターン5をマスクとして、且つ、酸化シリコン層2をエッチングストッパーとして、シリコン支持基板1をエッチングにより除去する(S6)。
このS5及びS6のエッチングの際には、マスク材となるレジスト膜5も、若干エッチングされることが予想される。これらのエッチングの工程で、例えば、レジスト膜5の一部が除去されたとしても、クロム膜4をしてマスク材の代わりに用いることができる。
【0030】
最後に、図1(F)に示すように、格子内の酸化シリコン層2及びストラット6の図中下端のレジストパターン5をエッチングにより除去する(S7)。
【0031】
本実施形態によれば、シリコン支持基板1の裏側(図1下方)に反り補正材料膜を成膜することで、反りのないレチクルブランクを作製することができる。
【0032】
本実施形態においては、S1で準備したSOIウェハ(図1(A))が活性層を上にしたとき、凸形状に反っていたため、クロムが圧縮応力を有するように成膜して反りを補正した。ここで、クロムが圧縮応力を有するか、引っ張り応力を有するかは、クロムを成膜する際の成膜方法、成膜装置、成膜条件などにより制御することができる。したがって、S1でSOIウェハが凹形状に反っている場合には、クロムが引っ張り応力を有するように成膜することで、反りを補正することができる。
このような反り補正材料としては、クロムのほかに、ニッケル(Ni)、金(Au)、アルミニウム(Al)、窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC)等を挙げることができる。
【0033】
次に、本発明の電子線露光用レチクルブランクの製造方法の別の実施形態について説明する。
図3は、本発明の別の実施形態に係る電子線露光用レチクルブランクの製造方法を示すフローチャートである。
図3に示すレチクルブランクの製造方法においては、まず、SOIウェハを用意する(S1)。
次に、このSOIウェハは、上記の実施形態と同様に図1(A)上方に凸に反っているため、活性層(図1の薄膜シリコン層3)と反対側の面にクロム膜4を成膜して、この反りを矯正する(S2)。この成膜の際には、クロム膜4をやや厚め(完成時(S7)にレチクルブランクがやや凹形状に反る程度。)に成膜しておく。
続くS3〜S7までの工程は、上記の実施形態と同様であるので記載を省略する。本実施形態では、S7の工程の後に以下に示す工程が加わる。
レチクル基板の反りを測定する工程(S8)。S2でクロムをやや厚めに成膜してあるので、レチクルはクロム膜4の圧縮応力により凹形状に反っている。
S8の反り具合の測定結果に基づいて、クロムエッチング液でクロム膜4をエッチングすることで、反りがゼロになるように調整する工程(S9)。
本実施形態によれば、レチクルブランクの完成後にも反りを調整することができるので、レチクルブランクの反りをより少なくすることができる。
【0034】
図4は、8インチSOIウェハで作製された電子線露光用レチクルブランクを示す平面図である。
図4に示すレチクル310のSOIウェハ313上には、一例で縦132mm×横55mmの大きさのストラットを有する構造加工部(メンブレン領域)314が2つ並んで形成されている。この各メンブレン領域314は、半導体チップ全体を焼くために1mm角程度のメンブレンを敷き詰めた構造となっており、格子状のストラット(支柱)6によって支えられている。
【0035】
次に、上記の製造方法で作製されたレチクルブランクから作成したレチクルを用いた電子線露光方法について説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る電子線露光方法の光学系全体における結像関係を示す模式図である。
【0036】
光学系の最上流に配置された電子銃301から図の下方に向けて照射された電子線は、コンデンサレンズ302及び303によって収束され、プランキンク開口307にクロスオーバーC.O.を結像する。
【0037】
コンデンサレンズ303の下に配置されている矩型開口(照射ビーム形成開口)304は、レチクル310にある1つのサブフィールド(露光の1単位となるパターン小領域)を照射する照明ビームのみを通過させ、レンズ309によってレチクル310に結像される。
【0038】
ブランキング偏向器305は、必要時に照明ビームを偏向させて、ブランキング開口307の非開口部に当てることにより、ビームがレチクル310に当たらないようにする。
【0039】
ブランキング開口307の下には、照明ビーム偏向器308が配置されており、この偏向器308は、主に照明ビームを図のX軸方向に順次走査して、照明光学系の視野内にあるレチクル310のサブフィールドの照明を行う。偏向器308の下方に配置された照明レンズ309は、レチクル310上にビーム成形開口304を結像させる。
【0040】
レチクル310は、光軸垂直面(X−Y面)内に広がっており、多数のサブフィールドを有する(図4参照。)。レチクル310上には、全体として1つの半導体デバイスをなすパターン(チップパターン)が形成されている。レチクル310は、移動可能なレチクルステージ311上に保持される。レチクル310をレチクルステージ311上で光軸に垂直な方向(X、Y方向)に動かすことにより、照明光学系の視野よりも、広い領域に広がるレチクル310上の各サブフィールドを照明することができる。
【0041】
レチクルステージ311には、レーザー干渉計を用いた位置検出器312が敷設されており、レチクルステージ311の位置をリアルタイムで精確に把握することができる。
【0042】
レチクルステージ311の下方には、投影レンズ315及び319を含む投影光学系が設けられており、レチクル310の1つのサブフィールドを通過した電子線は、投影レンズ315、319、偏向器316によってウェハ323上の所定の位置に結像される。ウェハ323上には、適当なレジストが塗布されており、レジストに電子線のドーズが与えられ、レチクル310上のパターンが縮小されてウェハ323上に転写される。
【0043】
レチクル310とウェハ323の間を縮小比率で内分する点にクロスオーバーC.O.が形成され、同C.O.の位置には、コントラスト開口318が設けられている。コントラスト開口318は、レチクル310の非パターン部で散乱された電子線がウェハ323に到達しないように遮断する。
【0044】
ウェハ323の上部には反射電子検出器322が配置されていて、ウェハ323の被露光面や、ステージ上のマークで反射される電子の量を検出する。例えば、レチクル310上のマークパターンを通過したビームでウェハ323上のマークを走査し、その際マークから反射される電子を検出することにより、レチクル310とウェハ323との相対的位置関係を知ることができる。
【0045】
ウェハ323は、静電チャック(図には示されていない。)を介して、X、Y方向に移動可能なウェハステージ324上に搭載されている。上記レチクルステージ311とウェハステージ324とを互いに逆の方向に同期走査することにより、投影光学系の視野を越えて広がるチップパターン内の各部を順次露光することができる。なお、ウェハステージ324上にも、上述のレチクルステージ311と同様の位置検出器325が装備されている。
【0046】
上記各レンズ302、303、309、315、319及び各偏向器305、308、316は、各々のコイル電源制御部302a、303a、309a、315a、319a及び305a、308a、316aを介してコントローラ331により制御される。また、レチクルステージ311及びウェハステージ324も、ステージ制御部311a、324aを介して、コントローラ331によって制御される。
【0047】
ステージ位置検出器312、315は、アンプやA/D変換器等を含むインターフェイス312a、325aを介して、コントローラ331に信号を送る。また、反射電子検出器322も、同様のインターフェイス322aを介して、コントローラ331に信号を送る。
【0048】
コントローラ331は、ステージ位置の制御誤差や投影ビームの位置誤差を把握し、その誤差を像位置調整偏向器316で補正する。これにより、レチクル310上のサブフィールドの縮小像がウェハ323上の目標位置に精確に転写される。そして、ウェハ323上で各サブフィールド像がつなぎ合わされて、レチクル上のチップパターン全体がウェハに転写される。
【0049】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明に係る電子線露光用レチクル及び電子線露光用レチクルブランクよると、レチクルの反りを小さくでき、露光装置搭載時のレチクルの歪みを低減することができる。
また、本発明に係る電子線露光方法は、上記のレチクルを用いることにより、レチクルに大きな歪みを生じることなくレチクルを露光装置にチャックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子線露光用レチクルブランクの製造方法を示すレチクルブランクの断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る電子線露光用レチクルブランクの製造方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明の別の実施形態に係る電子線露光用レチクルブランクの製造方法を示すフローチャートである。
【図4】8インチウェハで作製された電子線露光用レチクルブランクを示す平面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る電子線露光方法の光学系全体における結像関係を示す模式図である。
【図6】従来のレチクルの一例を示す図である。
(A) レチクルの断面図である。
(B) レチクルの斜視図である。
【図7】従来の電子線露光用レチクルブランクの製造方法の一例を示すレチクルブランクの断面図である。
【図8】SOIウェハを用いた従来のレチクルブランクの製造方法の一例を示すレチクルブランクの断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン支持基板
2 酸化シリコン層
3 薄膜シリコン層
4 クロム膜
5 レジストパターン
6 ストラット(支柱)
301 電子銃
302、303 コンデンサレンズ
302a、303a 各々302、303のコイル電源制御部
304 矩型開口(照射ビーム形成開口)
305 ブランキング偏向器
305a 305のコイル電源制御部
307 ブランキング開口
308 照明ビーム偏向器
308a 308のコイル電源制御部
309 照明レンズ
309a 309のコイル電源制御部
310 レチクル
311 レチクルステージ
311a 311のコイル電源制御部
312 位置検出器
312a 312のコイル電源制御部
313 SOIウェハ
314 メンブレン部
315、319 投影レンズ
315a、319a 各々315、319のコイル電源制御部
316 位置調整偏向器
316a 316のコイル電源制御部
318 コントラスト開口
322 反射電子検出器
322a 322のコイル電源制御部
323 ウェハ
324 ウェハステージ
324a 324のコイル電源制御部
325 位置検出器
325a 325のコイル電源制御部
331 コントローラ

Claims (6)

  1. 感応基板上に転写すべきデバイスパターンが分割されて形成されている、行列状に配置された複数のメンブレン部と、
    該メンブレン部の片面(裏面)に接続された該メンブレン部を支持する格子状のストラット(支柱)からなる支持基板部と、
    を備える電子線露光用レチクルであって、
    前記メンブレン部から遠い側の前記ストラットの端面に、反り補正材料膜が成膜されていることを特徴とする電子線露光用レチクル。
  2. 感応基板上に転写すべきデバイスパターンが分割されて形成される、行列状に配置された複数のメンブレン部と、
    該メンブレン部の片面(裏面)に接続された該メンブレン部を支持する格子状のストラット(支柱)からなる支持基板部と、
    を備える電子線露光用レチクルブランクであって、
    前記メンブレン部から遠い側の前記ストラットの端面に、反り補正材料膜が成膜されていることを特徴とする電子線露光用レチクルブランク。
  3. 感応基板上に転写すべきデバイスパターンが分割されて形成される、行列状に配置された複数のメンブレン部と、該メンブレン部の片面(裏面)に接続された該メンブレン部を支持する格子状のストラット(支柱)からなる支持基板部と、を備える電子線露光用レチクルブランクの製造方法であって、薄膜シリコン層、酸化シリコン層及びシリコン支持基板が順に積層されたSOIウェハを準備する工程と、
    前記SOIウェハのシリコン支持基板の表面(酸化シリコン層の反対側の面)に金属又はセラミックからなる反り補正材料膜を成膜する工程と、
    前記反り補正材料膜上にレジスト膜を塗布する工程と、
    ストラットを形成する格子状の部分のみを残して、前記レジスト膜をパターニングにより除去し、レジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンをマスクとして、ストラットを形成する格子状の部分のみを残して、前記反り補正材料膜をエッチングにより除去する工程と、
    前記酸化シリコン層をエッチングストッパーとして、前記シリコン支持基板を同様にエッチングにより除去し、格子状のストラットを形成する工程と、
    前記格子状のストラットに囲まれた酸化シリコン層、及び、該ストラットの端面(最外層)のレジストパターンを除去する工程と、
    を有することを特徴とする電子線露光用レチクルブランクの製造方法。
  4. 前記レチクルブランクの完成時点において、前記レチクルブランクの反りがゼロとなるような残留応力を有するように、前記反り補正材料膜の膜厚を成膜時に予め調整することを特徴とする請求項3記載のレチクルブランクの製造方法。
  5. 前記レチクルブランクの完成後に、
    レチクルブランク全体の反りを測定する工程と、
    前記測定の結果、反りがある場合に、前記反り補正材料膜を適当な量エッチングして反りを解消する工程と、
    をさらに有することを特徴とする請求項3記載のレチクルブランクの製造方法。
  6. 感応基板上に転写すべきパターンをレチクル上に形成し、
    該レチクルを電子線で照明し、
    該レチクルを透過した電子線を前記感応基板上に投影・結像させ、
    これにより、前記レチクル上のパターンを前記感応基板に転写する電子線露光方法であって、
    前記レチクルは、前記パターンが分割されて形成されている、行列状に配置された複数のメンブレン部と、該メンブレン部の片面(裏面)に接続された該メンブレン部を支持する格子状のストラット(支柱)からなる支持基板部と、を備え、
    前記メンブレン部から遠い側の前記ストラットの端面に、前記レチクルの反りを補正する材料膜を成膜して前記レチクルの反りをなくすことを特徴とする電子線露光方法。
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