JP2004227696A - ドラムモータおよびアウタロータ型モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】PG信号を生成するための着磁を別途に行うことを不要にし、且つ、周囲の磁界がPG信号の生成のタイミングに与える影響を低減する。
【解決手段】円周方向における長さU1が駆動用磁極13Sの円周方向の長さU2より短い突部2が、軸方向端面12に、磁性体本体1と一体に、円周方向において駆動用磁極13Sの中心の近傍となる位置に形成され、且つ、突部2の面21が回転軸の方向に向くように形成されるとともに、この面21は、突部2の形成位置における駆動用磁極13Sと同じ極性に着磁されている。
【選択図】 図1
【解決手段】円周方向における長さU1が駆動用磁極13Sの円周方向の長さU2より短い突部2が、軸方向端面12に、磁性体本体1と一体に、円周方向において駆動用磁極13Sの中心の近傍となる位置に形成され、且つ、突部2の面21が回転軸の方向に向くように形成されるとともに、この面21は、突部2の形成位置における駆動用磁極13Sと同じ極性に着磁されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動用磁極が着磁された内周面がステータコアと対向するリング状の磁性体と、この磁性体の軸方向端面から発生する磁界を検出する磁気センサとを有するドラムモータおよびアウタロータ型モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカセットレコーダ等に使用されるドラムモータにおいては、回転の位相を検出する必要がある。図8は、本願出願人により提案され、PG信号の生成を可能にするアウタロータ型モータ(第1の従来技術とする)のロータ部の断面を示している。すなわち、この構成においては、回転軸に固着されたロータケース91の内側に、リング状の磁性体92を設けている。そして、図示されないステータコアに対向する内周面95には、駆動用磁極の着磁を行っている。また、リング状の磁性体92の軸方向端面96には、PG信号のための磁極を着磁している。そして、軸方向端面96に着磁されたPG信号のための磁極を、磁気センサ94を用いて検出している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、リング状のゴムマグネットに着磁を行うことによって、内周側の半径方向に磁束を発生する回転子永久磁石を形成するとともに、リング状のゴムマグネットの外周部の1箇所に突出部を形成した従来技術が提案されている(第2の従来技術とする)。すなわち、この技術においては、リング状のゴムマグネットの外周部に、ビデオヘッドの回転位置の検出に用いるPG信号を発生するための着磁を行っている。且つ、円周方向に関しては、回転子永久磁石のN極とS極の境界線に境界が一致するようにPG信号発生のための着磁を行っている。且つ、外周部に現れる回転子永久磁石の極性に、PG信号発生のための着磁の極性を一致させている。さらに、前記した突出部(外周部の1箇所に形成された突出部)については、円周方向における中央位置が、N極とS極の境界線となるようにしている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
登録実用新案3044548号公報
【特許文献2】
実開平1−146782号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら第1の従来技術を用いた場合には、以下に示す問題を生じていた。すなわち、リング状の磁性体92に対しては、内周面95に駆動用磁極を着磁する必要があるとともに、軸方向端面96にもPG信号のための着磁を行う必要がある。このため、着磁工程として、内周面95に着磁を行う工程と軸方向端面96に着磁を行う工程との2つの工程が必要になり、着磁工程が複雑化している。また、軸方向端面96に着磁するためには、内周面に着磁するためのヨークとは別に、専用の着磁ヨークを必要とすることから、治具の数の増加をも招いていた。
【0006】
また、第2の従来技術においても、PG信号発生用磁石のための着磁が必要であるため、回転子永久磁石のための着磁とPG信号発生用磁石のための着磁との2つの着磁工程が必要となり、着磁工程の複雑化を招いている。また、外周部の1箇所に形成された突出部の、円周方向における中央位置を、N極とS極の境界線としているので、PG信号の生成のためには、突出部が磁気センサの近傍を通過するとき、突出部が発生する磁界の極性の反転を検出する必要がある。しかし、磁界の極性が反転する時刻の近傍は、磁束密度が低くなる期間でもある。つまり、磁気の外乱の影響を受けやすい期間ともなっている。従って、突出部が発生する磁界に基づいて生成されたPG信号は、磁気の外乱の影響によって精度が低下しやすいという問題があった。
【0007】
本発明は上記課題を解決するため創案されたものであって、その目的は、PG信号を生成するための着磁を別途に行うことを不要にすることのできるとともに周囲の磁界がPG信号の生成のタイミングに与える影響を低減することのでき、且つ、突部の面への着磁を容易にすることのでき、且つ、PG信号の生成のタイミングを示す磁束の変化を感度よく検出することのでき、且つ、突部が形成されるとともに駆動用磁極が着磁される磁性体を安価なものとすることのできるドラムモータを提供することにある。
【0008】
また本発明の目的は、内周面に駆動用磁極が着磁されたリング状の磁性体の軸方向端面に突部を形成し、この突部の内周面に、形成位置の駆動用磁極と同じ極性の着磁を行うことにより、PG信号を生成するための着磁を別途に行うことを不要にすることのでき、且つ、周囲の磁界がPG信号の生成のタイミングに与える影響を低減することのできるアウタロータ型モータを提供することにある。
【0009】
また上記目的に加え、突部の面のうち、中心側に向く面を、リング状の磁性体の内周面を延長した面とすることにより、突部の面への着磁を容易にすることのできるアウタロータ型モータを提供することにある。
【0010】
また上記目的に加え、磁気センサを、検出方向が円周方向である検出コイルとすることにより、PG信号の生成のタイミングを示す磁束の変化を感度よく検出することのできるアウタロータ型モータを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明に係るドラムモータは、磁気ヘッドを有する回転シリンダが固着された回転軸と、固定部に固着されるとともにステータコイルが巻回され、半径方向への磁界を発生するステータコアと、回転軸に固着され、複数の駆動用磁極が円周方向において等分に着磁された内周面がステータコアと対向するリング状のゴムマグネット本体と、前記ゴムマグネット本体の軸方向端面から発生する磁界を検出する磁気センサとを備え、磁気センサの出力に基づいてPG信号が生成されるドラムモータに適用している。そして、円周方向における長さが駆動用磁極の円周方向の長さより短い突部が、前記軸方向端面にゴムマグネット本体と一体に、円周方向において駆動用磁極の中心の近傍となる位置に形成され、且つ、前記突部の1つの面は、ゴムマグネット本体の内周面を延長した面として形成されるとともに前記突部の形成位置における駆動用磁極と同じ極性に着磁され、磁気センサは、検出方向が円周方向である検出コイルとなっている。
【0012】
すなわち、突部の面のうち、回転軸の方向に向くように形成された面は、ゴムマグネット本体の内周面を延長した面となっている。また、回転軸の方向に向くように形成された面は突部の形成位置における駆動用磁極と同じ極性に着磁すればよい。つまり、ゴムマグネット本体の内周面への着磁において、着磁の範囲を、軸方向において、突部の形成された側に延長するのみで、内周面への着磁と突部への着磁とを同時に行うことができる。また、突部の着磁面の着磁の中心は、駆動用磁極の中心と一致する。従って、突部が発生する磁界強度は強いものとなる。また、中心側からから見た場合、内周面までの距離と、突部の着磁面までの距離とは同一となる。また、検出コイルにおいては、突部が通過するとき、磁界を発する面までの距離が短いので、磁界が強く検出されることになる。このため、検出コイルにおいては、突部が通過するとき、磁界の向きに急速で大きな変化が生じる。従って、検出コイルでもって検出するときでは、出力レベルが大きくなる。また、ゴムマグネット本体は磁性体としては安価である。
【0013】
また本発明に係るアウタロータ型モータは、固定部に固着されるとともにステータコイルが巻回され、半径方向への磁界を発生するステータコアと、回転軸に固着され、複数の駆動用磁極が円周方向において等分に着磁された内周面がステータコアと対向するリング状の磁性体本体と、前記磁性体本体の軸方向端面から発生する磁界を検出する磁気センサとを備え、磁気センサの出力に基づいてPG信号が生成されるアウタロータ型モータに適用している。そして、円周方向における長さが駆動用磁極の円周方向の長さより短い突部が、前記軸方向端面に前記磁性体本体と一体に、円周方向において駆動用磁極の中心の近傍となる位置に形成され、且つ、前記突部の1つの面が回転軸の方向に向くように形成されるとともに前記回転軸の方向を向いた面は、前記突部の形成位置における駆動用磁極と同じ極性に着磁されている。
【0014】
すなわち、突部の面のうち、回転軸の方向に向くように形成された面は、磁性体本体の内周面を延長した面となっている。また、前記面は突部の形成位置における駆動用磁極と同じ極性に着磁すればよい。つまり、磁性体本体の内周面への着磁において、着磁の範囲を、軸方向において、突部の形成された側に延長するのみで、内周面への着磁と突部への着磁とを同時に行うことができる。また、突部の着磁面の着磁の中心は、駆動用磁極の中心と一致する。従って、突部が発生する磁界強度は強いものとなる。
また、磁性体本体の内周面と突部の面とに着磁を行うときには、磁性体本体の軸方向端面と突部の軸方向を向いた面とに着磁が漏れる。この漏れた着磁が磁気センサによって検出される。一方、突部の軸方向を向いた面から磁気センサまでの距離は短く、磁性体本体の軸方向端面から磁気センサまでの距離は長い。また、磁界の強度は発生源までの距離の2乗に反比例する。このため、磁気センサは、突部の軸方向を向いた面から発する磁界を検出するときには、磁性体本体の軸方向端面からの磁界を検出するときに比して、出力レベルが極めて大きくなる。そして、この極めて大きくなった出力レベルからPG信号が生成される。
【0015】
また上記構成に加え、前記突部の前記回転軸の方向を向いた面は、前記磁性体本体の内周面を延長した面となっている。すなわち、中心側からから見た場合、内周面までの距離と、突部の着磁面までの距離とは同一となる。
【0016】
また上記構成に加え、磁気センサは、検出方向が円周方向である検出コイルとなっている。すなわち、検出コイルの近傍位置おいては、突部が通過するとき、磁界の向きに急速な変化が生じる。従って、検出コイルでもって検出するときでは、出力レベルが大きくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例の形態を、図面を参照しつつ説明する。
図3は、本発明に係るアウタロータ型モータを、ビデオカセットレコーダのドラムモータに適用した場合の一実施形態を示す断面図である(回転軸を挟んで対称となっているため、回転軸の一方の側の形状のみを示している)。
【0018】
上下一対の軸受65を介して、固定シリンダ(固定部)62に回転可能に支持された回転軸64の上部側には、回転シリンダ61が固着されている。また、回転シリンダ61には回転ヘッド63が設けられるとともに、回転ヘッド63の出力が、信号線631を介して、回転ヘッド63と一体に回転するロータリトランス66aに導かれている。また、固定シリンダ62の側には、ロータリトランス66aと対となるロータリトランス66bが設けられている。
【0019】
固定シリンダ62の下方には、略円板状の基板4が、図示されない螺子等によって取り付けられている。また、固定シリンダ62と一体に形成された下方円筒部621には、ステータコイル68が巻回され、半径方向に磁界を発生するステータコア67が固着されている。また、回転軸64の下方には、リング状部材69を介して、偏平な有底円筒状のロータケース3が固着されている。そして、このロータケース3の周面の内部側には、複数の駆動用磁極が円周方向において等分に着磁された内周面11がステータコア67と対向するリング状のゴムマグネット本体(磁性体本体)1が取り付けられている。
【0020】
図1は、リング状のゴムマグネット本体に形成された突部を示す外観斜視図、図2は、基板に設けられた磁気センサを示す説明図である。
【0021】
リング状のゴムマグネット本体1の軸方向端面12には、突部2がゴムマグネット本体1と一体に形成されている。なお、この突部2の円周方向における長さU1は、駆動用磁極13N,13Sの円周方向の長さU2の約1/3となっている(1/6〜5/6の範囲することができる)。また、半径方向における長さW1は、ゴムマグネット本体1の半径方向の長さW2の約1/2となっている(1/6〜6/6の範囲とすることができる)。なお、突部2の回転軸64を向いた面21は、ゴムマグネット本体1の内周面11を延長した面となっている。つまり、面21と内周面11とは、段差の無いように形成されている。
【0022】
また、ゴムマグネット本体1の内周面11における着磁は、突部2の形成位置が、駆動用磁極13Sの中央となるように行われている。且つ、面21の着磁の極性は、突部2の形成位置における駆動用磁極13Sの極性と同じ極性(S極)となっている。つまり、ゴムマグネット本体1に対する着磁においては、突部2の面21への着磁と内周面11への着磁とが、1回の着磁工程によって行うことができるようになっている。なお、上記した着磁においては、ゴムマグネット本体1の軸方向端面12と突部2の軸方向を向いた面22とに着磁が漏れる(この漏れた着磁が、後述するように、磁気センサ5によって検出される)。
【0023】
基板4には、ステータコイル68を駆動するための駆動回路(図示を省略)が形成されている。また、PG信号を生成するため、ゴムマグネット本体1の軸方向端面12や突部2の面22から発生する磁界を検出する磁気センサ5が設けられている。なお、この磁気センサ5は、コイルを用いたセンサである検出コイル5となっており、その検出方向は円周に沿った方向となっている。また、その取り付け位置は、図5に示したように、ステータコア67の周方向における中心線671上であって、軸方向端面12に対応した位置(5に示す位置)となっている(この位置の近傍とするときでは、磁気センサ5を検出コイルとする場合に、突部2の通過を最も感度良く検出することができる)。
【0024】
なお、磁気センサ5にはホール素子を用いることもできる。そして、この場合では、磁気センサ5の取り付け位置を、互いに隣接するステータコア67の周方向における中間の線672上であって、軸方向端面12に対応した位置(図5の5aに示す位置)とすることが望ましい(この位置の近傍とするときでは、磁気センサ5をホール素子とする場合に、突部2の通過を最も感度良く検出することができる)。
【0025】
図6は、PG信号生成部の電気的構成を示すブロック線図である。
検出コイル5の出力は、コンデンサCを介して、増幅回路501に導かれている。そして、増幅回路501の出力511は、マイナス入力に基準電圧Thが導かれた比較器502のプラス入力に導かれている。そして、比較器502の出力512は、PG信号として、回転ヘッド63の回転速度を制御するサーボ回路に送出されている。
【0026】
なお、コンデンサCは、検出コイル5と対となって直列共振回路を形成するための素子となっている。且つ、検出コイル5の近傍を突部2が通過するとき、検出コイル5から出力されるピーク波形(図7の511Pにより示す)を形成する周波数成分のみを通過させるとともに、検出コイル5の出力を所定レベルでスライスするためのシュミットアンプを構成するように、コンデンサCの値が決定されている。
【0027】
図4は、突部が検出コイルの近傍を通過するときの突部と検出コイルとの相対的な位置関係の変化を示す説明図である。必要に応じて同図を参照しつつ、実施形態の作用および動作について説明する。
【0028】
ゴムマグネット本体1が回転したため、検出コイル5に対する突部2の相対的な位置関係が、5a,5b,5cと変化したとする。一方、既に述べたように、ゴムマグネット本体1の軸方向端面12と突部2の軸方向を向いた面22とには、駆動用磁極の着磁が漏れ込んでいる。従って、突部2の近傍における磁力線は、突部2の円周方向における中心15を境界として、図における左方部分からは、駆動用磁極13NLとの間に磁力線16Lが形成され、右方部分からは、駆動用磁極13NRとの間に磁力線16Rが形成される。且つ、これらの磁力線16L,16Rは、突部2が磁極の中心であるために、面22の近傍では磁束密度が高くなる。
【0029】
一方、検出コイル5に対する突部2の相対的な位置関係が、5aから5bと変化するときには、検出コイル5によって検出される磁界の向きが急速に反転する。また、既に述べたように、磁力線16L,16Rの磁束密度は高い。且つ、検出コイル5から突部2の面22までの距離はL1と短い。従って、検出コイル5においては、面22から発生する磁界が強く検出される。つまり、突部2が検出コイル5の直下を通過するときには、面22から発生する磁界が強く検出される(検出コイル5によって検出される磁束密度は、距離の2乗に反比例する)。このため、突部2が検出コイル5の直下を通過すると、検出コイル5において検出される磁束密度には、急激で大きい変化が生じる。
【0030】
その一方で、検出コイル5に対する突部2の相対的な位置関係が、例えば、5cとなるとき、等のように、突部2が検出コイル5から離れて位置する場合では、磁界を発生する軸方向端面12から検出コイル5までの距離はL2と長い。従って、駆動用磁極13NRが漏れ込んだ軸方向端面121から発生する磁界は、検出コイル5の取り付け位置においては磁束密度が低くなるので、検出コイル5においては弱く検出されるに過ぎない。
【0031】
その結果、検出コイル5の出力を増幅する増幅回路501から出力される信号は、図7の511に示した変化となる。つまり、突部2が検出コイル5の直下を通過するときには、面22までの距離がL1と短く、磁界が強く検出されるので、急激にレベルが増大するピーク波形511Pが現れる。そして、その他の期間では、軸方向端面12までの距離がL2と長いことから、磁界が弱く検出されるに過ぎないので、緩やかなレベル変化を示すことになる。
【0032】
また、検出コイル5とコンデンサCとからなる直列回路は、ピーク波形511Pの周波数成分を通過させるバンドパスフィルタを形成している。従って、ピーク波形511Pは、より強調される形で、増幅回路501において増幅され、比較器502に出力される。つまり、ピーク波形511PはS/N比のよい信号となる。このため、比較器502の出力512からは、回転ヘッド63が1回転する毎に、ジッタの少ない、良質な、1つのPG信号(PGパルス)Pが出力されることになる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、円周方向における長さが駆動用磁極の円周方向の長さより短い突部が、軸方向端面に、ゴムマグネット本体と一体に、円周方向において前記駆動用磁極の中心の近傍となる位置に形成されている。且つ、前記突部の1つの面は、ゴムマグネット本体の内周面を延長した面として形成されるとともに前記突部の形成位置における駆動用磁極と同じ極性に着磁され、磁気センサは、検出方向が円周方向である検出コイルとなっている。従って、ゴムマグネット本体の内周面への着磁において、着磁の範囲を、軸方向において、突部の形成された側に延長するのみで、内周面への着磁と突部への着磁とを同時に行うことができる。また、突部が発生する磁界強度は強いものとなる。また、中心側からから見た場合、内周面までの距離と、突部の着磁面までの距離とは同一となる。また、検出コイルの近傍位置おいては、突部が通過するとき、磁界の向きに急速な変化が生じる。このため、PG信号を生成するための着磁を別途に行うことを不要にすることができ、且つ、周囲の磁界がPG信号の生成のタイミングに与える影響を低減することができ、且つ、突部の面への着磁を容易にすることができ、且つ、PG信号の生成のタイミングを示す磁束の変化を感度よく検出することができ、且つ、突部が形成されるとともに駆動用磁極が着磁される磁性体を安価なものとすることができる。
【0034】
また本発明では、円周方向における長さが駆動用磁極の円周方向の長さより短い突部が、軸方向端面に、磁性体本体と一体に、円周方向において前記駆動用磁極の中心の近傍となる位置に形成され、且つ、前記突部の1つの面が回転軸の方向に向くように形成されるとともに前記回転軸の方向を向いた面は、前記突部の形成位置における駆動用磁極と同じ極性に着磁されている。従って、リング状の磁性体本体の内周面への着磁において、着磁の範囲を、軸方向において、突部の形成された側に延長するのみで、内周面への着磁と突部への着磁とを同時に行うことができる。また、突部の着磁面の着磁の中心は、駆動用磁極の中心と一致する。従って、突部が発生する磁界強度は強いものとなる。このため、PG信号を生成するための着磁を別途に行うことを不要にすることができるとともに、周囲の磁界がPG信号の生成のタイミングに与える影響を低減することができる。
【0035】
またさらに、前記突部の前記回転軸の方向を向いた面は、磁性体本体の内周面を延長した面となっている。従って、中心側からから見た場合、内周面までの距離と、突部の着磁面までの距離とは同一となるので、突部の中心側を向く面への着磁を容易にすることができる。
【0036】
またさらに、検出コイルの近傍位置おいては、突部が通過するとき、磁界の向きに急速な変化が生じる。従って、検出コイルでもって検出するときでは、出力レベルが大きくなるので、PG信号の生成のタイミングを示す磁束の変化を感度よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアウタロータ型モータ(ドラムモータ)の一実施形態のリング状のゴムマグネット本体に形成された突部を示す外観斜視図である。
【図2】基板に設けられた磁気センサを示す説明図である。
【図3】実施形態を示す断面図である。
【図4】突部近傍の磁力線の様子を示す説明図である。
【図5】軸と直交する面における検出コイルの取り付け位置を示す説明図である。
【図6】検出コイルの出力からPG信号を生成するブロックの電気的構成を示すブロック線図である。
【図7】主要信号の波形を示す説明図である。
【図8】従来技術のリング状の磁性体を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ゴムマグネット本体(磁性体本体)
2 突部
5 検出コイル
11 内周面
12 軸方向端面
13N,13S 駆動用磁極
21 突部における着磁面
61 回転シリンダ
62 固定シリンダ(固定部)
63 回転ヘッド
64 回転軸
67 ステータコア
68 ステータコイル
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動用磁極が着磁された内周面がステータコアと対向するリング状の磁性体と、この磁性体の軸方向端面から発生する磁界を検出する磁気センサとを有するドラムモータおよびアウタロータ型モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカセットレコーダ等に使用されるドラムモータにおいては、回転の位相を検出する必要がある。図8は、本願出願人により提案され、PG信号の生成を可能にするアウタロータ型モータ(第1の従来技術とする)のロータ部の断面を示している。すなわち、この構成においては、回転軸に固着されたロータケース91の内側に、リング状の磁性体92を設けている。そして、図示されないステータコアに対向する内周面95には、駆動用磁極の着磁を行っている。また、リング状の磁性体92の軸方向端面96には、PG信号のための磁極を着磁している。そして、軸方向端面96に着磁されたPG信号のための磁極を、磁気センサ94を用いて検出している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、リング状のゴムマグネットに着磁を行うことによって、内周側の半径方向に磁束を発生する回転子永久磁石を形成するとともに、リング状のゴムマグネットの外周部の1箇所に突出部を形成した従来技術が提案されている(第2の従来技術とする)。すなわち、この技術においては、リング状のゴムマグネットの外周部に、ビデオヘッドの回転位置の検出に用いるPG信号を発生するための着磁を行っている。且つ、円周方向に関しては、回転子永久磁石のN極とS極の境界線に境界が一致するようにPG信号発生のための着磁を行っている。且つ、外周部に現れる回転子永久磁石の極性に、PG信号発生のための着磁の極性を一致させている。さらに、前記した突出部(外周部の1箇所に形成された突出部)については、円周方向における中央位置が、N極とS極の境界線となるようにしている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
登録実用新案3044548号公報
【特許文献2】
実開平1−146782号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら第1の従来技術を用いた場合には、以下に示す問題を生じていた。すなわち、リング状の磁性体92に対しては、内周面95に駆動用磁極を着磁する必要があるとともに、軸方向端面96にもPG信号のための着磁を行う必要がある。このため、着磁工程として、内周面95に着磁を行う工程と軸方向端面96に着磁を行う工程との2つの工程が必要になり、着磁工程が複雑化している。また、軸方向端面96に着磁するためには、内周面に着磁するためのヨークとは別に、専用の着磁ヨークを必要とすることから、治具の数の増加をも招いていた。
【0006】
また、第2の従来技術においても、PG信号発生用磁石のための着磁が必要であるため、回転子永久磁石のための着磁とPG信号発生用磁石のための着磁との2つの着磁工程が必要となり、着磁工程の複雑化を招いている。また、外周部の1箇所に形成された突出部の、円周方向における中央位置を、N極とS極の境界線としているので、PG信号の生成のためには、突出部が磁気センサの近傍を通過するとき、突出部が発生する磁界の極性の反転を検出する必要がある。しかし、磁界の極性が反転する時刻の近傍は、磁束密度が低くなる期間でもある。つまり、磁気の外乱の影響を受けやすい期間ともなっている。従って、突出部が発生する磁界に基づいて生成されたPG信号は、磁気の外乱の影響によって精度が低下しやすいという問題があった。
【0007】
本発明は上記課題を解決するため創案されたものであって、その目的は、PG信号を生成するための着磁を別途に行うことを不要にすることのできるとともに周囲の磁界がPG信号の生成のタイミングに与える影響を低減することのでき、且つ、突部の面への着磁を容易にすることのでき、且つ、PG信号の生成のタイミングを示す磁束の変化を感度よく検出することのでき、且つ、突部が形成されるとともに駆動用磁極が着磁される磁性体を安価なものとすることのできるドラムモータを提供することにある。
【0008】
また本発明の目的は、内周面に駆動用磁極が着磁されたリング状の磁性体の軸方向端面に突部を形成し、この突部の内周面に、形成位置の駆動用磁極と同じ極性の着磁を行うことにより、PG信号を生成するための着磁を別途に行うことを不要にすることのでき、且つ、周囲の磁界がPG信号の生成のタイミングに与える影響を低減することのできるアウタロータ型モータを提供することにある。
【0009】
また上記目的に加え、突部の面のうち、中心側に向く面を、リング状の磁性体の内周面を延長した面とすることにより、突部の面への着磁を容易にすることのできるアウタロータ型モータを提供することにある。
【0010】
また上記目的に加え、磁気センサを、検出方向が円周方向である検出コイルとすることにより、PG信号の生成のタイミングを示す磁束の変化を感度よく検出することのできるアウタロータ型モータを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明に係るドラムモータは、磁気ヘッドを有する回転シリンダが固着された回転軸と、固定部に固着されるとともにステータコイルが巻回され、半径方向への磁界を発生するステータコアと、回転軸に固着され、複数の駆動用磁極が円周方向において等分に着磁された内周面がステータコアと対向するリング状のゴムマグネット本体と、前記ゴムマグネット本体の軸方向端面から発生する磁界を検出する磁気センサとを備え、磁気センサの出力に基づいてPG信号が生成されるドラムモータに適用している。そして、円周方向における長さが駆動用磁極の円周方向の長さより短い突部が、前記軸方向端面にゴムマグネット本体と一体に、円周方向において駆動用磁極の中心の近傍となる位置に形成され、且つ、前記突部の1つの面は、ゴムマグネット本体の内周面を延長した面として形成されるとともに前記突部の形成位置における駆動用磁極と同じ極性に着磁され、磁気センサは、検出方向が円周方向である検出コイルとなっている。
【0012】
すなわち、突部の面のうち、回転軸の方向に向くように形成された面は、ゴムマグネット本体の内周面を延長した面となっている。また、回転軸の方向に向くように形成された面は突部の形成位置における駆動用磁極と同じ極性に着磁すればよい。つまり、ゴムマグネット本体の内周面への着磁において、着磁の範囲を、軸方向において、突部の形成された側に延長するのみで、内周面への着磁と突部への着磁とを同時に行うことができる。また、突部の着磁面の着磁の中心は、駆動用磁極の中心と一致する。従って、突部が発生する磁界強度は強いものとなる。また、中心側からから見た場合、内周面までの距離と、突部の着磁面までの距離とは同一となる。また、検出コイルにおいては、突部が通過するとき、磁界を発する面までの距離が短いので、磁界が強く検出されることになる。このため、検出コイルにおいては、突部が通過するとき、磁界の向きに急速で大きな変化が生じる。従って、検出コイルでもって検出するときでは、出力レベルが大きくなる。また、ゴムマグネット本体は磁性体としては安価である。
【0013】
また本発明に係るアウタロータ型モータは、固定部に固着されるとともにステータコイルが巻回され、半径方向への磁界を発生するステータコアと、回転軸に固着され、複数の駆動用磁極が円周方向において等分に着磁された内周面がステータコアと対向するリング状の磁性体本体と、前記磁性体本体の軸方向端面から発生する磁界を検出する磁気センサとを備え、磁気センサの出力に基づいてPG信号が生成されるアウタロータ型モータに適用している。そして、円周方向における長さが駆動用磁極の円周方向の長さより短い突部が、前記軸方向端面に前記磁性体本体と一体に、円周方向において駆動用磁極の中心の近傍となる位置に形成され、且つ、前記突部の1つの面が回転軸の方向に向くように形成されるとともに前記回転軸の方向を向いた面は、前記突部の形成位置における駆動用磁極と同じ極性に着磁されている。
【0014】
すなわち、突部の面のうち、回転軸の方向に向くように形成された面は、磁性体本体の内周面を延長した面となっている。また、前記面は突部の形成位置における駆動用磁極と同じ極性に着磁すればよい。つまり、磁性体本体の内周面への着磁において、着磁の範囲を、軸方向において、突部の形成された側に延長するのみで、内周面への着磁と突部への着磁とを同時に行うことができる。また、突部の着磁面の着磁の中心は、駆動用磁極の中心と一致する。従って、突部が発生する磁界強度は強いものとなる。
また、磁性体本体の内周面と突部の面とに着磁を行うときには、磁性体本体の軸方向端面と突部の軸方向を向いた面とに着磁が漏れる。この漏れた着磁が磁気センサによって検出される。一方、突部の軸方向を向いた面から磁気センサまでの距離は短く、磁性体本体の軸方向端面から磁気センサまでの距離は長い。また、磁界の強度は発生源までの距離の2乗に反比例する。このため、磁気センサは、突部の軸方向を向いた面から発する磁界を検出するときには、磁性体本体の軸方向端面からの磁界を検出するときに比して、出力レベルが極めて大きくなる。そして、この極めて大きくなった出力レベルからPG信号が生成される。
【0015】
また上記構成に加え、前記突部の前記回転軸の方向を向いた面は、前記磁性体本体の内周面を延長した面となっている。すなわち、中心側からから見た場合、内周面までの距離と、突部の着磁面までの距離とは同一となる。
【0016】
また上記構成に加え、磁気センサは、検出方向が円周方向である検出コイルとなっている。すなわち、検出コイルの近傍位置おいては、突部が通過するとき、磁界の向きに急速な変化が生じる。従って、検出コイルでもって検出するときでは、出力レベルが大きくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例の形態を、図面を参照しつつ説明する。
図3は、本発明に係るアウタロータ型モータを、ビデオカセットレコーダのドラムモータに適用した場合の一実施形態を示す断面図である(回転軸を挟んで対称となっているため、回転軸の一方の側の形状のみを示している)。
【0018】
上下一対の軸受65を介して、固定シリンダ(固定部)62に回転可能に支持された回転軸64の上部側には、回転シリンダ61が固着されている。また、回転シリンダ61には回転ヘッド63が設けられるとともに、回転ヘッド63の出力が、信号線631を介して、回転ヘッド63と一体に回転するロータリトランス66aに導かれている。また、固定シリンダ62の側には、ロータリトランス66aと対となるロータリトランス66bが設けられている。
【0019】
固定シリンダ62の下方には、略円板状の基板4が、図示されない螺子等によって取り付けられている。また、固定シリンダ62と一体に形成された下方円筒部621には、ステータコイル68が巻回され、半径方向に磁界を発生するステータコア67が固着されている。また、回転軸64の下方には、リング状部材69を介して、偏平な有底円筒状のロータケース3が固着されている。そして、このロータケース3の周面の内部側には、複数の駆動用磁極が円周方向において等分に着磁された内周面11がステータコア67と対向するリング状のゴムマグネット本体(磁性体本体)1が取り付けられている。
【0020】
図1は、リング状のゴムマグネット本体に形成された突部を示す外観斜視図、図2は、基板に設けられた磁気センサを示す説明図である。
【0021】
リング状のゴムマグネット本体1の軸方向端面12には、突部2がゴムマグネット本体1と一体に形成されている。なお、この突部2の円周方向における長さU1は、駆動用磁極13N,13Sの円周方向の長さU2の約1/3となっている(1/6〜5/6の範囲することができる)。また、半径方向における長さW1は、ゴムマグネット本体1の半径方向の長さW2の約1/2となっている(1/6〜6/6の範囲とすることができる)。なお、突部2の回転軸64を向いた面21は、ゴムマグネット本体1の内周面11を延長した面となっている。つまり、面21と内周面11とは、段差の無いように形成されている。
【0022】
また、ゴムマグネット本体1の内周面11における着磁は、突部2の形成位置が、駆動用磁極13Sの中央となるように行われている。且つ、面21の着磁の極性は、突部2の形成位置における駆動用磁極13Sの極性と同じ極性(S極)となっている。つまり、ゴムマグネット本体1に対する着磁においては、突部2の面21への着磁と内周面11への着磁とが、1回の着磁工程によって行うことができるようになっている。なお、上記した着磁においては、ゴムマグネット本体1の軸方向端面12と突部2の軸方向を向いた面22とに着磁が漏れる(この漏れた着磁が、後述するように、磁気センサ5によって検出される)。
【0023】
基板4には、ステータコイル68を駆動するための駆動回路(図示を省略)が形成されている。また、PG信号を生成するため、ゴムマグネット本体1の軸方向端面12や突部2の面22から発生する磁界を検出する磁気センサ5が設けられている。なお、この磁気センサ5は、コイルを用いたセンサである検出コイル5となっており、その検出方向は円周に沿った方向となっている。また、その取り付け位置は、図5に示したように、ステータコア67の周方向における中心線671上であって、軸方向端面12に対応した位置(5に示す位置)となっている(この位置の近傍とするときでは、磁気センサ5を検出コイルとする場合に、突部2の通過を最も感度良く検出することができる)。
【0024】
なお、磁気センサ5にはホール素子を用いることもできる。そして、この場合では、磁気センサ5の取り付け位置を、互いに隣接するステータコア67の周方向における中間の線672上であって、軸方向端面12に対応した位置(図5の5aに示す位置)とすることが望ましい(この位置の近傍とするときでは、磁気センサ5をホール素子とする場合に、突部2の通過を最も感度良く検出することができる)。
【0025】
図6は、PG信号生成部の電気的構成を示すブロック線図である。
検出コイル5の出力は、コンデンサCを介して、増幅回路501に導かれている。そして、増幅回路501の出力511は、マイナス入力に基準電圧Thが導かれた比較器502のプラス入力に導かれている。そして、比較器502の出力512は、PG信号として、回転ヘッド63の回転速度を制御するサーボ回路に送出されている。
【0026】
なお、コンデンサCは、検出コイル5と対となって直列共振回路を形成するための素子となっている。且つ、検出コイル5の近傍を突部2が通過するとき、検出コイル5から出力されるピーク波形(図7の511Pにより示す)を形成する周波数成分のみを通過させるとともに、検出コイル5の出力を所定レベルでスライスするためのシュミットアンプを構成するように、コンデンサCの値が決定されている。
【0027】
図4は、突部が検出コイルの近傍を通過するときの突部と検出コイルとの相対的な位置関係の変化を示す説明図である。必要に応じて同図を参照しつつ、実施形態の作用および動作について説明する。
【0028】
ゴムマグネット本体1が回転したため、検出コイル5に対する突部2の相対的な位置関係が、5a,5b,5cと変化したとする。一方、既に述べたように、ゴムマグネット本体1の軸方向端面12と突部2の軸方向を向いた面22とには、駆動用磁極の着磁が漏れ込んでいる。従って、突部2の近傍における磁力線は、突部2の円周方向における中心15を境界として、図における左方部分からは、駆動用磁極13NLとの間に磁力線16Lが形成され、右方部分からは、駆動用磁極13NRとの間に磁力線16Rが形成される。且つ、これらの磁力線16L,16Rは、突部2が磁極の中心であるために、面22の近傍では磁束密度が高くなる。
【0029】
一方、検出コイル5に対する突部2の相対的な位置関係が、5aから5bと変化するときには、検出コイル5によって検出される磁界の向きが急速に反転する。また、既に述べたように、磁力線16L,16Rの磁束密度は高い。且つ、検出コイル5から突部2の面22までの距離はL1と短い。従って、検出コイル5においては、面22から発生する磁界が強く検出される。つまり、突部2が検出コイル5の直下を通過するときには、面22から発生する磁界が強く検出される(検出コイル5によって検出される磁束密度は、距離の2乗に反比例する)。このため、突部2が検出コイル5の直下を通過すると、検出コイル5において検出される磁束密度には、急激で大きい変化が生じる。
【0030】
その一方で、検出コイル5に対する突部2の相対的な位置関係が、例えば、5cとなるとき、等のように、突部2が検出コイル5から離れて位置する場合では、磁界を発生する軸方向端面12から検出コイル5までの距離はL2と長い。従って、駆動用磁極13NRが漏れ込んだ軸方向端面121から発生する磁界は、検出コイル5の取り付け位置においては磁束密度が低くなるので、検出コイル5においては弱く検出されるに過ぎない。
【0031】
その結果、検出コイル5の出力を増幅する増幅回路501から出力される信号は、図7の511に示した変化となる。つまり、突部2が検出コイル5の直下を通過するときには、面22までの距離がL1と短く、磁界が強く検出されるので、急激にレベルが増大するピーク波形511Pが現れる。そして、その他の期間では、軸方向端面12までの距離がL2と長いことから、磁界が弱く検出されるに過ぎないので、緩やかなレベル変化を示すことになる。
【0032】
また、検出コイル5とコンデンサCとからなる直列回路は、ピーク波形511Pの周波数成分を通過させるバンドパスフィルタを形成している。従って、ピーク波形511Pは、より強調される形で、増幅回路501において増幅され、比較器502に出力される。つまり、ピーク波形511PはS/N比のよい信号となる。このため、比較器502の出力512からは、回転ヘッド63が1回転する毎に、ジッタの少ない、良質な、1つのPG信号(PGパルス)Pが出力されることになる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、円周方向における長さが駆動用磁極の円周方向の長さより短い突部が、軸方向端面に、ゴムマグネット本体と一体に、円周方向において前記駆動用磁極の中心の近傍となる位置に形成されている。且つ、前記突部の1つの面は、ゴムマグネット本体の内周面を延長した面として形成されるとともに前記突部の形成位置における駆動用磁極と同じ極性に着磁され、磁気センサは、検出方向が円周方向である検出コイルとなっている。従って、ゴムマグネット本体の内周面への着磁において、着磁の範囲を、軸方向において、突部の形成された側に延長するのみで、内周面への着磁と突部への着磁とを同時に行うことができる。また、突部が発生する磁界強度は強いものとなる。また、中心側からから見た場合、内周面までの距離と、突部の着磁面までの距離とは同一となる。また、検出コイルの近傍位置おいては、突部が通過するとき、磁界の向きに急速な変化が生じる。このため、PG信号を生成するための着磁を別途に行うことを不要にすることができ、且つ、周囲の磁界がPG信号の生成のタイミングに与える影響を低減することができ、且つ、突部の面への着磁を容易にすることができ、且つ、PG信号の生成のタイミングを示す磁束の変化を感度よく検出することができ、且つ、突部が形成されるとともに駆動用磁極が着磁される磁性体を安価なものとすることができる。
【0034】
また本発明では、円周方向における長さが駆動用磁極の円周方向の長さより短い突部が、軸方向端面に、磁性体本体と一体に、円周方向において前記駆動用磁極の中心の近傍となる位置に形成され、且つ、前記突部の1つの面が回転軸の方向に向くように形成されるとともに前記回転軸の方向を向いた面は、前記突部の形成位置における駆動用磁極と同じ極性に着磁されている。従って、リング状の磁性体本体の内周面への着磁において、着磁の範囲を、軸方向において、突部の形成された側に延長するのみで、内周面への着磁と突部への着磁とを同時に行うことができる。また、突部の着磁面の着磁の中心は、駆動用磁極の中心と一致する。従って、突部が発生する磁界強度は強いものとなる。このため、PG信号を生成するための着磁を別途に行うことを不要にすることができるとともに、周囲の磁界がPG信号の生成のタイミングに与える影響を低減することができる。
【0035】
またさらに、前記突部の前記回転軸の方向を向いた面は、磁性体本体の内周面を延長した面となっている。従って、中心側からから見た場合、内周面までの距離と、突部の着磁面までの距離とは同一となるので、突部の中心側を向く面への着磁を容易にすることができる。
【0036】
またさらに、検出コイルの近傍位置おいては、突部が通過するとき、磁界の向きに急速な変化が生じる。従って、検出コイルでもって検出するときでは、出力レベルが大きくなるので、PG信号の生成のタイミングを示す磁束の変化を感度よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアウタロータ型モータ(ドラムモータ)の一実施形態のリング状のゴムマグネット本体に形成された突部を示す外観斜視図である。
【図2】基板に設けられた磁気センサを示す説明図である。
【図3】実施形態を示す断面図である。
【図4】突部近傍の磁力線の様子を示す説明図である。
【図5】軸と直交する面における検出コイルの取り付け位置を示す説明図である。
【図6】検出コイルの出力からPG信号を生成するブロックの電気的構成を示すブロック線図である。
【図7】主要信号の波形を示す説明図である。
【図8】従来技術のリング状の磁性体を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ゴムマグネット本体(磁性体本体)
2 突部
5 検出コイル
11 内周面
12 軸方向端面
13N,13S 駆動用磁極
21 突部における着磁面
61 回転シリンダ
62 固定シリンダ(固定部)
63 回転ヘッド
64 回転軸
67 ステータコア
68 ステータコイル
Claims (4)
- 磁気ヘッドを有する回転シリンダが固着された回転軸と、
固定部に固着されるとともにステータコイルが巻回され、半径方向への磁界を発生するステータコアと、
複数の駆動用磁極が円周方向において等分に着磁された内周面がステータコアに対向するとともに回転軸に固着されたリング状のゴムマグネット本体と、
ゴムマグネット本体の軸方向端面から発生する磁界を検出する磁気センサとを備え、
磁気センサの出力に基づいてPG信号が生成されるドラムモータにおいて、
円周方向における長さが駆動用磁極の円周方向の長さより短い突部が、前記軸方向端面にゴムマグネット本体と一体に、円周方向において駆動用磁極の中心の近傍となる位置に形成され、
且つ、前記突部の1つの面は、ゴムマグネット本体の内周面を延長した面として形成されるとともに前記突部の形成位置における駆動用磁極の極性と同じ極性に着磁され、
磁気センサは、検出方向が円周方向である検出コイルであることを特徴とするドラムモータ。 - 固定部に固着されるとともにステータコイルが巻回され、半径方向への磁界を発生するステータコアと、
複数の駆動用磁極が円周方向において等分に着磁された内周面がステータコアに対向するとともに回転軸に固着されたリング状の磁性体本体と、
前記磁性体本体の軸方向端面から発生する磁界を検出する磁気センサとを備え、
磁気センサの出力に基づいてPG信号が生成されるアウタロータ型モータにおいて、
円周方向における長さが駆動用磁極の円周方向の長さより短い突部が、前記軸方向端面に前記磁性体本体と一体に、円周方向において前記駆動用磁極の中心の近傍となる位置に形成され、
且つ、前記突部の1つの面が回転軸の方向に向くように形成されるとともに前記回転軸の方向を向いた面は、前記突部の形成位置における駆動用磁極の極性と同じ極性に着磁されていることを特徴とするアウタロータ型モータ。 - 前記突部の前記回転軸の方向を向いた面は、前記磁性体本体の内周面を延長した面であることを特徴とする請求項2記載のアウタロータ型モータ。
- 磁気センサは、検出方向が円周方向である検出コイルであることを特徴とする請求項2または請求項3記載のアウタロータ型モータ。
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