JP2004226513A - マルチディスプレイ映像表示システム - Google Patents
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Abstract
【課題】各表示ディスプレイにおける表示の明るさを迅速に制御できるマルチディスプレイ映像表示システムを提供する。
【解決手段】複数の表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄと表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄ各々に対応した映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄとを備え、複数の映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄを用いて単一の画像を表示するマルチディスプレイ映像表示システムである。映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄ各々において、同一の原画像の映像信号を受けて表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄ各々に対応して分割し、分割表示信号を生成するとともに、同一の原画像の映像信号を受けて分割前の映像信号に基づく平均輝度レベルおよび分割された映像信号各々に対する平均輝度レベルを取得する。さらに、取得された平均輝度レベルの内の１つを選択し表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄに供給する。表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄは映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄから供給される平均輝度レベルに基づいて表示の明るさを制御する。
【選択図】 図１
【解決手段】複数の表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄと表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄ各々に対応した映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄとを備え、複数の映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄを用いて単一の画像を表示するマルチディスプレイ映像表示システムである。映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄ各々において、同一の原画像の映像信号を受けて表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄ各々に対応して分割し、分割表示信号を生成するとともに、同一の原画像の映像信号を受けて分割前の映像信号に基づく平均輝度レベルおよび分割された映像信号各々に対する平均輝度レベルを取得する。さらに、取得された平均輝度レベルの内の１つを選択し表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄに供給する。表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄは映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄから供給される平均輝度レベルに基づいて表示の明るさを制御する。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の表示ディスプレイを用いて単一の画像を表示するマルチディスプレイ映像表示システムに関し、とくに表示ディスプレイの明るさを適切かつ迅速に制御できるマルチディスプレイ映像表示システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
複数の表示ディスプレイを用いて大画面を構成し、その画面に単一の画像を拡大表示するシステムが知られている。一方、このようなシステムに適切なディスプレイとして、プラズマディスプレイパネルを用いたものがある。
【０００３】
プラズマディスプレイパネルでは、パネルの寿命や温度を管理するために平均輝度レベルに基づく表示の明るさを制御することが望ましく、上記システムにおいても大画面を構成する個々のプラズマディスプレイパネルにおける表示の明るさを制御することが望ましい。
【０００４】
複数のプラズマディスプレイパネルを組み合わせた上記システムにおいて、個々のパネルにおける表示の明るさを制御する技術として、個々のプラズマディスプレイパネルに表示すべき映像の平均輝度レベルを取得し、この平均輝度レベルに基づいて各パネルにおける表示の明るさを制御するようにしたものが知られている（例えば、特許文献１〜３参照。）。
【特許文献１】
特開平８−２０５０５６号公報
【特許文献２】
特開平９−４６６１８号公報
【特許文献３】
特開平１０−１２４００３号公報
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に開示された技術では、個々のパネルに表示すべき映像の平均輝度レベルに基づいて、当該個々のパネルにおける表示の明るさを制御しているため、各パネルの明るさのばらつきを抑制するために個々のパネルを駆動するための制御装置間における情報のやりとりが必要となる。このため、平均輝度レベルに応じて表示の明るさを迅速に制御することが困難になるという問題がある。
【０００６】
本発明は、各表示ディスプレイにおける表示の明るさを迅速に制御できるマルチディスプレイ映像表示システムを提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載のマルチディスプレイ映像表示システムは、複数の表示ディスプレイと前記表示ディスプレイ各々に対応した映像信号処理部とを備え、前記複数の表示ディスプレイを用いて単一の画像を表示するマルチディスプレイ映像表示システムにおいて、前記映像信号処理部各々は、同一の原画像の映像信号を受けて前記映像信号を前記表示ディスプレイ各々に対応して分割し、分割表示信号を生成する生成部と、前記同一の原画像の映像信号を受けて分割前の前記映像信号に基づく第１平均輝度レベルを取得すると共に、分割された映像信号各々に対する第２平均輝度レベルを取得する平均輝度レベル取得部と、前記第１平均輝度レベルおよび複数の前記第２平均輝度レベルの内の１つを選択し前記表示ディスプレイに供給する平均輝度レベル設定部と、を備え、前記表示ディスプレイ各々は、前記映像信号処理部から供給される平均輝度レベルに基づいて表示の明るさを制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、図１を参照して、本発明によるマルチディスプレイ映像表示システムの一実施形態について説明する。図１は本実施形態のマルチディスプレイ映像表示システムを示すブロック図である。
【０００９】
図１に示すように、本実施形態のマルチディスプレイ映像表示システム１００は、第１〜第４の映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄと、映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄから出力された映像信号をそれぞれ受ける第１〜第４の表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄと、を備える。
【００１０】
第１の映像信号処理ユニット１０Ａは、原画像の映像信号を受けて分割画像の拡大画像または縮小画像の映像信号を生成する分割拡大縮小部１１と、入力された原画像全体の平均輝度レベル（ＡＰＬ）値を取得するとともに、分割された４つの画像の平均輝度レベル値をそれぞれ取得するＡＰＬ取得部１２と、ＡＰＬ取得部１２において取得された５つの平均輝度レベル値のうち、所定の平均輝度レベル値を選択するＡＰＬ値設定部１４と、第１の映像信号処理ユニット１０Ａの各部を制御する制御部１５と、を備える。分割拡大縮小部１１は、ｎ×ｍ個のマルチディスプレイ表示に広く対応可能に構成される。このため、ディスプレイの個数に対応した個数の映像信号処理ユニットを使用することにより、本実施形態として示す２×２面マルチディスプレイ表示に限らず、３×３面マルチディスプレイ表示、１×３面マルチディスプレイ表示などを実行することができる。
【００１１】
第２〜第４の映像信号処理ユニット１０Ｂ〜１０Ｄは、それぞれ第１の映像信号処理ユニット１０Ａと同様に構成されている。
【００１２】
第１の表示ユニット２０Ａは、第１の映像信号処理ユニット１０Ａから出力された映像信号を受けるパネル制御部２１と、パネル制御部２１から出力された信号に基づいて駆動パルスを生成するドライバ２２と、ドライバ２２によって駆動される第１のプラズマディスプレイパネル２３Ａと、を備える。
【００１３】
第２〜第４の表示ユニット２０Ｂ〜２０Ｄは、第１の表示ユニット２０Ａと同様、パネル制御部２１およびドライバ２２をそれぞれ備える。
【００１４】
また、第２〜第４の表示ユニット２０Ｂ〜２０Ｄは、それぞれ第２〜第４のプラズマディスプレイパネル２３Ｂ〜２３Ｄを備える。
【００１５】
図１に示すように、第１〜第４のプラズマディスプレイパネル２３Ａ〜２３Ｄは、２行２列となる配置方法で互いに連続するように配置される。各プラズマディスプレイパネルには、表示すべき単一の画像を４分割したそれぞれの画像が表示され、４枚のプラズマディスプレイパネル２３Ａ〜２３Ｄによって全体として１つの画像（上記単一の画像）が表示される。図１に示す例では、単一の画像のうち、第１のプラズマディスプレイパネル２３Ａが左上の領域を、第２のプラズマディスプレイパネル２３Ｂが右上の領域を、第３のプラズマディスプレイパネル２３Ｃが左下の領域を、第４のプラズマディスプレイパネル２３Ｄが右下の領域を、それぞれ受け持っている。
【００１６】
次に、本実施形態のマルチディスプレイ映像表示システム１００の動作について説明する。
【００１７】
図１に示すように、第１〜第４の映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄの各々には、単一の画像である原画像の映像信号および分割パターン指示信号が与えられる。原画像の映像信号は分割拡大縮小部１１およびＡＰＬ取得部１２に、分割パターン指示信号は制御部１５に、それぞれ入力される。
【００１８】
分割パターン指示信号には、ｎ×ｍ個のマルチディスプレイ表示を実行するために必要な情報である、ｎの値、ｍの値が含まれる。例えば、図１に示す場合、第１の映像信号処理ユニット１０Ａに与えられる分割パターン指示信号には、ｎ＝２、ｍ＝２であることを示す情報が含まれる。
【００１９】
また、分割パターン指示信号には、第１〜第４の映像信号処理ユニット２０Ａ〜２０ＤのＡＰＬ値設定部１４で選択されるＡＰＬ値を指定するための指令が含まれる。ＡＰＬ値の指定については後述する。
【００２０】
各映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄの分割拡大縮小部１１では、入力された単一の画像の映像信号に基づいて、対応する分割画面の映像信号を生成する。各映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄの分割拡大縮小部１１には、制御部１５から生成すべき画像の分割領域が指示される。例えば、第１の映像信号処理ユニット１０Ａでは、制御部１５から分割拡大縮小部１１に向けて、生成すべき分割画像の領域は左上の領域である旨の指示が送出される。分割拡大縮小部１１は、制御部１５からの指示に従って原画像から所定の領域の分割画像を抽出するとともに、抽出された分割画像を対応するプラズマディスプレイパネル２３Ａ〜２３Ｄに表示するために適切なサイズに拡大あるいは縮小し、分割画像の映像信号として対応する表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄに向けて出力する。
【００２１】
各映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０ＤのＡＰＬ取得部１２では、原画像の映像信号に基づいて原画像の平均輝度値をリアルタイムに算出する。また、ＡＰＬ取得部１２では、すべての分割画像（図１の場合では４つの分割画像）について、それぞれの平均輝度値をリアルタイムに算出する。
【００２２】
ＡＰＬ値設定部１４では、制御部１５からの指示に従ってＡＰＬ取得部１２で算出された５つのＡＰＬ値のうち、１つのＡＰＬ値を選択する。制御部１５からの指示は、上述した分割パターン指示信号に含まれるＡＰＬ値を指定するための指令に基づくものである。この指令の内容としては、４つの分割画像の平均輝度値から最大値を選択する指示を指令するものでもよいし、原画像の平均輝度値を選択する指示を指令するものでもよい。すべての映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄに対して共通の指令が与えられ、したがって、すべての映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄから同一の平均輝度レベル値が出力される。指令に従って選択された平均輝度レベル値は、各映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０ＤのＡＰＬ値設定部１４から、対応する各表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄに向けて出力される。
【００２３】
表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄの各パネル制御部２１は、対応する映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄから受け取った平均輝度レベル値に基づいて分割画像の輝度を調整する。表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄの各ドライバ２２は、各パネル制御部２１から出力された映像信号に従って各プラズマディスプレイパネル２３Ａ〜２３Ｄを駆動する。
【００２４】
パネル制御部２１では、プラズマディスプレイパネル２３Ａ〜２３Ｄにおける表示画像の明るさを入力される平均輝度値に応じて制御する。パネル制御部２１では、サステインパルス（発光維持パルス）の数を制御することによりプラズマディスプレイパネル２３Ａ〜２３Ｄにおける表示画面の明るさを制御している。平均輝度レベル値が高い場合には、ドライバ２２から出力されるサステインパルスの数を減らすことにより、表示画面の明るさを抑制することができる。例えば、消費電力が所定値以下に収まるように、１画面を構成する映像信号の平均輝度レベルに応じて１画面を表示するのに用いる総サステインパルス数を制御する。
【００２５】
上記のように、すべての表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄに同一の平均輝度値が与えられるとともに、すべての表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄにおいて同一方法で輝度を制御するので、プラズマディスプレイパネル２３Ａ〜２３Ｄごとの輝度調整のばらつきは発生しない。
【００２６】
このように、本実施形態のマルチディスプレイ映像表示システム１００では、原画像あるいは分割画像の平均輝度レベル値を取得し、このデータを用いて各表示ユニット２０において拡大画像の映像信号のレベルを制御するようにしている。このため、表示ユニット２０間における情報のやりとりをしなくても、各ディスプレイパネルにおける表示の明るさのばらつきを防止することができ、しかも取得された平均輝度レベルを表示画像の明るさ制御に迅速に反映させることができる。
【００２７】
また、表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄに対し、分割画像の平均輝度値の内の最大値を選択する場合には、すべてのプラズマディスプレイパネル２３Ａ〜２３Ｄの表示輝度を確実に抑制できるという利点がある。例えば、プラズマディスプレイパネルに表示すべき画像の輝度に差がある場合、原画像の平均輝度に基づいて各プラズマディスプレイの輝度を制御すると、特定のプラズマディスプレイパネルの輝度が不用意に高くなるおそれがある。しかし、分割画像の平均輝度の内の最大値に基づいて輝度の制御を実行する場合には、最も明るく発光するプラズマディスプレイパネルの輝度を常に適切に抑制することが可能となる。したがって、この場合には、各プラズマディスプレイパネルの寿命や温度をより的確に管理することができる。
【００２８】
以上説明したように、本実施形態では、映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄ各々は、同一の原画像の映像信号を受けて映像信号を表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄ各々に対応して分割し、分割表示信号を生成する分割拡大縮小部１１と、同一の原画像の映像信号を受けて分割前の映像信号に基づく平均輝度レベルを取得すると共に、分割された映像信号各々に対する平均輝度レベルを取得するＡＰＬ取得部１２と、ＡＰＬ取得部１２で取得された平均輝度レベルの内の１つを選択し表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄに供給するＡＰＬ設定部１４と、を備え、表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄ各々は、映像信号処理ユニット２０Ａ〜２０Ｄから供給される平均輝度レベルに基づいて表示の明るさを制御するパネル制御部２１を備える。このため、各ディスプレイパネルにおける表示の明るさのばらつきを防止することができ、しかも取得された平均輝度レベルを表示画像の明るさ制御に迅速に反映させることができるので、マルチディスプレイ表示の表示品質を向上させることができる。
【００２９】
上記実施形態では、プラズマディスプレイパネルを用いたシステムについて説明したが、本発明は他のディスプレイを用いたマルチディスプレイ映像表示システムにも適用できる。
【００３０】
上記実施形態および特許請求の範囲の記載に関し、映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄは「映像信号処理部」に、分割拡大縮小部１１は「生成部」に、ＡＰＬ取得部１２は「平均輝度レベル取得部」に、ＡＰＬ設定部１４は「平均輝度レベル設定部」に、表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄは「表示ディスプレイ」に、パネル制御部２１は「制御手段」に、それぞれ対応する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本実施形態のマルチディスプレイ映像表示システムを示すブロック図。
【符号の説明】
１０Ａ〜１０Ｄ 映像信号処理ユニット（映像信号処理部）
１１ 分割拡大縮小部（生成部）
１２ ＡＰＬ取得部（平均輝度レベル取得部）
１４ ＡＰＬ設定部（平均輝度レベル設定部）
２０Ａ〜２０Ｄ 表示ユニット（表示ディスプレイ）
２１ パネル制御部（制御手段）
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の表示ディスプレイを用いて単一の画像を表示するマルチディスプレイ映像表示システムに関し、とくに表示ディスプレイの明るさを適切かつ迅速に制御できるマルチディスプレイ映像表示システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
複数の表示ディスプレイを用いて大画面を構成し、その画面に単一の画像を拡大表示するシステムが知られている。一方、このようなシステムに適切なディスプレイとして、プラズマディスプレイパネルを用いたものがある。
【０００３】
プラズマディスプレイパネルでは、パネルの寿命や温度を管理するために平均輝度レベルに基づく表示の明るさを制御することが望ましく、上記システムにおいても大画面を構成する個々のプラズマディスプレイパネルにおける表示の明るさを制御することが望ましい。
【０００４】
複数のプラズマディスプレイパネルを組み合わせた上記システムにおいて、個々のパネルにおける表示の明るさを制御する技術として、個々のプラズマディスプレイパネルに表示すべき映像の平均輝度レベルを取得し、この平均輝度レベルに基づいて各パネルにおける表示の明るさを制御するようにしたものが知られている（例えば、特許文献１〜３参照。）。
【特許文献１】
特開平８−２０５０５６号公報
【特許文献２】
特開平９−４６６１８号公報
【特許文献３】
特開平１０−１２４００３号公報
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に開示された技術では、個々のパネルに表示すべき映像の平均輝度レベルに基づいて、当該個々のパネルにおける表示の明るさを制御しているため、各パネルの明るさのばらつきを抑制するために個々のパネルを駆動するための制御装置間における情報のやりとりが必要となる。このため、平均輝度レベルに応じて表示の明るさを迅速に制御することが困難になるという問題がある。
【０００６】
本発明は、各表示ディスプレイにおける表示の明るさを迅速に制御できるマルチディスプレイ映像表示システムを提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載のマルチディスプレイ映像表示システムは、複数の表示ディスプレイと前記表示ディスプレイ各々に対応した映像信号処理部とを備え、前記複数の表示ディスプレイを用いて単一の画像を表示するマルチディスプレイ映像表示システムにおいて、前記映像信号処理部各々は、同一の原画像の映像信号を受けて前記映像信号を前記表示ディスプレイ各々に対応して分割し、分割表示信号を生成する生成部と、前記同一の原画像の映像信号を受けて分割前の前記映像信号に基づく第１平均輝度レベルを取得すると共に、分割された映像信号各々に対する第２平均輝度レベルを取得する平均輝度レベル取得部と、前記第１平均輝度レベルおよび複数の前記第２平均輝度レベルの内の１つを選択し前記表示ディスプレイに供給する平均輝度レベル設定部と、を備え、前記表示ディスプレイ各々は、前記映像信号処理部から供給される平均輝度レベルに基づいて表示の明るさを制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、図１を参照して、本発明によるマルチディスプレイ映像表示システムの一実施形態について説明する。図１は本実施形態のマルチディスプレイ映像表示システムを示すブロック図である。
【０００９】
図１に示すように、本実施形態のマルチディスプレイ映像表示システム１００は、第１〜第４の映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄと、映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄから出力された映像信号をそれぞれ受ける第１〜第４の表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄと、を備える。
【００１０】
第１の映像信号処理ユニット１０Ａは、原画像の映像信号を受けて分割画像の拡大画像または縮小画像の映像信号を生成する分割拡大縮小部１１と、入力された原画像全体の平均輝度レベル（ＡＰＬ）値を取得するとともに、分割された４つの画像の平均輝度レベル値をそれぞれ取得するＡＰＬ取得部１２と、ＡＰＬ取得部１２において取得された５つの平均輝度レベル値のうち、所定の平均輝度レベル値を選択するＡＰＬ値設定部１４と、第１の映像信号処理ユニット１０Ａの各部を制御する制御部１５と、を備える。分割拡大縮小部１１は、ｎ×ｍ個のマルチディスプレイ表示に広く対応可能に構成される。このため、ディスプレイの個数に対応した個数の映像信号処理ユニットを使用することにより、本実施形態として示す２×２面マルチディスプレイ表示に限らず、３×３面マルチディスプレイ表示、１×３面マルチディスプレイ表示などを実行することができる。
【００１１】
第２〜第４の映像信号処理ユニット１０Ｂ〜１０Ｄは、それぞれ第１の映像信号処理ユニット１０Ａと同様に構成されている。
【００１２】
第１の表示ユニット２０Ａは、第１の映像信号処理ユニット１０Ａから出力された映像信号を受けるパネル制御部２１と、パネル制御部２１から出力された信号に基づいて駆動パルスを生成するドライバ２２と、ドライバ２２によって駆動される第１のプラズマディスプレイパネル２３Ａと、を備える。
【００１３】
第２〜第４の表示ユニット２０Ｂ〜２０Ｄは、第１の表示ユニット２０Ａと同様、パネル制御部２１およびドライバ２２をそれぞれ備える。
【００１４】
また、第２〜第４の表示ユニット２０Ｂ〜２０Ｄは、それぞれ第２〜第４のプラズマディスプレイパネル２３Ｂ〜２３Ｄを備える。
【００１５】
図１に示すように、第１〜第４のプラズマディスプレイパネル２３Ａ〜２３Ｄは、２行２列となる配置方法で互いに連続するように配置される。各プラズマディスプレイパネルには、表示すべき単一の画像を４分割したそれぞれの画像が表示され、４枚のプラズマディスプレイパネル２３Ａ〜２３Ｄによって全体として１つの画像（上記単一の画像）が表示される。図１に示す例では、単一の画像のうち、第１のプラズマディスプレイパネル２３Ａが左上の領域を、第２のプラズマディスプレイパネル２３Ｂが右上の領域を、第３のプラズマディスプレイパネル２３Ｃが左下の領域を、第４のプラズマディスプレイパネル２３Ｄが右下の領域を、それぞれ受け持っている。
【００１６】
次に、本実施形態のマルチディスプレイ映像表示システム１００の動作について説明する。
【００１７】
図１に示すように、第１〜第４の映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄの各々には、単一の画像である原画像の映像信号および分割パターン指示信号が与えられる。原画像の映像信号は分割拡大縮小部１１およびＡＰＬ取得部１２に、分割パターン指示信号は制御部１５に、それぞれ入力される。
【００１８】
分割パターン指示信号には、ｎ×ｍ個のマルチディスプレイ表示を実行するために必要な情報である、ｎの値、ｍの値が含まれる。例えば、図１に示す場合、第１の映像信号処理ユニット１０Ａに与えられる分割パターン指示信号には、ｎ＝２、ｍ＝２であることを示す情報が含まれる。
【００１９】
また、分割パターン指示信号には、第１〜第４の映像信号処理ユニット２０Ａ〜２０ＤのＡＰＬ値設定部１４で選択されるＡＰＬ値を指定するための指令が含まれる。ＡＰＬ値の指定については後述する。
【００２０】
各映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄの分割拡大縮小部１１では、入力された単一の画像の映像信号に基づいて、対応する分割画面の映像信号を生成する。各映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄの分割拡大縮小部１１には、制御部１５から生成すべき画像の分割領域が指示される。例えば、第１の映像信号処理ユニット１０Ａでは、制御部１５から分割拡大縮小部１１に向けて、生成すべき分割画像の領域は左上の領域である旨の指示が送出される。分割拡大縮小部１１は、制御部１５からの指示に従って原画像から所定の領域の分割画像を抽出するとともに、抽出された分割画像を対応するプラズマディスプレイパネル２３Ａ〜２３Ｄに表示するために適切なサイズに拡大あるいは縮小し、分割画像の映像信号として対応する表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄに向けて出力する。
【００２１】
各映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０ＤのＡＰＬ取得部１２では、原画像の映像信号に基づいて原画像の平均輝度値をリアルタイムに算出する。また、ＡＰＬ取得部１２では、すべての分割画像（図１の場合では４つの分割画像）について、それぞれの平均輝度値をリアルタイムに算出する。
【００２２】
ＡＰＬ値設定部１４では、制御部１５からの指示に従ってＡＰＬ取得部１２で算出された５つのＡＰＬ値のうち、１つのＡＰＬ値を選択する。制御部１５からの指示は、上述した分割パターン指示信号に含まれるＡＰＬ値を指定するための指令に基づくものである。この指令の内容としては、４つの分割画像の平均輝度値から最大値を選択する指示を指令するものでもよいし、原画像の平均輝度値を選択する指示を指令するものでもよい。すべての映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄに対して共通の指令が与えられ、したがって、すべての映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄから同一の平均輝度レベル値が出力される。指令に従って選択された平均輝度レベル値は、各映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０ＤのＡＰＬ値設定部１４から、対応する各表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄに向けて出力される。
【００２３】
表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄの各パネル制御部２１は、対応する映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄから受け取った平均輝度レベル値に基づいて分割画像の輝度を調整する。表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄの各ドライバ２２は、各パネル制御部２１から出力された映像信号に従って各プラズマディスプレイパネル２３Ａ〜２３Ｄを駆動する。
【００２４】
パネル制御部２１では、プラズマディスプレイパネル２３Ａ〜２３Ｄにおける表示画像の明るさを入力される平均輝度値に応じて制御する。パネル制御部２１では、サステインパルス（発光維持パルス）の数を制御することによりプラズマディスプレイパネル２３Ａ〜２３Ｄにおける表示画面の明るさを制御している。平均輝度レベル値が高い場合には、ドライバ２２から出力されるサステインパルスの数を減らすことにより、表示画面の明るさを抑制することができる。例えば、消費電力が所定値以下に収まるように、１画面を構成する映像信号の平均輝度レベルに応じて１画面を表示するのに用いる総サステインパルス数を制御する。
【００２５】
上記のように、すべての表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄに同一の平均輝度値が与えられるとともに、すべての表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄにおいて同一方法で輝度を制御するので、プラズマディスプレイパネル２３Ａ〜２３Ｄごとの輝度調整のばらつきは発生しない。
【００２６】
このように、本実施形態のマルチディスプレイ映像表示システム１００では、原画像あるいは分割画像の平均輝度レベル値を取得し、このデータを用いて各表示ユニット２０において拡大画像の映像信号のレベルを制御するようにしている。このため、表示ユニット２０間における情報のやりとりをしなくても、各ディスプレイパネルにおける表示の明るさのばらつきを防止することができ、しかも取得された平均輝度レベルを表示画像の明るさ制御に迅速に反映させることができる。
【００２７】
また、表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄに対し、分割画像の平均輝度値の内の最大値を選択する場合には、すべてのプラズマディスプレイパネル２３Ａ〜２３Ｄの表示輝度を確実に抑制できるという利点がある。例えば、プラズマディスプレイパネルに表示すべき画像の輝度に差がある場合、原画像の平均輝度に基づいて各プラズマディスプレイの輝度を制御すると、特定のプラズマディスプレイパネルの輝度が不用意に高くなるおそれがある。しかし、分割画像の平均輝度の内の最大値に基づいて輝度の制御を実行する場合には、最も明るく発光するプラズマディスプレイパネルの輝度を常に適切に抑制することが可能となる。したがって、この場合には、各プラズマディスプレイパネルの寿命や温度をより的確に管理することができる。
【００２８】
以上説明したように、本実施形態では、映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄ各々は、同一の原画像の映像信号を受けて映像信号を表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄ各々に対応して分割し、分割表示信号を生成する分割拡大縮小部１１と、同一の原画像の映像信号を受けて分割前の映像信号に基づく平均輝度レベルを取得すると共に、分割された映像信号各々に対する平均輝度レベルを取得するＡＰＬ取得部１２と、ＡＰＬ取得部１２で取得された平均輝度レベルの内の１つを選択し表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄに供給するＡＰＬ設定部１４と、を備え、表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄ各々は、映像信号処理ユニット２０Ａ〜２０Ｄから供給される平均輝度レベルに基づいて表示の明るさを制御するパネル制御部２１を備える。このため、各ディスプレイパネルにおける表示の明るさのばらつきを防止することができ、しかも取得された平均輝度レベルを表示画像の明るさ制御に迅速に反映させることができるので、マルチディスプレイ表示の表示品質を向上させることができる。
【００２９】
上記実施形態では、プラズマディスプレイパネルを用いたシステムについて説明したが、本発明は他のディスプレイを用いたマルチディスプレイ映像表示システムにも適用できる。
【００３０】
上記実施形態および特許請求の範囲の記載に関し、映像信号処理ユニット１０Ａ〜１０Ｄは「映像信号処理部」に、分割拡大縮小部１１は「生成部」に、ＡＰＬ取得部１２は「平均輝度レベル取得部」に、ＡＰＬ設定部１４は「平均輝度レベル設定部」に、表示ユニット２０Ａ〜２０Ｄは「表示ディスプレイ」に、パネル制御部２１は「制御手段」に、それぞれ対応する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本実施形態のマルチディスプレイ映像表示システムを示すブロック図。
【符号の説明】
１０Ａ〜１０Ｄ 映像信号処理ユニット（映像信号処理部）
１１ 分割拡大縮小部（生成部）
１２ ＡＰＬ取得部（平均輝度レベル取得部）
１４ ＡＰＬ設定部（平均輝度レベル設定部）
２０Ａ〜２０Ｄ 表示ユニット（表示ディスプレイ）
２１ パネル制御部（制御手段）
Claims (3)
- 複数の表示ディスプレイと前記表示ディスプレイ各々に対応した映像信号処理部とを備え、前記複数の表示ディスプレイを用いて単一の画像を表示するマルチディスプレイ映像表示システムにおいて、
前記映像信号処理部各々は、
同一の原画像の映像信号を受けて前記映像信号を前記表示ディスプレイ各々に対応して分割し、分割表示信号を生成する生成部と、
前記同一の原画像の映像信号を受けて分割前の前記映像信号に基づく第１平均輝度レベルを取得すると共に、分割された映像信号各々に対する第２平均輝度レベルを取得する平均輝度レベル取得部と、
前記第１平均輝度レベルおよび複数の前記第２平均輝度レベルの内の１つを選択し前記表示ディスプレイに供給する平均輝度レベル設定部と、を備え、
前記表示ディスプレイ各々は、前記映像信号処理部から供給される平均輝度レベルに基づいて表示の明るさを制御する制御手段を備えたことを特徴とするマルチディスプレイ映像表示システム。 - 前記映像信号処理部各々の平均輝度レベル設定部は、同一の平均輝度レベルを前記表示ディスプレイ各々に供給することを特徴とする請求項１に記載のマルチディスプレイ映像表示システム。
- 前記映像信号処理部各々の平均輝度レベル設定部は、複数の前記第２平均輝度レベルの内の最大となる第２平均輝度レベルを前記表示ディスプレイ各々に供給することを特徴とする請求項１に記載のマルチディスプレイ映像表示システム。
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