JP2004226498A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】目標温度に対する温度リップルを少なくし、且つ、定着部に対する高温異常等の安全のための保護機能の誤動作を抑制できるようにする。
【解決手段】発熱量に誤差の無いハロゲンヒータ77を、ある規定温度の環境下で且つ連続通電したときに温度上昇度がΔTb(℃)となるのに必要な時間Lbが、発熱量の基本データとしてROMに記憶されている。装置組み立て工程内にて定格入力電源電圧に調整され、且つ、ある規定温度の環境下で連続通電したときにΔTb(℃)となるのに必要な時間L1を測定し、これを発熱量データとして不揮発性RAMに記憶する。コントローラは、検出された発熱量データにより、係数k=L1/Lbを設定し、基本の制御単位時間Nbに対し、補正された制御時間N1(N1=k×Nb)を制御単位時間として設定する。
【選択図】 図3
【解決手段】発熱量に誤差の無いハロゲンヒータ77を、ある規定温度の環境下で且つ連続通電したときに温度上昇度がΔTb(℃)となるのに必要な時間Lbが、発熱量の基本データとしてROMに記憶されている。装置組み立て工程内にて定格入力電源電圧に調整され、且つ、ある規定温度の環境下で連続通電したときにΔTb(℃)となるのに必要な時間L1を測定し、これを発熱量データとして不揮発性RAMに記憶する。コントローラは、検出された発熱量データにより、係数k=L1/Lbを設定し、基本の制御単位時間Nbに対し、補正された制御時間N1(N1=k×Nb)を制御単位時間として設定する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の画像形成装置では、画像情報に基づいて感光体ドラム等の像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像装置によりトナー像として可視像化し、該トナー像を転写手段により用紙状の記録媒体に転写するようになっている。
トナー像を転写された記録媒体は定着装置へ送られ、該定着装置で熱と圧力を加えられてトナー像を定着される。定着装置は、例えば内部に熱源としてのヒータを備えた定着ローラと、該定着ローラに圧接する加圧ローラを有し、定着ローラと加圧ローラのニップ部にトナー像を転写された記録媒体を通して挟持搬送する構成を有している。このような構成は熱ローラ方式と呼ばれている。
定着ローラと加熱ローラ間に無端状のベルトを掛け回し、定着ローラに対してベルトを挟んで加圧ローラを圧接させるベルト定着方式のものも知られている。
【0003】
定着装置への給電は、予め設定された定着温度になるように、熱ローラ方式における定着ローラ又はベルト定着方式における定着ベルトの温度をサーミスタ等の温度検出手段により監視(検出)しながら制御するようになっている。すなわち、温度検出手段からの検出情報に基づいて単位時間当たりの通電時間と非通電時間のデューティ(Duty)を制御することにより温度制御を行っている。
また、電源電圧が下限となった場合でも印字不良を発生させない、又は印字可能となるまでの立ち上げ時間を規定時間内に終了させるために、抵抗値のバラツキを考慮して発熱量が大きな定着ヒータ(熱源)を搭載していた。
温度制御の方法としては、目標温度に対しての差異温度により、単位時間当たりの通電時間と非通電時間のデューティを決定するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−35012号公報
【特許文献1】
特開平8−185083号公報
【特許文献1】
特開平9−101718号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記制御方法では、抵抗値の異なる定着ヒータであっても、電源電圧が各ユーザ先において異なる条件であっても同一条件で温度制御を行っていたため、発熱量が大きくなるような条件では、定着部の温度リップルが大きくなって目標温度に対して差異が大きくなり、立ち上がり時間の短縮化の妨げとなっていた。
また、定着部に対する高温異常等の安全のための保護機能の誤動作の可能性があった。
【0006】
本発明は、目標温度に対する温度リップルを少なくし、且つ、定着部に対する高温異常等の安全のための保護機能の誤動作を抑制できる画像形成装置の提供を、その主な目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、像担持体に形成した静電潜像をトナー像として可視化し、該トナー像を記録媒体に転写用紙ナー像を保持した上記記録媒体を定着装置に通して定着する画像形成装置であって、上記定着装置の発熱量を検出する発熱量検出手段を有する画像形成装置において、上記発熱量検出手段により検出された検出値に基づく発熱量データと、予めメモリに保持された基準とする発熱量データを比較し、該基準とする発熱量データを基に上記定着装置に対する通電時間と非通電時間の制御単位時間を補正する制御単位時間補正手段を有している、という構成を採っている。
【0008】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の画像形成装置において、上記基準とする発熱量データは、装置組み立て工程内の電源電圧、温度条件における上記定着装置の単位時間当たりの温度上昇分により決定された発熱量データである、という構成を採っている。
【0009】
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の画像形成装置において、上記制御単位時間を補正するタイミングは、電源投入時のウォームアップ時である、という構成を採っている。
【0010】
請求項4記載の発明では、請求項1又は2記載の画像形成装置において、上記制御単位時間を補正するタイミングは、低電力モード又は省エネルギーモードから復帰するときのウォームアップ時である、という構成を採っている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図3に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて、本実施形態における画像形成装置としてのタンデム型中間転写方式のカラー複写機の構成及び画像形成動作の概要を説明する。
カラー複写機は、複写装置本体1と、該複写装置本体1が載置された給紙テーブル2と、複写装置本体1の上面に設けられたスキャナ300と、該スキャナ3の上部に設けられた原稿自動搬送装置(ADF)4を有している。
複写装置本体1には、略中央に、無端ベルト状の中間転写体(中間転写ベルト)10が配置されている。中間転写体10は、3つの支持ローラ14、15、16に掛け回されて支持されており、図示しない駆動源により図中時計回りに方向に回転駆動される。
【0012】
本実施形態では、3つの支持ローラ14、15、16のうち、第2の支持ローラ15の近傍には、画像転写(2次転写)後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する図示しない中間転写体クリーニング装置が設けられている。
3つの支持ローラ14、15、16のうちで第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡された中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の4つの画像形成手段18Y、18C、18M、18Bkが横に並べられて配置され、タンデム画像形成部(作像部)20が構成されている。但し、これら4つの色順は一例であり、これに限定される趣旨ではない。
【0013】
タンデム画像形成部20において、個々のトナー像形成手段である画像形成手段18Y、18C、18M、18Bkでは、像担持体としてのドラム状の感光体40Y、40C、40M、40Bkの周りに、帯電装置としての帯電ローラ、現像装置、一次転写装置としての1次転写ローラ62Y、62C、62M、62Bk、感光体クリーニング装置、感光体の表面電位を初期化する除電装置などが設けられている。
【0014】
タンデム画像形成部20の上方には、露光装置(光書込部)21が配置されている。中間転写体10を挟んでタンデム画像形成部20と反対の側には、2次転写装置22が配置されている。2次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルト状の2次転写ベルト24を掛け渡して構成され、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に一方のローラ23側を押し当てて配置されている。2次転写装置22により中間転写体10上の画像が、給紙テーブル2から給紙される記録媒体としての用紙に転写される。
2次転写装置22の左側には、用紙上の転写画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、無端ベルト状の定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てる構成を有している。
【0015】
2次転写装置22は、画像転写後の用紙を定着装置25へと搬送する用紙搬送機能も備えている。
2次転写装置22及び定着装置25の下には、タンデム画像形成部20と略平行に、用紙の両面に画像を記録する場合に用紙を反転する用紙反転装置28が備えられている。
【0016】
上記したカラー複写機を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置4の原稿台30上に原稿をセットする。又は、原稿自動搬送装置4を開いてスキャナ3のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置4を閉じてそれで押さえる。
不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置4に原稿をセットしたときは、原稿が自動的に搬送されてコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ3が駆動され、第1走行体33及び第2走行体34が走行を開始する。
第1走行体33で光源から光が照射されるとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0017】
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動手段としての駆動モータにより支持ローラ14、15、16のうちの1つが回転駆動され、他の2つの支持ローラが従動回転し、中間転写体10が回転駆動される。同時に、個々の画像形成手段18Y、18C、18M、18Bkではそれぞれに対応した感光体40Y、40C、40M、40Bkが回転し、各感光体40Y、40C、40M、40Bk上にそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの単色画像が形成される。画像形成は、周知のプロセスで行なわれる。
すなわち、まず、帯電ローラ60Y、60C、60M、60Bkで感光体40Y、40C、40M、40Bkの表面を一様に帯電し、次いでスキャナ3の読み取り内容に応じて上述した露光装置21からレーザやLED等による書込み光を照射して感光体40Y、40C、40M、40Bk上に静電潜像を形成する。
【0018】
その後、現像装置によりトナーが付着され、静電潜像を可視像化することで各感光体40Y、40C、40M、40Bk上にそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの単色画像を形成する。
中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次1次転写手段としての各1次転写ローラ62Y、62C、62M、62Bkにより転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
画像を転写された後の感光体40Y、40C、40M、40Bkの表面に残留したトナーは感光体クリーニング装置により清掃される。その後、感光体40Y、40C、40M、40Bkの表面電位が除電装置により初期化され、再度の画像形成に備える。
【0019】
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル2の給紙ローラ42の1つが選択回転され、ペーパーバンク43に多段に備えられた給紙カセット44のうちの1つから用紙Sが繰り出され、分離ローラ45で1枚ずつ分離されて給紙路46に搬送される。用紙は搬送ローラ47で搬送されて複写機本体1内の給紙路48に導かれ、レジストローラ対49にて一旦止められる。ここで所定の過剰送りによってレジストローラ対49のニップ部に用紙の先端が突き当てられ、スキューが修正される。
あるいは、給紙ローラ50が回転されて手差用紙レイ51上の用紙が繰り出され、分離ローラ52で1枚ずつ分離されて手差し給紙路53に搬送される。搬送された用紙は同じくレジストローラ対49にて一旦止められる。
【0020】
中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ対49が回転駆動され、中間転写体10と2次転写装置22との間に用紙が送り込まれ、2次転写装置22により用紙上にカラー画像が転写される。
画像転写後の用紙は、2次転写装置22で搬送されて定着装置25へと送り込まれ、定着装置25で熱と圧力とを加えられて転写画像を定着された後、切換爪55で搬送方向を切り換えられて排出ローラ対56で排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。又は、切換爪55で搬送路を切り換えられて用紙反転装置28に入れられ、そこで反転されて再び転写位置へと導かれ、裏面にも画像を記録された後、排出ローラ対56で排紙トレイ57上に排出される。
画像転写後の中間転写体10は、上記中間転写体クリーニング装置で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去され、タンデム画像形成部20による再度の画像形成に備える。
【0021】
図2に、本実施形態におけるカラー複写機の制御系統を示す。操作部(操作パネル)71は、ユーザ又は作業者が、カラー複写機の状態を設定するための部分である。メモリとしてのROM72には、カラー複写機を制御するためのプログラム及び固定パラメータが記憶保持されている。
不揮発性RAM73には、カラー複写機の初期設定値が記憶保持され、バッテリーでバックアップされている。通信I/F74は、LAN等で図示しないホストコンピュータと接続されており、外部とのI/Fを制御している部分であり、外部からの印字データ等の入出力データを制御している。
コントローラ70は、カラー複写機の全動作を制御する部分であり、CPUを含み、バスを介して各部を制御している。コントローラ70は、制御単位時間補正手段としての機能を兼ねている。
【0022】
図3に基づいて、定着装置25の構成を詳細に説明する。
定着装置25は、定着ローラ75と、内部に熱源としてのハロゲンヒータ77を有する加熱ローラ76と、定着ローラ75と加熱ローラ76間に掛け回された定着ベルト26と、定着ベルト26を挟んで定着ローラ75に圧接する加圧ローラ27と、加熱ローラ76側の温度(発熱量)を検出する温度検出手段(発熱量検出手段)としてのサーミスタ78を有している。
トナー像を保持した記録媒体としての用紙Pは定着ベルト26と加圧ローラ27のニップ部で挟持搬送され、ここで熱と圧力を加えられてトナーが溶融し、用紙P上に定着される。
サーミスタ78は、加熱ローラ76側の定着ベルト26の表面温度を検出し、その検出情報は、ハロゲンヒータ77への通電又は非通電を制御するための温度情報としてコントローラ70のCPUにより読み取られる。
【0023】
一般的に定着ヒータ(本実施形態ではハロゲンヒータ77)の温度制御では、制御間隔単位時間は、固定された時間が決められている。すなわち、制御間隔単位時間の最初に温度検出を行い、定着ヒータへの通電又は非通電のデューティの割合は、例えば表1に示すように、サーミスタ等による温度検出手段が検出した温度tsとROMに記憶されている目標温度trの差:t=tr−tsによってROMから相当するパラメータ(デューティ比)を選択する方法で制御されている。
【0024】
【表1】
【0025】
一般的に、定着ヒータでは、定格入力電源電圧の時の発熱量(温度)及び誤差が規定されている。
本実施形態では、発熱量に誤差の無い定着ヒータ(ハロゲンヒータ77)を、ある規定温度の環境下で且つ連続通電したときに温度上昇度がΔTb(℃)となるのに必要な時間Lbが、発熱量の基本データ、すなわち、基準とする発熱量データとしてROM72に記憶されている。
装置組み立て工程内にて定格入力電源電圧に調整され、且つ、ある規定温度の環境下で連続通電したときにΔTb(℃)となるのに必要な時間L1を測定し、これを発熱量データとして不揮発性RAM73に記憶する。この発熱量データとROM72に記憶された基準とする発熱量データとを比較することにより、定着ヒータの発熱量のバラツキを検出することができる。
コントローラ70は、検出された発熱量データにより、係数k=L1/Lbを設定する。
【0026】
基本の制御単位時間Nbに対し、補正された制御時間N1は、N1=k×Nbとする。また、デューティは、補正された制御時間の中の割合で決まるため、係数kを乗じて補正することになり、温度差によって選択されるデューティは、定着ヒータの発熱量にバラツキがあったとしても、制御単位時間で選択されるデューティによる温度上昇度は誤差を補正することができる。
コントローラ70は、補正された制御時間N1を制御単位時間として定着装置25への給電(ハロゲンヒータ77への通電)を制御する。
【0027】
ユーザ先の電源電圧による補正方法(第2の実施形態)について説明する。なお、本実施形態以降の説明において構成は第1の実施形態と同様であるので、その図示及び説明は省略する。
第2装置組み立て工程内にて定格入力電源電圧に調整され、且つ、ある規定温度の環境下で連続通電したときに定着ヒータの温度がΔTb(℃)となるのに必要な時間L1が発熱量データとし不揮発性RAM73に記憶される。
さらに、ユーザ先の電源電圧及び規定温度の環境下で連続通電したときにΔTb(℃)となるのに必要な時間L2が検出された発熱量データとし不揮発性RAM73に記憶される。
【0028】
コントローラ70は、検出された発熱量データにより、係数j=L2/L1を設定する。基準の制御単位時間N1に対し、補正された制御時間N2は、N2=j×N1とする。また、デューティは、補正された制御時間の中の割合で決まるため、係数jを乗じて補正することになり、温度差によって選択されるデューティは、電源電圧にバラツキがあったとしても、制御単位時間で選択されるデューティによる温度上昇度は誤差を補正することができる。
コントローラ70は、補正された制御時間N2を制御単位時間として定着装置25への給電(ハロゲンヒータ77への通電)を制御する。
【0029】
次に、図4のフローチャートに基づいて第3の実施形態説明する。本実施形態では、制御単位時間を、電源投入時のウォームアップ時に行うことを特徴としている。
装置組み立て工程内にて定着ヒータのバラツキ調整を行うモードに入ると、まず、非通電時の定着部(定着ベルト26)の温度aの検出を行い、不揮発性RAM73に保存する(S1)。コントローラ70は、ハロゲンヒータ77への通電を開始すると共にタイマーをスタートさせる(S2)。温度検出を継続的に行い、そのときの温度をbとすると、b−a≧ΔTbとなったかどうかを判断する(S3)。b−a≧ΔTbとなった場合には、それまでの測定時間L1を不揮発性RAM73に保存する(S4)。
次に、制御単位時間N1=k×Nbを算出して不揮発性RAM73に保存し(S5)、終了する。コントローラ70は、制御単位時間N1にて定着装置25への給電を制御する。
【0030】
次に、図5のフローチャートに基づいて第4の実施形態説明する。本実施形態では、制御単位時間を、低電力モード又は省エネルギーモードから復帰するときのウォームアップ時に行うことを特徴としている。
低電力モード又は省エネルギーモードから復帰した時、電源電圧のバラツキに対する補正モードへ入ると、まず、非通電時の定着部(定着ベルト26)の温度cの検出を行う(S1)。次に、ΔTにて判定を行うため、スタート時に高温状態であると定着部の許容温度を越える可能性があるため、補正を実施して良い温度範囲にあるかどうかを判断する(S2)。
【0031】
補正を実施して良い場合、非通電時の定着部の温度cを不揮発性RAM73に保存する(S3)。次に、ハロゲンヒータ77への通電を開始すると共にタイマーをスタートさせる(S4)。温度検出を継続的に行い、そのときの温度をdとすると、d−c≧ΔTbとなったかどうかを判断する(S5)。d−c≧ΔTbとなった場合には、それまでの測定時間L2を不揮発性RAM73に保存する(S6)。
次に、制御単位時間N2=j×N1を算出して不揮発性RAM73に保存し(S7)、終了する。コントローラ70は、プリント時は制御単位時間N2にて定着装置25への給電を制御する。
S2において、補正が実施不可の温度範囲にある場合、前回の制御単位時間N2を不揮発性RAM73に保持し、プリント時に参照する(S8)。
【0032】
上記各実施形態では、ベルト定着方式の定着装置を有する画像形成装置への適用例を示したが、熱ローラ方式の定着装置を有する画像形成装置においても同様に実施することができる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、像担持体に形成した静電潜像をトナー像として可視化し、該トナー像を記録媒体に転写用紙ナー像を保持した上記記録媒体を定着装置に通して定着する画像形成装置であって、上記定着装置の発熱量を検出する発熱量検出手段を有する画像形成装置において、上記発熱量検出手段により検出された検出値に基づく発熱量データと、予めメモリに保持された基準とする発熱量データを比較し、該基準とする発熱量データを基に上記定着装置に対する通電時間と非通電時間の制御単位時間を補正する制御単位時間補正手段を有している構成としたので、目標温度に対する温度リップルを少なくでき、且つ、定着部に対する高温異常等の安全のための保護機能の誤動作の可能性を無くすことができる。
【0034】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の画像形成装置において、上記基準とする発熱量データは、装置組み立て工程内の電源電圧、温度条件における上記定着装置の単位時間当たりの温度上昇分により決定された発熱量データである構成としたので、換言すれば、装置組み立て工程内で管理された電源条件、定着部の温度条件において、ある温度制御条件による定着ヒータの単位時間当たりの温度上昇分により、定着ヒータの発熱量を特定することにより、これを基準の発熱量データと比較して制御単位時間を補正しているので、目標温度に対する温度リップルを少なくでき、且つ、定着部に対する高温異常等の安全のための保護機能の誤動作の可能性を無くすことができる。
【0035】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の画像形成装置において、上記制御単位時間を補正するタイミングは、電源投入時のウォームアップ時である構成としたので(電源ON時の定着部の温度条件を考慮し、ある温度制御条件による定着ヒータの単位時間当たりの温度上昇分により、電源電圧を特定することにより、これを基準の発熱量データと比較し、制御単位時間を補正しているので)、目標温度に対する温度リップルを少なくでき、且つ、定着部に対する高温異常等の安全のための保護機能の誤動作の可能性を無くすことができる。
【0036】
請求項4記載の発明によれば、請求項1又は2記載の画像形成装置において、上記制御単位時間を補正するタイミングは、低電力モード又は省エネルギーモードから復帰するときのウォームアップ時である構成としたので(低電力モード又は省エネルギーモードから復帰の定着部の温度条件を考慮し、ある温度制御条件による定着ヒータの単位時間当たりの温度上昇分により、電源電圧を特定することにより、これを基準の発熱量データと比較し、制御単位時間を補正しているので)、目標温度に対する温度リップルを少なくでき、且つ、定着部に対する高温異常等の安全のための保護機能の誤動作の可能性を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における画像形成装置としてのカラー複写機の概要正面図である。
【図2】制御ブロック図である。
【図3】定着装置の概要正面図である。
【図4】第3の実施形態における制御動作を示すフローチャートである。
【図5】第4の実施形態における制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
P 記録媒体としての用紙
25 定着装置
40 像担持体としての感光体
70 制御単位時間補正手段としてのコントローラ
78 発熱量検出手段としてのサーミスタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の画像形成装置では、画像情報に基づいて感光体ドラム等の像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像装置によりトナー像として可視像化し、該トナー像を転写手段により用紙状の記録媒体に転写するようになっている。
トナー像を転写された記録媒体は定着装置へ送られ、該定着装置で熱と圧力を加えられてトナー像を定着される。定着装置は、例えば内部に熱源としてのヒータを備えた定着ローラと、該定着ローラに圧接する加圧ローラを有し、定着ローラと加圧ローラのニップ部にトナー像を転写された記録媒体を通して挟持搬送する構成を有している。このような構成は熱ローラ方式と呼ばれている。
定着ローラと加熱ローラ間に無端状のベルトを掛け回し、定着ローラに対してベルトを挟んで加圧ローラを圧接させるベルト定着方式のものも知られている。
【0003】
定着装置への給電は、予め設定された定着温度になるように、熱ローラ方式における定着ローラ又はベルト定着方式における定着ベルトの温度をサーミスタ等の温度検出手段により監視(検出)しながら制御するようになっている。すなわち、温度検出手段からの検出情報に基づいて単位時間当たりの通電時間と非通電時間のデューティ(Duty)を制御することにより温度制御を行っている。
また、電源電圧が下限となった場合でも印字不良を発生させない、又は印字可能となるまでの立ち上げ時間を規定時間内に終了させるために、抵抗値のバラツキを考慮して発熱量が大きな定着ヒータ(熱源)を搭載していた。
温度制御の方法としては、目標温度に対しての差異温度により、単位時間当たりの通電時間と非通電時間のデューティを決定するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−35012号公報
【特許文献1】
特開平8−185083号公報
【特許文献1】
特開平9−101718号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記制御方法では、抵抗値の異なる定着ヒータであっても、電源電圧が各ユーザ先において異なる条件であっても同一条件で温度制御を行っていたため、発熱量が大きくなるような条件では、定着部の温度リップルが大きくなって目標温度に対して差異が大きくなり、立ち上がり時間の短縮化の妨げとなっていた。
また、定着部に対する高温異常等の安全のための保護機能の誤動作の可能性があった。
【0006】
本発明は、目標温度に対する温度リップルを少なくし、且つ、定着部に対する高温異常等の安全のための保護機能の誤動作を抑制できる画像形成装置の提供を、その主な目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、像担持体に形成した静電潜像をトナー像として可視化し、該トナー像を記録媒体に転写用紙ナー像を保持した上記記録媒体を定着装置に通して定着する画像形成装置であって、上記定着装置の発熱量を検出する発熱量検出手段を有する画像形成装置において、上記発熱量検出手段により検出された検出値に基づく発熱量データと、予めメモリに保持された基準とする発熱量データを比較し、該基準とする発熱量データを基に上記定着装置に対する通電時間と非通電時間の制御単位時間を補正する制御単位時間補正手段を有している、という構成を採っている。
【0008】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の画像形成装置において、上記基準とする発熱量データは、装置組み立て工程内の電源電圧、温度条件における上記定着装置の単位時間当たりの温度上昇分により決定された発熱量データである、という構成を採っている。
【0009】
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の画像形成装置において、上記制御単位時間を補正するタイミングは、電源投入時のウォームアップ時である、という構成を採っている。
【0010】
請求項4記載の発明では、請求項1又は2記載の画像形成装置において、上記制御単位時間を補正するタイミングは、低電力モード又は省エネルギーモードから復帰するときのウォームアップ時である、という構成を採っている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図3に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて、本実施形態における画像形成装置としてのタンデム型中間転写方式のカラー複写機の構成及び画像形成動作の概要を説明する。
カラー複写機は、複写装置本体1と、該複写装置本体1が載置された給紙テーブル2と、複写装置本体1の上面に設けられたスキャナ300と、該スキャナ3の上部に設けられた原稿自動搬送装置(ADF)4を有している。
複写装置本体1には、略中央に、無端ベルト状の中間転写体(中間転写ベルト)10が配置されている。中間転写体10は、3つの支持ローラ14、15、16に掛け回されて支持されており、図示しない駆動源により図中時計回りに方向に回転駆動される。
【0012】
本実施形態では、3つの支持ローラ14、15、16のうち、第2の支持ローラ15の近傍には、画像転写(2次転写)後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する図示しない中間転写体クリーニング装置が設けられている。
3つの支持ローラ14、15、16のうちで第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡された中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の4つの画像形成手段18Y、18C、18M、18Bkが横に並べられて配置され、タンデム画像形成部(作像部)20が構成されている。但し、これら4つの色順は一例であり、これに限定される趣旨ではない。
【0013】
タンデム画像形成部20において、個々のトナー像形成手段である画像形成手段18Y、18C、18M、18Bkでは、像担持体としてのドラム状の感光体40Y、40C、40M、40Bkの周りに、帯電装置としての帯電ローラ、現像装置、一次転写装置としての1次転写ローラ62Y、62C、62M、62Bk、感光体クリーニング装置、感光体の表面電位を初期化する除電装置などが設けられている。
【0014】
タンデム画像形成部20の上方には、露光装置(光書込部)21が配置されている。中間転写体10を挟んでタンデム画像形成部20と反対の側には、2次転写装置22が配置されている。2次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルト状の2次転写ベルト24を掛け渡して構成され、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に一方のローラ23側を押し当てて配置されている。2次転写装置22により中間転写体10上の画像が、給紙テーブル2から給紙される記録媒体としての用紙に転写される。
2次転写装置22の左側には、用紙上の転写画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、無端ベルト状の定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てる構成を有している。
【0015】
2次転写装置22は、画像転写後の用紙を定着装置25へと搬送する用紙搬送機能も備えている。
2次転写装置22及び定着装置25の下には、タンデム画像形成部20と略平行に、用紙の両面に画像を記録する場合に用紙を反転する用紙反転装置28が備えられている。
【0016】
上記したカラー複写機を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置4の原稿台30上に原稿をセットする。又は、原稿自動搬送装置4を開いてスキャナ3のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置4を閉じてそれで押さえる。
不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置4に原稿をセットしたときは、原稿が自動的に搬送されてコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ3が駆動され、第1走行体33及び第2走行体34が走行を開始する。
第1走行体33で光源から光が照射されるとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0017】
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動手段としての駆動モータにより支持ローラ14、15、16のうちの1つが回転駆動され、他の2つの支持ローラが従動回転し、中間転写体10が回転駆動される。同時に、個々の画像形成手段18Y、18C、18M、18Bkではそれぞれに対応した感光体40Y、40C、40M、40Bkが回転し、各感光体40Y、40C、40M、40Bk上にそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの単色画像が形成される。画像形成は、周知のプロセスで行なわれる。
すなわち、まず、帯電ローラ60Y、60C、60M、60Bkで感光体40Y、40C、40M、40Bkの表面を一様に帯電し、次いでスキャナ3の読み取り内容に応じて上述した露光装置21からレーザやLED等による書込み光を照射して感光体40Y、40C、40M、40Bk上に静電潜像を形成する。
【0018】
その後、現像装置によりトナーが付着され、静電潜像を可視像化することで各感光体40Y、40C、40M、40Bk上にそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの単色画像を形成する。
中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次1次転写手段としての各1次転写ローラ62Y、62C、62M、62Bkにより転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
画像を転写された後の感光体40Y、40C、40M、40Bkの表面に残留したトナーは感光体クリーニング装置により清掃される。その後、感光体40Y、40C、40M、40Bkの表面電位が除電装置により初期化され、再度の画像形成に備える。
【0019】
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル2の給紙ローラ42の1つが選択回転され、ペーパーバンク43に多段に備えられた給紙カセット44のうちの1つから用紙Sが繰り出され、分離ローラ45で1枚ずつ分離されて給紙路46に搬送される。用紙は搬送ローラ47で搬送されて複写機本体1内の給紙路48に導かれ、レジストローラ対49にて一旦止められる。ここで所定の過剰送りによってレジストローラ対49のニップ部に用紙の先端が突き当てられ、スキューが修正される。
あるいは、給紙ローラ50が回転されて手差用紙レイ51上の用紙が繰り出され、分離ローラ52で1枚ずつ分離されて手差し給紙路53に搬送される。搬送された用紙は同じくレジストローラ対49にて一旦止められる。
【0020】
中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ対49が回転駆動され、中間転写体10と2次転写装置22との間に用紙が送り込まれ、2次転写装置22により用紙上にカラー画像が転写される。
画像転写後の用紙は、2次転写装置22で搬送されて定着装置25へと送り込まれ、定着装置25で熱と圧力とを加えられて転写画像を定着された後、切換爪55で搬送方向を切り換えられて排出ローラ対56で排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。又は、切換爪55で搬送路を切り換えられて用紙反転装置28に入れられ、そこで反転されて再び転写位置へと導かれ、裏面にも画像を記録された後、排出ローラ対56で排紙トレイ57上に排出される。
画像転写後の中間転写体10は、上記中間転写体クリーニング装置で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去され、タンデム画像形成部20による再度の画像形成に備える。
【0021】
図2に、本実施形態におけるカラー複写機の制御系統を示す。操作部(操作パネル)71は、ユーザ又は作業者が、カラー複写機の状態を設定するための部分である。メモリとしてのROM72には、カラー複写機を制御するためのプログラム及び固定パラメータが記憶保持されている。
不揮発性RAM73には、カラー複写機の初期設定値が記憶保持され、バッテリーでバックアップされている。通信I/F74は、LAN等で図示しないホストコンピュータと接続されており、外部とのI/Fを制御している部分であり、外部からの印字データ等の入出力データを制御している。
コントローラ70は、カラー複写機の全動作を制御する部分であり、CPUを含み、バスを介して各部を制御している。コントローラ70は、制御単位時間補正手段としての機能を兼ねている。
【0022】
図3に基づいて、定着装置25の構成を詳細に説明する。
定着装置25は、定着ローラ75と、内部に熱源としてのハロゲンヒータ77を有する加熱ローラ76と、定着ローラ75と加熱ローラ76間に掛け回された定着ベルト26と、定着ベルト26を挟んで定着ローラ75に圧接する加圧ローラ27と、加熱ローラ76側の温度(発熱量)を検出する温度検出手段(発熱量検出手段)としてのサーミスタ78を有している。
トナー像を保持した記録媒体としての用紙Pは定着ベルト26と加圧ローラ27のニップ部で挟持搬送され、ここで熱と圧力を加えられてトナーが溶融し、用紙P上に定着される。
サーミスタ78は、加熱ローラ76側の定着ベルト26の表面温度を検出し、その検出情報は、ハロゲンヒータ77への通電又は非通電を制御するための温度情報としてコントローラ70のCPUにより読み取られる。
【0023】
一般的に定着ヒータ(本実施形態ではハロゲンヒータ77)の温度制御では、制御間隔単位時間は、固定された時間が決められている。すなわち、制御間隔単位時間の最初に温度検出を行い、定着ヒータへの通電又は非通電のデューティの割合は、例えば表1に示すように、サーミスタ等による温度検出手段が検出した温度tsとROMに記憶されている目標温度trの差:t=tr−tsによってROMから相当するパラメータ(デューティ比)を選択する方法で制御されている。
【0024】
【表1】
【0025】
一般的に、定着ヒータでは、定格入力電源電圧の時の発熱量(温度)及び誤差が規定されている。
本実施形態では、発熱量に誤差の無い定着ヒータ(ハロゲンヒータ77)を、ある規定温度の環境下で且つ連続通電したときに温度上昇度がΔTb(℃)となるのに必要な時間Lbが、発熱量の基本データ、すなわち、基準とする発熱量データとしてROM72に記憶されている。
装置組み立て工程内にて定格入力電源電圧に調整され、且つ、ある規定温度の環境下で連続通電したときにΔTb(℃)となるのに必要な時間L1を測定し、これを発熱量データとして不揮発性RAM73に記憶する。この発熱量データとROM72に記憶された基準とする発熱量データとを比較することにより、定着ヒータの発熱量のバラツキを検出することができる。
コントローラ70は、検出された発熱量データにより、係数k=L1/Lbを設定する。
【0026】
基本の制御単位時間Nbに対し、補正された制御時間N1は、N1=k×Nbとする。また、デューティは、補正された制御時間の中の割合で決まるため、係数kを乗じて補正することになり、温度差によって選択されるデューティは、定着ヒータの発熱量にバラツキがあったとしても、制御単位時間で選択されるデューティによる温度上昇度は誤差を補正することができる。
コントローラ70は、補正された制御時間N1を制御単位時間として定着装置25への給電(ハロゲンヒータ77への通電)を制御する。
【0027】
ユーザ先の電源電圧による補正方法(第2の実施形態)について説明する。なお、本実施形態以降の説明において構成は第1の実施形態と同様であるので、その図示及び説明は省略する。
第2装置組み立て工程内にて定格入力電源電圧に調整され、且つ、ある規定温度の環境下で連続通電したときに定着ヒータの温度がΔTb(℃)となるのに必要な時間L1が発熱量データとし不揮発性RAM73に記憶される。
さらに、ユーザ先の電源電圧及び規定温度の環境下で連続通電したときにΔTb(℃)となるのに必要な時間L2が検出された発熱量データとし不揮発性RAM73に記憶される。
【0028】
コントローラ70は、検出された発熱量データにより、係数j=L2/L1を設定する。基準の制御単位時間N1に対し、補正された制御時間N2は、N2=j×N1とする。また、デューティは、補正された制御時間の中の割合で決まるため、係数jを乗じて補正することになり、温度差によって選択されるデューティは、電源電圧にバラツキがあったとしても、制御単位時間で選択されるデューティによる温度上昇度は誤差を補正することができる。
コントローラ70は、補正された制御時間N2を制御単位時間として定着装置25への給電(ハロゲンヒータ77への通電)を制御する。
【0029】
次に、図4のフローチャートに基づいて第3の実施形態説明する。本実施形態では、制御単位時間を、電源投入時のウォームアップ時に行うことを特徴としている。
装置組み立て工程内にて定着ヒータのバラツキ調整を行うモードに入ると、まず、非通電時の定着部(定着ベルト26)の温度aの検出を行い、不揮発性RAM73に保存する(S1)。コントローラ70は、ハロゲンヒータ77への通電を開始すると共にタイマーをスタートさせる(S2)。温度検出を継続的に行い、そのときの温度をbとすると、b−a≧ΔTbとなったかどうかを判断する(S3)。b−a≧ΔTbとなった場合には、それまでの測定時間L1を不揮発性RAM73に保存する(S4)。
次に、制御単位時間N1=k×Nbを算出して不揮発性RAM73に保存し(S5)、終了する。コントローラ70は、制御単位時間N1にて定着装置25への給電を制御する。
【0030】
次に、図5のフローチャートに基づいて第4の実施形態説明する。本実施形態では、制御単位時間を、低電力モード又は省エネルギーモードから復帰するときのウォームアップ時に行うことを特徴としている。
低電力モード又は省エネルギーモードから復帰した時、電源電圧のバラツキに対する補正モードへ入ると、まず、非通電時の定着部(定着ベルト26)の温度cの検出を行う(S1)。次に、ΔTにて判定を行うため、スタート時に高温状態であると定着部の許容温度を越える可能性があるため、補正を実施して良い温度範囲にあるかどうかを判断する(S2)。
【0031】
補正を実施して良い場合、非通電時の定着部の温度cを不揮発性RAM73に保存する(S3)。次に、ハロゲンヒータ77への通電を開始すると共にタイマーをスタートさせる(S4)。温度検出を継続的に行い、そのときの温度をdとすると、d−c≧ΔTbとなったかどうかを判断する(S5)。d−c≧ΔTbとなった場合には、それまでの測定時間L2を不揮発性RAM73に保存する(S6)。
次に、制御単位時間N2=j×N1を算出して不揮発性RAM73に保存し(S7)、終了する。コントローラ70は、プリント時は制御単位時間N2にて定着装置25への給電を制御する。
S2において、補正が実施不可の温度範囲にある場合、前回の制御単位時間N2を不揮発性RAM73に保持し、プリント時に参照する(S8)。
【0032】
上記各実施形態では、ベルト定着方式の定着装置を有する画像形成装置への適用例を示したが、熱ローラ方式の定着装置を有する画像形成装置においても同様に実施することができる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、像担持体に形成した静電潜像をトナー像として可視化し、該トナー像を記録媒体に転写用紙ナー像を保持した上記記録媒体を定着装置に通して定着する画像形成装置であって、上記定着装置の発熱量を検出する発熱量検出手段を有する画像形成装置において、上記発熱量検出手段により検出された検出値に基づく発熱量データと、予めメモリに保持された基準とする発熱量データを比較し、該基準とする発熱量データを基に上記定着装置に対する通電時間と非通電時間の制御単位時間を補正する制御単位時間補正手段を有している構成としたので、目標温度に対する温度リップルを少なくでき、且つ、定着部に対する高温異常等の安全のための保護機能の誤動作の可能性を無くすことができる。
【0034】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の画像形成装置において、上記基準とする発熱量データは、装置組み立て工程内の電源電圧、温度条件における上記定着装置の単位時間当たりの温度上昇分により決定された発熱量データである構成としたので、換言すれば、装置組み立て工程内で管理された電源条件、定着部の温度条件において、ある温度制御条件による定着ヒータの単位時間当たりの温度上昇分により、定着ヒータの発熱量を特定することにより、これを基準の発熱量データと比較して制御単位時間を補正しているので、目標温度に対する温度リップルを少なくでき、且つ、定着部に対する高温異常等の安全のための保護機能の誤動作の可能性を無くすことができる。
【0035】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の画像形成装置において、上記制御単位時間を補正するタイミングは、電源投入時のウォームアップ時である構成としたので(電源ON時の定着部の温度条件を考慮し、ある温度制御条件による定着ヒータの単位時間当たりの温度上昇分により、電源電圧を特定することにより、これを基準の発熱量データと比較し、制御単位時間を補正しているので)、目標温度に対する温度リップルを少なくでき、且つ、定着部に対する高温異常等の安全のための保護機能の誤動作の可能性を無くすことができる。
【0036】
請求項4記載の発明によれば、請求項1又は2記載の画像形成装置において、上記制御単位時間を補正するタイミングは、低電力モード又は省エネルギーモードから復帰するときのウォームアップ時である構成としたので(低電力モード又は省エネルギーモードから復帰の定着部の温度条件を考慮し、ある温度制御条件による定着ヒータの単位時間当たりの温度上昇分により、電源電圧を特定することにより、これを基準の発熱量データと比較し、制御単位時間を補正しているので)、目標温度に対する温度リップルを少なくでき、且つ、定着部に対する高温異常等の安全のための保護機能の誤動作の可能性を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における画像形成装置としてのカラー複写機の概要正面図である。
【図2】制御ブロック図である。
【図3】定着装置の概要正面図である。
【図4】第3の実施形態における制御動作を示すフローチャートである。
【図5】第4の実施形態における制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
P 記録媒体としての用紙
25 定着装置
40 像担持体としての感光体
70 制御単位時間補正手段としてのコントローラ
78 発熱量検出手段としてのサーミスタ
Claims (4)
- 像担持体に形成した静電潜像をトナー像として可視化し、該トナー像を記録媒体に転写用紙ナー像を保持した上記記録媒体を定着装置に通して定着する画像形成装置であって、上記定着装置の発熱量を検出する発熱量検出手段を有する画像形成装置において、
上記発熱量検出手段により検出された検出値に基づく発熱量データと、予めメモリに保持された基準とする発熱量データを比較し、該基準とする発熱量データを基に上記定着装置に対する通電時間と非通電時間の制御単位時間を補正する制御単位時間補正手段を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
上記基準とする発熱量データは、装置組み立て工程内の電源電圧、温度条件における上記定着装置の単位時間当たりの温度上昇分により決定された発熱量データであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2記載の画像形成装置において、
上記制御単位時間を補正するタイミングは、電源投入時のウォームアップ時であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2記載の画像形成装置において、
上記制御単位時間を補正するタイミングは、低電力モード又は省エネルギーモードから復帰するときのウォームアップ時であることを特徴とする画像形成装置。
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JP2003011374A JP2004226498A (ja) | 2003-01-20 | 2003-01-20 | 画像形成装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7212760B2 (en) | 2004-03-19 | 2007-05-01 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming apparatus performing improved fixing temperature control |
-
2003
- 2003-01-20 JP JP2003011374A patent/JP2004226498A/ja active Pending
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US7212760B2 (en) | 2004-03-19 | 2007-05-01 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming apparatus performing improved fixing temperature control |
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