JP2004226202A - 画像処理装置および記録媒体 - Google Patents

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雅史 村田
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Abstract

【課題】X線CTスキャナ装置による断面画像から高精度で輪郭形状を抽出することのできる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置1は、断面画像を構成する全画素を、画素分類部3で空間部分を撮影した画素と試料の断面部分を撮影した画素とに分類し、さらに領域分類部4で複数の空間領域および試料の断面領域のいずれに属する画素であるかを分類する。その後、平均CT値演算部5各領域毎に当該領域に含まれる画素群の平均CT値を算出し、閾値演算部6で空間領域と試料の断面領域との境界部分に存在する輪郭点を抽出するための最も適した閾値を当該空間領域の平均CT値と当該試料の断面領域の平均CT値とに基づいて設定する。断面形状の輪郭を構成する点を抽出するための適切な閾値を、試料断面の肉厚量や空気層の厚みを加味して設定することにより輪郭点の抽出位置の精度を高めるようにした。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線CTスキャナ装置によって撮影された試料の断面画像から当該試料の形状を抽出するための画像処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、非破壊検査システム用の装置として、X線CTスキャナ装置によって試料の複数枚の断面画像を取得し、これらの断面画像から当該試料の三次元立体形状画像を作成してディスプレイに表示することのできる産業用X線スキャナ装置が商品化されている。この種の装置では、X線CTスキャナ装置によって撮影された断面画像は濃淡画像であるため、各断面画像から試料の形状を示す輪郭線を構成する点群を抽出し、これらの点群から三次元形状画像を作成するようになっている。
【0003】
そして、断面画像から試料の形状を示す輪郭線を構成する点群を抽出する方法としては、一般に、断面画像内の試料の輪郭に相当する濃度レベル(CT値)を閾値として実験等によって予め設定しておき、断面画像内の濃度分布のうち、閾値の存在する位置(座標)を試料の形状の輪郭線を構成する点として抽出することが行われている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−45146号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の断面画像から試料の輪郭線を構成する点群を抽出する方法では、試料の断面形状や空間の形状に関係なく当該試料の輪郭を構成する点群を抽出するための閾値を一定にしているため、その閾値が試料の部位によっては輪郭抽出のための閾値として最適値でない場合もあり、そのため、抽出された試料の輪郭形状の精度が利用目的によっては十分でないという問題があった。
【0006】
図13は、図14に示すテスト試料のN1,N2,N3の各断面画像における輪郭抽出のための最適閾値を調べたものである。
【0007】
図14に示すテスト試料は、直径90mmの円筒の一方端を、中心に直径10mmの軸Jを残し、外周の肉厚部分Fが10mm,20mm,30mmの3段階に変化するようにドーナツ状に刳り貫いたもので、N1,N2,N3の各断面では図15の(a)〜(c)の断面画像が得られるようになっている。
【0008】
図13の縦軸に示す最適閾値とは、図15に示す断面画像のドーナツ状の肉厚部分Fの外側の周面Aと内側の周面Bおよび中心軸Jの外周面Cの形状を抽出するために各周面位置に適用する閾値として最も適切な閾値であり、横軸の評価面A,B,Cは上述した周面A,B,Cである。また、同図において、点線で示す最適閾値の折れ線はN1の断面画像に対するもの、一点鎖線で示す最適閾値の折れ線はN2の断面画像に対するもの、実線で示す最適閾値の折れ線はN3の断面画像に対するものである。
【0009】
図13に示すように、同一周面であっても輪郭形状を抽出するための最適閾値が断面によって変化する。例えば周面Aと周面Cの輪郭形状は断面N1〜N3のいずれであっても変わらないはずであるが、その輪郭形状を抽出するための最適閾値は各断面で相違する。これは、周面Aについては、当該周面Aを含むドーナツ状の肉厚部分Fの厚み(すなわち、肉厚部分Fの面積)が変化し、周面Cについては、当該周面Cを含むドーナツ状の中空部分Hの厚み(すなわち、中空部分Hの面積)が変化しているため、その変化の影響で最適閾値が変化していると考えられる。また、周面Bについては、周面B自体の輪郭形状が変化しているが、これは肉厚部分Fおよび中空部分Hの面積の変化に基づくもので、やはり肉厚部分Fおよび中空部分Hの面積の変化の影響で最適閾値が変化していると考えられる。
【0010】
上記のように、X線CTスキャナ装置によって得られた試料の断面画像から当該試料の輪郭形状を予め設定した閾値に基づいて抽出する場合、抽出位置の周囲の中空部分や肉厚部分の状態によって最適な閾値は変化するため、従来のように、抽出位置に関係なく1つの閾値を用いて輪郭形状を構成する点群を抽出する方法では、精度上の限界がある。
【0011】
特に、断面画像から試料の三次元立体形状を再構築し、その三次元立体形状画像とCAD(Computer Aided Design)で設計された三次元設計画像とを比較して実際の試料の形状評価をするようなシステムでは、断面画像から作成された三次元立体形状画像の精度が評価結果に大きく影響するため、X線CTスキャナ装置による断面画像から高精度で輪郭形状を構成する点群の抽出技術が必要となる。
【0012】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、X線CTスキャナ装置による断面画像から高精度で輪郭形状を抽出することのできる画像処理装置とコンピュータをその画像処理装置として機能させためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、X線CTスキャナ装置によって取得される複数個の画素のCT値によって構成される試料の断面画像から当該断面画像内の予め設定された所定の閾値と同一のCT値を有する点を上記試料の断面形状を構成する点として抽出する画像処理装置において、上記各画素のCT値と予め設定された仮の閾値とを比較し、上記CT値が仮の閾値よりも小さい画素を上記断面画像の空間部分に含まれる画素とし、上記CT値が仮の閾値以上の画素を上記断面画像の試料の断面部分に含まれる画素として分類する第1の分類手段と、上記断面画像の空間部分に含まれる複数の画素を互いに隣接する画素同士を同一領域の画素として1または2以上の空間領域の画素群に分類するとともに、上記断面画像の試料の断面部分に含まれる複数の画素を互いに隣接する画素同士を同一領域の画素として1または2以上の試料断面領域の画素群に分類する第2の分類手段と、上記第2の分類手段により分類された空間領域および試料断面領域について、それぞれ各領域に含まれる画素のCT値の平均値を演算する演算手段と、上記第2の分類手段により分類された空間領域と試料断面領域との境界部分に存在する上記試料の断面形状を構成する点を抽出するための上記所定の閾値を、当該空間領域の平均CT値と当該試料断面領域の平均CT値とに基づいて設定する閾値設定手段とを備えたものである。
【0014】
なお、上記閾値設定手段は、求める閾値をTh、空間領域の平均CT値をCTo、試料断面領域の平均CT値をCTeとすると、Th=k×(CTo−CTe)−A(但し、kは係数、Aは定数)の演算式により閾値Thを算出し、設定するものである(請求項3)。
【0015】
上記構成の画像処理装置によれば、X線CTスキャナ装置によって取得された試料の断面画像は、第1の分類手段により各画素のCT値が予め設定された仮の閾値と比較され、各画素は断面画像の空間部分に含まれる画素と断面画像の試料の断面部分(実体部分)に含まれる画素のいずれかに分類される。次に、第2の分類手段により、空間部分の画素に分類された画素群は互いに隣接する画素同士を同一の領域の画素として1または2以上の空間領域の画素群に分類されるとともに、試料の断面部分の画素に分類された画素群は互いに隣接する画素同士を同一の領域の画素として1または2以上の試料断面領域の画素群に分類される。
【0016】
試料の断面形状の輪郭を構成する点は、試料断面領域と空間領域との境界部分に位置するから、両領域の境界部分で隣接する試料断面領域側の画素のCT値と空間領域側の画素のCT値と輪郭を抽出するための閾値とから当該閾値が存在する当該境界部分での位置(座標)が算出される。
【0017】
このとき、輪郭を抽出するための閾値は、境界部分を挟む空間領域の全画素のCT値の平均値と試料断面領域の全画素のCT値の平均値とに基づいて設定される。具体的には、輪郭線を抽出するための閾値をTh、境界部分を挟む空間領域の全画素のCT値の平均値をCTe、試料断面領域の全画素のCT値の平均値をCToとすると、Th=k×(CTo−CTe)−Aの演算式により閾値Thは算出され、設定される。
【0018】
そして、この閾値Thと試料断面領域側の画素のCT値Toおよび空間領域側の画素のCT値Teとを比較し、いずれかの画素のCT値が閾値Thに一致すれば、その画素位置が輪郭を構成する点として抽出される。一方、両画素のCT値が閾値Thに一致しなければ、To>Th>Teであるから、例えば補間演算により両画素の間の閾値Thが存在する位置が輪郭を構成する点として抽出される。そして、この抽出処理を境界部分の全ての画素について行うことにより試料の断面形状の輪郭を構成する点が抽出される。
【0019】
なお、上記演算式は、出願人が実験により確認した図16に示すグラフに基づいて導出したものである。図16の縦軸は、断面画像の試料の断面領域と空間領域との境界部分において試料の断面形状の輪郭を構成する点を抽出する際に設定すべき最適な閾値Thを示し、横軸は、その閾値が設定される境界部分の空間領域の平均CT値CToと試料断面領域の平均CT値CTeとの差(CTo−CTe)を示している。そして、白丸は実験値であり、直線Mは実験値の傾向から導出される最適閾値Thと平均CT値差(CTo−CTe)との関係を示す関数である。
【0020】
図16に示すように、最適閾値Thは、空間領域の平均CT値CToと試料断面領域の平均CT値CTeとの差(CTo−CTe)に対して一次関数となるような相関関係があり、一般にTh=k×(CTo−CTe)−Aで表すことができる。特に、図16の直線Mは、アルミ合金(AC4B)鋳造品を東芝製X線CTスキャナ装置(TOSCANER24000AV)により評価した関数であり、Th=1.2×(CTo−CTe)−730で表される。
【0021】
本発明に係る画像処理装置では、試料の断面形状の輪郭を構成する点を抽出するための閾値Thを、当該閾値Thを挟む試料断面領域側の画素の平均CT値Teと空間領域側の画素の平均CT値Toとに基づいて設定するので、両領域の面積の最適閾値への影響を好適に低減でき、試料の断面形状の輪郭を構成する点を抽出するための閾値Thを適切に設定することができる。これにより、断面画像から試料の断面形状を示す輪郭を構成する点群を高い精度で抽出することができる。
【0022】
請求項2に記載の発明は、X線CTスキャナ装置によって取得される複数個の画素のCT値によって構成される複数枚の試料の断面画像から各層の断面画像内および各層の断面画像間の予め設定された所定の閾値と同一のCT値を有する点を上記試料の立体形状を構成する点として抽出する画像処理装置において、各層の断面画像毎に、上記各画素のCT値と予め設定された仮の閾値とを比較し、上記CT値が仮の閾値よりも小さい画素を上記断面画像の空間部分に含まれる画素とし、上記CT値が仮の閾値以上の画素を上記断面画像の試料の断面部分に含まれる画素として分類する第1の分類手段と、各層の断面画像毎に、上記断面画像の空間部分に含まれる複数の画素を互いに隣接する画素同士を同一領域の画素として1または2以上の空間領域の画素群に分類するとともに、上記断面画像の試料の断面部分に含まれる複数の画素を互いに隣接する画素同士を同一領域の画素として1または2以上の試料断面領域の画素群に分類する第2の分類手段と、各層の断面画像毎に、上記第2の分類手段により分類された空間領域および試料断面領域について、それぞれ各領域に含まれる画素のCT値の平均値を演算する演算手段と、各層の断面画像における空間領域と試料断面領域との境界部分および上下の断面画像間における空間領域と試料断面領域との境界部分に存在する上記試料の立体形状を構成する点を抽出するための上記所定の閾値を、境界部分を挟む空間領域の平均CT値と試料断面領域の平均CT値とに基づいて設定する閾値設定手段とを備えたものである。
【0023】
なお、上記閾値設定手段は、求める閾値をTh、空間領域の平均CT値をCTo、試料断面領域の平均CT値をCTeとすると、Th=k×(CTo−CTe)−A(但し、kは係数、Aは定数)の演算式により閾値Thを算出し、設定するものである(請求項3)。
【0024】
上記構成の画像処理装置によれば、X線CTスキャナ装置によって取得された複数枚の試料の断面画像から、各断面画像について請求項1に記載の画像処理装置と同様の方法で試料の断面形状の輪郭を構成する点群が抽出される。これにより各層の断面における試料の断面形状が抽出される。
【0025】
また、隣接する上下の断面画像を用いて上下方向(高さ方向)における試料の断面形状の輪郭を構成する点群が抽出される。具体的には、隣接する上下の断面画像において、試料断面領域の画素と空間領域の画素とが隣接する場合、両画素の間に高さ方向における試料の断面形状の輪郭を構成する点が存在するから、各画素が含まれる試料断面領域の平均CT値Teと空間領域の平均CT値ToからTh=k×(CTo−CTe)−Aの演算式により輪郭を抽出するための閾値Thが設定され、この閾値Thと試料断面領域側の画素のCT値Toおよび空間領域側の画素のCT値Teとを比較し、いずれかの画素のCT値が閾値Thに一致すれば、その画素位置が高さ方向の輪郭を構成する点として抽出される。一方、両画素のCT値が閾値Thに一致しなければ、To>Th>Teであるから、上述した補間演算により両画素の間の閾値Thが存在する位置が高さ方向の輪郭を構成する点として抽出される。
【0026】
そして、この抽出処理を隣接する上下の断面画像間の境界部分の全ての画素について行うことにより試料の高さ方向の断面形状の輪郭を構成する点が抽出される。これにより、試料の立体形状の輪郭を構成する点が抽出される。
【0027】
本発明に係る画像処理装置では、高さ方向においても断面画像における輪郭を構成する点を抽出するための閾値設定と同様の方法で輪郭を構成する点を抽出するための閾値を設定するので、複数枚の断面画像から試料の立体形状を示す輪郭を構成する点群を高い精度で抽出することができる。
【0028】
請求項4に記載の発明は、コンピュータを、X線CTスキャナ装置によって取得される複数個の画素のCT値によって構成される試料の断面画像から当該断面画像内の予め設定された所定の閾値と同一のCT値を有する点を上記試料の断面形状を構成する点として抽出する画像処理装置として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、上記コンピュータを、上記各画素のCT値と予め設定された仮の閾値とを比較し、上記CT値が仮の閾値よりも小さい画素を上記断面画像の空間部分に含まれる画素とし、上記CT値が仮の閾値以上の画素を上記断面画像の試料の断面部分に含まれる画素として分類する第1の分類手段と、上記断面画像の空間部分に含まれる複数の画素を互いに隣接する画素同士を同一領域の画素として1または2以上の空間領域の画素群に分類するとともに、上記断面画像の試料の断面部分に含まれる複数の画素を互いに隣接する画素同士を同一領域の画素として1または2以上の試料断面領域の画素群に分類する第2の分類手段と、上記第2の分類手段により分類された空間領域および試料断面領域について、それぞれ各領域に含まれる画素のCT値の平均値を演算する演算手段として機能させるためのプログラムを記録したものである。
【0029】
なお、上記閾値設定手段は、求める閾値をTh、空間領域の平均CT値をCTo、試料断面領域の平均CT値をCTeとすると、Th=k×(CTo−CTe)−A(但し、kは係数、Aは定数)の演算式により閾値Thを算出し、設定するものである(請求項6)。
【0030】
本発明によれば、記録媒体からプログラムを読み出してコンピュータに搭載に搭載することにより、当該コンピュータを請求項1に記載の画像処理装置として実現することができ、上記した効果と同様の効果を奏することができる。
【0031】
請求項5記載の発明は、コンピュータを、X線CTスキャナ装置によって取得される複数個の画素のCT値によって構成される複数枚の試料の断面画像から各層の断面画像内および各層の断面画像間の予め設定された所定の閾値と同一のCT値を有する点を上記試料の立体形状を構成する点として抽出する画像処理装置として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、上記コンピュータを、各層の断面画像毎に、上記各画素のCT値と予め設定された仮の閾値とを比較し、上記CT値が仮の閾値よりも小さい画素を上記断面画像の空間部分に含まれる画素とし、上記CT値が仮の閾値以上の画素を上記断面画像の試料の断面部分に含まれる画素として分類する第1の分類手段と、各層の断面画像毎に、上記断面画像の空間部分に含まれる複数の画素を互いに隣接する画素同士を同一領域の画素として1または2以上の空間領域の画素群に分類するとともに、上記断面画像の試料の断面部分に含まれる複数の画素を互いに隣接する画素同士を同一領域の画素として1または2以上の試料断面領域の画素群に分類する第2の分類手段と、各層の断面画像毎に、上記第2の分類手段により分類された空間領域および試料断面領域について、それぞれ各領域に含まれる画素のCT値の平均値を演算する演算手段と、各層の断面画像における空間領域と試料断面領域との境界部分および上下の断面画像間における空間領域と試料断面領域との境界部分に存在する上記試料の立体形状を構成する点を抽出するための上記所定の閾値を、境界部分を挟む空間領域の平均CT値と試料断面領域の平均CT値とに基づいて設定する閾値設定手段として機能させるためのプログラムを記録したのものである。
【0032】
なお、上記閾値設定手段は、求める閾値をTh、空間領域の平均CT値をCTo、試料断面領域の平均CT値をCTeとすると、Th=k×(CTo−CTe)−A(但し、kは係数、Aは定数)の演算式により閾値Thを算出し、設定するものである(請求項6)。
【0033】
本発明によれば、記録媒体からプログラムを読み出してコンピュータに搭載に搭載することにより、当該コンピュータを請求項2に記載の画像処理装置として実現することができ、上記した効果と同様の効果を奏することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る画像処理装置の構成を示す図である。
【0035】
同図に示す画像処理装置1は、パールナルコンピュータによって構成されている。パーソナルコンピュータは、演算処理および外部接続された周辺装置の動作制御を行う処理装置本体101、表示装置としてのLCD(liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)からなるディスプレイ102、入力装置としてのキーボード103およびマウス104で構成されている。ディスプレイ102、ボード103およびマウス104は所定の接続ケーブルで処理装置本体101に接続されている。また、処理装置本体101内には主記憶装置としてハードディスク106が内蔵されるとともに、外部記憶装置としてのCD−ROM(CD−Read Only Memory)やMO(Magnet Optical disk)などの記録媒体からプログラムやデータなどの情報を本体内に読み込むためのドライバ105が内蔵されている。
【0036】
処理装置本位101のハードディスク106には、本発明に係る画像処理、すなわち、X線CTスキャナ装置によって得られた試料(例えばトランスミッションケースの鋳造品など)の複数枚の断面画像(以下、CT画像という。)から試料の三次元形状画像を作成するための画像処理のプログラムが予め格納されている。なお、本実施形態ではX線を用いたCT画像を利用しているが、他の放射線を用いたCT画像であってもよい。また、この画像処理のプログラムを実行するために必要なCT画像のデータは、MOなどの記録媒体に記録され、ドライバ105により当該記録媒体から読み取ってハードディスク106に保存することで処理装置本体101に入力される。なお、後述するX線CTスキャナ装置とパーソナルコンピュータ1とを通信線で接続し、X線CTスキャナ装置で取得されたCT画像のデータをオンラインでパーソナルコンピュータ1に伝送し、処理装置本体101内のハードディスク106に保存するようにしても良い。
【0037】
ここで、CT画像を取得するためのX線CTスキャナ装置の一例について図2を用いて簡単に説明する。
【0038】
X線CTスキャナ装置2は、主としてスキャナ本体21、高圧発生装置22、X線制御装置23およびPCワークステーション24で構成されている。スキャナ本体21は、試料にX線を照射して断面画像のデータを取得する機能を果たす部分で、試料を載置する回転テーブル211、この回転テーブル211の回転動作を制御する回転制御装置212、回転テーブル211に載置された試料にX線を照射するべく当該X線を発生するX線管213、X線管213から発生するX線をビームに絞るためのコリメータ214、回転テーブル211を挟んでX線管213と対向配置され、X線管213から発せられたX線を検出するX線検出器215、X線管213を上下動させるための昇降機216、昇降機216の昇降動作を制御する昇降制御装置217、X線検出器215で検出される検出値を試料のCT画像のデータとして収集するデータ収集装置218を含んでいる。
【0039】
X線管213には、高圧発生装置22から所定の高圧電源が供給され、これによりX線が放射されるようになっている。X線管213からのX線の放射量(出力)は高圧発生装置22の出力を制御することにより制御される。また、X線管213からのX線放射のタイミング、水平面内(図2ではXY平面)におけるキスャン範囲、スキャン速度などはX線制御装置23により制御される。高圧発生装置22およびX線制御装置23は、PCワークステーション24からの制御信号に基づきX線管213の出力、スキャン範囲、スキャン速度、スキャンタイミング等を制御する。
【0040】
X線管213から放射されるX線はコリメータ214により細く絞られてビームとなる。そして、X線管213から放射されるX線の方向を水平面内で回転テーブル211に搭載された試料Pをカバーし得る所定の角度で変化させることによりファンビーム(細いビームを所定の角度範囲でスキャンさせたビーム)が生成され、このファンビームが回転テーブル211に搭載された試料Pに照射される。
【0041】
一方、回転テーブル211を挟んでX線管213に対向配置されたX線検出器215は、水平面内で所定ピッチで複数の検出器が扇状(X線管213と各検出器との距離が等距離となる線上)に配列されたもので、各検出器でX線管213からのファンビームを検出するようになっている。
【0042】
X線管213およびX線検出器215は、昇降機216により上下方向(図2において、紙面に垂直な方向)に移動可能になっている。昇降機216の昇降動作は昇降制御装置217により制御される。昇降制御装置217は、断面画像取得時には昇降機216を測定初期位置から所定のピッチ(たとえば1mmピッチ)で上昇させる。なお、昇降機216にはX線管213およびX線検出器215の上下方向の位置を検出するための位置検出装置(例えばエンコーダ。図示せず)が設けられ、この位置検出装置から出力される検出信号は昇降制御装置217に入力されるようになっている。昇降制御装置217はこの検出信号に基づき昇降機216の上昇動作を制御する。
【0043】
回転テーブル211は、図略の駆動モータにより回転可能になっている。回転テーブル211の回転動作は回転制御装置212により制御される。回転制御装置212は、断面画像取得時にはPCワークステーション24からの制御データに基づき回転テーブル211を回転初期位置から所定の速度で、例えば時計回りに一回転させる。
【0044】
ある高さ位置の試料PのCT画像は、昇降機216によりX線管213およびX線検出器215をその高さ位置に設定した後、X線管213からファンビームを試料に照射させながら、回転テーブル211を一回転または半回転させる(すなわち、試料Pを水平面内に一回転または半回転させる)ことにより取得される。
【0045】
従って、試料Pを高さ方向に所望のピッチで複数回スライスし、各スライス面でCT画像を取得することにより試料の三次元のCT画像が取得される。各高さ位置で試料Pにファンビームを照射し、当該試料Pを透過したX線はX線検出器215により検出され、その検出データはデータ収集装置218に入力される。データ収集装置218では、各高さ位置で取得されたX線の検出量から試料でのX線吸収量(減弱計数=CT値)を求め、CT画像のデータを作成する。このCT画像は、(n×n)個の画素を有するエリアセンサで断面を撮影した画像に相当し、CT画像のデータは各画素の出力レベルがCT値で表された濃淡データである。このCT画像のデータは、試料のCT画像取得動作の終了後、PCワークステーション24に転送される。なお、本実施形態では、CT画像をn×nの正方形画像としてしているが、CT画像はn×mの長方形画像であってもよい。
【0046】
PCワークステーション24は、試料のCT画像取得動作を統括制御するための装置である。PCワークステーション24は、パーソナルコンピュータ241、モニタ242およびキーボード/マウス243で構成されている。パーソナルコンピュータ241にはX線CXスキャナ装置2により試料Pの断面画像を取得するための専用の処理プログラムが内蔵され、起動すると、その処理プログラムに従って試料の断面画像の取得動作を行う。なお、ユーザは、X線CTスキャナ装置2の動作開始前にキーボード/マウス243によって所要の条件(例えばスキャン範囲、高さ方向のスライスピッチ、スキャン速度等の条件)を設定する。
【0047】
このX線CTスキャナ装置2では、図3に示すように、試料を高さ方向に所定のピッチでスライスした複数枚のCT画像が取得され、これらのCT画像のデータは、PCワークステーション24内のハードディスクなどの記憶装置に保存される。そして、PCワークステーション24がオンラインで画像処理装置1に接続されている場合は、取得されたCT画像のデータは通信により画像処理装置1に転送され、画像処理装置1に接続されていない場合は、取得されたCT画像のデータは、図略のドライバでMOなどの記録媒体に一旦記録され、このMOを介して画像処理装置1に入力される。
【0048】
図4は、画像処理装置1の処理装置本体101が本発明に係る画像処理を行う場合の処理動作を機能ブロックで示したものである。
【0049】
本実施形態に係る画像処理装置1は、X線CTスキャナ装置2によって得られた試料のCT画像から各断面における試料の断面形状の輪郭を構成する点群(輪郭線からなる画像)を抽出する機能を有する。機能ブロックは、画素分類部3、領域分類部4、平均CT値演算部5、閾値設定部6、輪郭点抽出部7からなる。
【0050】
図4において、画素分類部3は、各断面のCT画像について、画像を構成する全画素を空間部分を撮影した画素と試料の断面部分を撮影した画素とに分類する処理を行うものである。画素分類部3は、本発明に係る第1の分類手段に相当している。
【0051】
CT画像が、(n×n)個の画素からなるエリアセンサで試料の断面形状を撮影した画像に相当するとすると、画素分類部3は、CT画像を構成する画素G(i,j)(i行j列目の画素、i=1,2,…n、j=1,2,…n)をラスタ走査方向にスキャンし、各画素G(i,j)のCT値CT(i,j)を予め設定された仮の閾値K(例えば「0」)と比較し、CT(i,j)が閾値K以上であれば、当該画素G(i,j)を試料の断面部部分を撮影した画素とし、CT(i,j)<Kであれば、当該画素G(i,j)を空間部分を撮影した画素とする。この分類は、例えば各画素G(i,j)にフラグを設定することにより行われる。例えば試料の断面部部分に分類された画素には「1」のフラグが設定され、空間部分に分類された画素には「0」のフラグが設定される。
【0052】
例えばCT画像が、図5に示すように、(16×16)個の画素からなるエリアセンサで円筒の中心に軸を有する筒体からなる試料の断面形状(図5では斜線で示す)を撮影した画像に相当するとすると、画素分類部3は、全画素Gを画素G(1,1),G(1,2),G(1,3),…G(2,1),G(2,2),G(2,3),…G(16,1),G(16,2),G(16,3),…G(16,16)の順にスキャンし、各画素G(i,j)を仮の閾値K(=「0」)と比較して、例えば図6に示すように、空間部分の画素と試料の断面部分の画素とに分類する。なお、図6では、斜線を施した画素が試料の断面部分の画素である。
【0053】
図4に戻り、領域分類部4は、空間部分の画素と試料の断面部分の画素とに分類されたCT画像のデータについて、さらに同一部分の画素であって互いに隣接する画素群を同一の領域として分類する処理を行うものである。領域分類部4は、本発明に係る第2の分類手段に相当している。
【0054】
図6の例では、空間部分の画素は画面の周辺と中央部に「ロ」の字状に分布し、試料の断面部分の画素は、画面中心と中央のロ字状の空間部分の画素の回りに「ロ」の字状に分布している。領域分類部4は、空間部分の画素については、画面周辺の互いに隣接する画素を同一領域の画素群としてこれらの画素に領域No.1を付し、画面中央のロ字状の互に隣接する画素を同一領域の画素群としてこれらの画素に領域No.3を付する。また、領域分類部4は、試料の断面部分の画素についても同様に、画素中央のロ字状の互に隣接する画素を同一領域の画素群としてこれらの画素に領域No.2を付し、画面中央の互に隣接する4個の画素を同一の領域の画素群としてこれらの画素に領域No.4を付す。
【0055】
具体的には、領域分類部4は、CT画像を構成する画素G(i,j)をラスタ走査方向にスキャンし、各画素G(i,j)について、上下左右に隣接する4個の画素G(i−1,j),G(i+1,j),G(i,j−1),G(i,j+1)に同一領域の画素が存在するか否かを判別し、同一領域の画素が存在する場合は、さらにそれらの画素に領域No.nが既に付されているか否かを判別し、領域No.nが付されていれば、その領域No.nと同一の領域No.nを当該画素G(i,j)に付す。同一領域の画素が存在しない場合もしくは同一領域の画素は存在するが領域No.が存在しない場合は、既に付されいる領域No.nを増加した領域No.(n+1)を当該画素G(i,j)に付す。
【0056】
図6の例では、領域分類部4は、全画素Gを画素G(1,1),G(1,2),G(1,3),…G(2,1),G(2,2),G(2,3),…G(16,1),G(16,2),G(16,3),…G(16,16)の順にスキャンし、各画素G(i,j)に領域No.を付していく。
【0057】
図7は、各画素G(i,j)に領域No.に付した結果である。最初の画素G(1,1)には右側と下側に同一の空間領域の画素G(1,2),G(2,1)とが存在するが、これらには領域No.が付されていないので、画素G(1,1)には領域No.1が付される。G(1,2),G(1,3),…G(4,6)までは、上下左右の隣接する画素のいずれかに同一の空間領域の画素が存在し、しかも領域No.1が付されているので、これらの画素G(1,2)〜G(4,6)には、同一の領域No.1が付される。
【0058】
画素G(4,7)では、右側と下側に同一の試料の断面領域の画素G(4,8),G(5,7)とが存在するが、これらには領域No.が付されていないので、画素G(4,7)には、領域No.2が付される。また、画素G(4,8)は、画素G(4,7)に隣接しているので、画素G(4,7)と同一の領域No.2が付される。画素G(4,11)では、上側と右側に同一の空間領域の画素G(3,11),G(4,12)が存在するが、画素G(3,11)には領域No.1が付されているので、画素G(4,11)には画素G(3,11)と同一の領域No.1が付される。
【0059】
以下、同様の方法で、画素G(4,12)〜G(16,16)の各画素についても領域No.が付され、図7に示す領域分類した画像が得られる。図7に示すように、図6に示す画素分類された画像において、画面の周辺に分布する空間領域の画素群は領域No.1の領域に分類され、その内側のドーナツ状の試料の断面領域の画素群は領域No.2の領域に分類され、さらにその内側のドーナツ状の空間領域の画素群は領域No.3の領域に分類され、画面中央の試料の断面領域の画素群は領域No.4の領域に分類される。
【0060】
このように、各画素に領域No.を付すことにより、空間部分であっても試料の断面部分によって分断されている複数の空間部分が識別可能になる。同様に試料の断面部分であっても空間部分によって分断されている複数の断面部分が識別可能になる。このように、領域分割をするのは、試料の断面形状の輪郭を構成する点群は、隣接する空間部分と試料の断面部分の境界部分(具体的には空間部分の画素と試料の断面部分の画素とが隣接している部分)に存在しているから、その境界部分を抽出し得るようにするためである。
【0061】
図4に戻り、平均CT値演算部5は、領域No.により領域分けした画素群について、CT値の平均値を算出する処理を行うものである。平均CT値演算部5は、本発明に係る演算手段に相当している。
【0062】
平均CT値演算部5は、各領域毎に当該領域に含まれる画素のCT値C(i,j)の平均CT値CTo(r),CTe(s)を算出する。なお、平均CT値CTo(r)は、領域No.rの空間領域の平均CT値であり、平均CT値CTe(s)は、領域No.sの試料の断面領域の平均CT値である。例えば図7において、領域No.4の試料の断面領域の平均CT値CTe(4)は[CT(7,8)+CT(7,9)+CT(8,7)+CT(8,8)+CT(8,9)+CT(8,10)+CT(9,7)+CT(9,8)+CT(9,9)+CT(9,10)+CT(10,8)+CT(10,9)]/12で算出される。また、領域が十分広い場合はK−BからK+Bの範囲内(但し、Kは仮の閾値、Bは適当な定数)の画素をエッジ部の画素として除くか、あるいは、一旦平均CT値を算出した後、平均CT値から指定範囲外、例えば(CTe−C)以下もしくは(CTe+C)以上(Cは適当な定数)の画素をノイズとして除いて再度平均CT値を算出することで信頼性を高めることができる。
【0063】
閾値演算部6は、試料の断面形状の輪郭を構成する点群を抽出するための最も適した閾値Thを演算し、設定する処理を行うものである。閾値演算部6は、本発明に係る閾値設定手段に相当している。上述したように、輪郭を構成する点を抽出するための最適な閾値Thは、当該点が存在する位置を挟む空間領域の平均CT値と試料の断面領域の平均CT値によって変化し、出願人の確認したところでは、空間領域の平均CT値をCTo、試料断面領域の平均CT値をCTeとすると、Th=k×(CTo−CTe)−A(但し、kは係数、Aは定数)の演算式で算出した閾値Thを適用したほうが輪郭点の検出精度がより向上することが分かっている。
【0064】
閾値演算部6は、輪郭を構成する点を抽出する空間領域と試料の断面部分の境界部分に応じて当該境界部分の最適な閾値Thは、上記演算式を用いて演算し、設定する。例えば図7の例では、領域No.1の空間領域と領域No.2の試料の断面領域の境界部分(空間領域側の画素と試料の断面領域側の画素とが接している部分)の輪郭(図5の輪郭線A参照)を構成する点を抽出するための閾値Th1は、Th1=k×(CTo(1)−CTe(2))−Aによって算出され、この閾値Th1を用いて輪郭を構成する点が抽出される。また、領域No.2の試料の断面領域の境界部分と領域No.3の空間領域の輪郭(図5の輪郭線B参照)を構成する点を抽出するための閾値Th2は、Th2=k×(CTo(3)−CTe(2))−Aによって算出され、この閾値Th2を用いて輪郭を構成する点が抽出される。また、領域No.3の空間領域と領域No.4の試料の断面領域の境界部分の輪郭(図5の輪郭線C参照)を構成する点を抽出するための閾値Th3は、Th3=k×(CTo(3)−CTe(4))−Aによって算出され、この閾値Th3を用いて輪郭を構成する点が抽出される。
【0065】
なお、上記説明は、各断面画像における輪郭を構成する点群の抽出方法についてのものであるが、閾値演算部6は、高さ方向についても同様の方法で最適の閾値Thを演算し、設定する。すなわち、閾値演算部6は、隣接する上下の断面画像間で同一位置の画素G(i,j)の領域No.を比較し、領域No.が相違すれば、空間領域と試料の断面領域とが上下方向に隣接し、両断面画像の高さ方向のピッチの間に試料の高方向の断面形状の輪郭を構成する点が存在するから、例えば上側の断面画像が空間領域で下側の断面画像が試料の断面領域であるとすると、上側の空間領域の平均CT値をCTo(q)とし、下側の試料の断面領域の平均CT値をCTe(p)とすると、この点を抽出するための最適な閾値ThをTh=k×(CTo(q)−CTe(p))−Aの演算式によって算出する。
【0066】
図4に戻り、輪郭点抽出部7は、閾値演算部6によって設定された閾値Thを用いて各断面画像について試料の断面形状の輪郭を構成する点群を抽出するとともに、各断面画像間について高さ方向の試料の断面形状の輪郭を構成する点群を抽出する処理を行うものである。すなわち、輪郭点抽出部7は、複数枚のCT画像から試料の三次元立体画像を構成する点群を抽出するものである。
【0067】
輪郭点抽出部7は、各断面のCT画像について、具体的には、図8に示すように、試料の断面領域の画素G(i,j)に対する隣接画素G(i−1,j),G(i+1,j),G(i−1,j),G(i,j+1)のうち、画素G(i−1,j)が空間領域の画素であるとすると、画素G(i,j)の位置X(i,j)と画素G(i−1,j)の位置X(i−1,j)の間に試料の断面形状の輪郭を構成す点Eの位置Xeが存在するから、輪郭点抽出部7は閾値演算部6で設定された閾値Thと画素G(i,j),G(i−1,j)のCT値CT(i,j),CT(i−1,j)とを比較し、いずれかのCT値と一致していれば、そのCT値を有する画素の画素位置を点Eの位置とする。例えばTh=CT(i,j)であれば、画素G(i,j)の位置X(i,j)が点Eの位置Xeとなる。
【0068】
一方、CT(i,j)>Th>CT(i−1,j)であれば、輪郭点抽出部7は、補間演算によりX(i,j)>Xe>X(i−1,j)の位置を演算し、その演算結果を点Eの位置Xeとする。補間方法としては、例えば画素間のCT値の変化を直線と見なして比例計算によりXeの位置を算出する方法を適用することができる。この補間方法によれば、Th−CT(i−1,j):CT(i,j)−CT(i−1,j)=Xe−X(i−1,j):X(i,j)−X(i−1,j)であるから、Xe=[[Th−CT(i−1,j)]・{X(i,j)−X(i−1,j)}]/{CT(i,j)−CT(i−1,j)}+X(i−1,j)により点Eの位置が算出される。
【0069】
また、輪郭点抽出部7は、隣接する上下のCT画像間についても、互に隣接する空間領域の画素と試料の断面領域の画素との間で当該試料の断面形状の輪郭を構成する点E’の位置を抽出する。すなわち、例えば図9に示すように下側のCT画像内の画素G(i,j)が試料の断面領域の画素で、上側のCT画像内の画素G(i,j)’が空間領域の画素であるとすると、図8を用いて説明したのと同様に、高さ方向における試料の断面形状の輪郭を構成する点E’の位置Zeは、画素G(i,j)の位置Z(i,j)と画素G(i,j)’の位置Z(i,j)’との間に存在するから、図8を用いて説明したのと同様の方法で算出される。
【0070】
すなわち、閾値演算部6で設定された閾値Th’が画素G(i,j)のCT値CT(i,j)、画素G(i,j)’のCT値CT(i,j)’のいずれかに一致していれば、その画素の位置が点Eの高さ方向の位置Zeとなる。一方、CT(i,j)>Th’>CT(i,j)’であれば、画素G(i,j)のZ方向の位置をZ(i,j)、画素G(i,j)’のZ方向の位置をZ(i,j)’(>Z(i,j))とすると、Th’−CT(i,j)’:CT(i,j)−CT(i,j)’=Z(i,j)’−Ze:Z(i,j)’−Z(i,j)であるから、Ze=Z(i,j)’−[[Th’−CT(i,j)’]・{Z(i,j)’−Z(i,j)}]/{CT(i,j)−CT(i,j)’}により点Eの位置Zeが算出される。
【0071】
次に、画像処理装置1における試料の断面形状の輪郭を構成する点群を抽出する処理手順について、図10〜図12のフローチャートを用いて説明する。X線CTスキャナ装置2によって取得されたM枚のCT画像のデータは画像処理装置1内のハードディスク内に記憶されているとする。
【0072】
まず、CT画像の枚数をカウントするカウンタのカウント値iが「1」にセットされ(S1)、i段目のCT画像データがハードディスクの記憶領域からワークエリアに読み出される(S2)。続いて、図11に示すフローチャートに従ってCT画像から画素単位で試料の断面形状が抽出される(S3)。この抽出処理は、上述した画素分類部3による各画素の分類処理に相当する。
【0073】
図11のフローチャートに移行すると、まず、画素数をカウントするカウンタのカウント値hが「1」に設定される(S21)。続いて、(n×n)個の画素群をラスタ走査方向にスキャンする場合のh番目の画素G(h)のCT値CT(h)が予め設定された仮の閾値K以上であるか否が判別され(S22)、CT(h)が閾値K以上であれば(S22:YES)、画素C(h)に対して試料の断面部分の画素であることを示す分類情報として「1」のフラグFBが設定され(S23)、CT(h)<Kであれば(S22:NO)、画素C(h)に対して空間部分の画素であることを示す分類情報として「0」のフラグFBが設定される(S24)。
【0074】
なお、上述したようにラスタ走査方向の走査では、画素G(1,1),G(1,2),…G(1,n),G(2,1),G(2,2),…G(2,n),……G(n,1),G(n,2),G(n,3),…G(n,n)の順に各画素が走査されるから、図11のフローにおけるG(1)はG(1,1)、G(2)はG(1,2)、…G(N−1)はG(n,n−1)、G(N)はG(n,n)に対応している。
【0075】
図11に戻り、続いて、カウント値hが総画素数N(=n×n)になっているか否かが判別され(S25)、h<Nであれば(S25:NO)、次の画素の分類をするべくカウント値hが1だけインクリメントされて(S26)、ステップS22に戻る。そして、同様の処理が全ての画素について繰り返され(S22〜S26のループ)、h=Nになると(S25:YES)、図10のフローにリターンする。この処理によって、図6に例示した各画素を分類したデータが得られる。
【0076】
画素単位の断面形状の抽出処理が終了すると、図12に示すフローチャートに従って領域分けの処理が行われる。この領域分けの処理は、上述した領域分類部4による分類された画素の領域分類処理に相当する。
【0077】
図11のフローチャートに移行すると、まず、画素数をカウントするカウンタのカウント値hが「1」に設定されるとともに、領域No.の値が「0」に設定される(S31)。続いて、h番目の画素G(h)の上下左右に隣接する画素G(h’)に画素G(h)と同一分類の画素が存在するか否かが判別され(S32)、同一分類の画素G(h’)が存在する場合、さらにその画素G(h’)に領域No.が付されているか否かが判別され(S33)、その画素G(h’)に領域No.が付されていれば(S33:YES)、その画素G(h’)の領域No.と同一の領域No.が画素G(h)の領域No.に付される(S34)。
【0078】
一方、画素G(h)の上下左右に隣接する画素G(h’)に同一分類の画素が存在しない場合(S32:NO)と、同一分類の画素G(h’)は存在するが、その画素G(h’)に領域No.が付されていない場合(S33:NO)は、領域No.が1だけインクリメントされ(S35)、その領域No.が画素G(h)の領域No.に付される(S36)。
【0079】
続いて、カウント値hが総画素数N(=n×n)になっているか否かが判別され(S37)、h<Nであれば(S37:NO)、次の画素の領域分けをするべくカウント値hが1だけインクリメントされて(S38)、ステップS32に戻る。そして、同様の処理が全ての画素について繰り返され(S32〜S38のループ)、h=Nになると(S37:YES)、図10のフローにリターンする。この処理によって、図7に例示した各画素を領域に分類したデータが得られる。
【0080】
領域分けの処理が終了すると、各領域毎にその領域に含まれる画素のCT値の平均値が算出され(S5)、その算出結果はハードディスクの所定の記憶領域に記憶される(S6)。
【0081】
続いて、カウント値iが1だけインクリメントされ(S7)、(i+1)段目のCT画像データがハードディスクの記憶領域からワークエリアに読み出される(S8)。そして、(i+1)段目のCT画像データについてもi段目のCT画像データに対して行った画素単位での形状抽出処理、領域分け処理、平均CT値算出処理と同様の処理が行われる(S9〜S12)。
【0082】
続いて、i段目のCT画像について、水平面および垂直面における断面形状の輪郭を構成する点の抽出位置が検索される(S13)。すなわち、i段目のCT画像の各画素G(i,j)について、当該画素G(i,j)のCT値CT(i,j)と、隣接する画素G(i−1,j),G(i+1,j),G(i,j−1),G(i,j+1)および直上の画素G(i,j)’((i+1)段目のCT画像において上下方向で同一位置となる画素)の5つの画素のCT値CT(i−1,j),CT(i+1,j),CT(i,j−1),CT(i,j+1),CT(i,j)’と、仮の閾値Kとが比較され、画素G(i,j)のCT値と5つの画素G(i−1,j),G(i+1,j),G(i,j−1),G(i,j+1),G(i,j)’のCT値との間に仮の閾値Kが存在する場合、その位置が抽出位置とされる。
【0083】
続いて、検索された全ての断面形状の輪郭を構成する点の抽出位置について、ステップS5,S11で算出された空間領域の平均CT値と試料の断面領域の平均CT値とに基づいて最適閾値Thが設定され(S14)、その最適閾値Thのデータはハードディスクの所定の記憶領域に記憶される(S15)。
【0084】
続いて、カウント値iが1だけインクリメントされた後、そのカウント値iが総CT画像数Mを越えたか否かが判別される(S16,S17)。カウント値iがM以下であれば(S17:NO)、次のCT画像について、上述と同様の処理をするべくステップS2に戻る。そして、全てのCT画像について上述の最適閾値Thの設定処理が終了すると(S17:YES)、処理を終了する。そして、この後は、設定された最適閾値Thのデータを用いて各層のCT画像について断面形状の輪郭を構成する点群が抽出されるとともに、隣り合う層間のCT画像について高さ方向の断面形状の輪郭を構成する点群が抽出されて、試料の三次元立体形状画像のデータが取得される。
【0085】
なお、上記実施形態では、最適な閾値Thを設定するための演算式として、Th=k×(CTo−CTe)−Aとしたが、例えばアルミダイカストなどの鋳造品のCT画像に対しては、図16に示す実験結果から得られたTh=1.2×(CTo−CTe)−730の演算式を用いてもよい。
【0086】
また、画像処理装置1の画像処理プログラムをX線CTスキャン装置2のPCワークステーション24のパーソナルコンピュータ241に組み込んで当該パーソナルコンピュータ241を画像処理装置1として機能させても良い。
【0087】
上記のように、本実施形態に係る画像処理装置1によれば、閾値Thを用いてCT画像から当該CT画像における試料の断面形状の輪郭を構成する点群を抽出する際、抽出点を挟む空間領域の平均CT値と試料の断面領域の平均CT値とを用いて所定の演算式により最適な閾値Thを設定するようにしているので、断面形状の輪郭を構成す点を高い精度で検出することができる。これにより試料の2次元形状画像および三次元形状画像を高精度で再構築することができる。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1,3,4,6のいずれかに記載の発明によれば、X線CTスキャナ装置によって得られた試料の断面画像から当該断面画像内の試料の断面形状の輪郭を構成する点群を抽出するための閾値Thを、抽出点を挟む空間領域の平均CT値CToと試料の断面領域の平均CT値CTeとに基づいて、例えばTh=k×(CTo−CTe)−Aの演算式により設定するようにしたので、輪郭を構成する各点の抽出領域で最も適正な閾値を設定することができ、これにより試料の断面形状の輪郭を構成する点群を正確に求めることができる。
【0089】
また、請求項2,3,5,6のいずかに記載の発明によれば、X線CTスキャナ装置によって得られた複数枚の試料の断面画像から高さ方向の試料の断面形状の輪郭を構成する点群を抽出するための閾値Thも断面画像において試料の断面形状の輪郭を構成する点群を抽出するための閾値Thと同様に、抽出点を挟む空間領域の平均CT値CToと試料の断面領域の平均CT値CTeとに基づいて、例えばTh=k×(CTo−CTe)−Aの演算式により設定するようにしたので、高さ方向においても輪郭を構成する各点の抽出領域で最も適正な閾値を設定することができ、これにより試料の立体形状の輪郭を構成する点群を正確に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置の構成を示す図である。
【図2】X線CTスキャナ装置の概略構成を示す図である。
【図3】X線CTスキャナ装置で取得される試料の断面画像の一例を示す図である。
【図4】本発明に係る画像処理機能を果たすために処理装置本体が行う処理動作を機能ブロックで表した図である。
【図5】X線CTスキャナ装置によって得られる断面画像を、エリアセンサで円筒の中心に軸を有する筒体からなる試料の断面形状を撮影した画像に相当する画像として例示した図である。
【図6】図5に示す断面画像に対して画素単位で領域分類する処理を行ったときに得られる画像を示す図である。
【図7】図6の画像に対して領域分けの処理を行ったときに得られる画像を示す図である。
【図8】断面画像において、空間領域の画素と試料の断面領域の画素との間に当該試料の断面形状の輪郭を構成する点が存在する場合のその点の位置の補間演算を説明するための図である。
【図9】上下2枚の断面画像において、空間領域の画素と試料の断面領域の画素との間に当該試料の高さ方向における断面形状の輪郭を構成する点が存在する場合のその点の位置の補間演算を説明するための図である。
【図10】本発明に係る画像処理装置の試料の断面形状の輪郭を構成する点群を抽出する処理手順を示すフローチャートである。
【図11】「画素単位での形状抽出」の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】「領域分け」の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】図14に示すテスト試料のN1,N2,N3の各断面画像における輪郭抽出のための最適閾値の調査結果を示す図である。
【図14】テスト試料の縦断面の形状を示す図である。
【図15】テスト試料の3個の断面N1〜N3における断面形状を示す図である。
【図16】断面画像の試料の断面領域と空間領域との境界部分において試料の断面形状の輪郭を構成する点を抽出する際に設定すべき最適な閾値を確認した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 画像処理装置(マイクロコンピュータ)
101 処理装置本体
102 ディスプレイ
103 キーボード
104 マウス
105 ドライバ
106 ハードディスク
2 X線CTスキャナ装置
21 スキャナ本体
211 回転テーブル
212 回転制御装置
213 X線管
214 コリメータ
215 X線検出器
216 昇降機
217 昇降制御装置
218 データ収集装置
22 高圧発生装置
23 X線制御装置
24 PCワークステーション
3 画素分類部
4 領域分類部
5 平均CT値演算部
6 閾値演算部
7 輪郭点抽出部

Claims (6)

  1. X線CTスキャナ装置によって取得される複数個の画素のCT値によって構成される試料の断面画像から当該断面画像内の予め設定された所定の閾値と同一のCT値を有する点を上記試料の断面形状を構成する点として抽出する画像処理装置において、
    上記各画素のCT値と予め設定された仮の閾値とを比較し、上記CT値が仮の閾値よりも小さい画素を上記断面画像の空間部分に含まれる画素とし、上記CT値が仮の閾値以上の画素を上記断面画像の試料の断面部分に含まれる画素として分類する第1の分類手段と、
    上記断面画像の空間部分に含まれる複数の画素を互いに隣接する画素同士を同一領域の画素として1または2以上の空間領域の画素群に分類するとともに、上記断面画像の試料の断面部分に含まれる複数の画素を互いに隣接する画素同士を同一領域の画素として1または2以上の試料断面領域の画素群に分類する第2の分類手段と、
    上記第2の分類手段により分類された空間領域および試料断面領域について、それぞれ各領域に含まれる画素のCT値の平均値を演算する演算手段と、
    上記第2の分類手段により分類された空間領域と試料断面領域との境界部分に存在する上記試料の断面形状を構成する点を抽出するための上記所定の閾値を、当該空間領域の平均CT値と当該試料断面領域の平均CT値とに基づいて設定する閾値設定手段と、
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. X線CTスキャナ装置によって取得される複数個の画素のCT値によって構成される複数枚の試料の断面画像から各層の断面画像内および各層の断面画像間の予め設定された所定の閾値と同一のCT値を有する点を上記試料の立体形状を構成する点として抽出する画像処理装置において、
    各層の断面画像毎に、上記各画素のCT値と予め設定された仮の閾値とを比較し、上記CT値が仮の閾値よりも小さい画素を上記断面画像の空間部分に含まれる画素とし、上記CT値が仮の閾値以上の画素を上記断面画像の試料の断面部分に含まれる画素として分類する第1の分類手段と、
    各層の断面画像毎に、上記断面画像の空間部分に含まれる複数の画素を互いに隣接する画素同士を同一領域の画素として1または2以上の空間領域の画素群に分類するとともに、上記断面画像の試料の断面部分に含まれる複数の画素を互いに隣接する画素同士を同一領域の画素として1または2以上の試料断面領域の画素群に分類する第2の分類手段と、
    各層の断面画像毎に、上記第2の分類手段により分類された空間領域および試料断面領域について、それぞれ各領域に含まれる画素のCT値の平均値を演算する演算手段と、
    各層の断面画像における空間領域と試料断面領域との境界部分および上下の断面画像間における空間領域と試料断面領域との境界部分に存在する上記試料の立体形状を構成する点を抽出するための上記所定の閾値を、境界部分を挟む空間領域の平均CT値と試料断面領域の平均CT値とに基づいて設定する閾値設定手段と、
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  3. 上記閾値設定手段は、求める閾値をTh、空間領域の平均CT値をCTo、試料断面領域の平均CT値をCTeとすると、Th=k×(CTo−CTe)−A(但し、kは係数、Aは定数)の演算式により閾値Thを算出し、設定するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
  4. コンピュータを、X線CTスキャナ装置によって取得される複数個の画素のCT値によって構成される試料の断面画像から当該断面画像内の予め設定された所定の閾値と同一のCT値を有する点を上記試料の断面形状を構成する点として抽出する画像処理装置として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    上記コンピュータを、上記各画素のCT値と予め設定された仮の閾値とを比較し、上記CT値が仮の閾値よりも小さい画素を上記断面画像の空間部分に含まれる画素とし、上記CT値が仮の閾値以上の画素を上記断面画像の試料の断面部分に含まれる画素として分類する第1の分類手段と、
    上記断面画像の空間部分に含まれる複数の画素を互いに隣接する画素同士を同一領域の画素として1または2以上の空間領域の画素群に分類するとともに、上記断面画像の試料の断面部分に含まれる複数の画素を互いに隣接する画素同士を同一領域の画素として1または2以上の試料断面領域の画素群に分類する第2の分類手段と、
    上記第2の分類手段により分類された空間領域および試料断面領域について、それぞれ各領域に含まれる画素のCT値の平均値を演算する演算手段と、
    上記第2の分類手段により分類された空間領域と試料断面領域との境界部分に存在する上記試料の断面形状を構成する点を抽出するための上記所定の閾値を、当該空間領域の平均CT値と当該試料断面領域の平均CT値とに基づいて設定する閾値設定手段と、
    して機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  5. コンピュータを、X線CTスキャナ装置によって取得される複数個の画素のCT値によって構成される複数枚の試料の断面画像から各層の断面画像内および各層の断面画像間の予め設定された所定の閾値と同一のCT値を有する点を上記試料の立体形状を構成する点として抽出する画像処理装置として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    上記コンピュータを、各層の断面画像毎に、上記各画素のCT値と予め設定された仮の閾値とを比較し、上記CT値が仮の閾値よりも小さい画素を上記断面画像の空間部分に含まれる画素とし、上記CT値が仮の閾値以上の画素を上記断面画像の試料の断面部分に含まれる画素として分類する第1の分類手段と、
    各層の断面画像毎に、上記断面画像の空間部分に含まれる複数の画素を互いに隣接する画素同士を同一領域の画素として1または2以上の空間領域の画素群に分類するとともに、上記断面画像の試料の断面部分に含まれる複数の画素を互いに隣接する画素同士を同一領域の画素として1または2以上の試料断面領域の画素群に分類する第2の分類手段と、
    各層の断面画像毎に、上記第2の分類手段により分類された空間領域および試料断面領域について、それぞれ各領域に含まれる画素のCT値の平均値を演算する演算手段と、
    各層の断面画像における空間領域と試料断面領域との境界部分および上下の断面画像間における空間領域と試料断面領域との境界部分に存在する上記試料の立体形状を構成する点を抽出するための上記所定の閾値を、境界部分を挟む空間領域の平均CT値と試料断面領域の平均CT値とに基づいて設定する閾値設定手段と、
    して機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  6. 上記閾値設定手段は、求める閾値をTh、空間領域の平均CT値をCTo、試料断面領域の平均CT値をCTeとすると、Th=k×(CTo−CTe)−A(但し、kは係数、Aは定数)の演算式により閾値Thを算出し、設定するものであることを特徴とする請求項4又は5記載の記録媒体。
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