JP4600675B2 - 断層像の輪郭抽出のためのしきい値決定方法および放射線断層撮影装置 - Google Patents

断層像の輪郭抽出のためのしきい値決定方法および放射線断層撮影装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば産業用のX線CT装置をはじめとする各種断層撮影装置により撮影された断層像の輪郭抽出のためのしきい値を決定する方法と、その方法を利用した輪郭抽出機能を有する放射線断層撮影装置に関する。
X線CT装置などにより撮影された被写体の断層像を用いた解析手法の一つとして、断層像から被写体像の輪郭を抽出して、図面通り正しく製作されているか否か等を判定する手法が知られている。
断層像中で被写体像の輪郭を抽出する方法としては、従来、断層像を形成する各画素の濃度値(輝度値)に関するしきい値を定め、そのしきい値と各画素の濃度値の大小関係により断層像を2値化し、論理フィルタにより輪郭線を抽出する方法(例えば特許文献1参照)や、同じくしきい値を設定して、断層像上でそのしきい値と一致する濃度値を持つ点群を抽出して輪郭線とする方法(例えば特許文献2参照)が知られている。
このような輪郭線の抽出に際しては、しきい値をどの濃度値にするかが重要な意味を持つ。従来のこの種の輪郭抽出手法において用いるしきい値は、通常、被写体像部分を構成する各画素の濃度値の平均値と、空間像部分を構成する各画素の濃度値の平均値を用い、例えばこれら2つの平均値の中間値とすることが一般的である。
また、前記した特許文献2においては、一つの断層像に適用するしきい値を一定とせず、輪郭抽出位置の周囲の中空部分や肉厚部分の状態によって最適なしきい値を設定する技術が開示されている。すなわち、例えば図5に示すような中空部分A1を含む被写体像の輪郭を抽出するに当たっては、空間部分をその中空部分A1と外側の空間部分A2に分け、また、被写体像部分についても外側部分B1と内側部分B2に分けて、中空部分A1と被写体像の外側部分B1との境界を決めるためのしきい値と、中空部分A1と被写体像の内側部分B2との境界を決めるためのしきい値、および、空間部分A2と被写体像の外側部分の境界を決めるためのしきい値は、それぞれに異なる値としている。しかしながら、これらの各しきい値は、当該しきい値を用いて決定すべき境界を挟んでその両側の被写体像部分を構成する各画素の濃度値の平均値と、空間(中空)像部分を構成する各画素の濃度値の平均値を用いて決定する点においては、上記した従来の手法と変わりはない。
特開平5−192326号公報 特開2004−226202号公報
ところで、以上のような被写体の断層像の輪郭を抽出する際に用いられる、被写体像部分と空間像部分の各画素の濃度値の平均値を基にして決定される従来のしきい値は、被写体の形状、材質等に依存する論理的な意味合いはなく、従って、このようなしきい値を用いて抽出された被写体像の輪郭は、それが正確であるという保障はない。
従って、従来の手法により断層像から抽出された被写体像の輪郭は、再現性に乏しく、また、高精度化するにも限界があった。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、被写体の断層像からその輪郭を抽出するために用いられるしきい値を従来に比してより論理的意味を持たせ、被写体の断層像の輪郭抽出に用いてその再現性と測定精度を大幅に向上させることのできるしきい値の決定方法と、その方法を利用して良好な再現性のもとに高精度の輪郭抽出を行うことのできる放射線断層撮影装置の提供をその課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明の断層像の輪郭抽出のためのしきい値決定方法は、放射線源と放射線検出器の対と、これらの間に配置された被写体とを、放射線源と放射線検出器を結ぶ線に直交する回転軸の回りに相対回転させ、その微小角度ごとに取り込んだ投影データを再構成演算することにより、上記回転軸に直交する平面に沿った被写体の断層像を得た後、その断層像の輪郭情報を得るためのしきい値を決定する方法であって、上記断層像に対し、複数のしきい値を用いてそれぞれ被写体像部分と空間像部分の境界を求める工程と、その求めた各境界に基づく空間像部分は放射線の吸収がないものと仮定して、各境界で区切られた断層像にそれぞれ順投影処理を施して仮想的な投影データを作成する工程と、その各仮想的投影データと実際に取り込んだ上記投影データとを比較して一致度の判定を行い、最も一致度の高い仮想的投影データを得たしきい値を最適しきい値として決定する工程と、を含むことによで特徴づけられる(請求項1)。
ここで、本発明方法においては、上記一致度の判定手法が、上記各仮想的投影データの各画素データと実際に取り込んだ投影データの各画素データの差分値を算出し、その各差分値を用いた再構成演算により断層像を構築し、得られた各断層像のエッジ評価を行う手法である構成(請求項2)を好適に採用することができる。
また、本発明方法においては、被写体に放射線を照射して取り込んだ投影データを再構成演算することにより構築した断層像について、あらかじめ設定されているしきい値を用いて被写体像部分と空間像部分の境界を求め、その境界に基づく空間像部分は放射線の吸収がないものと仮定して、当該断層像に順投影処理を施して仮想的な投影データを作成し、その仮想データと実際に取り込んだ投影データとを比較して一致度の判定を行う処理を、しきい値を変更しつつ繰り返し実行した後、最も一致度の高いしきい値を最適しきい値と決定する、という手順を採用することができる(請求項3)。
更に、本発明方法においては、上記に代えて、被写体に放射線を照射して取り込んだ投影データを再構成演算することにより構築した断層像について、複数のしきい値を用いて被写体像部分と空間像部分の境界をそれぞれ求めた後、その各境界に基づく空間像部分は放射線の吸収がないものと仮定して、各境界で区切られた断層像にそれぞれ順投影処理を施して仮想的な投影データをそれぞれ作成し、次いでその各仮想的投影データと実際に取り込んだ投影データを順次比較して一致度の判定を行い、最も一致度の高いしきい値を最適しきい値と決定する、という手順を採用してもよい(請求項4)。
一方、本発明の放射線断層撮影装置は、互いに対向配置された放射線源と放射線検出器と、これらの間に設けられ、被写体を搭載するステージと、上記放射線源と放射線検出器の対とステージとを、放射線源と放射線検出器を結ぶ線に直交する回転軸の回りに相対回転させつつ、その微小回転角度ごとに取り込んだ被写体の放射線投影データを記憶する投影データメモリと、その投影データメモリの内容を用いて上記相対回転軸に直交する平面に沿った被写体の断層像を再構成する再構成演算手段と、その再構成された断層像を記憶する断層像メモリを備えてなる放射線断層撮影装置において、上記断層像メモリに記憶されている断層像に対し、設定されたしきい値を用いて被写体像部分と空間像部分との境界を画定する画像処理手段と、その画像処理手段により求められた境界に基づく空間像部分は放射線の吸収がないものと仮定して、当該断層像に順投影処理を施して仮想的な投影データを作成する順投影処理演算手段と、その仮想的投影データと上記投影データメモリに記憶している投影データを比較して一致度を判定する一致度判定手段と、上記しきい値を複数に変化させて上記画像処理手段による境界の画定動作および上記順投影演算手段による順投影処理動作、並びに上記一致度判定手段による判定動作を実行させる制御手段と、各しきい値ごとに求められた一致度のなかから、最も一致度の高いしきい値を最適しきい値と決定するしきい値決定手段を備えるとともに、その決定されたしきい値を用いて上記画像処理手段により画定された境界を被写体像の輪郭とする輪郭抽出手段を備えていることによって特徴づけられる(請求項5)。
この本発明の輪郭抽出装置においては、上記一致度判定手段が、上記仮想的投影データの各画素データと上記投影データメモリに記憶している投影データの各画素データの差分値を算出し、その各差分値を用いた再構成演算により断層像を構築し、得られた断層像のエッジ評価により一致度判定を行う構成(請求項6)を採用することができる。
本発明は、被写体像部分と空間像部分とからなる断層像において、正しいしきい値を用いて被写体像部分と空間像部分の境界を求めたとき、その境界の外側(空間像部分)は放射線の吸収がないと仮定したうえで、順投影処理を施して仮想的な投影データを求めると、その求められた投影データと、撮影時に実際に採取した投影データとは互いにほぼ等しくなることを利用したものである。
すなわち、本発明のしきい値の決定方法においては、被写体像の輪郭を抽出しようとする断層像について、複数のしきい値を用意して、それぞれのしきい値を用いて被写体像部分と空間像部分との間の境界を求める。その各境界で区切られた断層像について、空間像部分は放射線の吸収がないものと仮定して順投影処理を施し、仮想的な投影データを求める。それぞれのしきい値に対応する投影データと、撮影時に実際に採取した投影データを比較して、最も一致度の高い仮想的投影データが得られたしきい値を最適なしきい値と決定する。このようにして決定されたしきい値を用いて抽出された被写体像の輪郭は、従って、断層像を構築するのに用いた投影データによる裏付けのあるしきい値を用いているが故に、従来の被写体像部分と空間像部分の画素の濃度値の平均値を用いて定めた、特に根拠のないしきい値を用いて抽出される輪郭に比して、再現性および精度が飛躍的に向上する。
仮想的投影データと実際に採取した投影データとの一致度の判定手法については、特に限定されるものではないが、請求項2ないしは6に係る発明のように、仮想的投影データと実際の投影データとの差分値を用いた再構成演算により得られる断層像のエッジ評価により行う方法を採用することが好適である。つまり、上記の差分値を用いた再構成演算により得られる断層像は、しきい値が正確(最適)であれば、特にエッジ部分、つまり輪郭部分に殆ど像が現れず、正確でないしきい値を用いた場合には、差分値を用いた再構成演算により得られる断層像上に、輪郭部分に明確な像が現れることになり、仮想的投影データと実際の投影データとの一致度を容易に判定することができる。
本発明のしきい値の決定方法は、請求項3に係る発明のように、一つのしきい値で境界を求めた断層像について、順投影処理を施して仮想的投影データを求め、その仮想的投影データと実際の投影データとの一致度を判定する動作を、しきい値を変化させながら繰り返し実行する手順を採用する場合と、請求項4に係る発明のように、複数のしきい値で境界を求めた後、それぞれのしきい値に対応する境界で区切られた断層像に対して、順投影処理を施してそれぞれ仮想的投影データを求め、その各投影データと実際の投影データとの一致度をそれぞれ判定する手順を用いる場合のいずれであってもよい。
請求項5に係る発明の放射線断層撮影装置は、断層像メモリに記憶されている断層像に対して、上記した本発明方法を用いた処理を実行する手段、つまりしきい値を用いて被写体像部分と空間像部分の境界を画定する画像処理手段、その画定された境界により空間像部分となった部分は放射線吸収がないものと仮定して順投影処理を施して仮想的投影データを作成する順投影処理演算手段、作成された仮想的投影データと、放射線断層撮影装置の投影データメモリに格納されている投影データとの一致度の判定を行う一致度判定手段、これら全体を制御して複数のしきい値について同等の処理を実行させる制御手段、各しきい値ごとに求められた一致度のなかから最も一致度の高いものを最適しきい値と決定するしきい値決定手段、および決定されたしきい値を用いて画像処理手段により画定された境界を被写体像の輪郭とする輪郭抽出手段を備えた構成を採る。このような構成の採用により、被写体の断層像撮影からその輪郭を再現性よく高精度に抽出することが可能となる。
本発明によれば、放射線断層撮影装置により撮影された被写体の断層像の輪郭を抽出するためのしきい値を決定するに当たり、複数のしきい値を用いて同じ断層像中で被写体像部分と空間像部分の境界を求め、各境界で区切られた空間像部分は放射線の吸収がないものと仮定して順投影処理を行って仮想的な投影データを算出し、その仮想的投影データと、当該断層像を構築する際に用いた投影データと比較して一致度を判定し、その一致度が最も高いしきい値を最適しきい値と決定するので、断層像を構築した元データである投影データに裏付けられたしきい値を求めることができる。従って、このようにして決定したしきい値を用いて被写体像の輪郭を抽出すると、得られる輪郭は高精度で良好な再現性を有するものとなる。
その結果、被写体像の輪郭をサブピクセルオーダーで一意に決定することができ、断層像を利用した各種解析において測定の再現性と測定精度を飛躍的に向上させることが可能となる。また、CADデータとの比較や、断層像からCADデータを作成するいわゆるリバースエンジニアリング技術などへの応用も期待できる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態の構成図で、機械的構成を表す模式図とシステム構成を表すブロック図とを併記して示す図である。
互いに対向配置されたX線発生装置1とX線検出器2の間に、被写体Wを配置するためのステージが設けられ、この例におけるステージは、X線光軸L方向(x軸方向)に直交する回転軸R(z軸)の回りに回転する回転テーブル3と、その回転テーブル3上に載せられ、被写体Wを搭載してX線光軸Lの方向と、そのX線光軸L方向および回転軸Rの双方に直交する方向(y軸方向)に移動するxyテーブル4によって構成されている。
回転テーブル3は回転駆動回路11からの駆動信号により駆動制御され、また、xyテーブル4はxy駆動回路12からの駆動信号によって駆動制御される。
これらの回転駆動回路1およびxy駆動回路12は、軸制御部13を介して後述する制御部10の制御下に置かれており、制御部10に接続されているジョイスティックやマウス、キーボード等からなる操作部14の操作により回転テーブル3を任意角度だけ回転させることができ、また、xyテーブル4をx軸方向およびy軸方向に任意の距離だけ移動させることができる。また、CT撮影に際しては、X線発生装置1からのX線を被写体Wに照射しつつ回転テーブル3を回転させ、その微小回転角度ごとに被写体のX線透過データ、つまり投影データを投影データ取込み回路15を介して投影データメモリ16に格納していく。
この投影データメモリ16に360°分の投影データが蓄積された後、操作部14の操作によりスライス位置を指定することにより、投影データメモリ16内の投影データは再構成演算部17に取り込まれ、例えばフィルタードバックプロジェクション(FBP)などの公知の手法に基づく再構成演算により、被写体Wの断層像を構築する。その断層像は断層像メモリ18に記憶されるとともに、表示器19に表示される。
前記した制御部10は、前記した通り軸制御部13を制御するとともに、再構成演算部18をも制御し、更に、画像処理部20、順投影処理演算部21、一致度判定部22が接続されており、これらの動作をも制御する。
画像処理部20は、制御部10から供給されるしきい値を用いて、断層像メモリ18に格納されている断層像中で、被写体像部分と空間像部分との境界を画定する。また、順投影処理演算部21は、画像処理部20により画定された境界で区切られた空間像部分については、X線の吸収がないものと仮定して順投影処理を行い、仮想的な投影データを作成する。一致度判定部22は、順投影処理演算部21により作成された仮想的投影データと、前記した投影データメモリ16に格納されている実際の投影データとの一致度を判定する。
なお、以上の制御部10、再構成演算部17、画像処理部20、順投影処理演算部21および一致度判定部22等は、実際にはコンピュータとそこにインストールされたプログラムが実行する機能を表している。
さて、被写体Wの断層像からその輪郭を抽出する場合には、操作部14を操作してその旨の指令を与える。これにより、以下の動作によって自動的にしきい値を決定し、その決定されたしきい値に基づく輪郭線が抽出され、表示器19に表示される。
図2はその動作手順を示すフローチャートである。
輪郭抽出の指令が与えられると、まず、断層像メモリ16から断層像データを画像処理部20に読み出すとともに、その画像処理部20に対して、例えばあらかじめ設定されているn個のしきい値Th(i)(ただし、i=1,2,・・n)をTh(1)から順に設定していく。なお、このしきい値Th(i)のディメンジョンは、従来と同様に画素の濃度値(輝度値)である。
画像処理部20では、しきい値Th(i)が設定されるごとに、そのしきい値Th(i)を用いて断層像中の被写体像と空間像の境界を画定する。その結果を受けて、順投影処理演算部21では、境界で画定された空間像部分はX線の吸収がないものと仮定して、断層像に順投影処理を施し、仮想的な投影データを作成する。
その仮想的投影データは、一致度判定部22において投影データメモリ16に記憶されている実際の投影データと比較され、一致度判定部22ではこれら両データの一致度を判定し、その結果を記憶する。
以上の動作をTh(1)からTh(n)まで繰り返し行い、一致度が最も高いしきい値を最適しきい値Thoと決定する。そして、画像処理部20において、決定された最適しきい値Thoを用いて断層像中から被写体像の輪郭を抽出する。このしきい値Thoを用いた輪郭の抽出手法については、しきい値Thoで断層像を2値化し、論理フィルタにより輪郭線を抽出する方法、あるいはしきい値Thoと一致する画素群を抽出して輪郭線とする方法など、公知の任意の方法を採用することができる。
また、仮想的投影データと実際の投影データとの一致度の判定は、例えば図3に要部フローチャートを示すように、仮想的投影データと実際の投影データの差分を求め、つまり同じ画素どうし、同じビュー角どうしの濃度値の差分を算出し、その差分を画素データとしてFBP(フィルタードバックプロジェクション)等の手法を用いて断層像を再構成し、そのエッジ評価を行う手法を挙げることができる。しきい値Thoが正確であれば、仮想的投影データは実際の投影データと極めて類似したものとなり、差分を用いて再構成した断層像においては特にエッジ部分(境界部分)近傍では殆ど像が現れない。従って、以上のように差分を用いた再構成演算による断層像のエッジ情報が少ないものほど、最適に近いしきい値と判断することができる。
以上の実施の形態によると、複数のしきい値を用いてそれぞれ境界が画定された断層像に対し、境界で仕切られた空間像部分ではX線の吸収がないものと仮定して順投影処理を施すことにより仮想的な投影データを作成し、そのデータと実際の投影データの一致度が最も高いものを最適しきい値と決定しているため、決定されたしきい値は論理的根拠を持つものとなる。従って、このようにして決定された最適しきい値を用いて輪郭抽出を行うことにより、抽出された輪郭線は、被写体のスライス位置における輪郭を正確に表したものとなり、従来の論理的根拠を伴わないしきい値を用いる場合に比して、その測定精度並びに再現性が飛躍的に向上する。
ここで、以上の実施の形態においては、各しきい値Th(i)を用いてそれぞれ断層像中の被写体像部分と空間像部分の境界を画定して順投影処理を施すごとに、実際の投影メモリとの一致度を判定したが、図4に例示するように、各しきい値Th(i)を用いてそれぞれ断層像中の被写体像部分と空間像部分の境界を画定して順投影処理を施した仮想的投影データをそれぞれに記憶しておき、最終的に各仮想的投影データと実際の投影データとの一致度を判定してもよい。
本発明の実施の形態の構成図で、機械的構成を表す模式図とシステム構成を表すブロック図とを併記して示す図である。 本発明の実施の形態におけるしきい値の決定および輪郭抽出のための動作手順の例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における仮想的投影データと実際の投影データの一致度の具体的な判定手法の動作手順例を示すフローチャートである。 本発明の他の実施の形態におけるしきい値の決定および輪郭抽出のための動作手順の例を示すフローチャートである。 従来の輪郭抽出のためのしきい値の決定方法の例の説明図である。
符号の説明
1 X線発生装置
2 X線検出器
3 回転テーブル
4 xyテーブル
10 制御部
11 回転駆動回路
12 xy駆動回路
13 軸制御部
14 操作部
15 投影データ取込み回路
16 投影データメモリ
17 再構成演算部
18 断層像メモリ
19 表示器
20 画像処理部
21 順投影処理演算部
22 一致度判定部
W 被写体

Claims (6)

  1. 放射線源と放射線検出器の対と、これらの間に配置された被写体とを、放射線源と放射線検出器を結ぶ線に直交する回転軸の回りに相対回転させ、その微小角度ごとに取り込んだ投影データを再構成演算することにより、上記回転軸に直交する平面に沿った被写体の断層像を得た後、その断層像の輪郭情報を得るためのしきい値を決定する方法であって、 上記断層像に対し、複数のしきい値を用いてそれぞれ被写体像部分と空間像部分の境界を求める工程と、その求めた各境界に基づく空間像部分は放射線の吸収がないものと仮定して、各境界で区切られた断層像にそれぞれ順投影処理を施して仮想的な投影データを作成する工程と、その各仮想的投影データと実際に取り込んだ上記投影データとを比較して一致度の判定を行い、最も一致度の高い仮想的投影データを得たしきい値を最適しきい値として決定する工程と、を含む断層像の輪郭抽出のためのしきい値の決定方法。
  2. 上記一致度の判定手法が、上記各仮想的投影データの各画素データと実際に取り込んだ投影データの各画素データの差分値を算出し、その各差分値を用いた再構成演算により断層像を構築し、得られた各断層像のエッジ評価を行う手法であることを特徴とする請求項1に記載の断層像の輪郭抽出のためのしきい値の決定方法。
  3. 被写体に放射線を照射して取り込んだ投影データを再構成演算することにより構築した断層像について、あらかじめ設定されているしきい値を用いて被写体像部分と空間像部分の境界を求め、その境界に基づく空間像部分は放射線の吸収がないものと仮定して、当該断層像に順投影処理を施して仮想的な投影データを作成し、その仮想データと実際に取り込んだ投影データとを比較して一致度の判定を行う処理を、しきい値を変更しつつ繰り返し実行した後、最も一致度の高いしきい値を最適しきい値と決定することを特徴とする請求項1または2に記載の断層像の輪郭抽出のためのしきい値の決定方法。
  4. 被写体に放射線を照射して取り込んだ投影データを再構成演算することにより構築した断層像について、複数のしきい値を用いて被写体像部分と空間像部分の境界をそれぞれ求めた後、その各境界に基づく空間像部分は放射線の吸収がないものと仮定して、各境界で区切られた断層像にそれぞれ順投影処理を施して仮想的な投影データをそれぞれ作成し、次いでその各仮想的投影データと実際に取り込んだ投影データを順次比較して一致度の判定を行い、最も一致度の高いしきい値を最適しきい値と決定することを特徴とする請求項1または2に記載の断層像の輪郭抽出のためのしきい値の決定方法。
  5. 互いに対向配置された放射線源と放射線検出器と、これらの間に設けられ、被写体を搭載するステージと、上記放射線源と放射線検出器の対とステージとを、放射線源と放射線検出器を結ぶ線に直交する回転軸の回りに相対回転させつつ、その微小回転角度ごとに取り込んだ被写体の放射線投影データを記憶する投影データメモリと、その投影データメモリの内容を用いて上記相対回転軸に直交する平面に沿った被写体の断層像を再構成する再構成演算手段と、その再構成された断層像を記憶する断層像メモリを備えてなる放射線断層撮影装置において、 上記断層像メモリに記憶されている断層像に対し、設定されたしきい値を用いて被写体像部分と空間像部分との境界を画定する画像処理手段と、その画像処理手段により求められた境界に基づく空間像部分は放射線の吸収がないものと仮定して、当該断層像に順投影処理を施して仮想的な投影データを作成する順投影処理演算手段と、その仮想的投影データと上記投影データメモリに記憶している投影データを比較して一致度を判定する一致度判定手段と、上記しきい値を複数に変化させて上記画像処理手段による境界の画定動作および上記順投影演算手段による順投影処理動作、並びに上記一致度判定手段による判定動作を実行させる制御手段と、各しきい値ごとに求められた一致度のなかから、最も一致度の高いしきい値を最適しきい値と決定するしきい値決定手段を備えるとともに、その決定されたしきい値を用いて上記画像処理手段により画定された境界を被写体像の輪郭とする輪郭抽出手段を備えていることを特徴とする放射線断層撮影装置。
  6. 上記一致度判定手段が、上記仮想的投影データの各画素データと上記投影データメモリに記憶している投影データの各画素データの差分値を算出し、その各差分値を用いた再構成演算により断層像を構築し、得られた断層像のエッジ評価により一致度判定を行うことを特徴とする請求項5に記載の放射線断層撮影装置。
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