JP2004225642A - 電動工具用冷却ファン及び冷却ファンを備えた電動工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】補強リブの形状を最適化し、補強リブが発生させる流速が羽根が発生させる流速よりも遅く設定することで、ハブおよび主板の強度を確保しつつ騒音の発生を抑制する電動工具用冷却ファン、及び冷却ファンを備えた電動工具の提供。
【解決手段】冷却ファン20は、円板状の主板22と主板の基部に一体に設けられた回転軸心方向に延びるハブ23とを有するファン本体2と、主板の一面側から突出し主板の周方向に所定ピッチで配列された羽根25と、羽根と主板とを補強するため主板の他面側から突出しハブから半径方向外方に延びるリブ26を備える。主板はその外縁が基部よりも反羽根側に位置するように軸心に対して傾斜する形状をなす。リブの突出端はリブの半径方向外方に向かうに従って羽根側に近づく形状をなし、リブの半径方向長さが短縮されリブが発生する半径方向外方に向かう空気流の速度の上昇が抑えられる。
【選択図】 図5
【解決手段】冷却ファン20は、円板状の主板22と主板の基部に一体に設けられた回転軸心方向に延びるハブ23とを有するファン本体2と、主板の一面側から突出し主板の周方向に所定ピッチで配列された羽根25と、羽根と主板とを補強するため主板の他面側から突出しハブから半径方向外方に延びるリブ26を備える。主板はその外縁が基部よりも反羽根側に位置するように軸心に対して傾斜する形状をなす。リブの突出端はリブの半径方向外方に向かうに従って羽根側に近づく形状をなし、リブの半径方向長さが短縮されリブが発生する半径方向外方に向かう空気流の速度の上昇が抑えられる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電動工具用冷却ファン、特にファン本体の半径方向外方に冷却空気を排出する遠心ファンに関する。本発明は更に、かかる遠心ファンを備える電動工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷却ファンを備えた電動工具の一例としての研削工具について、図8に基づき説明する。研削工具101は、ケーシング102内に出力軸104を備えるモータ105が支持され、また出力軸104に接続される冷却ファン120が設けられる。ケーシング102の他端部にはギヤカバー103が固定され、ギヤカバー103内にはピニオンギヤ108とギヤ110を含む動力伝達機構が配置され、出力軸104の回転を駆動軸109に伝達している。そして駆動軸109には研削部材113が固定されている。ケーシング102の一端側と、中間部には空気吸入口102a、102bが形成され、ギヤカバー103には空気吐出口103aが形成されている。冷却ファン120はモータ105に対し空気吸入口102aとは反対側に位置する。
【0003】
冷却ファン120は、モータ105の出力軸104に固定されるディスク状のファン本体121と、空気をファン本体121の半径方向外方に排出するために、ファン本体のモータと対向している一面側に設けられた複数の羽根125とを有する。羽根125は、周方向に沿って所定ピッチで配列されて略半径方向に延び、一面側から出力軸104の軸方向に突出している。そして吐出口103aは冷却ファン120の外周縁近傍に位置する。また冷却ファン120近傍のベアリングの保持のために、2本のネジ115が冷却ファン120の他面側に向かって突出しており、且つ他面側に直面している。
【0004】
モータの出力軸104が回転すると、出力軸104に固定されたピニオン108と駆動軸109に固定されたギヤ110の噛合により駆動軸109に回転が伝達され,駆動軸109に取付けられた研削部材113の回転により研削作業が実行できる。モータ105の回転に伴い冷却ファン120が回転して吸気口102a、102bより矢印のようにケーシング102とモータ105との間のスペース内に冷却風が導入される。そして、冷却ファン120の内径部より半径方向外方に冷却風が流出し、吐出口103aより外部に排出される。
【0005】
ここで電動工具の小型化、高出力化、低騒音化の要求から、小型で冷却能力が高く、騒音の小さいモータ冷却ファン及びファン周辺の開発の必要性が高まっている。そこで風量増加と騒音低減を目的として、羽根の形状の最適化が提案されている。(例えば特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−153194号公報
【0007】
図9に示されるように、特許文献1記載の冷却ファンの複数の羽根125は、空気をファン本体121の主板122の半径方向外方に排出するために、主板121の一面側において主板の所定半径位置から主板の外縁まで延び、主板の周方向に沿って所定ピッチで配列され、一面側から出力軸の軸方向に突出して設けられている。
【0008】
冷却ファン120を回転させると、遠心作用により空気にエネルギが与えられ,空気は、羽根125の内端である入口部より主板122,羽根125およびファンガイド131により形成された風路を通過して羽根125の外周部である出口部より半径方向外方に排出される。
【0009】
ここで冷却ファン120は、羽根を主板の所定半径位置から半径方向外方に延びる方向に対し回転方向と逆方向の傾斜を設けている。これはファン回転時の騒音は一般に流速に寄与するものが多く、流体騒音は流速の6乗に比例すると言われていることから、ファン回転時にファン内部の羽根間を通過する流速をファンの回転周速度よりもを遅くすることで低騒音化を図るためである。また、羽根125の主板122からの突出長は、ファン回転時において羽根125の内径側頂点125aから外周側まで流速が等しくなるかもしくは徐々に遅くなるように設定されている。具体的には、各羽根125間の主板周方向の間隔と羽根125の突出長の積からなる面積と、直径との積が各半径位置においてほぼ等しくすることにより騒音を低減している。即ち、図9に示されるように、冷却ファンの羽根の任意の直径Dにおける各羽根間の間隔および各羽根の突出長さを夫々Lおよびhとしたとき、L×h×Dが一定となるようにして、円滑に冷却風が流れて騒音低減の効果が発揮される。
【0010】
ここで図9に示されるように、主板122を回転軸心Cに対して直角に設けると、主板122と羽根125に作用する遠心力により、主板122の反りが発生し、主板122が変形湾曲するという問題がある。特に研削作業の高速化を目的として、モータの回転を高速化した場合にこの問題が顕著となる。
【0011】
この問題を解決するために、図10に示されるように、羽根を設置している主板222を回転軸心Cに対して垂直に設けずに、主板222の外周縁222Bが主板の基部222Cよりも反羽根側に位置するように主板222を傾斜させる構成が実施されている。この構成により、羽根125と主板222の合計重心を羽根付け根位置に近づけることができ、ファンの回転時における遠心力による主板222の反りや変形が抑えられる。
【0012】
しかし遠心ファンの回転により、主板222に矢印X方向の力が作用すると、出力軸と嵌合するハブ223と主板の基部222Cの接続部において引張り力が作用して、主板222が破損する可能性がある。そこで、図11に示されるように、出力軸に嵌合するハブ323を羽根側方向のみならず、反羽根側方向にも出力軸の軸方向に延設し、主板222の他面側において、ハブ323から主板の軸心Cと直交する面222Dを備えた部分まで軸心Cと直角に主板222の半径方向に延びる複数の補強リブ326を一体に設ける構成が実施されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、半径方向に延びる複数の補強リブ326を設けたために、羽根125と同様に補強リブ326によっても遠心作用により空気流を発生させてしまう。補強リブ326については、上述した羽根に関する騒音低減のための構成はなく、羽根125間を通過する流速よりも速くなる可能性が高い。そのため補強リブ326が発生させる流速が騒音を増加させる要因となる。特に電動工具の空気吐出口が、羽根側ではなく補強リブ側に偏して位置している場合には、音源が即座に外部に通じるので、騒音の問題が顕在化する。
【0014】
また図8の構成において、図11と同様な構成の遠心ファンを採用すると、補強リブ326が周期的に突出物、即ちファン側に突出した複数のネジ115を通過する。その際の空気の圧力変動により騒音が発生するが、このとき2個の補強リブが2個のネジ125を同時に通過する事態となると、騒音が倍増する結果となる。
【0015】
そこで本発明は、補強リブの形状を最適化し、補強リブが発生させる流速が羽根が発生させる流速よりも遅く設定することで、ハブおよび主板の強度を確保しつつ騒音の発生を抑制する電動工具用冷却ファン、及び該冷却ファンを備えた電動工具を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明は、円板状の主板と、該主板の半径方向内端側に一体且つ同軸に設けられて該主板の基部をなす筒状のハブとが設けられ、該ハブによりモータの出力軸に固定されるファン本体と、空気を該主板の半径方向外方に排出するために、該主板の一面側において該主板の第1所定半径位置から該主板の外縁まで延び、該主板の周方向に沿って配列され、該一面側から該出力軸の軸方向に突出して設けられた複数の羽根を備え、該主板は、該外縁が該基部よりも反羽根側方向に位置するように該出力軸の軸心に対して傾斜して設けられ、該ハブは羽根側方向と反羽根側方向に該出力軸の軸方向に延び、該主板の他面側には該ハブから該主板の第2所定半径位置まで該主板の半径方向に延びる複数の補強リブが一体に設けられる電動工具用冷却ファンにおいて、
該補強リブの、該主板の他面側及び該ハブと一体化する辺以外の外縁は、該羽根側に近づく形状をなす電動工具用冷却ファンを提供している。
【0017】
ここで、該羽根は該一面からの突出長が、該羽根の半径方向内端から第3所定半径位置までは増加して第3所定半径位置でピークをなし、該第3所定半径位置から該羽根の半径方向外端に向かって徐々に減少する形状をなし、該複数の補強リブの半径方向外端をなす該第2所定半径位置は、該第3所定半径位置と該羽根の半径方向内端との間に位置する。
【0018】
本発明は更に、円板状の主板と、該主板の半径方向内端側に一体且つ同軸に設けられて該主板の基部をなす筒状のハブとが設けられ、該ハブによりモータの出力軸に固定されるファン本体と、空気を該主板の半径方向外方に排出するために該主板の一面側において該主板の第1所定半径位置から該主板の外縁まで延び、該主板の周方向に沿って配列され、該一面側から該出力軸の軸方向に突出して設けられた複数の羽根を備え、該主板は、該外縁が該基部よりも反羽根側方向に位置するように該出力軸の軸に対して傾斜して設けられ、該ハブは羽根側方向と反羽根側方向に該出力軸の軸方向に延び、該主板の他面側には該ハブから該主板の第2所定半径位置まで該主板の半径方向に延びる複数の補強リブが一体に設けられる電動工具用冷却ファンにおいて、該補強リブの、該主板の他面側及び該ハブと一体化する辺以外の外縁は、該羽根側に近づく形状をなし、該複数の補強リブの半径方向外端位置となる該第2所定半径位置は、該ファン本体の回転により該複数の補強リブが発生する半径方向外方に向かう空気の流速が、該複数の羽根が発生する半径方向外方に向かう空気の流速以下となるように設定される電動工具用冷却ファンを提供している。
【0019】
本発明は更に、空気吸入口と空気吐出口が形成された外枠体と、該外枠体内に支持され出力軸を備えるモータと、該外枠体内に配置されると共に該出力軸に接続される冷却ファンとを備え、該冷却ファンは、円板状の主板と、該主板の半径方向内端側に一体且つ同軸に設けられて該主板の基部をなす筒状のハブとが設けられ、該ハブによりモータの出力軸に固定されるファン本体と、空気を該主板の半径方向外方に排出するために該主板の一面側において該主板の第1所定半径位置から該主板の外縁まで延び、該主板の周方向に沿って配列され、該一面側から該出力軸の軸方向に突出して設けられた複数の羽根を備え、該主板は、該外縁が該基部よりも反羽根側方向に位置するように該出力軸の軸心に対して傾斜して設けられ、該ハブは羽根側方向と反羽根側方向に該出力軸の軸方向に延び、該主板の他面側には該ハブから該主板の第2所定半径位置まで該主板の半径方向に延びる複数の補強リブが一体に設けられ、該空気吐出口は、該主板に関して該他面側に偏して位置する電動工具において、該補強リブの、該主板の他面側及び該ハブと一体化する辺以外の外縁は、該羽根側に近づく形状をなす電動工具を提供している。
【0020】
本発明は更に、空気吸入口と空気吐出口が形成された外枠体と、該外枠体内に支持され出力軸を備えるモータと、該外枠体内に配置されると共に該出力軸に接続される冷却ファンとを備え、該冷却ファンは、円板状の主板と、該主板の半径方向内端側に一体且つ同軸に設けられて該主板の基部をなす筒状のハブとが設けられ、該ハブによりモータの出力軸に固定されるファン本体と、空気を該主板の半径方向外方に排出するために該主板の一面側において該主板の第1所定半径位置から該主板の外縁まで延び、該主板の周方向に沿って配列され、該一面側から該出力軸の軸方向に突出して設けられた複数の羽根を備え、該主板は、該外縁が該基部よりも反羽根側方向に位置するように該出力軸の軸心に対して傾斜して設けられ、該ハブは羽根側方向と反羽根側方向に該出力軸の軸方向に延び、該主板の他面側には該ハブから該主板の第2所定半径位置まで該主板の半径方向に延びる複数の補強リブが一体に設けられ、該空気吐出口は、該主板に関して該他面側に偏して位置する電動工具において、該補強リブの、該主板の他面側及び該ハブと一体化する辺以外の外縁は、該羽根側に近づく形状をなし、該複数の補強リブの半径方向外端位置となる該第2所定半径位置は、該ファン本体の回転により該複数の補強リブが発生する半径方向外方に向かう空気の流速が、該複数の羽根が発生する半径方向外方に向かう空気の流速以下となるように設定される電動工具を提供している。
【0021】
上述した電動工具において、該羽根は該一面からの突出長が、該羽根の半径方向内端から第3所定半径位置までは増加して第3所定半径位置でピークをなし、該第3所定半径位置から該羽根の半径方向外端に向かって徐々に減少する形状をなし、該複数の補強リブの半径方向外端なす該第2所定半径位置は、該第3所定半径位置と該羽根の半径方向内端との間に位置する。
【0022】
また上述した電動工具において、該外枠体は、一端部側に該空気吸入口が形成されたケーシングと、該ケーシングの他端部に接続され該吐出口が形成されたギヤカバーとを有し、該ギヤカバーは該主板の他面に直接対向する位置に配置され、該ギヤカバーにより回転砥石を回転可能に支承して該電動工具は研削工具として機能し、複数のネジが一定の周方向間隔で該ケーシングの他端部に固定されると共に該主板の他面に向かって突出して該複数の補強リブに直接対向して配列され、
該複数の補強リブは一定の周方向間隔で配列され、該補強リブが奇数個のときは該ネジは偶数個設けられ、該補強リブが偶数個のときは該ネジが奇数個設けられる。
【0023】
又は、上述した電動工具において、該出力軸の自由回転を阻止するために、該外枠体には、該主板の他面に直接対向する位置に該主板の直径方向に横切りかつ該直径方向に移動可能で該出力軸と選択的に嵌合する長尺状のスピンドルロックが設けられ、該スピンドルロックに関し該冷却ファンと反対側には丸鋸が着脱可能に設けられて該電動工具を切断工具として機能させ、該複数の補強リブは一定の周方向間隔で奇数個設けられる。
【0024】
【発明実施の形態】
本発明の第1の実施の形態による電動工具について図1乃至図6に基づき説明する。第1の実施の形態は切断工具に関する。
【0025】
切断工具1は、本体ハウジング2とギヤカバー3とにより外枠体が構成され、本体ハウジング2の一端には空気吸入口2aが形成され、本体ハウジング2内には出力軸4を備えるモータ5が支持される。モータ5の後方と本体ハウジング2の間には、空気吸入口2aに連通する空気通路a1が画成され、またモータ5の外周と本体ハウジング2の内周面との間は、空気通路a1に連通するモータ軸方向に沿った空気通路a2が画成される。そして出力軸4には冷却ファン20が同軸に設けられる。また、モータ5と冷却ファン20との間には、空気通路a2に連通し、冷却ファン20の半径方向外方に向かう空気通路a3が画成される。
【0026】
ギヤカバー3はその一端側が本体ハウジング2の他端部にねじ6により固定され、他端側には丸鋸ケース7が一体に設けられる。ギヤカバー3内には、軸受11を介して出力軸4が回転可能に支承され、また軸受12を介して駆動軸9が回転可能に支承される。出力軸4にはピニオンギヤ7が固定され、駆動軸9にはピニオンギヤ7と噛合するギヤ10が同軸に固定されている。そしてこれらピニオンギヤ7やギヤ10が動力伝達機構を構成してギヤカバー3内に配置される。またギヤカバー3内には本体ハウジング2内の空気通路a3と連通する吐出口3aが形成され、吐出口3a内は、空気通路a4が画成される。駆動軸9には丸鋸刃13が着脱可能に固定されると共に、セフティカバー14が駆動軸9に回動可能に支持される。そして丸鋸刃13と丸鋸ケース7との間の空間は、空気通路a4と連通し、外部に通じる空気通路a5が画成される。
【0027】
図2に示されるように、本体ハウジング2とギヤカバー3との境界には一部隙間が形成されており、この隙間内に出力軸4の自由回転を阻止するためのスピンドルロック15が設置されている。スピンドルロック15は、切断工具1の非作動時に駆動軸9の自由回転を阻止して丸鋸刃13の交換を容易にするために設けられる。
【0028】
スピンドルロック15は、冷却ファン20の直径方向に横切りかつ図2の矢印Aに示されるように直径方向に移動可能に設けられる長尺板状の部材である。スピンドルロック15の一端は、外枠体の外部に突出し外部から操作可能とされる。図3に示されるように、出力軸4は、互いに平行な面を備えた異形断面部4Aを備え、異形断面部4Aと係合して出力軸4の回転を阻止する二股部15Aと、二股部15Aに連通し異形断面部4Aと非係合関係にある回転許容部15Bと、他互いに反対方向に延びる腕部15X、15Yを有する。よってスピンドルロック15が矢印A方向に移動操作されると、二股部15Aが異形断面部4Aと係合して出力軸4の自由回転を阻止し、もって駆動軸9の自由回転が阻止され、反矢印A方向に移動操作されると、回転許容部15Bが異形断面部4Aの周囲に位置して出力軸4の回転が許容される。
【0029】
図2に示されるように、冷却ファン20は、ファン本体21と、複数の羽根25と、複数の補強リブ26とを備えた一体成形品である。ファン本体21に関し羽根25は、モータ5に面する側に設けられ、補強リブ26はスピンドルロック15に直面する側に設けられる。また上述した吐出口3aは、補強リブ26側に偏した位置にある。
【0030】
図4乃至図6に示されるように、ファン本体21は、円板状の主板22と、主板22の半径方向内端側に一体且つ同軸に設けられて主板22の基部をなす筒状のハブ23とを有し、ハブ23がモータ5の出力軸4に圧入されることにより、冷却ファン20が出力軸4に固定される。複数の羽根25は、主板22の一面側(モータ5に対向する側)において主板22の第1所定半径位置22Aから主板22の外縁22Bまで延び、主板22の周方向に沿って所定ピッチで配列される。そして一面側からモータ5方向に突出して設けられる。ここで主板22は、外縁22Bが基部22Cよりも反羽根25側方向に位置するように出力軸4の軸心Cに対して傾斜して設けられ、ハブ23は羽根側方向と反羽根側方向に出力軸4の軸方向に延設されている。
【0031】
冷却ファン20回転時に羽根25間を通過する空気の流速を冷却ファン20自体の回転周速度よりもを遅くすることで低騒音化を図るために、図4に示されるように、それぞれの羽根25は、主板22の第1所定半径位置22Aから半径方向外方に延びる方向に対して回転方向Bと逆方向の傾斜をなしている。また、羽根25の主板22からの突出長は、ファン回転時において羽根25の内径側頂点25aから外周縁22Bまで流速が等しくなるかもしくは徐々に遅くなるように設計される。
【0032】
形状的な言及をすれば、羽根25は主板22の一面からの突出長が、羽根の半径方向内端22Aから所定半径位置(第3所定半径位置)22Dまでは急激に増加して第3所定半径位置でピーク25aをなし、第3所定半径位置22Dから羽根の半径方向外縁22Bに向かって徐々に突出長が減少する形状をなす。かかる構成により、各羽根25間の主板周方向の間隔Lと羽根の突出長の積からなる面積と、半径との積が各半径位置においてほぼ等しくなり、もって騒音を低減することができる。
【0033】
複数の補強リブ26は、主板22の他面側(スピンドルロック15に直面する側)において、主板22と一体にハブ23から主板22の所定半径位置(第2所定半径位置)22Eまで主板22の半径方向に延び、かつ周方向に一定間隔毎に奇数個設けられる。ここで、補強リブ26は、突出端(請求項における外縁)が直線状をなすと共に、半径方向外方に向かうに従って羽根25側に近づく形状をなす。
【0034】
複数の補強リブ26の半径方向外端(22Eの位置に対応)は、羽根25のピーク25aに対応する第3所定半径位置22Dと羽根25の半径方向内端22Aとの間に位置する。これは、遠心ファン20においては、羽根25間の流速が第3所定半径位置22D近傍で最も速くなること及び、主板22の強度を保つには補強リブ23の半径方向外端径(22E)が羽根の半径方向内端径以上必要であるからである。
【0035】
以上の構成において、モータ5が回転すると、出力軸4、ピニオンギヤ8、ギヤ10、駆動軸9を介して丸鋸刃13が回転し、切断作業が実行できる。モータ5の回転により、空気吸入口2aから本体ハウジング2内に空気が導入され、空気通路a1、a2を通じて空気が冷却ファン20の羽根25の内端側に導入され、空気通路a3のように空気が羽根の外端側に強制導入され吐出口3aから空気通路a4、a5を経て外気に排出される。空気がモータ5の外周側の通路a2や丸鋸刃13の外周縁側通路a5を通過することで、加熱要素であるモータ5が冷却される。
【0036】
吐出口3aは音源である補強リブ26側に偏しているので、騒音を外方に伝達しやすいレイアウトとなるが、上述したように、補強リブ26の外縁は、半径方向外方に向かうに従って羽根25側に近づく形状をなしているので、補強リブ本来の機能であるハブ23及び主板22の機械的強度を確保することができると共に、同時に、補強リブ26の半径方向の長さを小さくすることができるので、補強リブ26が発生する空気流の速度を低下でき、補強リブ26の回転による騒音の発生を抑えることが可能となる。
【0037】
また、上述したように、複数の補強リブ26の半径方向外端(22Eの位置に対応)は、羽根25のピーク25aに対応する第3所定半径位置22Dと羽根25の半径方向内端22Aとの間に位置しているので、補強リブ26が発生する空気流の流速が羽根25が発生する空気流の流速よりも遅くなり、騒音を増加させることなく十分な強度を得ることが可能となる。
【0038】
更に遠心ファン20の1回転当たり、それぞれの補強リブ26はスピンドルロック15を2度通過することになる。即ちスピンドルロックの腕部15Xと腕部15Yを通過する。補強リブ26がスピンドルロック15を通過するときにも、空気の急激な圧力変動により騒音が発生することは避けられない。この騒音は騒音値としては小さいものの、高周波を発生させるために耳障りな音となり不快感を与える。本実施の形態では、複数の補強リブ26が主板22の周方向に等間隔に配列されつつも、奇数個であるので、スピンドルロック15上を同時に2個の補強リブ26が通過するのを避けられる。よって、騒音の同時発生を防止することができる。
【0039】
図7は、冷却ファンの変形例を示しており、図5と同様な部分は同一の番号を付し説明を省略する。図7の冷却ファン30は、補強リブ36の突出端の形状が直線状ではなく、膨らみの円弧形状をなす。かかる円弧形状であっても、上述した主板22とハブ23との補強効果と、騒音低減効果を発揮することができる。
【0040】
また図8に示される研削工具において、冷却ファン120に代えて、図5乃至図7に示される冷却ファンを採用することで、騒音低減効果が達成できる。また、図8の構成に図5乃至図7に示される冷却ファンを採用すると、冷却ファン方向に突出する2本のねじ115をそれぞれの補強リブが通過して、その際の空気の圧力変動により騒音を発生することになる。そこで上述した実施の形態と同様に、補強リブの本数を奇数個として、2個の補強リブが同時に2個のボルト115を通過しないようにして、騒音の同時発生を防止することができる。
【0041】
本発明による電動工具は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、騒音の発生源である補強リブ方向に突出する突起物(例えば図8のねじ115)が一定の周方向間隔で多数設けられている場合に、その個数が奇数個であれば補強リブを偶数個とし、突起物が偶数個であれば補強リブを奇数個とすればよい。また補強リブの外縁は図5に示されるような連続的な直線状や図7に示される円弧状のみならず、角部を有する不連続な線であってもよい。後者の場合に縁部を、ハブから軸心Cに対して垂直に立上がる第1縁部と第1縁部から直角に羽根側に向かう第2縁部により構成してもよい。また、上述した切断工具や研削工具以外の電動工具についても、上述した実施の形態による冷却ファンを採用することができるのは勿論である。
【0042】
【発明の効果】
請求項1記載の電動工具用冷却ファンによれば、補強リブの、主板の他面側及びハブと一体化する辺以外の外縁は、羽根側に近づく形状をなしているので、補強リブ本来の機能であるハブ及び主板の機械的強度を確保することができると共に、同時に、補強リブの半径方向の長さを小さくすることができるので、補強リブが発生する空気流の速度を低下でき、補強リブの回転による騒音の発生を抑えることができる。
【0043】
請求項2記載の電動工具用冷却ファン及び請求項6記載の電動工具によれば、それぞれの補強リブの半径方向外端は、第3所定半径位置と羽根の半径方向内端との間に位置する構成であるので、補強リブが発生する空気流の流速が羽根が発生する空気流の流速よりも遅くなり、騒音を増加させることなく十分な強度を得ることが可能となる。
【0044】
請求項3記載の電動工具用冷却ファンによれば、補強リブの、主板の他面側及びハブと一体化する辺以外の外縁は、羽根側に近づく形状をなし、複数の補強リブの半径方向外端位置となる第2所定半径位置は、ファン本体の回転により複数の補強リブが発生する半径方向外方に向かう空気の流速が、複数の羽根が発生する半径方向外方に向かう空気の流速以下となるように設定されているので、補強リブの回転による騒音の発生を抑えることができる。
【0045】
請求項4記載の電動工具によれば、吐出口が音源である補強リブ側に偏しており、騒音を外方に伝達しやすいレイアウトであるが、請求項1と同様に、補強リブの、主板の他面側及びハブと一体化する辺以外の外縁は、羽根側に近づく形状をなしているので、補強リブの半径方向の長さを小さくすることができ、補強リブが発生する空気流の速度を低下でき、補強リブの回転による騒音の発生を抑えることができる。
【0046】
請求項5記載の電動工具によれば、請求項4と同様に吐出口が音源である補強リブ側に偏しており、騒音を外方に伝達しやすいレイアウトであるが、請求項3と同様に、補強リブの、主板の他面側及びハブと一体化する辺以外の外縁は、羽根側に近づく形状をなしており、複数の補強リブの半径方向外端位置となる第2所定半径位置は、ファン本体の回転により複数の補強リブが発生する半径方向外方に向かう空気の流速が、複数の羽根が発生する半径方向外方に向かう空気の流速以下となるように設定されているので、補強リブの回転による騒音の発生を抑えることができる。
【0047】
請求項7記載の電動工具によれば、電動工具が研削工具である場合に、補強リブが奇数個のときは突出物であるネジは偶数個設けられ、補強リブが偶数個のときはネジが奇数個設けられるので、2個の補強リブが2個のネジ上を同時に通過する事態を防止でき、騒音の重複発生を防止できる。
【0048】
請求項8記載の電動工具によれば、電動工具が切断工具である場合に、補強リブは奇数個設けられているので、2個の補強リブが同時にスピンドルロックを通過する事態が防止でき、騒音の重複発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電動工具を切断工具に適用した実施の形態を示す縦断面図。
【図2】本発明の実施の形態による図1の切断工具の一部断面平面図。
【図3】本発明の実施の形態による図1の切断工具において、本体ハウジングを取り除き、図2の矢印III方向から見た図。
【図4】本発明の実施の形態による冷却ファン示す部分正面図。
【図5】本発明の実施の形態による冷却ファンの部分断面図。
【図6】本発明の実施の形態による冷却ファンの裏面図。
【図7】図4乃至図6に示される冷却ファンの変形例を示す部分断面図。
【図8】従来の電動工具の一例である研削工具を示す断面図。
【図9】従来の冷却ファンを示す説明図。
【図10】回転軸心に対してファン本体を傾けた従来の冷却ファンを示す部分断面図。
【図11】図10の冷却ファンに補強リブを設けた構成を示す部分断面図。
【符号の説明】
1:切断工具、 2:本体ハウジング、 3:ギヤカバー、 4:出力軸、5:モータ、 15:スピンドルロック、 20:冷却ファン、 21:ファン本体、 22:主板、 22A:第1所定半径方向位置、 22B:外縁、 22C:基部、 22D:第3所定半径方向位置、 22E:第2所定半径方向位置、 23:ハブ、 25:羽根、 25a:内径側頂点、 26 36:補強リブ
【発明の属する技術分野】
本発明は電動工具用冷却ファン、特にファン本体の半径方向外方に冷却空気を排出する遠心ファンに関する。本発明は更に、かかる遠心ファンを備える電動工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷却ファンを備えた電動工具の一例としての研削工具について、図8に基づき説明する。研削工具101は、ケーシング102内に出力軸104を備えるモータ105が支持され、また出力軸104に接続される冷却ファン120が設けられる。ケーシング102の他端部にはギヤカバー103が固定され、ギヤカバー103内にはピニオンギヤ108とギヤ110を含む動力伝達機構が配置され、出力軸104の回転を駆動軸109に伝達している。そして駆動軸109には研削部材113が固定されている。ケーシング102の一端側と、中間部には空気吸入口102a、102bが形成され、ギヤカバー103には空気吐出口103aが形成されている。冷却ファン120はモータ105に対し空気吸入口102aとは反対側に位置する。
【0003】
冷却ファン120は、モータ105の出力軸104に固定されるディスク状のファン本体121と、空気をファン本体121の半径方向外方に排出するために、ファン本体のモータと対向している一面側に設けられた複数の羽根125とを有する。羽根125は、周方向に沿って所定ピッチで配列されて略半径方向に延び、一面側から出力軸104の軸方向に突出している。そして吐出口103aは冷却ファン120の外周縁近傍に位置する。また冷却ファン120近傍のベアリングの保持のために、2本のネジ115が冷却ファン120の他面側に向かって突出しており、且つ他面側に直面している。
【0004】
モータの出力軸104が回転すると、出力軸104に固定されたピニオン108と駆動軸109に固定されたギヤ110の噛合により駆動軸109に回転が伝達され,駆動軸109に取付けられた研削部材113の回転により研削作業が実行できる。モータ105の回転に伴い冷却ファン120が回転して吸気口102a、102bより矢印のようにケーシング102とモータ105との間のスペース内に冷却風が導入される。そして、冷却ファン120の内径部より半径方向外方に冷却風が流出し、吐出口103aより外部に排出される。
【0005】
ここで電動工具の小型化、高出力化、低騒音化の要求から、小型で冷却能力が高く、騒音の小さいモータ冷却ファン及びファン周辺の開発の必要性が高まっている。そこで風量増加と騒音低減を目的として、羽根の形状の最適化が提案されている。(例えば特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−153194号公報
【0007】
図9に示されるように、特許文献1記載の冷却ファンの複数の羽根125は、空気をファン本体121の主板122の半径方向外方に排出するために、主板121の一面側において主板の所定半径位置から主板の外縁まで延び、主板の周方向に沿って所定ピッチで配列され、一面側から出力軸の軸方向に突出して設けられている。
【0008】
冷却ファン120を回転させると、遠心作用により空気にエネルギが与えられ,空気は、羽根125の内端である入口部より主板122,羽根125およびファンガイド131により形成された風路を通過して羽根125の外周部である出口部より半径方向外方に排出される。
【0009】
ここで冷却ファン120は、羽根を主板の所定半径位置から半径方向外方に延びる方向に対し回転方向と逆方向の傾斜を設けている。これはファン回転時の騒音は一般に流速に寄与するものが多く、流体騒音は流速の6乗に比例すると言われていることから、ファン回転時にファン内部の羽根間を通過する流速をファンの回転周速度よりもを遅くすることで低騒音化を図るためである。また、羽根125の主板122からの突出長は、ファン回転時において羽根125の内径側頂点125aから外周側まで流速が等しくなるかもしくは徐々に遅くなるように設定されている。具体的には、各羽根125間の主板周方向の間隔と羽根125の突出長の積からなる面積と、直径との積が各半径位置においてほぼ等しくすることにより騒音を低減している。即ち、図9に示されるように、冷却ファンの羽根の任意の直径Dにおける各羽根間の間隔および各羽根の突出長さを夫々Lおよびhとしたとき、L×h×Dが一定となるようにして、円滑に冷却風が流れて騒音低減の効果が発揮される。
【0010】
ここで図9に示されるように、主板122を回転軸心Cに対して直角に設けると、主板122と羽根125に作用する遠心力により、主板122の反りが発生し、主板122が変形湾曲するという問題がある。特に研削作業の高速化を目的として、モータの回転を高速化した場合にこの問題が顕著となる。
【0011】
この問題を解決するために、図10に示されるように、羽根を設置している主板222を回転軸心Cに対して垂直に設けずに、主板222の外周縁222Bが主板の基部222Cよりも反羽根側に位置するように主板222を傾斜させる構成が実施されている。この構成により、羽根125と主板222の合計重心を羽根付け根位置に近づけることができ、ファンの回転時における遠心力による主板222の反りや変形が抑えられる。
【0012】
しかし遠心ファンの回転により、主板222に矢印X方向の力が作用すると、出力軸と嵌合するハブ223と主板の基部222Cの接続部において引張り力が作用して、主板222が破損する可能性がある。そこで、図11に示されるように、出力軸に嵌合するハブ323を羽根側方向のみならず、反羽根側方向にも出力軸の軸方向に延設し、主板222の他面側において、ハブ323から主板の軸心Cと直交する面222Dを備えた部分まで軸心Cと直角に主板222の半径方向に延びる複数の補強リブ326を一体に設ける構成が実施されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、半径方向に延びる複数の補強リブ326を設けたために、羽根125と同様に補強リブ326によっても遠心作用により空気流を発生させてしまう。補強リブ326については、上述した羽根に関する騒音低減のための構成はなく、羽根125間を通過する流速よりも速くなる可能性が高い。そのため補強リブ326が発生させる流速が騒音を増加させる要因となる。特に電動工具の空気吐出口が、羽根側ではなく補強リブ側に偏して位置している場合には、音源が即座に外部に通じるので、騒音の問題が顕在化する。
【0014】
また図8の構成において、図11と同様な構成の遠心ファンを採用すると、補強リブ326が周期的に突出物、即ちファン側に突出した複数のネジ115を通過する。その際の空気の圧力変動により騒音が発生するが、このとき2個の補強リブが2個のネジ125を同時に通過する事態となると、騒音が倍増する結果となる。
【0015】
そこで本発明は、補強リブの形状を最適化し、補強リブが発生させる流速が羽根が発生させる流速よりも遅く設定することで、ハブおよび主板の強度を確保しつつ騒音の発生を抑制する電動工具用冷却ファン、及び該冷却ファンを備えた電動工具を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明は、円板状の主板と、該主板の半径方向内端側に一体且つ同軸に設けられて該主板の基部をなす筒状のハブとが設けられ、該ハブによりモータの出力軸に固定されるファン本体と、空気を該主板の半径方向外方に排出するために、該主板の一面側において該主板の第1所定半径位置から該主板の外縁まで延び、該主板の周方向に沿って配列され、該一面側から該出力軸の軸方向に突出して設けられた複数の羽根を備え、該主板は、該外縁が該基部よりも反羽根側方向に位置するように該出力軸の軸心に対して傾斜して設けられ、該ハブは羽根側方向と反羽根側方向に該出力軸の軸方向に延び、該主板の他面側には該ハブから該主板の第2所定半径位置まで該主板の半径方向に延びる複数の補強リブが一体に設けられる電動工具用冷却ファンにおいて、
該補強リブの、該主板の他面側及び該ハブと一体化する辺以外の外縁は、該羽根側に近づく形状をなす電動工具用冷却ファンを提供している。
【0017】
ここで、該羽根は該一面からの突出長が、該羽根の半径方向内端から第3所定半径位置までは増加して第3所定半径位置でピークをなし、該第3所定半径位置から該羽根の半径方向外端に向かって徐々に減少する形状をなし、該複数の補強リブの半径方向外端をなす該第2所定半径位置は、該第3所定半径位置と該羽根の半径方向内端との間に位置する。
【0018】
本発明は更に、円板状の主板と、該主板の半径方向内端側に一体且つ同軸に設けられて該主板の基部をなす筒状のハブとが設けられ、該ハブによりモータの出力軸に固定されるファン本体と、空気を該主板の半径方向外方に排出するために該主板の一面側において該主板の第1所定半径位置から該主板の外縁まで延び、該主板の周方向に沿って配列され、該一面側から該出力軸の軸方向に突出して設けられた複数の羽根を備え、該主板は、該外縁が該基部よりも反羽根側方向に位置するように該出力軸の軸に対して傾斜して設けられ、該ハブは羽根側方向と反羽根側方向に該出力軸の軸方向に延び、該主板の他面側には該ハブから該主板の第2所定半径位置まで該主板の半径方向に延びる複数の補強リブが一体に設けられる電動工具用冷却ファンにおいて、該補強リブの、該主板の他面側及び該ハブと一体化する辺以外の外縁は、該羽根側に近づく形状をなし、該複数の補強リブの半径方向外端位置となる該第2所定半径位置は、該ファン本体の回転により該複数の補強リブが発生する半径方向外方に向かう空気の流速が、該複数の羽根が発生する半径方向外方に向かう空気の流速以下となるように設定される電動工具用冷却ファンを提供している。
【0019】
本発明は更に、空気吸入口と空気吐出口が形成された外枠体と、該外枠体内に支持され出力軸を備えるモータと、該外枠体内に配置されると共に該出力軸に接続される冷却ファンとを備え、該冷却ファンは、円板状の主板と、該主板の半径方向内端側に一体且つ同軸に設けられて該主板の基部をなす筒状のハブとが設けられ、該ハブによりモータの出力軸に固定されるファン本体と、空気を該主板の半径方向外方に排出するために該主板の一面側において該主板の第1所定半径位置から該主板の外縁まで延び、該主板の周方向に沿って配列され、該一面側から該出力軸の軸方向に突出して設けられた複数の羽根を備え、該主板は、該外縁が該基部よりも反羽根側方向に位置するように該出力軸の軸心に対して傾斜して設けられ、該ハブは羽根側方向と反羽根側方向に該出力軸の軸方向に延び、該主板の他面側には該ハブから該主板の第2所定半径位置まで該主板の半径方向に延びる複数の補強リブが一体に設けられ、該空気吐出口は、該主板に関して該他面側に偏して位置する電動工具において、該補強リブの、該主板の他面側及び該ハブと一体化する辺以外の外縁は、該羽根側に近づく形状をなす電動工具を提供している。
【0020】
本発明は更に、空気吸入口と空気吐出口が形成された外枠体と、該外枠体内に支持され出力軸を備えるモータと、該外枠体内に配置されると共に該出力軸に接続される冷却ファンとを備え、該冷却ファンは、円板状の主板と、該主板の半径方向内端側に一体且つ同軸に設けられて該主板の基部をなす筒状のハブとが設けられ、該ハブによりモータの出力軸に固定されるファン本体と、空気を該主板の半径方向外方に排出するために該主板の一面側において該主板の第1所定半径位置から該主板の外縁まで延び、該主板の周方向に沿って配列され、該一面側から該出力軸の軸方向に突出して設けられた複数の羽根を備え、該主板は、該外縁が該基部よりも反羽根側方向に位置するように該出力軸の軸心に対して傾斜して設けられ、該ハブは羽根側方向と反羽根側方向に該出力軸の軸方向に延び、該主板の他面側には該ハブから該主板の第2所定半径位置まで該主板の半径方向に延びる複数の補強リブが一体に設けられ、該空気吐出口は、該主板に関して該他面側に偏して位置する電動工具において、該補強リブの、該主板の他面側及び該ハブと一体化する辺以外の外縁は、該羽根側に近づく形状をなし、該複数の補強リブの半径方向外端位置となる該第2所定半径位置は、該ファン本体の回転により該複数の補強リブが発生する半径方向外方に向かう空気の流速が、該複数の羽根が発生する半径方向外方に向かう空気の流速以下となるように設定される電動工具を提供している。
【0021】
上述した電動工具において、該羽根は該一面からの突出長が、該羽根の半径方向内端から第3所定半径位置までは増加して第3所定半径位置でピークをなし、該第3所定半径位置から該羽根の半径方向外端に向かって徐々に減少する形状をなし、該複数の補強リブの半径方向外端なす該第2所定半径位置は、該第3所定半径位置と該羽根の半径方向内端との間に位置する。
【0022】
また上述した電動工具において、該外枠体は、一端部側に該空気吸入口が形成されたケーシングと、該ケーシングの他端部に接続され該吐出口が形成されたギヤカバーとを有し、該ギヤカバーは該主板の他面に直接対向する位置に配置され、該ギヤカバーにより回転砥石を回転可能に支承して該電動工具は研削工具として機能し、複数のネジが一定の周方向間隔で該ケーシングの他端部に固定されると共に該主板の他面に向かって突出して該複数の補強リブに直接対向して配列され、
該複数の補強リブは一定の周方向間隔で配列され、該補強リブが奇数個のときは該ネジは偶数個設けられ、該補強リブが偶数個のときは該ネジが奇数個設けられる。
【0023】
又は、上述した電動工具において、該出力軸の自由回転を阻止するために、該外枠体には、該主板の他面に直接対向する位置に該主板の直径方向に横切りかつ該直径方向に移動可能で該出力軸と選択的に嵌合する長尺状のスピンドルロックが設けられ、該スピンドルロックに関し該冷却ファンと反対側には丸鋸が着脱可能に設けられて該電動工具を切断工具として機能させ、該複数の補強リブは一定の周方向間隔で奇数個設けられる。
【0024】
【発明実施の形態】
本発明の第1の実施の形態による電動工具について図1乃至図6に基づき説明する。第1の実施の形態は切断工具に関する。
【0025】
切断工具1は、本体ハウジング2とギヤカバー3とにより外枠体が構成され、本体ハウジング2の一端には空気吸入口2aが形成され、本体ハウジング2内には出力軸4を備えるモータ5が支持される。モータ5の後方と本体ハウジング2の間には、空気吸入口2aに連通する空気通路a1が画成され、またモータ5の外周と本体ハウジング2の内周面との間は、空気通路a1に連通するモータ軸方向に沿った空気通路a2が画成される。そして出力軸4には冷却ファン20が同軸に設けられる。また、モータ5と冷却ファン20との間には、空気通路a2に連通し、冷却ファン20の半径方向外方に向かう空気通路a3が画成される。
【0026】
ギヤカバー3はその一端側が本体ハウジング2の他端部にねじ6により固定され、他端側には丸鋸ケース7が一体に設けられる。ギヤカバー3内には、軸受11を介して出力軸4が回転可能に支承され、また軸受12を介して駆動軸9が回転可能に支承される。出力軸4にはピニオンギヤ7が固定され、駆動軸9にはピニオンギヤ7と噛合するギヤ10が同軸に固定されている。そしてこれらピニオンギヤ7やギヤ10が動力伝達機構を構成してギヤカバー3内に配置される。またギヤカバー3内には本体ハウジング2内の空気通路a3と連通する吐出口3aが形成され、吐出口3a内は、空気通路a4が画成される。駆動軸9には丸鋸刃13が着脱可能に固定されると共に、セフティカバー14が駆動軸9に回動可能に支持される。そして丸鋸刃13と丸鋸ケース7との間の空間は、空気通路a4と連通し、外部に通じる空気通路a5が画成される。
【0027】
図2に示されるように、本体ハウジング2とギヤカバー3との境界には一部隙間が形成されており、この隙間内に出力軸4の自由回転を阻止するためのスピンドルロック15が設置されている。スピンドルロック15は、切断工具1の非作動時に駆動軸9の自由回転を阻止して丸鋸刃13の交換を容易にするために設けられる。
【0028】
スピンドルロック15は、冷却ファン20の直径方向に横切りかつ図2の矢印Aに示されるように直径方向に移動可能に設けられる長尺板状の部材である。スピンドルロック15の一端は、外枠体の外部に突出し外部から操作可能とされる。図3に示されるように、出力軸4は、互いに平行な面を備えた異形断面部4Aを備え、異形断面部4Aと係合して出力軸4の回転を阻止する二股部15Aと、二股部15Aに連通し異形断面部4Aと非係合関係にある回転許容部15Bと、他互いに反対方向に延びる腕部15X、15Yを有する。よってスピンドルロック15が矢印A方向に移動操作されると、二股部15Aが異形断面部4Aと係合して出力軸4の自由回転を阻止し、もって駆動軸9の自由回転が阻止され、反矢印A方向に移動操作されると、回転許容部15Bが異形断面部4Aの周囲に位置して出力軸4の回転が許容される。
【0029】
図2に示されるように、冷却ファン20は、ファン本体21と、複数の羽根25と、複数の補強リブ26とを備えた一体成形品である。ファン本体21に関し羽根25は、モータ5に面する側に設けられ、補強リブ26はスピンドルロック15に直面する側に設けられる。また上述した吐出口3aは、補強リブ26側に偏した位置にある。
【0030】
図4乃至図6に示されるように、ファン本体21は、円板状の主板22と、主板22の半径方向内端側に一体且つ同軸に設けられて主板22の基部をなす筒状のハブ23とを有し、ハブ23がモータ5の出力軸4に圧入されることにより、冷却ファン20が出力軸4に固定される。複数の羽根25は、主板22の一面側(モータ5に対向する側)において主板22の第1所定半径位置22Aから主板22の外縁22Bまで延び、主板22の周方向に沿って所定ピッチで配列される。そして一面側からモータ5方向に突出して設けられる。ここで主板22は、外縁22Bが基部22Cよりも反羽根25側方向に位置するように出力軸4の軸心Cに対して傾斜して設けられ、ハブ23は羽根側方向と反羽根側方向に出力軸4の軸方向に延設されている。
【0031】
冷却ファン20回転時に羽根25間を通過する空気の流速を冷却ファン20自体の回転周速度よりもを遅くすることで低騒音化を図るために、図4に示されるように、それぞれの羽根25は、主板22の第1所定半径位置22Aから半径方向外方に延びる方向に対して回転方向Bと逆方向の傾斜をなしている。また、羽根25の主板22からの突出長は、ファン回転時において羽根25の内径側頂点25aから外周縁22Bまで流速が等しくなるかもしくは徐々に遅くなるように設計される。
【0032】
形状的な言及をすれば、羽根25は主板22の一面からの突出長が、羽根の半径方向内端22Aから所定半径位置(第3所定半径位置)22Dまでは急激に増加して第3所定半径位置でピーク25aをなし、第3所定半径位置22Dから羽根の半径方向外縁22Bに向かって徐々に突出長が減少する形状をなす。かかる構成により、各羽根25間の主板周方向の間隔Lと羽根の突出長の積からなる面積と、半径との積が各半径位置においてほぼ等しくなり、もって騒音を低減することができる。
【0033】
複数の補強リブ26は、主板22の他面側(スピンドルロック15に直面する側)において、主板22と一体にハブ23から主板22の所定半径位置(第2所定半径位置)22Eまで主板22の半径方向に延び、かつ周方向に一定間隔毎に奇数個設けられる。ここで、補強リブ26は、突出端(請求項における外縁)が直線状をなすと共に、半径方向外方に向かうに従って羽根25側に近づく形状をなす。
【0034】
複数の補強リブ26の半径方向外端(22Eの位置に対応)は、羽根25のピーク25aに対応する第3所定半径位置22Dと羽根25の半径方向内端22Aとの間に位置する。これは、遠心ファン20においては、羽根25間の流速が第3所定半径位置22D近傍で最も速くなること及び、主板22の強度を保つには補強リブ23の半径方向外端径(22E)が羽根の半径方向内端径以上必要であるからである。
【0035】
以上の構成において、モータ5が回転すると、出力軸4、ピニオンギヤ8、ギヤ10、駆動軸9を介して丸鋸刃13が回転し、切断作業が実行できる。モータ5の回転により、空気吸入口2aから本体ハウジング2内に空気が導入され、空気通路a1、a2を通じて空気が冷却ファン20の羽根25の内端側に導入され、空気通路a3のように空気が羽根の外端側に強制導入され吐出口3aから空気通路a4、a5を経て外気に排出される。空気がモータ5の外周側の通路a2や丸鋸刃13の外周縁側通路a5を通過することで、加熱要素であるモータ5が冷却される。
【0036】
吐出口3aは音源である補強リブ26側に偏しているので、騒音を外方に伝達しやすいレイアウトとなるが、上述したように、補強リブ26の外縁は、半径方向外方に向かうに従って羽根25側に近づく形状をなしているので、補強リブ本来の機能であるハブ23及び主板22の機械的強度を確保することができると共に、同時に、補強リブ26の半径方向の長さを小さくすることができるので、補強リブ26が発生する空気流の速度を低下でき、補強リブ26の回転による騒音の発生を抑えることが可能となる。
【0037】
また、上述したように、複数の補強リブ26の半径方向外端(22Eの位置に対応)は、羽根25のピーク25aに対応する第3所定半径位置22Dと羽根25の半径方向内端22Aとの間に位置しているので、補強リブ26が発生する空気流の流速が羽根25が発生する空気流の流速よりも遅くなり、騒音を増加させることなく十分な強度を得ることが可能となる。
【0038】
更に遠心ファン20の1回転当たり、それぞれの補強リブ26はスピンドルロック15を2度通過することになる。即ちスピンドルロックの腕部15Xと腕部15Yを通過する。補強リブ26がスピンドルロック15を通過するときにも、空気の急激な圧力変動により騒音が発生することは避けられない。この騒音は騒音値としては小さいものの、高周波を発生させるために耳障りな音となり不快感を与える。本実施の形態では、複数の補強リブ26が主板22の周方向に等間隔に配列されつつも、奇数個であるので、スピンドルロック15上を同時に2個の補強リブ26が通過するのを避けられる。よって、騒音の同時発生を防止することができる。
【0039】
図7は、冷却ファンの変形例を示しており、図5と同様な部分は同一の番号を付し説明を省略する。図7の冷却ファン30は、補強リブ36の突出端の形状が直線状ではなく、膨らみの円弧形状をなす。かかる円弧形状であっても、上述した主板22とハブ23との補強効果と、騒音低減効果を発揮することができる。
【0040】
また図8に示される研削工具において、冷却ファン120に代えて、図5乃至図7に示される冷却ファンを採用することで、騒音低減効果が達成できる。また、図8の構成に図5乃至図7に示される冷却ファンを採用すると、冷却ファン方向に突出する2本のねじ115をそれぞれの補強リブが通過して、その際の空気の圧力変動により騒音を発生することになる。そこで上述した実施の形態と同様に、補強リブの本数を奇数個として、2個の補強リブが同時に2個のボルト115を通過しないようにして、騒音の同時発生を防止することができる。
【0041】
本発明による電動工具は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、騒音の発生源である補強リブ方向に突出する突起物(例えば図8のねじ115)が一定の周方向間隔で多数設けられている場合に、その個数が奇数個であれば補強リブを偶数個とし、突起物が偶数個であれば補強リブを奇数個とすればよい。また補強リブの外縁は図5に示されるような連続的な直線状や図7に示される円弧状のみならず、角部を有する不連続な線であってもよい。後者の場合に縁部を、ハブから軸心Cに対して垂直に立上がる第1縁部と第1縁部から直角に羽根側に向かう第2縁部により構成してもよい。また、上述した切断工具や研削工具以外の電動工具についても、上述した実施の形態による冷却ファンを採用することができるのは勿論である。
【0042】
【発明の効果】
請求項1記載の電動工具用冷却ファンによれば、補強リブの、主板の他面側及びハブと一体化する辺以外の外縁は、羽根側に近づく形状をなしているので、補強リブ本来の機能であるハブ及び主板の機械的強度を確保することができると共に、同時に、補強リブの半径方向の長さを小さくすることができるので、補強リブが発生する空気流の速度を低下でき、補強リブの回転による騒音の発生を抑えることができる。
【0043】
請求項2記載の電動工具用冷却ファン及び請求項6記載の電動工具によれば、それぞれの補強リブの半径方向外端は、第3所定半径位置と羽根の半径方向内端との間に位置する構成であるので、補強リブが発生する空気流の流速が羽根が発生する空気流の流速よりも遅くなり、騒音を増加させることなく十分な強度を得ることが可能となる。
【0044】
請求項3記載の電動工具用冷却ファンによれば、補強リブの、主板の他面側及びハブと一体化する辺以外の外縁は、羽根側に近づく形状をなし、複数の補強リブの半径方向外端位置となる第2所定半径位置は、ファン本体の回転により複数の補強リブが発生する半径方向外方に向かう空気の流速が、複数の羽根が発生する半径方向外方に向かう空気の流速以下となるように設定されているので、補強リブの回転による騒音の発生を抑えることができる。
【0045】
請求項4記載の電動工具によれば、吐出口が音源である補強リブ側に偏しており、騒音を外方に伝達しやすいレイアウトであるが、請求項1と同様に、補強リブの、主板の他面側及びハブと一体化する辺以外の外縁は、羽根側に近づく形状をなしているので、補強リブの半径方向の長さを小さくすることができ、補強リブが発生する空気流の速度を低下でき、補強リブの回転による騒音の発生を抑えることができる。
【0046】
請求項5記載の電動工具によれば、請求項4と同様に吐出口が音源である補強リブ側に偏しており、騒音を外方に伝達しやすいレイアウトであるが、請求項3と同様に、補強リブの、主板の他面側及びハブと一体化する辺以外の外縁は、羽根側に近づく形状をなしており、複数の補強リブの半径方向外端位置となる第2所定半径位置は、ファン本体の回転により複数の補強リブが発生する半径方向外方に向かう空気の流速が、複数の羽根が発生する半径方向外方に向かう空気の流速以下となるように設定されているので、補強リブの回転による騒音の発生を抑えることができる。
【0047】
請求項7記載の電動工具によれば、電動工具が研削工具である場合に、補強リブが奇数個のときは突出物であるネジは偶数個設けられ、補強リブが偶数個のときはネジが奇数個設けられるので、2個の補強リブが2個のネジ上を同時に通過する事態を防止でき、騒音の重複発生を防止できる。
【0048】
請求項8記載の電動工具によれば、電動工具が切断工具である場合に、補強リブは奇数個設けられているので、2個の補強リブが同時にスピンドルロックを通過する事態が防止でき、騒音の重複発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電動工具を切断工具に適用した実施の形態を示す縦断面図。
【図2】本発明の実施の形態による図1の切断工具の一部断面平面図。
【図3】本発明の実施の形態による図1の切断工具において、本体ハウジングを取り除き、図2の矢印III方向から見た図。
【図4】本発明の実施の形態による冷却ファン示す部分正面図。
【図5】本発明の実施の形態による冷却ファンの部分断面図。
【図6】本発明の実施の形態による冷却ファンの裏面図。
【図7】図4乃至図6に示される冷却ファンの変形例を示す部分断面図。
【図8】従来の電動工具の一例である研削工具を示す断面図。
【図9】従来の冷却ファンを示す説明図。
【図10】回転軸心に対してファン本体を傾けた従来の冷却ファンを示す部分断面図。
【図11】図10の冷却ファンに補強リブを設けた構成を示す部分断面図。
【符号の説明】
1:切断工具、 2:本体ハウジング、 3:ギヤカバー、 4:出力軸、5:モータ、 15:スピンドルロック、 20:冷却ファン、 21:ファン本体、 22:主板、 22A:第1所定半径方向位置、 22B:外縁、 22C:基部、 22D:第3所定半径方向位置、 22E:第2所定半径方向位置、 23:ハブ、 25:羽根、 25a:内径側頂点、 26 36:補強リブ
Claims (8)
- 円板状の主板と、該主板の半径方向内端側に一体且つ同軸に設けられて該主板の基部をなす筒状のハブとが設けられ、該ハブによりモータの出力軸に固定されるファン本体と、
空気を該主板の半径方向外方に排出するために、該主板の一面側において該主板の第1所定半径位置から該主板の外縁まで延び、該主板の周方向に沿って配列され、該一面側から該出力軸の軸方向に突出して設けられた複数の羽根を備え、
該主板は、該外縁が該基部よりも反羽根側方向に位置するように該出力軸の軸心に対して傾斜して設けられ、該ハブは羽根側方向と反羽根側方向に該出力軸の軸方向に延び、
該主板の他面側には該ハブから該主板の第2所定半径位置まで該主板の半径方向に延びる複数の補強リブが一体に設けられる電動工具用冷却ファンにおいて、
該補強リブの、該主板の他面側及び該ハブと一体化する辺以外の外縁は、該羽根側に近づく形状をなすことを特徴とする電動工具用冷却ファン。 - 該羽根は該一面からの突出長が、該羽根の半径方向内端から第3所定半径位置までは増加して第3所定半径位置でピークをなし、該第3所定半径位置から該羽根の半径方向外端に向かって徐々に減少する形状をなし、該複数の補強リブの半径方向外端をなす該第2所定半径位置は、該第3所定半径位置と該羽根の半径方向内端との間に位置することを特徴とする請求項1記載の電動工具用冷却ファン。
- 円板状の主板と、該主板の半径方向内端側に一体且つ同軸に設けられて該主板の基部をなす筒状のハブとが設けられ、該ハブによりモータの出力軸に固定されるファン本体と、
空気を該主板の半径方向外方に排出するために該主板の一面側において該主板の第1所定半径位置から該主板の外縁まで延び、該主板の周方向に沿って配列され、該一面側から該出力軸の軸方向に突出して設けられた複数の羽根を備え、
該主板は、該外縁が該基部よりも反羽根側方向に位置するように該出力軸の軸に対して傾斜して設けられ、該ハブは羽根側方向と反羽根側方向に該出力軸の軸方向に延び、
該主板の他面側には該ハブから該主板の第2所定半径位置まで該主板の半径方向に延びる複数の補強リブが一体に設けられる電動工具用冷却ファンにおいて、
該補強リブの、該主板の他面側及び該ハブと一体化する辺以外の外縁は、該羽根側に近づく形状をなし、
該複数の補強リブの半径方向外端位置となる該第2所定半径位置は、該ファン本体の回転により該複数の補強リブが発生する半径方向外方に向かう空気の流速が、該複数の羽根が発生する半径方向外方に向かう空気の流速以下となるように設定されることを特徴とする電動工具用冷却ファン。 - 空気吸入口と空気吐出口が形成された外枠体と、
該外枠体内に支持され出力軸を備えるモータと、
該外枠体内に配置されると共に該出力軸に接続される冷却ファンとを備え、該冷却ファンは、
円板状の主板と、該主板の半径方向内端側に一体且つ同軸に設けられて該主板の基部をなす筒状のハブとが設けられ、該ハブによりモータの出力軸に固定されるファン本体と、
空気を該主板の半径方向外方に排出するために該主板の一面側において該主板の第1所定半径位置から該主板の外縁まで延び、該主板の周方向に沿って配列され、該一面側から該出力軸の軸方向に突出して設けられた複数の羽根を備え、
該主板は、該外縁が該基部よりも反羽根側方向に位置するように該出力軸の軸心に対して傾斜して設けられ、該ハブは羽根側方向と反羽根側方向に該出力軸の軸方向に延び、
該主板の他面側には該ハブから該主板の第2所定半径位置まで該主板の半径方向に延びる複数の補強リブが一体に設けられ、
該空気吐出口は、該主板に関して該他面側に偏して位置する電動工具において、
該補強リブの、該主板の他面側及び該ハブと一体化する辺以外の外縁は、該羽根側に近づく形状をなすことを特徴とする電動工具。 - 空気吸入口と空気吐出口が形成された外枠体と、
該外枠体内に支持され出力軸を備えるモータと、
該外枠体内に配置されると共に該出力軸に接続される冷却ファンとを備え、該冷却ファンは、
円板状の主板と、該主板の半径方向内端側に一体且つ同軸に設けられて該主板の基部をなす筒状のハブとが設けられ、該ハブによりモータの出力軸に固定されるファン本体と、
空気を該主板の半径方向外方に排出するために該主板の一面側において該主板の第1所定半径位置から該主板の外縁まで延び、該主板の周方向に沿って配列され、該一面側から該出力軸の軸方向に突出して設けられた複数の羽根を備え、
該主板は、該外縁が該基部よりも反羽根側方向に位置するように該出力軸の軸心に対して傾斜して設けられ、該ハブは羽根側方向と反羽根側方向に該出力軸の軸方向に延び、
該主板の他面側には該ハブから該主板の第2所定半径位置まで該主板の半径方向に延びる複数の補強リブが一体に設けられ、
該空気吐出口は、該主板に関して該他面側に偏して位置する電動工具において、
該補強リブの、該主板の他面側及び該ハブと一体化する辺以外の外縁は、該羽根側に近づく形状をなし、
該複数の補強リブの半径方向外端位置となる該第2所定半径位置は、該ファン本体の回転により該複数の補強リブが発生する半径方向外方に向かう空気の流速が、該複数の羽根が発生する半径方向外方に向かう空気の流速以下となるように設定されることを特徴とする電動工具。 - 該羽根は該一面からの突出長が、該羽根の半径方向内端から第3所定半径位置までは増加して第3所定半径位置でピークをなし、該第3所定半径位置から該羽根の半径方向外端に向かって徐々に減少する形状をなし、該複数の補強リブの半径方向外端なす該第2所定半径位置は、該第3所定半径位置と該羽根の半径方向内端との間に位置することを特徴とする請求項4乃至5記載の電動工具。
- 該外枠体は、一端部側に該空気吸入口が形成されたケーシングと、該ケーシングの他端部に接続され該吐出口が形成されたギヤカバーとを有し、該ギヤカバーは該主板の他面に直接対向する位置に配置され、該ギヤカバーにより回転砥石を回転可能に支承して該電動工具は研削工具として機能し、
複数のネジが一定の周方向間隔で該ケーシングの他端部に固定されると共に該主板の他面に向かって突出して該複数の補強リブに直接対向して配列され、
該複数の補強リブは一定の周方向間隔で配列され、該補強リブが奇数個のときは該ネジは偶数個設けられ、該補強リブが偶数個のときは該ネジが奇数個設けられることを特徴とする請求項4乃至5記載の電動工具。 - 該出力軸の自由回転を阻止するために、該外枠体には、該主板の他面に直接対向する位置に該主板の直径方向に横切りかつ該直径方向に移動可能で該出力軸と選択的に嵌合する長尺状のスピンドルロックが設けられ、該スピンドルロックに関し該冷却ファンと反対側には丸鋸が着脱可能に設けられて該電動工具を切断工具として機能させ、該複数の補強リブは一定の周方向間隔で奇数個設けられることを特徴とする請求項4乃至5記載の電動工具。
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