JP2004225337A - プレキャストコンクリート製架構体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】PCユニット18は、垂直材16の上下端に形成される概略T字形の上,下に配置された2部材結合部20,22を含んでいる。垂直材16の両端には、上,下水平材を分断した上,下水平材ピース12a,14aが一体に設けられていて、概略I字形に形成されている。架構体10を形成する際には、PCユニット18が、ピース12a側が上部に位置するように配置され、隣接して他のPCユニット18が設置される。他のPCユニット18は、天地を逆にして、ピース12a側が下方に位置するように配置される。一対のPCユニット18は、上,下水平材ピース12a,14aの端部同士が対向するので、端部同士をスラスト方向に移動させて、接合部24を介して、これらの間を連結し、同様な操作を繰り返すことで所望長さのラーメン形状のPC製架構体10が構築される。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、プレキャストコンクリート製架構体に関し、特に、ラーメンないしはトラス形状のプレキャストコンクリート製架構体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
橋桁などの構造形式として、トラス形状やラーメン形状の架構体が知られており、このような形状の架構体は、全体的に剛性が高い割には、軽量であるという特徴を有している。
【0003】
この種の架構体は、通常、鋼材で構成されているが、構成材料にコンクリートを用いると、鋼材に比べて重量が重くなるものの、より撓み難く、防食面でのメンテナンスも有利になる。
【0004】
トラス形状やラーメン形状の架構体をコンクリートで形成する際には、型枠を使用して、下から上に順次コンクリートを打設することで形成されるが、このような方法では、型枠,支保工が複雑で、かつ、不安定であり、打ち上がりコンクリートの品質にもバラツキが生じるという問題がある。
【0005】
このような問題を解決するに、例えば、特許文献1には、プレキャストコンクリート製の部材を用いて、トラス形状の架構体を形成することが提案されている。この特許文献1に提案されている方法では、プレキャストコンクリート製の主材と、同コンクリート製の接合部材とを用いて、トラス形状の架構体を形成する。
【0006】
主材は、トラス構造の弦材となるものであって、上下方向に所定の間隔を隔てて設置される一対から構成され、接合部材は、×印状に形成されていて、トラス材となるものであって、4つの端部を主材に設けられた受部にPC鋼材を挿通して緊結することにより固定される。
【0007】
しかしながら、このような従来のプレキャストコンクリート製のトラス架構体には、以下に説明する課題があった。
【0008】
【特許文献1】
特公平7−119500号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、特許文献1に開示されている架構体では、×印状の接合部材は、外周側の4つ端部を、主材にそれぞれPC鋼材を挿通して固定するので、接合部材と主材との結合作業が煩雑であり、しかも、主材と接合部材との間の結合部は、トラス構造で重要な個所であるが、この部分をPC鋼材の挿通緊結で固定すると、結合強度にバラツキが発生し易く、架構体の品質維持に問題が発生する恐れがあった。
【0010】
この場合、トラス構造は、特許文献1に開示されている形状だけでなく、×印状の結合部材に加えて、例えば、主材の長手方向と直交する方向に垂直材を配置することも行われているが、このような形状のトラス構造では、主材と結合材および垂直材の3部材結合部が発生し、このような結合部を個別作業により、結合するとより一層作業が煩雑になり、品質にもバラツキが一層発生し易くなる。
【0011】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、構成部材同士の結合部を高品質に維持することができるプレキャストコンクリート製架構体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、上下方向に所定の間隔を置いて平行に配置される一対の上,下水平材と、両端が前記水平材に結合され、前記上,下水平材の長手方向と直交する垂直材とを備え、前記垂直材が前記上,下水平材の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて複数配置されるラーメン形状のプレキャストコンクリート製架構体であって、前記垂直材の両端と前記上,下水平材との間に設けられる一対の2部材結合部を含み、前記上,下水平材を適宜長さで分断した上,下水平材ピースが、前記垂直材の両端に予め一体形成された概略I字形のプレキャストコンクリートユニットを備え、前記プレキャストコンクリートユニットの複数を、天地を交互に逆転させた状態で順次隣接配置し、前記上,下水平材ピースの端部間に接合部を介在させて、分断部分を相互に連結するようにした。
【0013】
このように構成したプレキャストコンクリート製架構体によれば、垂直材の両端と上,下水平材との間に設けられる一対の2部材結合部を含み、上,下水平材を適宜長さで分断した上,下水平材ピースが、垂直材の両端に予め一体形成された概略I字形のプレキャストコンクリートユニットを備え、プレキャストコンクリートユニットの複数を、天地を交互に逆転させた状態で順次隣接配置し、上,下水平材ピースの端部間に接合部を介在させて、分断部分を相互に連結してラーメン形状の架構体とするので、2部材結合部の品質は、プレキャストコンクリートユニットを予め一体成形する際に、均一状態で確保することができる。
【0014】
前記垂直材は、前記上,下水平材の長手方向に沿って等間隔で配置され、前記上,下水平材ピースは、前記垂直材を中心として、その両端に等長になるように延設され、かつ、各上,下水平材ピースの1/2長の合計が前記等間隔内に含まれる前記上,下水平材の長さとなるようにすることができる。
【0015】
この構成によれば、1つのプレキャストコンクリートユニットだけでラーメン形状の架構体を構築することができるので、構成部材の点数を削減することができ、管理も容易になる。
【0016】
前記上,下水平材は、分断位置が異なっていて、分断された前記上,下水平材ピースの長さを異ならせることができる。
【0017】
また、本発明は、上下方向に所定の間隔を置いて平行に配置される一対の上,下水平材と、両端が前記水平材に結合され、前記上,下水平材の長手方向と直交する垂直材と、前記上,下水平材の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて複数配置された前記垂直材の前後方向に隣接する一対の上下端に両端が結合され、前記上,下水平材の長手方向と斜交する複数の斜材とを備えたトラス形状のプレキャストコンクリート製架構体であって、前記垂直材と前記上,下水平材との間の2部材結合部、および、前記2部材結合部の一方に前後方向に隣接する一対の前記斜材の端部がそれぞれ結合した3部材結合部を含み、前記垂直材の両端部に、前記上,下水平材を適宜長さで分断した上,下水平材ピース、および、前記一対の斜材を適宜長さで分断した第1および第2斜材ピースとを予め一体成形したプレキャストコンクリートユニットを備え、前記プレキャストコンクリートユニットの複数を、天地および表裏を交互に逆転させた状態で順次隣接配置し、前記上,下水平材ピースの端部間、および、前記斜材ピースの端部間に接合部を介在させて、各分断部分を相互に連結するようにした。
【0018】
このように構成したプレキャストコンクリート製架構体によれば、垂直材と上,下水平材との間の2部材結合部、および、2部材結合部の一方に前後方向に隣接する一対の斜材の端部がそれぞれ結合した3部材結合部を含み、垂直材の両端部に、上,下水平材を適宜長さで分断した上,下水平材ピース、および、一対の斜材を適宜長さで分断した第1および第2斜材ピースとを予め一体成形したプレキャストコンクリートユニットを備え、プレキャストコンクリートユニットの複数を、天地および表裏を交互に逆転させた状態で順次隣接配置し、上,下水平材ピースの端部間、および、斜材ピースの端部間に接合部を介在させて、各分断部分を相互に連結してトラス形状の架構体とするので、2部材および3部材結合部の品質は、ユニットを予め一体成形する際に、均一状態で確保することができる。
【0019】
前記垂直材は、前記上,下水平材の長手方向に沿って等間隔で配置され、前記上,下水平材ピースは、前記垂直材を中心として、その両端に等長になるように延設され、かつ、各上,下水平材ピースの1/2長の合計が前記等間隔内に含まれる前記上,下水平材の長さとなるようにするとともに、前記第1および第2斜材ピースは、これらの各長さの総和が、前記斜材長に等しくなるようにすることができる。
【0020】
この構成によれば、同一形状の1つのプレキャストコンクリートユニットだけでトラス形状の架構体を形成することができるので、構成部材の点数を削減することができ、管理も容易になる。
【0021】
前記上,下水平材は、分断位置が異なっていて、前記上,下水平材ピースの長さを異ならせることができる。
【0022】
前記接合部は、一方の前記水平材の端部に突設された略ロ字形の突起部と、他方の前記水平材の端部に突設され、前記突起部の外周に沿って重合可能な凸部とを備え、前記突起部と前記凸部とを重合させて固着した状態で、前記水平材の端部間に高強度コンクリートなどの硬化性充填材を充填することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1から図4は、本発明にかかるプレキャストコンクリート製架構体の第1実施例を示している。
【0024】
同図に示した実施例は、本発明をラーメン形式のプレキャストコンクリート(以下、PCと略す)製架構体10に適用した場合を例示している。図1は、本実施例のPC製架構体10の全体図であり、同図に示したPC製架構体10は、角形棒状の上,下水平材12,14および垂直材16とを備えている。
【0025】
上,下水平材12,14は、上下方向に所定の間隔を置いて平行に配置されている。垂直材16は、両端が上,下水平材12,14に固設され、長手軸が各水平材12,14の長手方向と直交するように配置されている。
【0026】
また、垂直材16は、各水平材12,14の長手方向に沿って、等間隔になるように、複数配置されており、この結果、1ラーメン要素の水平材12,14の長さL0は、垂直材16の配置間隔と一致している。本実施例の場合、垂直材16の全長と、1ピッチ分の水平材12,14の長さL0とがほぼ等しくなるように設定されている。
【0027】
このような構成のラーメン形状架構体10は、本実施例の場合、1つの同一形状のPCユニット18から構成されている。図2に、本実施例のPCユニット18の詳細を示している。
【0028】
同図に示したPCユニット18は、上,下水平材12,14と垂直材16の上下端との間に形成される概略T字形の上,下に配置された2部材結合部20,22を含んでいる。
【0029】
垂直材16の両端には、上,下水平材12,14を分断した上,下水平材ピース12a,14aが一体に設けられていて、PCユニット18は、概略I字形に形成されている。
【0030】
上,下水平材ピース12a,14aは、垂直材16の長手軸を中心として、その両端に等長になるように延設されていて、それぞれL1,L2の長さを有している。
【0031】
本実施例の場合、上水平材ピース12aは、下水平材ピース14aよりも短くなるように分断されているが、その分断位置は、これに限る必要はなく、例えば、双方の長さを等長としてもよい。
【0032】
また、本実施例の場合には、各水平材ピース12a,14aの1/2長の合計、すなわち、1/2L1+1/2L2が、前後方向に配置された一対の垂直材16の配置間隔、すなわち、1ピッチ分の上,下水平材12,14の長さL0に等しくなるように設定されている。
【0033】
つまり、本実施例の場合には、各水平材ピース12a,14aの長さの関係が、1/2L1+1/2L2=L0となれば、どのような分断状態であってもよい。このような形状のPCユニット18は、予め工場生産により一体成形される。この際に、上,下水平材12,14を適宜長さで分断した各水平材ピース12a,14a端部には、図3,4に示す接合部24がそれぞれ設けられる。
【0034】
これらの図に示した接合部24は、一方の上ないしは下水平材ピース12a,14aの端部に突設された突起部24aと、他方の上ないしは下水平材ピース12a,14aの端部に突設された凸部24bとを備えている。
【0035】
突起部24aは、所定の幅の金属プレートを正方形の各辺上に位置されるようにして、上,下水平材ピース12a,14aの端部に埋設したものであって、略ロ字形に配置されている。
【0036】
凸部24bは、所定幅を有し、先端に凹状の切欠部が設けられた略E字形の金属プレートを、正方形の各辺上に位置されるようにして、上,下水平材ピース12a,14aの端部に埋設したものであって、上,下水平材ピース12a,14aの端部同士が突き当たるようにスラスト方向に移動させると、各凸部24bの内面が、突起部24aの外面に沿って重合するようになっている。
【0037】
以上のような構造のPCユニット18を用いてラーメン形状の架構体10を形成する際には、まず、図2に示すように、1つのPCユニット18が、上水平材ピース12a側が上部に位置するように配置される。
【0038】
次に、このPCユニット18に隣接して他のPCユニット18が設置される。この際には、図2に示すように、他のPCユニット18は、天地を逆にして、上水平材12a側が下方に位置するように配置される。
【0039】
隣接配置された一対のPCユニット18は、上,下水平材ピース12a,14aの端部同士が対向するので、これらの端部同士をスラスト方向に移動させて、接合部24の突起部24aと凸部24bとを重合させる。
【0040】
重合させた突起部24aと凸部24bは、全周溶接などにより相互に固着させた状態で、上,下水平材ピース12a,14aの端部間に高強度コンクリートなどの硬化性充填材24cを充填して、上,下水平材ピース12a,14aを相互に連結する。
【0041】
以後は、同様な操作を順次繰り返えし、この操作を複数回繰り返すことで、図1に示すような、所望長さのラーメン形状のPC製架構体10が構築される。さて、以上のように構成したPC製架構体10によれば、垂直材16の両端と上,下水平材12,14との間に設けられる一対の2部材結合部20,22を含み、上,下水平材12,14を適宜長さで分断した上,下水平材ピース12a,14aが、垂直材16の両端に予め一体形成された概略I字形のPCユニット18を備え、PCトユニット18の複数を、天地を交互に逆転させた状態で順次隣接配置し、上,下水平材ピース12a,14aの端部間に接合部24を介在させて、分断部分を相互に連結してラーメン形状の架構体10とするので、2部材結合部20,22の品質は、PCトユニット18を予め一体成形する際に、均一状態で確保することができ、これらの結合部20,22の品質を高くすることが可能になる。
【0042】
また、このような2部材結合部20,22をPCユニット18として予め形成しておくと、架構体10を形成する際の作業性が大きく向上する。
【0043】
また、本実施例の場合には、垂直材16は、上,下水平材12,14の長手方向に沿って等間隔(長さL0)で配置され、上,下水平材ピース12a,14aは、垂直材16を中心として、その両端に等長になるように延設され、かつ、各上,下水平材ピース12a,14aの1/2長の合計(1/2L1+1/2L2)が、等間隔内に含まれる上,下水平材12,14の長さL0となるように設定している。
【0044】
この構成によれば、1つのPCユニット18だけでラーメン形状の架構体10を構築することができるので、構成部材の点数を削減することができ、管理も容易になる。
【0045】
また、本実施例の場合、PCユニット18間の連結に用いる接合部24は、上,下水平材12,14の端部同士を突き合わせることだけで接合作業が行えるので、接合作業の効率も向上する。
【0046】
図5および図6は、本発明にかかるプレキャストコンクリート製架構体の第2実施例を示しており、上記第1実施例と同一もしくは相当する部分には、同一符号を付してその説明を省略するとともに、以下にその特徴点についてのみ詳述する。
【0047】
これらの図に示したPC製架構体30は、本発明をトラス形状にものに適用した場合を例示している。トラス形状のPC架構体30は、その全体構成を図5に示すように、ともに角形棒状に形成された一対の上,下水平材32,34と、複数の垂直材36、および、複数の斜材38とを有している。
【0048】
一対の上,下水平材32,34は、上下方向に所定の間隔を置いて平行に配置される。垂直材36は、両端が水平材32,34に固設され、長手軸が水平材32,34の長手軸と直交するように配置されている。
【0049】
また、垂直材36は、各水平材32,34の長手方向に沿って、等間隔なるように複数配置されており、この結果、1トラス要素の水平材32,34の長さL10は、垂直材36の配置間隔と一致する長さとなる。本実施例の場合、垂直材36の全長と、1ピッチ分の水平材32,34の長さL10とがほぼ等しくなるように設定されている。
【0050】
斜材38は、前後方向に隣接配置された一対の垂直材36の上下端側に両端が結合され、長手軸が上,下水平材32,34と概略45°の角度で斜交するように配置されている。
【0051】
本実施例の場合、このような構成の架構体30は、1つの同一形状のPCユニット40から構成されている。図6に、本実施例のPCユニット40の詳細を示している。
【0052】
同図に示したPCユニット40には、上水平材32と垂直材36の上端との間に形成される概略T字形の2部材結合部42と、下水平材34と垂直材36の下端、および、一対の斜材38の下端側とが合流した枝状の3部材結合部44とが含まれている。
【0053】
垂直材36の両端には、上,下水平材32,34を分断した上,下水平材ピース32a,34aが一体に設けられている。上,下水平材ピース32a,34aは、垂直材36の長手軸を中心として、その両端に等長になるように延設されていて、それぞれL11,L12の長さを有している。
【0054】
本実施例の場合、上水平材ピース32aは、下水平材ピース34aよりも長くなるように分断されているが、その分断位置は、これに限る必要はなく、例えば、双方の長さを等長としてもよい。
【0055】
また、本実施例の場合には、各水平材ピース32a,34aの1/2長の合計、すなわち、1/2L11+1/2L12が、前後方向に配置された一対の垂直材36の配置間隔、すなわち、1ピッチ分の上,下水平材12,14の長さL10に等しくなるように設定されている。
【0056】
また、垂直材36の下部側に位置する3部材結合部44には、前後方向に隣接配置される一対の斜材38を分断した第1および第2斜材ピース38a,38bが設けられている。
【0057】
第1斜材ピース38aは、長さL14を有し、第2斜材ピース38bは、長さL15を有している。各斜材ピース38a,38bの長さの総和(L14+L15)は、斜材38の長さL13と等しくなるように設定されている。
【0058】
このような形状のPCユニット40は、予め工場生産により一体成形される。この際に、上,下水平材32,34および斜材38を分断した部分、すなわち、上,下水平材ピース32a,34aおよび第1,第2斜材ピース38a,38bのそれぞれの端部には、図3,4に示した第1実施例と同様な接合部24がそれぞれ設けられる。
【0059】
なお、本実施例の場合には、上,下水平材32,34に設けられた接合部24は、上記実施例と同様に、上,下水平材32,34をスラスト方向に移動させて付き合わせるので、第1実施例と全く同じ構成でよいが、斜材38に設ける接合部24は、横移動を伴って端部同士を近接させるので、突起部24aと凸部24bとが干渉する恐れがあるので、例えば、突起部24aの対向する2枚の長さを短くするなどの対策を施すことが望ましい。
【0060】
以上のような構造のPCユニット40を用いてトラス形状の架構体30を形成する際には、まず、図6に示すように、1つのPCユニット40が、上水平材ピース32a側が上部に位置するように配置される。
【0061】
次に、このPCユニット40に隣接して他のPCユニット40が設置される。この際には、図6に示すように、他のPCユニット40は、天地および表裏を逆にして、上水平材ピース32a側が下方に位置するように配置される。
【0062】
隣接配置された一対のPCユニット40は、上,下水平材ピース32a,34aの端部同士が対向するので、これらの端部同士をスラスト方向に移動させて、接合部24の突起部24aと凸部24bとを重合させる。
【0063】
この際に、斜材ピース38a,38bの端部同士も近接させて、同様に、接合部24の突起部24aと凸部24bとを重合させる。重合させた突起部24aと凸部24bは、全周溶接などにより相互に固着させた状態で、上,下水平材ピース32a,34aおよび斜材ピース38a,38bの端部間に高強度コンクリートなどの硬化性充填材24cを充填して、これらを連結する。
【0064】
以後は、同様な操作を順次繰り返えし、この操作を複数回繰り返すことで所望長さのトラス形状のPC製架構体30が構築される。さて、以上のように構成したトラス形状架構体30によれば、垂直材36と上,下水平材32,34との間の2部材結合部42、および、2部材結合部42の一方に前後方向に隣接する一対の斜材38の端部がそれぞれ結合した3部材結合部44を含み、垂直材36の両端部に、上,下水平材32,34を適宜長さで分断した上,下水平材ピース32a,34a、および、一対の斜材38を適宜長さで分断した第1および第2斜材ピース38a,38bとを予め一体成形したPCユニット40を備え、PCユニット40の複数を、天地および表裏を交互に逆転させた状態で順次隣接配置し、上,下水平材ピース32a,34aの端部間、および、斜材ピース38a,38bの端部間に接合部24を介在させて、各分断部分を相互に連結してトラス形状の架構体30とするので、2部材および3部材結合部42,44の品質は、ユニット40を予め一体成形する際に、均一状態で確保することができる。
【0065】
また、本実施例の場合には、垂直材36は、上,下水平材32,34の長手方向に沿って等間隔で配置され、上,下水平材ピース32a,34aは、垂直材36を中心として、その両端に等長になるように延設され、かつ、各上,下水平材ピース32a,34aの1/2長の合計(1/2L11+1/2L12)が、等間隔内に含まれる上,下水平材32,34の長さ(L10)となるようにするとともに、第1および第2斜材ピース38a,38bは、これらの各長さの総和(L14+L15)が、斜材38の長さ(L13)に等しくなるようにしている。
【0066】
このため、同一形状の1つのPCユニット40だけでトラス形状の架構体30を形成することができるので、構成部材の点数を削減することができ、管理も容易になる。
【0067】
なお、上記実施例では、トラスないしはラーメン形状の架構体の構成部材である上,下水平材12,14ないしは垂直材16を角形棒状に形成したものを例示したが、本発明は、これに限定されることはなく、例えば、丸形棒状のものや、平板状のものにも適用することができる。
【0068】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかるプレキャストコンクリート製架構体によれば、構成部材数の低減を図り、かつ、構成部材同士の結合部を高品質に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるプレキャストコンクリート製架構体の第1実施例を示す全体正面図である。
【図2】図1の要部抽出説明図である。
【図3】図1の接合部の詳細斜視図である。
【図4】図3の接合部の接合完了状態の説明図である。
【図5】本発明にかかるプレキャストコンクリート製架構体の第2実施例を示す全体正面図である。
【図6】図5の要部抽出説明図である。
【符号の説明】
10,30 プレキャストコンクリート(PC)製架構体
12,32 上水平材
12a,32a 上水平材ピース
14,34 下水平材
14a,34a 下水平材ピース
16,36 垂直材
18,40 プレキャストコンクリート(PC)ユニット
24 接合部
38 斜材
38a 第1斜材ピース
38b 第2斜材ピース
Claims (7)
- 上下方向に所定の間隔を置いて平行に配置される一対の上,下水平材と、
両端が前記水平材に結合され、前記上,下水平材の長手方向と直交する垂直材とを備え、
前記垂直材が前記上,下水平材の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて複数配置されるラーメン形状のプレキャストコンクリート製架構体であって、
前記垂直材の両端と前記上,下水平材との間に設けられる一対の2部材結合部を含み、前記上,下水平材を適宜長さで分断した上,下水平材ピースが、前記垂直材の両端に予め一体形成された概略I字形のプレキャストコンクリートユニットを備え、
前記プレキャストコンクリートユニットの複数を、天地を交互に逆転させた状態で順次隣接配置し、
前記上,下水平材ピースの端部間に接合部を介在させて、分断部分を相互に連結することを特徴とするプレキャストコンクリート製架構体。 - 前記垂直材は、前記上,下水平材の長手方向に沿って等間隔で配置され、
前記上,下水平材ピースは、前記垂直材を中心として、その両端に等長になるように延設され、かつ、各上,下水平材ピースの1/2長の合計が前記等間隔内に含まれる前記上,下水平材の長さとなるようにしたことを特徴とする請求項1記載のプレキャストコンクリート製架構体。 - 前記上,下水平材は、分断位置が異なっていて、前記上,下水平材ピースの長さを異ならせることを特徴とする請求項1記載のプレキャストコンクリート製架構体。
- 上下方向に所定の間隔を置いて平行に配置される一対の上,下水平材と、
両端が前記水平材に結合され、前記上,下水平材の長手方向と直交する垂直材と、
前記上,下水平材の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて複数配置された前記垂直材の前後方向に隣接する一対の上下端に両端が結合され、前記上,下水平材の長手方向と斜交する複数の斜材とを備えたトラス形状のプレキャストコンクリート製架構体であって、
前記垂直材と前記上,下水平材との間の2部材結合部、および、前記2部材結合部の一方に前後方向に隣接する一対の前記斜材の端部がそれぞれ結合した3部材結合部を含み、前記垂直材の両端部に、前記上,下水平材を適宜長さで分断した上,下水平材ピース、および、前記一対の斜材を適宜長さで分断した第1および第2斜材ピースとを予め一体成形したプレキャストコンクリートユニットを備え、
前記プレキャストコンクリートユニットの複数を、天地および表裏を交互に逆転させた状態で順次隣接配置し、
前記上,下水平材ピースの端部間、および、前記斜材ピースの端部間に接合部を介在させて、各分断部分を相互に連結することを特徴とするプレキャストコンクリート製架構体。 - 前記垂直材は、前記上,下水平材の長手方向に沿って等間隔で配置され、
前記上,下水平材ピースは、前記垂直材を中心として、その両端に等長になるように延設され、かつ、各上,下水平材ピースの1/2長の合計が前記等間隔内に含まれる前記上,下水平材の長さとなるようにするとともに、
前記第1および第2斜材ピースは、これらの各長さの総和が、前記斜材長に等しくなるようにしたことを特徴とする請求項4記載のプレキャストコンクリート製架構体。 - 前記上,下水平材は、分断位置が異なっていて、前記上,下水平材ピースの長さを異ならせることを特徴とする請求項5記載のプレキャストコンクリート製架構体。
- 前記接合部は、一方の前記水平材の端部に突設された略ロ字形の突起部と、
他方の前記水平材の端部に突設され、前記突起部の外周に沿って重合可能な凸部とを備え、
前記突起部と前記凸部とを重合させて固着した状態で、前記水平材の端部間に高強度コンクリートなどの硬化性充填材を充填することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載のプレキャストコンクリート製架構体。
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