JP2004225054A - 硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
オゾン層を破壊しない発泡剤を使用し、熱伝導率を向上させ、かつ低密度のとき常温下で収縮を起こし難い硬質ポリウレタンフォームを得る。
【解決手段】
硬質ポリウレタンフォームにおいて、アニリンにアルキレンオキサイドを付加重合したポリオールを使用し、炭酸ガス、ハイドロカーボン等を発泡剤とすることにより、フォームの気泡径が微細化して熱伝導率を向上させることができ、また常温下の寸法変化の促進試験方法と考えられる耐湿熱性を著しく向上させることができる。

Description

本発明は発泡剤に炭酸ガス、ハイドロカーボン、またはハイドロフルオロカーボンを使用する硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
ポリイソシアネート、ポリオール、触媒、整泡剤、その他の助剤、および発泡剤を混合することにより得られる硬質ポリウレタンフォームは、自己接着力がある構造材として使用でき、成形加工性に優れた断熱材として広く使用されている。しかし、従来硬質ポリウレタンフォーム用発泡剤として大量に使用されてきたトリクロロフルオロメタン(CFC−11)のようなクロロフルオロカーボンは、オゾン層を破壊するため既に製造中止となっており、現在主に使用されている1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)のようなハイドロクロロフルオロカーボンも同様に規制を受けている。オゾン層を破壊することなく、環境特性上将来にわたり使用が可能と考えられるのは、炭酸ガス、ハイドロカーボン、またはハイドロフルオロカーボンであるが、いずれもクロロフルオロカーボン、またはハイドロクロロフルオロカーボンに比し、種々の欠点を有している。
硬質ポリウレタンフォームは熱伝導率、常温下における寸法安定性の他、成形性、強度、およびフォーム流動性等種々のフォーム性能が要求されており、また使用量が多いことから低コストであることが求められている。
硬質ポリウレタンフォームにおいて、ポリオールの選択はこれらに大きな影響がありフォーム性能上重要である。硬質ポリウレタンフォームのポリオールに使用される開始剤として、一般にしょ糖、トルエンジアミン等数多くの化合物が使用されているが、発泡剤として炭酸ガス、ハイドロカーボン、またはハイドロフルオロカーボンを使用した場合、硬質ポリウレタンフォームの成形品の密度を実用的で低密度な範囲としたとき、これらのポリオールでは気泡径が小さく十分断熱性が良好で、かつ常温下の寸法変化が優れるなど、実用上要望される必要性能を十分満足する断熱材用の硬質ポリウレタンフォームは得られていない。
特開昭56−163117号公報
炭酸ガス、またはイソブタン、n−ペンタン、シクロペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、イソヘキサン、およびヘプタンのようなハイドロカーボン、または1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、および1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)のようなハイドロフルオロカーボンで発泡された硬質ポリウレタンフォームは、クロロフルオロカーボン等で発泡されたフォームに比べ、蒸気の熱伝導率が高いため断熱性が悪化することが知られている。
気泡径が十分小さい時熱伝導率は、気泡中の蒸気の熱伝導率、気泡を構成する気泡骨格と気泡膜からなる固層部分の熱伝導率、および気泡膜から気泡膜への輻射による熱伝導率の和で表され、特に輻射による熱伝導率に関しては、気泡径が小さいほど小さくなることが知られている。従って、硬質ポリウレタンフォームでは断熱材の用途において、熱伝導率を低くする目的で気泡径を小さくする検討が実施されてきた。
また、水とポリイソシアネートとの反応から生ずる炭酸ガス、およびハイドロカーボンで発泡された硬質ポリウレタンフォームは、CFC−11で発泡されたフォームに比べ、低密度のレベルでは常温下の寸法変化率が大きくなり寸法安定性が悪くなることが知られている。このようなフォームは常温下に放置しておくと、長期間にわたり徐々に収縮していき、最終的に製品の外観異常となる可能性がある。この原因としては、フォームの気泡中の炭酸ガスがポリウレタン樹脂膜を透過し易いため、外部に放出され易いことと相関があることが知られている。従って、炭酸ガスのみを発泡剤とする100%水発泡は特にその傾向が著しい。
またシクロペンタンのようなハイドロカーボンや、HFC−245faのようなハイドロフルオロカーボンは、ポリオールと溶解性が悪いため分離し易く、CFC−11やHCFC−141b等に比べプレミックス中に多く混合できない。このようなシステムで密度を更に下げようとする場合には水を比較的多く併用する必要があるが、水を増加させると水とポリイソシアネートの反応により発生する炭酸ガスが増加するため、同様に常温下で収縮を起こし易くなる。本発明は、硬質ポリウレタンフォームの気泡径を小さくし断熱性を向上させる方法、および常温下の寸法安定性の問題に解決の方法を提供するものである。
本発明の発明者等はポリオールにアニリンを主要な開始剤として使用したポリオールのうち、アニリン1モルに対し、エチレンオキサイドを1.0〜5.7モル、望ましくは1.5〜4.5モルの範囲で付加重合させ、プロピレンオキサイドを0〜5.4モル、望ましくは0.3〜3.8モルの範囲で付加重合させ、水酸基価が250〜550mgKOH/g、望ましくは300〜500mgKOH/gの範囲となるように合成したアニリン系ポリオールを、硬質ポリウレタンフォームの処方においてポリオール100重量部のうち、20〜100重量部、望ましくは30〜70重量部の範囲で使用することによって、気泡径が非常に微細となり、かつ良好な寸法安定性を有するフォームが得られることを見出した。
本発明により、オゾン層を破壊する物質であるハイドロクロロフルオロカーボン系発泡剤を使用せず、炭酸ガス、ハイドロカーボン、またはハイドロフルオロカーボンを発泡剤とした硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、低密度で高性能な硬質ポリウレタンフォームを得ることが可能となる。本発明の組成による硬質ポリウレタンフォームは、適正なアルキレンオキサイドの種類を選択し、適正な量を付加させたアニリン系ポリオールを適正量使用することにより、従来のポリオールを使用した硬質ポリウレタンフォームに比し、フォームの気泡を微細化することによって熱伝導率を低くすることができるため断熱性が向上する。更に、重大な外観変形につながる常温下の寸法安定性が大きく改良され、またフォーム流動性がより良好となって低密度となり、その結果低コスト化の効果が期待できる。
アニリン系ポリオールにおいて、アニリン1モルに対し、エチレンオキサイドを1.0モル以下付加重合させた場合、得られた硬質ポリウレタンフォームの寸法安定性は十分良好とならず、5.7モル以上付加重合させた場合においても、得られた硬質ポリウレタンフォームの寸法安定性は十分良好とならない。また、水酸基価を550mgKOH/g以上とした場合、得られた硬質ポリウレタンフォームのフライアビリテイー(もろさ)が悪くなり、水酸基価を250mgKOH/g以下とした場合、得られた硬質ポリウレタンフォームは寸法安定性が十分良好とならない。水酸基価とエチレンオキサイドの付加モル数が限定されるため、プロピレンオキサイドの付加モル数も0〜5.4モルの範囲に限定される。
また、このようにして得られた当該アニリン系ポリオールを使用し、硬質ポリウレタンフォームを得ようとしたとき、硬質ポリウレタンフォームの処方においてポリオール100重量部のうち、アニリン系ポリオールを20重量部以下で使用した場合、得られた硬質ポリウレタンフォームの気泡は十分微細とならず熱伝導率も低く良好とならないため、本課題を解決するためにはアニリン系ポリオールを必ず20重量部以上使用する必要がある。
更に、本発明の発明者等は当該アニリン系ポリオールを使用したフォームは、常温下における収縮の促進試験になると考えられる50℃95%RH湿熱条件下の寸法安定性が、他のポリオールを使用したフォームに比し良好であることを見出した。硬質ポリウレタンフォーム用のポリオールとして市販されており、通常使用されているポリエステルポリオール等を使用した場合、気泡は微細化するが、発泡剤の量を増加させ密度を下げていくと50℃95%RH湿熱条件下の寸法安定性が劣化し、密度37kg/mでは収縮に至る。これに対しアニリン系ポリオールを使用したフォームは、密度35kg/mにおいても収縮の発生がなく、低コスト化につながる低密度化の可能性がある。
常温下の寸法変化は傾向が現れるまで時間を要するため、促進試験が必要である。常温下の寸法変化の促進試験に関しては、日本工業規格その他で規定された方法はなく各社各様と思われるが、本発明の発明者等は50℃95%RH湿熱条件下での寸法変化率の評価を促進試験として使用している。常温下で寸法変化を起こし易い硬質ポリウレタンフォームは、オーバーパック率100%のフォームを常温下で放置すると約100日後に明白な収縮を示すが、同じフォームを50℃95%RH湿熱条件下に放置すると、約2週間後に同様な収縮の傾向を示す。100℃ドライ条件下にても同様な収縮が発生することがあるが多くの場合傾向が異なるため、本発明の発明者等は耐湿熱性の測定によって各処方の常温下の寸法変化特性を判定している。
本発明で使用される原料のうち、ポリイソシアネートはポリメリックMDIの使用が望ましいが、その一部に、トリレンジイソシアネート(TDI)、またはジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等のプレポリマーに置き換えたポリイソシアネートを使用しても支障はない。
本発明で使用されるポリオールとして、当該アニリン系ポリオールを硬質ポリウレタンフォームの処方においてポリオール100重量部のうち、20〜100重量部、望ましくは30〜70重量部の範囲で使用することによって、気泡が微細化し更に寸法安定性が向上する。なお、アニリン系ポリオールに組み合わせて使用される他のポリオールに関しては、一般的なしょ糖、トルエンジアミン等のポリオールを使用することができる。
本発明で使用される発泡剤として一般的には、ハイドロクロロフルオロカーボンが含まれ、これらは蒸気の熱伝導率が比較的低く断熱性が良好であるために、本発明のような工夫を特に必要とせず、一般的なポリオールで対応が可能である。しかし、これらの発泡剤は将来的に規制されており、近い将来使用できなくなる。
発泡剤のうち、本発明で指定した、炭酸ガス、またはイソブタン、n−ペンタン、シクロペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、イソヘキサン、およびヘプタンのようなハイドロカーボン、またはHFC−245fa、およびHFC−134aのようなハイドロフルオロカーボンのいずれか1種類、または複数組み合わせたものは、蒸気の熱伝導率が比較的高く断熱性が悪いため、気泡が微細化する本発明の効果が最も発揮される。
本発明で使用されるウレタン用触媒は、一般の硬質ポリウレタンフォームで使用されている第3級アミン化合物等が使用でき、その他の助剤として一般に市販されている通常の整泡剤、難燃剤等を使用することができる。
ポリオール、助剤、および発泡剤は、電動ミキサー、またはスタティックミキサーのような周知の方法によって、混合しプレミックス液とすることができる。得られたプレミックス液は、既存の発泡機、またはミキサーによって、ポリイソシアネートと混合することができ、それによって硬質ポリウレタンフォームを製造することができる。本発明は硬質ポリウレタンフォームのための発泡機、またはミキサーの種類に限定されず、市販の周知のものが使用できる。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1表1に比較例の処方1〜2、および実施例の処方3〜4を示す。東邦化学工業製ポリオール、水、花王製第3級アミン触媒カオーライザーNo.1(TMHDA)、日本ユニカー製シリコーン整泡剤L−5420を、それぞれ内容積500cmの紙製カップに仕込み、十分均一になるよう混合しプレミックス液とした。プレミックス液の原液温度を20℃に合わせ、この中にあらかじめ原液温度を20℃に合わせた三井化学製コスモネートM−200を注入し、特殊機化工業製電動ミキサーによって7,000rpmの回転速度で4秒間攪拌した。あらかじめポリエチレン製離型シートを貼り付けた厚さ2.5cm、50cm角のアルミ製縦形パネル中に、この混合物を速やかに投入し発泡させた。クリームタイム、ゲルタイムを測定した後、5分後に得られた硬質ポリウレタンフォームを取り出し、オーバーパック率100%時の密度を測定した。発泡した翌日、その縦形パネルから長さ35cm、幅7cmのサンプルを3ケ切り出し、スタート時の厚さを尾崎製作所製ダイヤルキャリパーゲージLO−1にて測定後、それぞれ−30℃、100℃、および50℃95%RH雰囲気下に放置して、4週間後の最大寸法変化量を測定し、最大寸法変化率を算出した。熱伝導率は発泡した翌日、その縦形パネルから長さ20cm、幅20cm、厚さ1.5cmのサンプルを切り出し、英弘精機製オートラムダHC−073で測定した。
表1に示した比較例の処方1〜2、および実施例の処方3〜4は、いずれもポリオール以外の原料の種類が同一で、硬質ポリウレタンフォームの処方中の原料である、水、シクロペンタン、および整泡剤について処方中の重量含有率を同一とし、触媒重量はゲルタイムが35〜55秒の範囲になるように調節した。ただし、比較例の処方2のみシクロペンタンの重量を増加してある。比較例1の処方では、ポリオールに東邦化学工業製トルエンジアミン系ポリオール、トーホーポリオールAR−2589を使用し、実施例の処方3〜4では、2つの東邦化学工業製アニリン系ポリオールを使用している。また、イソシアネートについては同一の種類を使用し、所要重量はイソシアネートインデックスを1.10として算出した。これらの処方について、それぞれクリームタイム、ゲルタイム、密度、寸法変化率、フライアビリテイー(もろさ)、気泡径、および熱伝導率を測定した。
Figure 2004225054
これらの性能を対比してみると比較例1のトルエンジアミン系ポリオールを使用した処方では、熱伝導率が0.0220W/m℃であるのに対し、実施例3、および実施例4のアニリン系ポリオールを使用した処方では、熱伝導率が0.0204〜0.0206W/m℃と向上しており、同時に気泡径も比較例1の処方が350μmであるのに対し、実施例3、および実施例4の処方では、200〜210μmと小さくなっているのが判る。また、比較例2の処方はシクロペンタンの重量を増加させ、比較例1の処方より約10%低密度化させた。比較例1の処方と比較例2の処方の性能を対比してみると、比較例2の処方では密度が低くなったため−30℃、および50℃95%関係湿度雰囲気下の寸法変化率が、著しく大きく寸法安定性が悪化している。
これに対し、実施例3、および実施例4の処方では、密度がそれぞれ比較例1の処方より約10%低密度化しているにもかかわらず、−30℃では、いずれも−0.8%、50℃95%では0.4%〜−1.0%となっており、比較例2の処方の−12.5%、−10.3%に比して向上していることがわかる。
実施例2表2に比較例の処方5、および実施例の処方6〜8を示す。硬質ポリウレタンフォームの製造方法、およびフォーム性能の測定方法は実施例1と同様である。
表2に示した比較例の処方5、および実施例の処方6〜8は、いずれもポリオール以外の原料の種類が同一で、硬質ポリウレタンフォームの処方中の原料である、水、シクロペンタン、および整泡剤について処方中の重量含有率を同一とし、触媒重量はゲルタイムが35〜55秒の範囲になるように調節した。比較例5の処方では、ポリオールポリオールに東邦化学工業製しょ糖系ポリオール、トーホーポリオールO−850と、東邦理化工業製硬質ポリウレタンフォーム用ポリエステルポリオール、ファントールPL−305を1:1の重量比率で使用し、実施例の処方6〜8では、トーホーポリオールO−850と東邦化学工業製アニリン系ポリオールAB−250の重量比率を変えて使用した。また、イソシアネートについては同一の種類を使用し、所要重量はイソシアネートインデックスを1.10として算出した。これらの処方について、それぞれクリームタイム、ゲルタイム、密度、寸法変化率、フライアビリテイー(もろさ)、気泡径、および熱伝導率を測定した。
Figure 2004225054
これらの性能を対比してみると、比較例5のしょ糖系ポリオールと従来使用されているポリエステルポリオールを組み合わせた処方では、気泡径が200μmと小さく、熱伝導率も0.0204W/m℃と低く良好であるが、50℃95%関係湿度雰囲気下の寸法変化率が、−7.8%と大きく収縮しているのに対し、実施例6〜8のしょ糖系ポリオールとアニリン系ポリオールを組み合わせた処方では、いずれも気泡径が十分小さく熱伝導率も低く良好であり、かつ50℃95%関係湿度雰囲気下の寸法変化率も−1.5〜0.4%と小さく良好である。
ここで、アニリン系ポリオールの含有量と性能を対比してみると、気泡径、熱伝導率、および50℃95%関係湿度雰囲気下の寸法変化率のいずれも、実施例8のアニリン系ポリオールが50部の処方、実施例7のアニリン系ポリオールが30部の処方、実施例6のアニリン系ポリオールが20部の処方と、アニリン系ポリオールが少ない順に悪くなっているのが判る。それらの程度の差からアニリン系ポリオールの使用量の下限は、ポリオール100重量部のうち20部であり、望ましくは30部以上であると考えられる。
実施例3表3にアニリン系ポリオールを使用した実施例の処方9〜11を示す。硬質ポリウレタンフォームの製造方法、およびフォーム性能の測定方法は実施例1と同様である。
表3に示した実施例の処方9〜11は、いずれも東邦化学工業製アニリン系ポリオールを使用し、その他の原料の種類が同一で、硬質ポリウレタンフォームの処方中の原料である、水、シクロペンタン、および整泡剤について処方中の重量含有率を同一とし、触媒重量はゲルタイムが35〜55秒の範囲になるように調節した。実施例の処方9〜11では、アニリン系ポリオールの水酸基価、またはエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの重量比を変えたものを合成し使用した。また、イソシアネートについては同一の種類を使用し、所要重量はイソシアネートインデックスを1.10として算出した。これらの処方について、それぞれクリームタイム、ゲルタイム、密度、寸法変化率、フライアビリテイー(もろさ)、気泡径、および熱伝導率を測定した。
これらの性能を対比してみると、実施例9のエチレンオキサイドを2.1モル、プロピレンオキサイドを0.3モル付加重合し、水酸基価550mgKOH/gとしたアニリン系ポリオール、トーホーポリオールAB−204を使用した処方では、実施例8のエチレンオキサイドを2モル、プロピレンオキサイドを1.2モル付加重合し、水酸基価450mgKOH/gとしたアニリン系ポリオール、トーホーポリオールAB−250を使用した処方の性能に比し、気泡径、熱伝導率、および50℃95%関係湿度雰囲気下の寸法変化率はいずれも大差なく良好であるが、フライアビリテイーがあり、もろさが発生していることから、アニリン系ポリオールの水酸基価の上限は550mgKOH/gであり、望ましくは500mgKOH/gであると考えられる。
また、実施例10のエチレンオキサイドを5.7モル、プロピレンオキサイドを1.8モル付加重合し、水酸基価250mgKOH/gとしたアニリン系ポリオール、トーホーポリオールAB−450を使用した処方では、実施例8の処方の性能に比し、フライアビリテイーは実施例9の処方の性能より良好となっているが、気泡径、熱伝導率、および50℃95%関係湿度雰囲気下の寸法変化率のいずれも、良好ではあるがやや悪くなっている。この状況は実施例11のエチレンオキサイドを1.0モル、プロピレンオキサイドを5.4モル付加重合し、水酸基価250mgKOH/gとしたアニリン系ポリオール、トーホーポリオールAB−449を使用した処方と同様である。このことから、水酸基価の下限は250mgKOH/gであり、望ましくは300mgKOH/gであると考えられる。
更に、実施例12のエチレンオキサイドを使用せず、プロピレンオキサイドのみを6.2モル付加重合し、水酸基価250mgKOH/gとしたアニリン系ポリオール、トーホーポリオールAB−451を使用した処方では、フライアビリテイーは同様に良好であるが、気泡径、熱伝導率、および50℃95%関係湿度雰囲気下の寸法変化率のいずれもかなり悪く、比較例5の従来使用されてきたポリエステルポリオールを使用した処方より悪くなっている。このことから、エチレンオキサイドの付加モル数の下限は1.0モルであり、望ましくは1.5モルであると考えられ、上限は5.7モルであり、望ましくは4.5モルであると考えられる。
水酸基価とエチレンオキサイドの付加モル数が限定されるため、プロピレンオキサイドの付加モル数も自ずから0〜5.4モル、望ましくは0.3〜3.8モルの範囲に限定される。
Figure 2004225054

Claims (2)

  1. アニリン1モルに対し、エチレンオキサイドを1.0〜5.7モル、プロピレンオキサイドを0〜5.4モルの範囲で付加重合させ、水酸基価が250〜550mgKOH/gの範囲となるように合成したアニリン系ポリオールを、硬質ポリウレタンフォームの処方においてポリオール100重量部のうち、20〜100重量部の範囲で使用することを特徴とする、硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  2. 発泡剤として、炭酸ガス、ハイドロカーボン、またはハイドロフルオロカーボンのいずれか1種類、または複数組み合わせたものを使用することを特徴とする、請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
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