JP2004223841A - 液体カートリッジ、液体噴射装置、インクジェット式記録方法 - Google Patents

液体カートリッジ、液体噴射装置、インクジェット式記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体カートリッジの圧力損失が変動しても安定して液体を吐出できる液体噴射装置を提供すること。
【解決手段】印刷システムは、RGB画像データから印刷データPDを生成する印刷データ生成部500と、記録ヘッド51を駆動するための駆動信号波形を生成する駆動信号発生部420と、インクカートリッジ101のインク残量を決定するインク残量計測部268とを備えている。また、インクジェット式記録装置50に装着される各色のインクカートリッジ101には、それぞれ圧力損失情報記憶手段としての記憶素子107が備えられている。
【選択図】 図15

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット式記録装置などの液体噴射装置に着脱可能に装着され、液体噴射ヘッドに液体を供給する液体カートリッジ、並びに該カートリッジを用いる液体噴射装置、インクジェット式記録装置およびインクジェット式記録方法に関する。ここで、液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから、被記録媒体に相当する被噴射媒体に噴射して前記液体を前記被噴射媒体に付着させる装置を含む意味で用いる。液体噴射ヘッドとしては、前記記録ヘッドのほかに、例えば液晶ディスプレー等のカラーフィルタ製造に用いる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
液体噴射装置の代表的存在として知られるインクジェット式記録装置においては、インク供給手段として、着脱自在な交換式カートリッジにインクを収容したインクカートリッジ方式が多用されている。このインクカートリッジ方式のインクジェット式記録装置は、通例、主走査方向に往復移動するキャリッジに搭載された記録ヘッドと、印刷用紙等の被記録材を副走査方向に間欠的に設定量ずつ送る被記録材送り手段を備え、キャリッジには、例えばブラック、シアン、マゼンタ、イエローなど複数の異なる色のインクカートリッジを装着できるようになっている。記録ヘッドから吐出されるインクの濃度や記録画像の濃度は、インク残量による影響を受け易く、一般にはインク残量が低下すると、インク吐出量が減少したり、顔料の消費によってインク濃度自体が薄くなったりして画像の劣化を招くため、インク残量に応じて印刷画質の変化を補償する手段を備えた印刷制御装置や印刷濃度補正プログラムが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
ところで、インクジェット式記録装置においてインク供給手段となるインクカートリッジは、通常、インクを収容する一ないし複数のインク収容室と、該インク収容室と記録ヘッドとを連通可能にするインク供給口と、を備えた構造をしている。そして近年では、高精度の記録を行わせるために、内部の圧力を調整して最適な量のインクを供給する等の要請から、インクカートリッジ内部に複雑な流路構造を持たせている。その結果、同じインクカートリッジにおいても、インクが十分に充填されている状態と、インク残量が少なくなった状態とを比較すると、前者では圧力損失が大きくインクが吐出されにくい状態となり、後者では圧力損失が小さく比較的インクが吐出されやすい状態となる。
【0004】
内部に複雑な流路構造を持つインクカートリッジにインクが充満している場合、インク供給口付近のインクから順次記録ヘッドへ充填されていくが、インクの使い残しを防ぐ目的で複雑な流路構造の最奥部付近に大気開放弁が設けられているため、インクカートリッジはその最奥部から空になっていく。従って、インクが充満状態にある場合は、見かけ上、インクカートリッジ内の長い流路を経て排出されるのと同様の大きな流路抵抗が生じ、圧力損失が大きくなる。これに対して、インク残量が少ない状態では、短い流路を経て排出されることになるので、流路抵抗は小さく、圧力損失も小さくなる。つまり、複雑な流路構造を持つインクカートリッジでは、使用初期と後期における圧力損失の変動幅が従来型のインクカートリッジより大きなものとなる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−19091号公報
【特許文献2】
特開2002−292836号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したようなインクカートリッジの圧力損失の変動は、記録ヘッドの吐出特性に少なからず影響を及ぼすこととなる。
すなわち、記録ヘッドは、インクカートリッジの圧力損失が最も大きい状態でもベタ埋め画像を形成できるように設定されており、例えば、圧電振動子に電圧を加えて圧力発生室を膨張、収縮させる圧電振動式の記録ヘッドでは、大きな圧力損失がある状態でも十分な量のインクを吐出できるように、駆動電圧(波高値)を設定している。しかし、インクカートリッジのインク残量が少なくなると、圧力損失が小さくなるため、先の駆動電圧では吐出インク量が多くなってしまう傾向にある。これでは、インクカートリッジの圧力損失が大きな使用初期と、圧力損失が漸減し小さくなる使用後期とで吐出特性が変化し、安定した記録ができなくなる。このため、インクカートリッジの流路抵抗が変化しても、吐出特性を変化させない工夫が必要となる。また、インクジェット式記録装置以外の液体噴射装置、例えば精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等において試薬をカートリッジ方式で供給する場合など、においても同様の課題が存在する。
【0007】
従って、本発明は、液体カートリッジの圧力損失が変動しても安定して液体を吐出できる液体噴射装置を提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様に係る液体カートリッジは、液体噴射ヘッドに供給する液体を収容した液体収容部と、前記液体噴射ヘッドに連結可能に形成された液体供給口と、前記液体収容部における圧力損失情報を記憶した圧力損失情報記憶手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
液体収容カートリッジの液体収容部における流路抵抗は、液体カートリッジの種類により異なる。この流路抵抗の大小は圧力損失として液体噴射ヘッドの噴射特性に影響を与える要因となる。本発明の液体カートリッジは、かかる圧力損失に関する情報を圧力損失情報として記憶する圧力損失情報記憶手段を備えていることにより、液体カートリッジの圧力損失を反映させて液体噴射ヘッドによる液体噴射量や濃度を補正することが可能になる。これにより、液体カートリッジの種類によらず、液体噴射ヘッドによる安定した液体噴射特性を維持することが可能になる。
【0010】
本発明の第2の態様に係る液体カートリッジは、第1の態様において、前記圧力損失情報は、前記液体カートリッジの構造に基づき設定された情報であることを特徴とする。液体カートリッジの圧力損失は、液体収容部の構造に大きく左右される。特に、液体収容部が複雑な構造である液体カートリッジ場合、液体残量が減少していくにつれて圧力損失が大きく変動する場合がある。この第2の態様では、液体カートリッジの構造に基づいて設定された圧力損失情報により、液体噴射ヘッドによる液体吐出量や濃度を補正することが可能になる。また、例えば液体収容部の流路構造に基づいて圧力損失情報をタイプ別に分類して記憶させておくこともできる。
【0011】
本発明の第3の態様に係る液体噴射装置の発明は、第1の態様または第2の態様の液体カートリッジを装着可能な液体噴射装置であって、ノズルから被噴射媒体に向けて液体を噴射可能に構成した液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドを駆動させるための駆動手段と、前記液体カートリッジにおける液体の残量を計測する液体残量計測手段と、前記駆動手段による液体噴射量の調整を行う駆動制御手段と、を備えたことを特徴とする。この第3の態様に係る液体噴射装置の発明では、圧力損失情報記憶手段を備えた液体カートリッジを装着可能な液体噴射装置において、液体残量計測手段と駆動制御手段とを備えることにより、圧力損失情報記憶手段からの圧力損失情報と、液体残量計測手段による液体残量情報と、を踏まえて駆動制御手段により液体噴射量の調整を行うことができる。これにより、液体カートリッジの種類によらず、液体噴射ヘッドによる安定した液体噴射特性を維持することが可能になる。
【0012】
本発明の第4の態様に係る液体噴射装置の発明は、第3の態様において、前記駆動制御手段は、前記液体残量計測手段による液体残量情報と、前記圧力損失情報記憶手段からの圧力損失情報と、に基づき、前記液体噴射ヘッドの圧電素子を駆動させるための駆動波形を変化させて液体噴射量の調整を行うことを特徴とする。この第4の態様では、圧電素子を備えた液体噴射ヘッドにおいて、該圧電素子を駆動させるための駆動波形を液体残量情報と圧力損失情報に基づいて変化させる。駆動波形を変化させると、圧電素子の伸縮に伴う発生圧力が変化するので、圧力損失が変化しても液体噴射ヘッドから噴射される液滴を所望の大きさに調整することが可能になる。これによって、液体カートリッジの種類によらず、また、液体残量によらず、圧力損失を考慮して安定的に液体を噴射することができる。
【0013】
本発明の第5の態様に係る液体噴射装置の発明は、第3の態様において、前記駆動制御手段は、前記液体噴射ヘッドのノズル数情報と、前記液体残量計測手段による液体残量情報と、前記圧力損失情報記憶手段からの圧力損失情報と、に基づき、前記液体噴射ヘッドの圧電素子を駆動させるための駆動波形を変化させて液体噴射量の調整を行うことを特徴とする。この第5の態様では、圧電素子を備えた液体噴射ヘッドにおいて、該圧電素子を駆動させるための駆動波形を液体残量情報と圧力損失情報とノズル数情報に基づいて変化させる。圧力損失が噴射特性に与える影響は、ノズル数の多少によっても影響を受けるので、ノズル数情報を考慮することによって、液体カートリッジの種類や液体残量によらず、いっそう安定的に液体を噴射することができる。
【0014】
本発明の第6の態様は、請求項3から請求項5のいずれか1項において、液体噴射装置が液体としてインクを吐出して画像を形成するインクジェット式記録装置であることを特徴とする。この特徴によれば、インクジェット式記録装置において、上記第3の態様から第5の態様と同様の作用効果が得られるので、安定的なインクの吐出による高品質な画像形成が可能になる。
【0015】
本発明の第7の態様に係る液体噴射装置は、第1の態様または第2の態様の液体カートリッジを装着可能な液体噴射装置であって、ノズルから被噴射媒体に向けて液体を噴射可能に構成した液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドを駆動させるための駆動手段と、前記液体カートリッジにおける液体の残量を計測する液体残量計測手段と、前記液体噴射ヘッドから吐出される液体の被噴射媒体における付着濃度を補正する濃度補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
この第7の態様に係る液体噴射装置の発明では、圧力損失情報記憶手段を備えた液体カートリッジを装着可能な液体噴射装置において、液体残量計測手段と濃度補正手段とを備えることにより、圧力損失情報記憶手段からの圧力損失情報と、液体残量計測手段による液体残量情報と、を踏まえて濃度補正手段により付着濃度の調整を行うことができる。これにより、液体カートリッジの種類によらず、液体噴射ヘッドによる安定した液体噴射特性を維持することが可能になる。
【0017】
本発明の第8の態様に係るインクジェット式記録装置では、第7の態様において、前記液体噴射装置が液体としてインクを吐出して画像を形成するインクジェット式記録装置であり、前記濃度補正手段は、前記液体残量計測手段によるインク残量情報と、前記圧力損失情報記憶手段からの圧力損失情報と、に基づき、色変換テーブルを修正することにより、記録濃度を補正することを特徴とする。色変換テーブルは、画像を構成する各画素を表現する所定の要素色を濃淡の各要素色に色変換する処理に用いられる。この色変換テーブルを、インク残量情報(液体残量情報)と圧力損失情報とに基づいて修正することによって、容易に記録濃度を補正することができる。
【0018】
本発明の第9の態様に係るインクジェット式記録装置は、第7の態様において、前記液体噴射装置が液体としてインクを吐出して画像を形成するインクジェット式記録装置であり、前記濃度補正手段は、前記液体残量計測手段によるインク残量情報と、前記圧力損失情報記憶手段からの圧力損失情報と、に基づき、色変換後の各画素毎の階調を修正することにより、記録濃度を補正することを特徴とする。この特徴によれば、画像を構成する各画素を表現する所定の要素色を濃淡の各要素色に色変換した後、各画素毎の階調をインク残量情報と圧力損失情報に基づいて修正することにより、容易に記録濃度を補正することができる。
【0019】
本発明の第10の態様に係るインクジェット式記録装置は、第8の態様または第9の態様において、前記濃度補正手段は、前記液体残量計測手段によるインク残量情報および前記圧力損失情報記憶手段からの圧力損失情報とともに、前記液体噴射ヘッドのノズル数情報を参照して記録濃度を補正することを特徴とする。圧力損失が噴射特性に与える影響は、ノズル数の多少によっても影響を受けるので、ノズル数情報を考慮することによって、いっそう安定的にインクを噴射することができる。
【0020】
本発明の第11の態様に係るインクジェット式記録方法の発明は、記録ヘッドのノズルから被記録媒体に向けてインクを噴射して記録を行うインクジェット式記録方法であって、インクを収容するインクカートリッジに固有の圧力損失情報と、前記インクカートリッジのインク残量情報と、に基づき、前記記録ヘッドの圧電素子を駆動させるための駆動波形を変化させてインク吐出量の調整を行うことを特徴とする。この第11の態様のインクジェット式記録方法では、圧力損失情報と、インク残量情報とに基づき、駆動波形を変化させてインク吐出量の調整を行うので、インクカートリッジの構造、種類やインク残量によらず、安定的に記録を行うことができ、高品質な画像形成が可能になる。
【0021】
本発明の第12の態様に係るインクジェット式記録方法は、記録ヘッドのノズルから被記録媒体に向けてインクを噴射して記録を行うインクジェット式記録方法であって、インクを収容するインクカートリッジに固有の圧力損失情報と、前記インクカートリッジのインク残量情報と、に基づき、色変換テーブルを修正することにより、記録濃度を補正することを特徴とする。この第12の態様のインクジェット式記録方法では、圧力損失情報と、インク残量情報とに基づき、画像を構成する各画素を表現する所定の要素色を濃淡の各要素色に色変換する色変換テーブルを修正するので、インクカートリッジの構造、種類やインク残量によらず、安定的に記録を行うことができ、高品質な画像形成が可能になる。
【0022】
本発明の第13の態様に係るインクジェット式記録方法は、記録ヘッドのノズルから被記録媒体に向けてインクを噴射して記録を行うインクジェット式記録方法であって、インクを収容するインクカートリッジに固有の圧力損失情報と、前記インクカートリッジのインク残量情報と、に基づき、色変換後の各画素毎の階調を修正することにより、記録濃度を補正することを特徴とする。この第13の態様のインクジェット式記録方法では、圧力損失情報と、インク残量情報とに基づき、画像を構成する各画素を表現する所定の要素色を濃淡の各要素色に色変換した後、画素毎に階調の修正を行うので、インクカートリッジの構造、種類やインク残量によらず、安定的に記録を行うことができ、高品質な画像形成が可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
図1は、本発明に係る液体噴射装置の一実施形態としてのインクジェット式記録装置50の外観を示す斜視図であり、ここでは、内部構造を明らかにするため本体カバーをはずした状態を示している。キャリッジ53は、駆動モータ56に接続されたタイミングベルト57により、キャリッジガイド軸55に沿って主走査方向に往復移動しながら、記録ヘッド51より被記録材Pへインクを吐出して記録を行う。キャリッジ53には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローなど複数の異なる色のインクカートリッジ101K、101Y、101M、101Cを装着できるように構成されている。
【0025】
図2および図3は、インクジェット式記録装置50に装着可能な本発明のインクカートリッジ101の外観を示す斜視図であり、図4、図5は同分解斜視図である。インクカートリッジ101は、一方の面が開口した扁平な矩形状の有底箱型の容器本体102と、この開口を封止する蓋体103とを主体として構成されている。挿入方向の先端側、この実施例では底面の、長手方向の一方に偏するようにインク供給口104が形成されている。
【0026】
インクカートリッジ101の挿抜時に前方、及び後方となるそれぞれの壁の上部にはそれぞれ係止部材105、106が容器本体102と一体に形成されている。インク供給口側に偏して位置する係止部材105は、挿入方向の先端側、この実施例では下端より若干上部を回動支点とし、かつ上部が外側に拡開可能に形成されている。また、対向する他方の係止部材106は、係止部材105と協働してインクカートリッジ101の把持を補助するように形成されている。これら係止部材105、106は、その側面が幅方向の位置を規制するガイド部材となるように、キャリッジ53に設けられた挿入口の幅に対応する幅として構成されている。
【0027】
また、インク供給口側の係止部材105の下部には、基板の表面に電極107aが2列、上下方向に形成され、基板の裏面に電極107aに接続された半導体記憶素子を備えた記憶手段107が設けられ、他方の係止部材106の下部にはバルブ収容室108が形成されている。この記憶手段107は、圧力損失情報記憶手段として機能するものであり、詳細については後述する。
【0028】
インク供給口104の近傍で、かつ容器の中央領域側にはインクカートリッジ101の挿抜方向に延び、かつ少なくとも先端側が開口したスリット部109が形成されている。このスリット部109は、少なくともインク供給口104の先端がキャリッジ53のインク供給針202(図11参照)に到達する以前にインク供給口104の開口面がインク供給針202に対して直交するように規制できる長さ、及び幅となるように構成されている。
【0029】
図6、図7は、インクカートリッジ101を構成する容器本体102に形成された流路の一例を示すものであって、容器本体102は、略水平方向に延びる壁110により上下に分割されている。容器本体102には、インクカートリッジ101においてインクを収容する部屋となる第1インク収容室111、第2インク収容室116、第3インク収容室117、および第4インク収容室123が形成されている。このインクカートリッジ101では、この第1インク収容室からインク供給口104までがインク収容部を形成している。
【0030】
第1インク収容室111は、下部領域に設けられている。また上部は、壁110を底面として、容器本体102の壁112と一定の間隙を持たせて大気連通路113を形成するように、壁110と連続する枠部114により区画されている。枠部114は、底部に連通口115aが形成された垂直な壁115により分割され、一方の領域は第2インク収容室116を、また他方の領域は第3インク収容室117を形成している。
【0031】
第2インク収容室116の下方の第1インク収容室111の領域には、第2インク収容室116の底面と容器本体102の底面102aとを接続する吸い上げ流路118が形成されている。なお、この実施例では吸い上げ流路118は、容器本体102の表面に凹部118c(図8)を形成し、この凹部118cを遮気性のフィルム157により封止することにより構成されている。
【0032】
吸い上げ流路118の下部に連通口119a、119bを備えた壁119が形成され、また吸い上げ流路118の一端に対向する箇所には容器本体102に外部からインクの注入のための1つの開口120が、またこれと並ぶように第1インク収容室111に連通する他の開口121が形成されている。
【0033】
第3インク収容室117は、枠部114の上面114aと一定の間隙を隔てて壁122、124、126により、また第4インク収容室123は壁110、124、126、127により区画されている。また、差圧弁収容室133(図8)の裏面に連通する流路が、壁124により区画されている。
【0034】
壁124の下部には壁110との間に連通口126aを備えた区画壁126が形成されている。枠部114との間には下部に連通口127aを備えた区画壁127を設けてインク流路128が形成されている。また、第4インク収容室123の領域において、連通口127aに連なる直前の部分には蛇行した抵抗調整用流路10(後述)が形成されている。インク流路128の上部は、フィルタ室となる貫通穴129を介してインクカートリッジ101の表面側に連通している。この貫通孔129には多孔質材からなるフィルタ155(図4)が挿入されている。なお、図中符号102cは、記憶手段107を収容する凹部を示す。
【0035】
貫通穴129は、図7に示すように壁127と連続して形成された壁130により分離され凹部129aによりインク流路128の上端に連通し、容器本体102の表面側の水滴形の凹部130a(図8)を介して差圧弁収容室133の裏面の壁134、及び壁124で区画された流路の上部の凹部124aに連通されている。
【0036】
差圧弁収容室133の下部とインク供給口104とは、容器本体102の表面に形成された凹部135と、この凹部135を覆う遮気性フィルム157(図9)とからなる流路により接続されている。
【0037】
また、図8に示すように、容器本体102の表面には、可及的に流路抵抗が高くなるように蛇行する細溝136と、これの周囲に幅広の溝137と、第2インク収容室116に対向する領域に矩形状の凹部138が形成されている。矩形状の凹部138にはさらに一段下がった位置に枠部139とリブ140が形成され、これらに撥インク性と通気性とを備えた図示しない通気性フィルムを張設して大気通気室が区画形成されている。凹部138の底面には貫通穴141が形成され、第2インク収容室116の壁142で区画された細長い領域143(図6)に連通されている。また凹部138の、通気性フィルムよりも表面側の領域で細溝136が連通されている。領域143の他端は連通用の溝145を介してバルブ収容室108に連通されている。
【0038】
バルブ収容室108の、インクカートリッジ101挿入側の先端、この実施例では図7に示したように下部に窓108aが形成されて開放されていて、記録装置本体のキャリッジ53に設けられた複数の識別片及びバルブ作動杆が進入可能な識別ブロック170(図4、図5)が装着されている。
【0039】
図9は、差圧弁収容室133の近傍の断面構造を示すものであって、差圧弁収容室133には、バネ150と、エラストマー等の弾性変形可能な材料により構成され、中心に貫通穴151を備えた膜弁152が収容されている。膜弁152はその周囲を環状の厚肉部152aと、この厚肉部152aと一体的に形成された枠部154とを備え、この枠部154を介して容器本体102に固定され、またバネ150は、一端を膜弁152のバネ受け部152bに、他端を収容室133の開口に嵌装される蓋体153のバネ受け部153aに支持されている。
【0040】
なお、符号156、157は、容器本体102の表面、及び開口面側に貼付された遮気性フィルムで、フィルム156は、図6における壁110、枠部114、壁115、122、124、126、127、130、及び142に溶着等により接着されている。またフィルム157は、容器本体102の表面に形成された細溝136、及び差圧弁収容室133を覆うように貼着されている。
【0041】
このような構成により、インク流通口134aを通過したインクは、膜弁152に阻止される。この状態でインク供給口104の圧力が低下すると、膜弁152がバネ150の付勢力に抗して弁座部134bから離れるため、インクは貫通穴151を通過し、凹部135により形成された流路を経由してインク供給口104に流れ込む。インク供給口104のインク圧力が所定の値に上昇すると、膜弁152がバネ150の付勢力に負けて弁座部134bに弾接され、インクの流通が遮断される。このような動作を繰返すことにより一定の負圧を維持しながらインクをインク供給口104に排出することができる。
【0042】
図10は、大気連通用のバルブ収容室108の断面構造を示すものであって、バルブ収容室108を区画する壁には貫通穴160が穿設され、ここにゴム等の弾性部材により構成された押圧部材161がその周囲を容器本体102に支持されて移動可能に挿入されている。押圧部材161の進入側の先端には、下端を突起163により固定され、中央部を突起164により規制された板バネなどの弾性部材162に支持され、貫通穴160に常時付勢された弁体165が配置されている。また押圧部材161の他面には識別ブロック170が位置するように装着されている。
【0043】
図11は、インクカートリッジ101が装着されるキャリッジ53の断面構造を示す図面であり、底面に記録ヘッド201を設けるとともに、記録ヘッド201に連通するインク供給針202を設けて構成されている。インク供給針202が設けられている領域から離れた領域にはインクカートリッジ押圧部材、この実施例では板バネ203が設けられ、またインク供給針202との間に位置決め用の凸片204がインクカートリッジ101の挿抜方向に延出形成されている。また、インク供給針202の側の側壁205には電極206が配置され、その上部に係止部材105の突起105aと係合する凹部207が形成されている。
【0044】
キャリッジ53に装着された状態では、インクカートリッジ101の記憶手段107が設けられている面が、係止部材105の突起105aにより挿抜方向の位置を規制されて、バネ203による付勢力によりキャリッジ53の電極206に押し付けられているため、印刷時の振動に関わりなく、確実にコンタクトを維持する。
【0045】
一方、交換等によりインクカートリッジ101をキャリッジ53から取り外す場合には、係止部材105を容器本体102側に弾圧すると、係止部材105は、下端より若干上部を回動支点として回動し、係止部材105の突起105aが凹部207から離れる。この状態でインクカートリッジ101を引き抜くと、インクカートリッジ101は、板バネ203の付勢力によりガイド片204にガイドされてインク供給針202に平行に移動し、インク供給針104に曲げ力などを作用させることなく取り外すことができる。
【0046】
図12は、インクカートリッジ101をキャリッジ53に装着した状態を示すものである。ここでは、インク容量の大きな1個のインクカートリッジ101とインク容量の小さな3個のインクカートリッジ101が装着されている。前記したようにインクカートリッジ101には、書き換え可能な不揮発性メモリからなる記憶手段107が設けられており、キャリッジ53に装着された状態で、インクジェット式記録装置50本体側と情報の交換ができるように構成されている。
【0047】
記憶手段107は、書き換え可能なEEPROMなどの不揮発性メモリであり、例えば、インクカートリッジ101の色、着脱の有無、インク使用量(インク残量)、プリンタ識別情報、圧力損失情報(または流路抵抗情報)などを管理データとして記憶しており、読み出せるようになっているとともに、これらのデータが更新された場合は新しいデータを書き込みできるようになっている。
【0048】
ここで圧力損失情報は、前記インクカートリッジ101の流路抵抗に基づき与えられるもので、例えば図13(a)〜(c)に示すようにP1〜P3までの3段階に区分された情報として保存される。なお、図13では圧力損失情報を3段階に区分しているが、これに限定されるものではなく、もっと多くあるいは少なく区分したり、インク残量等に対する関数として格納しておくことができる。
【0049】
圧力損失は、インクカートリッジの構造により大きく異なるものとなる。図2〜図10において説明したような複雑な流路構造を持つインクカートリッジ101においては、図13(a)に示すように、インク残量が多い使用初期は圧力損失がP3の領域にあり大きいが、インク残量が少なくなる使用後期には圧力損失が小さくなってP3の領域となり、インクが吐出されやすくなる。このため、インクカートリッジ101においては、インク残量が減少していくに従い、同じ記録ヘッド51により同じ駆動条件で記録を行っても、インク吐出量が変化し画像品質が変化することになる。
【0050】
また、例えば、図14に示すようにインク収容部にウレタンフォーム319等の多孔質材料を充填し、その細孔にインクを含浸させているフォームタイプのインクカートリッジ100の場合は、複雑な流路構造を持つインクカートリッジ101に比べ、インク収容部における圧力損失は元々小さく、図13(b)のように使用初期(インク残量大)と使用後期(インク残量少)との差も少ない。このため、フォームタイプのインクカートリッジ100と、複雑な流路構造のインクカートリッジ101とを同じ記録ヘッド51により同じ駆動条件で記録を行った場合、インク残量が多い使用初期にはインク吐出量に少なからず差異が生じることになる。また、インクカートリッジの構造によっては、図13(c)のように変化するタイプや、さらに他の軌跡で変化するタイプもあり得る。
【0051】
また、インクカートリッジの圧力損失が同程度でも、記録ヘッド51のノズル数が多い場合と少ない場合では、ノズル数が多い場合には圧力損失の影響を受けやすいためインクが吐出され難く、ノズル数が少ない場合には比較的吐出され易くなる傾向がある。
【0052】
本発明のインクカートリッジ101では、圧力損失情報を記憶手段107に記録しておくことにより、インクカートリッジ101が装着された段階でこれを読み出し、インク残量に応じて吐出量が安定するように駆動条件を制御したり、吐出濃度を制御することが可能になる。圧力損失タイプがどのようなものであるかは、インクカートリッジの設計時に判るため、予め大まかに分類し、圧力損失情報として記憶素子107に格納しておくことができる。また、圧力損失情報をインクジェット式記録装置50の記録ヘッド51のノズル数情報と照合することも可能になり、これによって、いっそう安定的な吐出条件を選択することが可能になる。ノズル数情報は、記録ヘッド51のノズル数(例えば60個、120個、240個、360個など)に応じて予め区分し、インクジェット式記録装置50のプログラマブルROM243(図18)などに格納しておくことができる。
【0053】
インク残量情報は、後述するようにインク残量監視ルーチン(図21)を実行することにより計測することができ、印刷動作が終了した段階で累積値を記憶素子107に格納しておくことができる。インク残量情報は、図13に示すように、インク残量に応じて例えばZ1〜Z3までの3段階に区分しておくことができる。なお、図13では便宜上インク残量を三段階に区分して把握しているが、必ずしもこのように区分する必要はない。
【0054】
以下、インクカートリッジ101の記憶媒体107に格納された圧力損失情報等を利用した記録ヘッドの駆動制御(インク吐出量補正)と、記録濃度補正について実施例を挙げ説明する。ここでは、複雑な流路構造を持つインクカートリッジ101を例に挙げて説明するが、圧力損失情報は、前記図14に例示したようなフォームタイプのインクカートリッジ100をはじめとする他の構造のインクカートリッジにおいても同様に利用できる。
【0055】
図15は、本発明の種々の実施例において行われる画質維持の概要を示す説明図である。印刷システムは、RGB画像データから印刷データPDを生成する印刷データ生成部500と、記録ヘッド51を駆動するための駆動信号波形を生成する駆動信号発生部420と、インクカートリッジ101のインク残量を決定するインク残量計測部268とを備えている。また、インクジェット式記録装置50に装着される各色のインクカートリッジ101には、それぞれ圧力損失情報記憶手段としての記憶素子107が備えられている。
【0056】
印刷データ生成部500は、解像度変換モジュール297と、色変換部502と、ハーフトーンモジュール299と、ラスタライザ300とを備えている。色変換部502は、色変換モジュール298が色変換テーブルLUTを用いてRGB成分の多階調データをインクの色成分の多階調データに変換する。変換後の多階調データは、ハーフトーンモジュール299でハーフトーン化された後に、ラスタライザ300によって印刷時の順番に並び換えられて印刷データPDが生成される。
【0057】
各ノズルからのインクの吐出状態は、印刷データPDに応じて決定される。すなわち、駆動信号発生部420で生成された駆動信号は、印刷データPDに応じてオン/オフ制御されて記録ヘッドのノズルに供給される。これに応じて各ノズルからのインクの吐出状態が決定される。
【0058】
本発明において、インク残量の減少とインクカートリッジ101の圧力損失の変動に伴う画質劣化は、大別すると二通りの方法で解決が図られる。第1の方法は、記録ヘッド51の駆動波形を変化させる方法であり、駆動信号発生部420の波形調整部520において駆動波形の調整が行われる。つまり、波形調整部520は駆動制御手段として機能する。第2の方法は、印刷データPDを調整する方法であり、色変換部502の階調修正部504または色変換テーブル修正部506において濃度補正が行われる。つまり、階調修正部504または色変換テーブル修正部506は濃度補正手段として機能する。
【0059】
複雑な流路構造を持つインクカートリッジ101では、図13(a)に示したように、インクの残量が低下すると圧力損失も減少するため、インクの吐出量が増大する。そこで、駆動制御手段では、インク残量が低下したときには、インクの吐出量が増加しないように駆動波形を調整する。これにより、インク残量の減少に伴うインク吐出量の増加が回避され、印刷画像の劣化が防止される。つまり駆動制御手段では、インク残量が減少したときには、例えば駆動波形の高さ(電圧)を小さく変化させることにより、ほぼ同一の量のインクを安定的に吐出することができるように作用する。なお、インク吐出量を一定にするためには、駆動波形の高さだけでなく、例えば、立ち上がり時間、立下り時間などの圧電素子の充放電時間や定常領域(吐出準備時間)などを調整することによって行うこともできる。これらの調整は既知の方法により行うことができる。
【0060】
印刷データPDを調整する方法では、インクカートリッジ101のインク残量が低下するに従い初期に比べて淡い印刷濃度となるような印刷データPDを生成することにより、印刷画像を安定化できる。これにより、インク残量の減少に伴うインク吐出量の増加が相殺され、印刷画像の劣化が防止される。この印刷データPDの調整は、後述するように、階調修正部504を用いて、色変換された多階調データを調整する方法と、色変換テーブル修正部506を用いて、色変換において使用する色変換テーブルを切り替える方法が可能である。
【0061】
図16は、本発明を実行するための装置構成例を示すブロック図である。同図においては、コンピュータ290に記録装置としてのインクジェット式記録装置50が接続されている。コンピュータ290は所定のプログラムがロードされ実行されることにより印刷濃度補正を行うとともに、インクジェット式記録装置50に対して印刷を制御する機能を有する。このコンピュータ290は、内部に所定のプログラムに従って各種演算処理を実行するCPU511、ROM512、RAM513を中心に、バス514により相互に接続された次の各部を備える。
【0062】
入力インターフェイス515は、キーボード515aなどからの信号の入力を受け付け、出力インターフェイス516は、インクジェット式記録装置50への印刷実データの出力を行なう。また、CRTコントローラ517は、カラー表示可能なCRT221への信号出力を制御し、ディスクコントローラ518は、図示しないハードディスクやCD−ROMドライブ、フレキシブルディスクドライブとの間のデータの授受を制御する。ハードディスクには、RAM513にロードされて実行される各種プログラムやデバイスドライバの形式で提供される各種プログラムなどが記憶されている。
【0063】
図17は、本発明を実施するための印刷システムの構成例を示すブロック図である。コンピュータ290では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム295が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ291やプリンタドライバ296が組み込まれており、アプリケーションプログラム295からは、これらのドライバを介して、インクジェット式記録装置50に転送するための印刷データPDが出力されることになる。この例では、プリンタドライバ296の内部には、解像度変換モジュール297と、色変換モジュール298と、ハーフトーンモジュール299と、ラスタライザ300と、色変換テーブルLUTと、が備えられている。
【0064】
アプリケーションプログラム295は、処理対象の画像に対して所望の処理を行い、また、ビデオドライバ291を介してCRT221に画像を表示する。アプリケーションプログラム295が印刷命令を発すると、コンピュータ290のプリンタドライバ296が、画像データをアプリケーションプログラム295から受け取り、これをインクジェット式記録装置50に供給するための印刷データPDに変換する。
【0065】
解像度変換モジュール297は、アプリケーションプログラム295が扱っているカラー画像データの解像度(すなわち、単位長さ当りの画素数)を、プリンタドライバ296が扱うことができる解像度に変換する。こうして解像度変換された画像データは、RGBの3色からなる画像情報であるため、色変換モジュール298において、色変換テーブルLUTを参照しながら各画素ごとにRGB画像データをインクジェット式記録装置50が利用可能な複数のインク色の多階調データに変換する。
【0066】
色変換された多階調データは、例えば256階調の階調値を有している。ハーフトーンモジュール299は、インクドットを分散して形成することにより、インクジェット式記録装置50で上記階調値を表現するためのハーフトーン処理を行う。ハーフトーン処理された画像データは、ラスタライザ300によりインクジェット式記録装置50に転送すべきデータ順に並べ替えられ、最終的な印刷データPDとして出力される。なお、印刷データPDは、各主走査時のドットの記録状態を示すラスタデータと、副走査送り量を示すデータと、を含むデータである。
【0067】
プリンタドライバ296は、印刷データPDを生成する機能を実現するためのプログラムに相当する。プリンタドライバ296のプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給される。このような記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク等の、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体が挙げられる。
【0068】
図18は、インクジェット式記録装置50の構成を制御回路240を中心に示したブロック図である。ここで、制御回路240は、CPU241と、プログラマブルROM(P―ROM)243と、RAM244と、文字のドットマトリクスを記憶したキャラクタジェネレータ(CG)245とを備えた算術論理演算回路として構成されている。この制御回路240は、さらに、外部のモータ等とのインターフェイスを専用に行なうI/F専用回路250と、このI/F専用回路250に接続されたヘッド駆動回路252と、モータ駆動回路254とを備えている。このヘッド駆動回路252は、記録ヘッドユニット60を駆動してインクを吐出させるものであり、モータ駆動回路254は、紙送りモータ222およびキャリッジモータ56を駆動するものである。なお、記録ヘッドユニット60は、記録ヘッド51を有している。
【0069】
I/F専用回路250は、パラレルインタフェース回路を内蔵しており、コネクタ256を介してコンピュータ290から供給される印刷データPDを受け取ることが可能に構成されている。インクジェット式記録装置50は、この印刷データPDに従って印刷を実行する。なお、RAM244は、ラスタデータを一時的に格納するためのバッファメモリとして機能する。
【0070】
図19は、記録ヘッド51の下面におけるノズル配列を示す説明図である。記録ヘッド51の下面には、ブラックインクを吐出するためのブラックインクノズル列Kと、シアンインクを吐出するためのシアンインクノズル列Cと、マゼンタインクを吐出するためのマゼンタインクノズル列Mと、イエローインクを吐出するためのイエローインクノズル列Yとが形成されている。各ノズル列の複数のノズルは、副走査方向に沿って一定のノズルピッチk・Dでそれぞれ整列している。ここで、kは整数であり、Dは副走査方向における印刷解像度に相当するピッチ(ドットピッチ)である。
【0071】
各ノズルには、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としての圧電素子PE(図25参照)が設けられている。印刷時には、記録ヘッド51が主走査方向MSに移動しつつ、各ノズルからインク滴が吐出される。なお、各ノズル列の複数のノズルは、副走査方向に沿って一直線上に配列されている必要はなく、たとえば千鳥状に配列されていてもよい。
【0072】
以上説明したハードウェア構成を有するインクジェット式記録装置50は、紙送りモータ222により被記録材Pを搬送しつつ、キャリッジ53をキャリッジモータ56により往復動させながら、記録ヘッド51の圧電素子を駆動して、各色インク滴の吐出を行い、ドット形成を行って被記録材P上に多色多階調の画像を形成する。
【0073】
図20は、駆動波形の調整を行う回路の構成を示す図である。ヘッド駆動回路252は、共通駆動信号COMを生成するための1つ以上の駆動信号発生部420を備えている。駆動信号発生部420は、駆動波形生成回路246と、この駆動波形生成回路246を制御する駆動波形生成制御回路266とを有している。駆動波形生成制御回路266は、波形調整部520を備えている。
【0074】
メモリインターフェイス部267は、インクジェット式記録装置50の制御回路240(図18)内に設けられている。記録ヘッドユニット60は、各圧電素子PEに駆動信号を供給するためのドライバIC251を有している。このドライバIC251は、駆動波形生成回路246から供給される共通駆動信号COMを、駆動波形生成制御回路266から供給されるシリアル印刷信号PRTに応じてオン/オフ制御する図示しないマスク回路422を有している。シリアル印刷信号PRTは、コンピュータ290から供給された印刷データPDに含まれるラスタデータと同じ内容を示すデータである。
【0075】
前記したように、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各インクカートリッジ101K、101C、101M、101Yには、それぞれ圧力損失情報記憶手段としての記憶素子107K、107C、107M、107Yが設けられている。これらの記憶素子107は、書き換え可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROMを利用することができる。これらの記憶素子107には、各インクカートリッジ101に収容されているインクの種類に関する情報や、インク残量に関する情報、圧力損失に関する情報が格納されており、さらに、駆動波形の生成に使用される駆動波形データなども格納することができる。なお、本実施形態では、シアン、マゼンタ、イエローのインクカートリッジ101C、101M、101Yはそれぞれ別々に分離しているが、これらを一体化したインクカートリッジの場合は、三つの記憶素子107C、107M、107Yも一体化することができる。
【0076】
図20に示すように、インクカートリッジ101の記憶素子107の内容は、メモリインターフェイス部267を介して駆動波形生成制御回路266とインク残量計測部268に読み取られる。インク残量計測部268の機能は、制御回路240内のCPU241がP−ROM243に格納されているプログラムを実行することによって実現される。
【0077】
駆動波形生成制御回路266の波形調整部520は、インク残量計測部268で計測された各種のインクのインク残量に応じて、各記憶素子107から読み取られた圧力損失情報に基づいて駆動波形データを補正する。この補正の内容については後述する。
【0078】
図21は、インク残量を計測する処理の流れを示すフローチャートである。なお、インク残量の計測は、インクジェット式記録装置50内のインク残量計測部268(図20)で行っても良く、あるいは、コンピュータ290のプリンタドライバ296で行っても良い。
【0079】
インクジェット式記録装置50の電源が入ると、図21に示すインク残量監視ルーチンが起動し、インク残量計測部268は、メモリインターフェイス部267を通じて、各インクカートリッジ101の不揮発性の記憶素子107に記憶されているインク吐出重量の累積値を読み出し、インク残量を表示する(ステップS400)。前回のインク残量監視ルーチンの終了時には、次回ルーチンを起動するときのためにインク吐出量の累積値を不揮発性の記憶素子107に書き込む作業が行われている。従ってルーチンが起動されたら先ず初めにこの累積値を読み出すのである。本実施例のインクジェット式記録装置50は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、および黒(K)の4色のインクに対応して、インク吐出重量の累積値も各色インク毎に記憶されている。インク残量の計測は、インク吐出量累積値を読み込んだ後、読み込んだ値とインクカートリッジ101の初期インク収容量とを比較することにより行われる。
【0080】
インク吐出量累積値の読込を行った後、インク残量計測部268はインク供給条件を検出する(ステップS401)。インクの供給に関わる条件として、例えばインク温度、インク種類等を検出する。インク供給条件の検出が終わると、インク残量計測部268では、所定期間内に吐出されるインク滴数を各色インク毎に計数する作業が行われる(ステップS402)。インクジェット式記録装置50が、たとえば、大・中・小の3種類のインクドットを形成するときは、インク残量計測部268は、インクドットの大きさを区別して計数する。
【0081】
所定期間内のインク滴数を計数すると、インク残量計測部268は、計数値にインク滴1滴当たりのインク重量を乗算してインク吐出重量を算出する(ステップS403)。インクの供給に関わるインク供給条件が異なると、吐出されるインク滴重量も異なってくるので、この算出処理においては、予めステップS401で検出されたインク供給条件を反映させることにより、インク吐出重量の算出精度を向上させている。なお、インク滴1滴当たりの重量でなく体積を記憶しておき、インク吐出数とインクの体積とを乗算することでインク吐出体積を算出することも可能である。
【0082】
所定期間内のインク吐出重量を算出すると、インク残量計測部268は得られた値を前回算出したインク吐出重量に加算し、インク残量を表示する(ステップS404)。次に、印刷が終了したか否かを判断し(ステップS405)、印刷が終了していなければ再びステップS402に戻り、引き続き一連の処理を繰り返す。印刷が終了している場合は、次回印刷時に読み出せるように、インク吐出量累積値を不揮発性の記憶素子107に格納する(ステップS406)。このように、インクカートリッジ101の記憶素子107にインク吐出累積値を記憶させておくことによって、電源を切断したり、インクカートリッジ101を差し替えたりしても、正確にインクカートリッジ101内のインク残量を管理することができる。
【0083】
図22は、駆動波形生成回路246の内部構成を示すブロック図である。駆動波形生成回路246は、駆動波形生成制御回路266(図20)から与えられる駆動波形データを記憶するメモリ280と、メモリ280から読み出された駆動波形データを一時的に保持する第1ラッチ281と、第1ラッチ281の出力と後述する第2ラッチ283の出力とを加算する加算器282と、第2ラッチ283と、第2ラッチ283の出力をアナログ信号に変換するデジタル/アナログ変換器285と、を備えている。また変換されたアナログ信号を圧電素子PEが動作する電圧まで増幅する電圧増幅部286と、増幅された電圧信号に対応した電流供給を行うための電流増幅部287も備えている。加算器282と第2ラッチ283とは、駆動波形データを累算する累算部284を構成する。
【0084】
駆動波形生成回路246には、駆動波形生成制御回路266から以下のような種々の信号が供給される。まず、メモリ280には、第1のクロック信号CLK1と、駆動波形データを表すデータ信号と、アドレス信号A0〜A4と、イネーブル信号とが供給されている。また、第1ラッチ281には、第2のクロック信号CLK2と、リセット信号RESETとが供給されている。第2ラッチ283には、第3のクロック信号CLK3と、リセット信号RESETとが供給されている。ここで、第1と第2のラッチ281、283に供給されるリセット信号RESETは、同じものである。
【0085】
図23は、メモリ280内に駆動波形データを書きこむタイミングを示すタイミングチャートである。駆動波形COMの生成に先立って、駆動波形データを示すデータ信号と、そのデータ信号のアドレスとが、第1のクロック信号CLK1に同期して、駆動波形生成制御回路266からメモリ280に供給される。データ信号は1ビットであるが、図23に示したように第1のクロック信号CLK1を同期信号とするシリアル転送によって、駆動波形データが1ビットずつ転送される。すなわち、駆動波形生成制御回路266からメモリ280へ駆動波形データを転送する場合には、まず、第1のクロック信号CLK1に同期してデータ信号を複数ビット分供給する。その後、このデータを格納するための書きこみアドレスを表すアドレス信号A0〜A4と、イネーブル信号とを供給する。メモリ280は、このイネーブル信号が供給されたタイミングでアドレス信号を読み取り、受け取った駆動波形データをそのアドレスに書きこむ。アドレス信号A0〜A4は5ビットなので、最大32種類の駆動波形データをメモリ280に記憶しておくことができる。
【0086】
図24は、駆動波形生成回路246において駆動波形が生成していく過程を示す説明図である。メモリ280内への駆動波形データの書き込みが終了した後、駆動波形生成制御回路266からメモリ280へ読出しアドレスBがアドレス信号A0〜A4として出力されると、メモリ280から最初の駆動波形データΔV1が出力される。その後、第2のクロック信号CLK2のパルスが発生すると、この駆動波形データΔV1が第1ラッチ281に保持される。この状態で、次に第3のクロック信号CLK3のパルスが発生すると、第2ラッチ283の18ビットの出力と、第1ラッチ281の16ビットの出力とが加算器282により加算され、その加算結果が第2ラッチ283に保持される。すなわち、図24に示したように、一旦アドレス信号に対応した駆動波形データが選択されると、その後、第3のクロック信号CLK3のパルスを受ける毎に、第2ラッチ283の出力にはその駆動波形データの値が累算されていくことになる。なお、第3のクロック信号CLK3のパルスの発生周期は一定である必要はなく、所望の累算タイミングが得られるように変化させてもよい。
【0087】
図24では、アドレスBには、第3のクロック信号CLK3の1周期t当たりの電圧をΔV1だけ上昇させることを示す駆動波形データが格納されている。したがって、第2のクロック信号CLK2によりアドレスBが有効になると、ΔV1ずつ電圧が上昇していくことになる。また、アドレスAには、駆動波形データとしてΔV2=0、すなわち、電圧を保持することを示す値が格納されている。したがって、第2のクロック信号CLK2によりアドレスAが有効になると、駆動信号の波形は、増減のないフラットな定常状態に保たれる。また、アドレスCには、第3のクロック信号CLK3の1周期t当たりの電圧をΔV3だけ低下させることを示す駆動波形データが格納されている。したがって、第2のクロック信号CLK2によりアドレスCが有効になった後は、ΔV3ずつ電圧が低下していくことになる。なお、増加か減少かは、各アドレスに格納されたデータの符号により決定される。
【0088】
以上のようにして、加算器282により加算された18ビットの加算結果のうち、上位10ビットの電圧レベルデータD0は、デジタル/アナログ変換器285に入力される。また、18ビットの加算結果全体は、加算器282に再入力される。この結果、第2ラッチ283から出力される電圧レベルデータD0は、図24(a)に示したように段階的に変化する。この電圧レベルデータD0は、デジタル/アナログ変換器285により変換され、図24(b)に例示したように、立ち上がり部、定常部および立ち下がり部を有する駆動波形が形成される。
【0089】
図25は、記録ヘッド51の駆動回路の構成を模式的に図示したものである。この実施例では、4種類のインクを吐出する各ノズル群に対して、それぞれ独立した駆動信号発生部420が設けられている。各駆動信号発生部420で生成された共通駆動信号COMは、それぞれドライバIC251内のマスク回路422によって印刷信号PRTに応じてオン/オフ制御される。マスク回路422は、この駆動信号DRVを各ノズルに対応した圧電素子PEに供給する。これにより、各種類のインク毎に独立して駆動波形を調整することができるので、各インクカートリッジ101のインク残量に応じて最適な駆動波形を選択し、インク吐出を安定的に行うことが可能になる。
【0090】
図26は、波形調整部520による駆動波形の補正方法を示す説明図である。図26(a)は補正前の駆動波形を示し、図26(b)は補正後の駆動波形を示す。この補正では、図26(a)の駆動波形データΔV1a、ΔV3aを、より小さな絶対値を有する値ΔV1、ΔV3に補正することによって、ピーク時の電圧をδ2からδ1に下降させている。これにより、インク吐出量を補正前の駆動波形よりも小さくすることができ、インク残量の減少と圧力損失の低下に伴うインク吐出量の増加を抑制している。
【0091】
この実施例では、駆動波形データの値を変えることにより、駆動波形を補正している。しかし、駆動波形データの値を変えることなく、アドレス指定のタイミングや第2のクロック信号CLK2のタイミングを変更することにより駆動波形を調整することも可能である。このような駆動波形の調整は、駆動波形データとタイミングデータとの組をあらかじめ複数準備しておき、インク残量の減少に応じて適切な組を選択することにより行うことが可能である。また別の方法として、基本形となる駆動波形を表す駆動波形データと、その波形を補正する複数の補正データとをあらかじめ準備しておき、インク残量の減少に応じて適切な補正データを選択することもできる。
【0092】
図27は、インク吐出量補正処理の流れを示すフローチャートである。
【0093】
まず、ステップS501では、各インクカートリッジ101の記憶素子107からそれぞれ圧力損失情報を取得する。取得した圧力損失情報は、インクカートリッジに固有の情報であり、本実施例のインクカートリッジ101では、インク残量の変化に伴い図13(a)に示すように変化する。つまり、本実施形態に係るインクカートリッジ101は、インク残量が多いとき圧力損失が大きく、インクを消費するに従い圧力損失が小さくなるタイプである。この圧力損失情報は例えば、図13に示すようなインク残量Z1〜Z3に対応した大まかな区分P1〜P3に分けて記憶させておいてもよく、あるいは、より細かな情報として例えばインク残量(もしくはインク残量区分)との関係で所定の値をとる変数として記憶させておくこともできる。
【0094】
次に、ステップS502では、インク残量を計算するために、図21に示したインク残量監視ルーチンが実行される。ステップS503では、得られたインク残量情報と圧力損失情報とからインク吐出量の変動が最小となるような駆動波形が選択される。例えば、本実施例では、図13に示すインク残量Z1〜Z3と、圧力損失情報P1〜P3とに対応させて図28に示すような駆動波形選択テーブルが波形調整部520に備えられており、D1〜D9までの9通りの駆動波形を選択して生成することができるように準備されている。これらの駆動波形D1〜D9には実質的に同一のもの(重複)が含まれていてもよい。本実施例におけるインクカートリッジ101は、図13(a)のタイプであるから、図28の駆動波形選択テーブルにおいて、Z1−P3;Z1−P2;Z2−P2;Z3−P1に対応する駆動波形D7、D4、D5、D3のいずれかが生成するように選択される。ここで、駆動波形の波高値(電圧)はD7>D4>D5>D3であり、圧力損失の減少にともない波高値の小さな駆動波形が選択されることになる。
【0095】
ステップS503では、駆動波形生成制御回路266が、選択された駆動波形データを駆動波形生成回路246に出力し、これに応じて共通駆動信号COMが生成される。これにより、インクカートリッジ101内のインク残量が減少してもインク吐出量が変動せず、記録画像の品質を安定化することができる。すなわち、インク消費に伴い圧力損失が低下してインクが吐出されやすくなっても、波高が低くなるので吐出量はほぼ同レベルに維持される。また、この実施例では、各種類のインク毎にインク吐出量を補正することができる。したがって、ある特定の種類のインクの残量の減少に伴いその色のインクの吐出量が変動して、画像の色相がずれるという画質の劣化を防止することができる。
【0096】
図29は、インク吐出量補正処理の別の例を示すフローチャートである。図27との相違点として、図29では記録ヘッド51のノズル数の情報も参照して駆動波形を選択している。
まず、ステップS511では、各インクカートリッジ101の記憶素子107からそれぞれ圧力損失情報を取得する。ステップS512では、インクジェット式記録装置50の制御回路240のP−ROM243に格納された記録ヘッド51のノズル数情報を取得する。ここで、ノズル数情報は、記録ヘッド51の各ノズル列におけるノズルの数に対応して記憶されており、例えば、本実施形態のインクジェット式記録装置50の記録ヘッド51では、ブラックインク吐出用のノズルの場合は180ノズル、カラーインク吐出用のノズルの場合は各色毎に60ノズルであるため、図30(a)に示すように区分されて提供される。
【0097】
次に、ステップS513では、インク残量を計算するために、図21に示したインク残量監視ルーチンが実行される。ステップS514では、得られたインク残量情報が、図13に示すZ1〜Z3のどの区分に該当するか、圧力損失情報がP1〜P3のどの区分に属するか、さらにノズル数がどの区分であるか、が判断され、インク吐出量の変動が最小となるような駆動波形が選択される。
【0098】
本実施例では、図30(a)の駆動波形選択テーブルに示すとおり、ノズル数に対応してD11〜D19およびD21〜D29までの駆動波形が生成可能に準備されている。なお、図30(a)の駆動波形選択テーブルにおいて選択可能な駆動波形の波高値は、D27が最大であり、D13が最小である。例えば、ノズル数の多いブラックインクの場合は圧力損失の影響を受けやすく、インク残量が多いほどインクが吐出され難いので、図30(a)の駆動波形選択テーブルではノズル数区分180におけるZ1−P3(つまりD27の駆動波形)の波高値が最も高く設定され、インク消費に伴い圧力損失が小さくなるZ3−P1(つまりD23の駆動波形)では波高値が低めに設定されている。一方、ノズル数が60と少ないカラーインクの場合は、ノズル数の多いブラックインクに比べると圧力損失の影響は大きく現れないが、やはりインク残量が多いほどインクが吐出され難く、インク消費に伴い吐出されやすくなるため、ノズル数区分180におけるZ1−P3(つまりD17の駆動波形)の波高値が高めに設定され、Z3−P1(つまりD13の駆動波形)が最も波高値が低くなるように設定されている。なお、例えばブラックインク吐出用のノズルとして360ノズル、カラーインク吐出用のノズルとして各色毎に180ノズルを備えた高画質な画像形成が可能な記録ヘッド(別の機種のインクジェット式記録装置)の場合は、図30(b)示すような駆動波形選択テーブル[図30(a)に準じて作成されたもの]を使用することができる。
【0099】
ステップS515では、駆動波形生成制御回路266が、選択された駆動波形データを駆動波形生成回路246に出力し、これに応じて共通駆動信号COMが生成される。これにより、インクカートリッジ101内のインク残量が減少してもインク吐出量が変動せず、記録画像の品質を安定化することができる。この実施例では、圧力損失情報と共にノズル数情報を加味することによって、より確実に吐出量の変動を抑え、画像の色相がずれる等の画質の劣化を確実に防止することができる。
【0100】
次に、本発明の濃度補正手段による記録濃度補正の概要について述べる。濃度補正はプリンタドライバ296の階調修正部504および色変換テーブル修正部506により行われる(図15参照)。階調修正部504は、例えば、あるインクカートリッジ101においてインク消費に伴い圧力損失が低下し、インクが吐出され易い状態になった場合に、階調を下げるようにそのインクの多階調データの階調値を調整する。これにより、その色のドットの個数が減少してインクの残量の低下に伴う印刷濃度の上昇が抑制される。色変換テーブル修正部506は、例えば、あるインクカートリッジ101においてインク消費に伴い圧力損失が低下し、インクが吐出され易い状態になった場合に、その色の多階調データの階調値が下がるような色変換テーブルを選択する。これにより、インクの残量の低下に伴う印刷濃度の上昇が抑制される。
【0101】
上述してきたコンピュータ290およびインクジェット式記録装置50を利用して印刷を実行するにあたり、コンピュータ290のCPU511は、インクジェット式記録装置50を駆動して印刷を実行するためのプログラムであるプリンタドライバ296を実行する。プリンタドライバ296は、アプリケーションプログラム295からの印刷指示によって起動される。プリンタドライバ296を実行する際のCPU511の処理の一部である印刷データ生成処理の処理内容を図31のフローチャートに示す。
【0102】
図31において、印刷データ生成処理が開始されると、コンピュータ290のCPU511は、画像データRGBを入力する(ステップS601)。この画像データRGBは、図17に示したアプリケーションプログラム295から受け渡されるデータであり、上述したとおり、画像を構成する各画素ごとにR,G,Bそれぞれの色について、0〜255の256段階の階調値を有するデータになっている。
【0103】
次に、ステップS602では、CPU511は、入力された画像データRGBの解像度を、インクジェット式記録装置50において印刷を実行するための解像度に変換する。画像データRGBの解像度が印刷解像度よりも低い場合には、線形補間により隣接する原画像データの間に新たなデータを生成することで解像度変換を行う。一方、画像データRGBの解像度が印刷解像度よりも高い場合には、一定の割合でデータを間引くことにより解像度変換を行う。なお、解像度変換処理は本実施形態において本質的なものではなく、かかる処理を行わずに印刷を実行しても構わない。
【0104】
次のステップS603において、CPU511は、色変換モジュール298にて色変換処理を行う。この色変換処理とはR,G,Bの階調値からなる画像データRGBをインクジェット式記録装置50で使用するシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの各色の階調値のデータに変換する処理である。この色変換処理は、R,G,Bのそれぞれの組み合わせからなる色をインクジェット式記録装置50で表現するためのC,M,Y,Kの組み合わせを予め設定して記憶した色変換テーブルLUTを利用して実行される。当該色変換テーブルLUTを利用して色変換を実行する処理自体については、公知の種々の技術が適用可能であり、例えば補間演算による処理が適用されることになる。こうして色変換された画像データRGBに対して、CPU511はハーフトーンモジュール299にてハーフトーン処理(多値化処理)を行う(ステップS604)。
【0105】
ハーフトーン処理が終了すると、CPU511はラスタライズを行う(ステップS605)。これは、1ラスタ分のデータをインクジェット式記録装置50のヘッドに転送する順序に並べ替える処理である。インクジェット式記録装置50がラスタを形成する記録方法には種々のモードがある。最も単純には、記録ヘッド51の1回の往運動で各ラスタのドットを全て形成するモードである。この場合には1ラスタ分のデータを処理された順序でヘッドに出力すればよい。他のモードとしては、例えば、1回目の主走査では各ラスタのドットを例えば1つおきに形成し、2回目の主走査で残りのドットを形成する、いわゆるオーバラップ記録モードがある。この場合は各ラスタを2回の主走査で形成することになるので、各ラスタのドットを1つおきにピックアップしたデータを記録ヘッド51に転送する必要がある。さらに、別の記録モードとしていわゆる双方向記録を採用しても良い。これは記録ヘッド51の往運動のみならず復運動時にもドットを形成するものである。この記録モードを採用する場合には、往運動時用のデータと復運動時用のデータとは転送順序を逆転する必要が生じる。
【0106】
以上のようにしてインクジェット式記録装置50よる印刷が可能な印刷データPDが生成されると、CPU511は当該印刷データPDを出力する(ステップS606)。これにより、印刷データPDはインクジェット式記録装置50に転送される。以上のステップS601〜S606の処理を画像データRGBの全ページ分について実行する(ステップS607)。
【0107】
上述したプリンタドライバ296で実行される印刷濃度補正処理では、色変換テーブル修正部506は、色変換モジュール298においてR、G、Bの256階調で表現される画像データRGBを色変換テーブルLUTを用いて色変換してC、M、Y、Kの256階調で表現される画像データを生成するにあたり、この色変換の前処理として、この色変換テーブルLUTをインク残量と圧力損失情報に対応して修正する。そして、この修正された色変換テーブルLUTにより色変換することにより、色変換と同時に印刷濃度の補正を行う態様である。
【0108】
この色変換テーブルLUTの修正は、インクカートリッジ101の圧力損失が例えば図13(a)のように変化するタイプであれば、通常のドット吐出量より減少する方向に所定の補正係数を乗算して印刷濃度が下がるように行なう。インクカートリッジ101の圧力損失情報に対応した補正係数は、予め決めておくことができる。本実施形態においては、このインク使用量と補正係数とを対応させた補正係数テーブルを上述した色変換テーブル修正部506が備える所定のテーブルとする。そして、プリンタドライバ296が印刷データPDを生成するに際して、適宜この補正係数テーブルを参照して、色変換テーブルLUTを修正し、色変換と同時に印刷濃度の補正が行なわれるようにする。
【0109】
図32は、この色変換テーブル修正部506が備える補正係数テーブルの構成を示した構成図である。同図において、補正係数テーブルは、図13に示すインク残量と圧力損失区分に対応した補正係数K1〜K9から構成されている。そして、本実施形態においては、例えばインク残量−圧力損失区分Z3−P1のときに補正係数が補正係数K1になることを示している。従って、検出したインク残量がZ3で圧力損失区分がP1の場合は、通常吐出するべきインク吐出量をEとした場合に、E*K7のインクを吐出して印刷濃度を補正することになる。なお、この場合、K1は1より小さな値(例えば0.7など)が設定される。
【0110】
図33は、印刷濃度補正処理を伴う色変換モジュール298にて実行される色変換処理(図31、ステップS603)の処理内容を示したフローチャートである。色変換処理では、まず最初に各インクカートリッジ101の記憶素子107から圧力損失情報を取得する(ステップS701)。次に、図21のインク残量監視ルーチンに従いインク残量を計測する(ステップS702)。そして、圧力損失情報とインク残量に基づいて補正係数テーブル(図32)を検索し、該当する補正係数を取得する(ステップS703)。次に、この補正係数に基づいて色変換テーブルLUTを修正し(ステップS704)、この修正された色変換テーブルに基づき画像データRGBについてR,G,Bの256階調からC,M,Y,Kの256階調のデータに色変換する(ステップS705)。これにより、C,M,Y,Kに変換後のデータは、印刷濃度が補正されたものになっている。
【0111】
本実施形態においては、一つの補正係数テーブル(図32)を各色共通とし、C,M,Y,Kに変換する際に同じ補正係数テーブルにて色変換テーブルLUTを修正する構成を採用しているが、C,M,Y,Kの各色毎にそれぞれ異なる補正係数テーブルを設定してもよい。また、色変換テーブルLUTを修正するタイミングは、特に限定されるものではなく、印刷開始時に行なうようにしても良いし、バンド幅毎の印刷データが生成されるタイミング毎に同色変換テーブルLUTを修正するようにしても良い。かかる場合、印刷開始時に色変換テーブルLUTの修正を行なうようにすれば、最初の修正に伴うオーバーヘッドが大きくなり処理負荷および処理時間がかかるものの、以降は修正された色変換テーブルLUTに基づいて印刷が行なわれるため、通常通りの印刷ができる。一方、バンド幅毎に色変換テーブルLUTの修正を行なうと、バンド幅毎に修正に伴うオーバーヘッドが係り処理負荷、処理時間がかかってしまうものの、バンド毎に印刷濃度の補正を行なうことができるようになる。
【0112】
図34は、印刷濃度補正処理の別の実施形態の処理内容を示したフローチャートである。図33に示す実施形態との相違点としては、本実施形態では記録ヘッド51のノズル数の情報も参照して濃度補正を行う点が挙げられる。
【0113】
本実施形態では、色変換モジュール298にて実行される色変換処理(図31、ステップS603)において、まず、ステップS711で各インクカートリッジ101の記憶素子107からそれぞれ圧力損失情報を取得する。本実施例のインクカートリッジ101は、インク残量の変化に伴い圧力損失が図13(a)に示すように変化するタイプである。ステップS712では、インクジェット式記録装置50の制御回路240のP−ROM243に格納された記録ヘッド51のノズル数情報を取得する。ここではノズル数情報は、記録ヘッド51の各ノズル列におけるノズルの数に対応して、60、180、360等に区分されている。また、図示は省略するが色変換テーブル修正部506には補正係数テーブルとして、各ノズル数区分毎に図32と同様の補正係数テーブルを備えておく。
【0114】
次に、図21のインク残量監視ルーチンに従いインク残量を計測する(ステップS713)。そして、圧力損失情報とノズル数情報とインク残量情報に基づいて前記補正係数テーブルを検索し、該当する補正係数を取得する(ステップS714)。次に、この補正係数に基づいて色変換テーブルLUTを修正し(ステップS715)、この修正された色変換テーブルに基づき画像データRGBについてR,G,Bの256階調からC,M,Y,Kの256階調のデータに色変換する(ステップS716)。これにより、C,M,Y,Kに変換後のデータは、印刷濃度が補正されたものとなる。本実施形態では、圧力損失情報にノズル数情報を加味することにより、インク残量の減少にともなう圧力損失の変動に応じて、より高い精度で濃度の補正ができるようになる。
【0115】
次に、各画素毎に階調を修正することによって印刷濃度を補正する態様について説明する。階調修正部504は、例えば色変換テーブルLUTにてR,G,Bの256階調からC,M,Y,Kの256階調に変換した後に、各画素毎の階調を補正係数によって修正することによって印刷濃度を補正する。この実施形態における印刷濃度補正処理は、上述した実施形態と同様に色変換モジュール298にて実行される図31のステップS603の色変換処理において行なわれる。
【0116】
図35は、かかる実施形態の印刷濃度補正処理を伴う色変換処理の処理内容を示したフローチャートである。同図において、最初に、画像データRGBについてR,G,Bの256階調からC,M,Y,Kの256階調のデータに色変換する(ステップS801)。次に、各インクカートリッジ101の記憶素子107から圧力損失情報を取得した後(ステップS802)、前記と同様にインク残量を計算する(ステップS803)。そして、取得した圧力損失情報とインク残量に基づいて補正係数テーブルを検索し、該当する補正係数を取得する(ステップS804)。補正係数テーブルは、例えば図32と同様に構成されたものを用いることができる。また、補正係数は、各色のインクカートリッジ101に対応して、各色毎に個別に取得しておくことができる。
【0117】
次に、ステップS801にて色変換した後のシアンの階調値を取得し(ステップS805)、補正係数を乗算演算することによって、印刷濃度を補正したシアンの階調値を取得する(ステップS806)。同様にしてステップS807〜ステップS812では、マゼンタ、イエロー、ブラックのそれぞれについて階調値を取得し、補正係数を乗算演算することによって、印刷濃度を補正した各色の階調値を取得する。以上のステップS802〜ステップS812に示した処理を色変換後の画像データの全画素について実行する(ステップS813)。これにより、全画素の階調値が修正され、記録濃度が補正されて安定した画質が得られる。
【0118】
図36は、印刷濃度補正処理のさらに別の実施形態の処理内容を示したフローチャートである。図35に示す実施形態との相違点としては、本実施形態では記録ヘッド51のノズル数の情報も参照して濃度補正を行う点が挙げられる。この処理では、図35の処理と同様にしてまず色変換を行い(ステップS821)、圧力損失情報を取得する(ステップS822)。次にステップS823では、インクジェット式記録装置50の制御回路240のP−ROM243に格納された記録ヘッド51のノズル数情報を取得する。ここでもノズル数情報は、記録ヘッド51の各ノズル列におけるノズルの数に対応して、60、180、360等に区分されている。
【0119】
次に、前記と同様にインク残量を計算する(ステップS824)。さらにステップS825では、取得した圧力損失情報とノズル数情報とインク残量に基づいて補正係数テーブルを検索し、該当する補正係数を取得する。図示は省略するがプリンタドライバ296には補正係数テーブルとして、例えば、各ノズル数区分毎に図32と同様の補正係数テーブルを備えておく。また、補正係数は、各色のインクカートリッジ101に対応して、各色毎に個別に取得しておくことができる。
【0120】
次に、ステップS826〜ステップS833では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のそれぞれについて階調値を取得し、補正係数を乗算演算することによって、印刷濃度を補正した各色の階調値を取得する。以上のステップS822〜ステップS833に示した処理を色変換後の画像データの全画素について実行する(ステップS834)。本実施形態でも、圧力損失情報にノズル数情報を加味することにより、インク残量の減少にともなう圧力損失に応じてより高い精度で濃度の補正ができるようになる。
【0121】
以上、本発明を種々の実施形態に関して述べたが、本発明は上記実施形態に制約されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の実施形態についても適用可能である。
【0122】
例えば、上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。たとえば、図17に示したプリンタドライバ296の機能の一部または全部を、インクジェット式記録装置50内の制御回路240が実行するようにすることもできる。この場合には、印刷データを作成する印刷制御装置としてのコンピュータ290の機能の一部または全部が、インクジェット式記録装置50の制御回路240によって実現される。
【0123】
また、以上の実施形態では、圧電素子PEを用いてインクを吐出する記録ヘッド51を備えたインクジェット式記録装置50を用いているが、他の方法によりインクを吐出するインクジェット式記録装置を用いるものとしてもよい。例えば、インク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生する泡(バブル)によりインクを吐出するタイプのインクジェット式記録装置に適用するものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット式記録装置の概要を示す斜視図。
【図2】インクカートリッジの一実施例の外観を示す斜視図。
【図3】図2の裏側の外観を示す斜視図。
【図4】図2のインクカートリッジの分解斜視図。
【図5】図4の裏側から見た分解斜視図。
【図6】インクカートリッジ容器本体の開口面を示す斜視図。
【図7】インクカートリッジ容器本体の底面の構造を示す斜視図。
【図8】インクカートリッジ容器本体の表面の構造を示す斜視図。
【図9】負圧発生手段収容室の断面構造を拡大して示す図面。
【図10】大気連通用のバルブ収容室の断面構造を示す図面。
【図11】キャリッジの断面構造を示す図面。
【図12】インクカートリッジを装着したキャリッジの斜視図。
【図13】圧力損失とインク残量の関係を示すグラフ図であり、(a)〜(c)は異なる圧力損失タイプのインクカートリッジを示している。
【図14】フォームタイプのインクカートリッジの内部構造を示す図面。
【図15】画質維持の概要を示す説明図。
【図16】印刷システムの装置構成例の概要を示す説明図。
【図17】印刷システムの構成例を示すブロック図。
【図18】インクジェット式記録装置の構成例を説明する図面。
【図19】記録ヘッドのノズル列の例を示す図面。
【図20】駆動波形の調整を行う回路の構成を説明する図面である。
【図21】インク残量監視処理の流れを示すフローチャート。
【図22】駆動波形生成回路の構成例を示す図面。
【図23】駆動波形データを書き込むタイミングを示すタイミングチャート。
【図24】駆動波形の生成過程を示す図面。
【図25】ノズル列に対応した駆動回路の概略構成を示す図面。
【図26】駆動波形の補正過程を説明する図面。
【図27】インク吐出量補正処理の流れを示すフローチャート。
【図28】インク残量と圧力損失に対応した駆動波形選択テーブルを示す図面。
【図29】インク吐出量補正処理の別の例の流れを示すフローチャート。
【図30】ノズル数情報に対応した駆動波形選択テーブルを示す図面。
【図31】印刷データ生成処理の流れを示すフローチャート。
【図32】インク残量と圧力損失に対応した補正係数テーブルを示す図面。
【図33】色変換処理の流れを示すフローチャート。
【図34】色変換処理の別の実施例の流れを示すフローチャート。
【図35】色変換処理の他の実施例の流れを示すフローチャート。
【図36】色変換処理のさらに別の実施例の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
50 インクジェット式記録装置、60 記録ヘッドユニット、
101、101a、101b インクカートリッジ、
102 容器本体、103 蓋体、104 インク供給口、
105、106 係止部材、105a 突起、107 記憶手段、
108 バルブ収容室、109 スリット部、170 識別ブロック、
200 キャリッジ、201 記録ヘッド、202 インク供給針、
203 板バネ、206 電極
240 制御回路、241 CPU、243 P−ROM、
244 RAM、246 駆動波形生成回路、250 I/F専用回路、
252 ヘッド駆動回路、254 モータ駆動回路、256 コネクタ、
266 駆動波形生成制御回路、267 メモリインターフェイス部、
268 インク残量計測部、280 メモリ、281 第1ラッチ、
282 加算器、283 第2ラッチ、284 累算部、
285 デジタル/アナログ変換器、286 電圧増幅部、
287 電流増幅部、290 コンピュータ、291 ビデオドライバ、
295 アプリケーションプログラム、296 プリンタドライバ、
297 解像度変換モジュール、298 色変換モジュール、
299 ハーフトーンモジュール、300 ラスタライザ、
420 駆動信号発生部、422 マスク回路、
500 印刷データ生成部、502 色変換部、
504 階調修正部、506 色変換テーブル修正部
520 波形調整部

Claims (13)

  1. 液体噴射ヘッドに供給する液体を収容した液体収容部と、
    前記液体噴射ヘッドに連結可能に形成された液体供給口と、
    前記液体収容部における圧力損失情報を記憶した圧力損失情報記憶手段と、
    を備えたことを特徴とする、液体カートリッジ。
  2. 請求項1において、前記圧力損失情報は、前記液体カートリッジの構造に基づき設定された情報であることを特徴とする、液体カートリッジ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液体カートリッジを装着可能な液体噴射装置であって、
    ノズルから被噴射媒体に向けて液体を噴射可能に構成した液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドを駆動させるための駆動手段と、
    前記液体カートリッジにおける液体の残量を計測する液体残量計測手段と、
    前記駆動手段による液体噴射量の調整を行う駆動制御手段と、
    を備えたことを特徴とする、液体噴射装置。
  4. 請求項3において、前記駆動制御手段は、前記液体残量計測手段による液体残量情報と、前記圧力損失情報記憶手段からの圧力損失情報と、に基づき、前記液体噴射ヘッドの圧電素子を駆動させるための駆動波形を変化させて液体噴射量の調整を行うことを特徴とする、液体噴射装置。
  5. 請求項3において、前記駆動制御手段は、前記液体噴射ヘッドのノズル数情報と、前記液体残量計測手段による液体残量情報と、前記圧力損失情報記憶手段からの圧力損失情報と、に基づき、前記液体噴射ヘッドの圧電素子を駆動させるための駆動波形を変化させて液体噴射量の調整を行うことを特徴とする、液体噴射装置。
  6. 液体としてインクを吐出して画像を形成するインクジェット式記録装置である、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の液体噴射装置。
  7. 請求項1または請求項2に記載の液体カートリッジを装着可能な液体噴射装置であって、
    ノズルから被噴射媒体に向けて液体を噴射可能に構成した液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドを駆動させるための駆動手段と、
    前記液体カートリッジにおける液体の残量を計測する液体残量計測手段と、
    前記液体噴射ヘッドから吐出される液体の被噴射媒体における付着濃度を補正する濃度補正手段と、
    を備えたことを特徴とする、液体噴射装置。
  8. 請求項7において、前記液体噴射装置が液体としてインクを吐出して画像を形成するインクジェット式記録装置であり、
    前記濃度補正手段は、前記液体残量計測手段によるインク残量情報と、前記圧力損失情報記憶手段からの圧力損失情報と、に基づき、色変換テーブルを修正することにより、記録濃度を補正することを特徴とする、インクジェット式記録装置。
  9. 請求項7において、前記液体噴射装置が液体としてインクを吐出して画像を形成するインクジェット式記録装置であり、
    前記濃度補正手段は、前記液体残量計測手段によるインク残量情報と、前記圧力損失情報記憶手段からの圧力損失情報と、に基づき、色変換後の各画素毎の階調を修正することにより、記録濃度を補正することを特徴とする、インクジェット式記録装置。
  10. 請求項8または請求項9において、前記濃度補正手段は、前記液体残量計測手段によるインク残量情報および前記圧力損失情報記憶手段からの圧力損失情報とともに、前記液体噴射ヘッドのノズル数情報を参照して記録濃度を補正することを特徴とする、インクジェット式記録装置。
  11. 記録ヘッドのノズルから被記録媒体に向けてインクを噴射して記録を行うインクジェット式記録方法であって、
    インクを収容するインクカートリッジに固有の圧力損失情報と、前記インクカートリッジのインク残量情報と、に基づき、
    前記記録ヘッドの圧電素子を駆動させるための駆動波形を変化させてインク吐出量の調整を行うことを特徴とする、インクジェット式記録方法。
  12. 記録ヘッドのノズルから被記録媒体に向けてインクを噴射して記録を行うインクジェット式記録方法であって、
    インクを収容するインクカートリッジに固有の圧力損失情報と、前記インクカートリッジのインク残量情報と、に基づき、色変換テーブルを修正することにより、記録濃度を補正することを特徴とする、インクジェット式記録方法。
  13. 記録ヘッドのノズルから被記録媒体に向けてインクを噴射して記録を行うインクジェット式記録方法であって、
    インクを収容するインクカートリッジに固有の圧力損失情報と、前記インクカートリッジのインク残量情報と、に基づき、色変換後の各画素毎の階調を修正することにより、記録濃度を補正することを特徴とする、インクジェット式記録方法。
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