JP2015182345A - 印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、印刷装置の制御プログラム - Google Patents

印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、印刷装置の制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】処理負荷の増加を抑えつつ、吐出部の温度変化に起因する表示品質の劣化を小さく抑える。
【解決手段】第1吐出部を具備し第1吐出部からの液体の吐出の有無を指定する第1印刷制御信号に基づいて第1吐出部から液体を吐出させる第1ヘッドユニットと、第2吐出部を具備し第2吐出部からの液体の吐出の有無を指定する第2印刷制御信号SIに基づいて第2吐出部から液体を吐出させる第2ヘッドユニットと、第1吐出部の温度に応じた値を示す第1検出情報を生成する第1検出部と、第2吐出部の温度に応じた値を示す第2検出情報を生成する第2検出部と、第1ヘッドユニットに第1印刷制御信号を供給し第2ヘッドユニットに第2印刷制御信号を供給し、第1印刷制御信号の示す内容に応じたタイミングで第1検出情報を取得し第2印刷制御信号の示す内容に応じたタイミングで第2検出情報を取得する制御部と、を備えることを特徴とする印刷装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、印刷装置の制御プログラムに関する。
従来から、吐出部に設けられたキャビティ内に充填されたインクを、当該吐出部に設けられキャビティに連通するノズルから吐出させることで、記録媒体に画像を形成するインクジェットプリンターが知られている。このようなインクジェットプリンターでは、通常、吐出部に設けられた圧電素子を振動させ、または、吐出部に設けられた発熱体によりキャビティ内部に気泡を生じさせる等、吐出部を駆動してキャビティ内部の圧力を高めることで、キャビティ内のインクをノズルから吐出させる。
しかし、吐出部を駆動した場合、キャビティ内のインクの温度が上昇する。インクの温度が上昇するとインクの粘度も変化するため、ノズルから吐出されるインクの量や、ノズルから吐出されるインク滴の飛翔速度等、吐出部におけるインクの吐出特性も変化してしまい、印刷される画像に表示ムラが生じる等の表示品質の劣化が生じる場合がある。
このような、吐出部の温度変化に起因する表示品質の劣化を抑制するために、吐出部の温度を測定し、吐出部の温度に応じて、吐出部を駆動するための駆動信号の波形を補正する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2013−230655号公報
しかし、吐出部の温度の測定や、吐出部を駆動するための駆動信号の波形の補正等の処理を行う場合には、インクジェットプリンターの処理負荷が増大する。例えば、吐出部の温度変化に起因する表示品質の劣化の程度をできるだけ小さく抑えるために、吐出部の温度の測定や駆動信号の波形の補正等の処理の実行間隔を短くする場合等においては、処理負荷の増大が大きな問題となることがあった。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、処理負荷の増加の程度を抑えつつ、吐出部の温度変化に起因する表示品質の劣化の程度を小さく抑える技術を提供することである。
以上の課題を解決するために、本発明に係る印刷装置は、液体を吐出する第1吐出部を具備し、前記第1吐出部からの液体の吐出の有無を指定する第1印刷制御信号に基づいて、前記第1吐出部から液体を吐出させる第1ヘッドユニットと、液体を吐出する第2吐出部を具備し、前記第2吐出部からの液体の吐出の有無を指定する第2印刷制御信号に基づいて、前記第2吐出部から液体を吐出させる第2ヘッドユニットと、前記第1吐出部の温度に応じた値を示す第1検出情報を生成する第1検出部と、前期第2吐出部の温度に応じた値を示す第2検出情報を生成する第2検出部と、前記第1ヘッドユニットに前記第1印刷制御信号を供給し、前記第2ヘッドユニットに前記第2印刷制御信号を供給する印刷制御部と、前記第1印刷制御信号の示す内容に応じたタイミングで前記第1検出情報を取得し、前記第2印刷制御信号の示す内容に応じたタイミングで前記第2検出情報を取得する取得制御部と、を備える、ことを特徴とする。
この発明によれば、第1検出情報と第2検出情報とを別個独立のタイミングで取得可能であるため、第1検出情報と第2検出情報とを同時に取得する場合と比較して、処理負荷を小さく抑えることができる。
また、通常、吐出部の温度は当該吐出部からの液体の吐出回数に応じて上昇する。本発明では、第1検出情報及び第2検出情報の取得タイミングを、吐出部からの液体の吐出回数(吐出の有無)を規定する第1印刷制御信号及び第2印刷制御信号に基づいて定める。このため、温度の上昇の程度が大きいことが予想される吐出部から優先的に検出情報を取得することが可能となり、吐出部の温度変化に起因する表示品質の劣化の程度を小さく抑えることができる。
また、上述した印刷装置において、前記第1吐出部及び前記第2吐出部を含む複数の吐出部のそれぞれが記録媒体の1つの画素に対して液体を吐出するための期間を単位印刷期間とし、前記単位期間が連続して設けられる期間を連続印刷期間としたときに、前記取得制御部は、前期第1印刷制御信号が指定する、前記第1吐出部が前記連続印刷期間において液体を吐出する回数に応じて、前記第1検出情報を取得するタイミングを制御し、前期第2印刷制御信号が指定する、前記第2吐出部が前記連続印刷期間において液体を吐出する回数に応じて、前記第2検出情報を取得するタイミングを制御する、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、第1検出情報及び第2検出情報の取得タイミングを、吐出部からの液体の吐出回数に基づいて定める。このため、温度の上昇の程度が大きいことが予想される吐出部から優先的に検出情報を取得することが可能となる。これにより、吐出部の温度変化に起因する表示品質の劣化の程度を小さく抑えることができ、また、第1検出情報と第2検出情報とを同時に取得する場合と比較して処理負荷を小さく抑えることができる。
なお、この態様において、連続印刷期間とは、印刷装置がラインプリンターである場合には、例えば、1枚の記録媒体に対する印刷の開始から終了までの期間であり、印刷装置がシリアルプリンターである場合には、例えば、主走査方向へのヘッドの移動の開始から終了までの期間である。
また、上述した印刷装置において、前記取得制御部は、前期第1印刷制御信号が指定する、前記第1吐出部が前記連続印刷期間において液体を吐出する回数が、所定回数以上である場合に、前記第1検出情報を取得し、前期第2印刷制御信号が指定する、前記第2吐出部が前記連続印刷期間において液体を吐出する回数が、前記所定回数以上である場合に、前記第2検出情報を取得する、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、第1検出情報及び第2検出情報を、吐出部からの液体の吐出回数が所定回数以上となるタイミングで取得する。このため、温度の上昇の程度が大きいことが予想される吐出部から優先的に検出情報を取得することが可能となる。これにより、吐出部の温度変化に起因する表示品質の劣化の程度を小さく抑え、また、第1検出情報と第2検出情報とを同時に取得する場合と比較して処理負荷を小さく抑えることができる。
また、上述した印刷装置において、前記取得制御部は、前記第1検出情報を取得するタイミングと前記第2検出情報を取得するタイミングとが異なるタイミングとなるように、前記第1検出情報を取得するタイミングと前記第2検出情報を取得するタイミングとを制御する、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、第1検出情報の取得タイミングと第2検出情報の取得タイミングを異なるタイミングとするため、第1検出情報と第2検出情報とを同時に取得する場合と比較して処理負荷を小さく抑えることができる。
また、上述した印刷装置において、前記第1検出情報は、前記印刷装置が記録媒体に液体を吐出して当該記録媒体に画像を形成する印刷処理を開始する印刷開始時刻における前記第1吐出部の温度と、前記第1検出部が第1検出情報を生成する時刻における前記第1吐出部の温度との差分に応じた値を示し、前記第2検出情報は、前記印刷開始時刻における前記第2吐出部の温度と、前記第2検出部が前記第2検出情報を生成する時刻における前記第2吐出部の温度との差分に応じた値を有する、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、第1検出情報及び第2検出情報が、温度の変化量を示すため、温度の絶対量を示す場合と比較して、第1検出情報及び第2検出情報の情報量(ビット数)を小さくすることができる。これにより、印刷装置が備えるメモリーの容量を低減させ、処理負荷を軽減することが可能となる。
また、本発明に係る印刷装置の制御方法は、液体を吐出する第1吐出部を具備し、前記第1吐出部からの液体の吐出の有無を指定する第1印刷制御信号に基づいて、前記第1吐出部から液体を吐出させる第1ヘッドユニットと、液体を吐出する第2吐出部を具備し、前記第2吐出部からの液体の吐出の有無を指定する第2印刷制御信号に基づいて、前記第2吐出部から液体を吐出させる第2ヘッドユニットと、前記第1吐出部の温度に応じた値を示す第1検出情報を生成する第1検出部と、前期第2吐出部の温度に応じた値を示す第2検出情報を生成する第2検出部と、を備える印刷装置の制御方法であって、前記第1ヘッドユニットに前記第1印刷制御信号を供給し、前記第2ヘッドユニットに前記第2印刷制御信号を供給し、前記第1印刷制御信号の示す内容に応じたタイミングで前記第1検出情報を取得し、前記第2印刷制御信号の示す内容に応じたタイミングで前記第2検出情報を取得する、ことを特徴とする。
この発明によれば、第1検出情報と第2検出情報とを別個独立のタイミングで取得可能であるため、第1検出情報と第2検出情報とを同時に取得する場合と比較して、処理負荷を小さく抑えることができる。また、この発明によれば、第1検出情報及び第2検出情報の取得タイミングを、吐出部からの液体の吐出回数(吐出の有無)を規定する第1印刷制御信号及び第2印刷制御信号に基づいて定めるため、温度の上昇の程度が大きいことが予想される吐出部から優先的に検出情報を取得することが可能となり、吐出部の温度変化に起因する表示品質の劣化の程度を小さく抑えることができる。
また、本発明に係る印刷装置の制御プログラムは、液体を吐出する第1吐出部を具備し、前記第1吐出部からの液体の吐出の有無を指定する第1印刷制御信号に基づいて、前記第1吐出部から液体を吐出させる第1ヘッドユニットと、液体を吐出する第2吐出部を具備し、前記第2吐出部からの液体の吐出の有無を指定する第2印刷制御信号に基づいて、前記第2吐出部から液体を吐出させる第2ヘッドユニットと、前記第1吐出部の温度に応じた値を示す第1検出情報を生成する第1検出部と、前期第2吐出部の温度に応じた値を示す第2検出情報を生成する第2検出部と、コンピュータと、を備える印刷装置の制御プログラムであって、前記コンピュータを、前記第1ヘッドユニットに前記第1印刷制御信号を供給し、前記第2ヘッドユニットに前記第2印刷制御信号を供給する印刷制御部と、前記第1印刷制御信号の示す内容に応じたタイミングで前記第1検出情報を取得し、前記第2印刷制御信号の示す内容に応じたタイミングで前記第2検出情報を取得する取得制御部と、して機能させる、ことを特徴とする。
この発明によれば、第1検出情報と第2検出情報とを別個独立のタイミングで取得可能であるため、第1検出情報と第2検出情報とを同時に取得する場合と比較して、処理負荷を小さく抑えることができる。また、この発明によれば、第1検出情報及び第2検出情報の取得タイミングを、吐出部からの液体の吐出回数(吐出の有無)を規定する第1印刷制御信号及び第2印刷制御信号に基づいて定めるため、温度の上昇の程度が大きいことが予想される吐出部から優先的に検出情報を取得することが可能となり、吐出部の温度変化に起因する表示品質の劣化の程度を小さく抑えることができる。
本発明の第1実施形態に係るインクジェットプリンター1の構成の概要を示す斜視図である。 インクジェットプリンター1の概略的な断面図である。 インクジェットプリンター1の構成を示すブロック図である。 記録ヘッドHDの概略的な断面図である。 キャリッジ32におけるノズルNの配置例を示す平面図である。 駆動回路DRの構成を示すブロック図である。 駆動回路DRの動作を示すタイミングチャートである。 デコーダーDCのデコード内容を示す説明図である。 駆動信号Vinの波形を表すタイミングチャートである。 印刷処理、温度情報取得処理、及び、駆動波形補正処理におけるインクジェットプリンター1の動作を示すフローチャートである。 インク温度T及び検出温度TSの関係を示す説明図である。 駆動波形信号Comの波形を表すタイミングチャートである。 変形例1に係る印刷処理、温度情報取得処理、及び、駆動波形補正処理におけるインクジェットプリンター1の動作を示すフローチャートである。 変形例2に係る印刷処理、温度情報取得処理、及び、駆動波形補正処理におけるインクジェットプリンター1の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
<1.インクジェットプリンターの構成>
本実施形態では、印刷装置として、インク(「液体」の一例)を吐出して記録媒体Pに画像を形成するインクジェットプリンターを例示して説明する。
以下、図1及び図2を参照しつつ、本実施形態に係るインクジェットプリンター1の構成について説明する。
図1は、インクジェットプリンター1の内部構成の概略を示す斜視図であり、図2は、インクジェットプリンター1の内部構成の概略を示す断面図である。
図1に示すように、インクジェットプリンター1は、インクジェットプリンター1の各構成要素を収容する筐体11と、筐体11に対して、+Y方向及び−Y方向(「主走査方向」の一例)に往復動する移動体3を備える。
移動体3は、4個のヘッドユニットHU[1]〜HU[4]と、4個のヘッドユニットHU[1]〜HU[4]と1対1に対応する4個のインクカートリッジ31と、4個のヘッドユニットHU[1]〜HU[4]及び4個のインクカートリッジ31を搭載したキャリッジ32と、を備える。なお、以下では、ヘッドユニットHU[1]〜HU[4]を、ヘッドユニットHUと総称することがある。また、以下では、ヘッドユニットHU[1]〜HU[4]のうち任意の1つを、符号HU[q]で表す(qは、1≦q≦4を満たす自然数)。
各ヘッドユニットHU[q]は、M個の吐出部Dを具備する記録ヘッドHD[q]を備える(Mは、4以上の自然数)。すなわち、移動体3には、4個の記録ヘッドHD[1]〜HD[4]が設けられており、合計で4M個の吐出部Dを具備する。なお、以下では、記録ヘッドHD[1]〜HD[4]を、記録ヘッドHDと総称することがある。
各吐出部Dは、当該吐出部Dが設けられたヘッドユニットHU[q]に対応するインクカートリッジ31から供給されたインクを内部に充填し、充填したインクを吐出することができる。4個のインクカートリッジ31は、イエロー(Yl)、シアン(Cy)、マゼンタ(Mg)、及び、ブラック(Bk)の4つの色と1対1に対応して設けられたものであり、各インクカートリッジ31には、当該インクカートリッジ31に対応する色のインクが充填されている。これにより、M個の吐出部Dから全体として4色のインクを吐出することが可能となり、インクジェットプリンター1によるフルカラー印刷が可能となる。
なお、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、当該4色のインクに対応する4個のインクカートリッジ31を備えるが、これは一例に過ぎず、1色以上のインクに対応する1個以上のインクカートリッジ31を備えるものであればよい。
また、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、4個のヘッドユニットHU[1]〜HU[4]と、4個の記録ヘッドHD[1]〜HD[4]と、を備えるが、これも一例に過ぎず、2個以上のヘッドユニットHUと、当該2個以上のヘッドユニットHUに1対1に対応する、2個以上の記録ヘッドHDと、を備えていればよい。
また、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、1個のインクカートリッジ31に対応して1個のヘッドユニットHUが設けられているが、1個のインクカートリッジ31に対応して2個以上のヘッドユニットHUが設けられる態様であってもよい。
また、各インクカートリッジ31は、キャリッジ32に搭載される代わりに、キャリッジ32の外部に設けられるものであってもよい。
また、図1に示すように、インクジェットプリンター1は、移動体3を、+Y方向及び−Y方向に移動(往復動)させる移動機構4を備える。
移動機構4は、移動体3を往復動させる駆動源となるキャリッジモーター41と、両端が筐体11に固定されたキャリッジガイド軸44と、キャリッジガイド軸44と平行に延在してキャリッジモーター41により駆動されるタイミングベルト42と、キャリッジモーター41を駆動するためのドライバー43(図3参照)と、を有している。
移動体3のキャリッジ32は、移動機構4のキャリッジガイド軸44に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベルト42の一部に固定されている。そのため、キャリッジモーター41によりタイミングベルト42を正逆走行させると、移動体3がキャリッジガイド軸44に案内されて往復動する。
また、移動機構4は、筐体11に固定され、主走査方向において所定の間隔でストライプ状の模様が印刷されたスケールと、キャリッジ32においてスケールに向かい合うように設けられた、一対の発光素子及び受光素子からなるフォトインタラプタと、を有するリニアエンコーダ(図示省略)を備える。これにより、インクジェットプリンター1は、キャリッジ32の主走査方向(Y軸方向)の位置を把握可能な構成となっている。
図1及び図2に示すように、インクジェットプリンター1は、記録媒体Pを供給・排出するための給紙機構7を備える。
給紙機構7は、その駆動源となる給紙モーター71と、給紙モーター71を駆動するためのドライバー73(図3参照)と、記録媒体Pを設置するトレイ77と、記録媒体Pを排出する排紙口(図示省略)と、記録ヘッドHDの下側(−Z側)に設けられるプラテン74と、給紙モーター71の作動により回転して記録媒体Pを1枚ずつプラテン74上に給紙するための給紙ローラ72及び75と、給紙モーター71の作動により回転してプラテン74上の記録媒体Pを排紙口へと搬送する排紙ローラ76と、を備える。
インクジェットプリンター1は、給紙機構7により記録媒体Pをプラテン74上に搬送したタイミングで、吐出部Dから当該記録媒体Pに対してインクを吐出させることで、記録媒体P上に画像を形成する印刷を行うことができる。
図2に示すように、ヘッドユニットHU[q]が具備する記録ヘッドHD[q]には、当該記録ヘッドHD[q]の温度を検出して検出結果を出力する温度センサーS[q](「検出部」の一例)が設けられている。すなわち、本実施形態において、移動体3には、4個の温度センサーS[1]〜S[4]が設けられている。なお、以下では、温度センサーS[1]〜S[4]を、温度センサーSと総称することがある。
また、図2に示すように、各ヘッドユニットHU[q]には、当該ヘッドユニットHU[q]が備えるM個の吐出部Dを駆動するための駆動回路DR[q]が設けられている。すなわち、本実施形態に置いて、移動体3には、4個の駆動回路DR[1]〜DR[4]が設けられている。なお、以下では、駆動回路DR[1]〜DR[4]を、駆動回路DRと総称することがある。
図3は、本実施形態に係るインクジェットプリンター1の構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、インクジェットプリンター1は、移動機構4と、給紙機構7と、4個のヘッドユニットHU[1]〜HU[4]と、インクジェットプリンター1の各部の動作を制御する制御部6と、各種情報を記憶する記憶部62と、を備える。このうち、制御部6は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成される。
また、インクジェットプリンター1は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDランプ等で構成され、エラーメッセージ等を表示する表示部と、各種スイッチ等で構成される操作部とを具備し、報知手段として機能する操作パネル(図示省略)を備える。
このインクジェットプリンター1は、パーソナルコンピューターやデジタルカメラ等のホストコンピューター9から入力された画像データImgに基づいて、記録媒体P上に画像データImgに応じた画像を印刷する。
制御部6は、ホストコンピューター9から入力された画像データImgに基づいて、移動機構4、給紙機構7、及び、駆動回路DR[1]〜DR[4]等を制御することにより、記録媒体P上に画像データImgに応じた画像を形成する印刷処理を実行する。
具体的には、制御部6は、ドライバー43の制御を介して、記録媒体Pを一枚ずつ副走査方向(+X方向)に間欠送りするようにキャリッジモーター41を制御し、また、ドライバー73の制御を介して、移動体3を記録媒体Pの送り方向(X軸方向)と交差する主走査方向(+Y方向及び−Y方向)に往復動させるように給紙モーター71を制御し、さらに、駆動回路DR[1]〜DR[4]の制御を介して、各吐出部Dからのインクの吐出の有無と、インクを吐出する場合におけるインクの吐出量及び吐出タイミングを制御する。これにより、制御部6は、記録媒体P上に吐出されたインクにより形成されるドットサイズ及びドット配置を調整し、画像データImgに対応する画像を記録媒体P上に形成する印刷処理を実行する。この制御部6は、当該印刷処理を実行することで、「印刷制御部」として機能する。
記憶部62は、ホストコンピューター9から図示省略したインターフェース部を介して供給される画像データImgをデータ格納領域に格納する不揮発性半導体メモリーの一種であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)と、印刷処理等の各種処理を実行する際に必要なデータを一時的に格納し、あるいは印刷処理等の各種処理を実行するための制御プログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)と、インクジェットプリンター1の各部を制御する制御プログラムを格納する不揮発性半導体メモリーの一種であるPROMと、を備える。
制御部6は、ホストコンピューター9から供給される画像データImgを、記憶部62に格納する。
また、制御部6は、画像データImg等の記憶部62に格納されている各種データに基づいて、駆動回路DR[1]〜DR[4]の動作を制御して各吐出部Dを駆動させるための印刷制御信号SI[1]〜SI[4]、及び、駆動波形信号Com[1]〜Com[4]等の各種信号を生成し、これらを出力する。
なお、以下では、印刷制御信号SI[1]〜SI[4]を、印刷制御信号SIと総称し、また、印刷制御信号SI[1]〜SI[4]のうち任意の1つを、印刷制御信号SI[q]と称する。また、以下では、駆動波形信号Com[1]〜Com[4]を、駆動波形信号Comと総称し、また、駆動波形信号Com[1]〜Com[4]のうち任意の1つを、駆動波形信号Com[q]と称する。
温度センサーS[q]は、記録ヘッドHD[q]の温度を検出し、当該検出した温度である検出温度TS[q]を示す検出温度情報RT[q](「検出情報」の一例)を出力する(1≦q≦4)。具体的には、この温度センサーS[q]は、周期的に(例えば、後述するクロック信号Lに規定される周期で)検出温度TS[q]を検出し、検出温度情報RT[q]を出力する。
ここで、検出温度TS[q]、すなわち、温度センサーS[q]が検出する記録ヘッドHD[q]の温度は、記録ヘッドHD[q]に設けられる各吐出部Dの温度、すなわち、記録ヘッドHD[q]に設けられる各吐出部Dの内部(後述するキャビティ320の内部)に充填されたインクの温度(以下、「インク温度T」と称する)に応じた温度となる。換言すれば、検出温度情報RT[q]の示す値は、記録ヘッドHD[q]に設けられる各吐出部Dの温度、すなわち、記録ヘッドHD[q]に設けられる各吐出部Dの内部のインク温度Tに応じた値となる。
なお、以下では、検出温度情報RT[1]〜RT[4]を、検出温度情報RTと総称する場合がある。
なお、本実施形態では、温度センサーS[q]が出力する検出温度情報RT[q]は、検出温度TS[q]の絶対値を示すが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、検出温度情報RT[q]は、例えば、記録媒体Pに対する印刷の開始時刻(「印刷開始時刻」の一例)において温度センサーS[q]が検出した検出温度TS[q]を基準温度として、現時刻における検出温度TS[q]と基準温度との差分値を示すものでもよい。
なお、「第1ヘッドユニット」及び「第2ヘッドユニット」とは、ヘッドユニットHU[1]〜HU[4]から選択した任意の2つのヘッドユニットHUである。また、「第1吐出部」、「第2吐出部」とは、それぞれ、第1ヘッドユニットに設けられた吐出部D、第2ヘッドユニットに設けられた吐出部Dを示す。また、「第1印刷制御信号」、「第2印刷制御信号」とは、それぞれ、第1ヘッドユニットに設けられた駆動回路DRに供給される印刷制御信号SI、第2ヘッドユニットに設けられた駆動回路DRに供給される印刷制御信号SIを示す。また、「第1検出情報」、「第2検出情報」とは、それぞれ、第1ヘッドユニットに設けられた温度センサーSが出力する検出温度情報RT、第2ヘッドユニットに設けられた温度センサーSが出力する検出温度情報RTを示す。
詳細は後述するが、制御部6は、印刷制御信号SI[q]の示す値に応じたタイミングで、温度センサーS[q]から検出温度情報RT[q]を取得する温度情報取得処理を実行する。制御部6は、当該温度情報取得処理を実行することで、「取得制御部」として機能する。
そして、制御部6は、検出温度情報RT[q]を取得すると、取得した検出温度情報RT[q]の示す検出温度TS[q]に基づいて、駆動波形信号Com[q]の波形を補正するか否かを判定し、当該判定結果が肯定である場合には、駆動波形信号Com[q]の波形を補正する駆動波形補正処理を実行する。制御部6は、当該駆動波形補正処理を実行することで、「補正部」として機能する。
なお、制御部6は、記憶部62に格納されている各種データに基づいて、ドライバー43の動作を制御するための制御信号、及び、ドライバー73の動作を制御するための制御信号、等の各種制御信号を生成し、これら生成した各種制御信号を出力する。
上述のとおり、ヘッドユニットHU[q]には、記録ヘッドHD[q]と、駆動回路DR[q]とが設けられる。
駆動回路DR[q]は、制御部6から供給される印刷制御信号SI[q]及び駆動波形信号Com[q]等の信号に基づいて、記録ヘッドHD[q]が備えるM個の吐出部Dのそれぞれを駆動するための駆動信号Vinを生成する。
<2.記録ヘッドの構成>
次に、図4及び図5を参照しつつ、記録ヘッドHDと、記録ヘッドHDに設けられる吐出部Dと、記録ヘッドHDに設けられる温度センサーSと、について説明する。
図4は、記録ヘッドHDの、概略的な一部断面図の一例である。なお、この図では、図示の都合上、記録ヘッドHD[q]のうち、当該記録ヘッドHD[q]が有するM個の吐出部Dの中の1個の吐出部Dと、当該吐出部Dにインク供給口360を介して通連するリザーバ350と、インクカートリッジ31からリザーバ350にインクを供給するためのインク取り入れ口370と、を示している。
図4に示すように、吐出部Dは、圧電素子300と、内部にインクが充填されたキャビティ320(圧力室)と、キャビティ320に通連するノズルNと、振動板310と、を備える。この吐出部Dは、圧電素子300が駆動信号Vinにより駆動されることにより、キャビティ320内のインクをノズルNから吐出させる。
吐出部Dのキャビティ320は、凹部を有するような所定の形状に成形されたキャビティプレート340と、ノズルNが形成されたノズルプレート330と、振動板310と、により区画される空間である。このキャビティ320は、インク供給口360を介してリザーバ350と連通している。リザーバ350は、インク取り入れ口370を介してインクカートリッジ31と連通している。
詳細は後述するが、本実施形態において、温度センサーS[q]は、図4に示すように、リザーバ350の上側(+Z側)に設けられている。
また、本実施形態では、圧電素子300として、図4に示すようなユニモルフ(モノモルフ)型を採用する。この圧電素子300は、下部電極301と、上部電極302と、下部電極301及び上部電極302の間に設けられた圧電体303と、を有する。そして、下部電極301が所定の基準電位VSSに設定され、上部電極302に駆動信号Vinが供給されることで、下部電極301及び上部電極302の間に電圧が印加されると、当該印加された電圧に応じて圧電素子300が図において上下方向に撓み、その結果、圧電素子300が振動する。
キャビティプレート340の上面開口部には、振動板310が設置され、この振動板310には、下部電極301が接合されている。このため、圧電素子300が駆動信号Vinにより振動すると、振動板310も振動する。そして、この振動板310の振動によりキャビティ320の容積(キャビティ320内の圧力)が変化し、キャビティ320内に充填されたインクがノズルNより吐出される。
インクの吐出によりキャビティ320内のインクが減少した場合、リザーバ350からインクが供給される。また、リザーバ350へは、インクカートリッジ31からインク取り入れ口370を介してインクが供給される。
図5は、キャリッジ32を+Z方向または−Z方向から見た場合の、記録ヘッドHD[1]〜HD[4]のそれぞれが備えるM個のノズルNの配置と、リザーバ350の配置と、温度センサーS[1]〜S[4]の配置と、の一例を説明するための説明図である。
図5に示すように、キャリッジ32には、4個の記録ヘッドHD[1]〜HD[4]が配置されている。
キャリッジ32を+Z方向または−Z方向から見たときに、各記録ヘッドHD[q]が備えるM個の吐出部Dに対応するM個のノズルNは、X軸方向に整列された態様で配置されている。すなわち、キャリッジ32には、4M個のノズルNが、4個の記録ヘッドHD[1]〜HD[4]と1対1に対応するように、4列のノズル列に整列された態様で配置されている。
より具体的には、図5に示すように、キャリッジ32には、記録ヘッドHD[1]において、ブラックのインクを吐出するM個の吐出部Dが備えるM個のノズルNからなるノズル列LnBKが設けられ、記録ヘッドHD[2]において、シアンのインクを吐出するM個の吐出部Dが備えるM個のノズルNからなるノズル列LnCyが設けられ、記録ヘッドHD[3]において、マゼンタのインクを吐出するM個の吐出部Dが備えるM個のノズルNからなるノズル列LnMgが設けられ、また、記録ヘッドHD[4]において、イエローのインクを吐出するM個の吐出部Dが備えるM個のノズルNからなるノズル列LnYlが設けられている。
各ノズル列において、ノズルN間のX軸方向のピッチPxは、印刷解像度(dpi:dot per inch)に応じて適宜設定され得る。
なお、本実施形態において、各ノズル列は、図5に示すように、M個のノズルNをX軸方向に一列に整列したものであるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、
例えば、各ノズル列を構成するM個のノズルNのうち偶数番目のノズルNと奇数番目のノズルNとのY軸方向の位置が異なる、所謂千鳥状に配列されたものであってもよい。
図5に示すように、各記録ヘッドHD[q]は、リザーバ350を備える。すなわち、キャリッジ32には、4個のリザーバ350が設けられている。
キャリッジ32を+Z方向または−Z方向から見た場合に、記録ヘッドHD[q]のリザーバ350は、記録ヘッドHD[q]が有するノズル列に沿うように設けられる。そして、図示は省略するが、記録ヘッドHD[q]の各リザーバ350は、記録ヘッドHD[q]が有するM個の吐出部Dに、共通に接続される。より具体的には、一のノズル列に属するM個のノズルNに対応するM個のキャビティ320は、各キャビティ320に連通するインク供給口360を介して、当該一のノズル列に対応する色のインクが充填された一のリザーバ350に共通に接続される(図4参照)。
図4及び図5に示すように、記録ヘッドHD[q]が有するリザーバ350の+Z方向には、記録ヘッドHD[q]の温度を測定するための温度センサーS[q]が設けられている。
本実施形態における温度センサーS[q]は、記録ヘッドHD[q]の温度として、記録ヘッドHD[q]が有するリザーバ350の温度を検出し、当該検出した温度である検出温度TS[q]を示す検出温度情報RT[q]を出力する。
記録ヘッドHD[q]が有するリザーバ350は、記録ヘッドHD[q]が有するM個の吐出部Dと連通するため、記録ヘッドHD[q]が有するリザーバ350の温度を検出することで、記録ヘッドHD[q]が有するM個の吐出部Dの温度を間接的に検出することができる。
なお、図5に示す温度センサーS[q]の設置位置は一例に過ぎず、温度センサーS[q]は、吐出部Dのキャビティ320内部のインク温度Tを直接的にまたは間接的に検出しうる位置に設けらればよい。例えば、温度センサーS[q]は、記録ヘッドHD[q]に対応する駆動回路DR[q]が設けられる基板上に設けられるものであってもよい。また、例えば、温度センサーS[q]は、記録ヘッドHD[q]が有するM個の吐出部DのM個のキャビティ320の壁面に共通に接するように、X軸方向に延在して設けられるものであってもよい。
また、本実施形態では、インクジェットプリンター1は、1個の記録ヘッドHD[q]に対して1個の割合で設けられた、合計4個の温度センサーSを有するが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、記録ヘッドHD[q]の個数以上の個数の温度センサーSを備えていればよい。例えば、インクジェットプリンター1は、4M個の吐出部Dに1対1に対応するように、合計4M個の温度センサーSを有するものであってもよい。
<3.駆動回路の構成及び動作>
次に、図6乃至図9を参照しつつ、駆動回路DR[q]の構成及び動作について説明する。なお、以下において、駆動回路DR[1]〜DR[4]を互いに区別する必要が無い場合には、添え字[q]を省略して説明する。
図6は、駆動回路DR[q]の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、駆動回路DR[q]は、シフトレジスタSR、ラッチ回路LT、デコーダーDC、並びに、トランスミッションゲートTGa及びTGb、からなる組を、記録ヘッドHD[q]が備えるM個の吐出部Dと1対1に対応するようにM個有する。以下では、駆動回路DR[q]及び記録ヘッドHD[q]が備えるこれらM個の組を構成する各要素を、図において上から順番に、1段、2段、…、M段と称することがある。
駆動回路DR[q]には、制御部6から、クロック信号CL、印刷制御信号SI[q]、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び、駆動波形信号Com[q]が供給される。
駆動波形信号Com[q]は、アナログの信号である駆動波形信号ComA[q]及び駆動波形信号ComB[q]を含む。なお、本実施形態では、制御部6は、図示省略したDA変換回路を含み、制御部6が備えるCPUが生成するデジタルの駆動波形信号を、アナログの駆動波形信号Com[q]に変換したうえで、出力する。
印刷制御信号SI[q]は、記録媒体Pに画像の1画素を印刷するにあたって、各吐出部D(各ノズルN)から吐出させるインク量を規定するデジタルの信号である。
より詳細には、本実施形態に係る印刷制御信号SI[q]は、各吐出部Dが吐出するインク量を、上位ビットb1及び下位ビットb2の2ビットで規定するものであり、制御部6からクロック信号CLに同期して駆動回路DR[q]にシリアルで供給される。
この印刷制御信号SI[q]により、各吐出部Dからのインクの吐出の有無、及び、吐出されるインク量を制御することができ、記録媒体Pの各画素において、非記録、小ドット、中ドット、及び、大ドットの4階調を表現することが可能となる。
シフトレジスタSRのそれぞれは、印刷制御信号SI[q]を、各吐出部Dに対応する2ビット毎に、一旦保持する。詳細には、M個の吐出部Dに1対1に対応する、1段、2段、…、M段のM個のシフトレジスタSRが互いに縦続接続されるとともに、シリアルで供給された印刷制御信号SI[q]が、クロック信号CLにしたがって順次後段に転送される。そして、M個のシフトレジスタSRの全てに印刷制御信号SI[q]が転送された時点で、クロック信号CLの供給が停止され、M個のシフトレジスタSRのそれぞれが印刷制御信号SI[q]のうち自身に対応する2ビット分のデータを保持した状態を維持する。
M個のラッチ回路LTのそれぞれは、ラッチ信号LATが立ち上がるタイミングで、M個のシフトレジスタSRのそれぞれに保持された、各段に対応する2ビット分の印刷制御信号SI[q]を一斉にラッチする。図6において、SI[q][1]、SI[q][2]、…、SI[q][M]のそれぞれは、1段、2段、…、M段のシフトレジスタSRに対応するラッチ回路LTによってそれぞれラッチされた、2ビット分の印刷制御信号SI[q]を示している。
ここで、制御部6からの各種信号の供給タイミングを説明するために、図7を参照しつつ、インクジェットプリンター1が印刷処理、温度情報取得処理、及び、駆動波形補正処理、等の各種処理を実行する動作期間について説明する。
図7は、インクジェットプリンター1の動作期間と、当該動作期間におけるインクジェットプリンター1の動作と、を説明するためのタイミングチャートである。
この図に示すように、インクジェットプリンター1の動作期間は、複数の連続印刷期間UPRTと、複数の休止期間UBRKと、を含む。
連続印刷期間UPRTとは、キャリッジ32が主走査方向に移動しつつ、キャリッジ32に搭載された各吐出部Dからインクを吐出させるための期間である。
例えば、インクジェットプリンター1が、キャリッジ32の主走査方向の往復動における往路(+X方向の移動)及び復路(−X方向の移動)の双方で吐出部Dからインクを吐出させる双方向印刷を行う場合、キャリッジ32の+X方向への移動の開始から終了までの期間のうち吐出部Dからインクを吐出させるための期間と、キャリッジ32の−X方向への移動の開始から終了までの期間のうち吐出部Dからインクを吐出させるための期間と、のそれぞれが、一つの連続印刷期間UPRTに該当する。
また、インクジェットプリンター1が、キャリッジ32の主走査方向の往復動の一方、例えば、往路(+X方向)のみにおいて吐出部Dからインクを吐出させる単方向印刷を行う場合、キャリッジ32の+X方向への移動の開始から終了までの期間のうち吐出部Dからインクを吐出させるための期間が、一つの連続印刷期間UPRTに該当する。
休止期間UBRKとは、一の連続印刷期間UPRTの終了から、当該一の連続印刷期間UPRTの終了後に最初に開始される他の連続印刷期間UPRTの開始までの期間である。
図7に示すように、連続印刷期間UPRT及び休止期間UBRKは、制御部6が生成するリセット信号RST1及びRST1により規定される。
なお、以下では、連続印刷期間UPRT及び休止期間UBRKを、「連続期間」と総称する場合がある。
連続印刷期間UPRTは、連続する複数の単位印刷期間UPからなる。
単位印刷期間UPは、各吐出部Dが記録媒体Pの1画素に対してインクを吐出するための期間である。各単位印刷期間UPは、制御期間UP1と、これに後続する制御期間UP2とに区分される。
図7に示すように、単位印刷期間UPは、制御部6から供給されるラッチ信号LATにより規定される。制御期間UP1及びUP2は、制御部6から供給されるラッチ信号LAT及びチェンジ信号CHにより規定される。
また、休止期間UBRKは、連続する複数の単位休止期間Ubからなる。
なお、以下では、単位印刷期間UP及び単位休止期間Ubを、「単位期間」と総称する場合がある。
図6及び図7に示すように、制御部6は、駆動回路DR[q]に対して、各単位印刷期間UPが開始される前に印刷制御信号SI[q]を供給する。また、制御部6は、駆動回路DR[q]に対して、単位印刷期間UP毎にハイレベルに立ち上がるラッチ信号LATを供給することで、単位印刷期間UP毎に印刷制御信号SI[q][1]〜SI[q][M]がラッチされるようにラッチ回路LTを制御する。
m段(mは、1≦m≦Mを満たす自然数)のデコーダーDCは、m段のラッチ回路LTによってラッチされた2ビット分の印刷制御信号SI[q][m]をデコードし、制御期間UP1及びUP2のそれぞれにおいて、ハイレベルHまたはローレベルLのいずれかのレベルに設定された選択信号Sa及びSbを出力する。
図8は、デコーダーDCが行うデコードの内容を示す説明図(テーブル)である。
この図に示すように、m段のデコーダーDCは、m段のラッチ回路LTから出力された2ビット分の印刷制御信号SI[q][m]の示す内容が、(b1、b2)=(1、1)である場合、制御期間UP1において、選択信号SaをハイレベルHに、選択信号SbをローレベルLにそれぞれ設定し、制御期間UP2において、選択信号SaをハイレベルHに、選択信号SbをローレベルLにそれぞれ設定する。
また、m段のデコーダーDCは、印刷制御信号SI[q][m]の示す内容が(b1、b2)=(1、0)である場合、制御期間UP1において、選択信号SaをハイレベルHに、選択信号SbをローレベルLにそれぞれ設定し、制御期間UP2において、選択信号SaをローレベルLに、選択信号SbをハイレベルHにそれぞれ設定する。
また、m段のデコーダーDCは、印刷制御信号SI[q][m]の示す内容が(b1、b2)=(0、1)である場合、制御期間UP1において、選択信号SaをローレベルLに、選択信号SbをハイレベルHにそれぞれ設定し、制御期間UP2において、選択信号SaをハイレベルHに、選択信号SbをローレベルLにそれぞれ設定する。
また、m段のデコーダーDCは、印刷制御信号SI[q][m]の示す内容が(b1、b2)=(0、0)である場合、制御期間UP1において、選択信号SaをローレベルLに、選択信号SbをハイレベルHにそれぞれ設定し、制御期間UP2において、選択信号SaをローレベルLに、選択信号SbをハイレベルHにそれぞれ設定する。
駆動回路DR[q]が備える、M個のトランスミッションゲートTGa及びTGbの組は、記録ヘッドHD[q]が備えるM個の吐出部Dに1対1に対応するように設けられる。
m段のトランスミッションゲートTGa及びTGbは、排他的にオンする。具体的には、m段のトランスミッションゲートTGaは、m段のデコーダーDCから出力される選択信号SaがHレベルのときにオンし、Lレベルのときにオフする。m段のトランスミッションゲートTGbは、m段のデコーダーDCから出力される選択信号SbがHレベルのときにオンし、Lレベルのときにオフする。
また、各トランスミッションゲートTGaの一端には駆動波形信号ComA[q]が供給され、各トランスミッションゲートTGbの一端には駆動波形信号ComB[q]が供給される。m段のトランスミッションゲートTGa及びTGbの他端は、m段の出力端OTNに共通接続されている。
m段の出力端OTNからは、m段の吐出部Dに対して、駆動波形信号ComA[q]または駆動波形信号ComB[q]が、駆動信号Vin[q][m]が出力される。具体的には、m段のトランスミッションゲートTGa及びTGbは、トランスミッションゲートTGaがオンするときに駆動波形信号ComA[q]を選択して、これを、m段の出力端OTNに駆動信号Vin[q][m]として出力し、トランスミッションゲートTGbがオンするときに駆動波形信号ComB[q]を選択して、これを、m段の出力端OTNに駆動信号Vin[q][m]として出力する。
ここで、駆動信号Vin[q][m]とは、駆動信号Vinのうち、記録ヘッドHD[q]が備えるM個の吐出部Dの中のm段の吐出部Dに対して供給される駆動信号Vinを表す。
このように、制御部6は、M個の吐出部Dのそれぞれに対して単位印刷期間UP毎に駆動信号Vin[q][m]が供給されるように、駆動回路DR[q]を制御する。これにより、記録ヘッドHD[q]が備えるM個の吐出部Dの各々は、単位印刷期間UP毎に、画像データImgに応じた量のインクを記録媒体Pに吐出し、記録媒体P上に画像データImgに対応するドットを形成することができる。
次に、図7を参照しつつ、駆動波形信号Com[q](駆動波形信号ComA[q]、駆動波形信号ComB[q])について説明する。
図7に例示するように、駆動波形信号ComA[q]は、制御期間UP1に配置された単位波形W1[q]と、制御期間UP2に配置された単位波形W2[q]と、を連続させた波形を有する。単位波形W1[q]は、制御期間UP1において、その電位が、基準電位V0→電位V11[q]→電位V12[q]→基準電位V0と変化する波形であり、単位波形W2[q]は、制御期間UP2において、その電位が、基準電位V0→電位V21[q]→電位V22[q]→基準電位V0と変化する波形である。
なお、本実施形態において例示される単位波形W1[q]及び単位波形W2[q]では、電位V11[q]及び電位V21[q]が基準電位V0よりも低電位であり、電位V12[q]及び電位V22[q]が基準電位V0よりも高電位であり、また、電位V11[q]及び電位V12[q]の電位差dV1[q]が、電位V21[q]及び電位V22[q]の電位差dV2[q]よりも大きい場合を想定する。
吐出部Dに対して駆動信号Vin[q][m]が供給されると、当該吐出部Dの圧電素子300において、下部電極301及び上部電極302の間に印加される電圧に応じた歪が発生し、当該歪に応じて振動板310が撓む。
具体的には、吐出部Dに対して、例えば、単位波形W1[q]を有する駆動信号Vin[q][m]が供給される場合において、駆動信号Vin[q][m]の電位が基準電位V0から電位V11[q]に変化すると、当該吐出部Dの振動板310は、図4において上方向に撓み、キャビティ320の容積が拡大する。そして、駆動信号Vin[q][m]の電位が電位V11[q]から電位V12[q]に変化すると、振動板310は、図4において下方向に撓み、キャビティ320の容積が急激に収縮して、キャビティ320内の圧力が急激に上昇するため、キャビティ320を満たすインクの一部が、当該キャビティ320に連通しているノズルNからインク滴として吐出される。
また、吐出部Dに対して、単位波形W2[q]を有する駆動信号Vin[q][m]が供給される場合においても同様に、駆動信号Vin[q][m]の電位が電位V21[q]から電位V22[q]に変化することにより、キャビティ320の容積の急激な収縮し、キャビティ320内の圧力が急激に上昇するため、当該キャビティ320に連通しているノズルNからインク滴が吐出される。
なお、本実施形態では、上述のとおり、単位波形W1[q]における電位差dV1[q]が、単位波形W2[q]における電位差dV2[q]よりも大きいため、吐出部Dが単位波形W1[q]の駆動信号Vinにより駆動された場合に吐出するインク量は、吐出部Dが単位波形W2[q]の駆動信号Vinにより駆動された場合に吐出するインク量よりも多くなる。
なお、詳細は後述するが、駆動波形信号ComA[q]の波形(電位V11[q]、V12[q]、V21[q]、V22[q])は、インク温度Tに応じて可変に定められる。このため、以下では、駆動波形信号ComA[q]の波形がインク温度Tに応じて変化することを表すために、駆動波形信号ComA[q]、単位波形W1[q]及びW2[q]、電位差dV1[q]及びdV2[q]に対し、符号[T]を付して、これらをインク温度Tの関数として表現する場合がある(図12参照)。
図7に例示するように、本実施形態に係る駆動波形信号ComB[q]の電位は基準電位V0に設定されている。
このため、吐出部Dに対して、駆動波形信号ComB[q]が駆動信号Vinとして供給される場合において、当該吐出部Dの振動板310に撓みは生じないので、当該吐出部Dからインクは吐出されない。
なお、駆動波形信号ComB[q]は、吐出部Dからインクを吐出させない程度に、当該吐出部Dの振動板310を微振動させるための波形を含むものであってもよい。
次に、図9を参照しつつ、単位印刷期間UPにおいて駆動回路DR[q]が出力する駆動信号Vinの波形について説明する。
単位印刷期間UPにおいて供給される印刷制御信号SI[q][m]が、(b1、b2)=(1、1)を示す場合、m段の出力端OTNからは、駆動信号Vin[q][m]として、制御期間UP1において単位波形W1[q]を有する駆動波形信号ComA[q]が出力され、制御期間UP2において単位波形W2[q]を有する駆動波形信号ComB[q]が出力される。つまり、この場合、駆動信号Vin[q][m]の波形は、図9に示すように、単位波形W1[q]及び単位波形W2[q]を含む波形Dp1[q]となる。よって、記録ヘッドHD[q]のm段の吐出部Dは、単位印刷期間UPのうち、制御期間UP1において単位波形W1[q]に基づく中程度の量のインクを吐出し、制御期間UP2において単位波形W2[q]に基づく小程度の量のインクを吐出する。そして、これら2度にわたり吐出されたインク滴が合体し、記録媒体P上には大ドットが形成される。
また、単位印刷期間UPにおいて供給される印刷制御信号SI[q][m]が、(b1、b2)=(1、0)を示す場合、駆動信号Vin[q][m]の波形は、単位波形W1[q]を含む波形Dp2[q]となるため、吐出部Dからは単位波形W1[q]に基づく中程度の量のインクが吐出され、その結果、記録媒体P上には中ドットが形成される。
また、単位印刷期間UPにおいて供給される印刷制御信号SI[q][m]が、(b1、b2)=(0、1)を示す場合、駆動信号Vin[q][m]の波形は、単位波形W2[q]を含む波形Dp3[q]となるため、吐出部Dからは単位波形W2[q]に基づく小程度の量のインクが吐出され、その結果、記録媒体P上には小ドットが形成される。
また、単位印刷期間UPにおいて供給される印刷制御信号SI[q][m]が、(b1、b2)=(0、0)を示す場合、駆動信号Vin[q][m]の波形は、基準電位V0に保たれた波形Dp4[q]となるため、吐出部Dからはインクが吐出されず、記録媒体P上にはドットが記録されない(非記録となる)。
<4.印刷処理、温度情報取得処理、及び、駆動波形補正処理>
次に、図10乃至図12を参照しつつ、印刷処理、温度情報取得処理、及び、駆動波形補正処理について説明する。
図10は、印刷処理、温度情報取得処理、及び、駆動波形補正処理におけるインクジェットプリンター1の動作の一例を示すフローチャートである。図11は、インク温度Tと検出温度TSとの関係を示す説明図である。図12は、インク温度Tと駆動波形信号ComA[q]の波形との関係を示す説明図である。
インクジェットプリンター1が画像データImgを受信すると、制御部6は当該画像データImgを記憶部62に格納する(S100)。
次に、制御部6は、記憶部62に記憶されているカウント値Dcnt[q][m]、カウント値Hcnt[q]、及び、カウント値Tcnt[q]を、それぞれ「0」に初期化する(S102)。
ここで、カウント値Dcnt[q][m]とは、記録ヘッドHD[q]のm段の吐出部Dからインクが吐出された回数の合計値を表すためのカウント値である。記憶部62には、4M個の吐出部Dと1対1に対応する4M個のカウント値Dcnt[q][m]が記憶されている。
カウント値Hcnt[q]とは、記録ヘッドHD[q]が備えるM個の吐出部Dからインクが吐出された回数の合計値を表すためのカウント値である。記憶部62には、4個の記録ヘッドHD[1]〜HD[4]と1対1に対応する4個のカウント値Hcnt[1]〜Hcnt[4]が記憶されている。
カウント値Tcnt[q]とは、記録ヘッドHD[q]が備えるM個の吐出部Dが駆動信号Vinにより駆動された回数の合計値を表すためのカウント値である。つまり、カウント値Tcnt[q]は、記録ヘッドHD[q]が備えるM個の吐出部Dがインクを吐出するように駆動された回数と、インクを吐出しないように駆動された回数と、の合計値を表す。記憶部62には、4個の記録ヘッドHD[1]〜HD[4]と1対1に対応する4個のカウント値Tcnt[1]〜Tcnt[4]が記憶されている。
なお、本実施形態では、記憶部62が、カウント値Dcnt[q][m]、カウント値Hcnt[q]、及び、カウント値Tcnt[q]を記憶しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、少なくともカウント値Hcnt[q]を記憶していればよい。
次に、制御部6は、各温度センサーS[q]から検出温度情報RT[q]を取得する(S104)。
そして、制御部6は、ステップS104で取得した検出温度情報RT[q]が示す検出温度TS[q]に基づいて、駆動波形信号Com[q]の波形を決定する(S106)。
インク温度Tが変化すると、インクの粘性も変化する。具体的には、インク温度Tが上昇すると、インクの粘度が低下し、インク温度Tが低下すると、インクの粘度が上昇する。このため、駆動波形信号Comが同一の波形である場合、インク温度Tが上昇すると、吐出部Dから吐出されるインク滴の飛翔速度が目標速度よりも速くなり、また、吐出部Dから吐出されるインク量も多くなる等、吐出部Dにおけるインクの吐出特性が変化する。この場合、当該インク滴が記録媒体P上の目標位置とは異なる位置に着弾することになり、また、各画素に吐出すべきインク量よりも多い量のインクが吐出部Dから吐出されることになるため、印刷される画像の画質が劣化する。
本実施形態に係るインクジェットプリンター1では、キャビティ320内部のインク温度Tの変動による吐出部Dからのインクの吐出特性の変化に起因して生じる印刷画質の劣化(例えば、表示ムラの発生)を防止するために、駆動波形信号Com[q]の波形を、記録ヘッドHD[q]のキャビティ320内部のインク温度T[q]に応じた波形となるように調整する。
以下、図10に加えて図11及び図12を参照しつつ、
インク温度Tに応じた駆動波形信号Comの波形の調整の一例について説明する。
本実施形態では、インクジェットプリンター1が印刷処理を実行可能な温度範囲TPを、例えば、図11に示すように、温度範囲T1〜T3の3つの温度範囲に区分する。そして、記憶部62には、インク温度Tが温度範囲T1である場合に検出温度情報RT[q]が示す温度範囲TS1と、インク温度Tが温度範囲T2である場合に検出温度情報RT[q]が示す温度範囲TS2と、インク温度Tが温度範囲T1である場合に検出温度情報RT[q]が示す温度範囲TS3と、が記憶されている。
なお、本実施形態では、インクジェットプリンター1が印刷処理を実行可能な温度範囲を3つ(T1、T2、T3)に区分したが、これは一例に過ぎず、2以上の温度範囲に区分するものであればよい。この場合、記憶部62は、複数の温度範囲と1対1に対応する複数の駆動波形信号Comの波形(または、波形を表すための各種パラメーター値)を記憶していればよい。
ステップS106において、制御部6は、ステップS104で取得した検出温度情報RT[q]の示す検出温度TS[q]が、温度範囲TS1に含まれる場合には、駆動波形信号ComA[q]として駆動波形信号ComA[q][T1]を出力し、温度範囲TS2に含まれる場合には、駆動波形信号ComA[q]として駆動波形信号ComA[q][T2]を出力し、温度範囲TS3に含まれる場合には、駆動波形信号ComA[q]として駆動波形信号ComA[q][T3]を出力する。
本実施形態に置いて、駆動波形信号ComA[q][T1]〜ComA[q][T3]のそれぞれの波形は、吐出部Dにおけるインク温度Tの変動に伴いインクの粘度が変化する場合であっても、インク滴の飛翔速度やインクの吐出量を略同一に保つことが可能なように定められる。
より具体的には、本実施形態に係る駆動波形信号ComA[q][T1]〜ComA[q][T3]のそれぞれの波形は、例えば、図12に例示するように、駆動波形信号ComA[q][T1]における電位差dV1[q][T1]及びdV2[q][T1]と、駆動波形信号ComA[q][T2]における電位差dV1[q][T2]及びdV2[q][T2]と、駆動波形信号ComA[q][T3]における電位差dV1[q][T3]及びdV2[q][T3]と、の間に、以下の式(1)及び式(2)が成立するように定められている。
dV1[q][T1] > dV1[q][T2] > dV1[q][T3] ……式(1)
dV2[q][T1] > dV2[q][T2] > dV2[q][T3] ……式(2)
これにより、吐出部Dにおいて、インク温度Tが変動する場合であっても、吐出部Dにおけるインクの吐出特性の変化を抑え、印刷画質の劣化を防止することができる。
次に、制御部6は、現在の時刻が属する単位期間の次の単位期間が、単位印刷期間UPであるか否かを判定する(S108)。
以下、ステップS108において判定の対象とされる「次の単位期間」を、「対象単位期間」と称する。
なお、本実施形態では、対象単位期間を、現在の時刻が属する単位期間の次の単位期間としているが、これは一例に過ぎず、対象単位期間は、現在の時刻が属する単位期間よりも後の単位期間であればよい。現在の時刻が属する単位期間と対象単位期間との関係は、制御部6が有するCPUの処理速度や、記憶部62が有する記憶容量に応じて、適宜定めればよい。
ステップS108の判定結果が肯定である場合、つまり、現在の時刻が属する単位期間が単位印刷期間UPである場合、制御部6は、画像データImgに応じた印刷制御信号SI[q]と、ステップS106(または、後述するステップS128)において定めた波形を有する駆動波形信号Com[q]と、を生成し、生成した印刷制御信号SI[q]及び駆動波形信号Com[q]を駆動回路DR[q]に供給することで、対象単位期間における各吐出部Dの駆動を制御する(S110)。
その後、制御部6は、全ての印刷処理(記録媒体Pへの画像の印刷)が完了したか否かを判定する(S112)。
次に、制御部6は、全ての印刷処理が完了している場合(S112:Yes)には、図10のフローチャートに示す処理を終了する。
一方、制御部6は、全ての印刷処理が完了していない場合(S112:No)には、カウント値Dcnt[q][m]、カウント値Hcnt[q]、及び、カウント値Tcnt[q]を更新する(S114)。
ステップS114において、制御部6が実行する具体的な処理の内容は、例えば以下のとおりである。
すなわち、ステップS114において、制御部6は、第1に、ステップS110の処理において駆動回路DR[q]に供給した印刷制御信号SI[q]のうち、印刷制御信号SI[q][m]が、m段の吐出部Dに対してインクを吐出することを指定する場合、つまり、「(b1、b2)≠(0,0)」である場合、カウント値Dcnt[q][m]に「1」を加算することでカウント値Dcnt[q][m]を更新し、m段の吐出部Dに対してインクを吐出させないことを指定する場合、つまり、「(b1、b2)=(0,0)」である場合、カウント値Dcnt[q][m]の値を変更しない。
第2に、制御部6は、ステップS110の処理において駆動回路DR[q]に供給した印刷制御信号SI[q]によってインクを吐出する旨の指定を受けた吐出部Dの個数を加算することで、カウント値Hcnt[q]を更新する。なお、カウント値Hcnt[q]は、駆動回路DR[q]に対応して設けられたM個のカウント値Dcnt[q][1]〜Dcnt[q][M]を合計することで算出してもよい。
第3に、制御部6は、カウント値Tcnt[q]に「M」を加算することでカウント値Tcnt[q]を更新する。
このように、制御部6は、4M個のカウント値Dcnt[q][m]、4個のカウント値Hcnt[q]、及び、4個のカウント値Tcnt[q]のそれぞれを更新した後に、処理をステップS108に進める。
ステップS108の判定結果が否定である場合、つまり、現在の時刻が属する単位期間が単位休止期間Ubである場合、制御部6は、全ての印刷処理(記録媒体Pへの画像の印刷)が完了したか否かを判定する(S116)。
次に、制御部6は、全ての印刷処理が完了している場合(S116:Yes)には、図10のフローチャートに示す処理を終了する。
一方、制御部6は、全ての印刷処理が完了していない場合(S116:No)には、現在の時刻が属する単位期間が、単位印刷期間UPの直前の単位休止期間Ubとなるまで待機する(S118)。
ステップS118における待機により、現在の時刻が属する単位期間が単位印刷期間UPの直前の単位休止期間Ubとなったとき、制御部6は、駆動回路DR[1]〜DR[4]に対応する4個のカウント値Hcnt[1]〜Hcnt[4]の中で最大の値を有するカウント値Hcnt[q]を、カウント値Hcnt[qmax]として選択し、当該カウント値Hcnt[qmax]が閾値TH1以上であるか否かを判定する(S120)。
ここで、qmaxとは、1≦qmax≦4を満たす自然数である。また、閾値TH1とは、「1」以上の自然数である。
なお、本実施形態では、4個のカウント値Hcnt[1]〜Hcnt[4]の中で最大の値となるものが複数ある場合には、これら最大の値となるものの中から1つを、例えばランダムに、カウント値Hcnt[qmax]として選択する。
そして、制御部6は、ステップS120における判定結果が肯定である場合には、処理をステップS122に進め、一方、ステップS120における判定結果が否定である場合には、処理をステップS110に進める。
また、制御部6は、カウント値Hcnt[qmax]を、カウント値Tcnt[qmax]で除算することで、記録ヘッドHD[qmax]のデューティー比Hduty[qmax]を算出し、当該デューティー比Hduty[qmax]が閾値TH2以上であるか否かを判定する(S122)。
そして、制御部6は、ステップS122における判定結果が肯定である場合には、処理をステップS124に進め、一方、ステップS122における判定結果が否定である場合には、処理をステップS110に進める。
ここで、閾値TH2とは、「0」よりも大きい実数である。また、デューティー比Hduty[q]とは、ドット記録率、つまり、記録ヘッドHD[q]が備えるM個の吐出部Dがドットを記録可能な画素数のうち実際にドットが形成される画素の割合を示す値である。例えば、デューティー比Hduty[q]が「10%」とは、10画素に1画素の割合でドットが記録されることを意味する。
なお、記憶部62が、カウント値Tcnt[q]を記憶していない場合には、制御部6が最後に駆動波形信号Com[qmax]の波形を決定してから現時刻までの期間に含まれる単位印刷期間UPの個数に4Mを乗算することで、カウント値Tcnt[qmax]を算出すればよい。
また、本実施形態では、制御部6は、ステップS120における判定、すなわち、記録ヘッドHD[qmax]が備えるM個の吐出部Dからのインクの吐出回数であるカウント値Hcnt[qmax]が閾値TH1以上であるか否かの判定と、ステップS122における判定、すなわち、記録ヘッドHD[qmax]が備えるM個の吐出部Dのデューティー比Hduty[qmax]が閾値TH2以上であるか否かの判定と、の両方の判定を実行するが、これは一例であり、当該2つの判定のうち少なくとも一方を実行するものであればよい。
制御部6は、ステップS122の判定結果が肯定である場合、記録ヘッドHD[qmax]に設けられた温度センサーS[qmax]から、検出温度情報RT[qmax]を取得する(S124)。
すなわち、本実施形態において、制御部6は、印刷制御信号SIの示す内容に応じて生成されるカウント値Hcnt[q]またはデューティー比Hduty[q]の少なくとも一方に基づいて定められるタイミングで、温度センサーS[q]から検出温度情報RT[q]を取得する。
次に、制御部6は、ステップS124で取得した検出温度情報RT[qmax]が示す検出温度TS[qmax]に基づいて、駆動波形信号Com[qmax]の波形を補正するか否かについて判定する(S126)。
具体的には、制御部6は、制御部6が最後に生成した駆動波形信号Com[qmax]に対応する温度範囲と、ステップS124で取得した検出温度情報RT[qmax]が示す検出温度TS[qmax]に対応する温度範囲と、が一致しているか否かを判定することで、駆動波形信号Com[qmax]の波形を補正するか否かについて判定する。
これは、両温度範囲が不一致の場合、対象単位期間において駆動回路DR[qmax]に供給する駆動波形信号Com[qmax]の波形が、対象単位期間における吐出部Dのインク温度Tに対応した駆動波形信号Comとは異なる波形となる可能性が高いからであり、この場合には、駆動波形信号Com[qmax]の波形を、対象単位期間の直前の時刻における吐出部Dのインク温度Tに応じた波形に補正することが好ましいからである。
そして、制御部6は、ステップS126における判定結果が肯定である場合には、処理をステップS128に進め、一方、ステップS126における判定結果が否定である場合には、処理をステップS110に進める。
制御部6は、ステップS126の判定結果が肯定である場合、駆動波形信号Com[qmax]のうち駆動波形信号ComA[qmax]の波形を、ステップS124で取得した検出温度情報RT[qmax]が示す検出温度TS[qmax]に対応する温度範囲に応じた駆動波形信号ComA[q][T]の波形となるように補正する(S128)。なお、ステップS128における駆動波形信号Com[qmax]の波形の補正は、ステップS106における駆動波形信号Com[q]の波形を決定する処理と同様である。
次に、制御部6は、記録ヘッドHD[qmax]に係る各種カウント値、つまり、カウント値Dcnt[qmax][m]、カウント値Hcnt[qmax]、及び、カウント値Tcnt[qmax]を、それぞれ「0」に初期化する(S130)。そして、制御部6は処理をステップS110に進める。
なお、本実施形態において、制御部6は、ステップS128において駆動波形信号Com[qmax]の波形の補正を実行した場合にのみ、ステップS130において記録ヘッドHD[qmax]に係る各種カウント値を初期化するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、制御部6は、休止期間UBRKにおいて、全てのカウント値Dcnt[q][m]、Hcnt[q]、及び、Tcnt[q]を初期化してもよい。この例では、連続印刷期間UPRTにおいてインク温度Tが上昇して、インク温度Tが従来とは異なる温度範囲に属することとなった場合に、休止期間UBRKにおいてインク温度Tが低下して従来の温度範囲に戻る可能性があるというケースを勘案して、検出温度情報RTの取得と駆動波形信号Comの波形の補正とを実行することができる。
このように、制御部6は、少なくとも、ステップS106及びS110を実行することで、画像データImgが示す画像を記録媒体Pに形成するための印刷制御信号SI及び駆動波形信号Comを出力する「印刷制御部」として機能する。
また、制御部6は、少なくとも、ステップS120またはS122の一方と、ステップS124と、を実行することで、印刷制御信号SIに基づいて生成されるカウント値Hcnt[qmax]またはデューティー比Hduty[qmax]に応じたタイミングで検出温度情報RT[qmax]を取得する「取得制御部」として機能する。
さらに、制御部6は、少なくとも、ステップS128を実行することで、駆動波形信号Comの波形を補正する「補正部」として機能する。
<5.実施形態の結論>
吐出部Dからのインクの吐出回数が多い場合や、吐出部Dまたは記録ヘッドHDにおけるインクデューティーが高い場合には、インク温度Tが上昇しやすく、その場合には吐出部Dからのインクの吐出特性も変化する。
これに対して、本実施形態では、インクの吐出特性が変化しやすい記録ヘッドHD[q]、つまり、インクの吐出回数が多くインクデューティー比の高い記録ヘッドHD[q]から、優先的に検出温度情報RT[q]を取得し、当該検出温度情報RT[q]に基づいて駆動波形信号Com[q]の補正を行う。
このため、吐出部Dにおけるインク温度Tが変動する可能性が高く、吐出部Dからのインクの吐出特性が大きく変化する可能性の高い記録ヘッドHD[q]において、吐出部Dからのインクの吐出特性が変化する可能性を低く抑えることができる。つまり、4個の記録ヘッドHD[1]〜HD[4]に設けられる4M個の吐出部Dの全体におけるインクの吐出特性の変化の程度を小さく押さえることができる。更に、4個の記録ヘッドHD[1]〜HD[4]から同時に検出温度情報RT[1]〜RT[4]を取得する場合と比較して、制御部6における処理負荷を軽減することができる。
<6.変形例>
以上の実施形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。
なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
<変形例1>
上述した実施形態では、温度情報取得処理(検出温度情報RT[qmax]を取得するか否かの判定、及び、当該判定結果が肯定である場合の検出温度情報RT[qmax]の取得)と、駆動波形補正処理と、を休止期間UBRKにおいて実行するが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、温度情報取得処理及び駆動波形補正処理を、連続印刷期間UPRTにおいて実行してもよい。
図13は、変形例1に係る印刷処理、温度情報取得処理、及び、駆動波形補正処理におけるインクジェットプリンター1の動作の一例を示すフローチャートである。
図13に示すフローチャートは、制御部6が、ステップS108、S116、S118を実行しない点と、ステップS114の終了後にステップS120が実行される点と、を除き、図10に示すフローチャートと同様である。
図13に示すように、変形例1において制御部6は、連続印刷期間UPRTのうち一の単位印刷期間UPにおける印刷処理で用いられる、印刷制御信号SI[q]及び駆動波形信号Com[q]を出力すると(S110)、当該一の単位印刷期間UPに後続する他の単位印刷期間UPが開始される前に、温度情報取得処理及び駆動波形補正処理を含むステップS114以降の処理を実行して、当該他の単位印刷期間UPにおける印刷処理で用いられる、駆動波形信号Com[qmax]の補正や、当該補正の要否を判断するための検出温度情報RT[qmax]の取得等の処理を実行する。つまり、変形例1では、連続印刷期間UPRTが終了して休止期間UBRKが開始されるのを待つことなく、温度情報取得処理及び駆動波形補正処理を実行する。
このため、変形例1では、吐出部Dのインク温度Tの変動に伴う吐出部Dからのインクの吐出特性の変化に対して、より迅速且つリアルタイムに対応した駆動波形信号Comの波形の補正を行うことができ、インク温度Tの変動に伴う印刷品質の劣化をより小さく抑えることが可能となる。
なお、本変形例においても、制御部6は、少なくともステップS106及びS110を実行することで「印刷制御部」として機能し、少なくともステップS120またはS122の一方とステップS124とを実行することで「取得制御部」として機能し、少なくともステップS128を実行することで「補正部」として機能する。
<変形例2>
上述した実施形態及び変形例では、印刷制御信号SIに基づいてカウント値Hcnt[q]を生成し、当該カウント値Hcnt[q]に応じたタイミングで、温度情報取得処理及び駆動波形補正処理を実行するものであるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、温度情報取得処理及び駆動波形補正処理を実行するタイミングを、画像データImg等に基づいて、例えば最初に印刷処理が開始される前に予め決定するものであってもよい。
図14は、変形例2に係る印刷処理、温度情報取得処理、及び、駆動波形補正処理におけるインクジェットプリンター1の動作の一例を示すフローチャートである。
図14に示すフローチャートは、制御部6が、ステップS102、S108、S114、S116、S118、S120、S122、及び、S130を実行しない点と、ステップS200、S202、及び、S204を実行する点と、において、図10に示すフローチャートと相違する。
図14に示すように、変形例2において制御部6は、ステップS100で取得した画像データImgに基づいて、各記録ヘッドHD[q]における単位印刷期間UPまたは連続印刷期間UPRT毎の、デューティー比Hduty[q]及びカウント値Hcnt[q]を生成する(S200)。
なお、本変形例では、ステップS200において、デューティー比Hduty[q]と、カウント値Hcnt[q]と、を生成するが、何れか一方のみを生成するものであってもよい。
次に、制御部6は、ステップS200において生成した、単位印刷期間UPまたは連続印刷期間UPRT毎のデューティー比Hduty[q]及びカウント値Hcnt[q]に基づいて、制御部6が検出温度情報RT[q]を取得するタイミングと、当該タイミングにおいて検出温度情報RTを取得する対象となる一の温度センサーS[q]と、を決定する(S202)。
なお、ステップS202において、制御部6は、検出温度情報RT[q]の取得タイミングを、図10に示すステップS120、S124と同様に、カウント値Hcnt[q]が閾値TH1以上になるという条件、及び、デューティー比Hduty[q]が閾値TH2以上になるという条件のうち、少なくとも一方が満たされるタイミングとすればよい。
制御部6は、例えば現在の時刻が属する単位期間が、ステップS202で定めた検出温度情報RT[q]の取得タイミングに該当するか否かを判定する(S204)。
これにより、制御部6は、ステップS202で予め定めた検出温度情報RT[q]の取得スケジュールに基づいて、検出温度情報RT[q]を取得し(S124)、駆動波形信号Com[q]の波形を補正することができる(S128)。
このように、本変形例では、検出温度情報RT[q]の取得タイミングと取得対象とについての決定を、印刷処理の開始前に実行する。また、本変形例では、2以上の温度センサーS[q]から同時に検出温度情報RTを取得することを防止し、ある取得タイミングでは一の温度センサーS[q]からのみ検出温度情報RTを取得するように、検出温度情報RT[q]の取得タイミングを決定する。
このため、印刷処理の高速化(吐出部Dからの吐出周波数の向上による単位期間の短縮化)をする場合であっても、制御部6に過大な処理負荷をかけることなく、
温度情報取得処理を実行することができる。
なお、本変形例において、制御部6は、少なくともステップS106、及び、S110を実行することで、「印刷制御部」として機能し、少なくともステップS200、S202、S204、及び、S124、を実行することで、「取得制御部」として機能し、少なくともステップS128を実行することで「補正部」として機能する。
<変形例3>
上述した実施形態及び変形例において、制御部6は、同時に一つの温度センサーS[q]のみから検出温度情報RT[q]を取得するが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、同時に2以上の温度センサーS[q]から検出温度情報RT[q]を取得してもよい。
<変形例4>
上述した実施形態及び変形例では、インクジェットプリンター1として、ヘッドユニットHUを搭載したキャリッジ32の主走査方向と、記録媒体Pが搬送される副走査方向とが、異なる方向であるシリアルプリンターを例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、吐出部Dが配置される領域の幅が記録媒体Pの幅以上の幅となるラインプリンターであってもよい。
インクジェットプリンター1がラインプリンターである場合、インクジェットプリンター1の動作期間は、休止期間UBRKを含まず、1または複数の連続印刷期間UPRTのみから構成されるものであってもよい。この場合、1枚の記録媒体Pに対して画像を形成する期間が、連続印刷期間UPRTに相当する。
<変形例5>
上述した実施形態及び変形例では、駆動波形信号Com[q]は、ComA[q]、及び、ComB[q]の2つの信号を含むが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、駆動波形信号Com[q]は、1つの信号(例えば、駆動波形信号ComA[q])のみを含む信号であってもよいし、3以上の任意の個数の信号からなるものでもよい。
また、印刷制御信号SI[q]のビット数は、2ビットに限定されるものではなく、表示すべき階調や、駆動波形信号Com[q]に含まれる信号の数により適宜決定すればよい。
<変形例6>
上述した実施形態及び変形例において、ヘッドユニットHU[q]は、インクカートリッジ31(つまり、インク色)に対して1対1となるように設けられるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、1個のインクカートリッジ31に対して、2個以上のヘッドユニットHU[q]を設けてもよい。
この場合、吐出部Dのインク温度Tをより正確に測定することが可能となり、吐出部Dにおけるインク温度Tの変動に起因する、吐出部Dにおけるインクの吐出特性の変化を小さく抑えることが可能となる。
<変形例7>
上述した実施形態及び変形例では、温度センサーS[q]は、周期的に(例えば、制御部6が出力するクロック信号CLに規定される周期で)検出温度情報RT[q]を出力するが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、制御部6からの要求に応じて検出温度TS[q]を検出し、検出温度TS[q]を検出したタイミングで検出温度情報RT[q]を出力するものであってもよい。
<変形例8>
上述した実施形態及び変形例では、インクジェットプリンター1は、圧電素子300を振動させることによりノズルNからインクを吐出させるものであるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、キャビティ320に設けられた発熱体(図示省略)を発熱させることによりキャビティ320内に気泡を生じさせてキャビティ320内部の圧力を高め、これによりインクを吐出させる、所謂サーマル方式であってもよい。
1……インクジェットプリンター、3……移動体、4……移動機構、6……制御部、7……給紙機構、9……ホストコンピューター、62……記憶部、D……吐出部、DR……駆動回路、HD……記録ヘッド、HU……ヘッドユニット、N……ノズル、S……温度センサー。

Claims (7)

  1. 液体を吐出する第1吐出部を具備し、前記第1吐出部からの液体の吐出の有無を指定する第1印刷制御信号に基づいて、前記第1吐出部から液体を吐出させる第1ヘッドユニットと、
    液体を吐出する第2吐出部を具備し、前記第2吐出部からの液体の吐出の有無を指定する第2印刷制御信号に基づいて、前記第2吐出部から液体を吐出させる第2ヘッドユニットと、
    前記第1吐出部の温度に応じた値を示す第1検出情報を生成する第1検出部と、
    前期第2吐出部の温度に応じた値を示す第2検出情報を生成する第2検出部と、
    前記第1ヘッドユニットに前記第1印刷制御信号を供給し、
    前記第2ヘッドユニットに前記第2印刷制御信号を供給する印刷制御部と、
    前記第1印刷制御信号の示す内容に応じたタイミングで前記第1検出情報を取得し、
    前記第2印刷制御信号の示す内容に応じたタイミングで前記第2検出情報を取得する取得制御部と、
    を備える、
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記第1吐出部及び前記第2吐出部を含む複数の吐出部のそれぞれが記録媒体の1つの画素に対して液体を吐出するための期間を単位印刷期間とし、
    前記単位期間が連続して設けられる期間を連続印刷期間としたときに、
    前記取得制御部は、
    前期第1印刷制御信号が指定する、前記第1吐出部が前記連続印刷期間において液体を吐出する回数に応じて、前記第1検出情報を取得するタイミングを制御し、
    前期第2印刷制御信号が指定する、前記第2吐出部が前記連続印刷期間において液体を吐出する回数に応じて、前記第2検出情報を取得するタイミングを制御する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記取得制御部は、
    前期第1印刷制御信号が指定する、前記第1吐出部が前記連続印刷期間において液体を吐出する回数が、所定回数以上である場合に、前記第1検出情報を取得し、
    前期第2印刷制御信号が指定する、前記第2吐出部が前記連続印刷期間において液体を吐出する回数が、前記所定回数以上である場合に、前記第2検出情報を取得する、
    ことを特徴とする、請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記取得制御部は、
    前記第1検出情報を取得するタイミングと前記第2検出情報を取得するタイミングとが異なるタイミングとなるように、
    前記第1検出情報を取得するタイミングと前記第2検出情報を取得するタイミングとを制御する、
    ことを特徴とする、請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の印刷装置。
  5. 前記第1検出情報は、
    前記印刷装置が記録媒体に液体を吐出して当該記録媒体に画像を形成する印刷処理を開始する印刷開始時刻における前記第1吐出部の温度と、前記第1検出部が第1検出情報を生成する時刻における前記第1吐出部の温度との差分に応じた値を示し、
    前記第2検出情報は、
    前記印刷開始時刻における前記第2吐出部の温度と、前記第2検出部が前記第2検出情報を生成する時刻における前記第2吐出部の温度との差分に応じた値を有する、
    ことを特徴とする、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の印刷装置。
  6. 液体を吐出する第1吐出部を具備し、前記第1吐出部からの液体の吐出の有無を指定する第1印刷制御信号に基づいて、前記第1吐出部から液体を吐出させる第1ヘッドユニットと、
    液体を吐出する第2吐出部を具備し、前記第2吐出部からの液体の吐出の有無を指定する第2印刷制御信号に基づいて、前記第2吐出部から液体を吐出させる第2ヘッドユニットと、
    前記第1吐出部の温度に応じた値を示す第1検出情報を生成する第1検出部と、
    前期第2吐出部の温度に応じた値を示す第2検出情報を生成する第2検出部と、
    を備える印刷装置の制御方法であって、
    前記第1ヘッドユニットに前記第1印刷制御信号を供給し、
    前記第2ヘッドユニットに前記第2印刷制御信号を供給し、
    前記第1印刷制御信号の示す内容に応じたタイミングで前記第1検出情報を取得し、
    前記第2印刷制御信号の示す内容に応じたタイミングで前記第2検出情報を取得する、
    ことを特徴とする印刷装置の制御方法。
  7. 液体を吐出する第1吐出部を具備し、前記第1吐出部からの液体の吐出の有無を指定する第1印刷制御信号に基づいて、前記第1吐出部から液体を吐出させる第1ヘッドユニットと、
    液体を吐出する第2吐出部を具備し、前記第2吐出部からの液体の吐出の有無を指定する第2印刷制御信号に基づいて、前記第2吐出部から液体を吐出させる第2ヘッドユニットと、
    前記第1吐出部の温度に応じた値を示す第1検出情報を生成する第1検出部と、
    前期第2吐出部の温度に応じた値を示す第2検出情報を生成する第2検出部と、
    コンピュータと、
    を備える印刷装置の制御プログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記第1ヘッドユニットに前記第1印刷制御信号を供給し、
    前記第2ヘッドユニットに前記第2印刷制御信号を供給する印刷制御部と、
    前記第1印刷制御信号の示す内容に応じたタイミングで前記第1検出情報を取得し、
    前記第2印刷制御信号の示す内容に応じたタイミングで前記第2検出情報を取得する取得制御部と、
    して機能させる、
    ことを特徴とする印刷装置の制御プログラム。
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