JP2006088605A - 印刷装置、および、印刷材の状態の検出方法 - Google Patents

印刷装置、および、印刷材の状態の検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 圧電素子を用いて印刷材の状態を検出する印刷装置において、その検出精度を向上させる。
【解決手段】印刷装置20は、圧電素子PZTを備えるインクカートリッジが装着される。印刷装置20は、圧電素子駆動電圧を生成する駆動電圧生成回路46と、圧電素子駆動電圧を圧電素子PZTに印加して圧電素子PZTを振動させる電圧印加手段と、圧電素子PZTに印加されて圧電素子PZTを振動させる圧電素子PZTから圧電効果によって出力される電圧の周波数を測定する周波数測定手段と、電圧の周波数として検出された振動体の固有振動数に基づいて、インクカートリッジのインクの状態を判定する状態判定手段とを備える。圧電素子駆動電圧は、印刷材が所定の状態にある場合における圧電素子PZTの固有振動数に対応する周波数成分を多く含む波形を有する。
【選択図】 図11

Description

本発明は、印刷装置に関し、特に、印刷装置に装着された印刷材収容体に収容された印刷材の状態を検出する技術に関する。
印刷材を収容した印刷材収容体(例えば、インクカートリッジ)を装着して、印刷を実行する印刷装置(例えば、インクジェットプリンタ)において、収容している印刷材の状態を検出し、適正な管理を行ないたいという要請が存在する。例えば、容器内に残存するインクの量を測定し、カートリッジ内のインク量を管理することが行われている。
このような、インク残量を検出する技術の1つに、圧電素子をインク量を測定するセンサとして用いるものが知られている。この技術では、カートリッジ内部のインクが収容される空間(キャビティ)に圧電素子を臨ませ、圧電素子にパルス電圧を印加して、圧電素子を振動させる。この結果生じる圧電素子の振動によって、圧電素子とその周辺領域からなる振動体を共振させる。この共振振動によって圧電素子から出力される電圧の周波数を測定することによって、圧電素子とその周辺領域からなる振動体の固有振動数を得る。そして、得られた固有振動数の違いから、インク量を検出している(例えば、特許文献1)。
特開2004−136639号公報
しかしながら、従来は、印加するパルス電圧の波形や回数について考慮されていないため、この結果生じる圧電素子の振動によっては、圧電素子とその周辺領域からなる振動体を十分に共振させることができず、共振振動によって圧電素子から出力される電圧が小さくなる場合があった。この結果、電圧の周波数を正しく測定できず、インク残量を精度良く検出できないおそれがあった。このような課題は、インクカートリッジのインク残量の検出に限らず、圧電素子をセンサとして用いて印刷材の状態を検出する技術において、共通する課題であった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、圧電素子をセンサとして用いて印刷材の状態を検出する印刷装置において、その検出精度を向上させることを目的とする。
上記課題の少なくとも一部を解決するため、本発明は印刷装置を提供する。本発明の第1の態様に係る印刷装置は、前記印刷材収容体に配置される圧電素子と、前記印刷材が所定の状態にある場合における前記圧電素子の固有振動数に対応する周波数成分を多く含む波形を有する圧電素子駆動電圧を生成する電圧生成手段と、前記生成された圧電素子駆動電圧を前記圧電素子に印加して前記圧電素子を振動させる電圧印加手段と、前記圧電素子駆動電圧の印加後において、振動する前記圧電素子から圧電効果によって出力される電圧の周波数を測定する周波数測定手段と、前記電圧の周波数として検出された前記圧電素子の固有振動数に基づいて、前記印刷材の状態を判定する状態判定手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の態様に係る印刷装置によれば、印刷材が所定の状態にある場合における圧電素子の固有振動数に対応する周波数成分を多く含む波形を有する電圧が圧電素子に印加されるため、印刷材が所定の振動数に対応する状態にある場合には、共振現象によって圧電素子を所定の固有振動数で十分に振動させることができる。この結果、圧電素子から圧電効果によって出力される電圧において、所定の固有振動数に対応する周波数の成分が大きくなる。したがって、出力される電圧の周波数を測定して、圧電素子の固有振動数を検出する際に、印刷材が所定の固有振動数に対応する状態にある場合には、確実に所定の固有振動数を検出することができる。そうすると、印刷材が所定の固有振動数に対応する状態にあることを精度良く判定することができる。
本発明の第1の態様に係る印刷装置において、前記圧電素子駆動電圧の波形は、前記固有振動数における振動の周期と同じ周期で、前記圧電素子に放電を複数回繰り返させる波形であっても良く、前記固有振動数における振動の周期と同じ周期で、前記圧電素子に充電と放電を複数回繰り返させる波形であっても良い。また、前記圧電素子駆動電圧の波形は、前記固有振動数における振動の周期と同じ周期で、電圧の降下を複数回繰り返す波形であっても良く、前記固有振動数における振動の周期と同じ周期で、電圧の上昇と電圧の降下とを複数回繰り返す波形であっても良い。こうすれば、圧電素子を所定の振動数と同じ周期で歪ませることによって、印刷材が所定の固有振動数に対応する状態にある場合には、共振現象によって圧電素子を所定の固有振動数で十分に振動させることができる。
本発明の第1の態様に係る印刷装置において、前記固有振動数は、前記収容室の印刷材が所定量以上である場合における第1の固有振動数であり、前記状態判定手段は、前記検出された前記圧電素子の振動数が前記第1の固有振動数である場合には、前記収容室の印刷材は所定量以上であると判定しても良い。こうすれば、収容室の印刷材は所定量以上であることを精度良く判定することができる。
本発明の第1の態様に係る印刷装置において、前記固有振動数は、前記収容室の印刷材が所定量未満である場合における第2の固有振動数であり、前記状態判定手段は、前記検出された前記圧電体の振動数が前記第2の固有振動数である場合には、前記収容室の印刷材は所定量未満であると判定しても良い。こうすれば、収容室の印刷材は所定量未満であることを精度良く判定することができる。
本発明の第2の態様は、印刷装置を提供する。本発明の第2の態様に係る印刷装置は、印刷材が収容される印刷材収容体と、前記印刷材収容体に配置される圧電素子と、前記収容室の印刷材が第1の状態にある場合における前記圧電素子の第1の固有振動数に対応する周波数成分と、前記収容室の印刷材が第2の状態にある場合における前記圧電素子の第2の固有振動数に対応する周波数成分を両方多く含む波形を有する圧電素子駆動電圧を生成する電圧生成手段と、前記生成された圧電素子駆動電圧を前記圧電素子に印加して前記圧電素子を振動させる電圧印加手段と、前記圧電素子駆動電圧の印加後において、振動する前記圧電素子から圧電効果によって出力される電圧の周波数を測定する周波数測定手段と、前記電圧の周波数として検出された前記圧電素子の固有振動数に基づいて、前記印刷材の状態を判定する状態判定手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る印刷装置によれば、第1の固有振動数に対応する周波数成分と第2の固有振動数に対応する周波数成分を両方多く含む波形を有する電圧が圧電素子に印加されるため、印刷材が第1または第2の状態にある場合には、共振現象によって圧電素子を第1または第2の固有振動数で十分に振動させることができる。この結果、圧電素子から圧電効果によって出力される電圧において、第1または第2の固有振動数に対応する周波数の成分が大きくなる。したがって、出力される電圧の周波数を測定して、圧電素子の固有振動数を検出する際に、印刷材が第1または第2の状態にある場合には、確実に第1または第2の固有振動数を検出することができる。そうすると、印刷材が第1または第2の振動数に対応する状態にあることを精度良く判定することができる。
本発明の第2の態様に係る印刷装置において、前記圧電素子駆動電圧の波形は、電圧の上昇と電圧の降下とを含む単位波形に含まれる前記第1の固有振動数に対応する周波数成分が前記第2の固有振動数に対応する周波数成分より少ない場合には、前記圧電素子駆動電圧の波形は、前記単位波形を前記第1の固有振動数における振動の周期と同じ周期で複数回繰り返す波形であっても良い。こうすれば、圧電素子を第1の固有振動数と同じ周期で歪ませる波形となるので、少ない第1の固有振動数に対応する周波数成分を多くすることができる。この結果、第1の振動数に対応する周波数成分と第2の固有振動数に対応する周波数成分を両方多く含む波形を得ることができる。
本発明の第2の態様に係る印刷装置において、前記第1の状態は、前記収容室に印刷材が所定量以上存在する状態であり、前記第2の状態は、前記収容室に印刷材が所定量未満しか存在しない状態であり、前記状態判定手段は、前記検出された前記圧電素子の振動数が前記第1の固有振動数である場合には、前記収容室の印刷材は所定量以上であると判定し、前記検出された前記圧電素子の振動数が前記第2の固有振動数である場合には、前記収容室の印刷材は所定量未満であると判定しても良い。こうすれば、収容室の印刷材は所定量以上であることまたは収容室の印刷材は所定量未満であることを精度良く判定することができる。
上記態様に係る印刷装置において、前記電圧生成手段は、任意の波形の電圧を生成可能な電圧生成回路であっても良い。かかる場合には、上述した圧電素子駆動電圧を容易に生成することができる。
上記態様に係る印刷装置は、さらに、駆動電圧を印加されることによって印刷を実行する印刷ヘッドと、前記電圧生成手段によって生成された電圧の出力先を、前記印刷ヘッドと前記圧電素子とのいずれかに切り替える切り替え手段とを備え、前記電圧生成手段は、前記印刷ヘッドに印加されるヘッド駆動電圧を生成する手段としても機能しても良い。こうすれば、印刷に用いるノズル駆動素子駆動電圧を生成する手段と、印刷材の状態の検出に用いる圧電素子駆動電圧を生成する手段を同一の手段で実現することができる。
上記態様に係る印刷装置において、前記印刷材収容体は、前記印刷装置に着脱可能な収容体であっても良い。こうすれば、着脱可能な印刷材収容体の印刷材の状態を精度良く判定することができる。
本発明の第3の態様は、印刷材収容体に備えられた圧電素子を用いて、前記印刷材収容体に収容された印刷材の状態を検出する方法を提供する。本発明の第3の態様に係る方法は、前記印刷材が所定の状態にある場合における前記圧電素子の固有振動数に対応する周波数成分を多く含む波形を有する圧電素子駆動電圧を生成し、前記圧電素子に前記生成された圧電素子駆動電圧を印加して前記圧電素子を振動させ、前記圧電素子駆動電圧の印加後において、振動する前記圧電素子から圧電効果によって出力される電圧の周波数を測定し、前記電圧の周波数として検出された前記圧電素子の振動数に基づいて、前記印刷材の状態を判定することを特徴とする。
本発明の第3の態様に係る方法によれば、本発明の第1の態様に係る印刷装置と同様の作用・効果を得ることができる。また、本発明の第3の態様に係る方法は、本発明の第1の態様に係る印刷装置と同様に種々の態様にて実現され得る。
本発明の第4の態様は、印刷材収容体に備えられた圧電素子を用いて、前記印刷材収容体に収容された印刷材の状態を検出する方法を提供する。本発明の第4の態様に係る方法は、前記収容室の印刷材が第1の状態にある場合における前記圧電素子の第1の固有振動数に対応する周波数成分と、前記収容室の印刷材が第2の状態にある場合における前記圧電素子の第2の固有振動数に対応する周波数成分を両方多く含む波形を有する圧電素子駆動電圧を生成し、前記圧電素子に前記生成された圧電素子駆動電圧を印加して前記圧電素子を振動させ、前記圧電素子駆動電圧の印加後において、振動する前記圧電素子から圧電効果によって出力される電圧の周波数を測定し、前記電圧の周波数として検出された前記圧電素子の振動数に基づいて、前記印刷材の状態を判定することを特徴とする。
本発明の第4の態様に係る方法によれば、本発明の第2の態様に係る印刷装置と同様の作用・効果を得ることができる。また、本発明の第4の態様に係る方法は、本発明の第2の態様に係る印刷装置と同様に種々の態様にて実現され得る。
以下、本発明にかかる画像処理装置について、図面を参照しつつ、実施例に基づいて説明する。
A.実施例:
・印刷装置およびインクカートリッジの構成:
図1〜図3を参照して、本実施例に係る印刷装置およびインクカートリッジの概略構成について説明する。図1は、本発明の実施例としての印刷装置の概略構成図である。 図2は、印刷ヘッドユニットと、これに装着される本実施例に係るインクカートリッジを示す斜視図である。図3は、インクカートリッジの筐体に装備されたセンサの断面を示す断面図である。
印刷装置20は、紙送りモータ22によって印刷用紙Pを副走査方向に搬送する副走査送り機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ30をプラテン26の軸方向(主走査方向)に往復動させる主走査送り機構と、キャリッジ30に搭載された印刷ヘッドユニット60を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御するヘッド駆動機構と、これらの紙送りモータ22,キャリッジモータ24,印刷ヘッドユニット60および操作パネル32との信号のやり取りを司る計算機である制御回路40とを備えている。制御回路40は、PCインターフェース80を介してコンピュータ90に接続されている。
印刷用紙Pを搬送する副走査送り機構は、紙送りモータ22の回転をプラテン26に伝達するギヤトレイン23を備える。また、キャリッジ30を往復動させる主走査送り機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ30を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ30の原点位置を検出する位置センサ39とを備えている。
印刷ヘッドユニット60は、図2に示すように、複数(例えば、本実施例では6つ)のインクカートリッジC1〜C6を装着可能なカートリッジ装着部62と、印刷ヘッド68と、インクカートリッジC1〜C6に関連する処理を実行する専用回路であるカートリッジ処理専用回路50(図2では、図示省略)とを備えている。
印刷ヘッド68は、図示は省略するが、複数のノズルと各ノズルに備えられたピエゾ素子とを有し、電圧がピエゾ素子に印加されることによって、インク滴をノズルから吐出して印刷を実行する。
カートリッジ装着部62は、装着可能なインクカートリッジ数分のインク導入部66およびセンサ端子板100を備えている。インク導入部66は、インクカートリッジC1〜C6がカートリッジ装着部62に装着された際に、上述したインクカートリッジC1〜C6のインク供給口74に挿入され、インクを印刷ヘッド68に導入する。端子板100には、インクカートリッジ70のセンサ端子板110に配置された端子に対応する端子104および105が配置されている。
続いて、インクカートリッジC1〜C6について説明する。図2に示すように、インクカートリッジC1〜C6は、印刷材としてのインクが一種類収容される収容体である。インクカートリッジC1〜C6は、内部にインクを収容するインク収容室RMが形成された筐体71と、印刷装置20にインクを供給するためのインク供給口74と、インク残量の検出に用いられるセンサ72と、上述したカートリッジ装着部62の端子板100に対応する端子板110とを備えている。インク供給口74は、筐体71の下部に設置され、センサ72は、筐体71の側部に設置されている。インクカートリッジC1〜C6の端子板110には、インクカートリッジC1〜C6がカートリッジ装着部62に装着された際に、上述したカートリッジ装着部62の端子104および105と接触して電気的に接続される端子114および115が配置されている。
センサ72は、図3に示すように、圧電効果を有する圧電素子PZT(例えば、ピエゾ素子)と、圧電素子PZTに電圧を印可する2つの電極720、721と、センサアタッチメント722とを備える。電極720、721は、それぞれ上述した端子114、115に接続されている。センサアタッチメント722は、圧電素子PZTからインク収容室RMと筐体71とに振動を伝える薄膜を有するセンサ72の構造部である。このように構成することで、インク収容室RMの少なくとも一部を含む圧電素子PZTの周辺部分(以下、単に周辺部分という。)は、圧電素子PZTと一体となって振動する。
図3(a)は、インクが所定量以上残存していて、インクの液面がセンサSSの位置より高い状態を示している。図3(b)は、インクが所定量未満しか残存しておらず、インクの液面がセンサ72の位置より低い状態を示している。図3(a)に示すように、インクの液面がセンサ72の位置より高い状態、すなわち、インク収容室RMのインクが所定量以上である場合には、圧電素子PZTの周辺部分にはインクが充填されている。一方で、インクの液面がセンサ72の位置より低い状態、すなわち、インク収容室RMのインクが所定量未満である場合には、圧電素子PZTの周辺分にはインクが充填されていない。この結果、圧電素子PZTは、収容室RMのインク量が所定量以上である場合(以下、インク有り時という。)と、収容室RMのインク量が所定量未満である場合(以下、インク無し時という。)とで異なる固有振動数で振動する。すなわち、ここでいう圧電素子PZTの固有振動数とは、圧電素子PZTごとに1つに定まる値ではなく、圧電素子PZTの周辺部分の影響を受けて定まる値であり、周辺部分の状態(本実施例ではインクの有無)に応じて変化する値である。例えば、本実施例におけるインクカートリッジでは、インク有り時の固有振動数H1は30KHz、インク無し時の固有振動数H2は110KHzであった。このような振動特性は、インクカートリッジの形状、材質、インクの材質等、種々の要因によって変化するものであって、上述の値に限られるものではない。
図4〜図6を参照して、プリンタ20の制御回路40およびカートリッジ処理専用回路50の構成について説明する。図4は、制御回路40の内部構成を示す説明図である。図5は、制御回路40の駆動電圧生成回路の内部構成を示す説明図である。図6は、カートリッジ処理専用回路50の内部構成を示す説明図である。
制御回路40の内部には、CPU41と、PROM42と、RAM43と、クロック信号を生成する発信器44と、紙送りモータ22やキャリッジモータ24やカートリッジ処理専用回路50等と信号のやり取りを行う周辺機器入出力部(PIO)45と、後述する駆動電圧生成回路46と、駆動バッファ47が設けられている。駆動バッファ47は、印刷ヘッド68にドットのオン・オフ信号を供給するバッファとして使用される。これらは互いにバス49で接続されている。また、バス49には、外部のコンピュータ90を接続するPCインターフェース80が接続されている。この結果、これらの各構成要素は、相互にデータのやり取りが可能となっている。また、制御回路40には、駆動電圧生成回路46からの出力電圧を印刷ヘッド68に所定のタイミングで分配する分配出力器48も設けられている。制御回路40は、紙送りモータ22やキャリッジモータ24の動きと同期をとりながら、所定のタイミングでドットデータを駆動バッファ47に出力する。
駆動電圧生成回路46は、分配出力器48を介して印刷ヘッド68に備えられた圧電素子に印加される印刷ヘッド駆動電圧COM1と、カートリッジ処理専用回路50を介して、インクカートリッジC1〜C6に備えられたセンサ72の圧電素子PZTに印加されるセンサ駆動電圧COM2とを生成する回路である。駆動電圧生成回路46は、図5に示すように、制御回路40から与えられる駆動波形データを記憶するメモリ461と、メモリ461から読み出された駆動波形データを一時的に保持する第1ラッチ462と、第1ラッチ462の出力と後述する第2ラッチ464の出力とを加算する加算器463と、第2ラッチ464と、第2ラッチ464の出力をアナログ信号に変換するデジタル/アナログ変換器466と、変換されたアナログ信号を増幅して駆動電圧を出力する増幅部467と、駆動電圧の出力先を、分配出力器48とカートリッジ処理専用回路50とで切り替える切替スイッチ468を備えている。
加算器463と第2ラッチ464とは、駆動波形データを累算する累算部465を構成する。駆動電圧生成回路46には、制御回路40から種々の信号が供給される。即ち、メモリ60には、第1のクロック信号CLK1と、駆動波形データを表すデータ信号と、アドレス信号と、アドレスラッチ信号とが供給されている。また、第1ラッチ462には、第2のクロック信号CLK2と、リセット信号RESETとが供給されている。第2ラッチ464には、第3のクロック信号CLK3と、リセット信号RESETとが供給されている。第1と第2ラッチ462,464に供給されるリセット信号RESETは、同じものである。
カートリッジ処理専用回路50は、制御回路40と連携して、インクカートリッジC1〜C6に備えられたセンサ72を駆動してインク残量を判定する回路である。インクカートリッジ処理専用回路50は、図6に示すように、計算機51と、アナログスイッチ53、54、S1〜S6と、アンプ部52とを備えている。計算機51の内部には、CPU511と、PROM512と、RAM513と、制御回路40と信号のやり取りを行うインターフェース514と、カートリッジ処理専用回路50内部の構成要素と信号のやり取りを行う内部入出力部(SIO)515とを備えている。これらは互いにバス519で接続されている。計算機51は、インターフェース514を介して制御回路40と信号のやり取りが可能である。また、計算機51は、SIO515を介して各アナログスイッチ53、54、S1〜S6を制御し、SIO515を介してアンプ部52の出力を受信する。
アナログスイッチ53、54、S1〜S6は、それぞれ2つの電極を有し、計算機51の制御に従って、2つの電極間を電気的に接続した状態(以下、接続状態という。)と電気的に遮断した状態(以下、遮断状態という。)とに切り替える。アナログスイッチ53は、上述したセンサ駆動電圧COM2の入力線とカートリッジ処理専用回路50との接続/遮断を切り替えるスイッチである(以下、駆動電圧用スイッチという。)。アナログスイッチ54は、アンプ部52に対して信号を入力する入力線とアンプ部52との接続/遮断を切り替えるスイッチである(以下、アンプ用スイッチという。)。アナログスイッチS1〜S6は、6つのインクカートリッジC1〜C6のうち、アンプ部52やセンサ駆動電圧COM2の入力線と、センサ72(PZT)が電気的に接続されるインクカートリッジを選択するスイッチ(以下、カートリッジ選択スイッチという。)である。例えば、カートリッジ選択スイッチS1が接続状態とされ、他のカートリッジ選択スイッチS2〜S6が遮断状態とされている場合、インクカートリッジC1が選択されていることとなる。
・印刷装置20の動作:
図7〜図8を参照して、先ず、駆動電圧生成回路46の動作について説明する。図7は、メモリ461(図5参照)に波形データを書きこむタイミングを示すタイミングチャートである。図8は、駆動電圧生成回路46(図5参照)において駆動電圧を生成していく過程を示す説明図である。
駆動電圧COM(ヘッド駆動電圧COM1またはセンサ駆動電圧COM2)の生成に先立って、波形データおよびその波形データを書き込むアドレスが、それぞれデータ信号およびアドレス信号として、制御回路40からメモリ461に入力される。データ信号は、1ビット単位の信号であり、図7に示すように、第1のクロック信号CLK1を同期信号とするシリアル転送によって、1ビットずつ転送される。すなわち、波形データは、まず、第1のクロック信号CLK1に同期して、複数ビット分のデータ信号として、メモリ461に入力される。その後、入力されたデータ信号を格納するための書きこみ先のアドレスを示すアドレス信号と、アドレスラッチ信号とが、メモリ461に入力される。メモリ461は、このアドレスラッチ信号が入力されたタイミングでアドレス信号を読み取り、データ信号として入力された波形データをアドレス信号が示すアドレスに書きこむ。
メモリ461への波形データの書きこみが終了した後、メモリ461に対して、読み出すべき波形データが記録されたアドレス(以下、読み出しアドレスという。)を示すアドレス信号が入力されると、メモリ461から第1ラッチ461へ、そのアドレスに記録された波形データが出力される。図8に示す例では、先ず、読出しアドレスとしてアドレスBが入力され、メモリ461から対応する波形データΔV1が出力されている。その後、第2のクロック信号CLK2のパルスが発生すると、出力された波形データ(例えば、ΔV1)が第1ラッチ461に保持される。この状態で、次に第3のクロック信号CLK3のパルスが発生すると、第2ラッチ464の出力と、第1ラッチ462の出力とが加算器463に入力されて加算され、その加算結果が第2ラッチ464に保持される。即ち、図8に示したように、一旦、アドレス信号に対応した波形データ(例えば、ΔV1)が第1のラッチに保持されると、その後、第3のクロック信号CLK3を受けるたびに、第2ラッチ464の出力には、その波形データの値が累算されていく。
第2ラッチ464の出力は、第3のクロック信号CLK3を受けるたびに、上述したように加算器463に入力されると共に、デジタル/アナログ変換器466にも入力される。具体的には、第2ラッチ464の出力が18ビットのデータである場合には、上位10ビット分をデジタル/アナログ変換器466に入力し、18ビットのデータ全体を加算器463に再入力しても良い。
制御回路40は、タイミングを計って、読み出しアドレスを示すアドレス信号をメモリ461に、第2のクロック信号CLK2を第1ラッチ462に出力することによって、第1ラッチ461に保持される波形データを切り替えることができる。
図8に示す例では、アドレスBには波形データとしてΔV1が格納され、アドレスAには波形データとしてΔV2が格納され、アドレスCには波形データとしてΔV3が格納されているものとする。波形データΔV1は、正の値をとり、クロック信号CLK3の1周期t当たりΔV1ずつ、第2ラッチ464の出力値を増加させる。波形データΔV2は、ゼロであり、第2ラッチ464の出力値を一定に維持する。波形データΔV3は、負の値をとり、クロック信号CLK3の1周期t当たりΔV3ずつ、第2ラッチ464の出力値を減少させる。制御回路40は、第1ラッチ461に保持される波形データを、ΔV1−ΔV2−ΔV3と切り替えている。この結果、図8(a)に示すように、上昇−維持−低下と段階的に変化する信号が、第2ラッチ464から出力される。
デジタル/アナログ変換器466は、連続的に入力された第2ラッチ464の出力信号(数値データ)を、図8(b)に示すようなアナログ信号に変換して出力する。
増幅部467は、出力されたアナログ信号を増幅して最終的に出力される駆動電圧を生成する。制御回路40は、切替スイッチ468を制御することによって、生成された駆動電圧をヘッド駆動電圧COM1として分配出力器48に対して出力するか、センサ駆動電圧COM2としてカートリッジ処理専用回路50に対して出力するかを選択的に切り替えることができる。
以上説明したように、駆動電圧生成回路46は、データ信号(波形データ(ΔV1等))、アドレス信号、クロック信号(CLK1〜CLK3)といった制御回路40からの制御信号に基づいて、任意の波形を有する駆動電圧を生成することができる回路である。
続いて、図9〜図11を参照して、インク残量判定処理について説明する。図9および図10は、インク残量判定処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。図9では、理解の容易のため、制御回路40(CPU41)が実行する処理のフローチャートと、カートリッジ処理専用回路50の計算機51(CPU511)が実行する処理のフローチャートとを並記している。図11は、インク残量判定処理における種々の信号および電圧の変化を示すタイミングチャートである。
インク残量判定処理は、各インクカートリッジC1〜C6の収容室RMに収容されたインクの残量を各カートリッジごとに判定する処理である。本実施例に係る印刷装置20では、駆動電圧生成回路46は、ヘッド駆動電圧COM1を生成する回路と、センサ駆動電圧COM2を生成する回路とを兼ねている。したがって、本処理は、印刷ヘッド68に備えられたピエゾ素子を駆動している時、すなわち、印刷を実行している最中は、実行できない。もちろん、本処理専用に、駆動電圧生成回路を備えている場合には、このような制限はない。本処理は、具体的には、以下のようなタイミングで実行される。
・インクカートリッジC1〜C6が交換された時
・印刷装置20の電源投入時
・印刷を一定量実行した後(例えば、1ページ分印刷を実行した後)
・印刷ヘッドに備えられたノズルを清掃する処理(いわゆるフラッシング処理)を実行した後
インク残量判定処理の実行を開始すると、制御回路40は、カートリッジ処理専用回路50の計算機51に対して、コマンドを送信する(ステップS201)。このコマンドには、インク残量判定処理の実行を指示する命令と共に、インク残量判定処理の対象となるインクカートリッジを指定する情報が含まれる。
計算機51は、制御回路40からのコマンドの受信の有無を常に監視しており(ステップS101)、コマンドを受信した場合(ステップS101:YES)には、コマンドに含まれる情報により指定された処理対象のインクカートリッジを選択する(ステップS102)。ここで、処理対象のインクカートリッジを選択するとは、上述した6つのカートリッジ選択スイッチS1〜S2を制御して、処理対象のインクカートリッジに対応するカートリッジ選択スイッチを接続状態とし、他の5つのカートリッジ選択スイッチを遮断状態にすることをいう。処理対象のインクカートリッジを選択すると、計算機51は、イネーブル信号がハイになるまで待機している(ステップS103)。
制御回路40は、コマンドを送信した後、所定のタイミングでイネーブル信号をハイにして計算機51に対して送信する(ステップS202)。計算機51は、イネーブル信号がハイにされると(ステップS103:YES)、上述した駆動電圧用スイッチ53を接続状態にして、センサ駆動電圧COM2の入力線と選択されたインクカートリッジのセンサ72(圧電素子)とを電気的に接続する(ステップS104)。
制御回路40は、イネーブル信号をハイにした後、所定のタイミングで駆動電圧生成回路46(図5参照)を制御して、図11に示すように略台形を2回繰り返す波形(詳細は後述する。)を有するセンサ駆動電圧COM2を生成させ、カートリッジ処理専用回路50に対して出力させる(ステップS203)。出力されたセンサ駆動電圧COM2は、図11に示すように、上述したステップS102において選択されたインクカートリッジのセンサ72(圧電素子PZT)に印加される。すなわち、制御回路40は、圧電素子駆動電圧COM2を圧電素子PZTに印加する電圧印加手段として機能する。この結果、センサ駆動電圧COM2が印加された圧電素子PZTは圧電効果によって急激に歪ませられる。この圧電素子PZTの歪みによって、圧電素子PZTは、周辺部分と一体になって振動する。圧電素子PZTが振動すると、その振動に応じて、圧電素子PZTに歪みが生じる。圧電素子PZTに歪みが生じると、圧電効果により、圧電素子PZTから電圧が出力される。図11に示すように、センサ電圧(または、図6:P点の電圧)は、センサ駆動電圧COM2印加後において、略波状の電圧変化を示しているが、これが圧電効果により圧電素子PZTから出力される電圧(以下、センサ出力電圧という。)である。センサ出力電圧の周波数は、圧電素子PZTの振動数と対応している。
計算機51は、センサ駆動電圧COM2の出力(印加)が終了するまで待機(ステップS105)しており、印加が終了したタイミングで、上述した駆動電圧用スイッチ53を遮断状態にして、センサ駆動電圧COM2の入力線と選択されたインクカートリッジのセンサ72(圧電素子)とを電気的に切断する。これは、アンプ部52に誤って高い電圧が印加されるのを防ぐためである。
計算機51は、駆動電圧用スイッチ53を遮断後、所定時間待機する(ステップS107)。図11においては、記号T2で示す期間が、本ステップにおける待機期間に該当する。この待機期間は、圧電素子PZTの振動に含まれる振動成分のうち、ノイズの原因になる不要振動を減衰させるための時間である。この待機期間中に、検出対象である固有振動数以外の振動数を有する振動成分は大部分が減衰する。この結果、図11に示すように、センサ出力電圧からノイズが減少して、圧電素子PZTの固有振動数の検出が容易になる。
待機期間を経過すると、計算機51は、上述したアンプ用スイッチ54を接続状態にする(ステップS108)。この結果、上述したセンサ出力電圧がアンプ部52に入力される。アンプ部52は、周知のオペアンプ等で構成され、入力された電圧が基準値V_ref(例えば、0V)以下である場合にはロー信号を出力し、基準値V_ref以上である場合にはハイ信号を出力するコンパレータとして機能する。この結果、アンプ部52からは、図11に示すように、センサ出力電圧の周期的変化に対応したデジタル信号が出力される。
計算機51は、アンプ部52から出力されたデジタル信号を解析することによって、センサ出力電圧の周波数Hを測定する(ステップS109)。具体的には、計算機51は、例えば、最初に受信したアンプ部52の出力の立ち上がりエッジE1から6番目の立ち上がりエッジE6までの期間T3(図11参照)に含まれるクロック信号をカウントする。そして、計算機51は、カウント数とクロック周期とに基づいてセンサ出力電圧の周波数Hを算出する。センサ出力電圧の周波数Hは、上述した圧電素子PZTの固有振動数を示している。
計算機51は、センサ出力電圧の周波数の測定結果を、制御回路40に出力して(ステップS110)、本処理を終了する。
一方、制御回路40は、計算機51から出力されるセンサ出力電圧の周波数の測定結果を受信するまで待機しており(ステップS204)、測定結果を取得する(ステップS205)。その後、制御回路40は、イネーブル信号をローに戻し(ステップS205)、取得したセンサ出力電圧の周波数の測定結果(圧電素子PZTの固有振動数H)に基づいて、処理対象であるインクカートリッジのインクの残量を判定する(ステップS206)。
センサ出力電圧の周波数として検出された圧電素子PZTの固有振動数Hが、上述したインク有り時の固有振動数H1(本実施例では、30KHz)であれば、制御回路40は、収容室RMのインク量は所定量以上であると判断する(ステップS207)。一方、検出された圧電素子PZTの固有振動数Hが、上述したインク無し時の固有振動数H2(本実施例では、110KHz)であれば、制御回路40は、収容室RMのインク量は所定量未満であると判断する(ステップS208)。
次に、図12〜図14を参照して、センサ72に印加されるセンサ駆動電圧COM2の波形と、センサ駆動電圧COM2に対応するセンサ出力電圧について説明する。図12は、センサ駆動電圧COM2の波形の一例を示す説明図である。図13は、周波数領域におけるセンサ出力電圧特性を示す説明図である。図14は、インク有り時およびインク無し時における周波数領域におけるセンサ出力電圧を示す説明図である。
図12(a)は、充電期間と放電期間を含む波形(以下、単位波形)を1つだけ有する波形である(以下、一回波形ともいう。)。単位波形は、GND(0V)から所定の電圧値(例えば、36V)まで電圧が上昇する期間(時刻t1〜時刻t2:圧電素子PZTに電荷が充電される期間)と、電圧が変化しない期間(時刻t2〜時刻t3:圧電素子PZTに電荷が保持される期間)と、所定の電圧値(例えば、36V)からGND(0V)まで電圧が降下する期間(時刻t3〜時刻t4)とから構成される略台形の波形である。
図12(b)は、本実施例において用いられるセンサ駆動電圧COM2の波形である。この波形は、上述した単位波形を所定の周期で2回繰り返した波形である(以下、2回波形ともいう。)。所定の周期は、インク有り時の固有振動数H1における振動の周期と同じ周期であり、図12に示すように、1/H1(sec)周期である。
図12(c)は、上述した単位波形を2回波形と同じ1/H1(sec)周期で3回繰り返した波形である(以下、3回波形ともいう。)。
1回波形、2回波形、3回波形それぞれの電圧をセンサ駆動電圧としてセンサ72に印加した場合におけるセンサ出力電圧の違いについて説明する。図13に示す出力電圧特性は、1回波形のセンサ駆動電圧をセンサに印加した場合におけるセンサ出力電圧(1回波形に対応するセンサ出力電圧という。)を1として、2回波形および3回波形のセンサ駆動電圧を印可した場合におけるセンサ出力電圧(それぞれ、2回波形、3回波形に対応するセンサ出力電圧という。)の相対的な値をそれぞれ周波数領域において示している。
2回波形に対応するセンサ出力電圧は、周波数H1を中心とする周波数領域においてセンサ出力電圧が1回波形に対応するセンサ出力電圧より増加している。一方で、周波数H1から離れた周波数領域(例えば、周波数H2付近の領域)においてセンサ出力電圧が1回波形に対応するセンサ出力電圧より低下している。
3回波形に対応するセンサ出力電圧は、周波数H1を中心とする周波数領域において、2回波形に対応するセンサ出力電圧よりさらに増加している。ただし、増加している周波数領域は、2回波形よりも狭い。換言すると、2回波形および3回波形に対応するセンサ出力電圧特性は正規分布関数で表せると仮定すれば、2回波形に対応するセンサ出力電圧特性の分散は、3回波形に対応するセンサ出力電圧特性の分散より大きいということになる。そして、周波数H1から離れた周波数領域(例えば、周波数H2付近の領域)においてセンサ出力電圧が2回波形に対応するセンサ出力電圧よりさらに低下している。
これは、単位波形を固有振動数H1における振動の周期と同じ周期で複数回繰り返すと、センサ駆動電圧COM2に含まれる固有振動数H1に対応する周波数H1の成分が増加し、逆に、固有振動数H1以外の振動数に対応する周波数成分(例えば、周波数H2の成分)は減少するためである。
次に、図14を参照して、インク有り時(図14(a))、および、インク無し時(図14(b))における周波数領域におけるセンサ出力電圧について説明する。先ず、1回波形(単位波形)に対応するセンサ出力電圧(図14(a)、(b)において、それぞれ波線で示されている。)について説明する。実験によると、インク有り時、すなわち、圧電素子PZTの固有振動数がH1である時においては、1回波形に対応するセンサ出力電圧は、検出すべき固有振動数H1に対応する周波数H1の成分が小さく周囲のノイズのなかに埋もれてしまい、周波数H1を精度良く測定するのが困難な場合があった。一方、インク無し時、すなわち、圧電素子PZTの固有振動数がH2である時においては、1回波形に対応するセンサ出力電圧は、検出すべき固有振動数H2に対応する周波数H2の成分が十分に大きく、上述したインク有り時における周波数H1の成分の3〜4倍ほどのピークを示した。これは、この1回波形(単位波形)は、固有振動数H1に対応する周波数H1の成分が少なく、インク有り時において圧電素子PZTを固有振動数H1で十分に共振させることができないことを示している。一方で、この1回波形(単位波形)は、固有振動数H2に対応する周波数H2の成分が十分に多く、インク無し時において圧電素子PZTを固有振動数H2で十分に共振させることができることを示している。
次に、2回波形に対応するセンサ出力電圧(図14(a)、(b)において、それぞれ実線で示されている。)について説明する。実験によると、インク有り時においては、2回波形に対応するセンサ出力電圧は、検出すべき固有振動数H1に対応する周波数H1の成分が、1回波形の場合と比較して十分大きくなり、周波数H1を十分精度良く測定可能なレベルとなった。一方、インク無し時においては、2回波形に対応するセンサ出力電圧は、検出すべき固有振動数H2に対応する周波数H2の成分が1回波形の場合と比較すれば小さくなったものの、依然として周波数H2を精度良く測定するのに十分なレベルであった。結果として、2回波形に対応するセンサ出力電圧において、インク有り時における周波数H1の成分と、インク無し時における周波数H2の成分とが同程度であった。これは、単位波形を固有振動数H1における振動の周期と同じ周期で複数回繰り返すことによって、2回波形は、単位波形と比較して周波数H1の成分が増加し、周波数H2の成分が減少したため、周波数H1の成分と周波数H2の成分がバランス良く含まれる波形となっていると考えられる。この結果、この2回波形は、インク有り時においては圧電素子PZTを固有振動数H1で十分に共振させることができ、インク無し時においても圧電素子PZTを固有振動数H2で十分に共振させることができると考えられる。
さらに、比較のため、3回波形に対応するセンサ出力電圧(図14(a)、(b)において、それぞれ実線で示されている。)についても説明しておく。実験によると、インク有り時においては、3回波形に対応するセンサ出力電圧は、検出すべき固有振動数H1に対応する周波数H1の成分が、2回波形の場合と比較して、さらに、大きくなった。一方、インク無し時においては、3回波形に対応するセンサ出力電圧は、検出すべき固有振動数H2に対応する周波数H2の成分が1回波形の場合と比較して、さらに、小さくなり、周囲のノイズのなかに埋もれてしまい、周波数H1を精度良く測定するのが困難な場合があった。これは、この3回波形は、2回波形と比較して周波数H1の成分がさらに増加し、インク有り時において圧電素子PZTを固有振動数H1で十分に共振させることができることを示している。一方で、この3回波形は、2回波形と比較して周波数H2の成分がさらに減少し、インク無し時において圧電素子PZTを固有振動数H2で十分に共振させることができなくなったしまったことを示している。
以上の知見により、本実施例では、上述した2回波形を採用し、インク有り時の固有振動数H1とインク無し時の固有振動数H2とを共に精度良く検出可能としている。
以上説明したように、本実施例に係る印刷装置20によれば、センサ駆動電圧COM2の波形を調整して固有振動数H1に対応する周波数成分を多く含む波形としているので、インクが固有振動数H1に対応する状態にある場合には、センサ出力電圧において固有振動数H1に対応する周波数の成分を十分に大きくすることができ、確実にその固有振動数H1をセンサ出力電圧の周波数として検出することができる。そうすると、インクが固有振動数H1に対応する状態、すなわち、収容室RMのインクが所定量以上であることを精度良く判定することができる。
また、センサ駆動電圧COM2の波形を、固有振動数H1に対応する振動の周期と同じ周期で、単位波形を繰り返す波形とすることによって、センサ駆動電圧COM2の波形に含まれる固有振動数H1に対応する周波数成分を容易に多くすることができる。
また、センサ駆動電圧COM2の波形を調整して固有振動数H1に対応する周波数成分を多く含むと供に、固有振動数H2に対応する周波数成分も多く含む波形としているので、インクが固有振動数H2に対応する状態にある場合においても、センサ出力電圧において固有振動数H2に対応する周波数の成分を十分に大きくすることができ、確実にその固有振動数H2をセンサ出力電圧の周波数として検出することができる。そうすると、インクが固有振動数H1に対応する状態だけでなく、インクが固有振動数H2に対応する状態、すなわち、収容室RMのインクが所定量未満であることも精度良く判定することができる。
さらに、センサ駆動電圧COM2の生成を、任意の波形の電圧を生成可能な駆動電圧生成回路46によって、生成しているので、容易に所定の周波数成分を多く含むセンサ駆動電圧を生成することができる。
また、印刷ヘッド68の駆動に用いられるヘッド駆動電圧COM1とセンサ駆動電圧COM2は、ひとつの駆動電圧生成回路46によって実現される。したがって、センサ駆動電圧COM2を生成するために部品点数が増加することもない。
B.変形例:
上記実施例において説明したインクカートリッジC1〜C6以外にも、センサ72の配置等のインクカートリッジの構成には種々の態様が考えられる。以下に、その具体例を説明する。
・インクカートリッジの他の態様:
図15および図16を用いて、本変形例に係る印刷装置およびインクカートリッジの概略構成について説明する。図15は、変形例に係るインクカートリッジC1〜C6の正面図(図16(a))および側面図(図16(b))である。図16は、インクカートリッジの筐体に装備されたセンサの断面(図15におけるA−A断面)を示す断面図である。
変形例に係るインクカートリッジC1〜C6は、図15に示すように、上記実施例に係るインクカートリッジC1〜C6と同様にして筐体71とインク供給口74とセンサ72と端子板110とを備えている(図15(a)において端子板110は図示省略)。
変形例に係るインクカートリッジC1〜C6の筐体71の内部は、上記実施例に係るインクカートリッジC1〜C6と異なり、区画リブ77によって、メイン収容室MRMと、第1のサブ収容室SRM1と、第2のサブ収容室SRM2とに区画されている。メイン収容室MRMは、全収容室容積の大部分を占めている。
第1のサブ収容室SRM1は、底面においてインク供給口74と連通している(図15参照)。また、第1のサブ収容室SRM1は、筐体71の側面に形成された第1の側面孔75を介して、センサ72のセンサアタッチメント722に形成されたブリッジ流路BRと連通している(図16参照)。
第2のサブ収容室SRM2は、底面近傍において、メイン収容室MRMと連通している(図15参照)。また、第2のサブ収容室SRM2は、筐体71の側面に形成された第2の側面孔76を介して、センサ72のセンサアタッチメント722に形成されたブリッジ流路BRと連通している(図16参照)。
センサ72は、図16に示すように、上記実施例に係るセンサ72と同様に、圧電素子PZTと、電極720、721と、センサアタッチメント722とを備える。センサアタッチメント722は、上記実施例に係るセンサアタッチメント722と形状が異なり、図16に示すように、上述したブリッジ流路BRが略コの字形状に形成されている。ブリッジ流路BRは、一端が第1の側面孔75と連通し、他端が第2の側面孔76と連通している。これによって、第2のサブ収容室SRM2から第1のサブ収容室SRM1へのインクの流入が可能となっている。
変形例に係るインクカートリッジC1〜C6に収容されたインクは、図15および図16において、矢印で示すように移動する。すなわち、メイン収容室MRMに収容されているインクは、底面近傍から第2のサブ収容室SMR2に入り、第2の側面孔76−センサアタッチメント722のブリッジ流路BR−第1の側面孔75を通って、第1のサブ収容室SMR1に入る。そして、インクは、第1のサブ収容室SMR1からインク供給口74を通って、プリンタ20に供給される。
図16(a)は、インクが所定量以上残存している状態(インク有り時)を示している。図16(b)は、インクが所定量未満しか残存していない状態(インク無し時)を示している。図16(a)に示すように、インク収容室RMのインクが所定量以上である場合には、上述したブリッジ流路BRにはインクが充填されている。すなわち、圧電素子PZTの周辺部分にインクが充填されている状態になる。一方で、インク収容室RMのインクが所定量未満である場合には、第2のサブ収容室SRM2からブリッジ流路BRにインクが流入されなくなり、ブリッジ流路BRにはインクが充填されていない。すなわち、圧電素子PZTの周辺部分にはインクが充填されていない状態になる。この結果、上記実施例におけるインクカートリッジと同様に、圧電素子PZTは、インク有り時と、インク無し時とで異なる固有振動数で振動する。この結果、変形例に係るインクカートリッジを用いる印刷装置20においても、上記実施例に係る印刷装置と同様の作用・効果を得ることができる。
・その他の変形例:
上記実施例では、センサ駆動電圧COM2の波形は、固有振動数H1における振動の周期と同じ周期で単位波形を繰り返しているが、繰り返しの周期はこれに限られるものではなく、任意の周期を用いることができる。この結果、センサ出力電圧において、任意の振動数に対応する周波数成分を増加させることができる。例えば、単位波形の形状や、カートリッジの振動特性等によっては、インク無し時における固有振動数H2に対応する周波数成分を多くした波形を生成したい場合もある。かかる場合には、図17(a)(b)に示すように、固有振動数H2における振動の周期と同じ周期で単位波形を繰り返しても良い。こうすれば、固有振動数H2に対応する周波数成分を多くした波形を有するセンサ駆動電圧COM2を容易に生成することができ、図17(c)に示すように、センサ出力電圧において、固有振動数H2に対応する周波数H2の成分を増加させることができる。
上記実施例では、センサ駆動電圧COM2の波形を、インク有り時における固有振動数H1と、インク無し時固有振動数H2とを、一度の測定で検出できる波形としているが、インク有り時における固有振動数H1の測定と、インク無し時固有振動数H2の測定とを2回に分けて実行しても良い。かかる場合には、インク有り時における固有振動数H1の測定においては、図12に示す波形を用いてセンサ出力電圧において、固有振動数H1に対応する周波数H1の成分を増加させ、インク無し時における固有振動数H2の測定においては、図17に示す波形を用いてセンサ出力電圧において、固有振動数H2に対応する周波数H2の成分を増加させれば良い。かかる場合には、他方の周波数成分の減少を考慮する必要がないので、繰り返し回数をさらに増加させても良い(例えば、4回波形、5回波形等を用い得る)。
インクカートリッジの圧電素子PZTの固有振動数H1は、製造バラツキにより一定でない場合がある。かかる場合には、製造バラツキの統計値、例えば、固有振動数の平均値や中間値を用いて、繰り返しの周期を定めても良い。また、製造時に、固有振動数を測定し、測定した固有振動数を記憶させたメモリをインクカートリッジに備えるようにしても良い。かかる場合には、印刷装置の制御回路がメモリから固有振動数の値を読み出し、この値に基づいて繰り返しの周期を定めることができる。
上記実施例では、インクカートリッジの圧電素子PZTの固有振動数H1を検出することによって、インクが所定量未満であるか、所定量以上であるかを判定しているが、インクの状態の変化によって圧電素子PZTの固有振動数が変化する関係にあれば、インクの種々の状態を検出可能である。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
本発明の実施例としての印刷装置20の概略構成図。 印刷ヘッドユニットと、これに装着される本実施例に係るインクカートリッジを示す斜視図。 インクカートリッジの筐体に装備されたセンサの断面を示す断面図。 制御回路40の内部構成を示す説明図。 制御回路40の駆動電圧生成回路の内部構成を示す説明図。 カートリッジ処理専用回路50の内部構成を示す説明図。 メモリ461に波形データを書きこむタイミングを示すタイミングチャート。 駆動電圧生成回路46において駆動電圧を生成していく過程を示す説明図 インク残量判定処理の処理ルーチンを示す第1のフローチャート。 インク残量判定処理の処理ルーチンを示す第2のフローチャート。 インク残量判定処理における種々の信号および電圧の変化を示すタイミングチャート。 センサ駆動電圧COM2の波形の一例を示す第1の説明図。 周波数領域におけるセンサ出力電圧特性を示す説明図。 インク有り時およびインク無し時における周波数領域におけるセンサ出力電圧を示す説明図。 変形例に係るインクカートリッジC1〜C6の正面図および側面図。 変形例に係るインクカートリッジの筐体に装備されたセンサの断面を示す断面図。 センサ駆動電圧COM2の波形の一例を示す第2の説明図。
符号の説明
20…印刷装置
22…紙送りモータ
23…ギヤトレイン
24…キャリッジモータ
26…プラテン
30…キャリッジ
32…操作パネル
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリ
39…位置センサ
40…制御回路
46…駆動電圧生成回路
50…カートリッジ処理専用回路
51…計算機
53、54、S1〜S6…アナログスイッチ
52…アンプ部
80…PCインターフェース
60…印刷ヘッドユニット
62…カートリッジ装着部
66…インク導入部
68…印刷ヘッド
C1〜C6…インクカートリッジ
71…筐体
72…センサ
74…インク供給口
75…第1の側面孔
76…第2の側面孔
77…区画リブ
90…コンピュータ
100、110…端子板
104、105、114、115…端子
RM…インク収容室
MRM…メイン収容室
SRM1…第1のサブ収容室
SRM2…第2のサブ収容室
PZT…圧電素子

Claims (15)

  1. 印刷装置であって、
    印刷材が収容される印刷材収容体と、
    前記印刷材収容体に配置される圧電素子と、
    前記印刷材が所定の状態にある場合における前記圧電素子の固有振動数に対応する周波数成分を多く含む波形を有する圧電素子駆動電圧を生成する電圧生成手段と、
    前記生成された圧電素子駆動電圧を前記圧電素子に印加して前記圧電素子を振動させる電圧印加手段と、
    前記圧電素子駆動電圧の印加後において、振動する前記圧電素子から圧電効果によって出力される電圧の周波数を測定する周波数測定手段と、
    前記電圧の周波数として検出された前記圧電素子の固有振動数に基づいて、前記印刷材の状態を判定する状態判定手段と、
    を備える印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記圧電素子駆動電圧の波形は、前記固有振動数における振動の周期と同じ周期で、前記圧電素子に放電を複数回繰り返させる波形である印刷装置。
  3. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記圧電素子駆動電圧の波形は、前記固有振動数における振動の周期と同じ周期で、前記圧電素子に充電と放電を複数回繰り返させる波形である印刷装置。
  4. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記圧電素子駆動電圧の波形は、前記固有振動数における振動の周期と同じ周期で、電圧の降下を複数回繰り返す波形である印刷装置。
  5. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記圧電素子駆動電圧の波形は、前記固有振動数における振動の周期と同じ周期で、電圧の上昇と電圧の降下とを複数回繰り返す波形である印刷装置。
  6. 請求項1にないし請求項5に記載の印刷装置において、
    前記固有振動数は、前記収容室の印刷材が所定量以上である場合における第1の固有振動数であり、
    前記状態判定手段は、前記検出された前記圧電素子の振動数が前記第1の固有振動数である場合には、前記収容室の印刷材は所定量以上であると判定する印刷装置。
  7. 請求項1ないし請求項5に記載の印刷装置において、
    前記固有振動数は、前記収容室の印刷材が所定量未満である場合における第2の固有振動数であり、
    前記状態判定手段は、前記検出された前記圧電体の振動数が前記第2の固有振動数である場合には、前記収容室の印刷材は所定量未満であると判定する印刷装置。
  8. 印刷装置であって、
    印刷材が収容される印刷材収容体と、
    前記印刷材収容体に配置される圧電素子と、
    前記収容室の印刷材が第1の状態にある場合における前記圧電素子の第1の固有振動数に対応する周波数成分と、前記収容室の印刷材が第2の状態にある場合における前記圧電素子の第2の固有振動数に対応する周波数成分を両方多く含む波形を有する圧電素子駆動電圧を生成する電圧生成手段と、
    前記生成された圧電素子駆動電圧を前記圧電素子に印加して前記圧電素子を振動させる電圧印加手段と、
    前記圧電素子駆動電圧の印加後において、振動する前記圧電素子から圧電効果によって出力される電圧の周波数を測定する周波数測定手段と、
    前記電圧の周波数として検出された前記圧電素子の固有振動数に基づいて、前記印刷材の状態を判定する状態判定手段と、
    を備える印刷装置。
  9. 請求項8に記載の印刷装置において、
    電圧の上昇と電圧の降下とを含む単位波形に含まれる前記第1の固有振動数に対応する周波数成分が前記第2の固有振動数に対応する周波数成分より少ない場合には、前記圧電素子駆動電圧の波形は、前記単位波形を前記第1の固有振動数における振動の周期と同じ周期で複数回繰り返す波形である印刷装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載の印刷装置において、
    前記第1の状態は、前記収容室に印刷材が所定量以上存在する状態であり、
    前記第2の状態は、前記収容室に印刷材が所定量未満しか存在しない状態であり、
    前記状態判定手段は、前記検出された前記圧電素子の振動数が前記第1の固有振動数である場合には、前記収容室の印刷材は所定量以上であると判定し、前記検出された前記圧電素子の振動数が前記第2の固有振動数である場合には、前記収容室の印刷材は所定量未満であると判定する印刷装置。
  11. 請求項1ないし請求項10に記載の印刷装置において、
    前記電圧生成手段は、任意の波形の電圧を生成可能な電圧生成回路である印刷装置。
  12. 請求項1ないし請求項11に記載の印刷装置は、さらに、
    駆動電圧を印加されることによって印刷を実行する印刷ヘッドと、
    前記電圧生成手段によって生成された電圧の出力先を、前記印刷ヘッドと前記圧電素子とのいずれかに切り替える切り替え手段とを備え、
    前記電圧生成手段は、前記印刷ヘッドに印加されるヘッド駆動電圧を生成する手段としても機能する印刷装置。
  13. 請求項1ないし請求項12に記載の印刷装置において、
    前記印刷材収容体は、前記印刷装置に着脱可能な収容体である印刷装置。
  14. 印刷材収容体に備えられた圧電素子を用いて、前記印刷材収容体に収容された印刷材の状態を検出する方法であって、
    前記印刷材が所定の状態にある場合における前記圧電素子の固有振動数に対応する周波数成分を多く含む波形を有する圧電素子駆動電圧を生成し、
    前記圧電素子に前記生成された圧電素子駆動電圧を印加して前記圧電素子を振動させ、
    前記圧電素子駆動電圧の印加後において、振動する前記圧電素子から圧電効果によって出力される電圧の周波数を測定し、
    前記電圧の周波数として検出された前記圧電素子の振動数に基づいて、前記印刷材の状態を判定する方法。
  15. 印刷材収容体に備えられた圧電素子を用いて、前記印刷材収容体に収容された印刷材の状態を検出する方法であって、
    前記収容室の印刷材が第1の状態にある場合における前記圧電素子の第1の固有振動数に対応する周波数成分と、前記収容室の印刷材が第2の状態にある場合における前記圧電素子の第2の固有振動数に対応する周波数成分を両方多く含む波形を有する圧電素子駆動電圧を生成し、
    前記圧電素子に前記生成された圧電素子駆動電圧を印加して前記圧電素子を振動させ、
    前記圧電素子駆動電圧の印加後において、振動する前記圧電素子から圧電効果によって出力される電圧の周波数を測定し、
    前記電圧の周波数として検出された前記圧電素子の振動数に基づいて、前記印刷材の状態を判定する方法。
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