JP2004223669A - 大型部品の研磨装置および研磨方法 - Google Patents

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Satoru Yanaka
悟 谷中
Satoru Asai
知 浅井
Ryusuke Tsuboi
竜介 坪井
Kenji Kamimura
健司 上村
Tadashi Tanuma
唯士 田沼
Masataka Kikuchi
正孝 菊地
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Abstract

【課題】非破壊検査の品質向上や研磨作業効率を図ることにある。
【解決手段】研磨材として弾性体を核とする研磨粒をおよそ分速1000m以上の速度で噴射し、該研磨粒を主として大型のタービン部品の被研磨面に衝突させて研磨する大型部品の研磨装置において、所定の個所にタービン部品が保持され、且つ支持部材に回転可能に支持されると共に駆動モータにより回転駆動される回転テーブル18と、研磨材供給手段と、インペラー駆動モータ11により高速回転駆動され、研磨材供給手段より供給される研磨粒に回転エネルギを与えるインペラー12及びこのインペラーの接線方向から飛出す研磨粒を回転テーブルに保持された部品の被研磨面に向けて噴射する噴射ノズル14を備えた研磨ヘッド6と、この研磨ヘッド6よりタービン部品の研磨に供された研磨粒を回収して前記研磨材供給手段に送り込む研磨材回収手段とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気タービン部品等の大型構造部品の表面に弾性体を核とした研磨粒を噴射、衝突させて研磨する大型部品の研磨装置および研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
蒸気タービンにおいて、特に動翼、静翼、タービンロータ、蒸気通路部の部品(例えば弁、蒸気管、クロスオーバ管、タービン入口部、出口部、ノズルボックス内部)は、表面粗さがタービン性能に大きな影響を与えることから、蒸気通路部の表面粗さを可能な限り向上(なめらかにする)させる必要がある。
【0003】
また、上記タービン部品は、多くの工程を経て製作されるが、特に静翼の製作工程においては、静翼切削工程から組立工程・溶接工程・熱処理工程、さらに研磨工程を経て仕上げ加工工程、そして最終仕上げ工程及び検査工程と多くの工程を経て完成するため、工程間のハンドリングや準備作業及び周囲環境などにより表面粗さの低下や傷等の発生を余儀なくされている。さらに、曲面を多用した形状のため、全表面を完全に研磨することも難しい。
【0004】
ここで、一般的な蒸気タービンの概略構成について図11乃至図14により述べる。
【0005】
図11はタービンロータの全体を概略的に示す鳥瞰図である。図示するようにタービンロータ101は、軸方向に外径が異なる動翼102が数段から数十段植込まれ、さらに各段は、ロータ軸104の周方向に動翼102が数十枚から百枚前後植込まれ、両端の軸受部104aでに支持される構成となっている。また、タービンロータ101はこれらの動翼と後述する静翼とにより蒸気通路部を生成するケーシング103により覆われている。
【0006】
図12は図11の1段落部を断面図で示す詳細図であり、ケーシング103にノズルダイアフラム110が配設されてタービンロータ101に植設された動翼102との間に形成される蒸気通路部に蒸気流が図示矢印方向に流れるように構成されている。
【0007】
図13(a)はノズルダイアフラム110の平面図であり、(b)は(a)の周方向の断面を外周がわから見た図である。
【0008】
上記静翼105は、図13(b)に示すように蒸気流の流入特性より決まる翼形状を形成する曲面部109を有する。また、静翼105はダイアフラム内輪106とダイアフラム外輪107とに挟持されており、溶接等により機械的に結合されている。なお、108はシールフィン取付溝であり、回転するタービンロータ101とダイアフラム内輪106との間から蒸気が漏洩するのを防止するためのシールフィン(図示せず)がケーシング103に設置する際に取付けられる。
【0009】
曲面部109およびダイアフラム内輪およびダイアフラム外輪の静翼105側の表面粗さは特にタービン性能に影響する部位であることが実験や実機の運転試験から分かっている。
【0010】
また、静翼105は図13(a)から明らかなようにタービン出力特性(すなわち、蒸気流量)によりその枚数が決定され、ノズルダイアフラム外輪および内輪に各翼が一定の隙間を保って取付けられるため、極めて狭隘で、かつ複雑な形状になっている。
【0011】
一方、動翼102は、その詳細な断面形状について図示しないが、静翼同様に捩れた3次元曲面形状を有しており、それぞれ段落毎に異なる翼形状であるため、ベーダマシンおよびサンドペーパ等を使用した電動あるいはエア工具により手磨き工程を経て磨かれたものを組立している。特に動翼については段落によっては1本が1mを超える長さを有するため、各工程間における主作業や段取り換え・ハンドリングおよび搬送などにおいて予期しない傷の発生や酸化スケール、その他が発生する。
【0012】
そこで、蒸気タービンの性能を向上させるためには、研磨によりタービン部品の表面粗さが極力少なくなるようにする必要があるが、上述したようにタービン部品は大形形状であると同時に、蒸気流入の特性上、その形状が極めて複雑で、狭隘な部分を研磨しなければならないため、自動化や機械化が困難であり、通常は圧縮空気や電動による回転工具を用い、多くの手間と時間を費やしてタービン部品の表面状態の改善を図るようにしていた。
【0013】
また、タービン部品の性能を向上させる最終的な表面粗さ確保のためには、ノズルダイアフラムとして大形形状での仕上げ作業が必要となり、そのためには極めて重労働で、また悪環境、長時間作業による研磨作業が必要となる。
【0014】
一方、手作業研磨工具では、特に狭隘部を研磨する際に微細傷を発生させてしまうことがあるほか、均一な研磨面が得られなかったり、蒸気流入方向と直交する方向の面と両立させて研磨できないため、偏った研磨面になる欠点があった。
【0015】
また、エアを使用したブラストやホーニング装置においては、表面状態が粗くなりすぎて、前述したタービン性能を確保するための表面粗さを達成することが困難であり、最終仕上げツールとしては適していない。
【0016】
さらに、現地点検補修等における既設の蒸気タービンにおいては、正確に非破壊検査からの情報を得るために、セラミックス系の投射材を用いたエアーブラストにより表面洗浄、酸化皮膜除去を行っているが、表面粗さの向上という観点からは、さらに改善の余地が必要とされていた。
【0017】
ところで、最近では被研磨部材の表面を研磨する装置として、羽根車を回転させて砥粒に遠心力を与えることにより、羽根車周面接線方向に砥粒を被研磨部材に吹付けて表面を研磨又は研削するようにしたものがある。(例えば特許文献1)
【0018】
【特許文献1】
特開平11−347945号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この研磨装置は、歯科補綴物のような小型の部材の研磨には適しているが、タービン部品のように大形であると同時に、蒸気流入の特性上、その形状が極めて複雑で、狭隘な部分の表面を研磨するものとしてはそのまま適用することはできない。
【0020】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、研磨の難しい狭隘部、嵌合部を含めた表面の均一な研磨を可能にし、長時間、悪環境下の研磨労働作業を機械化すると共に、表面粗さを低下させることなく表面の酸化皮膜を除去することにより、非破壊検査の品質向上や研磨作業効率を図ることができる大型部品の研磨装置および研磨方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するため、次のような手段により大型部品の研磨装置を構成する。
【0022】
本発明は、研磨材として弾性体を核とする研磨粒を予め決められた速度で噴射し、該研磨粒を大型部品の被研磨面に衝突させて研磨する大型部品の研磨装置において、所定の個所に大型部品が保持され且つ回転可能に軸支されると共に駆動モータにより回転駆動される回転テーブルと、前記研磨粒を所定の個所に供給する研磨材供給手段と、少なくともインペラー駆動モータにより回転駆動され前記研磨材供給手段より供給される研磨粒に回転エネルギを与えるインペラーと、このインペラーの接線方向から前記研磨粒を前記回転テーブルに保持された大型部品の被研磨面に向けて噴射する噴射ノズルを備えた研磨装置本体と、この研磨装置本体より前記大型部品の研磨に噴射された研磨粒を回収して前記研磨材供給手段に再び送り込む研磨材回収手段とを備えた構成とする。
【0023】
また、本発明は上記目的を達成するため、次のような工程による大型部品の研摩方法である。すなわち、研磨材として弾性体を核とする研磨粒を予め決められた速度で噴射し、該研磨粒を大型部品の被研磨面に衝突させて研磨する大型部品の研磨方法において、被研磨材である大型部品を予め決められた位置に載置する工程と、この載置された大型部品を回転させる工程と、前記研磨粒を一時的に貯留する研磨粒貯留工程と、前記研磨粒貯留工程から供給される研磨粒を離れた位置から前記大型部品に衝突させるために前記研磨粒に機械的なエネルギを与える工程と、前記エネルギを与えられた研磨粒を線状に途切れなく飛ばす工程と、前記飛ばされた研磨粒が前記大型部品の目的とする位置に当たるようにその飛行方向を制御する工程と、前記載置する工程から落下する研磨が終了した後の研磨粒を再度収集する研磨材回収工程と、前記研磨材回収工程で回収された研磨粒を再度前記研磨粒貯留工程に送る研磨粒搬送工程と、からなることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0025】
図1は本発明による大型部品の研磨装置の第1の実施形態を示す正面図、図2は同実施形態の平面図である。
【0026】
図1及び図2において、1はレール2に沿ってZ軸方向(紙面垂直方向)に移動可能な移動台車で、この移動台車1上にはスタンド3が垂直に取付けられている。このスタンド3にマニプレータ支持部4がY軸方向(紙面上下方向)に移動可能に取付けられ、このマニプレータ支持部4にはマニプレータ5がX軸方向(紙面左右方向)に移動可能に支持されている。上記移動台車1、マニプレータ支持部4及びマニプレータ5は図示しない駆動源により各々の方向に駆動されるようになっている。
【0027】
また、6はマニプレータ5の先端部にブラケット7を介して取付けられた研磨ヘッドで、この研磨ヘッド6は図3(a),(b)に示すようにブラケット7に取付けられた水平旋回駆動モータ8により水平旋回(Y軸回りの回転)可能に支持されると共に、附仰駆動モータ9により首振り可能に支持され、これらは研磨装置本体を構成している。
【0028】
この研磨ヘッド6は、ケース10、このケース10内の上面に支持部材を介して支持されたインペラ駆動モータ11、このインペラ駆動モータ11により高速旋回駆動されるインペラ12、このインペラ12の近傍に設置された回収ホッパ13及びケース10の底部より下方に向けて支持された樋状の噴射ノズル14を備えている。
【0029】
一方、15は研磨ヘッド6による作業範囲に対応する基面上に複数本の脚部16に取付けられた支持板に水平を維持した状態で回転自在に載置され、かつ駆動モータ17により回転駆動される回転テーブルで、この回転テーブル15の上面に回収タンク付テーブル18が搭載されている。
【0030】
この回収タンク付テーブル18は、ホッパ19の上面開口部に大型部品が載置可能で、研磨粒をホッパ19側へ通過可能なスノコ状の部品取付板20が設けられ、またホッパ19の底部には研磨粒を流出させる出口部21が設けられた構成となっている。
【0031】
また、22は回転テーブル15の下部に存する空間部に配設された水平ダクト部22a、この水平ダクト部22aから所定の高さまで予定角度で立上げた傾斜ダクト部22bからなるダクトで、このダクト22は傾斜ダクト部22bの複数箇所が支持アーム23aを介して支持部材23により支持されている。
【0032】
上記ダクト22内には、水平ダクト部22a側に設けられたガイド輪24と傾斜ダクト部22b側の上部に設けられた駆動輪25との間を複数個のガイドローラ26を介して循環移動する無端コンベア27が配設されている。この無端ベルト27の表面には、ホッパ19の出口部21を通して落下する研磨粒を受けかつ傾斜ダクト部22b内の上昇移動時に研磨粒の滑落を防止する弾性部材からなる複数の受棚27aが適宜の間隔を存してそれぞれ取付けられている。
【0033】
さらに、28は傾斜ダクト部22bの上部に存する水平部下面に設けられた口出部29に一端部が接続され、他端部が研磨ヘッド6の回収ホッパ13に対応するケース10の上部に接続されたフレキシブルチューブで、このフレキシブルチューブ28は無端コンベア27より傾斜ダクト部22bの上部に存する口出部29を通して落下する研磨粒を研磨ヘッド6の回収ホッパ13に送込むもので、マニプレータ5のX軸方向及びY軸方向の移動、研磨ヘッド6の水平旋回及び首振り旋回に追従して伸縮や曲げ変形が可能になっている。
【0034】
他方、30は回収タンク付テーブル18のホッパ19に吸引パイプ31を介して接続された集塵回収器で、この集塵回収器30はタービン部品の研磨時に混入する塵や埃などを取除くためのものである。
【0035】
また、32は回収タンク付テーブル18及びその上方の研磨ヘッド6の移動空間部を囲むように設けられた帆布製またはビニールシート等で構成された防塵カバーである。
【0036】
このように構成された大型部品の研磨装置において、いま回収タンク付テーブル18のスノコ状の部品取付板20上に大型部品としてタービン部品の1つであるノズルダイアフラム110が固定金具33により水平に維持した状態で固定される。
【0037】
ここで、研磨ヘッド6の回収ホッパ13内には予め研磨材として弾性体を核とする研磨粒が収容されているものとする。
【0038】
このような状態で静翼105を研磨するには、まず移動台車1を図2に示す二点鎖線に示す位置(退避位置)からレール2に沿って回収タンク付テーブル18の真横に位置するようにZ軸方向に移動させる。続いてマニプレータ5をX軸方向及びY軸方向に移動させて研磨ヘッド6がノズルダイアフラム110の上に位置するように移動させる。
【0039】
次いでインペラ駆動モータ11によりインペラ12を高速回転させる。
【0040】
すると、研磨ヘッド6の回収ホッパ13内の研磨粒は、インペラ12の高速回転により噴射ノズル14を通しておよそ分速1000m以上の高速で多数噴射する。水平旋回駆動モータ8により研磨ヘッド6全体を旋回させると共に、附仰駆動モータ9により首振り旋回させながら噴射ノズル14をノズルダイアフラム110の静翼105の研摩したい表面に向けることにより、静翼105の表面に研摩粒が衝突し、静翼105の表面が研磨される。
【0041】
このとき、回転テーブル15を駆動モータ17により旋回させることで、回収タンク付テーブル18は水平を維持した状態で旋回する。
【0042】
一方、静翼105の表面の研磨を終えた研磨粒は、回収タンク付テーブル18のスノコ状の部品取付板20を通過してホッパ19内に落下し、さらにこのホッパ19の出口部21を通じて無端コンベア27上に回収される。この場合、ホッパ19内にタービン部品の研磨時に生じる金属粉などの研磨粒以外の異物が混入しても、これらは集塵回収器30により吸引される。
【0043】
一方、無端コンベア27は、駆動モータにより回転する駆動輪25によりガイド輪24との間を循環移動している。従って、無端コンベア27上に回収された研磨粒はダクト22の水平ダクト部22a及び傾斜ダクト部22b内を通って搬送され、傾斜ダクト部22bの上部に存する口出部29よりフレキシブルチューブ28内に落下する。
【0044】
この場合、無端コンベア27上に回収された研磨粒は、傾斜ダクト部22b内を上昇しても受棚27aにより滑落することなく、傾斜ダクト部22bの上部へ搬送することができる。
【0045】
フレキシブルチューブ28内に落下した研磨粒は、上流側から下流側に滑落し、研磨ヘッド6の回収ホッパ10に回収され、以下前述同様の作用がサイクリックに行われる。
【0046】
このように本実施形態では、マニプレータ5をX軸方向及びY軸方向に移動させて研磨ヘッド6をノズルダイアフラム110上に位置するように移動させ、かつこの研磨ヘッド6全体の旋回と首振りの2軸動作により噴射ノズル14の噴射口をノズルダイアフラム110のようなタービン部品の表面に向けて噴射可能にしたので、研磨の難しい狭隘部や、嵌合部を含めた表面研磨を効率よく、しかも確実に行うことができる。
【0047】
また、水平を維持した状態で回転する回転テーブル15上に回収タンク付テーブル18を配設し、その上面にタービン部品を搭載するようにしたので、回転テーブル15が回転することにより、研摩ヘッド6(すなわちノズル14)の位置を変えることなくノズルダイアフラム110の全周上の同一位置が順次研摩粒の噴射位置になる。よって、ノズルダイアフラム110の全周に亘り均一な研摩が可能となる。さらに、テーブル15の回転量を正確に制御することにより、例えば静翼105のように均等間隔で複数個ノズルダイアフラム110に設置されているようなものでは、自動的に各静翼105の全く同じ位置の研摩を略均一に行なうことも可能になる。このように特に3次元形状を有する大形重量物の研磨を機械化することができる。
【0048】
さらに、部品の研磨後の研磨粒は、回収タンク付テーブル18のホッパ19に収集された後、無端コンベア27により所定の高さ位置まで搬送し、この位置からフレキシブルチューブ28を通して研磨ヘッド6へ回収するようにしているので、研磨粒の有効利用を図ることができ、経済的に有利になるばかりでなく、研磨粒の回収と再投入時間を省略することができる。また、新しい研摩粒も、回転テーブル15上の部品取付板20はスノコ状になっているため、作業中でも適宜投入可能である。
【0049】
防塵カバー32は、研摩の際に生じる細かい金属紛や研摩粒に塗布されている研磨材が周囲に飛び散るのを防止するためのものであり、本実施形態における研摩作業には必ずしも必要ではない。また設ける場合にも、材質は帆布製に限らずビニールシートや金属や樹脂製の衝立状のものでも良い。
【0050】
上記第1の実施形態では、1台のマニプレータ5の先端に研磨ヘッド6を全体の旋回と首振り旋回の2軸動作が可能に取付けて回収タンク付テーブル18上のタービン部品を研磨する場合について述べたが、図2に示すように上記と同様の構成のマニプレータ5a及び研磨ヘッド6aを回収タンク付テーブル18に対して90度異なる位置に配設し、2台のマニプレータ5,5a及び研磨ヘッド6,6aにより部品の研磨を同時に行うようにしても良い。このようにすれば、2箇所で同時に同じ位置の研摩を行なうことも、別々の位置の研摩を行なうことも可能となるが、何れにしても作業時間が減少し、大形のタービン部品をさらに効率良く研磨することができる。
【0051】
また、上記実施形態ではマニプレータ5の先端に研磨ヘッド6を設ける構成としたが、このマニプレータに代えて各種市販のロボットのハンド先端に研磨ヘッド6を設ける構成としても前述同様の研磨を実現することが可能である。
【0052】
さらに、上記実施形態では水平を維持した状態で回転する回転テーブル15の上に回収タンク付テーブル18を配設する場合について述べたが、回転テーブル15としては水平型ではなく、少し傾斜角度を持たせた回転テーブルとして、その上に配設される回収タンク付テーブルを研磨ヘッドから噴射される研磨粒が回収可能な構成にしてもよい。
【0053】
なお、上記大型部品の研磨装置においてNCプログラム制御やコンピュータを用いた遠隔制御などによる自動制御が行なえるように、研摩ヘッド6の各モータや回転テーブル5の駆動モータなどを予めパルスモータ等の精密な回転位置制御の可能なモータとすることも可能である。
【0054】
図4は本発明による大型部品の研磨装置の第2の実施形態を示す側面図、図5は同装置の正面図である。
【0055】
図4及び図5において、41は下部にキャスターを設けたリフター付台車で、このリフター付台車41上に研磨装置本体42が搭載されている。
【0056】
この研磨装置本体42は、ケース43内に研磨材として弾性体を核とする研磨粒44を回収する回収タンク45、この回収タンク45内の研磨粒44をその上方の適宜高さ位置へ搬送する垂直搬送ベルト機構46、この垂直搬送ベルト機構46により回収タンク45から上部へ搬送されてきた研磨粒44がガイドベルト機構47を介して供給され、研磨粒44に対して回転エネルギを与えるインペラー48及びこのインペラー48の接線方向から被研磨材の研磨方向を決定して研磨粒44を高速で噴射させる樋状の噴射ノズル49を備えた構成となっている。
【0057】
この場合、ケース43の噴射ノズル49側に対応する板面に開口部を有し、この開口部の上下端に外方に伸びるガイド50が取付けられ、このガイド50の先端には図示しないナイロンブラシが取付けられている。また、ケース43の開口部の下端に取付けられたガイド50に連接しかつ回収タンク45内に向けて傾斜板51が設けられている。
【0058】
なお、垂直搬送ベルト機構46及びガイドベルト機構47は図示しない駆動モータにより駆動され、またインペラー48は図示しない駆動モータにより高速回転駆動される。
【0059】
一方、回転テーブル53は支持部材を介して垂直方向に旋回可能に支持され、回転テーブル駆動機構部52により固定台54上に載置された駆動モータ55の回転を回転テーブル53に伝達機構を介して伝達可能になっている。
【0060】
上記回転テーブル53の板面には、大型部品の1つとしてタービン部品であるノズルダイアフラム110が固定金具56により垂直に把持される。
【0061】
また、57はキャスター付フレームで、このキャスター付フレーム57にはファスナを備えた防塵カバー58が取付けられ、回転テーブル53及びこれに固定されたノズルダイアフラム110を覆うとともに、その出し入れが可能な構成となっている。
【0062】
このような構成の大型部品の研磨装置において、まず回転テーブル53の所定の位置に静翼105が設置されたノズルダイアフラム110を固定金具56により固定する。
【0063】
次に、キャスター付フレーム57を移動させて防塵カバー58により回転テーブル53全体を覆う。
【0064】
さらに、リフター付台車41を移動して研磨装置本体42の噴射ノズル49側の開口部を回転テーブル53側に接近させ、例えば静翼105の下半部側を研磨可能な位置の回転テーブル53の板面に接触させる。もし、ノズルダイアフラム110の外周側を研磨する場合には、図6(a)に示すようにリフターにより研磨装置本体42をノズルダイアフラム110の下部位置にまで下降させ、またノズルダイアフラム110の内周側を研磨する場合には、図7(a)に示すようにノズルダイアフラム110の上部位置に上昇させる。
【0065】
次に垂直搬送ベルト機構46、ガイドベルト機構47及びインペラー48をそれぞれ駆動すると、回収タンク45内の研磨粒44が垂直搬送ベルト機構46により上方へ搬送され、さらに最上部からガイドベルト機構47によりインペラー48に送り込まれる。
【0066】
すると、このインペラー48の回転エネルギにより、研磨粒44がインペラー48の接線方向に強力に噴射し、噴射ノズル49を通してノズルダイアフラム110の表面におよそ分速1000m以上の速度で衝突する。
【0067】
従って、研磨装置本体42が図6(a)に示すように回転テーブル53に固定されたノズルダイアフラム110の下部位置にあるときは、図6(b)に示すようにノズルダイアフラム110のダイアフラム外輪107の内周面及び静翼板の下半分を研磨でき、また研磨装置本体42が図7(a)に示すようにダイアフラム内輪106の内周面及び静翼板の上半分を研磨できる。
【0068】
そして、ノズルダイアフラム110の表面に衝突して研磨を終えた研磨粒44は、下部ガイド50より傾斜板51を滑落して回収タンク45内に回収される。
【0069】
この場合、ガイド50の先端部に設けられたナイロンブラシにより回転テーブル53との間に隙間がないので、研磨粒44の跳ね返りや飛散を防止できる。
【0070】
このように第2の実施形態では、回転テーブル駆動機構部52に支持部材を介して垂直方向に旋回可能に支持された回転テーブル53にノズルダイアフラム110を固定金具56により垂直に把持し、この回転テーブル53を適宜旋回させながらリフター付台車41に搭載された研磨装置本体42の回収タンク45から垂直搬送ベルト機構46により上方へ搬送される研磨粒44を高速回転するインペラー47に供給して噴射ノズル49よりその表面に衝突させるようにしたので、噴射エネルギに大きく影響する噴射ノズル49の形状を大幅に変更することなく大型部品の1つであるノズルダイアフラム110を効率よく研磨することができる。
【0071】
また、研磨装置本体42はリフター付台車41により上昇又は下降させ、噴射ノズル49の噴射口位置及び噴射角度をノズルダイアフラム110の研磨位置に調整可能な構成としたので、研磨の難しい狭隘部や、嵌合部を含めた表面研磨を効率よく、しかも確実に行うことができる。
【0072】
さらに、部品の研磨後の研磨粒は、傾斜板51を滑落させて回収タンク45内に回収するようにしたので、研磨粒の有効利用を図ることができ、経済的に有利になるばかりでなく、研磨材の回収及び再投入時間を省略することができる。
【0073】
図8は本発明による大型部品の研磨装置の第3の実施形態を示す側面図である。
【0074】
図8において、61は下部にキャスターを設けたリフター付台車で、このリフター付台車61上に研磨装置本体62が搭載されている。
【0075】
この研磨装置本体62は、上部に水平方向に伸びる噴射機構収納部63aを有するケース63内に研磨材として弾性体を核とする研磨粒64を収容する内部タンク65、この内部タンク65内の研磨粒64をその上方の適宜高さ位置へ搬送する垂直搬送ベルト機構66、この垂直搬送ベルト機構66により内部タンク65から上部へ搬送されてきた研磨粒64を噴射機構収納部63a側へ搬送する水平搬送ベルト機構67、この水平搬送ベルト機構67に沿ってそれぞれ並列に設けられ、水平方向から供給される研磨粒64に対して回転エネルギを与える2台のインペラー68及びこれら各インペラー68の接線方向から研磨粒64を高速で噴射させる樋状の噴射ノズル69を備えた構成となっている。
【0076】
なお、垂直搬送ベルト機構66及び水平搬送ベルト機構67は図示しない駆動モータにより駆動され、また2台のインペラー68は図示しない駆動モータによりそれぞれ高速回転駆動される。ここで、インペラー68、図示しないインペラ駆動モータ及び噴射ノズル69から構成される部分を噴射機構69aと呼ぶ。
【0077】
一方、70は支持架台で、この支持架台70上に回転テーブル71が水平に軸支され、図示しない駆動モータにより回転駆動されるものである。この回転テーブル71は、中心部より外側の円周方向に複数個の貫通穴72が設けられ、これらの貫通穴72位置近傍に沿ってタービン部品であるノズルダイアフラム110が固定金具73により固定されるようになっている。
【0078】
また、74はキャスター付フレームで、このキャスター付フレーム74には回転テーブル71の下方を覆う研磨粒受部75aを有する回収ホッパ75が取付けられると共に、この回収ホッパ75の出口部に回収タンク76が取付けられている。
【0079】
キャスター付フレーム74には、開口部としてのファスナを備えた防塵カバー77が取付けられ、回転テーブル71及び被加工物であるノズルダイアフラム110全体を覆うとともに、この被加工物の出し入れが可能な構成となっている。
【0080】
さらに、78は研磨装置本体62の近傍に設置される研磨材供給・回収ユニットで、この研磨材供給・回収ユニット78は、供給用ホース79aを研磨装置本体62の内部タンク65に接続して研磨粒64を内部タンク65に供給し、また回収ホース79bをキャスター付フレーム74内に設けられた回収タンク76に接続して回収タンク76から研磨粒64を回収するものである。
【0081】
このような構成の大型部品の研磨装置において、いま回転テーブル71の貫通穴72位置にほぼ沿って大型部品であるノズルダイアフラム110の静翼105が固定金具73により固定される。
【0082】
このような状態でリフター付台車61を移動して研磨装置本体62のケース63に有する噴射機構収納部63aを防塵カバー77で覆われたキャスター付フレーム74内に挿入し、2台のインペラー68及び噴射ノズル69を回転テーブル71側に接近させる。そして、水平搬送ベルト機構67における先端部側の噴射ノズル69の開口部を静翼105の外側(ノズルダイアフラム外輪107の内周側)、その手前の噴射ノズル69の開口部を静翼105の内側(ノズルダイアフラム内輪106の外周側)に向けた状態に調整する。
【0083】
次いで、ノズルダイアフラム外輪107、ノズルダイアフラム内輪106及び静翼105を研磨するため、垂直搬送ベルト機構66、水平搬送ベルト機構67及び2台のインペラー68をそれぞれ駆動すると、内部タンク65内の研磨粒64が垂直搬送ベルト機構66により上方へ搬送され、さらに最上部から水平搬送ベルト機構67に方向転換されて2台のインペラー68にそれぞれ送り込まれる。
【0084】
すると、これら各インペラー68の回転エネルギにより、研磨粒64がインペラー68の接線方向に強力に噴出し、噴射ノズル69を通してノズルダイアフラム外輪107の内周側、ノズルダイアフラム内輪106の外周側及び静翼105の表面におよそ分速1000m以上の速度で衝突する。
【0085】
従って、水平に固定されたノズルダイヤラム110に対して、2台のインペラー68及び噴射ノズル69により、ノズルダイアフラム内輪の外周側及びノズルダイアフラム外輪の内周側サイドウオール及び静翼を同時に研磨することが可能となる。
【0086】
そして、ノズルダイアフラム110の表面に衝突して研磨を終えた研磨粒64は、回転テーブル71に設けられた貫通穴72を通して回収ホッパ75内に落下し、その出口部より回収タンク76内に回収される。
【0087】
この回収タンク76内に回収された研磨粒64は、研磨材供給・回収ユニット78に回収ホース79bを通して回収された後、供給ホース79aを通して研磨装置本体62の内部タンク65内に供給され、前述同様の研磨作業がサイクリック行われる。また、回転テーブル71は被研磨材の研摩状況に応じて順次回転する。すなわち、ノズルダイアフラム110の1枚の静翼105もしくはこの静翼近傍のノズルダイアフラム内輪106外周及びノズルダイアフラム外輪107内周の研摩が終了したならば、ノズルダイアフラム110における静翼105の取付けピッチと同じ角度だけ回転され、次の静翼105が噴射ノズル69の研摩位置にくるように回転される。
【0088】
このように第3の実施形態では、水平を維持する回転テーブル71上に固定されたノズルダイヤラム110に対して、2台のインペラー68及び噴射ノズル69により、ノズルダイアフラム内輪106の外周側及びノズルダイアフラム外輪107の内周側及び静翼105を同時に研磨するようにしたので、噴射ノズル69をインペラー68の接線方向に固定しても大形形状のタービン部品であるノズルダイアフラムを効率よく研磨することができる。
【0089】
また、研磨後の研磨粒は回転テーブル71に設けられた貫通穴72を通して回収ホッパ75に収集され、回収タンク76に回収された後、研磨材供給・回収ユニット78に回収されて再び研磨装置本体62の内部タンク65に供給されるので、研磨粒の有効利用を図ることができ、経済的に有利になるばかりでなく、研磨材の回収及び再投入時間を省略できる。
【0090】
また、被研磨材を載置するテーブルを回転テーブル71としたことにより、噴射ノズル69をノズルダイアフラム110の角度方向に移動することなく全ての静翼105の研摩が可能となる。そのため、研摩粒64の搬送構造など構造が複雑になるインペラ68を周方向に可動構造とする必要がなく、比較的簡単な構造で構成できる。但し、噴射ノズル69は、異なる形状のノズルダイアフラム110が回転テーブル71に載置されることを考慮し、径方向(図8紙面左右方向)には移動できるようになっている。
【0091】
一方、図示しない制御装置に予め1箇所の研摩完了時間と静翼の取付けピッチを入力しておくことにより、回転テーブル71を自動的に一定時間経過後に一定角度回転するような制御を行うことにより1台のノズルダイアフラム110の研摩を全自動で研摩することも可能となる。
【0092】
なお、防塵カバー77は研摩作業中に研摩粒64自体やこの研摩粒64に被着している研磨材及び被研磨材から研摩された金属紛などが周囲に飛散するのを防止するために設けるもので、ビニールシート、帆布製のものや衝立状の板材等、噴射機構収納部63aがこのカバー内部に搬入可能な開口部を設けることができる構造を構成できれば特に限定されない。
【0093】
図9は本発明による大型部品の研磨装置の第4の実施形態を示す鳥瞰図である。
【0094】
図9において、80は回収ホッパを兼ねたベース81上に適宜の距離を存して設置された架台で、これらの架台80上にそれぞれ設けられたローラ支持回転機構82により大型の回転部品であるタービンロータ101が回転可能に支持されている。
【0095】
また、83はタービンロータ101の一側方のベース81上に敷設されたレール84に沿って軸方向に移動可能な車輪付リフター機構で、この車輪付リフター機構83に研磨装置本体85が搭載されている。
【0096】
この研磨装置本体85は、研磨粒に回転エネルギを与える図示しないインペラー及びこのインペラーの接線方向から噴出する研磨粒を図示しない噴射ノズルスライド機構によりタービンロータの半径方向に移動しながら研磨部位であるタービンロータ101の動翼102に向けて噴射する樋状の噴射ノズルを備えている。
【0097】
さらに、86は回収ホッパを兼ねたベース81に回収用チューブ87を介して接続され、動翼102の研磨後に回収ホッパに落下する研磨粒を回収する研磨粒供給・回収ユニットで、この研磨粒供給・回収ユニット86は回収された研磨粒から異物を除去した後、集塵回収器88を経て接続されたフレキシブルチューブ89を通して研磨装置本体85に供給するものである。
【0098】
上記集塵回収器88には、研磨粒供給・回収ユニット86で研摩粒と一緒に回収された異物が分別されて回収されるようになっている。
【0099】
また、90はエアコンプレッサで、このエアコンプレッサ90にはエアレシーバタンク91が接続され、集塵回収器88や研摩粒供給・回収ユニット86へ駆動力の供給を行なうとともに、動翼の研摩終了後には圧縮空気をタービンロータ101や動翼102に吹付けて、これらに付着している研摩粒や研摩粒に付着している研摩材及び研摩による金属紛などを飛散させるようにしている。
【0100】
また、92はタービンロータ101及び研磨装置本体85全体の外周囲部を覆う防塵カバーである。
【0101】
このような構成の大型部品の研磨装置において、動翼を研磨するにはローラ支持回転機構82に水平に載せられた大型の回転部品の1つであるタービンロータ101の研磨部位である動翼102に対して、研磨装置本体85の図示しない噴射ノズルを車輪付リフター機構83及び図示しない噴射ノズルスライド機構により位置決めした後、研磨装置本体85の噴射ノズルより研磨粒をおよそ分速1000m以上の速度で動翼102の研磨面に噴射して衝突させることで研磨する。
【0102】
なお、研磨中にタービンロータ101をゆっくりと回転させることにより、1段落全体(全周)が均一に研摩される。
【0103】
1段落の動翼102の研磨が終わると、車輪付リフター機構83によりレール84上を移動させて研磨装置本体85の噴射ノズルを次段落の動翼102の研磨部位に位置決めした後、前述同様に動翼102の研磨面を研磨する。
【0104】
このように第4の実施形態では、タービンロータ101から1本毎に動翼102を抜き取ることなく、タービンロータ101に植込んだ状態でロータを順次回転させ、且つ研磨装置本体85の噴射ノズル位置をタービンロータの半径方向に移動すると共に、タービン軸方向にも移動させながら研磨するようにしたものである。従って、既設のタービンロータから動翼を抜き取ることなく、研磨することが可能となるため、保守点検時における工事期間を短縮することができる。
【0105】
また、研磨後の研磨粒はホッパに回収され、研磨粒供給・回収ユニット86に回収された後、再び研磨装置本体85に供給されるので、研磨粒の有効利用を図ることができ、経済的に有利なばかりでなく、研磨粒の回収と再投入時間を省略することができる。
【0106】
さらに、噴射ノズルの位置を自由に変えられる構造とすることで、既設タービンロータを研磨する際に任意の位置に容易にアクセスすることが可能となるため、さらに効率よく研磨作業の段取りが可能となる。
【0107】
上記実施形態では、大型の回転部品であるタービンロータ101の一側方に研磨装置本体85を設ける場合について述べたが、タービンロータ101を挟んでその両側にキャスター構造の移動台車に搭載された研磨装置本体85を配置し、噴射ノズルの位置をトラバースすることなく、研磨装置本体84を台車上にて所定の動翼位置に位置決めしてそれぞれ噴射担当エリアを同時に研磨するようにしてもよい。
【0108】
このような構成とすれば、上記の効果に加えてシンプルな構成と段取りで効率よく研磨することが可能となる。
【0109】
また、上記実施形態では、大型部品の研磨装置全体を工場などに設置する場合であるが、前述した研磨装置及びその周辺設備機器を図10に示すようにトレーラ93に常備することにより、現地でのタービンロータ101の研摩作業が行えるようにしてもよい。
【0110】
このような構成とすれば、段取り時間を最小限にできると共に、現地における補修エリアのスペースを最小限にでき、さらに効率よく研磨作業が可能となるため、既設タービンロータの補修点検工期を短縮することができる。特に中・小型のタービンロータに対しては有効である。
【0111】
なお、上述した各実施形態では、1種類の研磨粒を用いたが、2種類以上の研磨粒を備え、これらの研磨粒を被研磨部品に応じて切替えて噴射可能な構成とすることにより、表面状態の傷の大小や劣化度合あるいは酸化スケールの有無等に応じて研磨粒の大きさや材質を変更するようにしてもよい。
【0112】
このようにすれば、表面状態に応じた研磨粒を短時間に切替えることが可能となるため、極めて効率のよい研磨作業を行うことができる。さらに、第1の実施形態から第4の実施形態の各実施形態においては、ノズルダイアフラムやタービンロータを被研磨材として説明しているが、本研摩装置においてはこれらのタービン部品に限らず、各実施形態で説明した回転テーブルや回転機構に載置できる形状の部品であれば何でも良く、特に限定されるものではない。
【0113】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、大型の部品であるタービンノズルや動翼及び大型の回転部品であるタービンロータなどの研磨の難しい狭隘部、嵌合部を含めた表面研磨が可能になり、長時間、悪環境下の研磨作業を機械化すると共に、表面粗さを低下させることなく酸化皮膜を除去できるので、非破壊検査の品質向上や研磨作業効率を図ることができる大型部品の研磨装置及び研摩方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による大型部品の研磨装置の第1の実施形態を示す正面図。
【図2】同実施形態の平面図。
【図3】(a)は同実施形態における噴射ヘッド部分を示す図1のA−Aから見た側面図、(b)は同じく噴射ヘッド部分を90度回転させた状態を示す図。
【図4】本発明による大型部品の研磨装置の第2の実施形態を示す側面図。
【図5】同実施形態の正面図。
【図6】(a)は同実施形態における研磨装置本体を静翼の下部位置にまで下降させ、ノズルダイアフラム外輪内周部及び静翼板の下半分を研磨する状態を示す図、(b)は(a)のA部を拡大して示す図。
【図7】(a)は同じく研磨装置本体を静翼の上部位置にまで上昇させ、ノズルダイアフラム内輪外周部及び静翼の上半分を研磨する状態を示す図、(b)は(a)のB部を拡大して示す図。
【図8】本発明による大型部品の研磨装置の第3の実施形態を示す側面図。
【図9】本発明による大型部品の研磨装置の第4の実施形態を示す鳥瞰図。
【図10】同実施形態の変形例を示す鳥瞰図。
【図11】タービンロータの全体を概略的に示す鳥瞰図。
【図12】図11の1段落部を断面して示す詳細図。
【図13】(a)は静翼を示す平面図、(b)は(a)の静翼周方向断面から見た図。
【符号の説明】
1…移動台車、2…レール、3…スタンド、4…マニプレータ支持部、5…マニプレータ、6…研磨ヘッド、7…ブラケット、8…水平旋回駆動モータ、9…附仰駆動モータ、10…ケース、11…インペラー駆動モータ、12…インペラー、13…回収ヘッド、14…噴射ノズル、15…回転テーブル、16…脚部、17…駆動モータ、18…回収タンク付テーブル、19…ホッパ、20…部品取付板、21…出口部、22…ダクト、23…支持部材、24…ガイド輪、25…駆動輪、26…ガイドローラ、27…無端コンベア、28…フレキシブルチューブ、29…出口部、30…集塵回収器、31…吸引パイプ、32…防塵カバー、41…リフター付台車、42…研磨装置本体、43…ケース、44…研磨粒、45…回収タンク、46…垂直搬送ベルト機構、47…ガイドベルト機構、48…インペラー、49…噴射ノズル、50…ガイド、51…傾斜板、52…回転テーブル駆動機構部、53…回転テーブル、54…固定台、55…駆動モータ、56…固定金具、57…キャスター付フレーム、58…防塵カバー、61…リフター付台車、62…研磨装置本体、63…ケース、64…研磨粒、65…内部タンク、66…垂直搬送ベルト機構、67…水平搬送ベルト機構、68…インペラー、69…噴射ノズル、69a…噴射機構、70…支持架台、71…回転テーブル、72…貫通穴、73…固定金具、74…キャスター付フレーム、75…回収ホッパ、76…回収タンク、77…防塵カバー、78…研磨材供給・回収ユニット、79a…供給用ホース、79b…回収ホース、80…架台、81…ベース、82…ローラ支持回転機構、83…車輪付リフター機構、84…レール、85…研磨装置本体、86…研磨材供給・回収ユニット、87…回収用チューブ、88…集塵回収器、89…フレキシブルチューブ、90…エアコンプレッサ、91…エアレシーバタンク、92…防塵カバー、93…トレーラ、94…研摩粒流れ。

Claims (8)

  1. 研磨材として弾性体を核とする研磨粒を予め決められた速度で噴射し、該研磨粒を大型部品の被研磨面に衝突させて研磨する大型部品の研磨装置において、
    所定の個所に大型部品が保持され且つ回転可能に軸支されると共に駆動モータにより回転駆動される回転テーブルと、前記研磨粒を所定の個所に供給する研磨材供給手段と、少なくともインペラー駆動モータにより回転駆動され前記研磨材供給手段より供給される研磨粒に回転エネルギを与えるインペラーと、このインペラーの接線方向から前記研磨粒を前記回転テーブルに保持された大型部品の被研磨面に向けて噴射する噴射ノズルを備えた研磨装置本体と、この研磨装置本体より前記大型部品の研磨に噴射された研磨粒を回収して前記研磨材供給手段に再び送り込む研磨材回収手段とを備えたことを特徴とする大型部品の研磨装置。
  2. 請求項1記載の大型部品の研磨装置において、
    前記回転テーブルは、水平状態で軸支されるとともに駆動モータにより回転駆動され、前記研磨装置本体は、水平方向及び垂直方向に移動可能なマニプレータとこのマニプレータに前記インペラーおよび噴射ノズルを格納する研磨ヘッドが水平旋回可能に且つ首振り可能に設置されて構成されたことを特徴とする大型部品の研磨装置。
  3. 請求項1記載の大型部品の研磨装置において、
    前記回転テーブルは、垂直状態で軸支されるとともに駆動モータにより回転駆動され、前記研磨装置本体は、昇降移動可能な台車に搭載され、該台車の昇降移動により前記インペラー及び噴射ヘッドの噴射口位置と噴射角度を前記回転テーブルに取付けられた大型部品の研磨位置に調整可能に構成されたことを特徴とする大型部品の研磨装置。
  4. 請求項1記載の大型部品の研磨装置において、
    前記回転テーブルは、水平状態で軸支されるとともに駆動モータにより回転駆動され、前記研磨装置本体は、前記インペラーおよび噴射ノズルからなる噴射機構を異なる位置に複数台備えるとともに、これらを前記回転テーブル上部に導く噴射機構収納部から構成されたことを特徴とする大型部品の研磨装置。
  5. 研磨材として弾性体を核とする研磨粒を予め決められた速度で噴射し、該研磨粒を大型部品の被研磨面に衝突させて研磨する大型部品の研磨装置において、
    架台上にそれぞれ設けられ回転部品を回転可能に支持すると共に駆動モータにより回転駆動されるローラ支持回転機構と、前記研磨粒を所定の個所に供給する研磨材供給手段と、前記回転部品の一側方に軸方向に移動可能に配設され、且つ前記研磨材供給手段より供給される研磨材に回転エネルギを与えるインペラー及びこのインペラーの接線方向から回転部品の半径方向に移動しながら研磨材を噴射する噴射ノズルを備えた研磨装置本体と、この研磨装置本体より前記回転部品の研磨に供された研磨粒を回収して前記研磨材供給手段に送り込む研磨材回収手段とを備えたことを特徴とする大型部品の研磨装置。
  6. 請求項5記載の大型部品の研磨装置において、
    前記ローラ支持回転機構、研磨材供給手段及び研磨装置本体を自走可能な大型輸送車内に常備し、この輸送車毎目的場所へ移動して前記回転部品を研磨可能にしたことを特徴とする大型部品の研磨装置。
  7. 研磨材として弾性体を核とする研磨粒を予め決められた速度で噴射し、該研磨粒を大型部品の被研磨面に衝突させて研磨する大型部品の研磨方法において、
    被研磨材である大型部品を予め決められた位置に載置する工程と、
    この載置された大型部品を回転させる工程と、
    前記研磨粒を一時的に貯留する研磨粒貯留工程と、
    前記研磨粒貯留工程から供給される研磨粒を離れた位置から前記大型部品に衝突させるために前記研磨粒に機械的なエネルギを与える工程と、
    前記エネルギを与えられた研磨粒を線状に途切れなく飛ばす工程と、
    前記飛ばされた研磨粒が前記大型部品の目的とする位置に当たるようにその飛行方向を制御する工程と、
    前記載置する工程から落下する研磨が終了した後の研磨粒を再度収集する研磨材回収工程と、
    前記研磨材回収工程で回収された研磨粒を再度前記研磨粒貯留工程に送る研磨粒搬送工程と、
    からなることを特徴とする大型部品の研磨方法。
  8. 請求項1又は請求項5記載の研磨装置を用いて大型部品を研磨する大型部品の研磨方法。
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