JP2004223491A - 土壌浄化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】汚染域の洗浄効果が優れた土壌浄化方法を提供する。
【解決手段】(イ)土壌中に注水トレンチと揚水トレンチを設け、脈動を与えながら洗浄水を注水トレンチの壁面から土壌中に放水して、注水トレンチと揚水トレンチの間の汚染域に洗浄水を流し、汚染域を経由した洗浄水を揚水トレンチから汲み上げて洗浄水を浄化処理するトレンチを利用した処理方法と、(ロ)汚染域に達する掘削孔を形成し、この掘削孔にノズルを備えた回転軸を挿入し、回転軸を通じてノズルから水と空気を高圧で噴射して周囲の汚染土壌を掘削し、掘削した汚染土壌を上記掘削孔を通じて排出し、排出した汚染土壌を浄化処理する高圧掘削による処理方法とを併用することを特徴とする土壌浄化方法。
【選択図】 図1
【解決手段】(イ)土壌中に注水トレンチと揚水トレンチを設け、脈動を与えながら洗浄水を注水トレンチの壁面から土壌中に放水して、注水トレンチと揚水トレンチの間の汚染域に洗浄水を流し、汚染域を経由した洗浄水を揚水トレンチから汲み上げて洗浄水を浄化処理するトレンチを利用した処理方法と、(ロ)汚染域に達する掘削孔を形成し、この掘削孔にノズルを備えた回転軸を挿入し、回転軸を通じてノズルから水と空気を高圧で噴射して周囲の汚染土壌を掘削し、掘削した汚染土壌を上記掘削孔を通じて排出し、排出した汚染土壌を浄化処理する高圧掘削による処理方法とを併用することを特徴とする土壌浄化方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトレンチ工法による土壌浄化方法に関する。より詳しくは、浄化処理する土壌にトレンチを施工し、このトレンチの壁面を通じて脈動を与えながら洗浄水を土壌中に流すことによって汚染域を効果的にかつ未処理部分を残すことなく洗浄する土壌浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
汚染土壌の浄化方法として従来から各種の処理方法が知られている。例えば、(イ)汚染土壌中に設けた削孔を通じて洗浄水を土中に噴射し、この噴射圧によって掘削した汚染土壌を水の還流によって地上に排出し、浄化処理する方法(特開2001−162262)、(ロ)汚染域を囲むように複数の注水井と揚水井とを設け、注水井を通じて洗浄水を汚染土壌中に注水し、汚染域を経由した洗浄水を揚水井によって地上に汲み上げて浄化処理し、これを再び注水井を通じて土中に戻す浄化方法(特開平10−277531号)、(ハ)揚水井戸を通じて汲上げた地下水を加熱し、注水井戸を通じて加熱地下水を汚染域に送り込み、土壌中の有害物質の気化を促進させる浄化方法(特開平9−174034号)、(ニ)汚染域の下流側に設けた揚水井戸を通じて汚染地下水を汲み上げ、地上で浄化処理した水を上流側の注水井戸を通じて土中に戻し、この浄化水が汚染域を流れることよって汚染域を洗浄し、再び揚水して浄化処理するサイクルを繰り返す浄化方法(特開平8−323338号)などが知られている。
【0003】
さらに、(ホ)汚染域に複数本の散水井戸を掘削し、この井戸にウオータジェット装置を挿入し、乳化材を含む清浄水を散水井戸から土壌中に噴射して汚染土を粉砕しながら散水して土壌を浄化する方法(特許第2755083号)が知られており、また(ヘ)地下水面より深く止水壁を設け、止水壁で囲まれた領域に注水孔と揚水孔を掘削し、注水孔から水を導入して地下水位を上昇させて汚染域を洗浄すると共に注水孔から揚水孔に向かう地下水流を発生させ、汚染物質を含む地下水を揚水孔から汲み上げて汚染物質を除去した後に注水孔を通じて再び地下水を土中に戻す浄化方法(特許第3191132号)が知られている。
【0004】
しかし、汚染域を水洗処理する従来の上記土壌浄化方法(イ)〜(ニ)は、何れも汚染域に多数の注水井ないし揚水井を設け、これらの井戸を通じて浄化水を注揚水する処理方法であるため、汚染域全体に洗浄水が流れるようにするためには多数の注水井や揚水井を必要とする。しかも、汚染域に対して注水場所が点状であるため、井戸を多数設けても井戸から流出される洗浄水が汚染域に均一に拡散するのが難しく、汚染域を通過する洗浄水や地下水の流束密度が一定とならず、洗浄終了までに要する時間が、最低流束密度の汚染域に時間に律速されると云う問題がある。また、ウオータジェットによって汚染土壌を掘削する従来の方法は浄化後の埋め戻しに負担がかかる。
【0005】
さらに、上記(ホ)のように地表面から洗浄水を土中に浸透させる方法では、汚染部位にまで水が拡散して浸透する時間が処理時間の律速となり、処理効率を高めるために揚水井戸からの汲み上げ水量を多くすると、地下水位が揚水井に向かって勾配を有するようになるため、洗浄水の流束が揚水井に向かって偏り、揚水井から離れた地点では未洗浄部分が残るという問題を生じる。また、上記(ヘ)の方法では、洗浄水の流束は個々の注水井から個々の揚水井に向かって流れるが、その向きと流速は井戸の位置関係によって定まるので均一ではなく、そのため洗浄部位と洗浄速度が流束密度の低い部分の洗浄速度によって律速されるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は土壌の汚染域に洗浄水を流して浄化する処理方法において、従来方法の上記問題を解決したものであり、浄化処理する土壌にトレンチを施工し、このトレンチの壁面を通じて脈動を与えながら洗浄水を土壌中に流すことによって汚染域を効果的にかつ未処理部分を残すことなく洗浄する処理方法と、汚染土壌に水などを高圧噴射して掘削し、この掘削土壌を地表に排出して浄化処理する方法とを併用することによって洗浄効果を飛躍的に高めた土壌浄化方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決する手段】
すなわち、本発明は、(1)(イ)土壌中に注水トレンチと揚水トレンチを設け、脈動を与えながら洗浄水を注水トレンチの壁面から土壌中に放水して、注水トレンチと揚水トレンチの間の汚染域に洗浄水を流し、汚染域を経由した洗浄水を揚水トレンチから汲み上げて洗浄水を浄化処理するトレンチを利用した処理方法と、(ロ)汚染域に達する掘削孔を形成し、この掘削孔にノズルを備えた回転軸を挿入し、回転軸を通じてノズルから水と空気を高圧で噴射して周囲の汚染土壌を掘削し、掘削した汚染土壌を上記掘削孔を通じて排出し、排出した汚染土壌を浄化処理する高圧掘削による処理方法とを併用することを特徴とする土壌浄化方法に関する。
【0008】
本発明の上記土壌浄化方法は、(2)汚染域を囲む遮水壁を設け、遮水壁で囲まれた領域の上流側に注水トレンチを設けると共に下流側に揚水トレンチを設け、各トレンチは地下の難透水層に達する深さに掘削し、各トレンチの外周壁を遮水壁によって形成する一方、トレンチ内壁の上側部分を遮水壁とし、また下側部分を透水性壁面によって形成し、脈動を与えられて注水トレンチの下部透水性内壁面から放水され、汚染域を流れた洗浄水を揚水トレンチから揚水して浄化処理する土壌浄化方法、(3)注水トレンチの透水性内壁面底部から上部遮水壁の任意の高さまで透水材料を充填すると共にその上側に還元材料を含む砂材を充填して注水トレンチに上部還元水生成層と下部透水層とを形成し、上部還元水生成層に供給された洗浄水が還元性を有して下部透水層に流下し、還元性の洗浄水が土壌中に放水される土壌浄化方法、(4)注水トレンチの下側に、上向きに加圧水を放水する管路を横設し、汚染物質の下方への拡散を抑止する土壌浄化方法、および(5)注水トレンチの側方に、注水トレンチと異なる向きに第2注水トレンチを設け、両トレンチから放水される洗浄水の脈動を干渉させて脈動を増幅させることによって洗浄効果を高める土壌浄化方法を含む。
【0009】
さらに、本発明の上記土壌浄化方法は、(6)高圧掘削による処理方法において、複数のノズルを軸長に沿って間隔をあけて設けた回転軸を用い、一方のノズルから水と空気を高庄で噴射し、他方のノズルから浄化した土壌を噴射させて掘削空間の埋め戻しを行う土壌浄化方法、(7)高圧掘削による処理方法において、汚染域の下部に達する掘削孔を形成し、掘削孔の下部まで回転軸を挿入し、回転軸を徐々に引き上げながら、上側のノズルから水と空気を高庄で噴射して周囲の汚染土壌を掘削し、下側のノズルから浄化した土壌を噴射させて掘削空間の埋め戻しを行う土壌浄化方法を含む。
【0010】
さらに、本発明の上記土壌浄化方法は、(8)回転軸から噴射される水に代えて抽出溶液を用いる土壌浄化方法、(9)注水トレンチ、第2注水トレンチ、および注水トレンチ下方の管路の少なくとも何れか一つから放水される水に代えて抽出溶液を用いる土壌浄化方法、(10)抽出溶液がキレート剤、酸、アルカリ、塩から選ばれた少なくとも一種を含む水溶液である土壌浄化方法、(11)抽出溶液がリン酸またはリン酸塩である(但し、上記(3)の場合を除く)の土壌浄化方法を含む。
【0011】
本発明の土壌浄化方法は、注水トレンチの壁面から洗浄水が放水されるので、従来の注水井戸用いた場合と異なり、放水面が広く、汚染域に対して洗浄水を均一に流すことができる。さらに、単なる加圧放水とは異なり、洗浄水に脈動を与えて放水するので、汚染域の洗浄効果が優れる。また、放水面が広いので脈動を与える効果が大きい。さらに、注水トレンチの上部に還元水生成層を形成し、還元性の洗浄水を下部透水層から土壌中に放水することによって、土壌中の汚染物質である六価クロムなどが還元されて無害化される。この他に、水位測定孔を設け、測定水位に基づいて注水量ないし揚水量を制御することによって土壌中の汚染域を流れる洗浄水の水位を適正に保ち、洗浄効果を高めることができる。また、注水トレンチの下側に、上向きに加圧水を放水する管路を水平方向に設けることによって、汚染物質の下方への拡散を抑止し、注水トレンチの側方に、注水トレンチと異なる向きに第2注水トレンチを設け、両トレンチから放水される洗浄水の脈動を干渉させて脈動を増幅させることによって洗浄効果を高めることができる。
【0012】
さらに、本発明の土壌浄化方法は、汚染域に水等を高圧噴射して掘削し、これを外部に排出して浄化処理する方法を併用するので、汚染域を集中的に浄化することができ、浄化効率が良い。また、汚染域周囲の汚染されていない領域は掘削しないので負担が少ない。従来、汚染土壌を浄化する一般的な方法として、汚染土壌を掘り起こし、掘り起こした汚染土壌中の汚染物質を除去する方法が実施されているが、この方法では、浄化する必要のない未汚染土壊まで掘り起こすため負担が大きい。さらに、従来の方法では埋め戻しが面倒である。一方、本発明の浄化方法では汚染域の掘削と埋め戻しを一体に行うことができるので、処理効率が良い。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の土壌浄化方法について図面を参照して具体的に説明する。図1は注水トレンチおよび揚水トレンチなどの配置を示す模式平面図、図2にはその模式縦断面図、図3は注水トレンチの下側に加圧水供給管路を設けた配置を示す模式縦断面図、図4は注水トレンチに対して第2注水トレンチを設けた構成例を示す模式平面図である。
【0014】
図示する本発明の土壌浄化システムは、汚染域Aを囲むように遮水壁10を設け、遮水壁10で囲まれた領域の上流側に注水トレンチ11を設けると共に下流側に揚水トレンチ12が設けられている。注水トレンチ11と揚水トレンチ12は両側の遮水壁10に沿って細長く形成されており、汚染域Aをはさんで相対向して設置されている。各トレンチ11、12は地下の難透水層20に達する深さに掘削されており、トレンチ11、12の外周は遮水壁10によって囲まれている。また、各トレンチ11、12の内壁の上側部分は遮水壁10によって形成されており、その下側部分は透水性壁面によって形成されている。
【0015】
具体的には、例えば、注水トレンチ11の内壁の上側部分は遮水性のコンクリート壁などによって形成されており、注水トレンチ11の下側部分には砕石や砂利などの透水材料が充填され、この透水材料が内壁下部の壁面を形成している。さらに、好ましくは、注水トレンチ11の底部から上部遮水壁の任意の高さまで透水材料を充填して下部透水層13が形成され、さらにその上側に還元材料を含む砂材を充填して上部還元水生成層14が形成されている。なお、施工場所を遮水壁10によって囲めば洗浄水が施工域外に拡散するのを防止できるので、汚染域の洗浄効果が向上するが、施工場所の条件によっては遮水壁10を一部だけに設けても良く、あるいは設けなくても良い。
【0016】
一方、揚水トレンチ12の上側部分は遮水性のコンクリート壁などによって形成されており、内壁下部は多数の通孔を有する透水性のコンクリート壁によって形成されている。また、揚水トレンチ12の底部には揚水ポンプ15が設置されている。
【0017】
注水トレンチ11および揚水トレンチ12は鋼矢板で挟んだ構造もしくは鋼管杭を連結した構造でも良い。トレンチ部分の洗浄水が容易に移動できる構造であって、外周部分が遮水性壁面によって形成されており、所定の深度に通水用の孔ないしストレーナーを施工できる構造であれば良い。この外周遮水壁によって洗浄を行う汚染域の地下水とその周囲の地下水との混合を抑止する。難透水層(粘土層等)まで、あるいは洗浄対象深度より十分深い深度まで外周遮水壁を打ち込むのが好ましい。また、内壁上部の遮水壁は洗浄を行う深度より上側への漏水を防止し、かつ洗浄水の注水側水頭圧を維持するために、地上部から土中の洗浄域に入り込む程度の深度まで打ち込むのが好ましい。この、内壁上部の遮水壁の高さを調整することによって、汚染域に対して集中的に洗浄水が流れるように制御することができる。
【0018】
注水トレンチ11には洗浄水の注水管路16が接続しており、注水バルブ17が装着されている。一方、揚水トレンチ12には汲み上げた洗浄水を処理設備(図示せず)に導く揚水管路18が接続している。注水トレンチ11には水圧を変動して脈動を与えた洗浄水が管路16を通じて導入される。洗浄水に与える脈動の水圧および周期は汚染域の状況によって設定される。一般的には、水圧は0.1〜0.8気圧、脈動周期は1回/日から数十回/日が適当である。このような脈動を30〜300日程度継続して注水することによって浄化効果を高めることができる。水圧が低いと洗浄水の注水量が低下して土壌の洗浄効率が著しく低下する。一方、水圧が高すぎると注水井の地面からの抜け上がりや地表面への浸水が場所によって生じる。また、脈動周期が1回/日より少なくと通常の地下水流による洗浄効果と変わらず、一方、周期が数十回/日より多くても注水量が増加する割には洗浄効果が上がらず、排水処理の負担のみが増すことになる。
【0019】
なお、洗浄水の脈動が失われないように注水トレンチ11には蓋を設けて密閉し、水面の上方に隙間が生じ無いように洗浄水を満たすのが好ましい。脈動を与えられた洗浄水は管路16を通じて注水トレンチ11に供給され、下部透水性内壁面から土中に放水され、注水トレンチ11と揚水トレンチ12の間に位置する汚染域を流れてポンプ15によって揚水トレンチ12から地上に揚水され、管路18を通じて処理設備に送られ、洗浄水に含まれる汚染物質が処理設備で除去される。
【0020】
下部透水層13の上側に還元水生成層14を形成した注水トレンチ11においては、注水トレンチ11に供給された洗浄水がこの層14を通過することによって酸化還元電位の低い水に変えられる。この還元性を有する洗浄水が還元性を有して下部透水層に流下し、還元性の洗浄水が土壌中に放水される注水トレンチ11の下部に浸透して透水層13から土中に放水される。この還元性洗浄水によって、還元作用により安定化する物質、例えば六価クロムなどは3価クロムに変わり、安定化する。この3価クロムを含む洗浄水は揚水トレンチ12を通じて地上の処理設備に導かれ、3価クロムが洗浄水から分離除去される。還元水生成層14は砂や不織布等を充填した部分に還元剤(鉄粉、銅粉、黄鉄鉱粉等)を添加して形成することができる。鉄粉の添加量は5%程度で良い。
【0021】
なお、従来、鉄粉や鉄化合物を硅砂等に混合した物、あるいはコロイド状還元材などを掘削土に加えて安定化する方法、これらの材料を土壌中に抗状に打設する方法、液体と一緒に土壌中に圧入する方法などが知られている。これらは鉄等の投入により、有機系化合物を還元分解し、また重金属系化合物を安定化することによって土壌を浄化する方法であるが、これらの方法において土壌への鉄の投入量は最低でも数%以上が必要であり、条件によっては、地下水中の鉄濃度が高くなって赤水等の問題を引き起こす原因となる。一般に鉄の使用量は水道水水質基準では0.3mg/Lに定められており、過剰の鉄類の投入は好ましくない。
【0022】
本発明の土壌浄化方法では、鉄粉や鉄化合物を直接に土中に投入するのではなく、注水トレンチ上部で洗浄水を鉄粉等の還元材に接触させて少量の鉄粉を洗浄水に溶解させ、この少量の鉄による還元力を利用する。因みに、カラム試験の結果では、洗浄水中の鉄濃度は0.3mg/L以下である。また、浄化処理した後は注水トレンチ上部の還元水生成層を容易に撤去できるので、地下水への過剰な鉄の流出はなく、施工後も長期的な環境保全を図ることができる。さらに、土壌中の六価クロムを還元して効果的に除去するため、注水量を低減することができる。具体的には、例えば約0.5mg/Lの六価クロム濃度の汚染域に還元水生成層(5%Fe粉+硅砂混合層)を通過させた洗浄水を通水させることによって、六価クロム濃度を0.02mg/Lまで低減させることができる。
【0023】
図示する土壌浄化システムでは、注水トレンチ11と揚水トレンチ12の間に水位測定孔31、32が設けられている。なお、水位の勾配を測定できるように一方の水位測定孔31は上流側の注水トレンチ11の近傍に設けられており、他方の水位測定孔32は下流側の揚水トレンチ12の近傍に設けられている。この水位測定孔31、32および注水トレンチ11と揚水トレンチ12の内部に水位測定センターを設け、地下水位のモニタリングを行う。
【0024】
さらに、水位測定センターと注水バルブ17および揚水ポンプ15を結ぶ水位制御ユニット33が形成されている。この制御系33は水位センサーの情報に基づいて注水バルブ17および揚水ポンプ15の運転を制御し、上流側と下流側の水位を目的の範囲に保ち、汚染域に洗浄水か適切に流れるように自動制御する。注水トレンチ11の水位センサーや上流側水位測定孔の水位センサーの測定値が所定水位より低い場合には注水バルブ17を開いて注水を行い、あるいは揚水ポンプ15を停止する。一方、所定水位より高い場合には注水バルブ17を閉じ、または揚水ポンプ15を稼動させる。下流側の水位が所定範囲から外れる場合にも同様の操作によって水位が所定範囲内に保たれる。
【0025】
図3は、注水トレンチ11の下側に加圧水を放水する管路34を横設し、汚染物質の下方への拡散を抑止した構成例である。管路34は上向きに加圧水を放水するように水平方向に横設されており、上向きの放水孔が多数設けられている。この管路34は水平方向に複数本並べて設置しても良い。図示する例では、管路34は難透水層20の下側の透水層に配設されており、難透水層20を漏水してくる地下水が下方に拡散するのを抑止する。
【0026】
図4は注水トレンチ11の側方に、注水トレンチと異なる向きに第2注水トレンチ40を設けた構成例である。第2注水トレンチ40は外周の遮水壁10に沿って設けられており、上記注水トレンチ11と同様の構造を有している。この構造においては、両側のトレンチ11、40から放水される洗浄水の脈動が増幅するように脈動を干渉させることによって、全体の注水量を増加せずに洗浄効果を高めることができる。
【0027】
本発明の土壌浄化方法は、以上のトレンチを利用した処理方法と、水と空気を高圧噴射して汚染域を掘削し、掘削した汚染土壌を外部に排出して浄化処理する高圧掘削による処理方法とを併用する土壌浄化方法である。この高圧噴射による処理方法の概略を図5〜図8に示す。
【0028】
図5に示すように、高圧掘削処理に用いる土壌浄化装置120は、駆動部121、掘削部122、供給部123、掘削した土砂を排出するためのポンプ103を備えており、さらに、切削した土砂に含まれる汚染物質の抽出処理を行う抽出処理手段(図示省略)と、切削土砂を液体と浄化土壊とに分離する固液分離手段(図示省略)とを備えている。
【0029】
上記掘削部122は回転軸122cと回転軸122cに設けたノズルを有している。図示する例では、回転軸122cの軸長に沿って間隔をあけて設けられた上側ノズル122aと、下側ノズル122bの2組のノズルが設けられている。上側ノズル122aは水と空気を高圧で噴射して周囲の汚染土壌を掘削するためのものであり、下側ノズル122bは浄化した土壌を噴射して埋め戻しを行うためのものである。回転軸122cはパイプによって形成されており、その内部に高圧水等および浄化土壌を各々のノズルに供給する管路が形成されている。なお、回転軸122cはその先端にボーリング用ビットなどの掘削手段(図示省略)を有するものが好ましい。駆動部21はモータなどによって回転軸122cを回転させる。供給部123は上側ノズル122aから高圧で噴射される水および空気、下側ノズル122bから噴射される浄化土壌を供給する部分である。
【0030】
図5に示すように、土壌浄化装置120の回転軸122cを回転させて、上側ノズル122aが汚染土壌101の下端101bに達する探さまで掘削孔104を形成する。掘削孔104は上記注水トレンチと揚水トレンチの間であって、汚染域に達する位置に形成される。なお、回転軸122cの先端に掘削手段を有しない場合には、ボーリング装置によって汚染土壌の下側まで掘削孔104を形成した後に、この掘削孔104の底部まで回転軸を挿入する。掘削手段を有する回転軸を用いれば掘削孔の形成と回転軸の挿入を同時に行うことができる。
【0031】
続いて、水と空気を回転軸122cの管内に供給し、回転軸122cを徐々に上昇させ、図6に示すように、回転軸122cを回転させながら水と空気と上側ノズル122aから高圧で噴射して周囲の汚染土壊101を局所的に掘削する。このとき、汚染土壌101は細かく破砕されて水中に分散された状態になる。掘削された汚染土壌101は水と共にスラリーの状態で掘削孔104を通じて地表近くに排出され、ポンプ3によって外部に排出される。
【0032】
汚染土壌101の掘削を進め、その掘削状況に応じた速度で回転軸122cを徐々に上昇させて、下側ノズル122bが汚染土壌の下端に達する探さ、すなわち掘削空間105の底部に達する探さに達した段階で、図7に示すように、掘削空間105の埋め戻しを開始する。この埋め戻しには、外部に排出した汚染土壌101を浄化して得られた浄化土壌を用いると良い。
【0033】
このように、上側ノズル122aによる汚染土壌101の掘削を進めながら、下側ノズル122bによる掘削空間105の埋め戻しを進め、汚染土壌101の掘削状況に応じた速度で回転軸122cを次第に上昇させて、上側ノズル122aが汚染土壌101の上端101aに達した段階で汚染土壌101の掘削を終了する。引き続き、下側ノズル122bによる掘削空間105の埋め戻しのみを進め、埋め戻し状況に応じた速度で回転軸122cをさらに上昇させて、図8に示すように、下側ノズル122bが汚染土壌101の上端101a、すなわち掘削空間5の天井部に達した段階で掘削空間105の埋め戻しを終了する。その後、回転軸122cをさらに上昇させて、掘削孔104の埋め戻しを行なって汚染土壌101の浄化を終了する。
【0034】
一方、外部に排出された汚染土壌101cは、例えば抽出溶液と混合して浄化処理を行う。使用する抽出溶液は汚染土壌に含まれている汚染物質に対して抽出作用を有する溶液であれば良い。具体的には、キレート剤、酸、アルカリ、塩から選ばれた少なくとも1種を含む水溶液などを用いることができる。この抽出溶液は汚染土壌に含まれている汚染物質に応じて定めれば良い。因みに、アルカリ金属塩、ハロゲン化アルカリ土類金属塩、ハロゲン水素酸、キレート剤などを汚染物質の種類に応じて単独にまたは組み合わせて用いることにより、40〜90%、好ましくは90%以上の浄化効果を得ることができる。
【0035】
例えば、汚染物質が、Cd2+、Pd2+、Zn2+、Cu2+などの重金属陽イオンである場合、抽出溶液はpH3〜5程度の酸と錯塩(C1−、EDTA、クエン酸)との混合溶液を用いると良い。この場合、酸と錯塩とを混合して使用してもよく、あるいは酸と錯塩を別々に使用してもよい。具体的には、例えば、掘削した汚染土壌101cのスラリーに錯塩を所定の割合で添加し、混合しながら酸を加えてpHを3〜5に調整する。
【0036】
また、汚染土壌に含まれている汚染物質が、クロム酸、亜ヒ酸、ヒ酸、セレン酸、亜セレン酸などの重金属陰イオンである場合には、抽出溶液としてpH1程度の酸、またはpHll以上のアルカリ溶液を使用すると良い。汚染土壌に含まれている汚染物質が水銀である場合には、抽出溶液としてI2とI−の混合溶液を使用すると良い。なお、抽出溶液として酸または塩を用いる場合にはリン酸ないしリン酸塩を用いることによって土壌洗浄効果を高めることができる。
【0037】
以上のように、回転軸のノズルから水と空気を高圧で噴射して周囲の汚染土壌を掘削し、これを外部に排出し、抽出溶液と混合して土壌浄化処理する方法において、回転軸から噴射される水に代えて抽出溶液を用いることができる。また、注水トレンチ、第2注水トレンチ、および注水トレンチ下方の管路の少なくとも何れか一つから放水される水に代えて抽出溶液を用いることができる。具体的には、例えば、回転軸および注水トレンチ下方の放水管路の何れか一方または両方からリン酸塩溶液を放水してもよい。汚染土壌に対して抽出溶液を放水することによって、地上等での洗浄処理を省略ないし簡略化することができる。この場合の抽出溶液としては、地上などでの洗浄処理と同様に、キレート剤、酸、アルカリ、塩から選ばれた少なくとも一種を含む水溶液を用いることができる。なお、酸や塩としてリン酸ないしリン酸塩を用いる場合には、注水トレンチ上部の還元水生成層(鉄粉等の充填層)を設ける必要はない。
【0038】
この抽出溶液を含む汚染土壌101cのスラリーを固液分離し、浄化土壌と汚染物質を含む液体とに分離する。固液分離手段はフィルタープレスなどを用いることができる。このようにして得た浄化土壌を供給部123から回転軸122cに供給し、下側ノズル122bから噴射させて掘削空間105に埋め戻す。なお図中、110は埋め戻した部分である。
【0039】
以上の土壌浄化方法によれば、汚染されていない領域106を掘削せずに、土壌中の汚染域のみを集中的に掘削して浄化処理することができるので、効率よく汚染土壌を浄化することができる。また、この土壌浄化方法では、水等による高圧掘削によって汚染土壊が細かく破砕されて水中に分散されるので、汚染物質の抽出処理工程において、汚染物質と抽出溶液との接触状態が良好になり、処理効果が向上する。
【0040】
また、回転軸の長さ方向に間隔をあけて設けた上側ノズルと下側ノズルの2組のノズルを用い、上側ノズルから水や抽出溶液および空気を高圧で噴射させて周囲の汚染土壌を掘削し、一方、下側ノズルから浄化土壌を噴射させて掘削空間の埋め戻しを行うことができるので、処理効率を一層高めることができる。なお、汚染土壌の掘削と掘削空間の埋め戻しは、以上のように2組のノズルを用いて同時に行ってもよく、あるいは、上側ノズルによる掘削の後に下側ノズルによる埋め戻しを行っても良い。この場合、水ないし抽出溶液と空気の高圧噴射と、浄化土壌の噴射を1つのノズルで行ってもよい。
【0041】
【実施例】
〔実施例1〕
図1に示す土壌浄化システムにおいて、地上から汚染域に達する掘削孔を形成し、この掘削孔にノズルを有する回転軸を挿入し、このノズルから表1に示す水圧と水量の洗浄水を噴射して汚染土壌を掘削し、掘削した汚染土壌を地上に排出して浄化処理した後に、さらに洗浄水に表1に示す圧力と周期の脈動を与えて洗浄水を汚染域に供給して汚染域を洗浄した。この結果を表1に示した。
【0042】
〔実施例2〕
図4に示す第2注水トレンチを設けた土壌浄化システムにおいて、地上から汚染域に達する掘削孔を形成し、この掘削孔にノズルを有する回転軸を挿入し、このノズルから表1に示す水圧と水量の洗浄水を噴射して汚染土壌を掘削し、掘削した汚染土壌を地上に排出して浄化処理した後に、さらに洗浄水に表2に示す圧力と周期の脈動を与えて洗浄水を汚染域に供給して汚染域を洗浄した。この結果を表2に示した。
【0043】
表1に示すように、ノズルから噴射する高圧水の水量が10m3/hr以上の施工例(No.3〜No.11、No.14)は何れもクロムの低減率が90%以上であって、かつカドミニウムの低減率が84%以上であり、高い除去効果を示している。なお、注水トレンチから放水される洗浄水や回転軸から噴射される洗浄水にリン酸ないしリン酸塩を用いた場合には、クロム抽出の効果はリン酸濃度の上昇に伴い上昇する。ただし、リン酸濃度が0.01M以上になると土壌中の鉄などの成分が著しく溶出して土壌が損傷を受けるため、浄化効率を考慮するとリン酸ないしリン酸塩の濃度は0.001〜0.01M程度が望ましい。また、pHについては特に制限をうけないが、原位置で浄化を行うことを考慮してpH5〜8で抽出を行うことが望ましい。さらに、表2に示すように、第2トレンチを有する施工例は、この第2トレンチを設けない施工例(No.3)に比べて、何れもクロム低減率およびカドミウム低減率が向上している。
【0044】
【発明の効果】
本発明の土壌浄化方法では、注水トレンチの壁面から洗浄水が放水されるので放水面が広く、汚染域に対して洗浄水を均一に流すことができる。さらに、洗浄水に脈動を与えて放水するので汚染域の洗浄効果が優れる。また、放水面が広いので脈動を与える効果が大きい。因みに、従来の処理方法における注水井戸では加圧水が放水されるが、これに脈動を与えても個々の通液孔から放水されるために脈動による効果が殆どない。注水井戸を多数設けても同様である。一方、本発明では洗浄水を壁面から放水するので洗浄水の脈動による効果が大きく、汚染域の洗浄効果を高めることができる。土壌粒子表面に付着している汚染物は洗浄水に接触して洗い流されるが、土壌を構成している粘土鉱物の内側に存在している汚染物は洗浄水の流速を高めるだけでは十分に除去することができない。洗浄水を加圧脈動して粘土鉱物の内側と外側の圧力差を大きくすることによって内側の汚染物が外側に引き出され、洗浄効果が大幅に向上する。
【0045】
さらに、注水トレンチの上部に還元水生成層を形成し、還元性の洗浄水を下部透水層から土壌中に放水することによって、土壌中の汚染物質である六価クロムなどが還元されて安定化される。また、水位測定孔を設け、測定水位に基づいて注水量ないし揚水量を制御することによって土壌中の汚染域を流れる洗浄水の水位を適正に保ち、洗浄効果が向上する。さらに、注水トレンチの下側に、上向きに加圧水を放水する管路を水平方向に設けることによって、汚染物質の下方への拡散が抑止され、施工域について信頼性の高い浄化効果が達成される。また、注水トレンチの側方に注水トレンチと異なる向きに第2注水トレンチを設け、両トレンチから放水される洗浄水の脈動を干渉させて脈動を増幅させれば、全体の注水量を増加せずに洗浄効果が向上する。
【0046】
また、水ないし抽出溶液と空気の高圧噴射による浄化処理においては、汚染されていない領域は実質的に掘削せず、土壌中の汚染域を集中的に掘削して汚染土壌の浄化を行うことができるので、効率よく処理することができる。さらに、汚染土壌を掘削する際に汚染土壌が細かく破砕されて水中に分散されるので、抽出溶液による処理効果が高い。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】注水トレンチおよび揚水トレンチなどの配置を示す模式平面図
【図2】図1に示す浄化構造の模式縦断面図
【図3】注水トレンチ下側に加圧水供給管路を設けた配置を示す模式縦断面図
【図4】第2注水トレンチを設けた構成例を示す模式平面図。
【図5】掘削孔を形成する状態を示した断面説明図。
【図6】汚染土壌の掘削状態を示した断面説明図。
【図7】汚染土壌の掘削と掘削空間の埋め戻しの状態を示す断面説明図。
【図8】掘削空間の埋め戻しを終了した状態を示す断面説明図。
【符号の説明】
【符号の説明】10−遮水壁、11−注水トレンチ、12−揚水トレンチ、13−透水層、14−還元水生成層、15−揚水ポンプ、16−注水管路、17−注水バルブ、18−揚水管路、20−難透水層、31、32−水位測定孔、33−水位コントロールユニット、34−加圧水放水管路、40−第2注水トレンチ、101−汚染土壌、101a−汚染土壌上端、101b−汚染土壌下端、103−ポンプ、104−掘削孔、105−掘削空間、106−汚染されていない領域、110−埋め戻し部分、102−土壌浄化装置、121−駆動部、122−掘削郡、122a−上側ノズル、122b−下側ノズル、122c−回転軸、12−供給部。
【発明の属する技術分野】
本発明はトレンチ工法による土壌浄化方法に関する。より詳しくは、浄化処理する土壌にトレンチを施工し、このトレンチの壁面を通じて脈動を与えながら洗浄水を土壌中に流すことによって汚染域を効果的にかつ未処理部分を残すことなく洗浄する土壌浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
汚染土壌の浄化方法として従来から各種の処理方法が知られている。例えば、(イ)汚染土壌中に設けた削孔を通じて洗浄水を土中に噴射し、この噴射圧によって掘削した汚染土壌を水の還流によって地上に排出し、浄化処理する方法(特開2001−162262)、(ロ)汚染域を囲むように複数の注水井と揚水井とを設け、注水井を通じて洗浄水を汚染土壌中に注水し、汚染域を経由した洗浄水を揚水井によって地上に汲み上げて浄化処理し、これを再び注水井を通じて土中に戻す浄化方法(特開平10−277531号)、(ハ)揚水井戸を通じて汲上げた地下水を加熱し、注水井戸を通じて加熱地下水を汚染域に送り込み、土壌中の有害物質の気化を促進させる浄化方法(特開平9−174034号)、(ニ)汚染域の下流側に設けた揚水井戸を通じて汚染地下水を汲み上げ、地上で浄化処理した水を上流側の注水井戸を通じて土中に戻し、この浄化水が汚染域を流れることよって汚染域を洗浄し、再び揚水して浄化処理するサイクルを繰り返す浄化方法(特開平8−323338号)などが知られている。
【0003】
さらに、(ホ)汚染域に複数本の散水井戸を掘削し、この井戸にウオータジェット装置を挿入し、乳化材を含む清浄水を散水井戸から土壌中に噴射して汚染土を粉砕しながら散水して土壌を浄化する方法(特許第2755083号)が知られており、また(ヘ)地下水面より深く止水壁を設け、止水壁で囲まれた領域に注水孔と揚水孔を掘削し、注水孔から水を導入して地下水位を上昇させて汚染域を洗浄すると共に注水孔から揚水孔に向かう地下水流を発生させ、汚染物質を含む地下水を揚水孔から汲み上げて汚染物質を除去した後に注水孔を通じて再び地下水を土中に戻す浄化方法(特許第3191132号)が知られている。
【0004】
しかし、汚染域を水洗処理する従来の上記土壌浄化方法(イ)〜(ニ)は、何れも汚染域に多数の注水井ないし揚水井を設け、これらの井戸を通じて浄化水を注揚水する処理方法であるため、汚染域全体に洗浄水が流れるようにするためには多数の注水井や揚水井を必要とする。しかも、汚染域に対して注水場所が点状であるため、井戸を多数設けても井戸から流出される洗浄水が汚染域に均一に拡散するのが難しく、汚染域を通過する洗浄水や地下水の流束密度が一定とならず、洗浄終了までに要する時間が、最低流束密度の汚染域に時間に律速されると云う問題がある。また、ウオータジェットによって汚染土壌を掘削する従来の方法は浄化後の埋め戻しに負担がかかる。
【0005】
さらに、上記(ホ)のように地表面から洗浄水を土中に浸透させる方法では、汚染部位にまで水が拡散して浸透する時間が処理時間の律速となり、処理効率を高めるために揚水井戸からの汲み上げ水量を多くすると、地下水位が揚水井に向かって勾配を有するようになるため、洗浄水の流束が揚水井に向かって偏り、揚水井から離れた地点では未洗浄部分が残るという問題を生じる。また、上記(ヘ)の方法では、洗浄水の流束は個々の注水井から個々の揚水井に向かって流れるが、その向きと流速は井戸の位置関係によって定まるので均一ではなく、そのため洗浄部位と洗浄速度が流束密度の低い部分の洗浄速度によって律速されるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は土壌の汚染域に洗浄水を流して浄化する処理方法において、従来方法の上記問題を解決したものであり、浄化処理する土壌にトレンチを施工し、このトレンチの壁面を通じて脈動を与えながら洗浄水を土壌中に流すことによって汚染域を効果的にかつ未処理部分を残すことなく洗浄する処理方法と、汚染土壌に水などを高圧噴射して掘削し、この掘削土壌を地表に排出して浄化処理する方法とを併用することによって洗浄効果を飛躍的に高めた土壌浄化方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決する手段】
すなわち、本発明は、(1)(イ)土壌中に注水トレンチと揚水トレンチを設け、脈動を与えながら洗浄水を注水トレンチの壁面から土壌中に放水して、注水トレンチと揚水トレンチの間の汚染域に洗浄水を流し、汚染域を経由した洗浄水を揚水トレンチから汲み上げて洗浄水を浄化処理するトレンチを利用した処理方法と、(ロ)汚染域に達する掘削孔を形成し、この掘削孔にノズルを備えた回転軸を挿入し、回転軸を通じてノズルから水と空気を高圧で噴射して周囲の汚染土壌を掘削し、掘削した汚染土壌を上記掘削孔を通じて排出し、排出した汚染土壌を浄化処理する高圧掘削による処理方法とを併用することを特徴とする土壌浄化方法に関する。
【0008】
本発明の上記土壌浄化方法は、(2)汚染域を囲む遮水壁を設け、遮水壁で囲まれた領域の上流側に注水トレンチを設けると共に下流側に揚水トレンチを設け、各トレンチは地下の難透水層に達する深さに掘削し、各トレンチの外周壁を遮水壁によって形成する一方、トレンチ内壁の上側部分を遮水壁とし、また下側部分を透水性壁面によって形成し、脈動を与えられて注水トレンチの下部透水性内壁面から放水され、汚染域を流れた洗浄水を揚水トレンチから揚水して浄化処理する土壌浄化方法、(3)注水トレンチの透水性内壁面底部から上部遮水壁の任意の高さまで透水材料を充填すると共にその上側に還元材料を含む砂材を充填して注水トレンチに上部還元水生成層と下部透水層とを形成し、上部還元水生成層に供給された洗浄水が還元性を有して下部透水層に流下し、還元性の洗浄水が土壌中に放水される土壌浄化方法、(4)注水トレンチの下側に、上向きに加圧水を放水する管路を横設し、汚染物質の下方への拡散を抑止する土壌浄化方法、および(5)注水トレンチの側方に、注水トレンチと異なる向きに第2注水トレンチを設け、両トレンチから放水される洗浄水の脈動を干渉させて脈動を増幅させることによって洗浄効果を高める土壌浄化方法を含む。
【0009】
さらに、本発明の上記土壌浄化方法は、(6)高圧掘削による処理方法において、複数のノズルを軸長に沿って間隔をあけて設けた回転軸を用い、一方のノズルから水と空気を高庄で噴射し、他方のノズルから浄化した土壌を噴射させて掘削空間の埋め戻しを行う土壌浄化方法、(7)高圧掘削による処理方法において、汚染域の下部に達する掘削孔を形成し、掘削孔の下部まで回転軸を挿入し、回転軸を徐々に引き上げながら、上側のノズルから水と空気を高庄で噴射して周囲の汚染土壌を掘削し、下側のノズルから浄化した土壌を噴射させて掘削空間の埋め戻しを行う土壌浄化方法を含む。
【0010】
さらに、本発明の上記土壌浄化方法は、(8)回転軸から噴射される水に代えて抽出溶液を用いる土壌浄化方法、(9)注水トレンチ、第2注水トレンチ、および注水トレンチ下方の管路の少なくとも何れか一つから放水される水に代えて抽出溶液を用いる土壌浄化方法、(10)抽出溶液がキレート剤、酸、アルカリ、塩から選ばれた少なくとも一種を含む水溶液である土壌浄化方法、(11)抽出溶液がリン酸またはリン酸塩である(但し、上記(3)の場合を除く)の土壌浄化方法を含む。
【0011】
本発明の土壌浄化方法は、注水トレンチの壁面から洗浄水が放水されるので、従来の注水井戸用いた場合と異なり、放水面が広く、汚染域に対して洗浄水を均一に流すことができる。さらに、単なる加圧放水とは異なり、洗浄水に脈動を与えて放水するので、汚染域の洗浄効果が優れる。また、放水面が広いので脈動を与える効果が大きい。さらに、注水トレンチの上部に還元水生成層を形成し、還元性の洗浄水を下部透水層から土壌中に放水することによって、土壌中の汚染物質である六価クロムなどが還元されて無害化される。この他に、水位測定孔を設け、測定水位に基づいて注水量ないし揚水量を制御することによって土壌中の汚染域を流れる洗浄水の水位を適正に保ち、洗浄効果を高めることができる。また、注水トレンチの下側に、上向きに加圧水を放水する管路を水平方向に設けることによって、汚染物質の下方への拡散を抑止し、注水トレンチの側方に、注水トレンチと異なる向きに第2注水トレンチを設け、両トレンチから放水される洗浄水の脈動を干渉させて脈動を増幅させることによって洗浄効果を高めることができる。
【0012】
さらに、本発明の土壌浄化方法は、汚染域に水等を高圧噴射して掘削し、これを外部に排出して浄化処理する方法を併用するので、汚染域を集中的に浄化することができ、浄化効率が良い。また、汚染域周囲の汚染されていない領域は掘削しないので負担が少ない。従来、汚染土壌を浄化する一般的な方法として、汚染土壌を掘り起こし、掘り起こした汚染土壌中の汚染物質を除去する方法が実施されているが、この方法では、浄化する必要のない未汚染土壊まで掘り起こすため負担が大きい。さらに、従来の方法では埋め戻しが面倒である。一方、本発明の浄化方法では汚染域の掘削と埋め戻しを一体に行うことができるので、処理効率が良い。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の土壌浄化方法について図面を参照して具体的に説明する。図1は注水トレンチおよび揚水トレンチなどの配置を示す模式平面図、図2にはその模式縦断面図、図3は注水トレンチの下側に加圧水供給管路を設けた配置を示す模式縦断面図、図4は注水トレンチに対して第2注水トレンチを設けた構成例を示す模式平面図である。
【0014】
図示する本発明の土壌浄化システムは、汚染域Aを囲むように遮水壁10を設け、遮水壁10で囲まれた領域の上流側に注水トレンチ11を設けると共に下流側に揚水トレンチ12が設けられている。注水トレンチ11と揚水トレンチ12は両側の遮水壁10に沿って細長く形成されており、汚染域Aをはさんで相対向して設置されている。各トレンチ11、12は地下の難透水層20に達する深さに掘削されており、トレンチ11、12の外周は遮水壁10によって囲まれている。また、各トレンチ11、12の内壁の上側部分は遮水壁10によって形成されており、その下側部分は透水性壁面によって形成されている。
【0015】
具体的には、例えば、注水トレンチ11の内壁の上側部分は遮水性のコンクリート壁などによって形成されており、注水トレンチ11の下側部分には砕石や砂利などの透水材料が充填され、この透水材料が内壁下部の壁面を形成している。さらに、好ましくは、注水トレンチ11の底部から上部遮水壁の任意の高さまで透水材料を充填して下部透水層13が形成され、さらにその上側に還元材料を含む砂材を充填して上部還元水生成層14が形成されている。なお、施工場所を遮水壁10によって囲めば洗浄水が施工域外に拡散するのを防止できるので、汚染域の洗浄効果が向上するが、施工場所の条件によっては遮水壁10を一部だけに設けても良く、あるいは設けなくても良い。
【0016】
一方、揚水トレンチ12の上側部分は遮水性のコンクリート壁などによって形成されており、内壁下部は多数の通孔を有する透水性のコンクリート壁によって形成されている。また、揚水トレンチ12の底部には揚水ポンプ15が設置されている。
【0017】
注水トレンチ11および揚水トレンチ12は鋼矢板で挟んだ構造もしくは鋼管杭を連結した構造でも良い。トレンチ部分の洗浄水が容易に移動できる構造であって、外周部分が遮水性壁面によって形成されており、所定の深度に通水用の孔ないしストレーナーを施工できる構造であれば良い。この外周遮水壁によって洗浄を行う汚染域の地下水とその周囲の地下水との混合を抑止する。難透水層(粘土層等)まで、あるいは洗浄対象深度より十分深い深度まで外周遮水壁を打ち込むのが好ましい。また、内壁上部の遮水壁は洗浄を行う深度より上側への漏水を防止し、かつ洗浄水の注水側水頭圧を維持するために、地上部から土中の洗浄域に入り込む程度の深度まで打ち込むのが好ましい。この、内壁上部の遮水壁の高さを調整することによって、汚染域に対して集中的に洗浄水が流れるように制御することができる。
【0018】
注水トレンチ11には洗浄水の注水管路16が接続しており、注水バルブ17が装着されている。一方、揚水トレンチ12には汲み上げた洗浄水を処理設備(図示せず)に導く揚水管路18が接続している。注水トレンチ11には水圧を変動して脈動を与えた洗浄水が管路16を通じて導入される。洗浄水に与える脈動の水圧および周期は汚染域の状況によって設定される。一般的には、水圧は0.1〜0.8気圧、脈動周期は1回/日から数十回/日が適当である。このような脈動を30〜300日程度継続して注水することによって浄化効果を高めることができる。水圧が低いと洗浄水の注水量が低下して土壌の洗浄効率が著しく低下する。一方、水圧が高すぎると注水井の地面からの抜け上がりや地表面への浸水が場所によって生じる。また、脈動周期が1回/日より少なくと通常の地下水流による洗浄効果と変わらず、一方、周期が数十回/日より多くても注水量が増加する割には洗浄効果が上がらず、排水処理の負担のみが増すことになる。
【0019】
なお、洗浄水の脈動が失われないように注水トレンチ11には蓋を設けて密閉し、水面の上方に隙間が生じ無いように洗浄水を満たすのが好ましい。脈動を与えられた洗浄水は管路16を通じて注水トレンチ11に供給され、下部透水性内壁面から土中に放水され、注水トレンチ11と揚水トレンチ12の間に位置する汚染域を流れてポンプ15によって揚水トレンチ12から地上に揚水され、管路18を通じて処理設備に送られ、洗浄水に含まれる汚染物質が処理設備で除去される。
【0020】
下部透水層13の上側に還元水生成層14を形成した注水トレンチ11においては、注水トレンチ11に供給された洗浄水がこの層14を通過することによって酸化還元電位の低い水に変えられる。この還元性を有する洗浄水が還元性を有して下部透水層に流下し、還元性の洗浄水が土壌中に放水される注水トレンチ11の下部に浸透して透水層13から土中に放水される。この還元性洗浄水によって、還元作用により安定化する物質、例えば六価クロムなどは3価クロムに変わり、安定化する。この3価クロムを含む洗浄水は揚水トレンチ12を通じて地上の処理設備に導かれ、3価クロムが洗浄水から分離除去される。還元水生成層14は砂や不織布等を充填した部分に還元剤(鉄粉、銅粉、黄鉄鉱粉等)を添加して形成することができる。鉄粉の添加量は5%程度で良い。
【0021】
なお、従来、鉄粉や鉄化合物を硅砂等に混合した物、あるいはコロイド状還元材などを掘削土に加えて安定化する方法、これらの材料を土壌中に抗状に打設する方法、液体と一緒に土壌中に圧入する方法などが知られている。これらは鉄等の投入により、有機系化合物を還元分解し、また重金属系化合物を安定化することによって土壌を浄化する方法であるが、これらの方法において土壌への鉄の投入量は最低でも数%以上が必要であり、条件によっては、地下水中の鉄濃度が高くなって赤水等の問題を引き起こす原因となる。一般に鉄の使用量は水道水水質基準では0.3mg/Lに定められており、過剰の鉄類の投入は好ましくない。
【0022】
本発明の土壌浄化方法では、鉄粉や鉄化合物を直接に土中に投入するのではなく、注水トレンチ上部で洗浄水を鉄粉等の還元材に接触させて少量の鉄粉を洗浄水に溶解させ、この少量の鉄による還元力を利用する。因みに、カラム試験の結果では、洗浄水中の鉄濃度は0.3mg/L以下である。また、浄化処理した後は注水トレンチ上部の還元水生成層を容易に撤去できるので、地下水への過剰な鉄の流出はなく、施工後も長期的な環境保全を図ることができる。さらに、土壌中の六価クロムを還元して効果的に除去するため、注水量を低減することができる。具体的には、例えば約0.5mg/Lの六価クロム濃度の汚染域に還元水生成層(5%Fe粉+硅砂混合層)を通過させた洗浄水を通水させることによって、六価クロム濃度を0.02mg/Lまで低減させることができる。
【0023】
図示する土壌浄化システムでは、注水トレンチ11と揚水トレンチ12の間に水位測定孔31、32が設けられている。なお、水位の勾配を測定できるように一方の水位測定孔31は上流側の注水トレンチ11の近傍に設けられており、他方の水位測定孔32は下流側の揚水トレンチ12の近傍に設けられている。この水位測定孔31、32および注水トレンチ11と揚水トレンチ12の内部に水位測定センターを設け、地下水位のモニタリングを行う。
【0024】
さらに、水位測定センターと注水バルブ17および揚水ポンプ15を結ぶ水位制御ユニット33が形成されている。この制御系33は水位センサーの情報に基づいて注水バルブ17および揚水ポンプ15の運転を制御し、上流側と下流側の水位を目的の範囲に保ち、汚染域に洗浄水か適切に流れるように自動制御する。注水トレンチ11の水位センサーや上流側水位測定孔の水位センサーの測定値が所定水位より低い場合には注水バルブ17を開いて注水を行い、あるいは揚水ポンプ15を停止する。一方、所定水位より高い場合には注水バルブ17を閉じ、または揚水ポンプ15を稼動させる。下流側の水位が所定範囲から外れる場合にも同様の操作によって水位が所定範囲内に保たれる。
【0025】
図3は、注水トレンチ11の下側に加圧水を放水する管路34を横設し、汚染物質の下方への拡散を抑止した構成例である。管路34は上向きに加圧水を放水するように水平方向に横設されており、上向きの放水孔が多数設けられている。この管路34は水平方向に複数本並べて設置しても良い。図示する例では、管路34は難透水層20の下側の透水層に配設されており、難透水層20を漏水してくる地下水が下方に拡散するのを抑止する。
【0026】
図4は注水トレンチ11の側方に、注水トレンチと異なる向きに第2注水トレンチ40を設けた構成例である。第2注水トレンチ40は外周の遮水壁10に沿って設けられており、上記注水トレンチ11と同様の構造を有している。この構造においては、両側のトレンチ11、40から放水される洗浄水の脈動が増幅するように脈動を干渉させることによって、全体の注水量を増加せずに洗浄効果を高めることができる。
【0027】
本発明の土壌浄化方法は、以上のトレンチを利用した処理方法と、水と空気を高圧噴射して汚染域を掘削し、掘削した汚染土壌を外部に排出して浄化処理する高圧掘削による処理方法とを併用する土壌浄化方法である。この高圧噴射による処理方法の概略を図5〜図8に示す。
【0028】
図5に示すように、高圧掘削処理に用いる土壌浄化装置120は、駆動部121、掘削部122、供給部123、掘削した土砂を排出するためのポンプ103を備えており、さらに、切削した土砂に含まれる汚染物質の抽出処理を行う抽出処理手段(図示省略)と、切削土砂を液体と浄化土壊とに分離する固液分離手段(図示省略)とを備えている。
【0029】
上記掘削部122は回転軸122cと回転軸122cに設けたノズルを有している。図示する例では、回転軸122cの軸長に沿って間隔をあけて設けられた上側ノズル122aと、下側ノズル122bの2組のノズルが設けられている。上側ノズル122aは水と空気を高圧で噴射して周囲の汚染土壌を掘削するためのものであり、下側ノズル122bは浄化した土壌を噴射して埋め戻しを行うためのものである。回転軸122cはパイプによって形成されており、その内部に高圧水等および浄化土壌を各々のノズルに供給する管路が形成されている。なお、回転軸122cはその先端にボーリング用ビットなどの掘削手段(図示省略)を有するものが好ましい。駆動部21はモータなどによって回転軸122cを回転させる。供給部123は上側ノズル122aから高圧で噴射される水および空気、下側ノズル122bから噴射される浄化土壌を供給する部分である。
【0030】
図5に示すように、土壌浄化装置120の回転軸122cを回転させて、上側ノズル122aが汚染土壌101の下端101bに達する探さまで掘削孔104を形成する。掘削孔104は上記注水トレンチと揚水トレンチの間であって、汚染域に達する位置に形成される。なお、回転軸122cの先端に掘削手段を有しない場合には、ボーリング装置によって汚染土壌の下側まで掘削孔104を形成した後に、この掘削孔104の底部まで回転軸を挿入する。掘削手段を有する回転軸を用いれば掘削孔の形成と回転軸の挿入を同時に行うことができる。
【0031】
続いて、水と空気を回転軸122cの管内に供給し、回転軸122cを徐々に上昇させ、図6に示すように、回転軸122cを回転させながら水と空気と上側ノズル122aから高圧で噴射して周囲の汚染土壊101を局所的に掘削する。このとき、汚染土壌101は細かく破砕されて水中に分散された状態になる。掘削された汚染土壌101は水と共にスラリーの状態で掘削孔104を通じて地表近くに排出され、ポンプ3によって外部に排出される。
【0032】
汚染土壌101の掘削を進め、その掘削状況に応じた速度で回転軸122cを徐々に上昇させて、下側ノズル122bが汚染土壌の下端に達する探さ、すなわち掘削空間105の底部に達する探さに達した段階で、図7に示すように、掘削空間105の埋め戻しを開始する。この埋め戻しには、外部に排出した汚染土壌101を浄化して得られた浄化土壌を用いると良い。
【0033】
このように、上側ノズル122aによる汚染土壌101の掘削を進めながら、下側ノズル122bによる掘削空間105の埋め戻しを進め、汚染土壌101の掘削状況に応じた速度で回転軸122cを次第に上昇させて、上側ノズル122aが汚染土壌101の上端101aに達した段階で汚染土壌101の掘削を終了する。引き続き、下側ノズル122bによる掘削空間105の埋め戻しのみを進め、埋め戻し状況に応じた速度で回転軸122cをさらに上昇させて、図8に示すように、下側ノズル122bが汚染土壌101の上端101a、すなわち掘削空間5の天井部に達した段階で掘削空間105の埋め戻しを終了する。その後、回転軸122cをさらに上昇させて、掘削孔104の埋め戻しを行なって汚染土壌101の浄化を終了する。
【0034】
一方、外部に排出された汚染土壌101cは、例えば抽出溶液と混合して浄化処理を行う。使用する抽出溶液は汚染土壌に含まれている汚染物質に対して抽出作用を有する溶液であれば良い。具体的には、キレート剤、酸、アルカリ、塩から選ばれた少なくとも1種を含む水溶液などを用いることができる。この抽出溶液は汚染土壌に含まれている汚染物質に応じて定めれば良い。因みに、アルカリ金属塩、ハロゲン化アルカリ土類金属塩、ハロゲン水素酸、キレート剤などを汚染物質の種類に応じて単独にまたは組み合わせて用いることにより、40〜90%、好ましくは90%以上の浄化効果を得ることができる。
【0035】
例えば、汚染物質が、Cd2+、Pd2+、Zn2+、Cu2+などの重金属陽イオンである場合、抽出溶液はpH3〜5程度の酸と錯塩(C1−、EDTA、クエン酸)との混合溶液を用いると良い。この場合、酸と錯塩とを混合して使用してもよく、あるいは酸と錯塩を別々に使用してもよい。具体的には、例えば、掘削した汚染土壌101cのスラリーに錯塩を所定の割合で添加し、混合しながら酸を加えてpHを3〜5に調整する。
【0036】
また、汚染土壌に含まれている汚染物質が、クロム酸、亜ヒ酸、ヒ酸、セレン酸、亜セレン酸などの重金属陰イオンである場合には、抽出溶液としてpH1程度の酸、またはpHll以上のアルカリ溶液を使用すると良い。汚染土壌に含まれている汚染物質が水銀である場合には、抽出溶液としてI2とI−の混合溶液を使用すると良い。なお、抽出溶液として酸または塩を用いる場合にはリン酸ないしリン酸塩を用いることによって土壌洗浄効果を高めることができる。
【0037】
以上のように、回転軸のノズルから水と空気を高圧で噴射して周囲の汚染土壌を掘削し、これを外部に排出し、抽出溶液と混合して土壌浄化処理する方法において、回転軸から噴射される水に代えて抽出溶液を用いることができる。また、注水トレンチ、第2注水トレンチ、および注水トレンチ下方の管路の少なくとも何れか一つから放水される水に代えて抽出溶液を用いることができる。具体的には、例えば、回転軸および注水トレンチ下方の放水管路の何れか一方または両方からリン酸塩溶液を放水してもよい。汚染土壌に対して抽出溶液を放水することによって、地上等での洗浄処理を省略ないし簡略化することができる。この場合の抽出溶液としては、地上などでの洗浄処理と同様に、キレート剤、酸、アルカリ、塩から選ばれた少なくとも一種を含む水溶液を用いることができる。なお、酸や塩としてリン酸ないしリン酸塩を用いる場合には、注水トレンチ上部の還元水生成層(鉄粉等の充填層)を設ける必要はない。
【0038】
この抽出溶液を含む汚染土壌101cのスラリーを固液分離し、浄化土壌と汚染物質を含む液体とに分離する。固液分離手段はフィルタープレスなどを用いることができる。このようにして得た浄化土壌を供給部123から回転軸122cに供給し、下側ノズル122bから噴射させて掘削空間105に埋め戻す。なお図中、110は埋め戻した部分である。
【0039】
以上の土壌浄化方法によれば、汚染されていない領域106を掘削せずに、土壌中の汚染域のみを集中的に掘削して浄化処理することができるので、効率よく汚染土壌を浄化することができる。また、この土壌浄化方法では、水等による高圧掘削によって汚染土壊が細かく破砕されて水中に分散されるので、汚染物質の抽出処理工程において、汚染物質と抽出溶液との接触状態が良好になり、処理効果が向上する。
【0040】
また、回転軸の長さ方向に間隔をあけて設けた上側ノズルと下側ノズルの2組のノズルを用い、上側ノズルから水や抽出溶液および空気を高圧で噴射させて周囲の汚染土壌を掘削し、一方、下側ノズルから浄化土壌を噴射させて掘削空間の埋め戻しを行うことができるので、処理効率を一層高めることができる。なお、汚染土壌の掘削と掘削空間の埋め戻しは、以上のように2組のノズルを用いて同時に行ってもよく、あるいは、上側ノズルによる掘削の後に下側ノズルによる埋め戻しを行っても良い。この場合、水ないし抽出溶液と空気の高圧噴射と、浄化土壌の噴射を1つのノズルで行ってもよい。
【0041】
【実施例】
〔実施例1〕
図1に示す土壌浄化システムにおいて、地上から汚染域に達する掘削孔を形成し、この掘削孔にノズルを有する回転軸を挿入し、このノズルから表1に示す水圧と水量の洗浄水を噴射して汚染土壌を掘削し、掘削した汚染土壌を地上に排出して浄化処理した後に、さらに洗浄水に表1に示す圧力と周期の脈動を与えて洗浄水を汚染域に供給して汚染域を洗浄した。この結果を表1に示した。
【0042】
〔実施例2〕
図4に示す第2注水トレンチを設けた土壌浄化システムにおいて、地上から汚染域に達する掘削孔を形成し、この掘削孔にノズルを有する回転軸を挿入し、このノズルから表1に示す水圧と水量の洗浄水を噴射して汚染土壌を掘削し、掘削した汚染土壌を地上に排出して浄化処理した後に、さらに洗浄水に表2に示す圧力と周期の脈動を与えて洗浄水を汚染域に供給して汚染域を洗浄した。この結果を表2に示した。
【0043】
表1に示すように、ノズルから噴射する高圧水の水量が10m3/hr以上の施工例(No.3〜No.11、No.14)は何れもクロムの低減率が90%以上であって、かつカドミニウムの低減率が84%以上であり、高い除去効果を示している。なお、注水トレンチから放水される洗浄水や回転軸から噴射される洗浄水にリン酸ないしリン酸塩を用いた場合には、クロム抽出の効果はリン酸濃度の上昇に伴い上昇する。ただし、リン酸濃度が0.01M以上になると土壌中の鉄などの成分が著しく溶出して土壌が損傷を受けるため、浄化効率を考慮するとリン酸ないしリン酸塩の濃度は0.001〜0.01M程度が望ましい。また、pHについては特に制限をうけないが、原位置で浄化を行うことを考慮してpH5〜8で抽出を行うことが望ましい。さらに、表2に示すように、第2トレンチを有する施工例は、この第2トレンチを設けない施工例(No.3)に比べて、何れもクロム低減率およびカドミウム低減率が向上している。
【0044】
【発明の効果】
本発明の土壌浄化方法では、注水トレンチの壁面から洗浄水が放水されるので放水面が広く、汚染域に対して洗浄水を均一に流すことができる。さらに、洗浄水に脈動を与えて放水するので汚染域の洗浄効果が優れる。また、放水面が広いので脈動を与える効果が大きい。因みに、従来の処理方法における注水井戸では加圧水が放水されるが、これに脈動を与えても個々の通液孔から放水されるために脈動による効果が殆どない。注水井戸を多数設けても同様である。一方、本発明では洗浄水を壁面から放水するので洗浄水の脈動による効果が大きく、汚染域の洗浄効果を高めることができる。土壌粒子表面に付着している汚染物は洗浄水に接触して洗い流されるが、土壌を構成している粘土鉱物の内側に存在している汚染物は洗浄水の流速を高めるだけでは十分に除去することができない。洗浄水を加圧脈動して粘土鉱物の内側と外側の圧力差を大きくすることによって内側の汚染物が外側に引き出され、洗浄効果が大幅に向上する。
【0045】
さらに、注水トレンチの上部に還元水生成層を形成し、還元性の洗浄水を下部透水層から土壌中に放水することによって、土壌中の汚染物質である六価クロムなどが還元されて安定化される。また、水位測定孔を設け、測定水位に基づいて注水量ないし揚水量を制御することによって土壌中の汚染域を流れる洗浄水の水位を適正に保ち、洗浄効果が向上する。さらに、注水トレンチの下側に、上向きに加圧水を放水する管路を水平方向に設けることによって、汚染物質の下方への拡散が抑止され、施工域について信頼性の高い浄化効果が達成される。また、注水トレンチの側方に注水トレンチと異なる向きに第2注水トレンチを設け、両トレンチから放水される洗浄水の脈動を干渉させて脈動を増幅させれば、全体の注水量を増加せずに洗浄効果が向上する。
【0046】
また、水ないし抽出溶液と空気の高圧噴射による浄化処理においては、汚染されていない領域は実質的に掘削せず、土壌中の汚染域を集中的に掘削して汚染土壌の浄化を行うことができるので、効率よく処理することができる。さらに、汚染土壌を掘削する際に汚染土壌が細かく破砕されて水中に分散されるので、抽出溶液による処理効果が高い。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】注水トレンチおよび揚水トレンチなどの配置を示す模式平面図
【図2】図1に示す浄化構造の模式縦断面図
【図3】注水トレンチ下側に加圧水供給管路を設けた配置を示す模式縦断面図
【図4】第2注水トレンチを設けた構成例を示す模式平面図。
【図5】掘削孔を形成する状態を示した断面説明図。
【図6】汚染土壌の掘削状態を示した断面説明図。
【図7】汚染土壌の掘削と掘削空間の埋め戻しの状態を示す断面説明図。
【図8】掘削空間の埋め戻しを終了した状態を示す断面説明図。
【符号の説明】
【符号の説明】10−遮水壁、11−注水トレンチ、12−揚水トレンチ、13−透水層、14−還元水生成層、15−揚水ポンプ、16−注水管路、17−注水バルブ、18−揚水管路、20−難透水層、31、32−水位測定孔、33−水位コントロールユニット、34−加圧水放水管路、40−第2注水トレンチ、101−汚染土壌、101a−汚染土壌上端、101b−汚染土壌下端、103−ポンプ、104−掘削孔、105−掘削空間、106−汚染されていない領域、110−埋め戻し部分、102−土壌浄化装置、121−駆動部、122−掘削郡、122a−上側ノズル、122b−下側ノズル、122c−回転軸、12−供給部。
Claims (11)
- (イ)土壌中に注水トレンチと揚水トレンチを設け、脈動を与えながら洗浄水を注水トレンチの壁面から土壌中に放水して、注水トレンチと揚水トレンチの間の汚染域に洗浄水を流し、汚染域を経由した洗浄水を揚水トレンチから汲み上げて洗浄水を浄化処理するトレンチを利用した処理方法と、(ロ)汚染域に達する掘削孔を形成し、この掘削孔にノズルを備えた回転軸を挿入し、回転軸を通じてノズルから水と空気を高圧で噴射して周囲の汚染土壌を掘削し、掘削した汚染土壌を上記掘削孔を通じて排出し、排出した汚染土壌を浄化処理する高圧掘削による処理方法とを併用することを特徴とする土壌浄化方法。
- 汚染域を囲む遮水壁を設け、遮水壁で囲まれた領域の上流側に注水トレンチを設けると共に下流側に揚水トレンチを設け、各トレンチは地下の難透水層に達する深さに掘削し、各トレンチの外周壁を遮水壁によって形成する一方、トレンチ内壁の上側部分を遮水壁とし、また下側部分を透水性壁面によって形成し、脈動を与えられて注水トレンチの下部透水性内壁面から放水され、汚染域を流れた洗浄水を揚水トレンチから揚水して浄化処理する請求項1に記載する土壌浄化方法。
- 注水トレンチの透水性内壁面底部から上部遮水壁の任意の高さまで透水材料を充填すると共にその上側に還元材料を含む砂材を充填して注水トレンチに上部還元水生成層と下部透水層とを形成し、上部還元水生成層に供給された洗浄水が還元性を有して下部透水層に流下し、還元性の洗浄水が土壌中に放水される請求項1または2に記載する土壌浄化方法。
- 注水トレンチの下側に、上向きに加圧水を放水する管路を横設し、汚染物質の下方への拡散を抑止する請求項1〜3の何れかに記載する土壌浄化方法。
- 注水トレンチの側方に、注水トレンチと異なる向きに第2注水トレンチを設け、両トレンチから放水される洗浄水の脈動を干渉させて脈動を増幅させることによって洗浄効果を高める請求項1〜4の何れかに記載する土壌浄化方法。
- 高圧掘削による処理方法において、複数のノズルを軸長に沿って間隔をあけて設けた回転軸を用い、一方のノズルから水と空気を高庄で噴射し、他方のノズルから浄化した土壌を噴射させて掘削空間の埋め戻しを行う請求項1〜5の何れかに記載する土壌浄化方法。
- 高圧掘削による処理方法において、汚染域の下部に達する掘削孔を形成し、掘削孔の下部まで回転軸を挿入し、回転軸を徐々に引き上げながら、上側のノズルから水と空気を高庄で噴射して周囲の汚染土壌を掘削し、下側のノズルから浄化した土壌を噴射させて掘削空間の埋め戻しを行う請求項6の土壌浄化方法。
- 回転軸から噴射される水に代えて抽出溶液を用いる請求項1〜7の何れかに記載する土壌浄化方法。
- 注水トレンチ、第2注水トレンチ、および注水トレンチ下方の管路の少なくとも何れか一つから放水される水に代えて抽出溶液を用いる請求項1〜8の何れかに記載する土壌浄化方法。
- 抽出溶液がキレート剤、酸、アルカリ、塩から選ばれた少なくとも一種を含む水溶液である請求項8の土壌浄化方法。
- 抽出溶液がリン酸またはリン酸塩である請求項8または9(但し、請求項3の場合を除く)の何れかに記載する土壌浄化方法。
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