JP3894073B2 - トレンチ工法による土壌浄化方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトレンチ工法による土壌浄化方法に関する。より詳しくは、浄化処理する土壌にトレンチを施工し、このトレンチの壁面を通じて脈動を与えながら洗浄水を土壌中に流すことによって汚染域を効果的にかつ未処理部分を残すことなく洗浄する土壌浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
汚染土壌の浄化方法として従来から各種の処理方法が知られている。例えば、(イ)汚染土壌中に設けた削孔を通じて洗浄水を土中に噴射し、この噴射圧によって掘削した汚染土壌を水の還流によって地上に排出し、浄化処理する方法(特開2001−162262)、(ロ)汚染域を囲むように複数の注水井と揚水井とを設け、注水井を通じて洗浄水を汚染土壌中に注水し、汚染域を経由した洗浄水を揚水井によって地上に汲み上げて浄化処理し、これを再び注水井を通じて土中に戻す浄化方法(特開平10−277531号)、(ハ)揚水井戸を通じて汲上げた地下水を加熱し、注水井戸を通じて加熱地下水を汚染域に送り込み、土壌中の有害物質の気化を促進させる浄化方法(特開平9−174034号)、(ニ)汚染域の下流側に設けた揚水井戸を通じて汚染地下水を汲み上げ、地上で浄化処理した水を上流側の注水井戸を通じて土中に戻し、この浄化水が汚染域を流れることよって汚染域を洗浄し、再び揚水して浄化処理するサイクルを繰り返す浄化方法(特開平8−323338号)などが知られている。
【0003】
さらに、(ホ)汚染域に複数本の散水井戸を掘削し、この井戸にウオータジェット装置を挿入し、乳化材を含む清浄水を散水井戸から土壌中に噴射して汚染土を粉砕しながら散水して土壌を浄化する方法(特許第2755083号)が知られており、また(ヘ)地下水面より深く止水壁を設け、止水壁で囲まれた領域に注水孔と揚水孔を掘削し、注水孔から水を導入して地下水位を上昇させて汚染域を洗浄すると共に注水孔から揚水孔に向かう地下水流を発生させ、汚染物質を含む地下水を揚水孔から汲み上げて汚染物質を除去した後に注水孔を通じて再び地下水を土中に戻す浄化方法(特許第3191132号)が知られている。
【0004】
しかし、汚染域を水洗処理する従来の上記土壌浄化方法は、何れも汚染域に多数の注水井ないし揚水井を設け、これらの井戸を通じて浄化水を注揚水する処理方法であるため、汚染域全体に洗浄水が流れるようにするためには多数の注水井や揚水井を必要とする。しかも、汚染域に対して注水場所が点状であるため、井戸を多数設けても井戸から流出される洗浄水が汚染域に均一に拡散するのが難しく、汚染域を通過する洗浄水ないし地下水の流束密度が一定とならず、洗浄終了までに要する時間が、最低流束密度の汚染域に時間に律速されると云う問題がある。
【0005】
さらに、上記(ホ)のように地表面から洗浄水を土中に浸透させる方法では、汚染部位にまで水が拡散して浸透する時間が処理時間の律速となり、処理効率を高めるために揚水井戸からの汲み上げ水量を多くすると、地下水位が揚水井に向かって勾配を有するようになるため、洗浄水の流束が揚水井に向かって偏り、揚水井から離れた地点では未洗浄部分が残るという問題を生じる。また、上記(ヘ)の方法では、洗浄水の流束は個々の注水井から個々の揚水井に向かって流れるが、その向きと流速は井戸の位置関係によって定まるので均一ではなく、そのため洗浄部位と洗浄速度が流束密度の低い部分の洗浄速度によって律速されるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は土壌の汚染域に洗浄水を流して浄化する処理方法において、従来方法の上記問題を解決したものであり、浄化処理する土壌にトレンチを施工し、このトレンチの壁面を通じて脈動を与えながら洗浄水を土壌中に流すことによって汚染域を効果的にかつ未処理部分を残すことなく洗浄する土壌浄化方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決する手段】
すなわち、本発明は、(1)土壌中に注水トレンチと揚水トレンチを設け、脈動を与えながら洗浄水を注水トレンチの壁面から土壌中に放水して、注水トレンチと揚水トレンチの間の汚染域に洗浄水を流し、汚染域を経由した洗浄水を揚水トレンチから汲み上げて洗浄水中の汚染物質を除去することを特徴とする土壌浄化方法に関する。
【0008】
本発明の土壌浄化方法は、具体的には、例えば(2)汚染域を囲む遮水壁を設け、遮水壁で囲まれた領域の上流側に注水トレンチを設けると共に下流側に揚水トレンチを設け、各トレンチは地下の難透水層に達する深さに掘削し、各トレンチの外周壁を遮水壁によって形成する一方、トレンチ内壁の上側部分を遮水壁とし、また下側部分を透水性壁面によって形成し、脈動を与えられて注水トレンチの下部透水性内壁面から放水され、汚染域を流れた洗浄水を揚水トレンチから揚水して浄化処理する土壌浄化方法である。
【0009】
本発明の土壌浄化方法は、(3)注水トレンチの透水性内壁面底部から上部遮水壁の任意の高さまで透水材料を充填すると共にその上側に還元材料を含む砂材を充填して注水トレンチに上部還元水生成層と下部透水層とを形成し、上部還元水生成層に供給された洗浄水が還元性を有して下部透水層に流下し、還元性の洗浄水が土壌中に放水される土壌浄化方法、(4)注水トレンチと揚水トレンチの間に水位測定孔を設け、測定した水位に基づいて注水量ないし揚水量を制御する土壌浄化方法、(5)注水トレンチの下側に、上向きに加圧水を放水する管路を横設し、汚染物質の下方への拡散を抑止する土壌浄化方法、(6)注水トレンチの側方に、注水トレンチと異なる向きに第2注水トレンチを設け、両トレンチから放水される洗浄水の脈動を干渉させて脈動を増幅させることによって洗浄効果を高める土壌浄化方法を含む。
【0010】
本発明の土壌浄化方法は、注水トレンチの壁面から洗浄水が放水されるので、従来の注水井戸用いた場合と異なり、放水面が広く、汚染域に対して洗浄水を均一に流すことができる。さらに、単なる加圧放水とは異なり、洗浄水に脈動を与えて放水するので、汚染域の洗浄効果が優れる。また、放水面が広いので脈動を与える効果が大きい。さらに、注水トレンチの上部に還元水生成層を形成し、還元性の洗浄水を下部透水層から土壌中に放水することによって、土壌中の汚染物質である六価クロムなどが還元されて無害化される。この他に、水位測定孔を設け、測定水位に基づいて注水量ないし揚水量を制御することによって土壌中の汚染域を流れる洗浄水の水位を適正に保ち、洗浄効果を高めることができる。また、注水トレンチの下側に、上向きに加圧水を放水する管路を水平方向に設けることによって、汚染物質の下方への拡散を抑止し、注水トレンチの側方に、注水トレンチと異なる向きに第2注水トレンチを設け、両トレンチから放水される洗浄水の脈動を干渉させて脈動を増幅させることによって洗浄効果を高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の土壌浄化方法について図面を参照して具体的に説明する。図1は注水トレンチおよび揚水トレンチなどの配置を示す模式平面図、図2にはその模式縦断面図、図3は注水トレンチの下側に加圧水供給管路を設けた配置を示す模式縦断面図、図4は注水トレンチに対して第2注水トレンチを設けた構成例を示す模式平面図である。
【0012】
図示する本発明の土壌浄化システムは、汚染域Aを囲むように遮水壁10を設け、遮水壁10で囲まれた領域の上流側に注水トレンチ11を設けると共に下流側に揚水トレンチ12が設けられている。注水トレンチ11と揚水トレンチ12は両側の遮水壁10に沿って細長く形成されており、汚染域Aをはさんで相対向して設置されている。各トレンチ11、12は地下の難透水層20に達する深さに掘削されており、トレンチ11、12の外周は遮水壁10によって囲まれている。また、各トレンチ11、12の内壁の上側部分は遮水壁10によって形成されており、その下側部分は透水性壁面によって形成されている。
【0013】
具体的には、例えば、注水トレンチ11の内壁の上側部分は遮水性のコンクリート壁などによって形成されており、注水トレンチ11の下側部分には砕石や砂利などの透水材料が充填され、この透水材料が内壁下部の壁面を形成している。さらに、好ましくは、注水トレンチ11の底部から上部遮水壁の任意の高さまで透水材料を充填して下部透水層13が形成され、さらにその上側に還元材料を含む砂材を充填して上部還元水生成層14が形成されている。なお、施工場所を遮水壁10によって囲めば洗浄水が施工域外に拡散するのを防止できるので、汚染域の洗浄効果が向上するが、施工場所の条件によっては遮水壁10を一部だけに設けても良く、あるいは設けなくても良い。
【0014】
一方、揚水トレンチ12の上側部分は遮水性のコンクリート壁などによって形成されており、内壁下部は多数の通孔を有する透水性のコンクリート壁によって形成されている。また、揚水トレンチ12の底部には揚水ポンプ15が設置されている。
【0015】
注水トレンチ11および揚水トレンチ12は鋼矢板で挟んだ構造もしくは鋼管杭を連結した構造でも良い。トレンチ部分の洗浄水が容易に移動できる構造であって、外周部分が遮水性壁面によって形成されており、所定の深度に通水用の孔ないしストレーナーを施工できる構造であれば良い。この外周遮水壁によって洗浄を行う汚染域の地下水とその周囲の地下水との混合を抑止する。難透水層(粘土層等)まで、あるいは洗浄対象深度より十分深い深度まで外周遮水壁を打ち込むのが好ましい。また、内壁上部の遮水壁は洗浄を行う深度より上側への漏水を防止し、かつ洗浄水の注水側水頭圧を維持するために、地上部から土中の洗浄域に入り込む程度の深度まで打ち込むのが好ましい。この、内壁上部の遮水壁の高さを調整することによって、汚染域に対して集中的に洗浄水が流れるように制御することができる。
【0016】
注水トレンチ11には洗浄水の注水管路16が接続しており、注水バルブ17が装着されている。一方、揚水トレンチ12には汲み上げた洗浄水を処理設備(図示せず)に導く揚水管路18が接続している。注水トレンチ11には水圧を変動して脈動を与えた洗浄水が管路16を通じて導入される。洗浄水に与える脈動の水圧および周期は汚染域の状況によって設定される。一般的には、水圧は0.1〜0.8気圧、脈動周期は1回/日から数十回/日が適当である。このような脈動を30〜300日程度継続して注水することによって浄化効果を高めることができる。水圧が低いと洗浄水の注水量が低下して土壌の洗浄効率が著しく低下する。一方、水圧が高すぎると注水井の地面からの抜け上がりや地表面への浸水が場所によって生じる。また、脈動周期が1回/日より少なくと通常の地下水流による洗浄効果と変わらず、一方、周期が数十回/日より多くても注水量が増加する割には洗浄効果が上がらず、排水処理の負担のみが増すことになる。
なお、洗浄水の脈動が失われないように注水トレンチ11には蓋を設けて密閉し、水面の上方に隙間が生じ無いように洗浄水を満たすのが好ましい。脈動を与えられた洗浄水は管路16を通じて注水トレンチ11に供給され、下部透水性内壁面から土中に放水され、注水トレンチ11と揚水トレンチ12の間に位置する汚染域を流れてポンプ15によって揚水トレンチ12から地上に揚水され、管路18を通じて処理設備に送られ、洗浄水に含まれる汚染物質が処理設備で除去される。
【0017】
下部透水層13の上側に還元水生成層14を形成した注水トレンチ11においては、注水トレンチ11に供給された洗浄水がこの層14を通過することによって酸化還元電位の低い水に変えられる。この還元性を有する洗浄水が還元性を有して下部透水層に流下し、還元性の洗浄水が土壌中に放水される注水トレンチ11の下部に浸透して透水層13から土中に放水される。この還元性洗浄水によって、還元作用により安定化する物質、例えば六価クロムなどは3価クロムに変わり、安定化する。この3価クロムを含む洗浄水は揚水トレンチ12を通じて地上の処理設備に導かれ、3価クロムが洗浄水から分離除去される。還元水生成層14は砂や不織布等を充填した部分に還元剤(鉄粉、銅粉、黄鉄鉱粉等)を添加して形成することができる。鉄粉の添加量は5%程度で良い。
【0018】
なお、従来、鉄粉や鉄化合物を硅砂等に混合した物、あるいはコロイド状還元材などを掘削土に加えて安定化する方法、これらの材料を土壌中に抗状に打設する方法、液体と一緒に土壌中に圧入する方法などが知られている。これらは鉄等の投入により、有機系化合物を還元分解し、また重金属系化合物を安定化することによって土壌を浄化する方法であるが、これらの方法において土壌への鉄の投入量は最低でも数%以上が必要であり、条件によっては、地下水中の鉄濃度が高くなって赤水等の問題を引き起こす原因となる。一般に鉄の使用量は水質基準では0.3mg/Lに定められており、過剰の鉄類の投入は好ましくない。
【0019】
本発明の土壌浄化方法では、鉄粉や鉄化合物を直接に土中に投入するのではなく、注水トレンチ上部で洗浄水を鉄粉等の還元材に接触させて少量の鉄粉を洗浄水に溶解させ、この少量の鉄による還元力を利用する。因みに、カラム試験の結果では、洗浄水中の鉄濃度は0.3mg/L以下である。また、浄化処理した後は注水トレンチ上部の還元水生成層を容易に撤去できるので、地下水への過剰な鉄の流出はなく、施工後も長期的な環境保全を図ることができる。さらに、土壌中の六価クロムを還元して効果的に除去するため、注水量を低減することができる。具体的には、例えば約0.5mg/Lの六価クロム濃度の汚染域に還元水生成層(5%Fe粉+硅砂混合層)を通過させた洗浄水を通水させることによって、六価クロム濃度を0.02mg/Lまで低減させることができる。
【0020】
図示する土壌浄化システムでは、注水トレンチ11と揚水トレンチ12の間に水位測定孔31、32が設けられている。なお、水位の勾配を測定できるように一方の水位測定孔31は上流側の注水トレンチ11の近傍に設けられており、他方の水位測定孔32は下流側の揚水トレンチ12の近傍に設けられている。この水位測定孔31、32および注水トレンチ11と揚水トレンチ12の内部に水位測定センターを設け、地下水位のモニタリングを行う。
【0021】
さらに、水位測定センターと注水バルブ17および揚水ポンプ15を結ぶ水位制御ユニット33が形成されている。この制御系33は水位センサーの情報に基づいて注水バルブ17および揚水ポンプ15の運転を制御し、上流側と下流側の水位を目的の範囲に保ち、汚染域に洗浄水か適切に流れるように自動制御する。注水トレンチ11の水位センサーや上流側水位測定孔の水位センサーの測定値が所定水位より低い場合には注水バルブ17を開いて注水を行い、あるいは揚水ポンプ15を停止する。一方、所定水位より高い場合には注水バルブ17を閉じ、または揚水ポンプ15を稼動させる。下流側の水位が所定範囲から外れる場合にも同様の操作によって水位が所定範囲内に保たれる。
【0022】
図3は、注水トレンチ11の下側に加圧水を放水する管路34を横設し、汚染物質の下方への拡散を抑止した構成例である。管路34は上向きに加圧水を放水するように水平方向に横設されており、上向きの放水孔が多数設けられている。この管路34は水平方向に複数本並べて設置しても良い。図示する例では、管路34は難透水層20の下側の透水層に配設されており、難透水層20を漏水してくる地下水が下方に拡散するのを抑止する。
【0023】
図4は注水トレンチ11の側方に、注水トレンチと異なる向きに第2注水トレンチ40を設けた構成例である。第2注水トレンチ40は外周の遮水壁10に沿って設けられており、上記注水トレンチ11と同様の構造を有している。この構造においては、両側のトレンチ11、40から放水される洗浄水の脈動が増幅するように脈動を干渉させることによって、全体の注水量を増加せずに洗浄効果を高めることができる。
【0024】
【実施例】
〔実施例1〕
図1に示す土壌浄化システムにおいて、洗浄水に表1に示す圧力と周期の脈動を与えて土壌中の汚染域を洗浄した。この結果を表1に示した。また、洗浄水に脈動を与えずに洗浄した結果を比較例として示した。本実施例ではクロム濃度の低減率が、還元剤を用いないもの(No.1)は50%、還元剤を用いたもの(No.2〜No.4)は80%〜90%であり、非常に高い。一方、洗浄水を脈動しない比較例のクロム濃度低減は10%であり、本発明例に比べて著しく低い。
【0025】
〔実施例2〕
図3に示す加圧放水管路34を設けた土壌浄化システムにおいて、洗浄水に表1に示す圧力と周期の脈動を与えて土壌中の汚染域を洗浄した。この結果を表1に示した(No.---)。本実施例では汚染域の下側への拡散が防止されるのでクロム濃度の低減率が93%に向上している。
【0026】
【表1】
Figure 0003894073
【0027】
〔実施例3〕
図4に示す第2注水トレンチを設けた土壌浄化システムにおいて、洗浄水に表2に示す圧力と周期の脈動を与えて土壌中の汚染域を洗浄した。この結果を表2に示した。なお、比較のため第2注水トレンチを設けない例を対比して示した。本実施例は第2注水トレンチを設けない例よりも注水量は少ないがクロム濃度低減率はほぼ同等であり、注水量を増加せずに洗浄効果を向上できることが確認された。
【0028】
【表2】
Figure 0003894073
【0029】
【発明の効果】
本発明の土壌浄化方法では、注水トレンチの壁面から洗浄水が放水されるので放水面が広く、汚染域に対して洗浄水を均一に流すことができる。さらに、洗浄水に脈動を与えて放水するので汚染域の洗浄効果が優れる。また、放水面が広いので脈動を与える効果が大きい。因みに、従来の処理方法における注水井戸では加圧水が放水されるが、これに脈動を与えても個々の通液孔から放水されるために脈動による効果が殆どない。注水井戸を多数設けても同様である。一方、本発明では洗浄水を壁面から放水するので洗浄水の脈動による効果が大きく、汚染域の洗浄効果を高めることができる。土壌粒子表面に付着している汚染物は洗浄水に接触して洗い流されるが、土壌を構成している粘土鉱物の内側に存在している汚染物は洗浄水の流速を高めるだけでは十分に除去することができない。洗浄水を加圧脈動して粘土鉱物の内側と外側の圧力差を大きくすることによって内側の汚染物が外側に引き出され、洗浄効果が大幅に向上する。
【0030】
さらに、注水トレンチの上部に還元水生成層を形成し、還元性の洗浄水を下部透水層から土壌中に放水することによって、土壌中の汚染物質である六価クロムなどが還元されて安定化される。また、水位測定孔を設け、測定水位に基づいて注水量ないし揚水量を制御することによって土壌中の汚染域を流れる洗浄水の水位を適正に保ち、洗浄効果が向上する。さらに、注水トレンチの下側に、上向きに加圧水を放水する管路を水平方向に設けることによって、汚染物質の下方への拡散が抑止され、施工域について信頼性の高い浄化効果が達成される。また、注水トレンチの側方に注水トレンチと異なる向きに第2注水トレンチを設け、両トレンチから放水される洗浄水の脈動を干渉させて脈動を増幅させれば、全体の注水量を増加せずに洗浄効果が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】注水トレンチおよび揚水トレンチなどの配置を示す模式平面図
【図2】図1に示す浄化構造の模式縦断面図
【図3】注水トレンチ下側に加圧水供給管路を設けた配置を示す模式縦断面図
【図4】注水トレンチに対して第2注水トレンチを設けた構成例を示す模式平面図。
【符号の説明】
10−遮水壁、11−注水トレンチ、12−揚水トレンチ、13−透水層、14−還元水生成層、15−揚水ポンプ、16−注水管路、17−注水バルブ、18−揚水管路、20−難透水層、31、32−水位測定孔、33−水位コントロールユニット、34−加圧水放水管路、40−第2注水トレンチ。

Claims (6)

  1. 土壌中に注水トレンチと揚水トレンチを設け、脈動を与えながら洗浄水を注水トレンチの壁面から土壌中に放水して、注水トレンチと揚水トレンチの間の汚染域に洗浄水を流し、汚染域を経由した洗浄水を揚水トレンチから汲み上げて洗浄水中の汚染物質を除去することを特徴とする土壌浄化方法。
  2. 汚染域を囲む遮水壁を設け、遮水壁で囲まれた領域の上流側に注水トレンチを設けると共に下流側に揚水トレンチを設け、各トレンチは地下の難透水層に達する深さに掘削し、各トレンチの外周壁を遮水壁によって形成する一方、トレンチ内壁の上側部分を遮水壁とし、また下側部分を透水性壁面によって形成し、脈動を与えられて注水トレンチの下部透水性内壁面から放水され、汚染域を流れた洗浄水を揚水トレンチから揚水して浄化処理する請求項1に記載する土壌浄化方法。
  3. 注水トレンチの透水性内壁面底部から上部遮水壁の任意の高さまで透水材料を充填すると共にその上側に還元材料を含む砂材を充填して注水トレンチに上部還元水生成層と下部透水層とを形成し、上部還元水生成層に供給された洗浄水が還元性を有して下部透水層に流下し、還元性の洗浄水が土壌中に放水される請求項1または2に記載する土壌浄化方法。
  4. 注水トレンチと揚水トレンチの間に水位測定孔を設け、測定した水位に基づいて注水量ないし揚水量を制御する請求項1、2または3に記載する土壌浄化方法。
  5. 注水トレンチの下側に、上向きに加圧水を放水する管路を横設し、汚染物質の下方への拡散を抑止する請求項1〜4の何れかに記載する土壌浄化方法。
  6. 注水トレンチの側方に、注水トレンチと異なる向きに第2注水トレンチを設け、両トレンチから放水される洗浄水の脈動を干渉させて脈動を増幅させることによって洗浄効果を高める請求項1〜5の何れかに記載する土壌浄化方法。
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