JP2004223169A - 車椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】座り心地に優れた折り畳み式の車椅子を提供する。
【手段】左右のサイドフレーム1は、その後部がX型リンク機構12で連結されている。座体2は座受け枠22に取付けられており、座受け枠22の後部に背もたれ3が前向き倒れ可能に取付けられている。座受け枠22には前後長手のガイド軸31が抜け不能で左右スライド自在に嵌まっている。背もたれ3を倒した状態で座受け枠22の一側部を上向きに引っ張ると、支持軸33と連動軸36とからなるリンク機構により、左右のサイドフレーム1は折り畳まれる。折り畳まれた左右サイドフレーム1の間の空間に、座受け枠22と座体2と背もたれ3との三者を落し込むことができる。座体2及び背もたれ3は非柔軟性であるため、身体の支持安定性に優れており、座り心地が良い。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、折り畳み式の車椅子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車椅子には、折り畳み式のものと非折り畳み式のものとがあり、従来の折り畳み式の車椅子はJIS T 9201に規定されている。
【0003】
すなわち、JISに規定されている折り畳み式車椅子は、左右の本体フレーム(サイドフレーム)と、左右の本体フレームにそれぞれ取り付けた主輪及び補助輪と、左右の本体フレームを互いの間隔が広狭自在となるように連結するXリンク式の折り畳みフレームとを備えており、座(シート)と背もたれ(バックレスト)とを布のような柔軟な素材製とすることにより、左右の本体フレームの間隔を狭めて折り畳みできるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車椅子においても座り心地は重要である。むしろ、車椅子こそ快適な座り心地を提供すべきであるともいえる。
【0005】
しかし、従来の折り畳み式車椅子のように、座体と背もたれとを柔軟な布状の素材製とした構成では、人はいわばハンモックに腰掛けたような状態となるため、身体が安定せずに座り心地が悪いことがあるという問題があった。また、布状の素材は柔軟であっても弾性変形する訳ではないためクッション性に欠け、この面からも座り心地が悪いことがあった。
【0006】
本発明は、このような現状を改善することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の車椅子は、基本構成として、互いの間隔を狭め得るように連結された左右のサイドフレームと、これら左右サイドフレームに取り付けた車輪群と、左右サイドフレームの間に配置される座体と、座体の後方に配置される背もたれとを備えている。
【0008】
そして、請求項1では、前記座体と背もたれとは、それら自身としては二つ折りできない非柔軟構造になっており、これら座体と背もたれとは、座体の上面と背もたれの前面とが重なるように折り畳み可能に連結されていると共に、正面視で左右両側から重なる姿勢変に変更可能な状態でいずれか一方のサイドフレームに取り付けられている。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1において、前記左右サイドフレームの間隔を狭めた折り畳み状態で、それら左右サイドフレームの間に、左右両側から重なった姿勢に折り畳まれた座体と背もたれとを収納できる間隔が空いている。
【0010】
請求項3の発明では、前記した基本構成において、前記座体と背もたれとは、それら自身としては二つ折りできない非柔軟構造になっており、これら座体と背もたれとをサイドフレームに着脱可能に取り付けている。
【0011】
なお請求項3では、座体と背もたれとがそれぞれ別々にサイドフレームに着脱自在に取付けられている場合と、座体をサイドフレームに着脱自在に取り付けて、背もたれを座体に着脱自在に取り付けている場合との両方を含んでいる。また、座体及び背もたれは、それぞれ座受け枠及び背受け枠も含む概念である。
【0012】
【発明の作用・効果】
本発明によると、座体と背もたれとを例えば合成樹脂板にクッション材を張った構造のような非柔軟構造としたものでありながら、左右サイドフレームの間隔が狭まるように折り畳むことができる。逆にいうと、折り畳み式の車椅子でありながら、座体と背もたれとは、若干の弾性変形はしても柔軟性はない剛体構造(或いは準剛体構造)とすることができる。
【0013】
このため、本発明によると、不使用時に狭いスペースに置いたり収納したりできる折り畳み式の車椅子でありながら、使用状態において人の姿勢の安定性を向上して座り心地を向上することができる。
【0014】
また、例えば座体及び背もたれにスポンジ等のクッション材を設けたり、座板や背もたれ板を容易に弾性変形する構造にすることにより、使用者の身体(臀部や背中)に高いクッション性を与えることも容易であり、この点からも、従来の折り畳み式車椅子に比べて座り心地を格段に向上できる。
【0015】
請求項2のように構成すると、折り畳み状態で左右サイドフレームの間に座体と背もたれとが収納されるため、車椅子の全体を体裁良く折り畳むことができる利点がある。
【0016】
他方、請求項3のように構成すると、左右のサイドフレームの間隔をより狭めた状態に折り畳むことができるため、折り畳み状態での左右幅寸法を小さくできる利点がある。
【0017】
【発明の実施形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
(1).第1実施形態(図1〜図14)
図1〜図14では第1実施形態を示している。まず、図1〜図4に基づいて全体の概要を説明する。
【0019】
▲1▼.全体の概要
図1は使用可能状態での斜視図、図2は折り畳んだ状態での側方から見た斜視図、図3は正面図、図4うち(A)は図3のIVA−IVA 視断面図、(B)は図3のIVB−IVB 視断面図、である。
【0020】
車椅子は、左右のサイドフレーム1と、左右のサイドフレーム1の間に配置した座体2と、座体2の後方に配置した背もたれ3と、左右サイドフレーム1にそれぞれ回転自在に取り付けた主輪4とを備えている。主輪4には手動用駆動輪5を取り付けている(もちろん、駆動輪5は無くても良い)。。
【0021】
サイドフレーム1の上面は側面視で円弧状に形成されている。これは、人が横移動しながら座体2に乗り降りすることを容易ならしめるためである。サイドフレーム1の前部の外面には補助輪6を取り付けている。また、サイドフレーム1の前端部には、ステップ7を跳ね上げ回動自在に取り付けている。
【0022】
サイドフレーム1の後端には合成樹脂製等のブッシュ8を固定しており、このブッシュ8にハンドル9を高さ調節可能に取り付けている。また、左右サイドフレーム1には肘当て10を取り付けている。詳細は省略するが、肘当て10はその後部を中心にして上向きに起こすことができる。
【0023】
図1に示すように、サイドフレーム1の前部の外面にはブレーキレバー11を設けている(他の図ではブレーキレバー11は省略してい)。
【0024】
▲2▼.サイドフレーム相互間の連結
次に、主として図5に基づいて、左右サイドフレームの連結について説明する。図5のうち(A)は一部を省略した背面図、(B)は(A)B−B視断面図、(C)は(A)C−C視断面図である。
【0025】
左右のサイドフレーム1は、互いの間隔を広狭変更できるように、その後部においてX型のリンク機構12で連結されている。リンク機構12を構成する2本のリンク杆13は、交差姿勢を自在に変更できるよう中間部がセンターピン14で連結(枢着)されている。
【0026】
このようにサイドフレーム1を後部においてリンク機構12で連結しているのは、座体2と背もたれ3とを取付けたままで左右サイドフレーム1の間隔を狭めることをできるようにするためである。
【0027】
両リンク杆13の下部には前後方向に延びる軸受け15が溶接によって固着されており、この軸受け15を、サイドフレーム1に固定した平面視コ字形のブラケット16に下部ピン17で回動自在に取り付けている。
【0028】
両リンク杆13の上部はL形に折り曲げられた後ろ向きの水平部13aとなっている一方、サイドフレーム1には上下長手のガイド部材18が固定されており、このガイド部材18に形成した上下長手の長穴19に、リンク杆13の水平部13aを抜け不能で上下動自在に嵌め込んでいる。従って、両リンク杆13の交差姿勢が変わることにより、左右のサイドフレーム1の間隔を一定範囲内で広狭変えることができる。
【0029】
両サイドフレーム1をその間隔が広狭変化するように連結する可動式連結手段としては、実施形態のようなX型のリンク機構には限らず、例えば、2本の筒を嵌め合わせたテレスコープ方式やく字状リンク機構など、他の様々の方式を採用することができる。
【0030】
なお、座体2と背もたれ3とを取り外す方式の場合、及び、座体2と背もたれ3とは取付けた状態であっても折り畳んだ状態で左右サイドフレーム1の上方に配置している場合は、左右サイドフレーム1はXリンク方式等のリンク機構12で前後複数箇所を連結すること(すなわちリンク機構が座体を下方に配置すること)も可能である。
【0031】
更に、リンク機構におけるリンク杆13の回動を許容するためのガイド手段は、図示のような長穴を利用したものには限らず、例えば、リンク杆13の端部に取付けコロをガイド溝内で転動させる方式など、様々の態様を採用できる。
【0032】
▲3▼.座体と背もたれとの取り付け構造
次に、図1〜図4に加えて図6及び図7も参照して、座体2と背もたれ3との取り付け構造を説明する。図6は要部の分離斜視図、図7のうち(A)は縦断正面図、(B)は(A)の平面図、(C)は(A)のC−C視断面図である。
【0033】
図6や図7から容易に理解できるように、座体2は、合成樹脂製の座板(シェル)2aにスポンジ等のクッション材2bを張った構造であり、座受け枠22に着脱自在に取り付けられている。
【0034】
座受け枠22は、丸パイプ製の左右側枠22aと、断面下向き開口コ字状に形成された前後の横長枠22bとを備えている。左右側枠22aの後部には正面視L形の後部ブラケット板24を溶接によって固着しており、後部ブラケット板24の下面に後部の横長枠22bを固着している。また、前部の横長枠22bは前部ブラケット板24′を介して側枠22aに固着されている。
【0035】
後部ブラケット板24にはダルマ形の係合穴25を空けている一方、座板20には、係合穴25に嵌まる頭付きピン(図示せず)を下向きに突設している。従って、頭付きピンを係合穴25に嵌め入れて前後方向にずらすことにより、座体2を座受け枠22に着脱することができる。従って、座体2は汚れたら簡単に洗うことができる。
【0036】
着座した人だ背もたれ3にもたれ掛かると、座体2にはその前部が起きるような外力が作用する。従って、座板20の前部は、例えば鉤体を横長枠22bに引っ掛けるなどして、前部の横長枠22bから離反しないように保持する必要がある。ダルマ式の係合穴方式に代えて、両面テープ等の他の係止手段を採用しても良い。
【0037】
背もたれ3は、座体2同様に、合成樹脂製の背もたれ板の前面に張ったクッション材を張った構造になっており、図6に示す背受け枠26に取り付けられている。背受け枠26には、後部ブラケット板24の垂直片24aと重なり合う支持片26aを一体に設けており、支持片26aを垂直片24aに水平状のピン27で回動可能に取り付けている。
【0038】
また、後部ブラケット24の垂直片24aには、ピン27の中心回りに延びる円弧状の長穴28が空けられている一方、背受け枠26の支持片26aには、長穴28に嵌まるストッパーピン29を取り付けている。これにより、背もたれ3は座体2に重なるように倒すことができる。
【0039】
背もたれ3もダルマ形の係合穴25を利用して背受け枠26に着脱自在に取り付けられている。
【0040】
なお、背もたれ3を起きた姿勢と倒した姿勢とに座体2に姿勢変更可能ならしめる取り付け手段としては、実施形態のように円弧状の長穴28とストッパーピン27とを使用することには限らず、例えば背受け枠26に下向きのストッパー部を設けて、起きた状態でストッパー部を後部の横長枠22bに後方から当てるなどしても良い。
【0041】
▲4▼.左右サイドフレームの引き寄せ操作機構
座受け枠22における前後の横長枠22bの各側板には横長のガイド穴30が空けられており、このガイド穴30に、ガイド部材の一例としての前後長手のガイド軸31が左右移動自在で抜け不能に嵌まっている。なお、前後の横長枠22bにおける片側の側板のみにガイド穴30を形成しても良い。符号32は抜け止め用のねじである。
【0042】
ガイド穴30における左側の端部には、ガイド軸31が嵌まり込み得る上向きに凹んだ切欠き部30aを形成している(車椅子を折り畳んでいない状態では、座受け枠22は後述する受けフレーム42で支持されているため、ガイド軸31は切欠き部30aにはは嵌まり込まない。)
ガイド軸31には、前後2本の支持軸33が固着されている。支持軸33の下端部は前後方向に延びる折曲げ部33aとなっており、この折曲げ部33aを、一方のサイドフレーム1(右サイドフレーム)に固定したブラケット34に回動自在に取り付けている。従って、ガイド軸は、支持軸33の下端を中心にして左右方向に回動できる。
【0043】
前後の支持軸33は、その中途高さ位置において補強軸35で連結されている。また、手間側の支持軸33に、面視略L形に形成された連動軸36の上端部を前後方向に延びるピンで回動自在に連結し、更に、連動軸36の下端部を手間側に延びる折曲げ部36aと成し、この折り曲げ部36aを、他方のサイドフレーム1(左サイドフレーム)に内側面に固着したブラケット37に回動可能に取付けている。左右サイドフレーム1の間隔を広げた状態で、連動軸36は、上向き凹状に傾斜した姿勢になっている。
【0044】
前記したブラケット37には、連動軸36の折曲げ部36a(端部)が抜け不能で摺動自在に嵌まる長穴36aが正面視で斜め上向きに延びるように形成されている。)
支持軸33を起立方向に起こし回動すると、連動軸36も右サイドフレーム1に近づくように引っ張られ、これにより、左右サイドフレーム1を互いに接近する。座受け枠22における右側の側枠22aには、座受け枠22を上向きに浮き起こすに際して人が手を掛けるための紐環38を通している。紐環38は、座体2の上方に露出させている。
【0045】
座受け枠22における左右側枠22aの前端部には、正面視鉤状の係止ブロック40が嵌め込み装着されており、係止ブロック40を前部ブラケット板25にボルト41(図6参照)で固定している一方、サイドフレーム1の内面には、係止ブロック40の鉤部が上方から嵌まる受けフレーム42を設けている。
【0046】
図面では省略しているが、後部ブラケット板24にも、受けフレーム42に上方から噛み合う係止部材を設けている。このため座体2を安定して状態で支持できる。なお、座受け枠22の支持手段としては、座受け枠22の左右両側部に前後長手の鉤部を設けて、この鉤部を受けフレーム42に上方から嵌め込むなどしても良い。
【0047】
本実施形態において、左右のサイドフレーム1はその後部においてはリンク機構12で連結されている一方、前部において係止ブロック40によって左右間隔が保持されている。このため、左右サイドフレーム1の後部のみをX型のリンク機構12で連結したシンプルな構成でありながら、使用時において左右のサイドフレーム1の間隔を一定に保持できる利点がある。
【0048】
なお、ガイド軸31を座受け枠22に対してスライド自在で抜け不能に取付ける方法としては、図示のようなガイド穴30を使用することには限らず、他の様々の方法も採用できる。
【0049】
▲5▼.具体的な折り畳みの手順
次に、具体的な折り畳みの手順を図8〜図10に基づいて説明する。車椅子を折り畳むには、先ず、図8に示すように背もたれ3を前に倒して座体2に重ね合わせる。
【0050】
次いで、図9に示すように、紐環38に手を欠けて上向きに引っ張る。すると、係止ブロック40が支持フレーム42から外れて、座体2と座受け枠22と背もたれ3とが一体となって持ち上げられる。係止ブロック30が支持フレーム42から離脱すると、左右サイドフレーム1はその間隔が狭まるように接近し得る。
【0051】
そして、更に紐環38を上向きに引っ張ると、座受け枠22と座体2と背もたれ3とは正面視で上向きに立つような姿勢になりながら引き上げられ、これに伴って、支持軸33は起立姿勢となるように回動する。すると、てこ作用によって連動軸36が一方のサイドフレーム1に向けて引き寄せられ、この引き寄せ作用により、左右のサイドフレーム1は互いの間隔が狭まる。
【0052】
そして、図10のように、座受け枠22と座体2と背もたれ3とを上向きに引き上げ切ると、左右サイドフレーム1は最も間隔が狭まった状態に折り畳まれる。この状態で、左右サイドフレーム1の間には、座受け枠22と座体2と背もたれ3との3者の重合体が収納される得る空間が空くと共に、連動軸36は正面視でL状の姿勢になる。
【0053】
そこで、座受け枠22と座体2と背もたれ3との3者の重合体を引き上げ切ってから、支持軸33に沿って下向きにスライドさせて左右サイドフレーム1の間の空間に落とし込むことにより、図2に示すように、車椅子の全体をコンパクトに折り畳むことができる。
【0054】
この状態では、座受け枠22と座体2と背もたれ3との3者の重合体が連動軸36に上方及び側方から重なったような状態になっているため、連動軸36の回動が阻止されて、車椅子は折り畳まれた状態に保持される。すなわち、座受け枠22と座体2と背もたれ3との3者の重合体を利用して、車椅子の折り畳み状態を保持しているのである。
【0055】
ところで、座受け枠22を引き上げる場合は、ガイド軸31は座受け枠22におけるガイド穴30の端部に当たったままであるため、当該座受け枠22はこじれなくスムースに引き上げることができる。
【0056】
他方、引き上げ切った座体2を下降させる場合、図11に示すように、ガイド軸31の横長枠22bのガイド穴30を摺動することによって座受け枠22の下降が許容されるが、図11の状態で座受け枠22が左右方向(車椅子の正面視では前後方向)に傾くと、ガイド軸31と横長枠22bとの間にこじれが生じて、スムースに下降させにくくなる。
【0057】
そこで、図12に示すように、係止ブロック40を固定するためのボルト41の頭を手前側の支持軸33に当接又は近接させる一方、座受け枠22における後部ブラケット板24の下面に、後方の支持軸33の外周面に当たるガイド部材43を設けている。
【0058】
このように、ガイド部材43とボルト41とが前後の支持軸33に対してガイド軸31と距離を置いた状態で当たることにより、座受け枠22が前後方向に倒れることを抑制できるため、座受け枠22をスムースに下降動させることができる。
【0059】
ガイド部材43とボルト41の頭とは座受け枠22をスムースに下降動させるガイド手段(姿勢保持手段)の一例であるが、他のガイド手段を採用しても良い。例えば、座受け枠22に、鉛直姿勢にすると前後の支持軸33に嵌まる断面コ文字形のガイド部材を設けたり、ガイド軸31の両端に、横長枠22bに長い距離で摺接するガイド体を設けるなどしても良い。
【0060】
▲6▼.実施形態の利点
さて、車椅子を左右サイドフレーム1が開いた状態から閉じた状態に折り畳むにおいて、既述のとおり、背もたれ3が重なった座体2を引き上げる。この場合、連動軸36は座体2等の引き上げに追従しては回動するため、座体2等の引き上げによって左右フレーム1が狭まり勝手となり、このため、座受け枠22が受けフレーム42から抜け難くなる。
【0061】
これに対して実施形態のように、連動軸36の折曲げ部36aをブラケット37の傾斜状長穴37aに嵌め入れておくと、連動軸36は回動しても左右フレーム1の間隔は狭まらない状態を僅かの間ながら保持できるため、紐環(引手)38の引っ張りによって座受け枠22を受けフレーム42から簡単に抜き外すことができる利点がある。その結果、折り畳み作業を軽快に行える。
【0062】
次に、折り畳んだ車椅子を広げる場合について説明する。広げ作業は折り畳みと概ね逆の手順であり、まず、紐環38に手を掛けて座体2等を引き上げる。
【0063】
そして、座体2等を引き上げ切ってから、図13に一点鎖線で示すと共に図13に実線で示すように座体2等を傾けるのであるが、この場合、座体2等の自重により、ガイド溝30の切欠き部30aがガイド軸30に嵌まり込む。このため、紐環38に手を掛けたままの状態で、座体体2と座受け枠22と背もたれ3との重合体によって支持軸33を押して回動させることができる。
【0064】
すなわち、座体2等を押し部材に利用して、支持軸33に対して強い力を作用させることができる。このため、例えば非力な女性介護者であっても、車椅子を軽快に広げることができる。
【0065】
また、ガイド穴30の切欠き部30aをガイド軸30に嵌めてから座体2等を傾けてから、座体2等を押した初期においては、連動軸36の折曲げ部36aはブラケット37の長穴37aを動いて左右サイドフレーム1の間隔は広がらないため、座体2等を押し易い姿勢まで寝かせることができる。この点からも、座体2等に強い力を作用させて、車椅子の広げ作業を軽快に行うことができる。
【0066】
連動軸36が若干回動してもサイドフレーム1の間隔が広狭変化しないように設定する緩衝手段としては、ブラケット37に長穴37aを設けることには限らず、他の構造を採用しても良い。
【0067】
▲7▼.バリエーション
本実施形態ではガイド軸31や支持軸33、連動軸36を金属の丸棒製としているが、板金加工によって製造するなどしても良い。また、座受け枠22も、全体を金属体で製造したり合成樹脂製としたりするなどしてもよいことは言うまでもない。座受け枠22と座板20とを合成樹脂より成る一体構造とすることも可能である。
【0068】
また、サイドフレーム1の具体的な構造は必要に応じて任意に設計できるもので、図示の形態には限らない。
【0069】
更に、左右サイドフレーム1の間隔を広狭調節する操作手段は図示のような支持軸33や連動軸36より成るリンク機構(或いはてこ機構)を使用することには限らず、様々の方法を採用できる。特別の操作手段を設けずに、サイドフレーム1を持ち上げることによって互いに接近させることも可能である。
【0070】
(2).第2実施形態(図15)
図15では請求項3を具体化した第2実施形態を示している。この実施形態は、座体2の支持構造や左右サイドフレーム1を引き寄せる機構は第1実施形態と殆ど同じであり、相違点は、座受け枠22における横長枠22bの端部に正面逆Lで下向きに切り開かれた係合溝45を形成して、この係合溝45をガイド軸31の端部に係脱できるようにしている点である。
【0071】
この実施形態では、座体2をやや持ち上げると、係合溝45とガイド軸31との係合を解除して座体2と背もたれ3とを取り外すことができる。そして、例えばガイド軸31に通した紐環38に手を掛けて引っ張ることにより、支持軸33を起こし回動して左右サイドフレーム1の間隔を狭めることができる。
【0072】
また、使用状態では、ガイド軸31が係合溝45の水平部に嵌まり込んでいるため、座受け枠22が跳ね上がることはない(係合溝45が単に下向きに開口しているだけでは、使用者が背もたれ3にもたれ掛かると、座体2の前部が浮き上がってひっくり返ってしまう虞がある)。
【0073】
この実施形態では、左右サイドフレーム1の間隔をより狭めた状態に折り畳むことができるため、コンパクト化できる利点がある。取り外した座体2と背もたれ3は、例えば折り畳んだサイドフレーム1の上部に重ねておけば良い。
【0074】
本実施形態のようにガイド軸31を座受け枠22に係脱させる構造にすると、第1実施形態のように座体2及び背もたれ3を取り外さない方式と殆どの部材を共用できる利点がある。
【0075】
もちろん、ガイド軸31と支持軸33と連動軸36とからなるリンク機構方式の操作機構を使用せずに、左右のサイドフレーム1を前後一対のX型リンクで連結して、左右のサイドフレーム1を持ち上げることによって折り畳むように構成しても良い。
【0076】
(3).第3実施形態(図16)
図16は、座体及び背もたれを着脱自在とした別例である。(A)は正断面図、(B)は(A)のB−B視断面図である。
【0077】
この実施形態では、サイドフレーム1に設けた断面L型の受けフレーム42で座体2を直接に支持し、更に、座板20に設けた下向き鉤型の係止片(係止爪)46を、受けフレーム42に設けた係合穴47に嵌め込んで抜け止めとなしている。
【0078】
いうまでもないが、座体2は、係止片46を係合穴47に嵌めててから後方にずらすことにより、受けフレーム42る起こし不能に取付けられる。
【0079】
(4).その他
本発明は、上記の実施形態の他にも様々に具体化することができる。例えば請求項2の場合、背もたれは必ずしも倒れ回動する必要はなく、座体と背もたれとの姿勢が固定的なものであっても良い(従って、座板と背もたれ板とが一体に繋がった構造とすることも可能である)。
【0080】
また、座体及び背もたれは、クッション材を備えていない単なるシェル構造としたり、環状のフレームにネットを張った構造にしたりするなど、様々の構造を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における広げた状態での斜視図である。
【図2】折り畳んだ状態での側方から見た斜視図である。
【図3】正面図である。
【図4】(A)は図3のIVA−IVA 視断面図、 (B)は図3のIVB−IVB 視断面図である。(C)は(B)の左側面図である。
【図5】(A)は一部を省略した背面図、 (B)は (A)の B−B視断面図、 (C)は (A)の C−C視断面図である。
【図6】要部の分離斜視図である。
【図7】(A)は縦断正面図、 (B)は (A)の平面図、 (C)は (A)の C−C視断面図である。
【図8】折り畳みの手順を示す図である。
【図9】折り畳みの手順を示す図である。
【図10】折り畳みの手順を示す図である。
【図11】折り畳みの途中での側面図である。
【図12】図11のXII−XII 視断面図である。
【図13】作用を示す概念図(スケルトン図)である。
【図14】(A)は作用を説明するための概念図、 (B)は部分的な正面図である。
【図15】第2実施形態を示す図である。
【図16】第3実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1 サイドフレーム
2 座体
3 背もたれ
4 主輪
12 サイドフレームの連結用のリンク機構
13 リンク杆
22 座受け枠
30 ガイド軸
31 ガイド穴
33 支持軸
36 連動軸
40 係止ブロック
42 受けフレーム

Claims (3)

  1. 互いの間隔を広狭変更できるように連結された左右のサイドフレームと、これら左右サイドフレームに取り付けた車輪群と、左右サイドフレームの間に配置される座体と、座体の後方に配置される背もたれとを備えており、
    前記座体と背もたれとは、それら自身としては二つ折りできない非柔軟構造になっており、これら座体と背もたれとは、座体の上面と背もたれの前面とが重なるように折り畳み可能に連結されていると共に、正面視で左右両側から重なる姿勢変に更可能な状態でいずれか一方のサイドフレームに取り付けられている、
    車椅子。
  2. 前記左右サイドフレームの間隔を狭めた折り畳み状態で、それら左右サイドフレームの間に、左右両側から重なった姿勢に折り畳まれた座体と背もたれとを収納できる間隔が空いている、
    請求項1に記載した車椅子。
  3. 互いの間隔を狭め得るように連結された左右のサイドフレームと、これら左右サイドフレームに取り付けた車輪群と、左右サイドフレームの間に配置される座体と、座体の後方に配置される背もたれとを備えており、
    前記座体と背もたれとは、それら自身としては二つ折りできない非柔軟構造になっており、これら座体と背もたれとをサイドフレームに着脱可能に取り付けている、
    車椅子。
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