JP2004222468A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御方式の異なる2つのモータを搬送系の駆動源として使用する画像形成装置において、2つのモータを簡単かつ効率的に制御する。
【解決手段】パルスモータ5によって発生された駆動力によって駆動される第1のローラ及びDCモータ6によって発生された駆動力によって駆動される第2のローラを有し、記録媒体を搬送する搬送機構によって搬送された記録媒体に画像を形成する画像形成装置の搬送機構を制御する際に、制御部11において、パルスモータに出力するパルス信号のパターンを決定し、該パルス信号のパターンに基づいて、DCモータに対する指令を生成する。
【選択図】 図2
【解決手段】パルスモータ5によって発生された駆動力によって駆動される第1のローラ及びDCモータ6によって発生された駆動力によって駆動される第2のローラを有し、記録媒体を搬送する搬送機構によって搬送された記録媒体に画像を形成する画像形成装置の搬送機構を制御する際に、制御部11において、パルスモータに出力するパルス信号のパターンを決定し、該パルス信号のパターンに基づいて、DCモータに対する指令を生成する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関し、より詳細には、DCモータとパルスモータなどの異なる駆動方式のモータを有する画像形成装置の搬送系の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、オフィスにおいては、読み取った原稿データを印刷出力する複写(コピー)機、パーソナルコンピュータ等で作成した文書や画像を印刷するプリンタ等の画像形成装置が広く使用されている。
【0003】
このような画像形成装置では、機構部分の駆動源としてモータを使用している。使用するモータの種類は、一般的に、要求される精度や装置のコストによって決定される。例えば、画像形成装置で記録媒体を搬送する搬送系では高い位置精度が必要な為、フィードバック系であるクローズドループにより制御が可能なDCモータ等が駆動源として用いられている。
【0004】
最近の画像形成装置には、搬送系の駆動源として複数のモータを用いるものも増えている。このような装置では、搬送系を記録媒体を画像形成部に給紙する給紙系と、画像形成された記録媒体を排出する排紙系とに分け、それぞれの駆動源としてモータを使用している。
【0005】
通常、画像形成中の記憶媒体の搬送には高い精度が必要であるが、記録媒体の給紙にはそれほど高い精度は要求されない。しかしながら、ロール紙のセット時や記録開始位置を調整するために逆方向に搬送する、いわゆるバックフィードを行う際には、精度の高い位置決めが必要である。更に、給紙系と排紙系との間で記録媒体が弛むのを防止する為、排紙系と給紙系との搬送速度は略同じにする必要がある。以上のような理由で、給紙系と排紙系とで同じ制御方式のモータを使用するのが一般的である。
【0006】
また、最近では、小型でオープンループにより制御可能な駆動源として、DCモータとは制御方式が異なるパルスモータも広く使用されるようになってきた。
【0007】
パルスモータとは、巻き線の励磁相電流を逐次に切り替えることで磁界が回転し、この回転磁界に回転子の磁極が吸引・反発することでトルクが発生することにより、回転子が回転磁界に引きずられながら回るモータである。従って、励磁相の切り替えをパルス信号の入力で行えば、1パルスの入力に対し、設定された角度だけパルスモータが回転する。
【0008】
そのためパルスモータにおいては、オープンループ制御が可能であり、フィードバック系が必要な他のサーボアクチュエータに比べ、システムを大幅に簡素化することが可能であり、コストの面で有利となる。
【0009】
画像形成装置に対しては、一層の高速化及び高精度化と、低コスト化が求められている。このため、高速複写機や高速プリンタ等の画像形成装置においては、高精度が必要な箇所にはDCモータ、また高い精度は必要なく小型で且つコストを抑えたい箇所にはパルスモータを採用し、制御方式の異なるモータが搬送系で使用される傾向にある。
【0010】
例えば、画像形成にかかわる駆動源としてDCモータを使用し、排紙や定着にかかわる駆動源としてステップモータを使用する画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−199610
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような制御方式の異なるモータを同期させて駆動する場合、特に、駆動開始時や停止時においては、それぞれのモータの立ち上がり特性や立ち下がり特性の違いから互いのモータの回転速度がそれぞれ異なった推移をとり、このため各駆動部間で相対速度が発生し、最終的には同期を取るのが困難となる場合がある。
【0013】
また搬紙ローラや給紙ローラが停止した位置によっては画像形成の開始位置が異なってしまったり、ロール紙や長尺状の記録媒体においては破損や弛み、紙すべりが起こり、搬送量を正確に制御することができなくなり、制御不可能な状態となってしまう可能性がある。
【0014】
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、制御方式の異なる2つのモータを搬送系の駆動源として使用する画像形成装置において、2つのモータを簡単かつ効率的に制御することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の一態様としての画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
前記記録媒体を搬送する第1及び第2のローラを有する搬送機構と、
前記第1のローラの駆動力を発生するパルスモータと、
前記第2のローラの駆動力を発生するDCモータと、
前記パルスモータに出力するパルス信号のパターンを決定すると共に、前記DCモータに対する指令を生成する制御手段と、を備えており、
前記制御手段が、前記パルス信号のパターンに基づいて、前記指令を生成することを特徴とする。
【0016】
すなわち、本発明では、パルスモータによって発生された駆動力によって駆動される第1のローラ及びDCモータによって発生された駆動力によって駆動される第2のローラを有し、記録媒体を搬送する搬送機構によって搬送された記録媒体に画像を形成する画像形成装置の搬送機構を制御する際に、パルスモータに出力するパルス信号のパターンを決定し、該パルス信号のパターンに基づいて、DCモータに対する指令を生成する。
【0017】
このようにすると、パルス信号のパターンから、パルスモータによって駆動される第1のローラによる記録媒体の搬送速度又は搬送距離を算出して、該算出した値に基づいて、第1のローラによる記録媒体の搬送速度又は搬送距離と、第2のローラによる記録媒体の対応する搬送速度又は搬送距離とが等しくなるように、DCモータの駆動を制御することができ、2つのモータを簡単かつ効率的に制御することができる。
【0018】
従って、簡単な構成で、異なる駆動方式のモータを有する搬送系を制御することができ、装置を低コスト化しつつ記録媒体の搬送位置を高精度に制御することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
<第1の実施形態>
上述のように本発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、記録媒体を搬送する第1及び第2のローラを有する搬送機構と、第1のローラの駆動力を発生するパルスモータと、第2のローラの駆動力を発生するDCモータと、パルスモータに出力するパルス信号のパターンを決定すると共に、DCモータに対する指令を生成する制御手段と、を備えており、制御手段が、パルス信号のパターンに基づいて、指令を生成する画像形成装置であるが、第1の実施形態は、次のような特徴をも有している。
【0021】
制御手段は、パルス信号のパターンから第1のローラによる記録媒体の搬送速度を算出して、該算出された搬送速度と前記第2のローラによる記録媒体の搬送速度とが等しくなるように速度指令を生成する。
【0022】
制御手段は、パルス信号のパターンから第1のローラによる記録媒体の搬送距離を算出して、該算出された搬送距離と第2のローラによる記録媒体の搬送距離とが等しくなるように位置指令を生成する。
【0023】
制御手段は、記録媒体の搬送の際に、上記のように位置指令を生成する位置制御と、上記のように速度指令を生成する速度制御とを切り替えて、DCモータの駆動を制御する。
【0024】
このとき、制御手段は、記録媒体が停止位置から所定距離となった際に、位置制御に切り替えて、DCモータを制御する。
【0025】
制御手段は、第1及び第2のローラのうち、記録媒体の搬送方向における上流側に位置するローラが先に停止するように制御する。
【0026】
このとき、上流側に位置するローラを先に駆動するように制御する。
【0027】
第1のローラが給紙ローラであり、第2のローラが排紙ローラである。
【0028】
上記のような搬送機構の制御を、記録媒体を画像形成位置にセットする際のバックフィードの実行時に行う。
【0029】
図1は、本発明に係る画像形成装置の実施形態の搬送系の構成を示す斜視透視図である。
【0030】
本実施形態の画像形成装置は記録媒体としてロール紙8を用い、その搬送系は、給紙を行う第1のローラである給紙ローラ3、また排紙を行う第2のローラである排紙ローラ2、ロール紙本体を支えるロール紙ローラ4と排紙ローラ2上でロール紙8を押さえるピンチローラ1、排紙ローラの駆動源であるDCモータ6、排紙ローラ2の回転角度を検出するエンコーダ7、給紙ローラの駆動源であるパルスモータ5で構成されている。
【0031】
画像形成時に記憶媒体であるロール紙8は、矢印Aの方向に搬送される。この画像形成時のロール紙8の搬送は排紙ローラ2によってのみ行われる。排紙ローラ2はDCモータ6によって駆動され、また、ピンチローラ1によりロール紙8を排紙ローラ2に圧接することにより排紙ローラ2の搬送力を生じさせている。一方、ロール紙8のロール紙ローラ4から排紙ローラ2まで間の搬送は給紙ローラ3によって行われる。この給紙ローラ3はパルスモータ5によって駆動される。
【0032】
また、12は記録ヘッドであり、ロール紙8の幅方向にインクを吐出するノズルが複数設けられている、いわゆるフルライン型のインクジェット記録ヘッドである。排紙ローラ2によって矢印A方向に所定の速度で搬送されているロール紙8上に、記録ヘッド12の各ノズルからインクが吐出されて画像が形成される。
【0033】
このように、給紙ローラ3とパルスモータ5で構成される給紙系が上流、またピンチローラ1、排紙ローラ2、DCモータ6及びエンコーダ7で構成される排紙系が下流に配置されている。
【0034】
図2は、本実施形態の搬送系の制御構成を示すブロック図である。給紙ローラ3を駆動するパルスモータ5は、パルスモータ駆動部10から出力されるパルス信号に従って駆動され、排紙ローラ2を駆動するDCモータ6は、DCモータ駆動部9から出力される信号に応じて駆動される。パルスモータ駆動部10には、モータ制御部11から駆動パターン指令が出力される。また、DCモータ6の回転角度を検出するエンコーダ7から出力される信号はモータ制御部11に入力され、モータ制御部11からDCモータ駆動部9に位置指令及び速度指令が出力される。
【0035】
以下、上記のような構成における記録媒体(ロール紙)を画像形成位置にセットする際の搬送シーケンスについて、従来の搬送シーケンスと本実施形態の搬送シーケンスとを説明する。
【0036】
始めに、ロール紙を画像形成位置にセットする際の従来の搬送シーケンスについて、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0037】
まず、ロール紙8をロール紙ローラ4にセットし(ステップS1)、ロール紙8を排紙ローラ2上まで搬送すべく、DCモータ6とパルスモータ5とを同じ速度値指令で駆動して、給紙ローラ3と排紙ローラ2とを正方向に回転させてロール紙8の搬送を行う(ステップS2)。
【0038】
ロール紙8を搬送して先端が所定の位置で検知されたか否かを判定し(ステップS3)、先端が検知されたら給紙ローラ3及び排紙ローラ2を一旦停止させる(ステップS4)。そして、ロール紙8を一定の距離だけ逆方向に搬送する、バックフィードを行うべく、給紙ローラ3及び排紙ローラ2を逆方向に回転させる(ステップS5)。給紙ローラ3及び排紙ローラ2が一定量だけ回転した後、DCモータ6及びパルスモータ5の回転を停止させて、給紙ローラ3及び排紙ローラを停止させる(ステップS6)。以上によってロール紙8のセットを終了する(ステップS7)。
【0039】
このシーケンスの前半部分で行われる、ロール紙8をロール紙ローラ4から排紙ローラ2上まで搬送するシーケンスでは、高い搬送精度は必要とされない。もちろん、搬送量のズレが生じると本体内でのロール紙8の破損や弛みなどが生じてしまう為、上流側の搬送量不足は避けなければならないが、DCモータ6とパルスモータ5との同期を取る高い精度の位置決めは必要とされない。
【0040】
しかしながら、このシーケンスの後半部分で行われる、バックフィードは、画像形成開始位置にロール紙8セットする為の搬送である為、ロール紙8を定められた停止位置に高い精度でセットすることが必要とされる。この為、従来の搬送制御では、DCモータ6とパルスモータ5とを同期させて制御することにより、DCモータ6をパルスモータ5に追従させ、給紙ローラ3と排紙ローラ2の高い停止精度を実現している。
【0041】
次に、ロール紙を画像形成位置にセットする際の本実施形態の搬送シーケンスについて、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0042】
まず、ロール紙8をロール紙ローラ4にセットし(ステップS8)、ロール紙8を排紙ローラ2上まで搬送すべく、DCモータ6とパルスモータ5とを同じ速度値指令で駆動して、給紙ローラ3と排紙ローラ2とを正方向に回転させてロール紙8の搬送を行う(ステップS9)。
【0043】
ロール紙8を搬送して先端が所定の位置で検知されたか否かを判定し(ステップS10)、先端が検知されたら給紙ローラ3及び排紙ローラ2を一旦停止させる(ステップS11)。そして、ロール紙8を一定の距離だけ逆方向に搬送する、バックフィードを行うが、本実施形態ではこのバックフィードの実行時に、停止位置を高い精度で制御すべく、DCモータ6とパルスモータ5とを、図5Aに示すタイムチャートに従って制御する。なお、図5Aのタイムチャートにおける「速度」は、ロール紙8の搬送速度を表しており、モータの回転速度ではない。
【0044】
バックフィードではロール紙8の搬送方向が逆となるので、排紙系が上流、給紙系が下流となる。このため、上流側である排紙ローラ2を先に逆方向に回転させる必要がある。よって先にDCモータ6をある一定量だけ逆方向に駆動する(ステップS12)。ここでのDCモータの制御は位置制御であり、その期間は図5Aにaで示すように時間0からt1までである。
【0045】
図5Aに時刻t0で示すように、DCモータ6の駆動を開始してから所定時間後に、パルスモータ5を駆動して給紙ローラ3を逆方向に回転させてロール紙8を逆方向に搬送させる(ステップS13)。ここで、パルスモータ5を駆動させる駆動パターンは特別なパターンである必要はないが、機械的構成による制限を受けるため、あらかじめ特性を検討する必要がある。
【0046】
さらに、時刻t1からt2までの期間bでは、パルスモータ5に対する駆動パターン(例えば、加速テーブルや減速テーブルなど速度テーブル情報)の指令値からロール紙8の搬送速度を算出し、DCモータ6によるロール紙8の搬送速度がパルスモータ5によるロール紙8の搬送速度と等しくなるように、DCモータ6の速度指令値を設定する。このようにしてDCモータ6を速度制御して、パルスモータ5の回転に追従させる。
【0047】
その後、時刻t2でDCモータ6の駆動により排紙ローラ2によってロール紙8の先端が目標停止位置からある一定の距離まで近づくと、DCモータ6の指令値を目標位置に変更し、位置制御によってDCモータ6を駆動する(期間c)。このとき、DCモータ6は先に駆動を開始しているので、パルスモータ5より先に目標位置に到達して排紙ローラ2が停止する(ステップS14)。パルスモータ5は駆動パターンに従って駆動され、時刻t3で給紙ローラ3が停止すると(ステップS15)、ロール紙のセットを終了する(ステップS16)。
【0048】
なお、上述の機械的構成による制限の例としては、ロール紙8の搬送時に給紙ローラ3と排紙ローラ2の搬送量の差が大きくなると、紙すべりや弛みや歪みが生じ、折れ曲がってしまい正常な画像形成ができなくなってしまう為、搬送量の差が増大しないように、パルスモータ5の駆動パターンを調整する必要があることが挙げられる。
【0049】
また、このパルスモータ5の駆動パターンの調整とは別に、DCモータ6の位置制御(期間a)から速度制御(期間b)そして位置制御(期間c)への制御方式の切り替えタイミングを調整する事でも上記のような不具合が生じるのを防止することができる。
【0050】
以上説明したように本実施形態によれば、バックフィードの実行時にパルスモータによるロール紙の搬送速度とDCモータによるロール紙の搬送速度が同じとなるように、DCモータの速度指令値を設定することにより、簡単な構成で、異なる駆動方式のモータを有する搬送系を制御することができ、装置を低コスト化しつつ記録媒体の搬送位置を高精度に制御することが可能となる。
【0051】
<変形例>
上記実施形態では、DCモータ6の駆動制御を、期間aでは位置制御、期間bでは速度制御、期間cでは位置制御としたが、DCモータ6の駆動制御を位置制御のみで行ってもよい。
【0052】
図5Bは、DCモータ6を位置制御のみで駆動する場合のタイムチャートの例である。この場合、一旦期間aで所定量だけ搬送する位置指令値に対する制御を行い、期間dでは最終的な停止位置に対応した位置指令値とする。
【0053】
<第2の実施形態>
以下、本発明に係る画像形成装置の第2の実施形態について説明する。以下の説明では、上記第1の実施形態と同様な部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0054】
第1の実施形態では搬送系でのバックフィードの実行時の搬送制御に関するものであったが、第2の実施形態は、画像形成時の搬送制御に関するものである。搬送系の機械的構成及び制御構成については上記第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0055】
図5Cは、本実施形態の画像形成時におけるパルスモータとDCモータの駆動の様子を示すタイムチャートである。画像形成時のロール紙の搬送は、給紙系から排紙系へと行われるので、給紙系が上流であり、排紙系が下流となる。このため、上流の給紙ローラ3を先に回転させるべく、パルスモータ5を先に駆動する。
【0056】
パルスモータ5を駆動した後、排紙ローラ2を回転させるべくDCモータ6を駆動させてロール紙を搬送する。ここでパルスモータ5に対する駆動パターンの指令値からロール紙8の搬送距離を算出し、このパルスモータ5による搬送距離とDCモータ6による搬送距離が等しくなるように位置指令値を設定してDCモータ6を位置制御する(期間d)。
【0057】
このようにして、DCモータ6をパルスモータ5の回転に追従させる。本実施形態では、先に駆動するパルスモータ5を第1の実施形態におけるDCモータ6のように、一定距離だけ先に位置制御で駆動するようなオフセット制御は行わないが、パルスモータ5を駆動させてからDCモータ6を駆動させるまでの時間(タイミング)で調整することも可能である。
【0058】
このように、本実施形態ではパルスモータ5を先に駆動してDCモータ6を追従させるように駆動することにより記録媒体を搬送する。パルスモータ5は駆動パターン通りに停止し、DCモータ6もそれに追従して停止する。
【0059】
以上説明したように本実施形態によれば、ロール紙の搬送時にパルスモータを先に駆動させ、その後DCモータがパルスモータに追従するように、DCモータを位置制御により駆動することにより、簡単な構成で、異なる駆動方式のモータを有する搬送系を制御することができ、装置を低コスト化しつつ記録媒体の搬送位置を高精度に制御することが可能となる。
【0060】
また、搬送距離が比較的長い場合には、第1の実施形態のように、途中でDCモータ6を速度制御に切り替え、ロール紙が目標とする停止位置に対してある一定距離にまで近づいた時点で、DCモータ6の指令値を目標位置に変更して位置制御で駆動させ、パルスモータ5の後にDCモータ6が停止するように制御してもよい。
【0061】
さらに上記期間dにおいては、DCモータ6を位置制御で駆動しているが、パルスモータ5による記録媒体の搬送速度を算出して、DCモータ6による搬送速度が算出した搬送速度と等しくなるような速度指令値を設定してDCモータ6を速度制御で駆動してもよい。
【0062】
<他の実施形態>
上記実施形態は、フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドによって記録を行う画像形成装置における搬送系の制御を例に挙げて説明したが、本発明はこれらの構成に限定されるものではなく、シリアル記録方式、感熱型、あるいはレーザービームプリンタ等の他の方式で記録を行う画像形成装置における記録媒体の搬送にも広く適用できる。
【0063】
また、使用される記録媒体もロール紙に限定されるものではなく、一般的に使用されるカット紙、OHPフィルム等を使用する場合にも本発明を適用できる。
【0064】
例えば、シリアル記録方式の画像形成装置に本発明を適用する場合、画像形成全体のシーケンスは、例えば、特開平9−95023号公報に記載された記録装置及び該装置におけるLFモータの制御方法におけるシーケンスと同様とすることができる。
【0065】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ,インターフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0066】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0067】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0068】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0069】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0070】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0071】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図4および/または図5A、5B、5Cに示す)フローチャートやタイムチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、パルス信号のパターンから、パルスモータによって駆動される第1のローラによる記録媒体の搬送速度又は搬送距離を算出して、該算出した値に基づいて、第1のローラによる記録媒体の搬送速度又は搬送距離と、第2のローラによる記録媒体の対応する搬送速度又は搬送距離とが等しくなるように、DCモータの駆動を制御することができ、2つのモータを簡単かつ効率的に制御することができる。
【0073】
従って、簡単な構成で、異なる駆動方式のモータを有する搬送系を制御することができ、装置を低コスト化しつつ記録媒体の搬送位置を高精度に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の実施形態の搬送系の構成を示す斜視透視図である。
【図2】図1の実施形態の搬送系の制御構成を示すブロック図である。
【図3】従来のロール紙を画像形成位置にセットする際の搬送シーケンスを示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態のロール紙を画像形成位置にセットする際の搬送シーケンスを示すフローチャートである。
【図5A】第1の実施形態によるDCモータ及びパルスモータの駆動の用紙を示すタイムチャートである。
【図5B】第1の実施形態の変形例によるDCモータ及びパルスモータの駆動の用紙を示すタイムチャートである。
【図5C】第2の実施形態によるDCモータ及びパルスモータの駆動の用紙を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 ピンチローラ
2 排紙ローラ
3 給紙ローラ
4 ロール紙ローラ
5 パルスモータ
6 DCモータ
7 エンコーダ
8 ロール紙
9 DCモータ駆動部
10 パルスモータ駆動部
11 モータ制御部
12 記録ヘッド
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関し、より詳細には、DCモータとパルスモータなどの異なる駆動方式のモータを有する画像形成装置の搬送系の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、オフィスにおいては、読み取った原稿データを印刷出力する複写(コピー)機、パーソナルコンピュータ等で作成した文書や画像を印刷するプリンタ等の画像形成装置が広く使用されている。
【0003】
このような画像形成装置では、機構部分の駆動源としてモータを使用している。使用するモータの種類は、一般的に、要求される精度や装置のコストによって決定される。例えば、画像形成装置で記録媒体を搬送する搬送系では高い位置精度が必要な為、フィードバック系であるクローズドループにより制御が可能なDCモータ等が駆動源として用いられている。
【0004】
最近の画像形成装置には、搬送系の駆動源として複数のモータを用いるものも増えている。このような装置では、搬送系を記録媒体を画像形成部に給紙する給紙系と、画像形成された記録媒体を排出する排紙系とに分け、それぞれの駆動源としてモータを使用している。
【0005】
通常、画像形成中の記憶媒体の搬送には高い精度が必要であるが、記録媒体の給紙にはそれほど高い精度は要求されない。しかしながら、ロール紙のセット時や記録開始位置を調整するために逆方向に搬送する、いわゆるバックフィードを行う際には、精度の高い位置決めが必要である。更に、給紙系と排紙系との間で記録媒体が弛むのを防止する為、排紙系と給紙系との搬送速度は略同じにする必要がある。以上のような理由で、給紙系と排紙系とで同じ制御方式のモータを使用するのが一般的である。
【0006】
また、最近では、小型でオープンループにより制御可能な駆動源として、DCモータとは制御方式が異なるパルスモータも広く使用されるようになってきた。
【0007】
パルスモータとは、巻き線の励磁相電流を逐次に切り替えることで磁界が回転し、この回転磁界に回転子の磁極が吸引・反発することでトルクが発生することにより、回転子が回転磁界に引きずられながら回るモータである。従って、励磁相の切り替えをパルス信号の入力で行えば、1パルスの入力に対し、設定された角度だけパルスモータが回転する。
【0008】
そのためパルスモータにおいては、オープンループ制御が可能であり、フィードバック系が必要な他のサーボアクチュエータに比べ、システムを大幅に簡素化することが可能であり、コストの面で有利となる。
【0009】
画像形成装置に対しては、一層の高速化及び高精度化と、低コスト化が求められている。このため、高速複写機や高速プリンタ等の画像形成装置においては、高精度が必要な箇所にはDCモータ、また高い精度は必要なく小型で且つコストを抑えたい箇所にはパルスモータを採用し、制御方式の異なるモータが搬送系で使用される傾向にある。
【0010】
例えば、画像形成にかかわる駆動源としてDCモータを使用し、排紙や定着にかかわる駆動源としてステップモータを使用する画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−199610
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような制御方式の異なるモータを同期させて駆動する場合、特に、駆動開始時や停止時においては、それぞれのモータの立ち上がり特性や立ち下がり特性の違いから互いのモータの回転速度がそれぞれ異なった推移をとり、このため各駆動部間で相対速度が発生し、最終的には同期を取るのが困難となる場合がある。
【0013】
また搬紙ローラや給紙ローラが停止した位置によっては画像形成の開始位置が異なってしまったり、ロール紙や長尺状の記録媒体においては破損や弛み、紙すべりが起こり、搬送量を正確に制御することができなくなり、制御不可能な状態となってしまう可能性がある。
【0014】
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、制御方式の異なる2つのモータを搬送系の駆動源として使用する画像形成装置において、2つのモータを簡単かつ効率的に制御することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の一態様としての画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
前記記録媒体を搬送する第1及び第2のローラを有する搬送機構と、
前記第1のローラの駆動力を発生するパルスモータと、
前記第2のローラの駆動力を発生するDCモータと、
前記パルスモータに出力するパルス信号のパターンを決定すると共に、前記DCモータに対する指令を生成する制御手段と、を備えており、
前記制御手段が、前記パルス信号のパターンに基づいて、前記指令を生成することを特徴とする。
【0016】
すなわち、本発明では、パルスモータによって発生された駆動力によって駆動される第1のローラ及びDCモータによって発生された駆動力によって駆動される第2のローラを有し、記録媒体を搬送する搬送機構によって搬送された記録媒体に画像を形成する画像形成装置の搬送機構を制御する際に、パルスモータに出力するパルス信号のパターンを決定し、該パルス信号のパターンに基づいて、DCモータに対する指令を生成する。
【0017】
このようにすると、パルス信号のパターンから、パルスモータによって駆動される第1のローラによる記録媒体の搬送速度又は搬送距離を算出して、該算出した値に基づいて、第1のローラによる記録媒体の搬送速度又は搬送距離と、第2のローラによる記録媒体の対応する搬送速度又は搬送距離とが等しくなるように、DCモータの駆動を制御することができ、2つのモータを簡単かつ効率的に制御することができる。
【0018】
従って、簡単な構成で、異なる駆動方式のモータを有する搬送系を制御することができ、装置を低コスト化しつつ記録媒体の搬送位置を高精度に制御することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
<第1の実施形態>
上述のように本発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、記録媒体を搬送する第1及び第2のローラを有する搬送機構と、第1のローラの駆動力を発生するパルスモータと、第2のローラの駆動力を発生するDCモータと、パルスモータに出力するパルス信号のパターンを決定すると共に、DCモータに対する指令を生成する制御手段と、を備えており、制御手段が、パルス信号のパターンに基づいて、指令を生成する画像形成装置であるが、第1の実施形態は、次のような特徴をも有している。
【0021】
制御手段は、パルス信号のパターンから第1のローラによる記録媒体の搬送速度を算出して、該算出された搬送速度と前記第2のローラによる記録媒体の搬送速度とが等しくなるように速度指令を生成する。
【0022】
制御手段は、パルス信号のパターンから第1のローラによる記録媒体の搬送距離を算出して、該算出された搬送距離と第2のローラによる記録媒体の搬送距離とが等しくなるように位置指令を生成する。
【0023】
制御手段は、記録媒体の搬送の際に、上記のように位置指令を生成する位置制御と、上記のように速度指令を生成する速度制御とを切り替えて、DCモータの駆動を制御する。
【0024】
このとき、制御手段は、記録媒体が停止位置から所定距離となった際に、位置制御に切り替えて、DCモータを制御する。
【0025】
制御手段は、第1及び第2のローラのうち、記録媒体の搬送方向における上流側に位置するローラが先に停止するように制御する。
【0026】
このとき、上流側に位置するローラを先に駆動するように制御する。
【0027】
第1のローラが給紙ローラであり、第2のローラが排紙ローラである。
【0028】
上記のような搬送機構の制御を、記録媒体を画像形成位置にセットする際のバックフィードの実行時に行う。
【0029】
図1は、本発明に係る画像形成装置の実施形態の搬送系の構成を示す斜視透視図である。
【0030】
本実施形態の画像形成装置は記録媒体としてロール紙8を用い、その搬送系は、給紙を行う第1のローラである給紙ローラ3、また排紙を行う第2のローラである排紙ローラ2、ロール紙本体を支えるロール紙ローラ4と排紙ローラ2上でロール紙8を押さえるピンチローラ1、排紙ローラの駆動源であるDCモータ6、排紙ローラ2の回転角度を検出するエンコーダ7、給紙ローラの駆動源であるパルスモータ5で構成されている。
【0031】
画像形成時に記憶媒体であるロール紙8は、矢印Aの方向に搬送される。この画像形成時のロール紙8の搬送は排紙ローラ2によってのみ行われる。排紙ローラ2はDCモータ6によって駆動され、また、ピンチローラ1によりロール紙8を排紙ローラ2に圧接することにより排紙ローラ2の搬送力を生じさせている。一方、ロール紙8のロール紙ローラ4から排紙ローラ2まで間の搬送は給紙ローラ3によって行われる。この給紙ローラ3はパルスモータ5によって駆動される。
【0032】
また、12は記録ヘッドであり、ロール紙8の幅方向にインクを吐出するノズルが複数設けられている、いわゆるフルライン型のインクジェット記録ヘッドである。排紙ローラ2によって矢印A方向に所定の速度で搬送されているロール紙8上に、記録ヘッド12の各ノズルからインクが吐出されて画像が形成される。
【0033】
このように、給紙ローラ3とパルスモータ5で構成される給紙系が上流、またピンチローラ1、排紙ローラ2、DCモータ6及びエンコーダ7で構成される排紙系が下流に配置されている。
【0034】
図2は、本実施形態の搬送系の制御構成を示すブロック図である。給紙ローラ3を駆動するパルスモータ5は、パルスモータ駆動部10から出力されるパルス信号に従って駆動され、排紙ローラ2を駆動するDCモータ6は、DCモータ駆動部9から出力される信号に応じて駆動される。パルスモータ駆動部10には、モータ制御部11から駆動パターン指令が出力される。また、DCモータ6の回転角度を検出するエンコーダ7から出力される信号はモータ制御部11に入力され、モータ制御部11からDCモータ駆動部9に位置指令及び速度指令が出力される。
【0035】
以下、上記のような構成における記録媒体(ロール紙)を画像形成位置にセットする際の搬送シーケンスについて、従来の搬送シーケンスと本実施形態の搬送シーケンスとを説明する。
【0036】
始めに、ロール紙を画像形成位置にセットする際の従来の搬送シーケンスについて、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0037】
まず、ロール紙8をロール紙ローラ4にセットし(ステップS1)、ロール紙8を排紙ローラ2上まで搬送すべく、DCモータ6とパルスモータ5とを同じ速度値指令で駆動して、給紙ローラ3と排紙ローラ2とを正方向に回転させてロール紙8の搬送を行う(ステップS2)。
【0038】
ロール紙8を搬送して先端が所定の位置で検知されたか否かを判定し(ステップS3)、先端が検知されたら給紙ローラ3及び排紙ローラ2を一旦停止させる(ステップS4)。そして、ロール紙8を一定の距離だけ逆方向に搬送する、バックフィードを行うべく、給紙ローラ3及び排紙ローラ2を逆方向に回転させる(ステップS5)。給紙ローラ3及び排紙ローラ2が一定量だけ回転した後、DCモータ6及びパルスモータ5の回転を停止させて、給紙ローラ3及び排紙ローラを停止させる(ステップS6)。以上によってロール紙8のセットを終了する(ステップS7)。
【0039】
このシーケンスの前半部分で行われる、ロール紙8をロール紙ローラ4から排紙ローラ2上まで搬送するシーケンスでは、高い搬送精度は必要とされない。もちろん、搬送量のズレが生じると本体内でのロール紙8の破損や弛みなどが生じてしまう為、上流側の搬送量不足は避けなければならないが、DCモータ6とパルスモータ5との同期を取る高い精度の位置決めは必要とされない。
【0040】
しかしながら、このシーケンスの後半部分で行われる、バックフィードは、画像形成開始位置にロール紙8セットする為の搬送である為、ロール紙8を定められた停止位置に高い精度でセットすることが必要とされる。この為、従来の搬送制御では、DCモータ6とパルスモータ5とを同期させて制御することにより、DCモータ6をパルスモータ5に追従させ、給紙ローラ3と排紙ローラ2の高い停止精度を実現している。
【0041】
次に、ロール紙を画像形成位置にセットする際の本実施形態の搬送シーケンスについて、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0042】
まず、ロール紙8をロール紙ローラ4にセットし(ステップS8)、ロール紙8を排紙ローラ2上まで搬送すべく、DCモータ6とパルスモータ5とを同じ速度値指令で駆動して、給紙ローラ3と排紙ローラ2とを正方向に回転させてロール紙8の搬送を行う(ステップS9)。
【0043】
ロール紙8を搬送して先端が所定の位置で検知されたか否かを判定し(ステップS10)、先端が検知されたら給紙ローラ3及び排紙ローラ2を一旦停止させる(ステップS11)。そして、ロール紙8を一定の距離だけ逆方向に搬送する、バックフィードを行うが、本実施形態ではこのバックフィードの実行時に、停止位置を高い精度で制御すべく、DCモータ6とパルスモータ5とを、図5Aに示すタイムチャートに従って制御する。なお、図5Aのタイムチャートにおける「速度」は、ロール紙8の搬送速度を表しており、モータの回転速度ではない。
【0044】
バックフィードではロール紙8の搬送方向が逆となるので、排紙系が上流、給紙系が下流となる。このため、上流側である排紙ローラ2を先に逆方向に回転させる必要がある。よって先にDCモータ6をある一定量だけ逆方向に駆動する(ステップS12)。ここでのDCモータの制御は位置制御であり、その期間は図5Aにaで示すように時間0からt1までである。
【0045】
図5Aに時刻t0で示すように、DCモータ6の駆動を開始してから所定時間後に、パルスモータ5を駆動して給紙ローラ3を逆方向に回転させてロール紙8を逆方向に搬送させる(ステップS13)。ここで、パルスモータ5を駆動させる駆動パターンは特別なパターンである必要はないが、機械的構成による制限を受けるため、あらかじめ特性を検討する必要がある。
【0046】
さらに、時刻t1からt2までの期間bでは、パルスモータ5に対する駆動パターン(例えば、加速テーブルや減速テーブルなど速度テーブル情報)の指令値からロール紙8の搬送速度を算出し、DCモータ6によるロール紙8の搬送速度がパルスモータ5によるロール紙8の搬送速度と等しくなるように、DCモータ6の速度指令値を設定する。このようにしてDCモータ6を速度制御して、パルスモータ5の回転に追従させる。
【0047】
その後、時刻t2でDCモータ6の駆動により排紙ローラ2によってロール紙8の先端が目標停止位置からある一定の距離まで近づくと、DCモータ6の指令値を目標位置に変更し、位置制御によってDCモータ6を駆動する(期間c)。このとき、DCモータ6は先に駆動を開始しているので、パルスモータ5より先に目標位置に到達して排紙ローラ2が停止する(ステップS14)。パルスモータ5は駆動パターンに従って駆動され、時刻t3で給紙ローラ3が停止すると(ステップS15)、ロール紙のセットを終了する(ステップS16)。
【0048】
なお、上述の機械的構成による制限の例としては、ロール紙8の搬送時に給紙ローラ3と排紙ローラ2の搬送量の差が大きくなると、紙すべりや弛みや歪みが生じ、折れ曲がってしまい正常な画像形成ができなくなってしまう為、搬送量の差が増大しないように、パルスモータ5の駆動パターンを調整する必要があることが挙げられる。
【0049】
また、このパルスモータ5の駆動パターンの調整とは別に、DCモータ6の位置制御(期間a)から速度制御(期間b)そして位置制御(期間c)への制御方式の切り替えタイミングを調整する事でも上記のような不具合が生じるのを防止することができる。
【0050】
以上説明したように本実施形態によれば、バックフィードの実行時にパルスモータによるロール紙の搬送速度とDCモータによるロール紙の搬送速度が同じとなるように、DCモータの速度指令値を設定することにより、簡単な構成で、異なる駆動方式のモータを有する搬送系を制御することができ、装置を低コスト化しつつ記録媒体の搬送位置を高精度に制御することが可能となる。
【0051】
<変形例>
上記実施形態では、DCモータ6の駆動制御を、期間aでは位置制御、期間bでは速度制御、期間cでは位置制御としたが、DCモータ6の駆動制御を位置制御のみで行ってもよい。
【0052】
図5Bは、DCモータ6を位置制御のみで駆動する場合のタイムチャートの例である。この場合、一旦期間aで所定量だけ搬送する位置指令値に対する制御を行い、期間dでは最終的な停止位置に対応した位置指令値とする。
【0053】
<第2の実施形態>
以下、本発明に係る画像形成装置の第2の実施形態について説明する。以下の説明では、上記第1の実施形態と同様な部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0054】
第1の実施形態では搬送系でのバックフィードの実行時の搬送制御に関するものであったが、第2の実施形態は、画像形成時の搬送制御に関するものである。搬送系の機械的構成及び制御構成については上記第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0055】
図5Cは、本実施形態の画像形成時におけるパルスモータとDCモータの駆動の様子を示すタイムチャートである。画像形成時のロール紙の搬送は、給紙系から排紙系へと行われるので、給紙系が上流であり、排紙系が下流となる。このため、上流の給紙ローラ3を先に回転させるべく、パルスモータ5を先に駆動する。
【0056】
パルスモータ5を駆動した後、排紙ローラ2を回転させるべくDCモータ6を駆動させてロール紙を搬送する。ここでパルスモータ5に対する駆動パターンの指令値からロール紙8の搬送距離を算出し、このパルスモータ5による搬送距離とDCモータ6による搬送距離が等しくなるように位置指令値を設定してDCモータ6を位置制御する(期間d)。
【0057】
このようにして、DCモータ6をパルスモータ5の回転に追従させる。本実施形態では、先に駆動するパルスモータ5を第1の実施形態におけるDCモータ6のように、一定距離だけ先に位置制御で駆動するようなオフセット制御は行わないが、パルスモータ5を駆動させてからDCモータ6を駆動させるまでの時間(タイミング)で調整することも可能である。
【0058】
このように、本実施形態ではパルスモータ5を先に駆動してDCモータ6を追従させるように駆動することにより記録媒体を搬送する。パルスモータ5は駆動パターン通りに停止し、DCモータ6もそれに追従して停止する。
【0059】
以上説明したように本実施形態によれば、ロール紙の搬送時にパルスモータを先に駆動させ、その後DCモータがパルスモータに追従するように、DCモータを位置制御により駆動することにより、簡単な構成で、異なる駆動方式のモータを有する搬送系を制御することができ、装置を低コスト化しつつ記録媒体の搬送位置を高精度に制御することが可能となる。
【0060】
また、搬送距離が比較的長い場合には、第1の実施形態のように、途中でDCモータ6を速度制御に切り替え、ロール紙が目標とする停止位置に対してある一定距離にまで近づいた時点で、DCモータ6の指令値を目標位置に変更して位置制御で駆動させ、パルスモータ5の後にDCモータ6が停止するように制御してもよい。
【0061】
さらに上記期間dにおいては、DCモータ6を位置制御で駆動しているが、パルスモータ5による記録媒体の搬送速度を算出して、DCモータ6による搬送速度が算出した搬送速度と等しくなるような速度指令値を設定してDCモータ6を速度制御で駆動してもよい。
【0062】
<他の実施形態>
上記実施形態は、フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドによって記録を行う画像形成装置における搬送系の制御を例に挙げて説明したが、本発明はこれらの構成に限定されるものではなく、シリアル記録方式、感熱型、あるいはレーザービームプリンタ等の他の方式で記録を行う画像形成装置における記録媒体の搬送にも広く適用できる。
【0063】
また、使用される記録媒体もロール紙に限定されるものではなく、一般的に使用されるカット紙、OHPフィルム等を使用する場合にも本発明を適用できる。
【0064】
例えば、シリアル記録方式の画像形成装置に本発明を適用する場合、画像形成全体のシーケンスは、例えば、特開平9−95023号公報に記載された記録装置及び該装置におけるLFモータの制御方法におけるシーケンスと同様とすることができる。
【0065】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ,インターフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0066】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0067】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0068】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0069】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0070】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0071】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図4および/または図5A、5B、5Cに示す)フローチャートやタイムチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、パルス信号のパターンから、パルスモータによって駆動される第1のローラによる記録媒体の搬送速度又は搬送距離を算出して、該算出した値に基づいて、第1のローラによる記録媒体の搬送速度又は搬送距離と、第2のローラによる記録媒体の対応する搬送速度又は搬送距離とが等しくなるように、DCモータの駆動を制御することができ、2つのモータを簡単かつ効率的に制御することができる。
【0073】
従って、簡単な構成で、異なる駆動方式のモータを有する搬送系を制御することができ、装置を低コスト化しつつ記録媒体の搬送位置を高精度に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の実施形態の搬送系の構成を示す斜視透視図である。
【図2】図1の実施形態の搬送系の制御構成を示すブロック図である。
【図3】従来のロール紙を画像形成位置にセットする際の搬送シーケンスを示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態のロール紙を画像形成位置にセットする際の搬送シーケンスを示すフローチャートである。
【図5A】第1の実施形態によるDCモータ及びパルスモータの駆動の用紙を示すタイムチャートである。
【図5B】第1の実施形態の変形例によるDCモータ及びパルスモータの駆動の用紙を示すタイムチャートである。
【図5C】第2の実施形態によるDCモータ及びパルスモータの駆動の用紙を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 ピンチローラ
2 排紙ローラ
3 給紙ローラ
4 ロール紙ローラ
5 パルスモータ
6 DCモータ
7 エンコーダ
8 ロール紙
9 DCモータ駆動部
10 パルスモータ駆動部
11 モータ制御部
12 記録ヘッド
Claims (1)
- 記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
前記記録媒体を搬送する第1及び第2のローラを有する搬送機構と、
前記第1のローラの駆動力を発生するパルスモータと、
前記第2のローラの駆動力を発生するDCモータと、
前記パルスモータに出力するパルス信号のパターンを決定すると共に、前記DCモータに対する指令を生成する制御手段と、を備えており、
前記制御手段が、前記パルス信号のパターンに基づいて、前記指令を生成することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
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JP2003009682A JP2004222468A (ja) | 2003-01-17 | 2003-01-17 | 画像形成装置 |
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---|---|---|---|
JP2003009682A JP2004222468A (ja) | 2003-01-17 | 2003-01-17 | 画像形成装置 |
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JP (1) | JP2004222468A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2003
- 2003-01-17 JP JP2003009682A patent/JP2004222468A/ja not_active Withdrawn
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