JP2004222039A - 車載電話システム - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の状況を検出する検出手段と制御ユニットとの間の配線接続を不要とすることができ、車両組立時等の作業工数の削減及びコスト削減が図れる車載電話システムを提供する。
【解決手段】ハンズフリーユニット11と車両の状況を検出するためのセンサ群9との間の情報の伝送が無線により行われる。携帯電話機1が着信信号を受信している際に、センサ群9が検出した車両の状況に基づいて着信通知動作の可否が判断され、通知可と判断された場合にのみ着信通知動作が行われる。携帯電話機1が着信状態となって着信通知動作を保留している状態において、携帯電話機1の着信発生時から所定期間が経過した時点において車両の状況が依然として通知不可のままである場合には、その所定期間が経過した時点で、携帯電話機1が着信状態から通話状態に切り替えられて相手側に所定の音声メッセージが送付される。
【選択図】 図1
【解決手段】ハンズフリーユニット11と車両の状況を検出するためのセンサ群9との間の情報の伝送が無線により行われる。携帯電話機1が着信信号を受信している際に、センサ群9が検出した車両の状況に基づいて着信通知動作の可否が判断され、通知可と判断された場合にのみ着信通知動作が行われる。携帯電話機1が着信状態となって着信通知動作を保留している状態において、携帯電話機1の着信発生時から所定期間が経過した時点において車両の状況が依然として通知不可のままである場合には、その所定期間が経過した時点で、携帯電話機1が着信状態から通話状態に切り替えられて相手側に所定の音声メッセージが送付される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるハンズフリー通話が可能な車載電話システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来技術としては、例えば特許文献1に記載のものがある。この特許文献1には、携帯型電話機等の電話機と、車両側装置とが接続されて構成され、ハンズフリー通話が可能な車載電話システムが記載されている。その車両側装置には、車両の走行状態等に関する車両走行関連情報を取得する情報取得手段と、その情報取得手段によって取得された車両走行関連情報に基づき、利用者が電話に応答することを制限する必要性の有無を判定する応答可否判定手段と、電話機に着信があった場合、応答可否判定手段にて応答制限の必要性有りと判定されると、応答制限されている旨を発信者側に通知する応答制御手段とが備えられている。このような従来の車載電話システムでは、応答可否判定手段及び応答制御手段を構成する制御回路と、情報取得手段を構成する検出ユニットとの間は有線により接続するのが一般的である。
【0003】
なお、本願発明に関連する他の先行技術しては特許文献2に記載のものがある。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−144850公報
【特許文献2】
特開平10−304464号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の車載電話システムでは、車両走行関連情報を取得する検出ユニットと制御回路との間を有線接続する構成であるため、車両組立時等に検出ユニットと制御回路との間を接続するケーブル等の配索作業が必要であるとともに、そのケーブルの配線長さが長くなったり、接続に複数の信号線が必要となる場合もあり、その結果、車両組立時等の作業工数の増加やコストアップの要因となっている。
【0006】
そこで、本発明は、車両の状況を検出する検出手段と制御ユニットとの間の配線接続を不要とすることができ、車両組立時等の作業工数の削減及びコスト削減が図れる車載電話システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための技術的手段は、電話機と、スピーカ及びマイクと、少なくとも車両の状況を検出する少なくとも1個の検出部を有する検出手段と、前記電話機と無線又は有線により接続され、前記電話機を制御し、前記電話機が相手側から受信した受信通話内容を前記スピーカを介して出力するとともに、前記マイクを介して入力された相手側に送信すべき送信通話内容を前記電話機に送信させる一方、前記電話機が着信信号を受信している際に、その着信に伴って前記電話機又は前記スピーカを介して利用者に対して行うべき着信通知動作の可否を、前記検出手段が検出した前記車両の状況に基づいて判断する制御ユニットと、前記検出手段に設けられ、前記検出部が検出した前記車両の状況に関する情報を無線により前記制御ユニットに向けて伝送するセンサ側伝送手段と、前記制御ユニットに設けられ、前記センサ側伝送手段から無線により伝送されてきた前記情報を受信して前記制御ユニットに与えるシステム側伝送手段と、を備えている。
【0008】
好ましくは、前記制御ユニットは、前記電話機が前記着信信号を受信している際に、前記検出手段が検出した前記車両の状況に基づいて前記着信通知動作の可否を判断し、通知可と判断した場合にのみ前記着信通知動作を行うのがよい。
【0009】
また、好ましくは、前記制御ユニットは、前記電話機が前記着信信号を受信した際に、前記車両の状況に基づいて通知可と判断した場合には、前記着信通知動作を行う一方、前記車両の状況に基づいて通知不可と判断した場合には、前記車両の状況が通知可となるまで前記着信通知動作を保留し、前記車両の状況が通知不可から通知可に切り替わった時点において前記電話機の前記着信信号の受信が継続しているときには前記着信通知動作を行うのがよい。
【0010】
さらに、好ましくは、前記制御ユニットは、前記電話機が前記着信信号を受信した際に前記車両の状況に基づいて通知不可と判断した場合において、前記電話機の着信発生時から所定期間が経過するまでに前記車両の状況が通知不可から通知可に切り替わった場合には、その切り替わった時点において前記電話機の着信状態が継続しているときには前記着信通知動作を行う一方、前記電話機の着信発生時から所定期間が経過するまでに前記車両の状況が通知不可のままであり、かつその所定期間が経過した時点で前記電話機の着信状態が継続している場合には、前記所定期間が経過した時点において前記電話機を着信状態から通話状態に切り替え、相手側に対して前記電話機を介して所定のメッセージを送付した後、前記電話機にその通話回線を切断させるのがよい。
【0011】
また、好ましくは、前記メッセージが音声メッセージであるのがよい。
【0012】
さらに、好ましくは、前記電話機と前記制御ユニットとの間が、前記センサ側伝送手段と前記システム側伝送手段との間で行われる無線による接続方式と同一の無線による接続方式によって接続されるのがよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る車載電話システムのブロック図である。この車載電話システムは、図1に示すように、車室内に持ち込まれた携帯電話機1と、スピーカ3及びマイク5と、車両の各種状況を検出する複数個の各種センサ(検出部)7からなるセンサ群(検出手段)9と、ハンズフリーユニット(制御ユニット)11と、センサ群9に設けられる無線通信(無線接続)用の通信部(センサ側伝送手段)13(図2参照)と、ハンズフリーユニット11に設けられる無線通信用の通信部15とを備えている。このうちスピーカ3、マイク5、センサ群9及びハンズフリーユニット11は、車両に設置されている。なお、本実施形態では、電話機として携帯電話機1を用いたが、これの代わりに自動車電話機を用いてもよい。
【0014】
ここで、携帯電話機1は、ハンズフリーユニット11と無線通信(無線接続)可能な通信機能を有しており、携帯電話機1とハンズフリーユニット11との間における通話内容や制御情報等の情報伝送は、無線通信により行われる。なお、変形例として、携帯電話機1とハンズフリーユニット11とを有線接続(ケーブル接続等)するようにしてもよい。この場合、ハンズフリーユニット11には、通信部21の代わりに有線接続用のインターフェース部等が備えられる。
【0015】
携帯電話機1とハンズフリーユニット11との無線接続には、例えばBluetooth等が用いられる。
【0016】
スピーカ3及びマイク5は、ハンズフリー通話時における相手側からの通話内容(受信通話内容)の音声出力及び相手側へ送信するための通話内容(送信通話内容)の入力のため等に用いられる。スピーカ3は、本車載電話システム専用のものを備える場合や、車載オーディオ装置に備えられるものが兼用される場合等がある。
【0017】
センサ群9には、図2に示すように、複数個のセンサ7A〜7I(これらを総称する場合には符号「7」を用いる)が備えられている。各センサ7は、車両各部に設置されて車両の各種の状況を検出している。また、センサ群9は、いくつかのサブグループに分けられ、その各サブグループごとに1個ずつ通信部13が備えられている。本実施形態では、センサ7A、センサ7B及びセンサ7Cが1個のサブグループを構成し、センサ7D、センサ7E及びセンサ7Fが1個のサブグループを構成し、センサ7G、センサ7H及びセンサ7Iが1個のサブグループを構成している。そして、その各サブグループに含まれるいずれか1個のサブグループ7(ここでは7A,7D,7G)に代表して通信部13が備えられ、その通信部13によって、各サブグループの各センサ7とハンズフリーユニット11との情報伝送、及び異なるサブグループ間における各センサ7同士の情報伝送がそれぞれ無線により行われる。伝送される情報としては、各センサ7が検出した車両の各種状況に関する情報や制御情報等がある。
【0018】
ここで、各サブグループ内におけるセンサ7同士の接続は有線接続により行われ、各サブグループ内におけるセンサ7同士の情報伝送はその有線経路により行われる。このため、通信部13を備えたセンサ7(ここでは7A,7D,7G)は、その自己に備えられた通信部13を介してハンズフリーユニット11及び他のサブグループのセンサ7との情報伝送を行うようになっている。また、通信部13を持たないセンサ7(ここでは7B,7C,7E,7F,7H,7I)は、そのセンサ7が属するサブグループ内の他のセンサ7(ここでは7A,7D,7G)の通信部13を介して、ハンズフリーユニット11及び他のサブグループのセンサ7との情報伝送を行うようになっている。
【0019】
各サブグループの通信部13及びハンズフリーユニット11の通信部15との間の無線接続には、低消費電力でセキュリティ機能の強い接続方式が適当であり、例えば近距離無線通信方式であるBluetoothなどが用いられる。
【0020】
本実施形態では、センサ7として、車速を検出する車速センサ、舵角(例えば、ハンドルの切れ角)を検出する舵角センサ(あるいは角速度を検出する角速度センサ)、バック走行の有無を検出するバック走行センサ(例えば、バックライトの点灯信号を検出するセンサなど)、方向指示器の作動状態を検出する方向指示器センサ、及びパーキングブレーキの作動の有無を検出するパーキングブレーキセンサ等が備えられている。そして、ハンズフリーユニット11が、これらのセンサ7によって検出された車両の状況(車速、舵角(あるいは角速度)、バック走行の有無、方向指示器の作動状態など)に基づいて携帯電話機1の着信時における着信通知の可否判断等を行うようになっている。
【0021】
ハンズフリーユニット11は、センサ群9との間の無線通信を行う前述の通信部15と、携帯電話機1との間の無線通信(無線接続)を行う通信部21と、操作部23と、走行状況管理部25と、音声出力部27と、制御部29とを備えている。
【0022】
通信部15は、センサ群9に備えられる通信部13との間で無線通信を行い、センサ群9から無線通信により伝送されてきた伝送情報を受信して走行状況管理部25に送る。
【0023】
通信部21は、携帯電話機1との間で無線通信を行い、携帯電話機1との間における通話内容及び制御情報等の送受を無線通信により行う。携帯電話機1の制御情報は、この通信部21を介して制御部29と携帯電話機1との間で送受される。電話回線を介して携帯電話機1によって受信された相手側からの通話内容は、無線通信により携帯電話機1から通信部21に送られて、さらに通信部21から制御部29を介してスピーカ3から音声出力される。また、マイク5から入力された相手側に向けた送信通話内容は、制御部29を介して通信部21に送られ、通信部21から携帯電話機1に送られ、携帯電話機1によって電話回線を介して相手側に送られる。
【0024】
ここで、制御部29には、相手側に送信する通話内容の音声品質を向上させるため、車室内で発生するノイズを低減するノイズキャンセラや、音響エコーを消去するためのエコーキャンセラが備えられる場合がある。
【0025】
操作部23は、この車載電話システムに対する操作入力を受け付けるためのものであり、例えば、発話、受話のオンフックボタンなどを備えている。また、操作部23に対して操作入力を行う代わりに、音声入力により操作に必要な入力を行うようにしてもよい。この場合、その音声入力はマイク5を介して行われ、制御部29が音声認識によりその音声による入力内容を認識する。
【0026】
走行状況管理部25は、通信部15を介してセンサ群9から受け取った車両の状況に関する各種の情報を制御部29に送る。
【0027】
音声出力部27は、制御部29の制御により、通信部21及び携帯電話機1を介して相手側に送信すべき音声メッセージを出力する。
【0028】
制御部29は、通信部1を介して無線通信により携帯電話機1を制御して、スピーカ3及びマイク5を用いた利用者のハンズフリー通話を実現するための機能を有する。すなわち、この制御部29による制御動作には、携帯電話機1が着信信号を受信した際における携帯電話機1による着信通知動作の可否の制御及びその着信に対する受話を行うか否かの制御が含まれる。また、その制御動作には、通話状態となった携帯電話機1により電話回線を介して受信され、携帯電話機1から無線通信により送信されてきた相手側からの通話内容を通信部21を介して受け取り、スピーカ3を介して音声出力する動作、及び、マイク5から入力された相手側に送信すべき通話内容を、通信部21を介して無線通信により携帯電話機1に送り、携帯電話機1に電話回線を介して相手側に送信させる動作が含まれる。
【0029】
また、制御部29は、各種センサ7から無線通信により送信された車両の状況に関する情報を、通信部15及び走行状況管理部25を介して受け取り、その受け取った情報に基づいて、携帯電話機1に着信があった際における着信通知の可否判断等を安全性確保の観点から行い、通知可と判断した場合にのみ携帯電話機1又はスピーカ3を介した音響出力等による着信通知動作を行う。
【0030】
より詳細には、制御部29は、携帯電話機1が着信信号を受信した際に、車両の状況に基づいて通知可と判断した場合には、携帯電話機1又はスピーカ3を介して着信通知動作を行う。一方、車両の状況に基づいて通知不可と判断した場合には、着信通知動作を保留して車両の状況を監視し、携帯電話機1の着信発生時から所定期間(例えば、10秒)が経過するまでに車両の状況が通知不可から通知可に切り替わった場合には、その切り替わった時点で携帯電話機1の着信状態が継続しているときには着信通知動作を行う一方、携帯電話機1の着信発生時から所定期間が経過するまでに車両の状況が通知不可から通知可に切り替わらず、かつその所定期間が経過した時点で携帯電話機1の着信状態が継続している場合には、前記所定期間が経過した時点で携帯電話機1を着信状態から通話状態に切り替え(その着信を受話させ)、音声出力部27により出力された所定の音声メッセージを相手側に対して携帯電話機1を介して送付した後、携帯電話機1にその通話回線を切断させる(終話させる)。この場合に、相手側に送られる音声メッセージとしては、例えば、運転中であるため電話に出られない旨のメッセージ(「ただいま運転中のため電話に出ることができません」など)が考えられる。このような音声メッセージは、音声出力部27に予め保存されており、制御部29の指示により通信部21を介して携帯電話機1に送られる。
【0031】
なお、本実施形態では、携帯電話機1が着信状態となって着信通知動作を保留している状態において、電話機の着信発生時から所定期間が経過した時点において相手側への音声メッセージの送信を行うようにしたが、このような動作を省略した構成としてもよい。この場合、制御部29は、携帯電話機1が着信信号を受信した際に、車両の状況に基づいて通知可と判断した場合には、着信通知動作を行う一方、車両の状況に基づいて通知不可と判断した場合には、車両の状況が通知可となるまで着信通知動作を保留し、車両の状況が通知不可から通知可に切り替わった時点において電話機電話機1の着信状態が継続しているときには着信通知動作を行うこととなる。
【0032】
ここで、車両の状況に基づいて着信通知動作を保留する際の基準について説明する。基本的な基準は、車両の状況からみて安全のために利用者である運転者が運転に集中すべき状況にあるか否かにより、着信通知動作の可否判断が行われる。
【0033】
例えば、センサ群9から、車速、バック走行の有無、方向指示器の作動の有無、ハンドル切り角(あるいは角速度)に関する情報が入力される場合において、車両がバック走行のときには、常に通知不可とすることができる。車速が0〜20km/hのときであって、方向指示器が作動中である場合は通知不可とすることができる。なお、車速が0〜20km/hのときであっても、方向指示器が作動中でない場合は通知可としてもよい。また、車速20km/h以上のときであって、方向指示器が作動中である場合、又はハンドル切り角(あるいは角速度)から車両がカーブを通過中と判断される場合には通知不可とすることができる。なお、車速が20km/h以上のときであっても、方向指示器が作動中でなく、かつ、ハンドル切り角(あるいは角速度)から車両がカーブを通過していないと判断される場合には通知可としてもよい。
【0034】
このような構成により、例えば、車速が0〜20km/hのときであって、方向指示器が作動中である場合に、携帯電話機1に電話がかかってきた場合には、制御部29により車両の状況が着信不可と判断されて、着信通知動作が保留される。そして、その着信発生時から所定期間(例えば、10秒)が経過するまでに、方向指示器の作動が終了して車両の状況が通知不可から通知可に切り替わり、かつ、切り替わり時点において携帯電話機1の着信状態が継続している場合には、その時点で着信があった旨の着信通知動作が携帯電話機1又はスピーカ3を介して行われる。なお、その切り替わり時点で、携帯電話機1の着信状態が解除されている場合には、そのままの状態が保持される。
【0035】
一方、着信通知動作が保留された際に、その着信発生時から所定期間が経過するまでに、方向指示器の作動が終了せず車両の状況が通知不可のままであり、かつ、その所定期間の経過時において携帯電話機1の着信状態が継続している場合には、所定期間の経過時に携帯電話機1が着信状態から通話状態に切り替えられ、運転中であるため電話に出られない旨の所定の音声メッセージが相手側に対して携帯電話機1を介して送付された後、携帯電話機1に終話のための通話回線を切断等の指示が与えられる。なお、所定期間の経過時に、携帯電話機1の着信状態が解除されている場合には、そのままの状態が保持される。
【0036】
以上のように、本実施形態によれば、ハンズフリーユニット11とセンサ群9との間の情報の伝送が無線により行われるため、運転席又は助手席の前面側のパネル内や車両中央のパネル内等に設置される場合が多いハンズフリーユニット11と、車両の各部に設置されるセンサ群9との間の配線接続を不要とすることができ、車両組立時等の作業工数の削減及びコスト削減が図れる。
【0037】
また、携帯電話機1が着信信号を受信している際に、センサ群9が検出した車両の状況に基づいて着信通知動作の可否が判断され、通知可と判断された場合にのみ着信通知動作が行われるため、車両の状況からみて利用者、特に運転者が車両の運転等に集中する必要があるときなどに、携帯電話機1の着信通知が利用者に対して行われてしまい、運転に対する集中等が阻害されるのを防止することができ、車両に搭乗している利用者の安全性の向上が図れる。
【0038】
さらに、携帯電話機1が着信状態となって着信通知動作を保留している状態において、車両の状況が通知不可から通知可の状態に切り替わった際に携帯電話機1の着信状態が継続している場合には、その時点で着信通知が行われるため、利用者の安全性を考慮しつつ、利用者が着信した電話に対応する機会を最大限に確保することができる。
【0039】
また、携帯電話機1が着信状態となって着信通知動作を保留している状態において、携帯電話機1の着信発生時から所定期間が経過した時点において車両の状況が依然として通知不可のままである場合には、その所定期間が経過した時点で、携帯電話機1が着信状態から通話状態に切り替えられて相手側に所定のメッセージが送付されるため、そのメッセージにより利用者の状況等を効果的に知らせることができ、電話に出ないことにより相手側に心配をさせることとなる等の不都合を回避することができる。
【0040】
さらに、車両の状況により着信通知不可である場合に相手側に送られるメッセージが音声メッセージであるため、相手側に自己(利用者)の状況等を容易に認識させることができる。
【0041】
<第2実施形態>
図3は、本発明の第2実施形態に係る車載電話システムのブロック図である。本実施形態に係る車載電話システムが前述の第1実施形態に係る車載電話システムと実質的に異なる点は、ハンズフリーユニット11のセンサ群9用の通信部15を省略して、通信部21により携帯電話機1及びセンサ群9との間の無線通信を行うようにした点のみであり、互いに対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0042】
本実施形態に係る車載電話システムでは、ハンズフリーユニット11とセンサ群9との間の無線通信の通信方式(接続方式)と、ハンズフリーユニット11と携帯電話機1との間の無線通信の通信方式とを同一の通信方式とするとともに、ハンズフリーユニット11のセンサ群9用の通信部15を省略して残る通信部21を携帯電話機1用及びセンサ群9用に共用している。
【0043】
ハンズフリーユニット11と、携帯電話機1及びセンサ群9との間の無線通信の通信方式には、例えばBluetoothが用いられる。Bluetoothを用いた場合には、ハンズフリーユニット11と携帯電話機1とのハンズフリー通話等のためのデータ通信手順と、ハンズフリーユニット11とセンサ群9との間のデータ通信手順とを同時に処理できるという利点がある。
【0044】
以上のように、本実施形態においても前述の第1実施形態とほぼ同様な効果が得られるとともに、ハンズフリーユニット11と、携帯電話機1及びセンサ群9との間の無線通信の通信方式に同一の通信方式が用いられるため、ハンズフリーユニット11に備えられる通信のための各種ハードウエア構成(通信部15、通信部21等)やソフトウエア構成の省略や共通化を行うことができ、ハンズフリーユニット11の構成等の簡略化が図れる。
【0045】
【発明の効果】
請求項1ないし6に記載の発明によれば、車両の状況を検出する検出手段と制御ユニットとの間の情報の伝送が無線により行われるため、検出手段と制御ユニットとの間の配線接続を不要とすることができ、車両組立時等の作業工数の削減及びコスト削減が図れる。
【0046】
請求項2に記載の発明によれば、電話機が前記着信信号を受信している際に、検出手段が検出した車両の状況に基づいて着信通知動作の可否が判断され、通知可と判断された場合にのみ着信通知動作が行われるため、車両の状況からみて利用者、特に運転者が車両の運転等に集中する必要があるときなどに、電話機の着信通知が利用者に対して行われてしまい、運転に対する集中等が阻害されるのを防止することができ、車両に搭乗している利用者の安全性の向上が図れる。
【0047】
請求項3に記載の発明によれば、電話機が着信状態となって着信通知動作を保留している状態において、車両の状況が通知不可から通知可の状態に切り替わった際に電話機の着信状態が継続している場合には、その時点で着信通知が行われるため、利用者の安全性を考慮しつつ、利用者が着信した電話に対応する機会を最大限に確保することができる。
【0048】
請求項4に記載の発明によれば、電話機が着信状態となって着信通知動作を保留している状態において、電話機の着信発生時から所定期間が経過した時点において車両の状況が依然として通知不可のままである場合には、その所定期間が経過した時点で、電話機が着信状態から通話状態に切り替えられて相手側に所定のメッセージが送付されるため、そのメッセージにより利用者の状況等を効果的に知らせることができ、電話に出ないことにより相手側に心配をさせることとなる等の不都合を回避することができる。
【0049】
請求項5に記載の発明によれば、車両の状況により着信通知不可である場合に相手側に送られるメッセージが音声メッセージであるため、相手側に自己(利用者)の状況等を容易に認識させることができる。
【0050】
請求項6に記載の発明によれば、電話機と制御ユニットとの間が、センサ側伝送手段とシステム側伝送手段との間で行われる無線による接続方式と同一の無線による接続方式によって接続されるため、制御ユニットに備えられる検出手段との無線接続のための構成(制御データやプログラム等のソフトウエア的なものも含む、以下同様)と、電話機との無線接続のための構成との少なくも一部を共通化することができ、制御ユニットの構成等の簡略化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車載電話システムのブロック図である。
【図2】センサ群の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る車載電話システムのブロック図である。
【符号の説明】
1 携帯電話機
3 スピーカ
5 マイク
7,7A〜7I センサ
9 センサ群
11 ハンズフリーユニット
13,15,21 通信部
23 操作部
25 走行状況管理部
27 音声出力部
29 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるハンズフリー通話が可能な車載電話システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来技術としては、例えば特許文献1に記載のものがある。この特許文献1には、携帯型電話機等の電話機と、車両側装置とが接続されて構成され、ハンズフリー通話が可能な車載電話システムが記載されている。その車両側装置には、車両の走行状態等に関する車両走行関連情報を取得する情報取得手段と、その情報取得手段によって取得された車両走行関連情報に基づき、利用者が電話に応答することを制限する必要性の有無を判定する応答可否判定手段と、電話機に着信があった場合、応答可否判定手段にて応答制限の必要性有りと判定されると、応答制限されている旨を発信者側に通知する応答制御手段とが備えられている。このような従来の車載電話システムでは、応答可否判定手段及び応答制御手段を構成する制御回路と、情報取得手段を構成する検出ユニットとの間は有線により接続するのが一般的である。
【0003】
なお、本願発明に関連する他の先行技術しては特許文献2に記載のものがある。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−144850公報
【特許文献2】
特開平10−304464号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の車載電話システムでは、車両走行関連情報を取得する検出ユニットと制御回路との間を有線接続する構成であるため、車両組立時等に検出ユニットと制御回路との間を接続するケーブル等の配索作業が必要であるとともに、そのケーブルの配線長さが長くなったり、接続に複数の信号線が必要となる場合もあり、その結果、車両組立時等の作業工数の増加やコストアップの要因となっている。
【0006】
そこで、本発明は、車両の状況を検出する検出手段と制御ユニットとの間の配線接続を不要とすることができ、車両組立時等の作業工数の削減及びコスト削減が図れる車載電話システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための技術的手段は、電話機と、スピーカ及びマイクと、少なくとも車両の状況を検出する少なくとも1個の検出部を有する検出手段と、前記電話機と無線又は有線により接続され、前記電話機を制御し、前記電話機が相手側から受信した受信通話内容を前記スピーカを介して出力するとともに、前記マイクを介して入力された相手側に送信すべき送信通話内容を前記電話機に送信させる一方、前記電話機が着信信号を受信している際に、その着信に伴って前記電話機又は前記スピーカを介して利用者に対して行うべき着信通知動作の可否を、前記検出手段が検出した前記車両の状況に基づいて判断する制御ユニットと、前記検出手段に設けられ、前記検出部が検出した前記車両の状況に関する情報を無線により前記制御ユニットに向けて伝送するセンサ側伝送手段と、前記制御ユニットに設けられ、前記センサ側伝送手段から無線により伝送されてきた前記情報を受信して前記制御ユニットに与えるシステム側伝送手段と、を備えている。
【0008】
好ましくは、前記制御ユニットは、前記電話機が前記着信信号を受信している際に、前記検出手段が検出した前記車両の状況に基づいて前記着信通知動作の可否を判断し、通知可と判断した場合にのみ前記着信通知動作を行うのがよい。
【0009】
また、好ましくは、前記制御ユニットは、前記電話機が前記着信信号を受信した際に、前記車両の状況に基づいて通知可と判断した場合には、前記着信通知動作を行う一方、前記車両の状況に基づいて通知不可と判断した場合には、前記車両の状況が通知可となるまで前記着信通知動作を保留し、前記車両の状況が通知不可から通知可に切り替わった時点において前記電話機の前記着信信号の受信が継続しているときには前記着信通知動作を行うのがよい。
【0010】
さらに、好ましくは、前記制御ユニットは、前記電話機が前記着信信号を受信した際に前記車両の状況に基づいて通知不可と判断した場合において、前記電話機の着信発生時から所定期間が経過するまでに前記車両の状況が通知不可から通知可に切り替わった場合には、その切り替わった時点において前記電話機の着信状態が継続しているときには前記着信通知動作を行う一方、前記電話機の着信発生時から所定期間が経過するまでに前記車両の状況が通知不可のままであり、かつその所定期間が経過した時点で前記電話機の着信状態が継続している場合には、前記所定期間が経過した時点において前記電話機を着信状態から通話状態に切り替え、相手側に対して前記電話機を介して所定のメッセージを送付した後、前記電話機にその通話回線を切断させるのがよい。
【0011】
また、好ましくは、前記メッセージが音声メッセージであるのがよい。
【0012】
さらに、好ましくは、前記電話機と前記制御ユニットとの間が、前記センサ側伝送手段と前記システム側伝送手段との間で行われる無線による接続方式と同一の無線による接続方式によって接続されるのがよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る車載電話システムのブロック図である。この車載電話システムは、図1に示すように、車室内に持ち込まれた携帯電話機1と、スピーカ3及びマイク5と、車両の各種状況を検出する複数個の各種センサ(検出部)7からなるセンサ群(検出手段)9と、ハンズフリーユニット(制御ユニット)11と、センサ群9に設けられる無線通信(無線接続)用の通信部(センサ側伝送手段)13(図2参照)と、ハンズフリーユニット11に設けられる無線通信用の通信部15とを備えている。このうちスピーカ3、マイク5、センサ群9及びハンズフリーユニット11は、車両に設置されている。なお、本実施形態では、電話機として携帯電話機1を用いたが、これの代わりに自動車電話機を用いてもよい。
【0014】
ここで、携帯電話機1は、ハンズフリーユニット11と無線通信(無線接続)可能な通信機能を有しており、携帯電話機1とハンズフリーユニット11との間における通話内容や制御情報等の情報伝送は、無線通信により行われる。なお、変形例として、携帯電話機1とハンズフリーユニット11とを有線接続(ケーブル接続等)するようにしてもよい。この場合、ハンズフリーユニット11には、通信部21の代わりに有線接続用のインターフェース部等が備えられる。
【0015】
携帯電話機1とハンズフリーユニット11との無線接続には、例えばBluetooth等が用いられる。
【0016】
スピーカ3及びマイク5は、ハンズフリー通話時における相手側からの通話内容(受信通話内容)の音声出力及び相手側へ送信するための通話内容(送信通話内容)の入力のため等に用いられる。スピーカ3は、本車載電話システム専用のものを備える場合や、車載オーディオ装置に備えられるものが兼用される場合等がある。
【0017】
センサ群9には、図2に示すように、複数個のセンサ7A〜7I(これらを総称する場合には符号「7」を用いる)が備えられている。各センサ7は、車両各部に設置されて車両の各種の状況を検出している。また、センサ群9は、いくつかのサブグループに分けられ、その各サブグループごとに1個ずつ通信部13が備えられている。本実施形態では、センサ7A、センサ7B及びセンサ7Cが1個のサブグループを構成し、センサ7D、センサ7E及びセンサ7Fが1個のサブグループを構成し、センサ7G、センサ7H及びセンサ7Iが1個のサブグループを構成している。そして、その各サブグループに含まれるいずれか1個のサブグループ7(ここでは7A,7D,7G)に代表して通信部13が備えられ、その通信部13によって、各サブグループの各センサ7とハンズフリーユニット11との情報伝送、及び異なるサブグループ間における各センサ7同士の情報伝送がそれぞれ無線により行われる。伝送される情報としては、各センサ7が検出した車両の各種状況に関する情報や制御情報等がある。
【0018】
ここで、各サブグループ内におけるセンサ7同士の接続は有線接続により行われ、各サブグループ内におけるセンサ7同士の情報伝送はその有線経路により行われる。このため、通信部13を備えたセンサ7(ここでは7A,7D,7G)は、その自己に備えられた通信部13を介してハンズフリーユニット11及び他のサブグループのセンサ7との情報伝送を行うようになっている。また、通信部13を持たないセンサ7(ここでは7B,7C,7E,7F,7H,7I)は、そのセンサ7が属するサブグループ内の他のセンサ7(ここでは7A,7D,7G)の通信部13を介して、ハンズフリーユニット11及び他のサブグループのセンサ7との情報伝送を行うようになっている。
【0019】
各サブグループの通信部13及びハンズフリーユニット11の通信部15との間の無線接続には、低消費電力でセキュリティ機能の強い接続方式が適当であり、例えば近距離無線通信方式であるBluetoothなどが用いられる。
【0020】
本実施形態では、センサ7として、車速を検出する車速センサ、舵角(例えば、ハンドルの切れ角)を検出する舵角センサ(あるいは角速度を検出する角速度センサ)、バック走行の有無を検出するバック走行センサ(例えば、バックライトの点灯信号を検出するセンサなど)、方向指示器の作動状態を検出する方向指示器センサ、及びパーキングブレーキの作動の有無を検出するパーキングブレーキセンサ等が備えられている。そして、ハンズフリーユニット11が、これらのセンサ7によって検出された車両の状況(車速、舵角(あるいは角速度)、バック走行の有無、方向指示器の作動状態など)に基づいて携帯電話機1の着信時における着信通知の可否判断等を行うようになっている。
【0021】
ハンズフリーユニット11は、センサ群9との間の無線通信を行う前述の通信部15と、携帯電話機1との間の無線通信(無線接続)を行う通信部21と、操作部23と、走行状況管理部25と、音声出力部27と、制御部29とを備えている。
【0022】
通信部15は、センサ群9に備えられる通信部13との間で無線通信を行い、センサ群9から無線通信により伝送されてきた伝送情報を受信して走行状況管理部25に送る。
【0023】
通信部21は、携帯電話機1との間で無線通信を行い、携帯電話機1との間における通話内容及び制御情報等の送受を無線通信により行う。携帯電話機1の制御情報は、この通信部21を介して制御部29と携帯電話機1との間で送受される。電話回線を介して携帯電話機1によって受信された相手側からの通話内容は、無線通信により携帯電話機1から通信部21に送られて、さらに通信部21から制御部29を介してスピーカ3から音声出力される。また、マイク5から入力された相手側に向けた送信通話内容は、制御部29を介して通信部21に送られ、通信部21から携帯電話機1に送られ、携帯電話機1によって電話回線を介して相手側に送られる。
【0024】
ここで、制御部29には、相手側に送信する通話内容の音声品質を向上させるため、車室内で発生するノイズを低減するノイズキャンセラや、音響エコーを消去するためのエコーキャンセラが備えられる場合がある。
【0025】
操作部23は、この車載電話システムに対する操作入力を受け付けるためのものであり、例えば、発話、受話のオンフックボタンなどを備えている。また、操作部23に対して操作入力を行う代わりに、音声入力により操作に必要な入力を行うようにしてもよい。この場合、その音声入力はマイク5を介して行われ、制御部29が音声認識によりその音声による入力内容を認識する。
【0026】
走行状況管理部25は、通信部15を介してセンサ群9から受け取った車両の状況に関する各種の情報を制御部29に送る。
【0027】
音声出力部27は、制御部29の制御により、通信部21及び携帯電話機1を介して相手側に送信すべき音声メッセージを出力する。
【0028】
制御部29は、通信部1を介して無線通信により携帯電話機1を制御して、スピーカ3及びマイク5を用いた利用者のハンズフリー通話を実現するための機能を有する。すなわち、この制御部29による制御動作には、携帯電話機1が着信信号を受信した際における携帯電話機1による着信通知動作の可否の制御及びその着信に対する受話を行うか否かの制御が含まれる。また、その制御動作には、通話状態となった携帯電話機1により電話回線を介して受信され、携帯電話機1から無線通信により送信されてきた相手側からの通話内容を通信部21を介して受け取り、スピーカ3を介して音声出力する動作、及び、マイク5から入力された相手側に送信すべき通話内容を、通信部21を介して無線通信により携帯電話機1に送り、携帯電話機1に電話回線を介して相手側に送信させる動作が含まれる。
【0029】
また、制御部29は、各種センサ7から無線通信により送信された車両の状況に関する情報を、通信部15及び走行状況管理部25を介して受け取り、その受け取った情報に基づいて、携帯電話機1に着信があった際における着信通知の可否判断等を安全性確保の観点から行い、通知可と判断した場合にのみ携帯電話機1又はスピーカ3を介した音響出力等による着信通知動作を行う。
【0030】
より詳細には、制御部29は、携帯電話機1が着信信号を受信した際に、車両の状況に基づいて通知可と判断した場合には、携帯電話機1又はスピーカ3を介して着信通知動作を行う。一方、車両の状況に基づいて通知不可と判断した場合には、着信通知動作を保留して車両の状況を監視し、携帯電話機1の着信発生時から所定期間(例えば、10秒)が経過するまでに車両の状況が通知不可から通知可に切り替わった場合には、その切り替わった時点で携帯電話機1の着信状態が継続しているときには着信通知動作を行う一方、携帯電話機1の着信発生時から所定期間が経過するまでに車両の状況が通知不可から通知可に切り替わらず、かつその所定期間が経過した時点で携帯電話機1の着信状態が継続している場合には、前記所定期間が経過した時点で携帯電話機1を着信状態から通話状態に切り替え(その着信を受話させ)、音声出力部27により出力された所定の音声メッセージを相手側に対して携帯電話機1を介して送付した後、携帯電話機1にその通話回線を切断させる(終話させる)。この場合に、相手側に送られる音声メッセージとしては、例えば、運転中であるため電話に出られない旨のメッセージ(「ただいま運転中のため電話に出ることができません」など)が考えられる。このような音声メッセージは、音声出力部27に予め保存されており、制御部29の指示により通信部21を介して携帯電話機1に送られる。
【0031】
なお、本実施形態では、携帯電話機1が着信状態となって着信通知動作を保留している状態において、電話機の着信発生時から所定期間が経過した時点において相手側への音声メッセージの送信を行うようにしたが、このような動作を省略した構成としてもよい。この場合、制御部29は、携帯電話機1が着信信号を受信した際に、車両の状況に基づいて通知可と判断した場合には、着信通知動作を行う一方、車両の状況に基づいて通知不可と判断した場合には、車両の状況が通知可となるまで着信通知動作を保留し、車両の状況が通知不可から通知可に切り替わった時点において電話機電話機1の着信状態が継続しているときには着信通知動作を行うこととなる。
【0032】
ここで、車両の状況に基づいて着信通知動作を保留する際の基準について説明する。基本的な基準は、車両の状況からみて安全のために利用者である運転者が運転に集中すべき状況にあるか否かにより、着信通知動作の可否判断が行われる。
【0033】
例えば、センサ群9から、車速、バック走行の有無、方向指示器の作動の有無、ハンドル切り角(あるいは角速度)に関する情報が入力される場合において、車両がバック走行のときには、常に通知不可とすることができる。車速が0〜20km/hのときであって、方向指示器が作動中である場合は通知不可とすることができる。なお、車速が0〜20km/hのときであっても、方向指示器が作動中でない場合は通知可としてもよい。また、車速20km/h以上のときであって、方向指示器が作動中である場合、又はハンドル切り角(あるいは角速度)から車両がカーブを通過中と判断される場合には通知不可とすることができる。なお、車速が20km/h以上のときであっても、方向指示器が作動中でなく、かつ、ハンドル切り角(あるいは角速度)から車両がカーブを通過していないと判断される場合には通知可としてもよい。
【0034】
このような構成により、例えば、車速が0〜20km/hのときであって、方向指示器が作動中である場合に、携帯電話機1に電話がかかってきた場合には、制御部29により車両の状況が着信不可と判断されて、着信通知動作が保留される。そして、その着信発生時から所定期間(例えば、10秒)が経過するまでに、方向指示器の作動が終了して車両の状況が通知不可から通知可に切り替わり、かつ、切り替わり時点において携帯電話機1の着信状態が継続している場合には、その時点で着信があった旨の着信通知動作が携帯電話機1又はスピーカ3を介して行われる。なお、その切り替わり時点で、携帯電話機1の着信状態が解除されている場合には、そのままの状態が保持される。
【0035】
一方、着信通知動作が保留された際に、その着信発生時から所定期間が経過するまでに、方向指示器の作動が終了せず車両の状況が通知不可のままであり、かつ、その所定期間の経過時において携帯電話機1の着信状態が継続している場合には、所定期間の経過時に携帯電話機1が着信状態から通話状態に切り替えられ、運転中であるため電話に出られない旨の所定の音声メッセージが相手側に対して携帯電話機1を介して送付された後、携帯電話機1に終話のための通話回線を切断等の指示が与えられる。なお、所定期間の経過時に、携帯電話機1の着信状態が解除されている場合には、そのままの状態が保持される。
【0036】
以上のように、本実施形態によれば、ハンズフリーユニット11とセンサ群9との間の情報の伝送が無線により行われるため、運転席又は助手席の前面側のパネル内や車両中央のパネル内等に設置される場合が多いハンズフリーユニット11と、車両の各部に設置されるセンサ群9との間の配線接続を不要とすることができ、車両組立時等の作業工数の削減及びコスト削減が図れる。
【0037】
また、携帯電話機1が着信信号を受信している際に、センサ群9が検出した車両の状況に基づいて着信通知動作の可否が判断され、通知可と判断された場合にのみ着信通知動作が行われるため、車両の状況からみて利用者、特に運転者が車両の運転等に集中する必要があるときなどに、携帯電話機1の着信通知が利用者に対して行われてしまい、運転に対する集中等が阻害されるのを防止することができ、車両に搭乗している利用者の安全性の向上が図れる。
【0038】
さらに、携帯電話機1が着信状態となって着信通知動作を保留している状態において、車両の状況が通知不可から通知可の状態に切り替わった際に携帯電話機1の着信状態が継続している場合には、その時点で着信通知が行われるため、利用者の安全性を考慮しつつ、利用者が着信した電話に対応する機会を最大限に確保することができる。
【0039】
また、携帯電話機1が着信状態となって着信通知動作を保留している状態において、携帯電話機1の着信発生時から所定期間が経過した時点において車両の状況が依然として通知不可のままである場合には、その所定期間が経過した時点で、携帯電話機1が着信状態から通話状態に切り替えられて相手側に所定のメッセージが送付されるため、そのメッセージにより利用者の状況等を効果的に知らせることができ、電話に出ないことにより相手側に心配をさせることとなる等の不都合を回避することができる。
【0040】
さらに、車両の状況により着信通知不可である場合に相手側に送られるメッセージが音声メッセージであるため、相手側に自己(利用者)の状況等を容易に認識させることができる。
【0041】
<第2実施形態>
図3は、本発明の第2実施形態に係る車載電話システムのブロック図である。本実施形態に係る車載電話システムが前述の第1実施形態に係る車載電話システムと実質的に異なる点は、ハンズフリーユニット11のセンサ群9用の通信部15を省略して、通信部21により携帯電話機1及びセンサ群9との間の無線通信を行うようにした点のみであり、互いに対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0042】
本実施形態に係る車載電話システムでは、ハンズフリーユニット11とセンサ群9との間の無線通信の通信方式(接続方式)と、ハンズフリーユニット11と携帯電話機1との間の無線通信の通信方式とを同一の通信方式とするとともに、ハンズフリーユニット11のセンサ群9用の通信部15を省略して残る通信部21を携帯電話機1用及びセンサ群9用に共用している。
【0043】
ハンズフリーユニット11と、携帯電話機1及びセンサ群9との間の無線通信の通信方式には、例えばBluetoothが用いられる。Bluetoothを用いた場合には、ハンズフリーユニット11と携帯電話機1とのハンズフリー通話等のためのデータ通信手順と、ハンズフリーユニット11とセンサ群9との間のデータ通信手順とを同時に処理できるという利点がある。
【0044】
以上のように、本実施形態においても前述の第1実施形態とほぼ同様な効果が得られるとともに、ハンズフリーユニット11と、携帯電話機1及びセンサ群9との間の無線通信の通信方式に同一の通信方式が用いられるため、ハンズフリーユニット11に備えられる通信のための各種ハードウエア構成(通信部15、通信部21等)やソフトウエア構成の省略や共通化を行うことができ、ハンズフリーユニット11の構成等の簡略化が図れる。
【0045】
【発明の効果】
請求項1ないし6に記載の発明によれば、車両の状況を検出する検出手段と制御ユニットとの間の情報の伝送が無線により行われるため、検出手段と制御ユニットとの間の配線接続を不要とすることができ、車両組立時等の作業工数の削減及びコスト削減が図れる。
【0046】
請求項2に記載の発明によれば、電話機が前記着信信号を受信している際に、検出手段が検出した車両の状況に基づいて着信通知動作の可否が判断され、通知可と判断された場合にのみ着信通知動作が行われるため、車両の状況からみて利用者、特に運転者が車両の運転等に集中する必要があるときなどに、電話機の着信通知が利用者に対して行われてしまい、運転に対する集中等が阻害されるのを防止することができ、車両に搭乗している利用者の安全性の向上が図れる。
【0047】
請求項3に記載の発明によれば、電話機が着信状態となって着信通知動作を保留している状態において、車両の状況が通知不可から通知可の状態に切り替わった際に電話機の着信状態が継続している場合には、その時点で着信通知が行われるため、利用者の安全性を考慮しつつ、利用者が着信した電話に対応する機会を最大限に確保することができる。
【0048】
請求項4に記載の発明によれば、電話機が着信状態となって着信通知動作を保留している状態において、電話機の着信発生時から所定期間が経過した時点において車両の状況が依然として通知不可のままである場合には、その所定期間が経過した時点で、電話機が着信状態から通話状態に切り替えられて相手側に所定のメッセージが送付されるため、そのメッセージにより利用者の状況等を効果的に知らせることができ、電話に出ないことにより相手側に心配をさせることとなる等の不都合を回避することができる。
【0049】
請求項5に記載の発明によれば、車両の状況により着信通知不可である場合に相手側に送られるメッセージが音声メッセージであるため、相手側に自己(利用者)の状況等を容易に認識させることができる。
【0050】
請求項6に記載の発明によれば、電話機と制御ユニットとの間が、センサ側伝送手段とシステム側伝送手段との間で行われる無線による接続方式と同一の無線による接続方式によって接続されるため、制御ユニットに備えられる検出手段との無線接続のための構成(制御データやプログラム等のソフトウエア的なものも含む、以下同様)と、電話機との無線接続のための構成との少なくも一部を共通化することができ、制御ユニットの構成等の簡略化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車載電話システムのブロック図である。
【図2】センサ群の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る車載電話システムのブロック図である。
【符号の説明】
1 携帯電話機
3 スピーカ
5 マイク
7,7A〜7I センサ
9 センサ群
11 ハンズフリーユニット
13,15,21 通信部
23 操作部
25 走行状況管理部
27 音声出力部
29 制御部
Claims (6)
- 電話機と、
スピーカ及びマイクと、
少なくとも車両の状況を検出する少なくとも1個の検出部を有する検出手段と、
前記電話機と無線又は有線により接続され、前記電話機を制御し、前記電話機が相手側から受信した受信通話内容を前記スピーカを介して出力するとともに、前記マイクを介して入力された相手側に送信すべき送信通話内容を前記電話機に送信させる一方、前記電話機が着信信号を受信している際に、その着信に伴って前記電話機又は前記スピーカを介して利用者に対して行うべき着信通知動作の可否を、前記検出手段が検出した前記車両の状況に基づいて判断する制御ユニットと、
前記検出手段に設けられ、前記検出部が検出した前記車両の状況に関する情報を無線により前記制御ユニットに向けて伝送するセンサ側伝送手段と、
前記制御ユニットに設けられ、前記センサ側伝送手段から無線により伝送されてきた前記情報を受信して前記制御ユニットに与えるシステム側伝送手段と、
を備える、車載電話システム。 - 請求項1に記載の車載電話システムにおいて、
前記制御ユニットは、
前記電話機が前記着信信号を受信している際に、前記検出手段が検出した前記車両の状況に基づいて前記着信通知動作の可否を判断し、通知可と判断した場合にのみ前記着信通知動作を行う、車載電話システム。 - 請求項2に記載の車載電話システムにおいて、
前記制御ユニットは、
前記電話機が前記着信信号を受信した際に、前記車両の状況に基づいて通知可と判断した場合には、前記着信通知動作を行う一方、前記車両の状況に基づいて通知不可と判断した場合には、前記車両の状況が通知可となるまで前記着信通知動作を保留し、前記車両の状況が通知不可から通知可に切り替わった時点において前記電話機の前記着信信号の受信が継続しているときには前記着信通知動作を行う、車載電話システム。 - 請求項3に記載の車載電話システムにおいて、
前記制御ユニットは、
前記電話機が前記着信信号を受信した際に前記車両の状況に基づいて通知不可と判断した場合において、前記電話機の着信発生時から所定期間が経過するまでに前記車両の状況が通知不可から通知可に切り替わった場合には、その切り替わった時点において前記電話機の着信状態が継続しているときには前記着信通知動作を行う一方、前記電話機の着信発生時から所定期間が経過するまでに前記車両の状況が通知不可のままであり、かつその所定期間が経過した時点で前記電話機の着信状態が継続している場合には、前記所定期間が経過した時点において前記電話機を着信状態から通話状態に切り替え、相手側に対して前記電話機を介して所定のメッセージを送付した後、前記電話機にその通話回線を切断させる、車載電話システム。 - 請求項4に記載の車載電話システムにおいて、
前記メッセージが音声メッセージである、車載電話システム。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の車載電話システムにおいて、
前記電話機と前記制御ユニットとの間が、前記センサ側伝送手段と前記システム側伝送手段との間で行われる無線による接続方式と同一の無線による接続方式によって接続される、車載電話システム。
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Cited By (3)
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JP2008523745A (ja) * | 2004-12-14 | 2008-07-03 | バイエリッシェ モートーレン ウエルケ アクチエンゲゼルシャフト | 車両内の少なくとも一つのモバイル端末の利用システム |
US8010166B2 (en) | 2007-12-26 | 2011-08-30 | Denso Corporation | Handsfree apparatus for vehicle |
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-
2003
- 2003-01-16 JP JP2003008097A patent/JP2004222039A/ja active Pending
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