JP2004221877A - 平面アレーアンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】扇状ビームなどの所定のビーム形状を形成可能な平面アレーアンテナ装置を提供する。
【解決手段】誘電体基板11の表面に給電用マイクロストリップ線路L1を形成し、給電用マイクロストリップ線路L1の特性インピーダンスからスロット線路L2の特性インピーダンスにインピーダンス変換するためのインピーダンス変換回路10bを含み、誘電体基板11の裏面において、給電用マイクロストリップ線路L1と実質的に直交するようにスロット線路L2を形成する。また、誘電体基板11の表面において、スロット線路L2と、各励振用マイクロストリップ線路L3の中間点で直交するように、互いに所定の同一の間隔で、同一の長さの複数本の励振用マイクロストリップ線路L3を形成し、誘電体基板11の表面において、各励振用マイクロストリップ線路L3の両端部にそれぞれ接続するように複数対の放射パッチ導体P11−P61を形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビーム走査が可能な平面アレーアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、60GHz帯を用いたホームネットワークや映像伝送システムなどのアプリケーションが提案されている。60GHz帯では放射素子のサイズが小さいため多素子化に適しており、伝送距離の拡大やマルチパスの影響を低減する意味でも利得の高いアンテナを用いることが好ましい。
【0003】
しかし、アンテナの利得を高くしていくとビーム幅が狭くなり、送受信機間のアライメントが難しくなる。そこで、電子制御によりビーム走査が可能なアンテナを用いれば、送信機と受信機間のアライメント精度の向上が期待できる。また、送受信機間の見通しがきかない場合にもアライメントが容易に行える。ビーム走査アンテナの構成としては、LNA及び移相器を複数備える構成(アクティブフェイズドアレー)が考えられるが、これらのMMICは非常に高価であり、低コスト化が困難となる。
【0004】
ミリ波帯アンテナとして、低コスト、小型・軽量、且つ高周波回路との集積化に適した平面アンテナが検討されており、パッケージとの1体化に向けて多層基板を用いたマイクロストリップアレーアンテナが検討されている(例えば、非特許文献1参照。)。マイクロストリップアレーアンテナの給電回路は、マイクロストリップ線路を用いた並列分岐による分配回路より構成される場合が多いが、グランド面に形成したスロット線路を用いた直列分岐を利用する手法が提案されている(例えば、非特許文献2参照。)。また、多層基板においても、層間に配置されたグランド面に形成したスロット線路を用いた逆相分配回路のアンテナ給電回路への応用が提案されている(例えば、非特許文献3参照。)。
【0005】
図38は非特許文献4において開示された従来例の平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図である。図38において、スロット102を除く裏面全面において、接地導体が形成された誘電体基板100上に、スロット102の長手方向とは直交するように、給電用マイクロストリップ線路を構成するストリップ導体101を形成する。ここで、接地導体に形成されたスロット102によりスロット線路を構成している。さらに、ストリップ導体101を間に挟んでストリップ導体101の長手方向と平行となるように、2本のストリップ導体131,132が形成され、各ストリップ導体131,132の端部に矩形放射パッチ導体111,112,121,122が形成されている。ストリップ導体101のマイクロストリップ線路と、スロット線路とは並列分岐回路141により電磁的に結合され、各ストリップ導体131,132のマイクロストリップ線路とスロット線路とは直列分岐回路142により電磁的に結合されている。
【0006】
以上のように構成された、従来例に係る平面アレーアンテナ装置においては、表面にマイクロストリップ線路を形成する一方、裏面にスロット線路を形成する両平面回路技術を活用することにより、分岐回路は直並列分岐回路で構成することができる。その結果、給電系全体においてインピーダンス変換回路が不要となり、かる線路中に曲がりのない簡易な構成となる。さらに、放射素子の構成もマイクロストリップ並列給電である従来型にない特徴、すなわちE面に対しても鏡面対称の構成が実現できる。その結果、アンテナの放射特性において相補性の効果を得ることができる。
【0007】
【非特許文献1】
A. Yamada et al., ”A Patch Antenna Array on a Multi−Layered Ceramic Substrate for 60GHz Applications”, Proceeding of 31st European Microwave Conference, vol.1, pp.37−40, London, September, 2001.
【非特許文献2】
江頭広三ほか,“給電系に両平面回路を用いた平面アレイアンテナの構成法”,電子情報通信学会技術報告,ED2001−154,MW2001−114,pp.19−22,2001年11月。
【非特許文献3】
Y. Amano et al., ”Multi−Layered Substrates for Wireless Communication Modules at 60GHz”, Proceeding of 29th European Microwave Conference, vol.2, pp.301−304, Munich, September, 1999.
【非特許文献4】
江頭広三ほか,“給電系に両平面回路を用いた平面アレイアンテナ”,電子情報通信学会技術報告,A−P2001−183,pp.41−45,2002年1月。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これらの従来技術に係る平面アレーアンテナ装置の構造では、スロット線路は基板表面の放射素子と基板裏面に形成した回路との接続の役目も果たすため、放射素子と高周波回路をグランド面により分離することができ、高周波回路との集積化に適している。しかし、これらのアンテナではビームの方向は固定であり、ビーム走査の機能は実現されていない。
【0009】
また、非特許文献4において開示された平面アレーアンテナ装置においては、2×2素子、4×4素子などのN×N素子のアンテナ構造しか実現することができないため、扇状ビームなどの所定のビーム形状を形成可能なアンテナ装置を構成できなかった。
【0010】
本発明の第1の目的は以上の問題点を解決し、扇状ビームなどの所定のビーム形状を形成可能な平面アレーアンテナ装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の第2の目的はさらに、ビーム方向を変更可能な平面アレーアンテナ装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る平面アレーアンテナ装置は、誘電体基板に形成された給電用マイクロストリップ線路と、
上記誘電体基板の裏面において、上記給電用マイクロストリップ線路と実質的に直交するように形成されたスロット線路と、
上記誘電体基板において、上記スロット線路と、各第1の励振用マイクロストリップ線路の中間点で直交するように、互いに所定の同一の間隔で形成された同一の長さの複数本の第1の励振用マイクロストリップ線路と、
上記誘電体基板のおもて面において、上記各第1の励振用マイクロストリップ線路の両端部にそれぞれ接続するように形成された複数対の第1と第2の放射パッチ導体とを備えたことを特徴とする。
【0013】
ここで、上記スロット線路は、上記給電用マイクロストリップ線路と上記スロット線路との接続部分のインピーダンス整合を行うためのインピーダンス変換回路を含むことを特徴とする。
【0014】
上記平面アレーアンテナ装置において、上記誘電体基板において、上記各第1の放射パッチ導体に接続され、上記各第1の放射パッチ導体から、上記各対応する第2の放射パッチ導体とは逆の方向に延在するように、互いに所定の同一の間隔で同一の長さで形成された複数本の第2の励振用マイクロストリップ線路と、
上記誘電体基板のおもて面において、上記各第2の励振用マイクロストリップ線路にそれぞれ接続するように形成された複数の第3の放射パッチ導体と、
上記誘電体基板において、上記各第2の放射パッチ導体に接続され、上記各第2の放射パッチ導体から、上記各対応する第1の放射パッチ導体とは逆の方向に延在するように、互いに所定の同一の間隔で同一の長さで形成された複数本の第3の励振用マイクロストリップ線路と、
上記誘電体基板のおもて面において、上記各第3の励振用マイクロストリップ線路にそれぞれ接続するように形成された複数の第4の放射パッチ導体とをさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
また、上記平面アレーアンテナ装置において、給電用マイクロストリップ線路が形成された部分を除き、互いに隣接する第1の励振用マイクロストリップ線路の間に、上記誘電体基板において、上記スロット線路と、各第4の励振用マイクロストリップ線路の中間点で直交するように、上記各第1の励振用マイクロストリップ線路の線路長と比較して1波長だけ長い同一の長さの複数本の第4の励振用マイクロストリップ線路と、
上記誘電体基板のおもて面において、上記各第4の励振用マイクロストリップ線路の両端部にそれぞれ接続するように形成された複数対の第5と第6の放射パッチ導体とをさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
さらに、上記平面アレーアンテナ装置において、上記誘電体基板のおもて面において、互いに隣接する上記第1の励振用マイクロストリップ線路の間に形成され、上記スロット線路を伝搬する無線信号を所定の移相量で移相する移相器回路をさらに備え、上記移相量を制御することにより、上記平面アレーアンテナ装置のビームを走査することを特徴とする。
【0017】
ここで、上記移相器回路は、
上記スロット線路と直交するように形成された連結用マイクロストリップ線路と、
上記連結用マイクロストリップ線路に接続された可変リアクタンス回路とを備えたことを特徴とする。
【0018】
さらに、上記平面アレーアンテナ装置において、上記スロット線路の両端をそれぞれ短絡状態で終端する終端回路と、
上記誘電体基板の裏面のスロット線路において、互いに隣接する上記第1の励振用マイクロストリップ線路と上記第4の励振用マイクロストリップ線路との間に、上記スロット線路を伝搬する無線信号を所定の移相量で移相する可変リアクタンス素子とをさらに備え、上記移相量を制御することにより、上記平面アレーアンテナ装置のビームを走査することを特徴とする。
【0019】
またさらに、上記平面アレーアンテナ装置において、上記誘電体基板の裏面に配置された別の誘電体基板と、
上記別の誘電体基板の裏面において、互いに隣接する上記第1の励振用マイクロストリップ線路の間に形成され、上記スロット線路を伝搬する無線信号を所定の移相量で移相する移相器回路をさらに備え、上記移相量を制御することにより、上記平面アレーアンテナ装置のビームを走査することを特徴とする。
【0020】
上記平面アレーアンテナ装置において、上記移相器回路は、
上記スロット線路と直交するように形成された連結用マイクロストリップ線路と、
上記連結用マイクロストリップ線路に接続された可変リアクタンス素子とを備えたことを特徴とする。
【0021】
第2の発明に係る平面アレーアンテナ装置は、第1の誘電体基板上に、第2の誘電体基板を形成し、上記第2の誘電体基板上に第3の誘電体基板を形成してなる3層構造の基板と、
第1の誘電体基板の裏面に形成された給電用マイクロストリップ線路と、
上記第1の誘電体基板と上記第2の誘電体基板との間の面において、上記給電用マイクロストリップ線路と実質的に直交するように形成されたスロット線路と、
上記第2の誘電体基板と上記第3の誘電体基板との間の面において、上記スロット線路と、各第1の励振用マイクロストリップ線路の中間点で直交するように、互いに所定の同一の間隔で形成された同一の長さの複数本の第1の励振用マイクロストリップ線路と、
上記第3の誘電体基板のおもて面において、上記各第1の励振用マイクロストリップ線路の両端部に位置し、それぞれ上記各第1の励振用マイクロストリップ線路と電磁的に結合するように形成された複数対の第1と第2の放射パッチ導体とを備えたことを特徴とする。
【0022】
ここで、上記スロット線路は、上記給電用マイクロストリップ線路と上記スロット線路との接続部分のインピーダンス整合を行うためのインピーダンス変換回路を含むことを特徴とする。
【0023】
上記平面アレーアンテナ装置において、上記第2の誘電体基板と上記第3の誘電体基板との間の面において、上記各第1の放射パッチ導体に電磁的に結合され、上記各第1の放射パッチ導体から、上記各対応する第2の放射パッチ導体とは逆の方向に延在するように、互いに所定の同一の間隔で同一の長さで形成された複数本の第2の励振用マイクロストリップ線路と、
上記第3の誘電体基板のおもて面において、上記各第2の励振用マイクロストリップ線路にそれぞれ電磁的に結合するように形成された複数の第3の放射パッチ導体と、
上記第2の誘電体基板と上記第3の誘電体基板との間の面において、上記各第2の放射パッチ導体に電磁的に結合され、上記各第2の放射パッチ導体から、上記各対応する第1の放射パッチ導体とは逆の方向に延在するように、互いに所定の同一の間隔で同一の長さで形成された複数本の第3の励振用マイクロストリップ線路と、
上記第3の誘電体基板のおもて面において、上記各第3の励振用マイクロストリップ線路にそれぞれ電磁的に結合するように形成された複数の第4の放射パッチ導体とをさらに備えたことを特徴とする。
【0024】
また、上記平面アレーアンテナ装置において、上記第1の誘電体基板の裏面において、互いに隣接する上記第1の励振用マイクロストリップ線路の間に形成され、上記スロット線路を伝搬する無線信号を所定の移相量で移相する移相器回路をさらに備え、上記移相量を制御することにより、上記平面アレーアンテナ装置のビームを走査することを特徴とする。
【0025】
ここで、上記移相器回路は、
上記スロット線路と直交するように形成された連結用マイクロストリップ線路と、
上記連結用マイクロストリップ線路に接続された可変リアクタンス素子とを備えたことを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。以下の実施形態においては、1つの低雑音増幅器を用いて構成可能なビーム走査アンテナであって、例えば60GHz帯における平面ビーム走査アンテナの実現を目的として、マイクロストリップ線路からスロット線路への並列分岐、スロット線路からマイクロストリップ線路への直列分岐を用い、直列給電方式により各放射素子に給電するパッチアレーアンテナと、可変容量ダイオードを用いた移相器によるビーム走査を提案する。なお、平面アレーアンテナ装置の設計目標は、アンテナ利得を18dBiとし、帯域幅を59〜62GHzとしている。
【0027】
なお、以下の図面において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0028】
<第1の実施形態>
図1は本発明に係る第1の実施形態である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図であり、図2は図1のA−A’線についての断面図であり、図3は図1のB−B’線についての断面図である。第1の実施形態に係る平面アレーアンテナ装置は、2×6素子のアレーアンテナを構成したことを特徴としている。
【0029】
図1乃至図3に示すように、スロット10aを除く裏面全面において、接地導体10が形成された誘電体基板11上に、スロット10aの長手方向とは直交するように、給電用マイクロストリップ線路L1を構成するストリップ導体21を形成する。ここで、接地導体10に形成されたスロット10aによりスロット線路を構成している。さらに、ストリップ導体21を間に挟んでストリップ導体21の長手方向と平行となるように、左側3本で右側3本のストリップ導体22が間隔λgで(ここで、λgはスロット線路L2の管内波長である。)かつ各ストリップ導体22の中間部でスロット10aと直交しかつ同一の長さで形成され、また、各ストリップ導体22の両端部に矩形放射パッチ導体P11,P12,P21,P22,P31,P32,P41,P42,P51,P52,P61,P62が各ストリップ導体22と電気的に接続されるように形成されている。ここで、スロット10aの図1の図上上側に、6個の矩形放射パッチ導体P11,P21,P31,P41,P51,P61が間隔λgで並置され、スロット10aの図1の図上下側に、6個の矩形放射パッチ導体P12,P22,P32,P42,P52,P62が間隔λgで並置されている。
【0030】
図1乃至図3の誘電体基板11を挟設する接地導体10とストリップ導体21とにより給電用マイクロストリップ線路L1を構成し、スロット10aを挟設する両側の接地導体10,10によりスロット線路L2を構成し、誘電体基板11を挟設する接地導体10と各ストリップ導体22とにより励振用マイクロストリップ線路L3を構成している。
【0031】
また、ストリップ導体21のマイクロストリップ線路L1と、スロット線路L2とは並列分岐回路81により電磁的に結合され、各ストリップ導体22のマイクロストリップ線路L3とスロット線路L2とは直列分岐回路82により電磁的に結合されている。なお、並列分岐回路81において、マイクロストリップ線路L1の左右両側のそれぞれλg/4の長さにおいてスロット線路L2の幅を他の部分と比較して広げることにより、マイクロストリップ線路L1とスロット線路L2との接続部分から左右のスロット線路L2を見たときのインピーダンスが、当該接続部分からマイクロストリップ線路L1を見たときのインピーダンスに実質的に概略一致させるためのインピーダンス変換回路10bが形成されている。
すなわち、インピーダンス変換回路10bは、マイクロストリップ線路L1とスロット線路L2との接続部分のインピーダンス整合を行うためのインピーダンス変換回路である。
【0032】
本実施形態においては、インピーダンス変換回路10bを形成しているが、本発明はこれに限らず、マイクロストリップ線路L1とスロット線路L2との接続部分のインピーダンス整合が行われるように、これら2つの線路を形成するときは不要である。このことは他の実施形態や変形例にも適用可能である。
【0033】
また、ストリップ導体21の上側端部は、当該インピーダンス変換回路10bのスロット上端から約λg/4だけ突出するように延在して形成することにより終端短絡とし、無反射終端部を形成している。さらに、スロット10aの左右両端部はそれぞれ、最左側のストリップ導体22及び最右側のストリップ導体22から約λg/4だけ突出するように延在して形成することにより終端短絡とし、無反射終端部を形成している。
【0034】
以上のように構成された平面アレーアンテナ装置において、給電用マイクロストリップ線路L1を介して無線信号が給電され、並列分岐回路81により、マイクロストリップ線路L1からスロット線路L2の中間点より左右の方向に無線信号が分配された後、分配された無線信号は、スロット線路L2を介して各マイクロストリップ線路L3に対して直列分岐回路82により直列給電方式により分配される。図1のストリップ導体21の右側において、各マイクロストリップ線路L3は、スロット線路L2上にλg間隔で配置されているため、矩形放射パッチ導体P41,P51,P61は、スロット線路L2の損失を無視すれば原理的に同相でかつ同振幅で励振される。また、図1のストリップ導体21の左側においても、各マイクロストリップ線路L3は、スロット線路L2上にλg間隔で配置されているため、矩形放射パッチ導体P11,P21,P31は、スロット線路L2の損失を無視すれば原理的に同相でかつ同振幅で励振される。さらに、スロット線路L2から各マイクロストリップ線路L3への分岐は直列分岐となり、無線信号は図1の上下方向で逆相分配される。ここで、スロット線路L2の上側と下側の矩形放射パッチ導体へは逆方向より給電するため、すべての放射パッチ導体は同相でかつ同振幅で励振される。従って、当該平面アレーアンテナ装置を用いて、図1の紙面に対して垂直な方向を中心として、所定のビーム形状で無線信号を放射することができる。
【0035】
以上のように構成された平面アレーアンテナ装置においては、2×6素子のアレーアンテナを構成しているが、このような構成の給電回路により横方向に素子数を増やし、2×N素子の放射パッチアレーを構成することが可能である。
【0036】
<第2の実施形態>
図4は本発明に係る第2の実施形態である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図である。第2の実施形態に係る平面アレーアンテナ装置は、図1の第1の実施形態に係る平面アレーアンテナ装置に比較して、以下の相違点を有することを特徴としている。
(1)各矩形放射パッチ導体P11,P21,P31,P41,P51,P61の上側にそれぞれ、それに連結された連結用ストリップ導体23を介して矩形放射パッチ導体Q11,Q21,Q31,Q41,Q51,Q61を、下側の矩形放射パッチ導体からの間隔λgで形成したこと。
(2)各矩形放射パッチ導体P12,P22,P32,P42,P52,P62の下側にそれぞれ、それに連結された連結用ストリップ導体24を介して矩形放射パッチ導体Q12,Q22,Q32,Q42,Q52,Q62を、上側の矩形放射パッチ導体からの間隔λgで形成したこと。
【0037】
なお、各連結用ストリップ導体23と、各ストリップ導体22と、各連結用ストリップ導体24とは一直線上に延在するように形成される。また、誘電体基板11を挟設する接地導体10と、各ストリップ導体23によりそれぞれマイクロストリップ線路を構成し、誘電体基板11を挟設する接地導体10と、各ストリップ導体24によりそれぞれマイクロストリップ線路を構成し、各マイクロストリップ線路とも給電用伝送線路として用いることができる。なお、その他の構成は第1の実施形態と同様に構成される。
【0038】
以上説明したように、本実施形態によれば、図4に示すように、第1の実施形態の各矩形放射パッチ導体から上下方向に間隔λgだけ離れた位置に2つ目の矩形放射パッチ導体を配置し、1つ目の矩形放射パッチ導体よりマイクロストリップ線路を介して給電する構成とすることにより、上下方向にも多素子化を行うことができる。
【0039】
<第3の実施形態>
図5は本発明に係る第3の実施形態である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図である。第3の実施形態に係る平面アレーアンテナ装置は、図1に図示した第1の実施形態に係る平面アレーアンテナ装置に比較して以下の相違点を有することを特徴としている。
(1)互いに隣接する2本のストリップ導体22の中間点において、ストリップ導体22の長手方向と平行となるようにストリップ導体25を形成し、その両端部に矩形放射パッチ導体R11,R12;R21,R22;R31,R32;R41,R42を連結して形成している。
(2)各矩形放射パッチ導体R11,R12;R21,R22;R31,R32;R41,R42の形成位置は、第1の実施形態の矩形放射パッチ導体P11,P12;P21,P22;P31,P32;P41,P42;P51,P52;P61,P62の形成位置に比較して、各ストリップ導体25の長さが上側及び下側の両方で長くなるように、図5の図上の上下方向でλg/2だけシフトさせている。
なお、その他の構成は第1の実施形態の構成と同様である。
【0040】
以上のように構成された第3の実施形態においては、各ストリップ導体22及び25は互いに間隔λg/2で並置され、これにより、各矩形放射パッチ導体P11,R11,P21,R21,P31;P12,R12,P22,R22,P32;P41,R31,P51,R41,P61;P42,R32,P52,R42,P62はこれらの順序で互いに横方向では間隔λg/2で並置されている。従って、各ストリップ導体25の長さは、各ストリップ導体22の長さに比較してλgだけ長い。また、誘電体基板11を挟設する各ストリップ導体25と、接地導体10により別のマイクロストリップ線路を構成している。ここで、スロット10aのスロット線路と、当該別のマイクロストリップ線路とは直交しており、その直交点で第1の実施形態と同様に直列分岐回路25を構成している。
【0041】
従って、スロット線路に給電された無線信号は、直列分岐回路25によりストリップ導体25のマイクロストリップ線路に直列分岐して分配された後、すべての矩形放射パッチ導体に対して同相でかつ同振幅で励振され、当該平面アレーアンテナ装置を用いて、図5の紙面に対して垂直な方向を中心として、所定のビーム形状で無線信号を放射することができる。この第3の実施形態においては、矩形放射パッチ導体の数を第1の実施形態に比較して増大させることができるので、誘電体基板11の同一の面積で多数の矩形放射パッチ導体を形成することができ、アンテナ利得を大幅に増大させることができるという特有の効果を有する。
【0042】
<第4の実施形態>
図6は本発明に係る第4の実施形態である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図である。第4の実施形態に係る平面アレーアンテナ装置は、図1に図示した第1の実施形態に係る平面アレーアンテナ装置に比較して以下の相違点を有することを特徴としている。
(1)ストリップ導体21の左側のスロット10aにおいて、互いに隣接するストリップ導体22の間の中間点及びストリップ導体22とストリップ導体21との間の中間点にそれぞれ、スロット10aの対応する両側の接地導体10に接続される移相器26を設けた。
(2)ストリップ導体21の右側のスロット10aにおいて、互いに隣接するストリップ導体22の間の中間点及びストリップ導体22とストリップ導体21との間の中間点にそれぞれ、スロット10aの対応する両側の接地導体10に接続される移相器27を設けた。
【0043】
ここで、各移相器26,27はそれぞれ例えば可変リアクタンス素子又は回路であって、それぞれ制御電圧接続端子T1乃至T8に接続され、制御電圧接続端子T1乃至T8に印加する制御電圧を変化することにより、移相器26,27のリアクタンス値を変化させ、これにより、スロット線路を伝搬する無線信号の位相を変化させる。本実施形態においては、各移相器26では、例えば正の同一の移相量で無線信号を移相し、各移相器27では、例えば負の同一の移相量で無線信号を移相することにより、ストリップ導体21のマイクロストリップ線路から見て外側の矩形放射パッチ導体にゆくほど無線信号に対する移相量が大きくなる。従って、当該平面アレーアンテナ装置から放射する無線信号のビーム方向を、図6の紙面に対して垂直な方向から横方向(図の左右方向)に走査させることができる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によれば、簡単な構成でビーム走査可能な平面アレーアンテナ装置を構成することができる。
【0045】
図7は本発明に係る第4の実施形態の変形例である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図である。当該変形例では、各移相器26の可変リアクタンス値と、各移相器27の可変リアクタンス値とを互いに逆の符号のリアクタンス値を設定するように構成し、各移相器26,27に接続された1個の制御電圧印加端子T10に対して同一の制御電圧を印加することにより、図6の第4の実施形態と同様に動作させ、当該平面アレーアンテナ装置から放射する無線信号のビーム方向を、図7の紙面に対して垂直な方向から横方向(図の左右方向)に走査させることができる。
【0046】
<第5の実施形態>
図8は本発明に係る第5の実施形態である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図である。第5の実施形態に係る平面アレーアンテナ装置は、図6の第4の実施形態に比較して、以下の相違点を有する個とを特徴としている。すなわち、各移相器26,27をそれぞれ、ストリップ導体28と、可変リアクタンス回路29と、これらを接続する接続ワイヤ30とからなる移相器回路を2つ備えて構成する。
【0047】
当該移相器回路について以下に具体的に説明する。互いに隣接する2本のストリップ導体22の間にそれぞれ2つの移相器回路を形成し、また、ストリップ導体21とストリップ導体22との間にそれぞれ、1つの移相器回路を形成する。
1つの移相器回路において、スロット線路に直交しかつストリップ導体22の長手方向に平行に、ストリップ導体28を形成し、当該ストリップ導体28の上側に所定の間隔だけ離れて可変リアクタンス回路29を形成し、ストリップ導体28の上側端部と可変リアクタンス回路29とを接続ワイヤ30により接続する。
ここで、誘電体基板11を挟設する接地導体10とストリップ導体28とにより、連結用マイクロストリップ線路を構成する。さらに、各可変リアクタンス回路29にはそれぞれ制御電圧印加端子T11乃至T20が接続される。
【0048】
以上のように構成された平面アレーアンテナ装置において、各制御電圧印加端子T11乃至T20に対して所定の制御電圧を印加することにより、各可変リアクタンス回路29の可変リアクタンス値を変化させ、これにより、ストリップ導体28が形成された位置でのインピーダンスを変化させる。このとき、スロット線路を伝搬する無線信号を各ストリップ導体28の位置で移相させることにより、ストリップ導体21のマイクロストリップ線路から見て外側の矩形放射パッチ導体にゆくほど無線信号に対する移相量が大きくなる。従って、当該平面アレーアンテナ装置から放射する無線信号のビーム方向を、図8の紙面に対して垂直な方向から横方向(図の左右方向)に走査させることができる。
【0049】
<第6の実施形態>
図9は本発明に係る第6の実施形態である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図であり、図10は図9の平面アレーアンテナ装置の裏面の構成を示す背面図である。第6の実施形態に係る平面アレーアンテナ装置は、図5の第3の実施形態に比較して以下の相違点を有することを特徴としている。
(1)互いに隣接する各ストリップ導体22の間の中間点、及びストリップ導体22とストリップ導体21との相臺の中間点にそれぞれ、移相器を構成するための可変容量ダイオード32を、スロット10aの互いに対向する接地導体10の間に接続したこと。なお、ストリップ導体21の左側に位置する可変容量ダイオード32の極性の接続方法と、ストリップ導体21の右側に位置する可変容量ダイオード32の極性の接続方法とを逆にした。図10の例では、前者の場合、可変容量ダイオード32のアノードを下側の接地導体10に接続し、そのカソードを上側の接地導体10に接続した。また、後者の場合、可変容量ダイオード32のアノードを上側の接地導体10に接続し、そのカソードを下側の接地導体10に接続した。なお、各可変容量ダイオード32の2つの端子にはそれぞれ、高周波阻止用インダクタを介して制御電圧印加端子を接続する。
(2)左端のストリップ導体22から左側へλg/4の位置に、スロット線路を終端するMIMキャパシタ(金属−絶縁体−金属の順序で接合されたキャパシタ)31を、スロット10aの互いに対向する接地導体10の間に接続し、右端のストリップ導体22から右側へλg/4の位置に、スロット線路を終端するMIMキャパシタ(金属−絶縁体−金属の順序で接合されたキャパシタ)31を、スロット10aの互いに対向する接地導体10の間に接続したこと。
【0050】
以上のように構成された平面アレーアンテナ装置において、各制御電圧印加端子に対して所定の制御電圧を印加することにより、各可変容量ダイオード32の可変容量値を変化させ、これにより、可変容量ダイオード32の接続位置でのインピーダンスを変化させる。このとき、スロット線路を伝搬する無線信号を各当該接続位置で移相させることにより、ストリップ導体21のマイクロストリップ線路から見て外側の矩形放射パッチ導体にゆくほど無線信号に対する移相量が大きくなる。従って、当該平面アレーアンテナ装置から放射する無線信号のビーム方向を、図10の紙面に対して垂直な方向から横方向(図の左右方向)に走査させることができる。
【0051】
<第7の実施形態>
図11は本発明に係る第7の実施形態である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図であり、図12は図11の平面アレーアンテナ装置の裏面の構成を示す背面図である。第7の実施形態に係る平面アレーアンテナ装置は、図1の第1の実施形態に比較して以下の相違点を有することを特徴としている。
(1)第1の実施形態に係る2×6素子のアレーアンテナに対して、第7の実施形態に係るアレーアンテナは2×4素子のアレーアンテナである。
(2)接地導体10の下側に誘電体基板12を配置した。
(3)互いに隣接する2本のストリップ導体22の間に2つの移相器回路(後述)を誘電体基板12上に形成した。
【0052】
図12において、1つの移相器回路は、ストリップ導体41と、接続用ストリップ導体42と、短絡用扇形導体43と、可変容量ダイオード44と、スルーホール導体45と,抵抗46とを備えて構成される。ここで、ストリップ導体41は、スロット10aと直交しかつストリップ導体22の長手方向と平行となるように形成される。ストリップ導体41の上側端部には、接続用ストリップ導体42と、それに連結された短絡用扇形導体43とが誘電体基板12上に形成され、当該短絡用扇形導体43の連結点は短絡状態となり、この連結点に抵抗46を介して制御電圧印加端子T10が接続される。また、ストリップ導体41とストリップ導体42との間の連結点に、可変容量ダイオード44を介してスルーホール導体45が接続される。このスルーホール導体45は、誘電体基板12を厚さ方向に貫通して接地導体10に接続される。なお、ストリップ導体21の左側の可変容量ダイオード44の極性の接続方法は、ストリップ導体21の右側の可変容量ダイオード44の極性の接続方法とは逆であり、図12の一例では、ストリップ導体21の左側の可変容量ダイオード44のアノードはストリップ導体41の上側端部に接続され、そのカソードはスルーホール導体45に接続される一方、ストリップ導体21の右側の可変容量ダイオード44のカソードはストリップ導体41の上側端部に接続され、そのアノードはスルーホール導体45に接続される。また、誘電体基板12を挟設するストリップ導体41と接地導体10により連結用マイクロストリップ線路を構成しており、当該連結用マイクロストリップ線路はスロット線路と電磁的に結合される。
【0053】
以上のように構成された平面アレーアンテナ装置において、制御電圧印加端子T10に対して所定の制御電圧を印加することにより、各可変容量ダイオード44の可変容量値を変化させ、これにより、可変容量ダイオード44が接続されたストリップ導体41とスロット10aとの交差位置でのインピーダンスを変化させる。このとき、スロット線路を伝搬する無線信号を各当該交差位置で移相させることにより、ストリップ導体21のマイクロストリップ線路から見て外側の矩形放射パッチ導体にゆくほど無線信号に対する移相量が大きくなる。従って、当該平面アレーアンテナ装置から放射する無線信号のビーム方向を、図11の誘電体基板11の上側面に対して垂直な方向から横方向(図の左右方向)に走査させることができる。なお、可変容量ダイオード44などの移相器回路を誘電体基板12の裏面に形成することにより、当該アンテナ装置の上面に移相器回路を形成することなくスマートな外観とすることができる。
【0054】
以上の実施形態においては、誘電体基板12の裏面に移相器回路を形成しているが、本発明はこれに限らず、これを形成しなくてもよい。
【0055】
<第8の実施形態>
図13は本発明に係る第8の実施形態である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図であり、図14は図13の平面アレーアンテナ装置の裏面の構成を示す背面図である。第8の実施形態に係る平面アレーアンテナ装置は、図4の第2の実施形態に比較して以下の相違点を有することを特徴としている。
(1)誘電体基板12上にスロット10a及びインピーダンス変換回路10bを有する接地導体10を形成し、その接地導体10上に、ストリップ導体21及びストリップ導体51,52,53を形成した後、誘電体基板13を形成し、その誘電体基板13上に矩形放射パッチ導体P11,P12,Q11,Q12;P21,P22,Q21,Q22;P31,P32,Q31,Q32;P41,P42,Q41,Q42を形成した。なお、矩形放射パッチ導体P11,P12,Q11,Q12;P21,P22,Q21,Q22;P31,P32,Q31,Q32;P41,P42,Q41,Q42の形成の配置関係は、第2の実施形態と同様である。
(2)誘電体基板12の裏面上の6つの移相器回路については、図14に示すように、図12の移相器回路と同様に形成した。
【0056】
図13において、誘電体基板11を挟設する接地導体10及びストリップ導体21により給電用マイクロストリップ線路を構成し、接地導体10に形成されたスロット10aによりスロット線路を構成している。ストリップ導体51,52,53は、ストリップ導体21の長手方向と平行であって、スロット10aと直交するように誘電体基板11と誘電体基板13との間に形成されている。ここで、誘電体基板11を挟設する接地導体10及びストリップ導体51,52,53によりそれぞれ給電用マイクロストリップ線路を構成する。例えば、左端部の矩形放射パッチ導体P11,P12,Q11,Q12への給電回路においては、スロット線路を伝搬する無線信号が直列分岐回路82により分岐されてストリップ導体51のマイクロストリップ線路に分配された後、矩形放射パッチ導体P11及びP12を励振するとともに、当該無線信号はストリップ導体52のマイクロストリップ線路を介して矩形放射パッチ導体Q11を励振する一方、ストリップ導体53のマイクロストリップ線路を介して矩形放射パッチ導体Q12を励振する。また、他の矩形放射パッチ導体P21,P22,Q21,Q22;P31,P32,Q31,Q32;P41,P42,Q41,Q42への励振も同様に行われる。
【0057】
以上のように構成された平面アレーアンテナ装置において、各矩形放射パッチ導体P11,P12,Q11,Q12;P21,P22,Q21,Q22;P31,P32,Q31,Q32;P41,P42,Q41,Q42は、第2の実施形態と同様に、無線信号により同相でかつ実質的に同振幅で励振される。また、本実施形態においては、第2の実施形態と同様に、上下方向にも多素子化を行うことができるという効果を有している。さらに、図14に示すような6個の移相器回路を形成することにより、ビーム方向を走査可能な平面アレーアンテナ装置を構成できる。また、図13に示すように、給電用マイクロストリップ線路及びスロット線路を形成した層と、矩形放射パッチ導体を形成した層とを分離したので、給電線路を伝搬する無線信号による影響を受けないビーム形状を有する無線信号を放射できる。なお、可変容量ダイオード44などの移相器回路を誘電体基板12の裏面に形成することにより、当該アンテナ装置の上面に移相器回路を形成することなくスマートな外観とすることができる。
【0058】
<第9の実施形態>
図15は本発明に係る第9の実施形態である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図であり、図16は図15のC−C’線についての断面図であり、図17は図15のD−D’線についての断面図である。第9の実施形態に係る平面アレーアンテナ装置は、図1乃至図3の第1の実施形態に比較して以下の相違点を有することを特徴としている。
(1)第1の実施形態に係る2×6素子のアレーアンテナに対して、2×4素子のアレーアンテナである。
(2)裏面にストリップ導体21が形成された誘電体基板12上に、スロット10a及びインピーダンス変換回路10bを有する接地導体10を形成し、その接地導体10上に誘電体基板11を形成し、その誘電体基板11上に、ストリップ導体22を形成した後、誘電体基板13を形成し、その誘電体基板13上に矩形放射パッチ導体P11,P12;P21,P22;P31,P32;P41,P42を形成した。なお、矩形放射パッチ導体P11,P12;P21,P22;P31,P32;P41,P42の形成の配置関係は、ストリップ導体21の左側に4個の矩形放射パッチ導体を形成し、その右側に4個の矩形放射パッチ導体を形成することを除いて第1の実施形態と同様である。
【0059】
図15乃至図17において、誘電体基板12を挟設するストリップ導体21と接地導体10とによりマイクロストリップ線路L1を構成し、接地導体10にスロット10aを形成することによりスロット線路L2を構成し、誘電体基板11を挟設するストリップ導体22と接地導体10によりマイクロストリップ線路を構成する。例えば、左端部の矩形放射パッチ導体P11,P12への給電回路においては、スロット線路L2を伝搬する無線信号が直列分岐回路82により分岐されてストリップ導体22のマイクロストリップ線路L3に分配された後、矩形放射パッチ導体P11及びP12を励振する。また、他の矩形放射パッチ導体P21,P22;P31,P32;P41,P42への励振も同様に行われる。
【0060】
なお、本発明者により試作した第9の実施形態の実施例に係る平面アレーアンテナ装置においては、誘電体基板11,12及び誘電体基板13はそれぞれ比誘電率2.2を有し、厚さ127μmを有する。
【0061】
以上のように構成された平面アレーアンテナ装置において、各矩形放射パッチ導体P11,P12;P21,P22;P31,P32;P41,P42は、第1の実施形態と同様に、無線信号により同相でかつ実質的に同振幅で励振される。また、図15乃至図17に示すように、給電用マイクロストリップ線路及びスロット線路を形成した層と、矩形放射パッチ導体を形成した層とを分離したので、給電線路を伝搬する無線信号による影響を受けないビーム形状を有する無線信号を放射できる。
【0062】
図18は本発明に係る第9の実施形態の変形例である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図である。当該変形例では、第9の実施形態に比較して、2×8素子のアレーアンテナを構成している。ここで、ストリップ導体21の左側に、矩形放射パッチ導体P11,P12;P21,P22;P31,P32;P41,P42が形成され、ストリップ導体21の右側に、矩形放射パッチ導体P51,P52;P61,P62;P71,P72;P81,P82が形成されている。従って、当該変形例では、第9の実施形態に比較して、スロット10aの長手方向に素子数を増大させることができ、2×N素子のアレーアンテナ(Nは複数である。)を構成することができる。
【0063】
図23は図15に図示した第9の実施形態の平面アレーアンテナ装置における給電回路の構成を示す回路図であり、図24は図23の分岐点91から分岐点92までのインピーダンス整合を示すスミスチャートであり、図25は図23の分岐点92から分岐点93までのインピーダンス整合を示すスミスチャートである。これら図23乃至図25を参照して、第9の実施形態に係る平面アレーアンテナ装置の給電回路の給電回路の設計方法について以下に説明する。
【0064】
図23の等価回路においては、マイクロストリップ線路、スロット線路共に理想的な伝送線路モデルにより表現している。また、信号源インピーダンス及びマイクロストリップ線路L1の特性インピーダンスはZsとし、スロット線路L2から各矩形放射パッチ導体(放射素子)を見込んだインピーダンスをZpl/2とした。ストリップ導体21のマイクロストリップ線路からスロット線路への並列分岐回路81は、分岐点91で分岐された2つの伝送線路71,72で表されている。スロット線路L2からマイクロストリップ線路L3への分岐は直列分岐回路82となるため、等価回路では入力インピーダンスZplを有する負荷が接続されていると考える。当該直列分岐回路82での分岐点を符号92で表している。ここで、入力インピーダンスZplを有する負荷がλg間隔で接続されているため、分岐点92より右側を見たインピーダンスはZpl/2となる。インピーダンス整合をとるためには、分岐点91において右側を見たインピーダンスが2Zsとなれば良く、これは、それぞれλg/4長で特性インピーダンスZmの伝送線路71,72を備えたインピーダンス変換回路10bにより簡単に実現できる。これらのインピーダンス整合のスミスチャートを図24及び図25に示している。さらに、当該アンテナ装置の構造においては、スロット線路L2の幅を調節することにより、その特性インピーダンスZfを変化させることができ、インピーダンス整合をとることができる。
【0065】
図26は第9の実施形態の変形例である(m×n)素子の平面アレーアンテナ装置における給電回路の構成を示す回路図であり、図27は図26の分岐点92から分岐点91までのインピーダンス整合を示すスミスチャートである。図26及び図27に示すように、(m×n)素子に対しても、上述と同様にインピーダンス整合を行うことができる。
【0066】
<第10の実施形態>
図19は本発明に係る第10の実施形態である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図であり、図20は図19の平面アレーアンテナ装置の一部の詳細構成を示す斜視図であり、図21は図19の平面アレーアンテナ装置の裏面の構成を示す背面図である。第10の実施形態に係る平面アレーアンテナ装置は、第9の実施形態に比較して以下の相違点を有することを特徴としている。
(1)図15の各ストリップ導体22をストリップ導体51とした。
(2)各矩形放射パッチ導体P11,P21,P31,P41の図19の図上上側に、図13の第8の実施形態と同様に、ストリップ導体52及び矩形放射パッチ導体Q11,Q21,Q31,Q41を形成した。
(3)各矩形放射パッチ導体P12,P22,P32,P42の図19の図上下側に、図13の第8の実施形態と同様に、ストリップ導体53及び矩形放射パッチ導体Q12,Q22,Q32,Q42を形成した。
(4)図21に示すように、それぞれストリップ導体41と可変容量ダイオード44とを含む6個の移相器回路を備えた。
【0067】
なお、スロット10aの上側又は下側にある1対の矩形放射パッチ導体P11,Q11;P21,Q21;P31,Q31;P41,Q41;P12,Q12;P22,Q22;P32,Q32;P42,Q42の間の間隔を、ストリップ導体52又は53のマイクロストリップ線路の管内波長に設定している。
【0068】
図21において、互いに隣接するストリップ導体51の間にそれぞれ2個の移相器回路を形成している。ストリップ導体41は、スロット10aと直交しかつストリップ導体51の長手方向と平行となるように形成され、その上側端部には可変容量ダイオード44のアノードが接続され、そのカソードは接地されている。ストリップ導体21の左側の3個の移相器回路において、各可変容量ダイオード44のアノードはともに接続されて、制御電圧Vc1を印加する制御電圧印加端子T21に接続される。また、ストリップ導体21の右側の3個の移相器回路において、各可変容量ダイオード44のアノードはともに接続されて、制御電圧Vc2を印加する制御電圧印加端子T22に接続される。
【0069】
以上のように構成された平面アレーアンテナ装置において、例えば、図20の左端部の矩形放射パッチ導体P11,Q11への給電回路においては、図20に示すように、スロット線路を伝搬する無線信号が直列分岐回路82により分岐されてストリップ導体51のマイクロストリップ線路に分配された後、矩形放射パッチ導体P11を励振するとともに、当該無線信号はストリップ導体52のマイクロストリップ線路を介して矩形放射パッチ導体Q11を励振する。また、他の矩形放射パッチ導体P12,Q12;P21,P22,Q21,Q22;P31,P32,Q31,Q32;P41,P42,Q41,Q42への励振も同様に行われる。また、各制御電圧印加端子T21,T22に対してそれぞれ所定の制御電圧Vc1,Vc2を印加することにより、第8の実施形態と同様にビーム走査可能なアレーアンテナを構成できる。
【0070】
次いで、本実施形態に係る平面アレーアンテナ装置について以下詳細に説明する。本実施形態において、直列給電方式を採用する目的は、図19に示すように、スロット線路と直交するようにλg間隔で配置した、誘電体基板11上のマイクロストリップ線路間に可変容量ダイオード44を用いた移相器回路を配置することにより、ビーム走査を実現するところにある。このような構成とすれば、当該アンテナ装置の中心より外側の矩形放射パッチ導体の素子ほど位相変化量が大きくなるため、移相器回路の構成が簡素になり、低コスト化が期待できる。移相器回路は、矩形放射パッチ導体の形成面とは反対面である誘電体基板12の裏面に配置する構成としている。各移相器回路は、ストリップ導体41のマイクロストリップ線路からなる伝送線路61(長さ:λg1/4+α(ここで、λg1は誘電体基板12を挟設して形成されるマイクロストリップ線路の管内波長である。))と可変容量ダイオード44により構成することができる。これは、図22に示すように、λg1/4の長さを有する伝送線路61の先端にインダクタ63と可変容量ダイオード44の容量が直列に接続されたものと等価である。このような構成とするのは、スロット線路の中間点より左右の方向に給電するため、アンテナ装置の左右の方向で位相変化量の符号を反転させる必要があるためである。ストリップ導体21の左右に位置する各可変容量ダイオード44に対して独立に制御電圧(Vc1,Vc2)を印加することにより容量値を(CVc1,CVc2)とし、ビーム方向の制御を行うことができる。
【0071】
なお、図21に示す移相器回路については、図15乃至図17の第9の実施形態や、図18の第9の実施形態の変形例に対しても適用できる。
【0072】
【実施例】
図28は、第9の実施形態において移相器回路を備えた平面アレーアンテナ装置における給電回路の構成を示す回路図であり、図29は図28の分岐点91から分岐点92までのインピーダンス整合を示すスミスチャートであり、図30は図28の分岐点96から分岐点93までのインピーダンス整合を示すスミスチャートである。以下、図28乃至図30を参照して、当該平面アレーアンテナ装置の給電回路の設計方法について説明する。
【0073】
図28の等価回路において、スロット線路L2から直列分岐回路で分岐する分岐点を符号94,95,96で示している。ここで、移相器回路はスロット線路L2上のインピーダンス点ZphとZph2に配置する構成とした。これらのインピーダンスは、スロット線路L2の特性インピーダンスZfを調節することにより設定でき、各移相器回路による移相量を補正できる。
【0074】
ここで、図28に示すように矩形放射パッチ導体(放射素子)(P31及びP32,P41及びP42など)が接続される部分に矩形放射パッチ導体と同じ入力インピーダンスを有するポートPP1乃至PP5を設定し、各ポートPP1乃至PP5の位相関係を調べた。なお、PP1は給電点でのポートであり、PP2は矩形放射パッチ導体P41,P42との接続点でのポートであり、PP3は矩形放射パッチ導体P31,P32との接続点でのポートであり、以下図28において図示していないが、PP4は矩形放射パッチ導体P21,P22との接続点でのポートであり、PP5は矩形放射パッチ導体P11,P12との接続点でのポートである。ここで、ポートPPの符号の次にくる数字をSパラメータでの表示番号としている。
【0075】
図31は図28の平面アレーアンテナ装置のシミュレーション結果であって、各ポートのSパラメータS21,S31,S41,S51の位相及び給電点の反射係数S11の周波数特性を示すグラフである。すなわち、図31においては、2×4素子のアレーアンテナ装置に対して、左右の可変容量ダイオード44の容量値の組が(CVc1=2.0pF,CVc2=0.13pF)の場合について各ポートPP2、PP3,PP4,PP5におけるSパラメータS21、S31,S41,S51の位相関係を示した。図31から明らかなように、隣接する各ポート間の位相差を60GHzにおいて約50度とすることができ、10度程度のビーム走査を行うことができる。
【0076】
図32乃至図35は、本発明者により設計した第9及び第10の実施形態などの平面アレーアンテナ装置のシミュレーション結果であって、それら各素子パターンにおけるアンテナ利得の周波数特性及び給電点の反射係数S11の周波数特性を示すグラフである。ここで、図32及び図33においては、(2×2)素子のアレーアンテナ、(2×4)素子のアレーアンテナ、(2×8)素子のアレーアンテナについてのシミュレーション結果を示し、図34及び図35においては、(4×4)素子のアレーアンテナ、(4×6)素子のアレーアンテナ及び(2×8)素子のアレーアンテナの特性を示した。
【0077】
図32乃至図35から明らかなように、(4×6)素子のアレーアンテナで最大利得約19dBi、3dB帯域幅5GHz以上が得られた。また、反射係数S11に基づく反射損失も12dB以上得られている。素子数が同じ16である(4×4)素子のアレーアンテナと(2×8)素子のアレーアンテナとを比較すると、アンテナの上下方向に素子を増やした場合、若干帯域が狭くなることがわかる。所要の周波数帯域とアンテナ利得を考慮して、素子構成を決める必要がある。
【0078】
図36は第9の実施形態において移相器回路を備えたときの(2×4)素子の平面アレーアンテナ装置のビーム走査特性を示すグラフである。この図36においては、当該アレーアンテナにおいて、ビーム走査特性(E面とH面)を、ストリップ導体21の左右に位置する可変容量ダイオード44の容量値の組が、(CVc1=0.25pF,CVc2=0.25pF)及び(CVc1=2.0pF,CVc2=0.13pF)の場合について示した。ストリップ導体21の左右に位置する可変容量ダイオード44の容量値が同じ0.25pFの時、ビームの方向は正面を向き、容量値が(CVc1=2.0pF,CVc2=0.13pF)の時に約10度のビームの方向が変わり、図31に示した位相関係と整合する。当該アンテナ装置は左右対称であるので、容量値が(CVc1=0.13pF、CVc2=2.0pF)の時は、ビームを逆方向に向けることができる。
【0079】
図37は第10の実施形態の変形例である(4×6)素子の平面アレーアンテナ装置のビーム走査特性を示すグラフである。図37から明らかなように、ビーム走査時においても18dBi以上の利得を確保できることが分かる。
【0080】
以上説明したように、本実施形態において、低コスト・小型ビーム走査アンテナの実現に向けた60GHz帯平面パッチアレーアンテナの構成法を提案しており、シミュレーションの結果、24素子のアレーアンテナで帯域幅59〜62GHzにおいて、アンテナ利得として約18dB以上が得られることがわかった。
また、可変容量ダイオード44を用いた移相器回路を配置することにより、約±10度のビーム走査が可能であることを示した。
【0081】
以上の実施形態において、スロット線路に対して各マイクロストリップ線路は直交しているが、本発明はこれに限らず、互いに実質的に直交するように構成してもよい。
【0082】
以上の実施形態において、矩形放射パッチ導体を用いているが、その形状は円形や楕円形であってもよい。
【0083】
以上の実施形態においては、可変容量ダイオード32,44を用いているが、本発明はこれに限らず、これに代えて、可変リアクタンス素子であってもよい。
【0084】
【発明の効果】
以上詳述したように、第1の発明に係る平面アレーアンテナ装置によれば、誘電体基板に形成された給電用マイクロストリップ線路と、上記誘電体基板の裏面において、上記給電用マイクロストリップ線路と実質的に直交するように形成されたスロット線路と、上記誘電体基板において、上記スロット線路と、各第1の励振用マイクロストリップ線路の中間点で直交するように、互いに所定の同一の間隔で形成された同一の長さの複数本の第1の励振用マイクロストリップ線路と、上記誘電体基板のおもて面において、上記各第1の励振用マイクロストリップ線路の両端部にそれぞれ接続するように形成された複数対の第1と第2の放射パッチ導体とを備えて構成する。従って、扇状ビームなどの所定のビーム形状を形成可能な平面アレーアンテナ装置を提供できる。
【0085】
ここで、上記スロット線路は、上記給電用マイクロストリップ線路と上記スロット線路との接続部分のインピーダンス整合を行うためのインピーダンス変換回路を含む。これにより、上記給電用マイクロストリップ線路と上記スロット線路との接続部分のインピーダンス整合を確実に行うことができる。
【0086】
上記平面アレーアンテナ装置において、上記誘電体基板において、上記各第1の放射パッチ導体に接続され、上記各第1の放射パッチ導体から、上記各対応する第2の放射パッチ導体とは逆の方向に延在するように、互いに所定の同一の間隔で同一の長さで形成された複数本の第2の励振用マイクロストリップ線路と、上記誘電体基板のおもて面において、上記各第2の励振用マイクロストリップ線路にそれぞれ接続するように形成された複数の第3の放射パッチ導体と、上記誘電体基板において、上記各第2の放射パッチ導体に接続され、上記各第2の放射パッチ導体から、上記各対応する第1の放射パッチ導体とは逆の方向に延在するように、互いに所定の同一の間隔で同一の長さで形成された複数本の第3の励振用マイクロストリップ線路と、上記誘電体基板のおもて面において、上記各第3の励振用マイクロストリップ線路にそれぞれ接続するように形成された複数の第4の放射パッチ導体とをさらに備える。従って、扇状ビームなどの所定のビーム形状を形成可能な平面アレーアンテナ装置を提供でき、しかも放射パッチ導体を励振用マイクロストリップ線路の長手方向に増大させることができる。
【0087】
また、上記平面アレーアンテナ装置において、給電用マイクロストリップ線路が形成された部分を除き、互いに隣接する第1の励振用マイクロストリップ線路の間に、上記誘電体基板において、上記スロット線路と、各第4の励振用マイクロストリップ線路の中間点で直交するように、上記各第1の励振用マイクロストリップ線路の線路長と比較して1波長だけ長い同一の長さの複数本の第4の励振用マイクロストリップ線路と、上記誘電体基板のおもて面において、上記各第4の励振用マイクロストリップ線路の両端部にそれぞれ接続するように形成された複数対の第5と第6の放射パッチ導体とをさらに備える。従って、扇状ビームなどの所定のビーム形状を形成可能な平面アレーアンテナ装置を提供でき、しかも放射パッチ導体を同一のスペースで増大させることができる。
【0088】
さらに、上記平面アレーアンテナ装置において、上記誘電体基板のおもて面において、互いに隣接する上記第1の励振用マイクロストリップ線路の間に形成され、上記スロット線路を伝搬する無線信号を所定の移相量で移相する移相器回路をさらに備え、上記移相量を制御することにより、上記平面アレーアンテナ装置のビームを走査する。従って、さらに、ビーム方向を変更可能な平面アレーアンテナ装置を提供できる。
【0089】
また、第2の発明に係る平面アレーアンテナ装置によれば、第1の誘電体基板上に、第2の誘電体基板を形成し、上記第2の誘電体基板上に第3の誘電体基板を形成してなる3層構造の基板と、第1の誘電体基板の裏面に形成された給電用マイクロストリップ線路と、上記第1の誘電体基板と上記第2の誘電体基板との間の面において、上記給電用マイクロストリップ線路と実質的に直交するように形成されたスロット線路と、上記第2の誘電体基板と上記第3の誘電体基板との間の面において、上記スロット線路と、各第1の励振用マイクロストリップ線路の中間点で直交するように、互いに所定の同一の間隔で形成された同一の長さの複数本の第1の励振用マイクロストリップ線路と、上記第3の誘電体基板のおもて面において、上記各第1の励振用マイクロストリップ線路の両端部に位置し、それぞれ上記各第1の励振用マイクロストリップ線路と電磁的に結合するように形成された複数対の第1と第2の放射パッチ導体とを備えて構成する。従って、扇状ビームなどの所定のビーム形状を形成可能な平面アレーアンテナ装置を提供できる。
【0090】
ここで、上記スロット線路は、上記給電用マイクロストリップ線路と上記スロット線路との接続部分のインピーダンス整合を行うためのインピーダンス変換回路を含む。これにより、上記給電用マイクロストリップ線路と上記スロット線路との接続部分のインピーダンス整合を確実に行うことができる。
【0091】
また、上記平面アレーアンテナ装置において、上記第1の誘電体基板の裏面において、互いに隣接する上記第1の励振用マイクロストリップ線路の間に形成され、上記スロット線路を伝搬する無線信号を所定の移相量で移相する移相器回路をさらに備え、上記移相量を制御することにより、上記平面アレーアンテナ装置のビームを走査する。従って、さらに、ビーム方向を変更可能な平面アレーアンテナ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図2】図1のA−A’線についての断面図である。
【図3】図1のB−B’線についての断面図である。
【図4】本発明に係る第2の実施形態である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図5】本発明に係る第3の実施形態である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図6】本発明に係る第4の実施形態である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図7】本発明に係る第4の実施形態の変形例である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図8】本発明に係る第5の実施形態である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図9】本発明に係る第6の実施形態である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図10】図9の平面アレーアンテナ装置の裏面の構成を示す背面図である。
【図11】本発明に係る第7の実施形態である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図12】図11の平面アレーアンテナ装置の裏面の構成を示す背面図である。
【図13】本発明に係る第8の実施形態である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図14】図13の平面アレーアンテナ装置の裏面の構成を示す背面図である。
【図15】本発明に係る第9の実施形態である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図16】図15のC−C’線についての断面図である。
【図17】図15のD−D’線についての断面図である。
【図18】本発明に係る第9の実施形態の変形例である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図19】本発明に係る第10の実施形態である平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図である。
【図20】図19の平面アレーアンテナ装置の一部の詳細構成を示す斜視図である。
【図21】図19の平面アレーアンテナ装置の裏面の構成を示す背面図である。
【図22】図21に図示した可変容量ダイオードを用いた移相器の構成を示す等価回路の回路図である。
【図23】図15に図示した第9の実施形態の平面アレーアンテナ装置における給電回路の構成を示す回路図である。
【図24】図23の分岐点91から分岐点92までのインピーダンス整合を示すスミスチャートである。
【図25】図23の分岐点92から分岐点93までのインピーダンス整合を示すスミスチャートである。
【図26】第9の実施形態の変形例である(m×n)素子の平面アレーアンテナ装置における給電回路の構成を示す回路図である。
【図27】図26の分岐点92から分岐点91までのインピーダンス整合を示すスミスチャートである。
【図28】第9の実施形態において移相器回路を備えた平面アレーアンテナ装置における給電回路の構成を示す回路図である。
【図29】図28の分岐点91から分岐点92までのインピーダンス整合を示すスミスチャートである。
【図30】図28の分岐点96から分岐点93までのインピーダンス整合を示すスミスチャートである。
【図31】図28の平面アレーアンテナ装置のシミュレーション結果であって、各ポートのSパラメータS21,S31,S41,S51の位相及び給電点の反射係数S11の周波数特性を示すグラフである。
【図32】第9及び第10の実施形態などの平面アレーアンテナ装置のシミュレーション結果であって、それら各素子パターンにおけるアンテナ利得の周波数特性を示すグラフである。
【図33】第9及び第10の実施形態などの平面アレーアンテナ装置のシミュレーション結果であって、それら各素子パターンにおける給電点の反射係数S11の周波数特性を示すグラフである。
【図34】第9及び第10の実施形態などの平面アレーアンテナ装置のシミュレーション結果であって、それら各素子パターンにおけるアンテナ利得の周波数特性を示すグラフである。
【図35】第9及び第10の実施形態などの平面アレーアンテナ装置のシミュレーション結果であって、それら各素子パターンにおける給電点の反射係数S11の周波数特性を示すグラフである。
【図36】第9の実施形態において移相器回路を備えたときの(2×4)素子の平面アレーアンテナ装置のビーム走査特性を示すグラフである。
【図37】第10の実施形態の変形例である(4×6)素子の平面アレーアンテナ装置のビーム走査特性を示すグラフである。
【図38】従来例の平面アレーアンテナ装置の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
10…接地導体、
10a…スロット、
10b…インピーダンス変換回路、
11,12,13…誘電体基板、
21,22,23,24,25,28…ストリップ導体、
26,27…移相器、
29…可変リアクタンス回路、
30…接続ワイヤ、
31…MIMキャパシタ、
32…可変容量ダイオード、
41,42…ストリップ導体、
43…短絡用扇形導体、
44…可変容量ダイオード、
45…スルーホール導体、
46…抵抗、
51,52,53…ストリップ導体、
61,62…伝送線路、
63…インダクタ、
71,72…伝送線路、
81…並列分岐回路、
82,83…直列分岐回路、
91,92,93,94,95,96…分岐点、
L2…スロット線路、
L1,L3…マイクロストリップ線路、
P11,P12,P21,P22,P31,P32,P41,P42、P51,P52,P61,P62、P71,P72,P81,P82,Q11,Q12,Q21,Q22,Q31,Q32,Q41,Q42、Q51,Q52,Q61,Q62,R11,R12,R21,R22,R31,R32,R41,R42…矩形放射パッチ導体、
PP1乃至PP5…ポート、
T1乃至T8,T10,T11乃至T20…制御電圧印加端子。

Claims (14)

  1. 誘電体基板に形成された給電用マイクロストリップ線路と、上記誘電体基板の裏面において、上記給電用マイクロストリップ線路と実質的に直交するように形成されたスロット線路と、
    上記誘電体基板において、上記スロット線路と、各第1の励振用マイクロストリップ線路の中間点で直交するように、互いに所定の同一の間隔で形成された同一の長さの複数本の第1の励振用マイクロストリップ線路と、
    上記誘電体基板のおもて面において、上記各第1の励振用マイクロストリップ線路の両端部にそれぞれ接続するように形成された複数対の第1と第2の放射パッチ導体とを備えたことを特徴とする平面アレーアンテナ装置。
  2. 上記スロット線路は、上記給電用マイクロストリップ線路と上記スロット線路との接続部分のインピーダンス整合を行うためのインピーダンス変換回路を含むことを特徴とする請求項1記載の平面アレーアンテナ装置。
  3. 上記誘電体基板において、上記各第1の放射パッチ導体に接続され、上記各第1の放射パッチ導体から、上記各対応する第2の放射パッチ導体とは逆の方向に延在するように、互いに所定の同一の間隔で同一の長さで形成された複数本の第2の励振用マイクロストリップ線路と、
    上記誘電体基板のおもて面において、上記各第2の励振用マイクロストリップ線路にそれぞれ接続するように形成された複数の第3の放射パッチ導体と、
    上記誘電体基板において、上記各第2の放射パッチ導体に接続され、上記各第2の放射パッチ導体から、上記各対応する第1の放射パッチ導体とは逆の方向に延在するように、互いに所定の同一の間隔で同一の長さで形成された複数本の第3の励振用マイクロストリップ線路と、
    上記誘電体基板のおもて面において、上記各第3の励振用マイクロストリップ線路にそれぞれ接続するように形成された複数の第4の放射パッチ導体とをさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の平面アレーアンテナ装置。
  4. 給電用マイクロストリップ線路が形成された部分を除き、互いに隣接する第1の励振用マイクロストリップ線路の間に、上記誘電体基板において、上記スロット線路と、各第4の励振用マイクロストリップ線路の中間点で直交するように、上記各第1の励振用マイクロストリップ線路の線路長と比較して1波長だけ長い同一の長さの複数本の第4の励振用マイクロストリップ線路と、
    上記誘電体基板のおもて面において、上記各第4の励振用マイクロストリップ線路の両端部にそれぞれ接続するように形成された複数対の第5と第6の放射パッチ導体とをさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の平面アレーアンテナ装置。
  5. 上記誘電体基板のおもて面において、互いに隣接する上記第1の励振用マイクロストリップ線路の間に形成され、上記スロット線路を伝搬する無線信号を所定の移相量で移相する移相器回路をさらに備え、上記移相量を制御することにより、上記平面アレーアンテナ装置のビームを走査することを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか1つに記載の平面アレーアンテナ装置。
  6. 上記移相器回路は、
    上記スロット線路と直交するように形成された連結用マイクロストリップ線路と、
    上記連結用マイクロストリップ線路に接続された可変リアクタンス回路とを備えたことを特徴とする請求項5記載の平面アレーアンテナ装置。
  7. 上記スロット線路の両端をそれぞれ短絡状態で終端する終端回路と、
    上記誘電体基板の裏面のスロット線路において、互いに隣接する上記第1の励振用マイクロストリップ線路と上記第4の励振用マイクロストリップ線路との間に、上記スロット線路を伝搬する無線信号を所定の移相量で移相する可変リアクタンス素子とをさらに備え、上記移相量を制御することにより、上記平面アレーアンテナ装置のビームを走査することを特徴とする請求項4記載の平面アレーアンテナ装置。
  8. 上記誘電体基板の裏面に配置された別の誘電体基板と、
    上記別の誘電体基板の裏面において、互いに隣接する上記第1の励振用マイクロストリップ線路の間に形成され、上記スロット線路を伝搬する無線信号を所定の移相量で移相する移相器回路をさらに備え、上記移相量を制御することにより、上記平面アレーアンテナ装置のビームを走査することを特徴とする請求項1又は2記載の平面アレーアンテナ装置。
  9. 上記移相器回路は、
    上記スロット線路と直交するように形成された連結用マイクロストリップ線路と、
    上記連結用マイクロストリップ線路に接続された可変リアクタンス素子とを備えたことを特徴とする請求項8記載の平面アレーアンテナ装置。
  10. 第1の誘電体基板上に、第2の誘電体基板を形成し、上記第2の誘電体基板上に第3の誘電体基板を形成してなる3層構造の基板と、
    第1の誘電体基板の裏面に形成された給電用マイクロストリップ線路と、
    上記第1の誘電体基板と上記第2の誘電体基板との間の面において、上記給電用マイクロストリップ線路と実質的に直交するように形成されたスロット線路と、
    上記第2の誘電体基板と上記第3の誘電体基板との間の面において、上記スロット線路と、各第1の励振用マイクロストリップ線路の中間点で直交するように、互いに所定の同一の間隔で形成された同一の長さの複数本の第1の励振用マイクロストリップ線路と、
    上記第3の誘電体基板のおもて面において、上記各第1の励振用マイクロストリップ線路の両端部に位置し、それぞれ上記各第1の励振用マイクロストリップ線路と電磁的に結合するように形成された複数対の第1と第2の放射パッチ導体とを備えたことを特徴とする平面アレーアンテナ装置。
  11. 上記スロット線路は、上記給電用マイクロストリップ線路と上記スロット線路との接続部分のインピーダンス整合を行うためのインピーダンス変換回路を含むことを特徴とする請求項10記載の平面アレーアンテナ装置。
  12. 上記第2の誘電体基板と上記第3の誘電体基板との間の面において、上記各第1の放射パッチ導体に電磁的に結合され、上記各第1の放射パッチ導体から、上記各対応する第2の放射パッチ導体とは逆の方向に延在するように、互いに所定の同一の間隔で同一の長さで形成された複数本の第2の励振用マイクロストリップ線路と、
    上記第3の誘電体基板のおもて面において、上記各第2の励振用マイクロストリップ線路にそれぞれ電磁的に結合するように形成された複数の第3の放射パッチ導体と、
    上記第2の誘電体基板と上記第3の誘電体基板との間の面において、上記各第2の放射パッチ導体に電磁的に結合され、上記各第2の放射パッチ導体から、上記各対応する第1の放射パッチ導体とは逆の方向に延在するように、互いに所定の同一の間隔で同一の長さで形成された複数本の第3の励振用マイクロストリップ線路と、
    上記第3の誘電体基板のおもて面において、上記各第3の励振用マイクロストリップ線路にそれぞれ電磁的に結合するように形成された複数の第4の放射パッチ導体とをさらに備えたことを特徴とする請求項10又は11記載の平面アレーアンテナ装置。
  13. 上記第1の誘電体基板の裏面において、互いに隣接する上記第1の励振用マイクロストリップ線路の間に形成され、上記スロット線路を伝搬する無線信号を所定の移相量で移相する移相器回路をさらに備え、上記移相量を制御することにより、上記平面アレーアンテナ装置のビームを走査することを特徴とする請求項10乃至12のうちのいずれか1つに記載の平面アレーアンテナ装置。
  14. 上記移相器回路は、
    上記スロット線路と直交するように形成された連結用マイクロストリップ線路と、
    上記連結用マイクロストリップ線路に接続された可変リアクタンス素子とを備えたことを特徴とする請求項13記載の平面アレーアンテナ装置。
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