JP2004221007A - コネクタの酸化皮膜を破壊する回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】無駄な電力を消費することなく、且つ、電子機器等の通常動作を妨げることなく、コネクタピンの酸化皮膜を破壊して接触不良を防ぐための回路を提供する。
【解決手段】コネクタ3は、電源1と主回路2とを電気的に接続する。主回路2を起動するために電源1が投入されると、コンデンサC1の充電が開始され、電圧V(−)が接地レベルから徐々に上昇していく。電圧V(−)が電圧V(+)よりも低い期間は、トランジスタQ1がオン状態になり、コネクタ3、抵抗R6、トランジスタQ1を介して電流が流れる。主回路2の起動時から所定時間経過後に電圧V(−)が電圧V(+)を越えると、トランジスタQ1がオフ状態になり、上記電流は停止する。
【選択図】 図2
【解決手段】コネクタ3は、電源1と主回路2とを電気的に接続する。主回路2を起動するために電源1が投入されると、コンデンサC1の充電が開始され、電圧V(−)が接地レベルから徐々に上昇していく。電圧V(−)が電圧V(+)よりも低い期間は、トランジスタQ1がオン状態になり、コネクタ3、抵抗R6、トランジスタQ1を介して電流が流れる。主回路2の起動時から所定時間経過後に電圧V(−)が電圧V(+)を越えると、トランジスタQ1がオフ状態になり、上記電流は停止する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コネクタの接触不良を防止するための回路に係わり、特に、コネクタピンの酸化皮膜を破壊することにより接触不良を防止する回路に係わる。
【0002】
【従来の技術】
多くの電子機器等は、通常、その電子機器を構成する回路と電源(あるいは、その電子機器を構成する回路部分どうし)を電気的に接続するためのコネクタを備えている。
【0003】
ところが、コネクタを互いに嵌合または結合させない状態で大気中の放置しておくと、コネクタピンのメッキの状態によっては、その表面に酸化皮膜が形成されてしまうことがある。そして、コネクタピンに酸化皮膜が形成されると、コネクタを互いに嵌合させても接触不良により電気的接続が得られないことになる。そこで、従来より、酸化皮膜による接触不良を回避するために、下記の方策が考えられている。
1.酸化しにくい材料(例えば、金)でコネクタピンをメッキする
2.コネクタを互いに嵌合させたときにコネクタピン同士が擦れて相互に相手側の表面を傷つけることで酸化被膜を破壊するような形状/構造にコネクタを形成する(例えば、引用文献1参照。)。
3.コネクタを互いに嵌合させた後に、接点の酸化皮膜を破壊するための電流を流すことによって接触不良を解消する(例えば、引用文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−50941号公報(図1〜図3、段落0018〜0024)
【0005】
【特許文献2】
特開平8−35860号公報(図1、段落0040〜0046)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、一般に、金等の酸化しにくい材料は高価なので、そのような材料を使用したコネクタでは、コストの面でデメリットが大きい。また、嵌合時にコネクタの表面を傷つけることで酸化被膜を破壊する構造のコネクタは、脱着を繰り返す用途には適していないと考えられる。
【0007】
そこで、電流を流すことで酸化皮膜を破壊する回路が実用化されているが、酸化被膜を破壊するためには比較的大きな電流を流す必要があるので、このような回路を設けると、消費電流の増大を招いてしまう。また、上述の特許文献2に記載の装置では、マイコンを用いて所定のタイミングで電流を流すようにしているが、この構成では、そのような電流を流すための動作モードが通常の動作モードとは別個に実行されるので、電子機器自体の動作が妨げられることになってしまう。
【0008】
本発明の課題は、無駄な電力を消費することなく、且つ、電子機器等の通常動作を妨げることなく、コネクタピンの酸化皮膜を破壊して接触不良を防ぐための回路を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のコネクタ酸化皮膜破壊回路は、電源と主回路とを電気的に接続するコネクタの酸化皮膜を破壊する回路であって、オン状態に制御されたときに上記電源に起因する電流を上記コネクタに流すスイッチ回路、上記主回路の起動時に上記スイッチ回路を所定時間だけオン状態に制御する駆動回路を有する。
【0010】
この構成によれば、主回路の起動時から所定時間だけコネクタを介して強制的に電流が流れる。これにより、コネクタの接点部の酸化皮膜が破壊され、良好な接触が得られる。また、酸化皮膜を破壊するための電流は、主回路の起動時にのみ流れるので、無駄な消費電流が抑えられる。さらに、酸化皮膜を破壊するための動作は、主回路の起動時にのみ行われるので、そのことにより主回路の動作が影響を受けることはない。ここで、所定時間とは、コネクタの接点部の酸化被膜が破壊されるのに十分な時間である。また、この所定時間が短いほど無駄な消費電流をさらに抑えることができる。
【0011】
なお、上記駆動回路は、上記主回路の起動に際して電流の生成を開始する電流源、上記電流源が生成する電流により充電されるコンデンサ、上記コンデンサの両端電圧が所定値を越えたときに上記スイッチ回路をオン状態に駆動する手段、を有するように構成されてもよい。この構成によれば、コネクタを介して強制的に電流を流す時間(所定時間)を容易に所望の値に設定できる。
【0012】
本発明の他の態様のコネクタ酸化皮膜破壊回路は、第1の回路と第2の回路とを電気的に接続するコネクタの酸化皮膜を破壊する回路であって、オン状態に制御されたときに上記コネクタを介して電流を流すように動作するスイッチ回路、上記第1の回路および第2の回路の起動時に上記スイッチ回路を所定時間だけオン状態に制御する駆動回路を有する。この態様の作用および効果は、基本的に上述のコネクタ酸化皮膜破壊回路と同じである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態のコネクタ酸化皮膜破壊回路の基本構成を示す図である。なお、実施形態のコネクタ酸化皮膜破壊回路は、電源1と主回路2とを電気的に接続するコネクタ3を介して電流を流すことによりそのコネクタ3の接点部(コネクタピン)に形成されている酸化皮膜を破壊するための回路である。
【0014】
電源1は、例えばバッテリであり、所定の直流電圧を生成する。主回路2は、特に限定されるものではないが、電子機器等の主要部であり、電源1から供給される電力により動作する。コネクタ3は、脱着可能な1組のコネクタセットであり、嵌合されたときに1組のコネクタピンが互いに接触するように形成されている。そして、電源1および主回路2は、コネクタ3を嵌合することにより電気的に接続されるように設けられている。ここで、「電気的に接続」とは、電源1と主回路2とを直接的に接続する形態だけでなく、抵抗等を介してそれらを接続する形態も含むものとする。
【0015】
スイッチ回路11は、例えば、トランジスタ等の半導体素子を含み、駆動回路12により駆動される。そして、スイッチ回路11は、オン状態に制御されたときに電源1に起因する電圧がコネクタ3に印加されるように設けられている。すなわち、図1においては、スイッチ回路11がオン状態に制御されると、電源1がコネクタ3およびそのスイッチ回路11を介して接地され、その電源1により生成される直流電圧がコネクタ3に印加されることになる。
【0016】
駆動回路12は、主回路2の起動時にスイッチ回路11を所定時間だけオン状態に制御する。これにより、スイッチ回路11は、主回路2が起動されたときから所定時間だけオン状態に制御されることになる。
上記回路において、もし、コネクタ3の接点部に酸化皮膜が形成されていたとすると、主回路2は電源1から電力を受けることができない。ところが、実施形態のコネクタ酸化皮膜破壊回路は、スイッチ回路11および駆動回路12を備え、そのスイッチ回路11を主回路2の起動開始時から所定時間だけオン状態に制御する。そして、これにより、主回路2の起動開始時から所定時間だけコネクタ3を介して強制的に大きな電流が流れることになり、その電流によりコネクタ3の接点部の酸化皮膜が破壊され、以降、コネクタ3において良好な接触が得られるようになる。すなわち、コネクタ3の接点部に酸化皮膜が形成されていたとしても、主回路2の起動時にその酸化皮膜が破壊されるので、主回路2はその起動時から適切に電力の供給を受けることができる。
【0017】
また、このコネクタ酸化皮膜破壊回路においては、主回路2の起動開始時から所定時間だけ強制的に大きな電流を流す構成なので、主回路2が通常動作を行っている期間に無駄な電流を消費することはない。
なお、図1においては、電源1と主回路2とを電気的に接続するコネクタ3の接点部の酸化皮膜を破壊することを前提としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意の2つの回路(第1の回路および第2の回路)を電気的に接続するコネクタの接点部の酸化皮膜を破壊することもできる。
【0018】
図2は、コネクタ酸化皮膜破壊回路の一例の回路図である。なお、スイッチ回路11は、トランジスタQ1、抵抗R6により実現されており、駆動回路12は、コンデンサC1、コンパレータ21、抵抗R1〜R5により実現されている。また、補助電源31は、例えばDC/DCコンバータであり、電源1により生成される電圧を所定の直流電圧に変換して駆動回路12に供給する。ここで、電源1と補助電源31との間は、コネクタ3を介することなく接続されている。したがって、主回路2の起動時に電源1が投入されると、補助電源31は、駆動回路12への電力の供給を開始する。
【0019】
コンパレータ21の非反転入力端子には、電圧V(+)が与えられる。ここで、電圧V(+)は、補助電圧31の出力電圧を抵抗R2およびR3で分圧することにより得られる一定の電圧(所定値)である。一方、コンパレータ21の反転入力端子には、コンデンサC1の両端電圧である電圧V(−)が与えられる。ここで、このコンデンサC1は、補助電源31から抵抗R1を介して流れる電流により充電される。すなわち、電圧V(−)は、主回路2を起動するために電源1が投入されると、接地レベルから徐々に上昇してゆき、所定時間経過後に電圧V(+)を越えることになる。なお、この例では、抵抗R1(または、補助電源31および抵抗R1)がコンデンサC1を充電するための電流源として作用している。
【0020】
コンパレータ21の出力は、トランジスタのオープンコレクタとなっており、電圧(+)と電圧(−)とを比較し、電圧(+)よりも電圧(−)の方が低ければコンパレータ21の出力トランジスタはオープンとなり、電圧(+)よりも電圧(−)の方が高くなるとコンパレータ21の出力トランジスタはクローズとなり出力は接地レベルとなる。従って、コンパレータ21の出力トランジスタは、主回路2を起動するために電源1が投入されたときから所定時間が経過するまではオープンとなり、その後クローズとなり接地レベルとなる。ここで、この「所定時間」は、補助電圧31の出力電圧、電圧V(+)を設定する抵抗R2およびR3による分圧比、抵抗1の抵抗値、およびコンデンサC1の容量により決定される。すなわち、「所定時間」として所望の値を設定することができる。
【0021】
トランジスタQ1は、コンパレータ21の出力がオープンとなると、Hレベル信号が与えられてオン状態になり、コンパレータ21の出力が接地レベルとなると、Lレベル信号が与えられてオフ状態になる。したがって、トランジスタQ1は、主回路2を起動するために電源1が投入されたときから所定時間が経過するまではオン状態に制御され、以降は、オフ状態に制御されることになる。ここで、トランジスタQ1がオン状態になると、コネクタ3は実質的に抵抗R6を介してGNDに接続された状態になり、電源1の出力電圧がそのままコネクタ3の両端に印加されることになる。そして、このとき、抵抗R6の抵抗値が小さいものとすると、電源1からコネクタ3、抵抗R6及びトランジスタQ1を介して大きな電流が流れ、その電流によりコネクタ3の接点部の酸化皮膜が破壊されることになる。
【0022】
なお、抵抗R6の抵抗値は、コネクタ3の接点部の酸化皮膜が破壊されるのに十分な電流を生成するような値に設定される。
このように、実施形態のコネクタ酸化皮膜破壊回路は、主回路2の起動時にコネクタ3を介して一時的に大きな電流を流すことにより、その接点部の酸化皮膜を破壊する。よって、主回路2は、電源1から確実に電力を受け取ることができる。また、主回路2の起動時から所定時間が経過した後は、スイッチ回路11がオフ状態に切り替わり、そのスイッチ回路11を介して流れる電流が停止されるので、無駄な消費電流が発生しない。このため、特に、電源1がバッテリ等である場合は、主回路2の動作可能時間が短くなることを回避できる。さらに、実施形態のコネクタ酸化皮膜破壊回路による酸化皮膜破壊動作は、主回路2の起動時にのみ電源1の投入に伴って実行されるだけであり、主回路2の動作には何ら影響を及ぼすものではない。即ち、主回路2の起動時に酸化皮膜破壊動作がいったん行われた後は、主回路2の動作が中断させられることはない。
【0023】
図3は、駆動回路12の変形例を示す図である。図3に示す駆動回路12は、図2に示したコンパレータ21および抵抗R2〜R5の代わりに、トランジスタQ2および抵抗R7を備えている。なお、図3に示す駆動回路の動作は、基本的には、図2を参照しながら説明した動作を同じである。すなわち、抵抗R1を介して流れる電流によりコンデンサC1が充電され、その両端電圧が徐々に上昇していく。そして、コンデンサC1の両端電圧がトランジスタQ2の閾値を越えると、トランジスタQ2がオフ状態からオン状態に切り替わり、それによってトランジスタQ1がオン状態からオフ状態に切り替わる。すなわち、この構成によっても、主回路2を起動するために電源1が投入されたときから所定時間だけ、トランジスタQ1をオン状態に制御することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、コネクタの接点部の酸化皮膜を確実に破壊できる。また、酸化皮膜を破壊するための電流は、主回路の起動時にのみ流れるので、無駄な消費電流を抑えることができる。さらに、酸化皮膜を破壊するための動作は、主回路の起動時にのみ行われるので、そのことにより主回路の動作が影響を受けることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のコネクタ酸化皮膜破壊回路の基本構成を示す図である。
【図2】コネクタ酸化皮膜破壊回路の一例の回路図である。
【図3】駆動回路の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 電源
2 主回路
3 コネクタ
11 スイッチ回路
12 駆動回路
21 コンパレータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、コネクタの接触不良を防止するための回路に係わり、特に、コネクタピンの酸化皮膜を破壊することにより接触不良を防止する回路に係わる。
【0002】
【従来の技術】
多くの電子機器等は、通常、その電子機器を構成する回路と電源(あるいは、その電子機器を構成する回路部分どうし)を電気的に接続するためのコネクタを備えている。
【0003】
ところが、コネクタを互いに嵌合または結合させない状態で大気中の放置しておくと、コネクタピンのメッキの状態によっては、その表面に酸化皮膜が形成されてしまうことがある。そして、コネクタピンに酸化皮膜が形成されると、コネクタを互いに嵌合させても接触不良により電気的接続が得られないことになる。そこで、従来より、酸化皮膜による接触不良を回避するために、下記の方策が考えられている。
1.酸化しにくい材料(例えば、金)でコネクタピンをメッキする
2.コネクタを互いに嵌合させたときにコネクタピン同士が擦れて相互に相手側の表面を傷つけることで酸化被膜を破壊するような形状/構造にコネクタを形成する(例えば、引用文献1参照。)。
3.コネクタを互いに嵌合させた後に、接点の酸化皮膜を破壊するための電流を流すことによって接触不良を解消する(例えば、引用文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−50941号公報(図1〜図3、段落0018〜0024)
【0005】
【特許文献2】
特開平8−35860号公報(図1、段落0040〜0046)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、一般に、金等の酸化しにくい材料は高価なので、そのような材料を使用したコネクタでは、コストの面でデメリットが大きい。また、嵌合時にコネクタの表面を傷つけることで酸化被膜を破壊する構造のコネクタは、脱着を繰り返す用途には適していないと考えられる。
【0007】
そこで、電流を流すことで酸化皮膜を破壊する回路が実用化されているが、酸化被膜を破壊するためには比較的大きな電流を流す必要があるので、このような回路を設けると、消費電流の増大を招いてしまう。また、上述の特許文献2に記載の装置では、マイコンを用いて所定のタイミングで電流を流すようにしているが、この構成では、そのような電流を流すための動作モードが通常の動作モードとは別個に実行されるので、電子機器自体の動作が妨げられることになってしまう。
【0008】
本発明の課題は、無駄な電力を消費することなく、且つ、電子機器等の通常動作を妨げることなく、コネクタピンの酸化皮膜を破壊して接触不良を防ぐための回路を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のコネクタ酸化皮膜破壊回路は、電源と主回路とを電気的に接続するコネクタの酸化皮膜を破壊する回路であって、オン状態に制御されたときに上記電源に起因する電流を上記コネクタに流すスイッチ回路、上記主回路の起動時に上記スイッチ回路を所定時間だけオン状態に制御する駆動回路を有する。
【0010】
この構成によれば、主回路の起動時から所定時間だけコネクタを介して強制的に電流が流れる。これにより、コネクタの接点部の酸化皮膜が破壊され、良好な接触が得られる。また、酸化皮膜を破壊するための電流は、主回路の起動時にのみ流れるので、無駄な消費電流が抑えられる。さらに、酸化皮膜を破壊するための動作は、主回路の起動時にのみ行われるので、そのことにより主回路の動作が影響を受けることはない。ここで、所定時間とは、コネクタの接点部の酸化被膜が破壊されるのに十分な時間である。また、この所定時間が短いほど無駄な消費電流をさらに抑えることができる。
【0011】
なお、上記駆動回路は、上記主回路の起動に際して電流の生成を開始する電流源、上記電流源が生成する電流により充電されるコンデンサ、上記コンデンサの両端電圧が所定値を越えたときに上記スイッチ回路をオン状態に駆動する手段、を有するように構成されてもよい。この構成によれば、コネクタを介して強制的に電流を流す時間(所定時間)を容易に所望の値に設定できる。
【0012】
本発明の他の態様のコネクタ酸化皮膜破壊回路は、第1の回路と第2の回路とを電気的に接続するコネクタの酸化皮膜を破壊する回路であって、オン状態に制御されたときに上記コネクタを介して電流を流すように動作するスイッチ回路、上記第1の回路および第2の回路の起動時に上記スイッチ回路を所定時間だけオン状態に制御する駆動回路を有する。この態様の作用および効果は、基本的に上述のコネクタ酸化皮膜破壊回路と同じである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態のコネクタ酸化皮膜破壊回路の基本構成を示す図である。なお、実施形態のコネクタ酸化皮膜破壊回路は、電源1と主回路2とを電気的に接続するコネクタ3を介して電流を流すことによりそのコネクタ3の接点部(コネクタピン)に形成されている酸化皮膜を破壊するための回路である。
【0014】
電源1は、例えばバッテリであり、所定の直流電圧を生成する。主回路2は、特に限定されるものではないが、電子機器等の主要部であり、電源1から供給される電力により動作する。コネクタ3は、脱着可能な1組のコネクタセットであり、嵌合されたときに1組のコネクタピンが互いに接触するように形成されている。そして、電源1および主回路2は、コネクタ3を嵌合することにより電気的に接続されるように設けられている。ここで、「電気的に接続」とは、電源1と主回路2とを直接的に接続する形態だけでなく、抵抗等を介してそれらを接続する形態も含むものとする。
【0015】
スイッチ回路11は、例えば、トランジスタ等の半導体素子を含み、駆動回路12により駆動される。そして、スイッチ回路11は、オン状態に制御されたときに電源1に起因する電圧がコネクタ3に印加されるように設けられている。すなわち、図1においては、スイッチ回路11がオン状態に制御されると、電源1がコネクタ3およびそのスイッチ回路11を介して接地され、その電源1により生成される直流電圧がコネクタ3に印加されることになる。
【0016】
駆動回路12は、主回路2の起動時にスイッチ回路11を所定時間だけオン状態に制御する。これにより、スイッチ回路11は、主回路2が起動されたときから所定時間だけオン状態に制御されることになる。
上記回路において、もし、コネクタ3の接点部に酸化皮膜が形成されていたとすると、主回路2は電源1から電力を受けることができない。ところが、実施形態のコネクタ酸化皮膜破壊回路は、スイッチ回路11および駆動回路12を備え、そのスイッチ回路11を主回路2の起動開始時から所定時間だけオン状態に制御する。そして、これにより、主回路2の起動開始時から所定時間だけコネクタ3を介して強制的に大きな電流が流れることになり、その電流によりコネクタ3の接点部の酸化皮膜が破壊され、以降、コネクタ3において良好な接触が得られるようになる。すなわち、コネクタ3の接点部に酸化皮膜が形成されていたとしても、主回路2の起動時にその酸化皮膜が破壊されるので、主回路2はその起動時から適切に電力の供給を受けることができる。
【0017】
また、このコネクタ酸化皮膜破壊回路においては、主回路2の起動開始時から所定時間だけ強制的に大きな電流を流す構成なので、主回路2が通常動作を行っている期間に無駄な電流を消費することはない。
なお、図1においては、電源1と主回路2とを電気的に接続するコネクタ3の接点部の酸化皮膜を破壊することを前提としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意の2つの回路(第1の回路および第2の回路)を電気的に接続するコネクタの接点部の酸化皮膜を破壊することもできる。
【0018】
図2は、コネクタ酸化皮膜破壊回路の一例の回路図である。なお、スイッチ回路11は、トランジスタQ1、抵抗R6により実現されており、駆動回路12は、コンデンサC1、コンパレータ21、抵抗R1〜R5により実現されている。また、補助電源31は、例えばDC/DCコンバータであり、電源1により生成される電圧を所定の直流電圧に変換して駆動回路12に供給する。ここで、電源1と補助電源31との間は、コネクタ3を介することなく接続されている。したがって、主回路2の起動時に電源1が投入されると、補助電源31は、駆動回路12への電力の供給を開始する。
【0019】
コンパレータ21の非反転入力端子には、電圧V(+)が与えられる。ここで、電圧V(+)は、補助電圧31の出力電圧を抵抗R2およびR3で分圧することにより得られる一定の電圧(所定値)である。一方、コンパレータ21の反転入力端子には、コンデンサC1の両端電圧である電圧V(−)が与えられる。ここで、このコンデンサC1は、補助電源31から抵抗R1を介して流れる電流により充電される。すなわち、電圧V(−)は、主回路2を起動するために電源1が投入されると、接地レベルから徐々に上昇してゆき、所定時間経過後に電圧V(+)を越えることになる。なお、この例では、抵抗R1(または、補助電源31および抵抗R1)がコンデンサC1を充電するための電流源として作用している。
【0020】
コンパレータ21の出力は、トランジスタのオープンコレクタとなっており、電圧(+)と電圧(−)とを比較し、電圧(+)よりも電圧(−)の方が低ければコンパレータ21の出力トランジスタはオープンとなり、電圧(+)よりも電圧(−)の方が高くなるとコンパレータ21の出力トランジスタはクローズとなり出力は接地レベルとなる。従って、コンパレータ21の出力トランジスタは、主回路2を起動するために電源1が投入されたときから所定時間が経過するまではオープンとなり、その後クローズとなり接地レベルとなる。ここで、この「所定時間」は、補助電圧31の出力電圧、電圧V(+)を設定する抵抗R2およびR3による分圧比、抵抗1の抵抗値、およびコンデンサC1の容量により決定される。すなわち、「所定時間」として所望の値を設定することができる。
【0021】
トランジスタQ1は、コンパレータ21の出力がオープンとなると、Hレベル信号が与えられてオン状態になり、コンパレータ21の出力が接地レベルとなると、Lレベル信号が与えられてオフ状態になる。したがって、トランジスタQ1は、主回路2を起動するために電源1が投入されたときから所定時間が経過するまではオン状態に制御され、以降は、オフ状態に制御されることになる。ここで、トランジスタQ1がオン状態になると、コネクタ3は実質的に抵抗R6を介してGNDに接続された状態になり、電源1の出力電圧がそのままコネクタ3の両端に印加されることになる。そして、このとき、抵抗R6の抵抗値が小さいものとすると、電源1からコネクタ3、抵抗R6及びトランジスタQ1を介して大きな電流が流れ、その電流によりコネクタ3の接点部の酸化皮膜が破壊されることになる。
【0022】
なお、抵抗R6の抵抗値は、コネクタ3の接点部の酸化皮膜が破壊されるのに十分な電流を生成するような値に設定される。
このように、実施形態のコネクタ酸化皮膜破壊回路は、主回路2の起動時にコネクタ3を介して一時的に大きな電流を流すことにより、その接点部の酸化皮膜を破壊する。よって、主回路2は、電源1から確実に電力を受け取ることができる。また、主回路2の起動時から所定時間が経過した後は、スイッチ回路11がオフ状態に切り替わり、そのスイッチ回路11を介して流れる電流が停止されるので、無駄な消費電流が発生しない。このため、特に、電源1がバッテリ等である場合は、主回路2の動作可能時間が短くなることを回避できる。さらに、実施形態のコネクタ酸化皮膜破壊回路による酸化皮膜破壊動作は、主回路2の起動時にのみ電源1の投入に伴って実行されるだけであり、主回路2の動作には何ら影響を及ぼすものではない。即ち、主回路2の起動時に酸化皮膜破壊動作がいったん行われた後は、主回路2の動作が中断させられることはない。
【0023】
図3は、駆動回路12の変形例を示す図である。図3に示す駆動回路12は、図2に示したコンパレータ21および抵抗R2〜R5の代わりに、トランジスタQ2および抵抗R7を備えている。なお、図3に示す駆動回路の動作は、基本的には、図2を参照しながら説明した動作を同じである。すなわち、抵抗R1を介して流れる電流によりコンデンサC1が充電され、その両端電圧が徐々に上昇していく。そして、コンデンサC1の両端電圧がトランジスタQ2の閾値を越えると、トランジスタQ2がオフ状態からオン状態に切り替わり、それによってトランジスタQ1がオン状態からオフ状態に切り替わる。すなわち、この構成によっても、主回路2を起動するために電源1が投入されたときから所定時間だけ、トランジスタQ1をオン状態に制御することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、コネクタの接点部の酸化皮膜を確実に破壊できる。また、酸化皮膜を破壊するための電流は、主回路の起動時にのみ流れるので、無駄な消費電流を抑えることができる。さらに、酸化皮膜を破壊するための動作は、主回路の起動時にのみ行われるので、そのことにより主回路の動作が影響を受けることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のコネクタ酸化皮膜破壊回路の基本構成を示す図である。
【図2】コネクタ酸化皮膜破壊回路の一例の回路図である。
【図3】駆動回路の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 電源
2 主回路
3 コネクタ
11 スイッチ回路
12 駆動回路
21 コンパレータ
Claims (3)
- 電源と主回路とを電気的に接続するコネクタの酸化皮膜を破壊する回路であって、
オン状態に制御されたときに上記電源に起因する電流を上記コネクタに流すスイッチ回路と、
上記主回路の起動時に上記スイッチ回路を所定時間だけオン状態に制御する駆動回路、
を有するコネクタ酸化皮膜破壊回路。 - 請求項1に記載のコネクタ酸化皮膜破壊回路であって、
上記駆動回路は、
上記主回路の起動に際して電流の生成を開始する電流源と、
上記電流源が生成する電流により充電されるコンデンサと、
上記コンデンサの両端電圧が所定値を越えたときに上記スイッチ回路をオフ状態に駆動する手段、
を有する。 - 第1の回路と第2の回路とを電気的に接続するコネクタの酸化皮膜を破壊する回路であって、
オン状態に制御されたときに上記コネクタを介して電流を流すように動作するスイッチ回路と、
上記第1の回路および第2の回路の起動時に上記スイッチ回路を所定時間だけオン状態に制御する駆動回路、
を有するコネクタ酸化皮膜破壊回路。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003009640A JP2004221007A (ja) | 2003-01-17 | 2003-01-17 | コネクタの酸化皮膜を破壊する回路 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009046111A (ja) * | 2007-08-21 | 2009-03-05 | Hyundai Motor Co Ltd | エアーバックインフレータ抵抗の補正装置及びその制御方法 |
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2003
- 2003-01-17 JP JP2003009640A patent/JP2004221007A/ja active Pending
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