JP2004220955A - X線高電圧装置 - Google Patents

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拓也 堂本
Hiroshi Takano
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Abstract

【課題】過熱によるX線制御装置や高電圧発生装置の破損を未然に防ぎ、かつ小型化が可能なX線高電圧装置を提供する。
【解決手段】交流電源を直流電源に変換するコンバータ回路と、この直流電源からの直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路と、このインバータ回路からの出力電圧を昇圧する高電圧変圧器と、この高電圧変圧器の出力電圧を直流電圧に変換する高電圧整流器と、この高電圧整流器からの直流高電圧が印加されるX線管から発生するX線を制御する制御回路と、前記X線管から発生するX線の発生条件を設定するX線条件設定手段と、を備えたX線高電圧装置であって、前記X線条件設定手段で設定したX線条件から前記発熱体要素のうちの少なくとも一つの発熱体の温度を計算する温度計算手段と、この温度計算手段で計算した温度に対応して前記X線条件を制御する手段とを設けた。さらに、前記発熱体又はその近傍に該発熱体の温度を検出する温度検出手段を設け、この温度検出手段で検出した温度を用いて前記温度計算手段で求めた温度を補正する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱によるX線制御装置や高電圧発生装置の破損を未然に防ぎ、かつ小型化が可能なX線高電圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線を用いた画像診断装置は、X線管装置から発生したX線を被検体に照射し、該被検体を透過したX線量を検出して画像化するもので、前記X線管装置からのX線の発生には、該X線管装置のアノードとカソード間に直流の高電圧を印加し、前記カソードを高温にすることにより発生する熱電子を高電圧で加速し、これをアノードに衝突させてX線を発生させる高電圧電源が必要である。この高電圧電源はX線高電圧装置と呼ばれ、商用の単相または三相電源あるいはバッテリを電源とし、これを直流高電圧に変換し、X線管のアノードとカソード間の電圧(以下、この電圧を管電圧と呼ぶ)を制御する機能と、フィラメント(カソード)を加熱し、これを制御してX線管に流れる電流(以下、これを管電流と呼ぶ)を制御する機能及び各種の撮影条件などを設定、表示する機能が必要である。前記X線高電圧装置は、X線管のアノードとカソード間に印加する直流高電圧を発生させる高電圧発生装置と、この直流高電圧の大きさ及び印加時間、さらに流れる電流など、X線を制御するためのX線制御装置からなる(非特許文献1、54頁参照)。
【0003】
【非特許文献1】
医歯薬出版 株式会社:医用放射線科学講座13、放射線診断機器工学 54頁、78〜98頁
【0004】
このX線高電圧装置には、高電圧の発生方法により種々の方式があるが、最近の医用X線高電圧装置は性能面だけでなく、設置面積の縮減、小型軽量化に対する要求が強い。
【0005】
なかでも高電圧変圧器が装置容積に占める割合は大きく、高電圧変圧器を小型化することが装置全体の小型化にとって特に有効である。そのために、前記X線高電圧装置には小型化及び性能面の点で格段に優れているインバータ式X線高電圧装置が普及し、現在では一般X線撮影装置から循環器X線撮影装置、X線CT装置等のほとんどのX線画像診断装置に用いられている。このインバータ式X線高電圧装置は、単相又は三相の商用電源電圧を整流して直流電圧に変換し(バッテリによる直流電源の場合もある。以下、この回路をコンバータ回路と呼ぶ場合がある)、この直流電圧をインバータ回路により商用電源周波数よりも高い周波数の交流電圧に変換してこれを高電圧変圧器で昇圧し、ふたたび整流して直流の高電圧をX線管のアノードとカソード間に印加するものである。前記インバータ式X線高電圧装置の管電圧の制御は、インバータ回路の電力用半導体スイッチング素子の導通幅の可変により行い、実際の管電圧を検出し、これが目標値に一致するように、インバータ制御回路で制御信号を生成し、この信号により前記スイッチング素子の導通幅を制御する(非特許文献1、78〜98頁参照)。
【0006】
このような構成のインバータ式X線高電圧装置を用いてインバータ回路の高周波化により高電圧変圧器の小型化を含む装置全体の小型化を図ってきたが、最近では螺旋スキャンX線CT装置のスキャンの高速化に対する要望が強くなり、この要望に対応するためにはスキャナに搭載するインバータ式X線高電圧装置のさらなる小型、軽量化と共に大きな管電流を長時間流すことができる大出力のX線高電圧装置が必要となってきた。
【0007】
前記のように、多量のX線を長時間発生させると、X線管及びX線高電圧装置(特に、前記インバータ回路)の発熱も大きくなるが、この発熱よる熱破壊は絶対に防止しなければならない。
そこで、これらに対して従来から、X線管については、該X線管の放熱特性、熱容量などから得られるヒートユニットHU(インバータ式X線高電圧装置の場合は管電圧×管電流×時間×1.41、日本工業標準調査会:医用X線管通則Z4102、日本規格協会、1994年改正)によってX線の出力を制限したり、あるいは所定の温度になるまでX線管を冷却するなどの方法をとっている。
【0008】
これに対して、X線高電圧装置については、管電圧、管電流、時間等の最大定格が装置毎に決められており、前記最大定格以外の出力が出せないよよになっているが、さらに、管電圧の過電圧、管電流の過電流を検出して保護する方法などをとっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記X線管とX線高電圧装置とから成るX線発生装置において、X線管の発熱は、ほぼX線出力条件(撮影条件)に比例し、X線管のヒートユニットHUは前記X線出力条件に応じたものになっている。したがって、X線管については、ヒートユニットHUが制限値を超えないように管理すれば熱破壊は防止できる。すなわち、ヒートユニットHUの制限値に至る前にX線管を交換すれば良い。
【0010】
しかし、X線高電圧装置は、X線制御装置を構成するコンバータ回路やインバータ回路には、電力用半導体スイッチング素子が多数用いられており、また、高電圧発生装置には高電圧変圧器や高電圧整流器等の発熱体が含まれており、前記スイッチング素子の損失及び高電圧変圧器や高電圧整流器の損失によりこれらの温度は上昇する。
この温度上昇は、高電圧変圧器の浮遊静電容量に流れる無効電流が軽負荷(管電圧が高く、管電流が小さい条件)になるほど大きくなるため、その電力変換効率が悪くなり、X線管にとっては同じヒートユニットHUであっても、重負荷(管電圧が低く、管電流が大きい条件)短時間よりも、前記軽負荷長時間の方が大きくなる。
【0011】
たとえば、透視撮影などの軽負荷条件で長時間に亘ってのX線曝射を継続する場合、X線管については、管電圧と管電流とX線曝射時間との積に比例するX線管の熱量は小さいので、そのヒートユニットは小さく温度上昇は低い。しかし、X線高電圧装置においては、前記浮遊静電容量の存在により大きな無効電流が長時間流れるためコンバータ回路及びインバータ回路を含むX線制御装置内部の温度は上昇する。また、上記のように螺旋スキャンX線CT装置のスキャンの高速化に対応するために小型し、かつ大出力が得られるように構成された装置においては、発熱量、放熱量共に高く設計される。
【0012】
このようなX線高電圧装置において、コンバータ回路やインバータ回路の温度を直接検出して保護することが考えられるが、直接取り付けることは絶縁耐電圧や温度検出手段の支持などの回路実装の点において現実には困難である。そこで、発熱体(コンバータ回路及びインバータ回路)より離れた位置に温度検出器を取り付けて検出して過熱防止を行う方法では、前記温度検出器の取り付け可能位置の制限などから、温度検出器での検出温度と、発熱体の温度との間に大きな差が生じ、大出力時に前記コンバータ回路やインバータ回路などの破損が懸念される。また、大出力時において破損を防ぐ温度設定とした場合、透視時のような軽負荷時には長時間に亘って出力することができなくなることが考えられる。
【0013】
一方、高電圧変圧器や高電圧整流器等から成る高電圧発生装置は、絶縁油で満たされた容器(以下、これを高電圧タンクと呼ぶ)に収納され、かつ高電圧部であるために、その内部の発熱体に直接温度検出器を取り付けて、該発熱体の温度を正確に検出することは難しい。このために、高電圧発生装置の発熱量、放射熱量は共にかなりのマージンを見込んで設計しなければならず、現状以下の小型化は困難なものである。
そこで、本発明は、過熱によるX線制御装置や高電圧発生装置の破損を未然に防ぎ、かつ小型化が可能なX線高電圧装置を提供することを目的地とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題は以下の手段によって解決される。
(1)バッテリからの直流電源又はコンバータ回路で商用の交流電源を直流に変換して得られる直流電源と、この直流電源からの直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路と、このインバータ回路からの出力電圧を昇圧する高電圧変圧器と、この高電圧変圧器の出力電圧を直流電圧に変換する高電圧整流器と、この高電圧整流器からの直流高電圧が印加されるX線管から発生するX線を制御する制御回路と、前記X線管から発生するX線の発生条件を設定するX線条件設定手段と、を備えたX線高電圧装置であって、前記X線条件設定手段で設定したX線条件から前記発熱体要素のうちの少なくとも一つの発熱体の温度を計算する温度計算手段と、この温度計算手段で計算した温度に対応して前記X線条件を制御する手段とを設けた。
【0015】
(2)前記発熱体又はその近傍に該発熱体の温度を検出する温度検出手段を設け、この温度検出手段で検出した温度を用いて前記温度計算手段で求めた温度を補正する。
【0016】
(3)前記温度計算手段は、さらに、現在の温度及び現在設定されているX線条件においてX線曝射終了時点の温度を計算する手段を設けた。
【0017】
(4)前記温度計算手段は、現在の温度によって曝射中のX線を停止させる、またはX線曝射開始時点で前記制御回路に対してX線縛射の停止命令を出力し、X線曝射を停止させる。
【0018】
(5)前記温度計算手段は、次の曝射開始可能時刻までの待ち時間を計算し、この待ち時間を操作者に報知する手段を設けた。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明によるX線高電圧装置の第一の実施例を示すブロック図である。このX線高電圧装置は,X線制御装置2と,高電圧発生器3とから成り、前記高電圧発生装置3から出力される直流高電圧をX線管1に印加して該X線管1からX線を発生するものである。前記X線制御装置2と高電圧発生装置3は一体化されて同一の匡体収納されて使用される形態と、X線制御装置2と高電圧発生装置3とは別々の匡体に収納され分離されて使用される形態とがあるが、本発明の第一の実施例ではX線制御装置2と高電圧発生装置3が同一の匡体に収納される形態について説明する。
【0020】
X線制御装置2は、商用電源20からの交流電圧をコンバータ回路5で直流電圧に変換し、この直流電圧を前記商用電源周波数よりも高い周波数の交流電圧に変換するインバータ回路6と、実際の管電圧を検出し(図示省略)、これが目標値に一致するように、前記インバータ回路6のスイッチング素子の導通幅を制御するインバータ制御回路10と前記X線制御装置2と高電圧発生装置3が同一の匡体に収納される該匡体の内部の温度を計算する温度計算手段11とを含む制御部9と、この制御部9に対して管電圧、管電流、曝射時間などのX線発生条件を設定するX線条件設定手段4と、から成る。
【0021】
前記高電圧発生装置3は、前記インバータ回路6からの出力電圧を昇圧する高電圧変圧器7と、この高電圧変圧器7の出力電圧を直流電圧に変換する高電圧整流器8等から成り、これらは絶縁油で満たされた容器に収納されている(以下、この容器を高電圧タンクと呼ぶ)。
【0022】
本発明の第一の実施例は、X線制御装置2と高電圧発生装置3が同一の匡体に収納される該匡体の内部の温度を計算して、この計算値を用いてX線の曝射を制御するところに特徴を有するもので、温度計算手段11における計算の概要について述べる。発熱体の温度上昇Tは、発熱体で消費する電力(損失)と、熱を伝導する素材、容積で決まる熱抵抗、熱容量から、次式により求めることができる。
T=T+(Rth*W−(T−Tair))*(1−exp(−time/(Rth*Cth)))・・・・(1)
ここで,T、Tair、Rth、Cth、W、timeはそれぞれ、
: 初期温度
air : 周囲温度
th : 熱抵抗
th : 熱容量
W : 発熱量
time : 時間
である。
【0023】
熱抵抗、熱容量は、素材の材質(熱伝導率、比熱、比重、容積、形状)と、冷却媒体(空気,油)の流速、流量、接触面積などにより複雑に変化する値ではあるが、装置固有の定数とすることができ、周囲温度及び初期温度を設定すれば,発熱量及び時間の関数とすることができる。
【0024】
ここで、周囲温度を0°(C)と置くと、発熱体の温度上昇Tは初期温度と周囲温度とからの温度差で求めることができ、温度検出器などを用いて周囲温度を測定した場合、この測定した温度を用いて発熱体の温度の絶対値を求めることができる。
前記発熱量は、計算する発熱体の発熱量であり、そこで発生する損失である。
【0025】
X線高電圧装置の場合、例えばインバータ式X線高電圧装置のインバータ回路6のスイッチング素子を冷却するためのヒートシンクの温度を推定する場合、インバータ回路部の効率から、発熱量Wは、
W=kVmA(1−ρ) ・・・・(2)
となる。ここで、kV、mA、ρはそれぞれ
kV : 管電圧
mA : 管電流
ρ : 効率
である。
【0026】
効率ρは、前述したように、X線曝射条件によって異なるため、様々なX線曝射条件毎に表として持つか、(3)式に示す近似式で求めれば良い。
W=kVmA(1−ρline)+Loffset ・・・・(3)
ここで、ρline、Loffsetはそれぞれ
ρline : 出力に比例した効率
Loffset : 全負荷で等しいオフセット損失
である。
上記時間timeは、曝射時間または休止時間であり、休止時間の場合は発熱量0である。
【0027】
温度計算手段の具体的な計算方法は、逐次(一定間隔で)計算する方法と、曝射開始前後に計算する方法とがある。
逐次(一定間隔で)計算する方法では、例えば1秒ごとに温度を推定し、その温度がリミット値を越えた時に停止命令を出す。この方法によれば、式(1)の(1−exp(−time/(Rth Ct)))の項が定数となり、簡単な計算で求めることができる。この方法は、曝射時間が不定であるX線透視などの術式において、インターロックを働かせることや、曝射休止期間の計算に有効である。
【0028】
曝射開始前後に計算する方法では、曝射前に休止した時間から、式(1)からW=0より曝射前の温度を計算で求め、更に曝射条件に従って、曝射終了時点の温度を計算によって求める。この曝射終了時点の温度によって、インターロックを働かせる。インターロックを出力するタイミングによって更に、曝射開始を延期させる方法と、曝射中に停止させる方法が考えられる。図2はX線曝射、休止時間と温度上昇の関係を示す図である。
【0029】
曝射開始を延期させる方法では、曝射を開始させずにエラーとし、しばらく待ってから曝射するようにさせる。この場合、現在の条件において、曝射可能となるまでの時間(図2の待ち時間)を求めることもできる。式(1)より、
=(T−(Rth W−Tair(1−exp(−time/(Rth th))))/exp(−time/(Rth th)) ・・・・(4)
において、T=Tlim (温度または温度上昇の上限)とおくことによって曝射が可能となる温度(図2の曝射可能温度)が求められ、さらに、式(1)より、
time=−Log(e)(1−(T−T)/(Rth W−(T−Tair)))(Rth th) ・・・・(5)
において、式(4)のT,W=0(待ち時間は曝射しない)とおくことによって発熱体の温度上昇Tを求めることができる。
【0030】
X線CT装置や、造影剤検査など、撮像を途中で止めることのできない用途の場合、待ち時間を表示装置に表示するなどの報知手段を設けて、曝射を開始しない方が良い場合が多い。
また、曝射後制限温度まで曝射を行い、停止させる目的で、可能な曝射時間(図2の動作時間)を求める場合、式(5)において、T=Tlim (温度または温度上昇の上限)とおくことによって求めることができる。
【0031】
図3は上記に基づいて発熱体の温度上昇Tを曝射開始前後に計算して、曝射終了時点の推定温度が設定温度(Tlim)を超えた場合、曝射を開始せずに停止させるときの演算の流れを示すフローチャートである。
【0032】
以上に説明したように、X線制御装置2と高電圧発生装置3が同一の匡体に収納される形態のX線高電圧装置に、X線制御装置2のコンバータ回路5、インバータ回路6や高電圧発生装置3の高電圧変圧器7、高電圧整流器8等の発熱体の温度を計算する手段を設けることにより、例えばインバータ回路6のヒートシンクの温度を推定したり、さらに前記インバータ回路6のスイッチング素子のジャンクション温度を推定し、インバータ回路6への過負荷による前記スイッチング素子の熱破壊を防ぐことができる。このことは、熱容量、熱抵抗、損失などを変更することによって、コンバータ回路5のヒートシンクやスイッチング素子の熱破壊を防止すること、高電圧発生装置3の内部の高電圧変圧器7や高電圧整流器8に適用し、高電圧変圧器7の巻線や鉄心の過熱、高電圧整流器8の整流素子の過熱による焼損や絶縁油の劣化による絶縁耐電圧不良を未然に防止するためにも有効である。
【0033】
図4は本発明によるX線高電圧装置の第二の実施例を示すブロック図である。
本発明による第二の実施例は、上記第一の実施例に加えて、X線高電圧装置2の内部に温度検出手段30を設けて、この温度検出手段で検出した温度を温度計算手段11に入力して該温度計算手段11で計算した温度を補正するものである。さらに、上記第二の実施例は温度計算手段11の出力に基づく情報を表示器31に表示して操作者に報知するものである。
【0034】
前記温度検出手段30によって検出した温度を温度計算手段11に入力することによって、前述した式(1)における周囲温度Tairを入力することによって、発熱部の絶対温度を推定することができ、より正確にインターロックとして働かせることができる。さらに、温度検出手段11を発熱部付近に設置してX線曝射前の初期温度を補正することによって、より正確な温度を推定することができる。
【0035】
例えば、インバータ回路6のヒートシンクに温度検出手段30を取り付けてヒートシンクの温度を推定することにより、該ヒートシンクの温度からインバータ回路6のスイッチング素子のジャンクション温度をより正確に推定することが可能となる。また、高電圧発生装置3内の絶縁油の温度を推定することにより、発熱体としての高電圧変圧器7の巻線の温度や高電圧整流器8の整流素子のジャンクション温度をより正確に測定することができるようになる。なお、上記温度検出手段30には、小型化や取り付け易さの点から、熱電対やサーミスタなどが適している。
【0036】
また、表示器31に、温度検出手段30で実測した温度によって補正された温度計算手段11の出力に基づいて、前記待ち時間や動作時間を表示し、操作者に報知することによって、より使いやすい装置とすることができる。
【0037】
上記第一及び第二の実施例では、X線制御装置2と高電圧発生装置3が同一の匡体に収納される形態のX線高電圧装置について述べたが、本発明はこれに限定するものではなく、X線制御装置2と高電圧発生装置3が分離されて別々の匡体に収納される形態のX線高電圧装置にも適用できる。この場合は、X線制御装置2と高電圧発生装置3のそれぞれに温度計算手段11または温度計算手段11と温度検出手段30を設ければ良い。
なお、上記温度計算手段11は、マイクロコンピュータの演算機能、メモリ機能等を用いることにより実現できる。
上記の実施例は商用の交流電源からコンバータ回路により直流電源を得る例について述べたが、これはバッテリを用いて直流電源を得る装置に用いても同様の効果が得られる。
【0038】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、X線高電圧装置内部の温度上昇を計算によって推定して過熱による温度上昇を抑制するようにしたので、X線制御装置や高電圧発生装置の破損を防止することができ、信頼性の高いX線高電圧装置を提供することができる。
また、X線制御装置及び高電圧発生装置の発熱量、放熱量は共にかなりのマージンを見込んで設計する必要がないので、さらなる小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるX線高電圧装置の第一の実施例を示すブロック図。
【図2】本発明によるX線曝射、休止時間と温度上昇の関係を示す図である。
【図3】発熱体の温度上昇を曝射開始前後に計算してX線曝射の可否を決定する演算の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明によるX線高電圧装置の第二の実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…X線管,2…X線制御装置,3…高電圧発生装置,4…X線曝射条件設定手段,5…コンバータ回路、6…インバータ回路、7…高電圧変圧器, 8…高電圧整流器,9…制御部,10…インバータ制御回路、11…温度計算手段、30…温度検出手段、31…表示器,100,110…X線高電圧装置

Claims (5)

  1. バッテリからの直流電源又はコンバータ回路で商用の交流電源を直流に変換して得られる直流電源と、この直流電源からの直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路と、このインバータ回路からの出力電圧を昇圧する高電圧変圧器と、この高電圧変圧器の出力電圧を直流電圧に変換する高電圧整流器と、この高電圧整流器からの直流高電圧が印加されるX線管から発生するX線を制御する制御回路と、前記X線管から発生するX線の発生条件を設定するX線条件設定手段と、を備えたX線高電圧装置であって、前記X線条件設定手段で設定したX線条件から前記発熱体要素のうちの少なくとも一つの発熱体の温度を計算する温度計算手段と、この温度計算手段で計算した温度に対応して前記X線条件を制限する手段と、を設けたことを特徴とするX線高電圧装置。
  2. 前記発熱体又はその近傍に該発熱体の温度を検出する温度検出手段を設け、この温度検出手段で検出した温度を用いて前記温度計算手段で求めた温度を補正することを特徴とする請求項1に記載のX線高電圧装置。
  3. 前記温度計算手段は、さらに、現在の温度及び現在設定されているX線条件においてX線曝射終了時点の温度を計算する手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のX線高電圧装置。
  4. 前記温度計算手段は、現在の温度によって曝射中のX線を停止させる、またはX線曝射開始時点で前記制御回路に対してX線曝射の停止命令を出力し、X線曝射を停止させることを特徴とする請求項1乃至3に記載のX線高電圧装置。
  5. 前記温度計算手段は、次の曝射開始可能時刻までの待ち時間を計算し、この待ち時間を報知する手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至4に記載のX線高電圧装置。
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