JP2004220156A - 散乱光式煙感知器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】検煙部カバーの組み付けにより内部に検煙空間を形成し、発光部および受光部を検煙空間内に突出することなく開口部を設けて埋設した検煙部本体5とを備えた散乱光式煙感知器であり、検煙部本体5の背面側に、発光部のの後方の発光部取付部21から出る漏れ光の受光部側への入射を阻止する漏れ光防止リブ24を一体に設ける。また漏れ光防止リブ24に対応して組付け側の端子盤に嵌合溝が設けられ、組立時の位置合わせに用いられる。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部から流入した検煙空間内の煙粒子による光の散乱光を受光して火災を検出する散乱光式煙感知器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の散乱光式煙感知器としては例えば図8のものがある(特許文献1)。図8(A)において、感知器本体100の下部にカバー102が装着され、その内部に煙が流入する検煙空間103を形成している。検煙空間103内の感知器本体100側にはホルダー104が装着され、ホルダー104には開口110,112を介して発光部106と受光部108が収納される。
【0003】
この構造にあっては、図8(B)に示すように、発光部106は光軸114の方向に光を出し、流入した煙に光が当たることによる散乱光を光軸116の方向から受光部108で受光している。
【0004】
ここで発光部106と受光部108は、感知器における仮想的な水平面上で光軸114,116が斜めに交差するように配置し、光軸交点118の散乱角θを所定の角度に設定している。ここで、散乱角θに対する補角となる光軸の交差角δを構成角と呼び、θ=180°−δの関係にある。
【0005】
更に間に二枚の遮光板120,122を配置し、遮光板120で受光部108に向かう直接光を遮り、次の遮光板122で手前の遮光板120の先端に当たった光の反射光を遮るための光トラップを形成している。
【0006】
尚、この従来構造にあっては、図8(A)のように、発光部106と受光部108の光軸を3°〜5°程度下向きにして光軸交点が検煙空間103の上部面に近づきすぎないように調整している。
【0007】
しかしながら、このような従来の散乱光式煙感知器の構造にあっては、感知器内部の煙が流入する検煙空間103に発光部106、受光部108、遮光板120,122等が突出しており、外部からの煙の流入に方向性を持つ可能性が高いという不具合がある。
【0008】
そこで検煙空間103への煙流入に方向性を持たないようにするため、例えば図9のような散乱光式煙感知器が知られている(特許文献2)。
【0009】
図9において、感知器本体200の下部にカバー202が装着され、その内部に煙が流入する検煙空間203を形成している。検煙空間203内の感知器本体200側にはホルダー204が装着され、ホルダー204には開口210,212を介して発光部206と受光部208が埋め込まれ、検煙空間203に飛び出すことのない構造となっており、煙の流入特性に方向性が無い構造をとっている。
【0010】
発光部206は光軸214の方向に光を出し、流入した煙に光が当たることによる散乱光を光軸216の方向に設置された受光部208で受光する。このため感知器内の仮想的な鉛直面に、発光部206と受光部208を対向しないように光軸214,216を斜め下向きに配置し、光軸交点218の散乱角θを所定の角度に設定している。なお、構成角δは、θ=180°−δの関係にある。
【0011】
一方で、火災による煙の種類は燃焼する材料等により、煙の粒子径は比較的大きなものから小さなものまで様々である。このため、様々な粒子径の煙に対し、極力感度に差のないようにすることがひとつの課題とされている。
【0012】
煙粒子径に対し、感度差の少ない散乱角θは60〜90°程度(構成角δでは90〜120°)であることが知られている(特許文献3)。
【0013】
しかし、図9の従来構造にあっては、煙粒子径に対する感度差を少なくするために散乱角θを例えば60°というように大きくすると、ホルダー204の設置面に対し光軸交点218’のように下にさがり、その分、感知器の高さを大きくしなければならず、さらに天井面からの反射光の影響を避けるため感知器(検煙部)を薄型化できないために、鉛直面上で散乱角θを60〜90°といった適切な角度範囲とすることができない。
【0014】
この場合、散乱角を60〜90°とするために発光部206と受光部208の間隔を狭くすれば、薄型化が可能であるが、受光部に対する電気的な誘導や直接の漏れ光の影響の問題が発生する。すなわち発光部と受光部は極力遠ざけて配置する必要があるため、検煙空間の高さを変えずに散乱角を60°〜90°にしようとすると、検煙部を薄型にすることができない。
【0015】
そこで本願出願人にあっては、検煙部を更に薄型に構成し、かつ散乱角を自在に設定可能とし、検煙空間への煙流入に方向性が無く、更に発光部と受光部を極力遠ざけて配置できる光電式煙感知器を提案している(特願2002−4221)。
【0016】
この散乱光式煙感知器は、検煙部の取付側に発光部および受光部を、検煙空間内に突出することなく発光側開口部と受光側開口部を開けて埋設し、検煙空間に向かう発光部からの光軸と検煙空間内の煙粒子によって散乱されて受光部に向かう散乱光の光軸が、水平方向に所定の角度で交差し且つ鉛直方向に所定の角度で交差するように、発光部と受光部をホルダーに固定している。
【0017】
ところで、このようなホルダーに発光部と受光部を組込んだ構造の散乱光式煙感知器にあっては、ホルダーの背面側に組込まれた発光部からは、その後方に常に大きな漏れ光があり、この発光部からの漏れ光がホルダー背面から受光部側に入射する場合がある。
【0018】
そこでホルダーに発光部と受光部を組込んだ第1の光学系ホルダーの背後に別部品として作られた第2の光学系ホルダーを装着し、発光部の後方からの漏れ光を防止した光電式煙感知器もある(特許文献4)。
【0019】
【特許文献1】
実公昭59−10606号公報
【特許文献2】
特開昭60−10393号
【特許文献3】
特開平7−72073号
【特許文献4】
特開平7−121785号公報
【特許文献5】
実開昭63−103190号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の発光部後方からの漏れ光を防止する構造にあっては、発光部及び受光部を組込んだホルダー以外に漏れ光を防止するためのホルダーが別部品として必要であり、検煙部構造の部品点数が多くなり、製造工数、部材管理工数が増加し、コストアップの原因となっている。
【0021】
本発明は、発光部後方からの漏れ光の受光部への入射を部品点数を増やすことなく防止する散乱光式煙感知器を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。本発明は、検煙空間に向けて光を発する発光部と、検煙空間内の煙粒子による前記発光部からの光の散乱光を受光する受光部と、外部からの煙を流入すると共に外部からの光を遮断するラビリンス部材を周囲に配置した検煙部カバーと、検煙部カバーの組み付けにより内部に検煙空間を形成し、発光部および受光部を前記検煙空間内に突出することなく開口部を設けて埋設した検煙部本体と、検煙部本体の背後に配置される端子盤とを備えた散乱光式煙感知器であって、検煙部本体の背面に、発光部の後方から出る漏れ光の受光部側への入射を阻止する漏れ光防止部材を一体に設けたことを特徴とする。
【0023】
ここで検煙部本体は、背面の外周側半径方向に発光部及び受光部を埋設するホルダー部を張り出し形成し、漏れ光防止部材として、ホルダー部の発光部埋設側の側端から外周端に至る漏れ光防止リブを背面に起立したことを特徴とする。
【0024】
このように本発明にあっては、検煙部本体の背後には発光部後方からの漏れ光の受光部への入射を防止する漏れ光防止部材として、例えば漏れ光防止リブを一体に設けたことで、部品点数を増加させることなく、検煙部本体と検煙部カバーとの2部品で発光部後方からの漏れ光の受光部への入射を確実に防止できる。
【0025】
更に検煙部本体の背面であって漏れ光防止リブの外周端に嵌合リブを形成し、これに対応して端子盤は、検煙部本体の組付け面に、環状リブを起立すると共に、嵌合リブに相対した環状リブの位置に縦方向に嵌合溝を形成し、嵌合リブが嵌合溝に相対する位置で検煙部本体を端子盤に嵌め入れて組み付ける構造を備えたことを特徴とする。このように本発明で検煙部本体の背面に設けた漏れ光防止リブは、端子盤に組付ける際の位置決め部材としての機能を合わせ持つこととなる。
【0026】
本発明の別の形態にあっては、検煙部と端子盤との組立が適切にできるための構造を備えた散乱光式煙感知器を提供する。即ち本発明は、検煙空間に向けて光を発する発光部と、検煙空間内の煙粒子による発光部からの光の散乱光を受光する受光部と、外部からの煙を流入すると共に外部からの光を遮断するラビリンス部材を周囲に配置した検煙部カバーと、検煙部カバーの組み付けにより内部に検煙空間を形成し、前記発光部および受光部を設けた検煙部本体と、検煙部本体の背後に配置される端子盤とを備えた散乱光式煙感知器であって、
検煙部本体は、背面の外周側半径方向に第1嵌合リブを形成すると共に前記第1嵌合リブを挟み込む少なくとも一対の第2嵌合リブを形成し、
端子盤は、前記検煙部本体の組付け面に、環状リブを起立すると共に、前記第1嵌合リブ及び第2嵌合リブに相対した前記環状リブの位置に縦方向に第1嵌合溝及び第2嵌合溝を形成し、
第1及び第2嵌合リブは、外周側先端のエッジ部分に環状リブの先端面に摺設する矩形切欠を形成し、矩形切欠を環状リブに嵌め合わせた状態で相対回転させ、第1及び第2嵌合リブが前記第1及び第2嵌合溝に相対する位置で検煙部本体を端子盤に嵌め入れて組み付ける構造を備えたことを特徴とする。
【0027】
このため検煙部本体と端子盤を任意の位置で押し合わせた状態で片方を回転させて行くと、嵌合リブと嵌合溝が相対した位置に回転したときにリブが溝に入り込んで組立状態が得られ、組立ロボット等を用いた自動組立に好適な構造を実現している。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による散乱光式煙検知器の実施形態を示した断面図である。図1において、散乱光式煙感知器は、感知器本体1とカバー2で構成される。感知器本体1は、検煙部本体5、検煙部カバー6及び端子盤13で構成されている。
【0029】
検煙部本体5の下部に配置された検煙部カバー6内には、検煙空間4が形成されている。検煙空間4の周囲には検煙部カバー6と一体にラビリンス14が形成され、外部からの煙を容易に流入させる経路をつくると同時に、外部からの光の入射を遮っている。
【0030】
このラビリンス14の周囲に位置するカバー2の部分には煙流入口3が開口されている。更に検煙部本体5に相対した検煙部カバー6の内面には光トラップ11が形成されている。
【0031】
検煙部本体5は上部に回路基板12を配置すると共に、検煙空間4側に発光部7と受光部8を設けており、それぞれのリード線を回路基板12に接続し、発光駆動及び受光処理を行うようにしている。
【0032】
発光部7は発光側開口部9を介して検煙空間4に光を照射し、検煙空間4に煙が流入した際の煙粒子に光があたった時に生ずる散乱光を、受光側開口部10を介して受光部8に入射するようにしている。
【0033】
ここで本発明にあっては、検煙空間4に向かう発光部7からの光軸と、検煙区間内の煙粒子によって散乱されて受光部8に向かう散乱光の光軸が水平方向に所定の角度αで交差し、且つ鉛直方向に所定角度βで交差するように検煙部本体5に発光部7と受光部8を配置している。
【0034】
図2は図1の散乱光式煙感知器の組立分解図である。図2において、感知器本体1は、検煙部本体5に対し下側から検煙部カバー6を組み付けた後に、検煙部本体5を端子盤13に組み付けている。組立の済んだ感知器本体1はカバー2に収納され、図1のような組立状態を得ることができる。
【0035】
なお、検煙部本体5の端子盤13に対する組付けは、検煙部本体5の背面に形成している嵌合リブ28,30の切欠28a,30aと端子盤13の嵌合溝28b,30bにより行われるが、その詳細は後の説明で明らかにする。また検煙部本体5の背面には、漏れ光防止リブ24が一体に設けられているが、この点も後の説明で明らかにする。
【0036】
図3は本発明における検煙部本体5を検煙空間側から見た斜視図である。検煙部本体5の検煙空間側の面には発光側開口部9と受光側開口部10が形成されている。
【0037】
図4は本発明における検煙部本体5と検煙部カバー6を組み合わせた検煙部アッセンブリの断面図であり、図1、図2に対し上下を逆にして示している。図4において、検煙部本体5の背後に一体形成されたホルダー部20の中に発光部7と受光部8が埋設されている。発光部7及び受光部8は検煙空間4に向かう発光部7からの発光光軸25と、検煙空間4内の煙粒子によって散乱された受光部8に向かう散乱光の受光光軸26が、後の説明で明らかにするように、水平方向に所定の角度αで交差し、且つ鉛直方向に角度βで交差するように配置している。
【0038】
また発光部7の収納部に続いては円筒孔15が形成され、この円筒孔15に続いて開口凹部16が形成され、円筒孔15は開口凹部16の内壁面に開口している。同様に受光部8側についても受光孔18と開口凹部19が形成され、開口凹部19に受光孔18が開口している。
【0039】
図5(A)は図3の検煙部本体5に設けている発光部7と受光部8の設置位置に対応した光学的な位置関係を3次元座標空間で模式的に表している。
【0040】
図5(A)において、発光部7による発光点Pからの発光光軸25をベクトルで示し、光軸交点Oからの散乱光が入射する受光光軸26を受光部8の受光点Qに対するベクトルで示している。
【0041】
この発光点P、光軸交点O及び受光点Qを結ぶ三角形が本発明の煙感知器構造における散乱光式煙検知のための仮想的な光学面であり、三角形POQを形成する面はxy平面となる水平面及びzx平面となる鉛直面のそれぞれに対し、ある角度を持って配置されている。
【0042】
説明を簡単にするため発光点Pのx軸上への投影を投影点Aとなるように配置しており、従って発光光軸14の鉛直方向の傾斜角φは、この場合x軸に対する角度となる。
【0043】
ここで発光光軸25と受光光軸26をxy平面となる水平面から見ると図5(B)のように、投影点Aが発光点Pに対応し、投影点Bが受光点Qに対応する。すなわち発光光軸25と受光光軸26は、水平方向において、所定の角度αをもって交差している。一方、発光光軸25と受光光軸26を面ABQPに投影すると、発光光軸と受光光軸が鉛直方向において、所定の角度βをもって交差する。
【0044】
例えば垂直方向の傾斜角φ=30°に設定し、水平面でのみかけ上の構成角α=120°とすると、構成角δ=97°となる。また水平面でのみかけ上の構成角αをα=120°、傾斜角φをφ=9.8°に設定していると、構成角δはδ=117°となる。
【0045】
これをまとめると、みかけ上の構成角α=120°を一定に保った場合の傾斜角φ=9.8°,30°に対し、実際の構成角δ=117°,97°となり、発光点Pと受光点Qの水平方向での位置を変化させない場合、垂直方向の傾斜角φを大きくすれば、逆に実際の構成角δを小さくする関係が得られる。もちろん垂直方向の傾斜角φを小さくすれば光軸交点Oの高さが低くなることから、より薄型化することになる。
【0046】
図5のような発光から受光までの光軸の3次元関係に基づき、本発明の実施形態では、発光光軸25と受光光軸26の構成角δを略110°としている。もちろんこの構成角δ=110°に対応する散乱角θはθ=180°−δ=70°である。
【0047】
このように本発明にあっては、発光部7の光軸25と受光部8の光軸26を構成角δ=110°に設定した状態で水平面におけるみかけ上の構成角α及び垂直面における傾斜角φをもつように検煙部本体5内に埋め込み配置することで、煙粒子の大きさに対する感度の影響の少ない最適な角度配置を行っても、煙に対する光軸交点の飛び出し量を低く抑え、感知器の薄型構造を実現できる。
【0048】
図6は本発明における検煙部本体5の背面から見た平面図である。図6(A)において、検煙部本体5の背面中央にはホルダー部20が張り出し形成され、後方に開口した発光部取付部21に図4のように発光部7が組み込まれるが、後方は閉鎖されていないことから、発光部7の発光駆動による漏れ光が後方に出る。
【0049】
一方、ホルダー部20の反対側には受光部取付部22が設けられ、ここに図4のように受光部8が組み込まれるが、受光部8の後方は閉鎖されていないため、このままでは発光部7の後方からの漏れ光が入射してしまう可能性が高い。
【0050】
そこで本発明にあっては、発光部取付部21に近いホルダー部20の側面から検煙部本体5の外周端に至る漏れ光防止リブ(第1嵌合リブ)24を背面に起立して一体に形成している。
【0051】
この漏れ光防止リブ(第1嵌合リブ)24は、図2のように検煙部本体5を端子盤13に組付けた際に、端子盤13に形成している環状リブ32の嵌合溝(第1嵌合溝)27bにリブ先端が嵌り込んで隔壁を形成し、発光部取付部21からの漏れ光が受光部取付部22に向かうのを確実に防止する。
【0052】
図6(B)は漏れ光防止リブ24を取出して示した側面図であり、漏れ光防止リブ(第1嵌合リブ)24における外周側先端のエッジ部分に矩形の切欠27aを形成している。
【0053】
また検煙部本体25の背面の中心に対し対称となる位置には、嵌合リブ(第2嵌合リブ)28,30が一体に形成されている。嵌合リブ(第2嵌合リブ)28,30は平面から見て外に開いたU字形にリブを起立しており、U字形のリブ外周側先端のエッジ部分に図6と同じ矩形の切欠28a,30aを形成している。
【0054】
図7は、図6の検煙部本体5が組み付けられる端子盤13の平面図である。端子盤13の検煙部本体5の組付け面には環状リブ32が形成され、環状リブ32の中心に対し対称となる位置に2つを一組にして嵌合溝(第2嵌合溝)28b,30bを形成している。この第2嵌合溝28b,30bは図6(A)の嵌合リブ28,32の各U形の先端リブ位置に対応している。
【0055】
また嵌合溝28bに近い位置に嵌合溝(第1嵌合溝)27bが形成され、この嵌合溝27bは図6(A)の漏れ光防止リブ24の先端リブ位置(第1嵌合リブ)に対応している。
【0056】
このような検煙部本体5の背後の嵌合リブ28,30及び漏れ光防止リブ24と、それぞれに対応した端子盤13の嵌合溝28b,30b及び27bにより、図2の組立の際に、各リブの矩形の切欠27a,28a,30aを端子盤13の環状リブ32の先端面に任意の位置で嵌め合わせ、端子盤13に検煙部本体5を軽く押しつけた状態で回して行くと、リブ先端と嵌合溝があったときに、リブ先端が溝に入り、組立状態が得られる。
【0057】
このため検煙部本体5を端子盤13に押し当てて回すという操作により、位置合わせを必要とすることなく簡単に正しい位置で組み合わせることができる。
【0058】
なお、上記の実施形態にあっては、漏れ光防止リブ24をホルダー部20における発光部取付部21に近い位置に設けているが、角度αを与えるホルダー部20の側面側であれば、任意の位置に設けても良い。また漏れ光防止リブ24を端子盤13側に設けるようにしても良い。
【0059】
更に発光部後方からの漏れ光の受光部への入射を防止するためには、本発明による漏れ光防止リブ24に加え、検煙部本体5の背面側に配置される回路基板12を黒色系とするレジストやシルクを使用し、更にまた、端子盤13についても黒色系とすることが望ましい。
【0060】
なお、本願発明では端子盤と検煙部本体との組立について実施形態の説明を行ったが、端子盤とは受信機からの電源および信号をやりとりするための電気的な接続端子を有しているものに限られず、検煙部本体を固定できる部材であれば良い。
【0061】
また本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【0062】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、検煙部本体の背面に、発光部後方からの漏れ光の受光部への入射を防止する漏れ光防止部材として、例えば漏れ光防止リブを一体に設けたことで、部品点数を増加させることなく、検煙部本体と検煙部カバーとの2部品で発光部後方からの漏れ光の受光部への入射を確実に防止できる。
【0063】
また検煙部本体の第1及び第2嵌合リブは、外周側先端のエッジ部分に端子盤の環状リブの先端に摺設する矩形切欠を形成し、この矩形切欠を環状リブに嵌め合わせた状態で相対回転させ、第1及び第2嵌合リブが第1及び第2嵌合溝に相対する位置で検煙部本体と端子盤を組み合わせる構造を備えたことで、組立ロボット等を用いた自動組立を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による散乱光式煙感知器の実施形態を示した断面図
【図2】図1の散乱光式煙感知器の組立分解図
【図3】本発明における検煙部本体の検煙空間側から見た斜視図
【図4】本発明における検煙部本体と検煙部カバーを組み合わせた検煙部アッセンブリの断面図
【図5】本発明における発光部と受光部の位置関係の説明図
【図6】本発明における検煙部本体を背面側から示した平面図
【図7】本発明における端子盤の検煙部組付け側から見た平面図
【図8】従来の感知器構造の説明図
【図9】検煙空間に発光部、受光部等を突出させない従来構造の説明図
【符号の説明】
1:感知器本体
2:カバー
3:煙流入口
4:検煙空間
5:検煙部本体
6:検煙部カバー
7:発光部
8:受光部
9:発光側開口部
10:受光側開口部
11:光トラップ
12:回路基板
13:端子盤
14:ラビリンス
15:円筒孔
16,19:開口凹部
20:ホルダー部
21:発光部取付部
22:受光部取付部
24:漏れ光防止リブ
25:発光光軸
26:受光光軸
28,30:嵌合リブ(第1嵌合リブ)
27a,28a,30a:切欠
27b,28b,30b:嵌合溝
32:環状リブ
Claims (4)
- 検煙空間に向けて光を発する発光部と、
前記検煙空間内の煙粒子による前記発光部からの光の散乱光を受光する受光部と、
外部からの煙を流入すると共に外部からの光を遮断するラビリンス部材を周囲に配置した検煙部カバーと、
前記検煙部カバーの組み付けにより内部に前記検煙空間を形成し、前記発光部および受光部を設けた検煙部本体と、
前記検煙部本体の背後に配置される端子盤と、
を備えた散乱光式煙感知器に於いて、
前記検煙部本体の背面に、前記発光部の後方から出る漏れ光の前記受光部側への入射を阻止する漏れ光防止部材を設けたことを特徴とする散乱光式煙感知器。 - 請求項1記載の散乱光式煙感知器において、前記検煙部本体は、背面の外周側半径方向に前記発光部及び受光部を埋設するホルダー部を張り出し形成し、前記漏れ光防止部材として、前記ホルダー部の発光部埋設側の側端から外周端に至る漏れ光防止リブを背面に起立したことを特徴とする散乱光式煙感知器。
- 請求項1記載の散乱光式煙感知器において、前記検煙部本体の背面であって前記漏れ光防止リブの外周端に嵌合リブを形成し、
前記端子盤は、前記検煙部本体の組付け面に、環状リブを起立すると共に、前記嵌合リブに相対した前記環状リブの位置に縦方向に嵌合溝を形成し、
前記嵌合リブが前記2嵌合溝に相対する位置で前記検煙部本体を端子盤に嵌め入れて組み付ける構造を備えたことを特徴とする散乱光式煙感知器。 - 検煙空間に向けて光を発する発光部と、
前記検煙空間内の煙粒子による前記発光部からの光の散乱光を受光する受光部と、
外部からの煙を流入すると共に外部からの光を遮断するラビリンス部材を周囲に配置した検煙部カバーと、
前記検煙部カバーの組み付けにより内部に前記検煙空間を形成し、前記発光部および受光部を設けた検煙部本体と、
前記検煙部本体の背後に配置される端子盤と、
を備えた散乱光式煙感知器に於いて、
前記検煙部本体は、背面の外周側半径方向に一対の第1嵌合リブを形成すると共に前記第1嵌合リブを挟み込む少なくとも一対の第2嵌合リブを形成し、
前記端子盤は、前記検煙部本体の組付け面に、環状リブを起立すると共に、前記第1嵌合リブ及び第2嵌合リブに相対した前記環状リブの位置に縦方向に第1嵌合溝及び第2嵌合溝を形成し、
前記第1及び第2嵌合リブは、外周側先端のエッジ部分に前記環状リブの先端面に摺設する矩形切欠を形成し、前記矩形切欠を前記環状リブに嵌め合わせた状態で相対回転させ、前記第1及び第2嵌合リブが前記第1及び第2嵌合溝に相対する位置で前記検煙部本体を端子盤に嵌め入れて組み付ける構造を備えたことを特徴とする散乱光式煙感知器。
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