JP2004219460A - 画像形成装置およびトナー消費量の算出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】トナー収容部が着脱可能に構成された画像形成装置において、トナー消費量算出に関連するデータの変更が必要になった場合でも、トナー像形成によって消費される所定の単位でのトナー量を精度よく求める。
【解決手段】現像器4K、4C、4M、4Yに、それぞれメモリ43K、43C、43M、43Yを設け、このメモリ43K、43C、43M、43Yにトナー消費量算出に関連する関連情報としてオフセット値Todを記憶させておく。そして、現像器4K、4C、4M、4Yが装着されると、メモリ43K、43C、43M、43Yに記憶されているオフセット値Todを読み出してメモリ127に格納しておき、これを用いてトナー消費量を算出する。
【選択図】 図2
【解決手段】現像器4K、4C、4M、4Yに、それぞれメモリ43K、43C、43M、43Yを設け、このメモリ43K、43C、43M、43Yにトナー消費量算出に関連する関連情報としてオフセット値Todを記憶させておく。そして、現像器4K、4C、4M、4Yが装着されると、メモリ43K、43C、43M、43Yに記憶されているオフセット値Todを読み出してメモリ127に格納しておき、これを用いてトナー消費量を算出する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トナー像を形成する画像形成装置において、所定の単位で該トナー像を形成した際に消費されるトナー消費量を求める技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トナーを使用して画像を形成するプリンタ、複写機およびファクシミリ装置などの画像形成装置においては、トナー補給などメンテナンスの都合上、トナー消費量あるいはトナー収容部に残留するトナー残量を把握する必要がある。そこで、本件出願人は、所定の単位(例えば1頁単位やジョブ単位など)でトナー像を形成した際に消費されるトナー量を、簡単な構成で精度よく求めることのできるトナー消費量検出方法および装置をすでに開示している(特許文献1参照)。この検出方法および装置においては、印刷ドットの値とトナー消費量の関係が非線形で、しかも当該印刷ドットに隣接する印刷ドットの状態によっても変化することに鑑み、印刷ドット列を孤立ドット、2連続ドット、中間値ドットの3つのパターンに分け、これらのパターン毎にその形成個数を計数し、それらの計数値と予め設定された係数との乗算値に基づいてトナー像を構成するトナー(本発明の「像構成トナー」に相当する)の総量を求めている。
【0003】
さらに、トナー像を形成する際に像構成トナーとは別に消費されるトナーが存在することを考慮して上記総量にオフセット値(固有値)を加算し、この値をトナー消費量としている。すなわち、従来より周知のように、白画像、つまり全く印刷ドットを形成しない画像形成動作を実行した場合にも、いわゆるカブリが発生して若干のトナーが消費されるため、このトナー消費分を加算することでトナー消費量の算出精度の向上を図っている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−174929号公報(第3頁および第4頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の画像形成装置では、トナー収容部はカートリッジ化されて装置本体に対して着脱可能に構成されており、ユーザ自身が上記カートリッジを交換することでトナー補給を行うようになっている。ここで、以前のトナーと同じトナーが収容された新しいトナー収容部に交換する場合には、上記係数やオフセット値などのトナー消費量算出に関連するデータは同一であるので問題が生じることはない。
【0006】
これに対して、画質向上や長寿命化などのためにトナーの材料や仕様を変更した改良トナーが収容された新しいトナー収容部に交換する場合には、上記トナー消費量算出に関連するデータの変更が必要になることも考えられるが、上述したようにトナー収容部の交換にはサービスマンが介在しないため、装置本体のメモリに上記トナー消費量算出に関連するデータを記憶していたのでは、たとえ書換え可能なメモリを採用していてもデータを変更することができず、結果としてトナー消費量を精度よく求めることができなくなる。なお、ユーザにメモリの書換えを要求するのは、データの入力ミスの可能性もあり現実的ではない。
【0007】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、トナー収容部が着脱可能に構成された画像形成装置において、トナー消費量算出に関連するデータの変更が必要になった場合でも、トナー像形成によって消費される所定の単位でのトナー量を精度よく求めることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するため、装置本体に対して着脱可能に設けられたトナー収容部に収容されたトナーを用いてトナー像を形成するとともに、所定の単位で該トナー像を形成した際に消費されるトナー消費量を求める画像形成装置において、前記トナー収容部に設けられ、該トナー収容部が収容するトナーのトナー消費量算出に関連する関連情報を記憶する記憶手段と、前記装置本体に装着されている前記トナー収容部の前記記憶手段に記憶されている関連情報を用いて、前記トナー消費量を算出する消費量算出手段と
を備えたことを特徴としている。
【0009】
また、この発明にかかるトナー消費量の算出方法は、上記目的を達成するため、トナー収容部に収容されているトナーのトナー消費量算出に関連する関連情報を、前記トナー収容部に設けられた記憶手段に記憶させる工程と、前記トナー収容部を装置本体に装着して該トナー収容部のトナーを用いてトナー像を形成するとともに、所定の単位で該トナー像を形成した際に消費されるトナー消費量を前記記憶手段に記憶されている関連情報を用いて算出する工程とを備えたことを特徴としている。
【0010】
これらの構成によれば、装置本体に着脱可能なトナー収容部に記憶手段が設けられており、その記憶手段は、トナー収容部が収容するトナーのトナー消費量算出に関連する関連情報を記憶している。そして、装置本体に装着されているトナー収容部の記憶手段に記憶されている関連情報を用いて、トナー像を形成した際に消費されるトナー消費量が算出される。従って、例えば以前のトナーと異なる改良トナーを収容する新しいトナー収容部に交換された場合でも、その改良トナーのトナー消費量算出に関連する関連情報を用いてトナー消費量を算出することになるので、常に、トナー消費量を精度よく算出することができる。
【0011】
また、前記消費量算出手段は、前記トナー像を構成する像構成トナーの総量を求め、その求めた総量に、前記トナー像を形成する際に前記像構成トナーとは別に消費されるトナー量をオフセット値として加算することにより前記トナー消費量を算出するものであって、しかも、前記オフセット値を前記関連情報に基づき設定するとしてもよい。ここで、「トナー像を形成する際に像構成トナーとは別に消費されるトナー量」とは、例えばいわゆるカブリトナー量が含まれ、使用されるトナーの材質やトナー収容部の仕様などに応じて異なるものであるが、上記構成によれば、関連情報に基づき設定したオフセット値として、上記トナー量を加算しているので、トナー消費量を簡単に、かつ精度よく算出することができる。この場合、前記トナー収容部に対応するオフセット値を前記関連情報として記憶手段に記憶させておくと、より簡単に、トナー消費量を算出することができる。
【0012】
また、前記記憶手段は、前記オフセット値を求めるためのオフセット導出用データを前記関連情報として記憶しており、前記消費量算出手段は、前記オフセット導出用データに基づき前記オフセット値を設定するようにしてもよい。この構成によれば、例えばオフセット導出用データの変化によりオフセット値を変更設定する必要が生じた場合でも、その変化したオフセット導出用データに基づきオフセット値を設定することによりオフセット値が変更設定され、これによってトナー消費量を精度良く算出することができる。この場合には、オフセット導出用データとオフセット値との相関関係を消費量算出手段が保持しておくと、オフセット導出用データが変化したときに、確実にオフセット値を変更設定することができる。
【0013】
これに対して、記憶手段に、さらに、オフセット導出用データとオフセット値との相関関係を関連情報として記憶させておくようにすると、例えば以前のトナーと異なる改良トナーを収容する新しいトナー収容部に交換され、相関関係が変化した場合でも、その新しい相関関係に従ってオフセット導出用データに基づきオフセット値を設定することができ、これによってトナー消費量を精度良く算出することができる。
【0014】
また、前記消費量算出手段は、前記トナー像を構成する印刷ドットの数をカウントし、そのカウント値と係数との乗算値に基づき前記像構成トナーの総量を算出するものであって、しかも、前記係数を前記関連情報に基づき設定するとしてもよい。上記係数は、使用されるトナーの材質やトナー収容部の仕様などに応じて異なるものであるが、上記構成によれば、係数を関連情報に基づき設定しているので、例えば以前のトナーと異なる改良トナーを収容する新しいトナー収容部に交換された場合でも、常に、トナー消費量を精度よく算出することができる。
この場合、前記トナー収容部に対応する係数を前記関連情報として記憶手段に記憶させておくと、より簡単に、トナー消費量を算出することができる。
【0015】
また、装置の動作状況が変化すると、前記記憶手段に記憶されている関連情報を書き換える書換手段をさらに備えるようにすると、装置の動作状況の変化によって関連情報の変更が必要になった場合には、書換手段により関連情報を書き換えることにより、装置の動作状況に応じた関連情報に変更することができる。
【0016】
また、この構成において、前記消費量算出手段は、前記トナー像を構成する像構成トナーの総量を求め、その求めた総量に、前記トナー像を形成する際に前記像構成トナーとは別に消費されるトナー量をオフセット値として加算することにより前記トナー消費量を算出するものであって、しかも、前記関連情報に基づき、前記装置の動作状況の変化に応じて、前記オフセット値を変更設定するとしてもよい。
【0017】
この構成によれば、関連情報に基づき、装置の動作状況の変化に応じて、オフセット値が変更設定されることにより、装置の動作状況が変化しても、常に、トナー消費量を精度よく求めることが可能になる。特に、装置の動作状況が変化した後にトナー収容部が取り外され、その後再び装着された場合でも、装置の動作状況が変化したときに関連情報を書き換えておくことにより、継続して、トナー消費量を精度よく求めることができる。
【0018】
また、前記トナー像を形成するための画像形成条件が変更設定されると、前記記憶手段に記憶されている関連情報を書き換える書換手段をさらに備えるようにすると、画像形成条件が変更設定されることによって関連情報の変更が必要になった場合には、書換手段により関連情報を書き換えることにより、画像形成条件に応じた関連情報に変更することができる。
【0019】
また、この構成において、前記消費量算出手段は、前記トナー像を構成する像構成トナーの総量を求め、その求めた総量に、前記トナー像を形成する際に前記像構成トナーとは別に消費されるトナー量をオフセット値として加算することにより前記トナー消費量を算出するものであって、しかも、前記関連情報に基づき、前記画像形成条件の変更設定に応じて、前記オフセット値を変更設定するとしてもよい。
【0020】
この構成によれば、関連情報に基づき、画像形成条件の変更設定に応じて、オフセット値が変更設定されることにより、画像形成条件が変更設定されても、常に、トナー消費量を精度よく求めることが可能になる。特に、画像形成条件が変更設定された後にトナー収容部が取り外され、その後再び装着された場合でも、画像形成条件が変更設定されたときに関連情報を書き換えておくことにより、継続して、トナー消費量を精度よく求めることができる。
【0021】
また、前記トナー収容部の取外しが指示されると、該トナー収容部の取外しを可能にするための取外し準備動作を行う画像形成装置であって、前記書換手段は、前記取外し準備動作として前記関連情報の書換えを行うようにしてもよい。この構成によれば、装置の動作状況の変化や画像形成条件の変更設定によって関連情報の変更が必要になった後にトナー収容部が取り外され、その後再び装着された場合でも、トナー収容部が取り外される前に関連情報の書換えが行われるので、再び装着された後は、書き換えられた関連情報を用いることにより、確実に継続してトナー消費量を精度よく求めることができる。
【0022】
また、それぞれが互いに異なる色のトナーを収容する複数の前記トナー収容部が、前記装置本体に装着され、前記複数のトナー色のそれぞれについてトナー像を形成するとともに、これらの複数色のトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成装置であって、前記消費量算出手段は、前記複数色の各々について、該トナー色のトナー消費量を算出するにあたり該トナー色に対応するトナー収容部の記憶手段に記憶されている関連情報を用いるようにすると、各トナー色について、それぞれトナー消費量を精度良く求めることが可能になる。
【0023】
なお、この発明における「所定の単位」とは、トナー消費量を算出する単位を意味するものであり、例えばトナー像の1頁単位やジョブ単位がこれに含まれる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1はこの発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から印字指令がメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11のCPU111によってエンジンEGの動作指示に適した形式のジョブデータに変換される。そして、メインコントローラ11からのジョブデータに応じてエンジンコントローラ12がエンジンEGの各部を制御して転写紙、複写紙やOHPシートなどのシート(記録媒体)Sにジョブ単位で印字指令に対応する画像を形成する。
【0025】
このエンジンEGでは、感光体2が図1の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体2の周りにその回転方向D1に沿って、感光体2表面を所定の表面電位に帯電させるための帯電ユニット3、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部5がそれぞれ配置されている。帯電ユニット3は帯電バイアス発生部121から帯電バイアスが印加されており、感光体2の外周面を均一に帯電させる。
【0026】
そして、この帯電ユニット3によって帯電された感光体2の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、図2に示すように、露光パワー制御部123と電気的に接続されており、画像信号切換部122を介して与えられる画像信号に応じた変調信号に基づき露光パワー制御部123が露光ユニット6の各部を制御し、光ビームLにより感光体2を露光して感光体2上に画像信号に対応する静電潜像を形成する。
【0027】
例えば、エンジンコントローラ12のCPU124からの指令に基づき、画像信号切換部122がパターン作成モジュール125と導通している際には(後述する画像形成条件調整動作)、パターン作成モジュール125から出力される画像パターンに応じた変調信号が露光パワー制御部123に与えられて静電潜像が形成される。一方、画像信号切換部122がメインコントローラ11のCPU111と導通している際には(後述する通常の画像形成動作)、ホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた印字指令に含まれる画像データに基づき変調信号発生部210により作成された変調信号が露光パワー制御部123に与えられる。そして、その変調信号に基づく光ビームLにより感光体2が露光されて画像信号に対応する静電潜像が感光体2上に形成される。なお、変調方式としては、例えばパルス幅変調(PWM)やパルス振幅変調(PAM)など、種々のパルス変調方式を採用することができる。
【0028】
こうして形成された静電潜像はロータリー現像ユニット4によって顕像化される。すなわち、この実施形態では現像ユニット4として、ブラック用の現像器4K、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびイエロー用の現像器4Yが軸中心に回転自在に設けられている。これらの現像器4K、4C、4M、4Yは、それぞれ、回転しながら表面にトナーを担持する現像ローラ40K、40C、40M、40Yや、トナーを貯留するトナー貯留部41K、41C、41M、41Yなどを備えている。そして、これらの現像器4K、4C、4M、4Yは回転位置決めされるとともに、各現像器4K、4C、4M、4Yの現像ローラ40K、40C、40M、40Yが感光体2に対して選択的に対向位置決めされ、現像バイアス発生部126によって現像バイアスが印加されて選択された色のトナーを現像ローラの表面から感光体2の表面に供給する。これによって、感光体2上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
【0029】
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。さらに、この一次転写領域TR1から周方向(図1の回転方向D1)に進んだ位置には、クリーニング部5が配置されており、一次転写後に感光体2の外周面に残留付着しているトナーをクリーニングブレード51により掻き落とす。また、必要に応じて除電部(図示省略)にて、感光体2の表面電位がリセットされる。
【0030】
転写ユニット7は、複数のローラに掛け渡された中間転写ベルト71と、中間転写ベルト71を回転駆動する駆動部(図示省略)とを備えている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体2上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、所定の二次転写領域TR2において、カセット8から取り出されたシートS上にカラー画像を二次転写する。また、こうしてカラー画像が形成されたシートSは定着ユニット9を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部に搬送される。なお二次転写後、中間転写ベルト71はクリーニング部(図示省略)にて中間転写ベルト71に残留付着しているトナーが除去される。
【0031】
また、中間転写ベルト71の表面に対向してパッチセンサPSが配置されており、後述する画像形成条件調整動作を実行するときには、中間転写ベルト71の外周面に形成されるパッチ画像の光学濃度を測定する。また、パッチセンサPS以外にも、垂直同期センサ72が配置されている。この垂直同期センサ72は、中間転写ベルト71の基準位置を検出するためのセンサであり、中間転写ベルト71の回転駆動に関連して出力される同期信号、つまり垂直同期信号Vsyncを得るための垂直同期センサとして機能する。そして、この装置では、各部の動作タイミングを揃えるとともに各色で形成されるトナー像を正確に重ね合わせるために、装置各部の動作はこの垂直同期信号Vsyncに基づいて制御される。また、この垂直同期信号Vsyncをカウントすることで中間転写ベルト71の累積回転数を求めることができる。
【0032】
また、図1に示すように、装置本体の表面適所には操作表示パネル10が配設されている。この操作表示パネル10は、例えば液晶表示によるタッチパネルからなり、使用者による指示を受け付けるとともに、使用者へのメッセージなどを表示するもので、エンジンコントローラ12のCPU124により制御される。
この実施形態では、ロータリー現像ユニット4の各現像器4K、4C、4M、4Yは、装置本体に対して個別に着脱可能に構成されており、現像器4K、4C、4M、4Yの取外しの指示は、操作表示パネル10の操作によって行われる。
【0033】
また、図2に示すように、各現像器4K、4C、4M、4Yには、それぞれユニット側通信部42K、42C、42M、42Yが設けられ、このユニット側通信部42K、42C、42M、42Yは、それぞれメモリ43K、43C、43M、43Yと電気的に接続されている。このメモリ43K、43C、43M、43Yは、各現像器4K、4C、4M、4Yの製造ロット、内蔵トナーの特性を記憶するとともに、各現像器4K、4C、4M、4Yの使用履歴を記憶する。また、メモリ43K、43C、43M、43Yは、後述するように、トナー消費量算出に関連する関連情報を記憶しており、CPU124により求められたトナー残量などを記憶する。また、装置本体には、CPU124と電気的に接続された本体側通信部128が設けられている。
【0034】
そして、各現像器4K、4C、4M、4Yの現像ローラ40K、40C、40M、40Yが感光体2に対して選択的に対向位置決めされたときに、当該選択現像器のユニット側通信部が、本体側通信部128と所定距離以内、例えば10mm以内に対向配置されるように構成されており、赤外線などの無線通信により互いに非接触状態でデータを送受信可能となっている。これによって、CPU124により当該現像器の装着検出、新品検出や寿命管理等の各種情報の管理が行われる。
【0035】
なお、この実施形態では無線通信等の電磁的手段を用いて非接触にてデータ送受信を行うようにしているが、例えば装置本体および各現像器4K、4C、4M、4Yにそれぞれコネクタを設けておき、各現像器4K、4C、4M、4Yが選択的に感光体2に対向位置決めされると、装置本体のコネクタが現像器側のコネクタと機械的に嵌合することで相互にデータ送受信を行うようにしてもよい。また、メモリ43K、43C、43M、43Yは、電源オフ状態や現像器4K、4C、4M、4Yが装置本体から取り外された状態でもそのデータを保存できる不揮発性メモリであることが望ましく、このような不揮発性メモリとしては、例えばフラッシュメモリなどのEEPROMや強誘電体メモリ(Ferroelectric RAM)などを採用することができる。このように、この実施形態では、メモリ43K、43C、43M、43Yが本発明の「記憶手段」に相当する。
【0036】
また、図2において、メインコントローラ11に設けられた画像メモリ113は、ホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像データを記憶するためのものである。また、エンジンコントローラ12に設けられたメモリ127は、CPU124が実行する制御プログラムを記憶するROMや、CPU124における演算結果、ならびにエンジンEGを制御するための制御データなどを一時的に記憶するRAMなどからなる。さらに、この画像形成装置のメインコントローラ11には、ドットカウンタ200が設けられている。
【0037】
図3はドットカウンタの構成を示すブロック図である。また、図4はドットカウンタによるカウント手順を説明するための図で、印刷ドットの階調値の一例を示している。このドットカウンタ200は、メインコントローラ11からエンジンコントローラ12に対して出力される画像信号に基づいて、感光体2上に形成される印刷ドットの種類を判別し、その個数をカウントするものである。より具体的には、このドットカウンタ200は、比較回路201、判別回路202および3つのカウンタ203〜205を備えている。
【0038】
図3に示すように、比較回路201にはメインコントローラ11のCPU111からエンジンコントローラ12に与えられる画像信号が入力されている。そして、この比較回路201は、各印刷ドットに対応する画像信号の階調レベルを所定の閾値L1,L2と比較する。閾値L1は階調0(すなわち白画像)に近い値(例えば最大階調MAXの1/63)に設定され、閾値L2は最大階調MAX(すなわちべた画像)に近い値(例えばMAXの48/63)に設定されている。
そして、比較回路201は、階調レベルが閾値L2以上であれば判別回路202に値「11」を出力する一方、階調レベルが閾値L1未満であれば値「00」を出力する。これを受けて、判別回路202が各印刷ドットの連続状態、すなわち対象とする印刷ドットに対して隣接するドットが有るか否かを判別し、その結果に応じた信号を後続のカウンタ203〜205に出力する。
【0039】
判別回路202の動作についてより詳しく説明する。判別回路202は、閾値L2以上の階調レベルを有する印刷ドットを検出したことを示す出力信号「11」が比較回路201から出力される毎に、カウンタ203に対し信号「1」を出力する。そのため、カウンタ203には、閾値L2以上の階調レベルを有する印刷ドットの個数C1が積算される。図4では、印刷ドット1,2,3,6,13が該当し、C1=5となる。
【0040】
また、判別回路202は、閾値L2以上の階調レベルを有する印刷ドットが3個以上連続したときにカウンタ204に対して信号「1」を出力する。したがって、カウンタ204には、3以上の連続ドットの個数C2が積算される。図4では、印刷ドット1〜3が該当し、C2=1となる。
【0041】
さらに、対象となる印刷ドットの左右に閾値L1以上のドットが存在しない、すなわち当該印刷ドットが孤立ドットであったときにカウンタ205に対して信号「1」を出力する。そのため、カウンタ205には、孤立ドットの個数C3が積算される。図4では、印刷ドット6,13が孤立ドットに該当し、C3=2となる。
【0042】
このようにして、各カウンタ203〜205のそれぞれには、高階調印刷ドットの個数C1、そのうちの3以上の連続ドットの個数C2および孤立ドットの個数C3が積算されてゆき、例えば1色のトナー像を1枚形成ごとに、これらの値がメモリ211に格納される。そして、所定のタイミング(例えば4色のトナー像形成終了時やCPU124からのデータ要求時など)で、これらの値がメモリ211からエンジンコントローラ12のCPU124に送信され、必要に応じてメモリ127に格納されて、後述するトナー残量の計算に用いられる。
【0043】
上記のように構成された画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から印字命令が与えられると、当該印字命令に対応した画像を形成する通常の画像形成動作が実行される。具体的には、外部装置からの画像形成要求である印字命令と、形成すべき画像の内容に対応する画像データとがインターフェース112を介してメインコントローラ11に入力される。メインコントローラ11のCPU111は、受信した画像データを各トナー色毎に分解するとともに、多段階の階調レベルを有する画像信号に展開し、その画像信号を変調信号発生部210を介してエンジンコントローラ12に出力する。これを受けてエンジンコントローラ12のCPU124はエンジンEG各部を制御して上記した一連の画像形成動作を実行し、こうすることで所望の画像がシートS上に形成される。なお、このとき、画像信号切換部122は、CPU124からの指令に応じて、メインコントローラ11からの画像信号が露光パワー制御部123に送られるような接続となっている。
【0044】
図5はオフセット値設定動作を示すフローチャートである。この画像形成装置では、各現像器4K、4C、4M、4Yに設けられたメモリ43K、43C、43M、43Yは、各現像器4K、4C、4M、4Yのトナー消費量算出に関連する関連情報として、図6を参照して後述するように、係数およびオフセット値を記憶している。そこで、エンジンコントローラ12のCPU124は、メモリ127に格納されているオフセット値設定プログラムに従って、図5のオフセット値設定動作を実行している。すなわち、図5のオフセット値設定動作では、まず、現像器4K、4C、4M、4Yが新たに装着されたか否かを判定している(ステップS1)。
【0045】
そして、新たに装着されなければ(ステップS1でNO)、このルーチンを終了する一方、画像形成装置の最初の電源投入時や、現像器4K、4C、4M、4Yが一旦取り外された後に再び装着されると、新たに装着されたと判定され(ステップS1でYES)、メモリ43K、43C、43M、43Yに格納されているデータ(この実施形態では係数およびオフセット値)がエンジンコントローラ12のCPU124により読み出される(ステップS2)。そして、読み出された係数がメモリ127に格納されるとともに、読み出されたオフセット値がオフセット値Todとして設定されてメモリ127に格納される。
【0046】
図6は画像形成動作実行時のトナーカウント動作を示すフローチャートである。この画像形成装置では、消耗品管理の便宜を図るため、1枚分の画像を形成する毎にエンジンコントローラ12のCPU124が図6に示すトナーカウント動作を実行し、各トナー色の現像器4Y等のトナー残量を算出している。すなわち、この実施形態では1頁を本発明の「所定の単位」とするとともに、CPU124が本発明の「消費量算出手段」として機能している。なお、ここでは、イエロー色を例として、トナー消費量を求める方法および現像器4Y内のトナー残量を求める方法について説明するが、他のトナー色についてもその動作は同じである。
【0047】
図6のトナーカウント動作では、まずドットカウンタ200による印刷ドットのカウント値C1、C2およびC3を取得する(ステップS11)。そして、これらの値のそれぞれに所定の係数を乗じて合計した値Tsを求める(ステップS12)。すなわち、
Ts=Kx・(K1・C1+K2・C2+K3・C3)
である。ここで、Kx,K1,K2,K3は、各トナー色毎に予め設定された重み付け係数で、図5のオフセット値設定動作によってメモリ43Yから読み出されてメモリ127に格納されたデータである。このように印刷ドットをその連続ドット数毎にグループ分けしてカウントし、それぞれの個数に重み付け係数を乗じて積算することで、像担持体としての感光体2上に形成されたトナー像を構成するトナー、つまり本発明の「像構成トナー」の総量を精度よく求めることができるものである。なお、このようなトナー量の計算方法については、先に挙げた特許文献1に詳述しているのでここでは説明を省略する。
【0048】
次いで、エンジンコントローラ12のメモリ127に記憶されている当該現像器4Yのトナー残量Trを読み出す(ステップS13)。
【0049】
さらに、この種の画像形成装置では、白画像、つまり全く印刷ドットを形成しない画像形成動作を実行した場合にも若干のトナーが消費されることが知られている。これは画像形成動作中に現像器4Yから一部の不完全帯電トナーや逆帯電トナーが感光体2上に移動したり、一部のトナーが装置内部へ飛散することによるもので、こうしたトナーが画像に付着するとカブリとして視認されるものである。
【0050】
このような現象によって上記像構成トナーとは別にトナーが失われることに鑑み、このトナー量をオフセット値Todとして設定している。この上記像構成トナーとは別に消費されるトナー量は、当該現像器(ここでは現像器4Y)の駆動時間に対応したものとなるが、シートサイズが一定であれば1枚あたりの現像器駆動時間は通常ほぼ一定であるから、オフセット値をシートサイズ毎に予め定めてメモリ43Yに格納しており、上記図5のオフセット値設定動作により、それらのオフセット値がオフセット値Todとしてメモリ127に格納されている。そこで、本実施形態では、シートSのサイズに対応するオフセット値Todがメモリ127から読み出される(ステップS14)。
【0051】
そして、現在のトナー残量Trから上記で求めた値Tsおよびオフセット値Todを差し引いた値を新たなトナー残量Trとする(ステップS15)。これによって、1枚分の画像を形成した後の新たなトナー残量Trが求められる。この値Trについては、メモリ127に更新記憶しておく(ステップS16)。
【0052】
以上のように、各ドットカウント値C1等と重み付け係数K1等との積和Tsとオフセット値Todとの和(Ts+Tod)が、1枚分の画像形成を行ったときに消費されるトナー量になる。そして、1枚の画像形成を行う毎に消費したトナー量を計算し、その直前までのトナー残量から差し引いてゆくことで、現在(画像形成終了時点)の現像器4Y内のトナー残量Trを求めることができる。
【0053】
なお、この実施形態では、各現像器の当初のトナー収容量から画像1枚毎のトナー消費量を減算してゆくことで各時点における現像器内のトナー残量を求めているが、これは画像1枚毎のトナー消費量を積算することで消費された全トナー量を求めることと原理的に等価であることはいうまでもない。このように、この実施形態では、1枚分の画像形成を行ったときに消費されるトナー量が、本発明の「トナー消費量」に相当する。
【0054】
ここで、この実施形態のように装置本体に対して着脱可能に構成された現像器4Y等においては、各現像器が装置本体から取り外されるのに先立って、上記で求めたその現像器におけるトナー残量Trをメモリ43Y等に記憶させるようにするのが好ましい。そして、装置本体に現像器が装着されたときにはメモリ43Y等に記憶されているその現像器におけるトナー残量を読み出し、上記トナーカウント動作におけるトナー残量Trの初期値として用いるようにすることで、当該現像器の寿命管理が容易となる。もちろん、新品の現像器においては、当該現像器の出荷時におけるトナー装填量を記憶させておけばよい。
【0055】
さらにこの実施形態では、画像形成後のトナー残量Trに基づいて、当該現像器4Yのトナーエンド判定を行っている。すなわち、上記のようにして求めたトナー残量Trと、当該現像器4Yに対して予め設定された最少トナー量Tminとを比較し(ステップS17)、トナー残量Trが最少トナー量Tminを下回っている場合にはトナーエンドと判定し、その旨をメインコントローラ11に報知する(ステップS18)。一方、トナー残量Trが最少トナー量Tmin以上であれば、そのままトナーカウント動作を終了する。
【0056】
この最少トナー量Tminとは、現像器4Yを用いて良好な画像形成を行うために当該現像器4Yに最少限必要なトナーの量である。すなわち、現像器内のトナー量がこの値Tminを下回った状態のまま画像形成を行うと、画像濃度が不足したり画像にカスレを生じるなど重大な画像品質の劣化を招く可能性が高くなる。
そこで、上記のように、トナー残量Trがこの最少トナー量Tminを下回った時点でトナーエンドと判定することにより、現像器4Yの交換時期を的確に把握することが可能である。
【0057】
なお、エンジンコントローラ12からトナーエンドの報知を受けたときのメインコントローラ11の動作については任意である。例えば、ユーザにトナーエンドを知らせるメッセージを図示を省略するディスプレイに表示し、現像器の交換を促すようにすることができる。このとき、さらに画像形成動作を継続して行えるようにしてもよく、また画像形成動作を禁止するようにしてもよい。また、例えば、トナーエンドと判定された現像器がブラック現像器4K以外のものであったときに、ブラックトナーによるモノクロ画像の形成のみを許容するようにしてもよい。
【0058】
以上のように、第1実施形態によれば、各トナー色毎に予め設定された重み付け係数およびオフセット値をメモリ43K、43C、43M、43Yに記憶させておき、現像器が新たに装着されると、係数およびオフセット値を読み出してエンジンコントローラ12のメモリ127に格納しているので、例えば以前のトナーと異なる改良トナーを収容する新しい現像器4K、4C、4M、4Yに交換されたときでも、その使用するトナーの材質や現像器の仕様などに応じた新しい係数およびオフセット値を用いてトナー消費量を算出することになり、常に、トナー消費量を精度良く算出することが可能になる。
【0059】
なお、上記第1実施形態では、トナー消費量算出に関連する関連情報としてオフセット値をメモリ43K、43C、43M、43Yに記憶させているが、これに限られない。例えば、オフセット値を求めるためのオフセット導出用データをトナー消費量算出に関連する関連情報としてメモリ43K、43C、43M、43Yに記憶させてもよい。その場合には、オフセット導出用データとオフセット値との相関関係をエンジンコントローラ12のメモリ127に記憶させておけばよい。例えばオフセット導出用データとしてトナー成分を用いる場合、オフセット導出用データとオフセット値との相関関係として、図7に示すテーブルデータをメモリ127に記憶させておくと、図5のステップS2でメモリ43K、43C、43M、43Yから読み出されたデータがトナー成分P1のときは、ステップS3においてオフセット値Tod1が設定され、トナー成分P2のときはオフセット値Tod2が設定される。
【0060】
また、オフセット導出用データだけでなく、例えば上記図7のオフセット導出用データとオフセット値との相関関係も、トナー消費量算出に関連する関連情報としてメモリ43K、43C、43M、43Yに記憶させてもよい。この形態によれば、例えば同一のトナー成分P1で技術改良により相関関係が変化した場合であっても、その相関関係をメモリ43K、43C、43M、43Yに記憶させておくことにより、例えばオフセット値Tod1と異なる適正なオフセット値Tod1’に設定することができる。
【0061】
(第2実施形態)
第2実施形態では、装置の動作状況の変化などを考慮して、オフセット値Todを適宜変更設定している。また、メモリ43K、43C、43M、43Yは第1実施形態と同様に、トナー消費量算出に関連する関連情報としてオフセット値を記憶しており、現像器4K、4C、4M、4Yが取り外される際に、メモリ43K、43C、43M、43Yのオフセット値を、変更設定したオフセット値に書き換えている。なお、装置構成などは第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。まず、オフセット値Todを適宜変更設定する理由について図8を参照しつつ詳述する。
【0062】
図8はトナーの粒径分布の変化を例示する図である。この種の画像形成装置に用いられるトナーでは、様々な粒径を有するトナー粒子が混在しているため、その粒径分布は一定の広がりを有している。一方、このような粒径分布を有するトナーを用いて画像形成を行うと、トナーの粒径の違いによって消費される確率が異なる、いわゆる選択現像という現象が知られている。
【0063】
この現象については実験的にも確認されている。図8(a)は、現像器内の全トナーのうちその粒径が5μm以下の小粒径トナーが占める割合(体積%)が、画像形成を繰り返し行ったときにどのように変化するかを実測した結果の一例を示すものである。また、図8(b)は、そのときの現像器内に残存するトナーの体積平均粒径の変化を示すものである。図8(a)に示すように、画像形成を長期間にわたって行いトナー消費量が増加するにつれて、小粒径トナーの割合が次第に低下しており、これと対応して、図8(b)に示す体積平均粒径は次第に増加してゆく。このことから、画像形成を行うことによって様々な粒径のトナーが一様に消費されるのではなく、当初は粒径の小さいトナーが優先的に消費されていることがわかる。このように、画像形成を繰り返し、トナー消費量が増えるにつれて、現像器内のトナーの粒径のばらつきの程度、すなわちトナーの粒径分布も次第に変化してゆくこととなる。
【0064】
したがって、カブリ量と実際のトナー消費量との関係についてみると、両者の間には単純な直線関係は成立せず、一般に両者の関係は非線形性を有している。
というのは、上記したように、トナーの粒径分布が変化してゆくため、カブリによるトナー消費量、つまりオフセット値Todも、これに対応して刻々と変化してゆくからである。そのため、オフセット値Todを固定したのでは、トナーの消費量を精度よく算出することは難しい。
【0065】
このように、計算により求めたトナー消費量と実際の値との間にズレが生じると、次のような不具合を来すこととなる。例えば、計算により求めたトナー消費量に基づいてトナーエンドを判定する場合、このようなズレがあると、現像器交換のタイミングを誤ってしまう。すなわち、実際にはまだ十分な量のトナーが残存しているにもかかわらずユーザが現像器を廃棄してしまったり、トナーが残り少ないことに気づかず新しい現像器の手配が遅れてしまうこととなる。また、後述するように、トナー消費量に応じて画像形成条件を調整する場合、的確なタイミングで調整を行うことができず、画像濃度の変動が大きくなってしまう等の問題が生じる。そこで、この第2実施形態では、装置の動作状況やトナーの使用履歴などを考慮してオフセット値Todを適宜変更設定している。
【0066】
図9は第2実施形態のトナーカウント動作を示すフローチャート、図10はオフセット値の変更設定動作を示すフローチャートである。この第2実施形態にかかる画像形成装置では、適当なタイミング、例えば図9に示すトナーカウント動作を実行する毎に、メモリ127に予め記憶されている変更設定プログラムにしたがってCPU124が以下に説明する演算処理を実行してオフセット値Todを画像形成装置の動作状況やトナーの使用履歴に応じて変更設定している。図9のステップS21〜S23,S25〜S28は、それぞれ、図6のステップS11〜S13,S15〜S18と同一である。図9のステップS24において、図10に示すオフセット値の変更設定サブルーチンが実行される。
【0067】
図10において、まず、画像形成装置の動作状況やトナーの使用履歴を求めるべく、メモリ127から総印字枚数Cpを読み出す(ステップS31)。そして、ステップS32、S33を実行して総印字枚数Cpがどの区分に入っているのかを判断する。ここでは、2つの判断基準Cp1、Cp2(ただし、Cp1<Cp2)に基づき3つの区分、
・ 0≦Cp≦Cp1
・Cp1<Cp≦Cp2
・Cp2<Cp
を設定している。
【0068】
そして、総印字枚数Cpが第1の区分(0≦Cp≦Cp1)に入っていると判断した際(ステップS32で「NO」)には、オフセット値Todを第1の区分に対応する値Tod11に設定する(ステップS34)。また、総印字枚数Cpが第2の区分(Cp1<Cp≦Cp2)に入っていると判断した際(ステップS33で「NO」)には、オフセット値Todを第2の区分に対応する値Tod12に設定する(ステップS15)。さらに、総印字枚数Cpが第3の区分(Cp2<Cp)に入っていると判断した際(ステップS33で「YES」)には、オフセット値Todを第3の区分に対応する値Tod13に設定する(ステップS36)。
【0069】
これらの3種類のオフセット値の候補値Tod11〜Tod13については、実験やシミュレーションなどに基づき予め求めておき、メモリ127に記憶しておけばよい。この場合、図11に示すように、総印字枚数Cpとオフセット値Todとの相関関係をテーブル形式で記憶しておいてもよい。また、総印字枚数Cpとオフセット値Todとの相関関係を関数化するとともに該関数をメモリ127に記憶しておき、総印字枚数Cpに対応するオフセット値Todを関数より求めるようにしてもよい。
【0070】
なお、上記図10では、装置の動作状況やトナーの使用履歴を直接的または間接的に示す値として、総印字枚数Cpを用いているが、これ以外に装置の動作状況などを示す値として感光体2の累積回転数、現像器4K、4C、4M、4Yの現像ローラ40K、40C、40M、40Yの累積回転数、中間転写ベルト71の累積回転数(垂直同期信号Vsyncのカウント値)、所定の単位で求められるトナー消費量を積算した積算値(つまりトナー消費量の総量)、ならびに現像器4K、4C、4M、4Yに残留するトナー残量Trなどがあり、これらを用いるようにしてもよい。
【0071】
また、上記図10では、総印字枚数Cpのみに基づきオフセット値Todを変更設定しているが、これに加えて上記した累積値や累積回転数などと組み合わせてオフセット値Todを変更設定するようにしてもよい。要するに、総印字枚数Cpや感光体2の累積回転数などの値、つまり装置の動作状況やトナーの使用履歴を示す複数の値のうち2つ以上を適宜組み合わせ、それらに基づきオフセット値Todを変更設定してもよい。例えば、感光体2の累積回転数と、現像ローラの累積回転数とを組み合わせたり、トナー消費量の積算値とトナー残量とを組み合わせることができる。このように複数の値を組み合わせることで、装置の動作状況やトナーの使用履歴をより一層反映したオフセット値Todを求めることができ、トナー消費量をより高い精度で求めることができる。
【0072】
図12は画像形成条件調整動作を示すフローチャートである。この動作が上記図10と大きく相違する点は、画像形成条件が調整された場合にオフセット値Todを画像形成条件の最適値に応じて変更設定している点であり、その他の構成は基本的に上記図10と同様である。そこで、この相違点を図12を参照しつつ以下に詳述する。
【0073】
この画像形成条件調整動作は、装置の電源投入直後や画像形成枚数が所定枚数に達したときなど所定のタイミングで、画像形成条件を調整して画像濃度を目標濃度に制御するためのものである。この実施形態では、画像濃度に影響を与える濃度制御因子としての現像バイアスを多段階に変更設定しながら所定パターンのパッチ画像を形成する(ステップS41)。次に、中間転写ベルト71上に転写された各パッチ画像がパッチセンサPSとの対向位置に搬送されてくるタイミングで、それぞれの画像濃度をパッチセンサPSにより検出し(ステップS42)、画像濃度と現像バイアスとの相関関係を求める。そして、こうして求めた相関関係に基づいて、画像濃度が目標濃度と一致するような現像バイアスの値を算出し、その値を現像バイアスの最適値とする(ステップS43)。
【0074】
こうして現像バイアスの最適値が求まると、以後は現像バイアスをこの最適値に設定しながら画像形成を実行することにより、目標の画像濃度での画像形成を行うことができる。なお、このような濃度制御技術については従来より多くの技術が提案されており、本発明においてもこれらの公知技術をはじめとする任意の技術を適用することができるので、ここでは詳しい説明を省略する。
【0075】
ところで、こうした画像形成条件調整動作により画像形成条件が変更設定されると、カブリ量が変化することがあるため、この実施形態では現像バイアスの最適化を実行した後には、その現像バイアスの最適値に対応する値をオフセット値Todとして設定する(ステップS44)。ここでは、種々の現像バイアスに対応するオフセット値を、実験やシミュレーションなどに基づき予め求めておき、メモリ127に記憶しておけばよい。また、現像バイアスとオフセット値Todとの関係を関数化するとともに該関数をメモリ127に記憶しておき、現像バイアスの最適値に対応するオフセット値Todを関数より求めるようにしてもよい。
【0076】
なお、図12では、画像形成条件として現像バイアスを採用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、例えば帯電バイアスや露光エネルギーなどの画像形成条件を最適化する画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。特に、カブリ量は、帯電ユニット3により帯電された感光体2の表面電位と現像バイアスとの差、いわゆる逆コントラスト電位に大きく影響されるため、上記したように画像形成条件としての現像バイアスの最適化する装置、画像形成条件として帯電バイアスを最適化する装置、あるいは画像形成条件として現像バイアスおよび帯電バイアスの両方を最適化する装置に本発明を適用するのが最も好適である。
【0077】
図13は取外し準備動作を示すフローチャートである。上述したように、この画像形成装置では、各現像器4K、4C、4M、4Yが装置本体に対して個別に着脱可能に構成されている。そこで、操作表示パネル10(図1)の操作により現像器4K、4C、4M、4Yの取外しが指示されると、エンジンコントローラ12のCPU124は、メモリ127に格納されている取外しプログラムに従って、図13の取外し準備動作を実行している。すなわち、図13の取外し準備動作では、まず、操作表示パネル10の操作により現像器4K、4C、4M、4Yの取外しが指示されたか否かを判定している(ステップS51)。
【0078】
そして、取外しが指示されていなければ(ステップS51でNO)、このルーチンを終了する一方、現像器4K、4C、4M、4Yの取外しが指示されると(ステップS51でYES)、現像ユニット4を回転駆動し、当該取外しが指示された現像器のユニット側通信部42K、42C、42M、42Yを、本体側通信部128と通信可能な位置に移動させて、その対応するメモリ43K、43C、43M、43Yに、現在のデータ(ここではオフセット値)を書き込む(ステップS52)。すなわち、オフセット値が変更設定されていなければ同一値が書き込まれ、変更設定されていれば、その変更された値に書き換えられる。次いで、現像ユニット4をさらに回転駆動し、取外しが指示された現像器を装置本体から取外し可能な所定の位置に移動させる(ステップS53)。
【0079】
以上のように、第2実施形態によれば、トナーの性質の経時変化を装置の動作状況やトナーの使用履歴と対応させ、オフセット値Todを適宜変更設定しているので、トナーの性質が変化したとしても、それに応じたオフセット値Todを設定することができる。その結果、トナー消費量を精度良く求めることができる。また、画像形成条件の最適化を行うごとにオフセット値を画像形成条件に対応する値に変更設定しているので、画像形成条件が変化した場合であっても、常に画像形成条件に対応したオフセット値が設定されることとなり、トナー消費量を精度良く求めることができる。
【0080】
また、第2実施形態によれば、現像器4K、4C、4M、4Yの取外しが指示されると、現在のオフセット値を現像器4K、4C、4M、4Yのメモリ43K、43C、43M、43Yに書き込むようにしているので、オフセット値Todが変更設定された場合でも、その変更設定されたオフセット値に書き換えることができる。また、この第2実施形態においても、現像器が装着されたときは、図5のオフセット値設定動作を実行する。これによって、一旦取り外された現像器が再び装着されたときは、その書き換えられたオフセット値Todを用いてトナー消費量を算出することとなり、継続して、トナー消費量を精度良く求めることが可能になる。
【0081】
なお、上記第2実施形態では、トナー消費量算出に関連する関連情報としてオフセット値をメモリ43K、43C、43M、43Yに記憶させているが、これに限られない。例えば、トナー消費量算出に関連する関連情報として、装置の動作状況やトナーの使用履歴を示すデータ(例えば総印字枚数Cp)や現在の画像形成条件の最適値からなるオフセット導出用データをメモリ43K、43C、43M、43Yに記憶させておき、現像器4K、4C、4M、4Yを取り外す際に、このオフセット導出用データを最新のデータに書き換えるようにしてもよい。
この場合には、オフセット導出用データとオフセット値との相関関係をメモリ127に記憶しておくと、一旦取り外された現像器が再び装着されたときは、その書き換えられたオフセット導出用データに基づき上記相関関係に従ってトナー消費量を算出することとなり、継続してトナー消費量を精度良く求めることができる。
【0082】
また、オフセット導出用データだけでなく、オフセット導出用データとオフセット値との相関関係も、メモリ43K、43C、43M、43Yに記憶させておくようにしてもよい。これによって、相関関係が変化するような改良トナーを収容した現像器が装着された場合でも、継続してトナー消費量を精度良く求めることができる。メモリ127またはメモリ43K、43C、43M、43Yに記憶する上記相関関係は、上記図11のようなテーブル形式で記憶しても、関数で記憶してもよい。
【0083】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記した実施形態では、ドットカウンタ200を独立した機能ブロックとして構成しているが、例えば、ドットカウンタを、メインコントローラ11またはエンジンコントローラ12のいずれかに設けたCPUで実行されるプログラムとしてソフトウェア上で実現するようにしてもよい。
【0084】
また、例えば、上記した実施形態では、通常の画像形成動作において1枚分の画像を形成する毎にトナー消費量を求めているが、本発明の「所定の単位」は、これに限定されるものでなく任意である。例えば、複数枚の画像に対応する画像形成要求があったときには、それら全ての画像を形成した後や所定枚数の画像を形成する毎にトナー消費量を求めるようにしてもよい。
【0085】
また、例えば、上記した実施形態では、トナー残量Trが最少トナー量Tminを下回ったときにトナーエンドと判定するように構成されているが、計算により求めたトナー消費量またはトナー残量に基づいて、他の制御を行うことが可能である。例えば、上記した画像形成条件調整動作を実行するタイミングをトナー残量に基づいて決定するようにしてもよい。すなわち、トナー残量が所定値に達したときに画像形成条件調整動作を実行するようにしてもよい。現像器内のトナー特性は次第に変化してゆき、これに伴って画像濃度も変動することがあるから、トナー残量の多少によって画像形成条件調整動作の実行タイミングを決定することは、画像濃度の安定を図る上で有効である。また、例えば、クリーニング部5のクリーニングブレード51により感光体2から除去されてクリーニング部5の廃トナータンク(図示省略)に回収されたトナーの量を、消費されたトナーの総量から推定し、その値に基づいて廃トナータンクの空き容量を見積もるようにしてもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、中間転写ベルト71を備えた画像形成装置に本発明を適用しているが、中間転写ドラムや中間転写シートなどを備えた画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。また、上記実施形態は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のトナーを用いてフルカラー画像を形成可能に構成された画像形成装置であるが、使用するトナー色およびその色数はこれに限定されるものでなく任意であり、例えばブラックトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する装置に対しても本発明を適用することが可能である。
【0087】
さらに、上記実施形態では、装置外部から画像データを受信し、その画像データに対応した画像信号に基づき画像形成動作を実行するプリンタに本発明を適用しているが、ユーザの画像形成要求、例えばコピーボタンの押動に応じて装置内部で画像信号を作成し、その画像信号に基づき画像形成動作を実行する複写機や、通信回線を介して与えられた画像データを受信して画像形成動作を実行するファクシミリ装置に対しても本発明を適用可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図。
【図2】図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図。
【図3】ドットカウンタの構成を示すブロック図。
【図4】ドットカウンタによるカウント手順を説明するための図。
【図5】オフセット値設定動作を示すフローチャート。
【図6】トナーカウント動作を示すフローチャート。
【図7】メモリに記憶する相関関係の一例を示す図。
【図8】トナーの粒径分布の変化を例示する図。
【図9】第2実施形態のトナーカウント動作を示すフローチャート。
【図10】オフセット値の変更設定動作を示すフローチャート。
【図11】メモリに記憶する相関関係の一例を示す図。
【図12】画像形成条件調整動作を示すフローチャート。
【図13】取外し準備動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
4K、4C、4M、4Y…現像器(トナー収容部)、12…エンジンコントローラ(消費量算出手段、書換手段)、43K、43C、43M、43Y…メモリ(記憶手段)、124…CPU(消費量算出手段、書換手段)、127…メモリ、Cp…総印字枚数
【発明の属する技術分野】
この発明は、トナー像を形成する画像形成装置において、所定の単位で該トナー像を形成した際に消費されるトナー消費量を求める技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トナーを使用して画像を形成するプリンタ、複写機およびファクシミリ装置などの画像形成装置においては、トナー補給などメンテナンスの都合上、トナー消費量あるいはトナー収容部に残留するトナー残量を把握する必要がある。そこで、本件出願人は、所定の単位(例えば1頁単位やジョブ単位など)でトナー像を形成した際に消費されるトナー量を、簡単な構成で精度よく求めることのできるトナー消費量検出方法および装置をすでに開示している(特許文献1参照)。この検出方法および装置においては、印刷ドットの値とトナー消費量の関係が非線形で、しかも当該印刷ドットに隣接する印刷ドットの状態によっても変化することに鑑み、印刷ドット列を孤立ドット、2連続ドット、中間値ドットの3つのパターンに分け、これらのパターン毎にその形成個数を計数し、それらの計数値と予め設定された係数との乗算値に基づいてトナー像を構成するトナー(本発明の「像構成トナー」に相当する)の総量を求めている。
【0003】
さらに、トナー像を形成する際に像構成トナーとは別に消費されるトナーが存在することを考慮して上記総量にオフセット値(固有値)を加算し、この値をトナー消費量としている。すなわち、従来より周知のように、白画像、つまり全く印刷ドットを形成しない画像形成動作を実行した場合にも、いわゆるカブリが発生して若干のトナーが消費されるため、このトナー消費分を加算することでトナー消費量の算出精度の向上を図っている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−174929号公報(第3頁および第4頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の画像形成装置では、トナー収容部はカートリッジ化されて装置本体に対して着脱可能に構成されており、ユーザ自身が上記カートリッジを交換することでトナー補給を行うようになっている。ここで、以前のトナーと同じトナーが収容された新しいトナー収容部に交換する場合には、上記係数やオフセット値などのトナー消費量算出に関連するデータは同一であるので問題が生じることはない。
【0006】
これに対して、画質向上や長寿命化などのためにトナーの材料や仕様を変更した改良トナーが収容された新しいトナー収容部に交換する場合には、上記トナー消費量算出に関連するデータの変更が必要になることも考えられるが、上述したようにトナー収容部の交換にはサービスマンが介在しないため、装置本体のメモリに上記トナー消費量算出に関連するデータを記憶していたのでは、たとえ書換え可能なメモリを採用していてもデータを変更することができず、結果としてトナー消費量を精度よく求めることができなくなる。なお、ユーザにメモリの書換えを要求するのは、データの入力ミスの可能性もあり現実的ではない。
【0007】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、トナー収容部が着脱可能に構成された画像形成装置において、トナー消費量算出に関連するデータの変更が必要になった場合でも、トナー像形成によって消費される所定の単位でのトナー量を精度よく求めることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するため、装置本体に対して着脱可能に設けられたトナー収容部に収容されたトナーを用いてトナー像を形成するとともに、所定の単位で該トナー像を形成した際に消費されるトナー消費量を求める画像形成装置において、前記トナー収容部に設けられ、該トナー収容部が収容するトナーのトナー消費量算出に関連する関連情報を記憶する記憶手段と、前記装置本体に装着されている前記トナー収容部の前記記憶手段に記憶されている関連情報を用いて、前記トナー消費量を算出する消費量算出手段と
を備えたことを特徴としている。
【0009】
また、この発明にかかるトナー消費量の算出方法は、上記目的を達成するため、トナー収容部に収容されているトナーのトナー消費量算出に関連する関連情報を、前記トナー収容部に設けられた記憶手段に記憶させる工程と、前記トナー収容部を装置本体に装着して該トナー収容部のトナーを用いてトナー像を形成するとともに、所定の単位で該トナー像を形成した際に消費されるトナー消費量を前記記憶手段に記憶されている関連情報を用いて算出する工程とを備えたことを特徴としている。
【0010】
これらの構成によれば、装置本体に着脱可能なトナー収容部に記憶手段が設けられており、その記憶手段は、トナー収容部が収容するトナーのトナー消費量算出に関連する関連情報を記憶している。そして、装置本体に装着されているトナー収容部の記憶手段に記憶されている関連情報を用いて、トナー像を形成した際に消費されるトナー消費量が算出される。従って、例えば以前のトナーと異なる改良トナーを収容する新しいトナー収容部に交換された場合でも、その改良トナーのトナー消費量算出に関連する関連情報を用いてトナー消費量を算出することになるので、常に、トナー消費量を精度よく算出することができる。
【0011】
また、前記消費量算出手段は、前記トナー像を構成する像構成トナーの総量を求め、その求めた総量に、前記トナー像を形成する際に前記像構成トナーとは別に消費されるトナー量をオフセット値として加算することにより前記トナー消費量を算出するものであって、しかも、前記オフセット値を前記関連情報に基づき設定するとしてもよい。ここで、「トナー像を形成する際に像構成トナーとは別に消費されるトナー量」とは、例えばいわゆるカブリトナー量が含まれ、使用されるトナーの材質やトナー収容部の仕様などに応じて異なるものであるが、上記構成によれば、関連情報に基づき設定したオフセット値として、上記トナー量を加算しているので、トナー消費量を簡単に、かつ精度よく算出することができる。この場合、前記トナー収容部に対応するオフセット値を前記関連情報として記憶手段に記憶させておくと、より簡単に、トナー消費量を算出することができる。
【0012】
また、前記記憶手段は、前記オフセット値を求めるためのオフセット導出用データを前記関連情報として記憶しており、前記消費量算出手段は、前記オフセット導出用データに基づき前記オフセット値を設定するようにしてもよい。この構成によれば、例えばオフセット導出用データの変化によりオフセット値を変更設定する必要が生じた場合でも、その変化したオフセット導出用データに基づきオフセット値を設定することによりオフセット値が変更設定され、これによってトナー消費量を精度良く算出することができる。この場合には、オフセット導出用データとオフセット値との相関関係を消費量算出手段が保持しておくと、オフセット導出用データが変化したときに、確実にオフセット値を変更設定することができる。
【0013】
これに対して、記憶手段に、さらに、オフセット導出用データとオフセット値との相関関係を関連情報として記憶させておくようにすると、例えば以前のトナーと異なる改良トナーを収容する新しいトナー収容部に交換され、相関関係が変化した場合でも、その新しい相関関係に従ってオフセット導出用データに基づきオフセット値を設定することができ、これによってトナー消費量を精度良く算出することができる。
【0014】
また、前記消費量算出手段は、前記トナー像を構成する印刷ドットの数をカウントし、そのカウント値と係数との乗算値に基づき前記像構成トナーの総量を算出するものであって、しかも、前記係数を前記関連情報に基づき設定するとしてもよい。上記係数は、使用されるトナーの材質やトナー収容部の仕様などに応じて異なるものであるが、上記構成によれば、係数を関連情報に基づき設定しているので、例えば以前のトナーと異なる改良トナーを収容する新しいトナー収容部に交換された場合でも、常に、トナー消費量を精度よく算出することができる。
この場合、前記トナー収容部に対応する係数を前記関連情報として記憶手段に記憶させておくと、より簡単に、トナー消費量を算出することができる。
【0015】
また、装置の動作状況が変化すると、前記記憶手段に記憶されている関連情報を書き換える書換手段をさらに備えるようにすると、装置の動作状況の変化によって関連情報の変更が必要になった場合には、書換手段により関連情報を書き換えることにより、装置の動作状況に応じた関連情報に変更することができる。
【0016】
また、この構成において、前記消費量算出手段は、前記トナー像を構成する像構成トナーの総量を求め、その求めた総量に、前記トナー像を形成する際に前記像構成トナーとは別に消費されるトナー量をオフセット値として加算することにより前記トナー消費量を算出するものであって、しかも、前記関連情報に基づき、前記装置の動作状況の変化に応じて、前記オフセット値を変更設定するとしてもよい。
【0017】
この構成によれば、関連情報に基づき、装置の動作状況の変化に応じて、オフセット値が変更設定されることにより、装置の動作状況が変化しても、常に、トナー消費量を精度よく求めることが可能になる。特に、装置の動作状況が変化した後にトナー収容部が取り外され、その後再び装着された場合でも、装置の動作状況が変化したときに関連情報を書き換えておくことにより、継続して、トナー消費量を精度よく求めることができる。
【0018】
また、前記トナー像を形成するための画像形成条件が変更設定されると、前記記憶手段に記憶されている関連情報を書き換える書換手段をさらに備えるようにすると、画像形成条件が変更設定されることによって関連情報の変更が必要になった場合には、書換手段により関連情報を書き換えることにより、画像形成条件に応じた関連情報に変更することができる。
【0019】
また、この構成において、前記消費量算出手段は、前記トナー像を構成する像構成トナーの総量を求め、その求めた総量に、前記トナー像を形成する際に前記像構成トナーとは別に消費されるトナー量をオフセット値として加算することにより前記トナー消費量を算出するものであって、しかも、前記関連情報に基づき、前記画像形成条件の変更設定に応じて、前記オフセット値を変更設定するとしてもよい。
【0020】
この構成によれば、関連情報に基づき、画像形成条件の変更設定に応じて、オフセット値が変更設定されることにより、画像形成条件が変更設定されても、常に、トナー消費量を精度よく求めることが可能になる。特に、画像形成条件が変更設定された後にトナー収容部が取り外され、その後再び装着された場合でも、画像形成条件が変更設定されたときに関連情報を書き換えておくことにより、継続して、トナー消費量を精度よく求めることができる。
【0021】
また、前記トナー収容部の取外しが指示されると、該トナー収容部の取外しを可能にするための取外し準備動作を行う画像形成装置であって、前記書換手段は、前記取外し準備動作として前記関連情報の書換えを行うようにしてもよい。この構成によれば、装置の動作状況の変化や画像形成条件の変更設定によって関連情報の変更が必要になった後にトナー収容部が取り外され、その後再び装着された場合でも、トナー収容部が取り外される前に関連情報の書換えが行われるので、再び装着された後は、書き換えられた関連情報を用いることにより、確実に継続してトナー消費量を精度よく求めることができる。
【0022】
また、それぞれが互いに異なる色のトナーを収容する複数の前記トナー収容部が、前記装置本体に装着され、前記複数のトナー色のそれぞれについてトナー像を形成するとともに、これらの複数色のトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成装置であって、前記消費量算出手段は、前記複数色の各々について、該トナー色のトナー消費量を算出するにあたり該トナー色に対応するトナー収容部の記憶手段に記憶されている関連情報を用いるようにすると、各トナー色について、それぞれトナー消費量を精度良く求めることが可能になる。
【0023】
なお、この発明における「所定の単位」とは、トナー消費量を算出する単位を意味するものであり、例えばトナー像の1頁単位やジョブ単位がこれに含まれる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1はこの発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から印字指令がメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11のCPU111によってエンジンEGの動作指示に適した形式のジョブデータに変換される。そして、メインコントローラ11からのジョブデータに応じてエンジンコントローラ12がエンジンEGの各部を制御して転写紙、複写紙やOHPシートなどのシート(記録媒体)Sにジョブ単位で印字指令に対応する画像を形成する。
【0025】
このエンジンEGでは、感光体2が図1の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体2の周りにその回転方向D1に沿って、感光体2表面を所定の表面電位に帯電させるための帯電ユニット3、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部5がそれぞれ配置されている。帯電ユニット3は帯電バイアス発生部121から帯電バイアスが印加されており、感光体2の外周面を均一に帯電させる。
【0026】
そして、この帯電ユニット3によって帯電された感光体2の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、図2に示すように、露光パワー制御部123と電気的に接続されており、画像信号切換部122を介して与えられる画像信号に応じた変調信号に基づき露光パワー制御部123が露光ユニット6の各部を制御し、光ビームLにより感光体2を露光して感光体2上に画像信号に対応する静電潜像を形成する。
【0027】
例えば、エンジンコントローラ12のCPU124からの指令に基づき、画像信号切換部122がパターン作成モジュール125と導通している際には(後述する画像形成条件調整動作)、パターン作成モジュール125から出力される画像パターンに応じた変調信号が露光パワー制御部123に与えられて静電潜像が形成される。一方、画像信号切換部122がメインコントローラ11のCPU111と導通している際には(後述する通常の画像形成動作)、ホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた印字指令に含まれる画像データに基づき変調信号発生部210により作成された変調信号が露光パワー制御部123に与えられる。そして、その変調信号に基づく光ビームLにより感光体2が露光されて画像信号に対応する静電潜像が感光体2上に形成される。なお、変調方式としては、例えばパルス幅変調(PWM)やパルス振幅変調(PAM)など、種々のパルス変調方式を採用することができる。
【0028】
こうして形成された静電潜像はロータリー現像ユニット4によって顕像化される。すなわち、この実施形態では現像ユニット4として、ブラック用の現像器4K、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびイエロー用の現像器4Yが軸中心に回転自在に設けられている。これらの現像器4K、4C、4M、4Yは、それぞれ、回転しながら表面にトナーを担持する現像ローラ40K、40C、40M、40Yや、トナーを貯留するトナー貯留部41K、41C、41M、41Yなどを備えている。そして、これらの現像器4K、4C、4M、4Yは回転位置決めされるとともに、各現像器4K、4C、4M、4Yの現像ローラ40K、40C、40M、40Yが感光体2に対して選択的に対向位置決めされ、現像バイアス発生部126によって現像バイアスが印加されて選択された色のトナーを現像ローラの表面から感光体2の表面に供給する。これによって、感光体2上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
【0029】
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。さらに、この一次転写領域TR1から周方向(図1の回転方向D1)に進んだ位置には、クリーニング部5が配置されており、一次転写後に感光体2の外周面に残留付着しているトナーをクリーニングブレード51により掻き落とす。また、必要に応じて除電部(図示省略)にて、感光体2の表面電位がリセットされる。
【0030】
転写ユニット7は、複数のローラに掛け渡された中間転写ベルト71と、中間転写ベルト71を回転駆動する駆動部(図示省略)とを備えている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体2上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、所定の二次転写領域TR2において、カセット8から取り出されたシートS上にカラー画像を二次転写する。また、こうしてカラー画像が形成されたシートSは定着ユニット9を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部に搬送される。なお二次転写後、中間転写ベルト71はクリーニング部(図示省略)にて中間転写ベルト71に残留付着しているトナーが除去される。
【0031】
また、中間転写ベルト71の表面に対向してパッチセンサPSが配置されており、後述する画像形成条件調整動作を実行するときには、中間転写ベルト71の外周面に形成されるパッチ画像の光学濃度を測定する。また、パッチセンサPS以外にも、垂直同期センサ72が配置されている。この垂直同期センサ72は、中間転写ベルト71の基準位置を検出するためのセンサであり、中間転写ベルト71の回転駆動に関連して出力される同期信号、つまり垂直同期信号Vsyncを得るための垂直同期センサとして機能する。そして、この装置では、各部の動作タイミングを揃えるとともに各色で形成されるトナー像を正確に重ね合わせるために、装置各部の動作はこの垂直同期信号Vsyncに基づいて制御される。また、この垂直同期信号Vsyncをカウントすることで中間転写ベルト71の累積回転数を求めることができる。
【0032】
また、図1に示すように、装置本体の表面適所には操作表示パネル10が配設されている。この操作表示パネル10は、例えば液晶表示によるタッチパネルからなり、使用者による指示を受け付けるとともに、使用者へのメッセージなどを表示するもので、エンジンコントローラ12のCPU124により制御される。
この実施形態では、ロータリー現像ユニット4の各現像器4K、4C、4M、4Yは、装置本体に対して個別に着脱可能に構成されており、現像器4K、4C、4M、4Yの取外しの指示は、操作表示パネル10の操作によって行われる。
【0033】
また、図2に示すように、各現像器4K、4C、4M、4Yには、それぞれユニット側通信部42K、42C、42M、42Yが設けられ、このユニット側通信部42K、42C、42M、42Yは、それぞれメモリ43K、43C、43M、43Yと電気的に接続されている。このメモリ43K、43C、43M、43Yは、各現像器4K、4C、4M、4Yの製造ロット、内蔵トナーの特性を記憶するとともに、各現像器4K、4C、4M、4Yの使用履歴を記憶する。また、メモリ43K、43C、43M、43Yは、後述するように、トナー消費量算出に関連する関連情報を記憶しており、CPU124により求められたトナー残量などを記憶する。また、装置本体には、CPU124と電気的に接続された本体側通信部128が設けられている。
【0034】
そして、各現像器4K、4C、4M、4Yの現像ローラ40K、40C、40M、40Yが感光体2に対して選択的に対向位置決めされたときに、当該選択現像器のユニット側通信部が、本体側通信部128と所定距離以内、例えば10mm以内に対向配置されるように構成されており、赤外線などの無線通信により互いに非接触状態でデータを送受信可能となっている。これによって、CPU124により当該現像器の装着検出、新品検出や寿命管理等の各種情報の管理が行われる。
【0035】
なお、この実施形態では無線通信等の電磁的手段を用いて非接触にてデータ送受信を行うようにしているが、例えば装置本体および各現像器4K、4C、4M、4Yにそれぞれコネクタを設けておき、各現像器4K、4C、4M、4Yが選択的に感光体2に対向位置決めされると、装置本体のコネクタが現像器側のコネクタと機械的に嵌合することで相互にデータ送受信を行うようにしてもよい。また、メモリ43K、43C、43M、43Yは、電源オフ状態や現像器4K、4C、4M、4Yが装置本体から取り外された状態でもそのデータを保存できる不揮発性メモリであることが望ましく、このような不揮発性メモリとしては、例えばフラッシュメモリなどのEEPROMや強誘電体メモリ(Ferroelectric RAM)などを採用することができる。このように、この実施形態では、メモリ43K、43C、43M、43Yが本発明の「記憶手段」に相当する。
【0036】
また、図2において、メインコントローラ11に設けられた画像メモリ113は、ホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像データを記憶するためのものである。また、エンジンコントローラ12に設けられたメモリ127は、CPU124が実行する制御プログラムを記憶するROMや、CPU124における演算結果、ならびにエンジンEGを制御するための制御データなどを一時的に記憶するRAMなどからなる。さらに、この画像形成装置のメインコントローラ11には、ドットカウンタ200が設けられている。
【0037】
図3はドットカウンタの構成を示すブロック図である。また、図4はドットカウンタによるカウント手順を説明するための図で、印刷ドットの階調値の一例を示している。このドットカウンタ200は、メインコントローラ11からエンジンコントローラ12に対して出力される画像信号に基づいて、感光体2上に形成される印刷ドットの種類を判別し、その個数をカウントするものである。より具体的には、このドットカウンタ200は、比較回路201、判別回路202および3つのカウンタ203〜205を備えている。
【0038】
図3に示すように、比較回路201にはメインコントローラ11のCPU111からエンジンコントローラ12に与えられる画像信号が入力されている。そして、この比較回路201は、各印刷ドットに対応する画像信号の階調レベルを所定の閾値L1,L2と比較する。閾値L1は階調0(すなわち白画像)に近い値(例えば最大階調MAXの1/63)に設定され、閾値L2は最大階調MAX(すなわちべた画像)に近い値(例えばMAXの48/63)に設定されている。
そして、比較回路201は、階調レベルが閾値L2以上であれば判別回路202に値「11」を出力する一方、階調レベルが閾値L1未満であれば値「00」を出力する。これを受けて、判別回路202が各印刷ドットの連続状態、すなわち対象とする印刷ドットに対して隣接するドットが有るか否かを判別し、その結果に応じた信号を後続のカウンタ203〜205に出力する。
【0039】
判別回路202の動作についてより詳しく説明する。判別回路202は、閾値L2以上の階調レベルを有する印刷ドットを検出したことを示す出力信号「11」が比較回路201から出力される毎に、カウンタ203に対し信号「1」を出力する。そのため、カウンタ203には、閾値L2以上の階調レベルを有する印刷ドットの個数C1が積算される。図4では、印刷ドット1,2,3,6,13が該当し、C1=5となる。
【0040】
また、判別回路202は、閾値L2以上の階調レベルを有する印刷ドットが3個以上連続したときにカウンタ204に対して信号「1」を出力する。したがって、カウンタ204には、3以上の連続ドットの個数C2が積算される。図4では、印刷ドット1〜3が該当し、C2=1となる。
【0041】
さらに、対象となる印刷ドットの左右に閾値L1以上のドットが存在しない、すなわち当該印刷ドットが孤立ドットであったときにカウンタ205に対して信号「1」を出力する。そのため、カウンタ205には、孤立ドットの個数C3が積算される。図4では、印刷ドット6,13が孤立ドットに該当し、C3=2となる。
【0042】
このようにして、各カウンタ203〜205のそれぞれには、高階調印刷ドットの個数C1、そのうちの3以上の連続ドットの個数C2および孤立ドットの個数C3が積算されてゆき、例えば1色のトナー像を1枚形成ごとに、これらの値がメモリ211に格納される。そして、所定のタイミング(例えば4色のトナー像形成終了時やCPU124からのデータ要求時など)で、これらの値がメモリ211からエンジンコントローラ12のCPU124に送信され、必要に応じてメモリ127に格納されて、後述するトナー残量の計算に用いられる。
【0043】
上記のように構成された画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から印字命令が与えられると、当該印字命令に対応した画像を形成する通常の画像形成動作が実行される。具体的には、外部装置からの画像形成要求である印字命令と、形成すべき画像の内容に対応する画像データとがインターフェース112を介してメインコントローラ11に入力される。メインコントローラ11のCPU111は、受信した画像データを各トナー色毎に分解するとともに、多段階の階調レベルを有する画像信号に展開し、その画像信号を変調信号発生部210を介してエンジンコントローラ12に出力する。これを受けてエンジンコントローラ12のCPU124はエンジンEG各部を制御して上記した一連の画像形成動作を実行し、こうすることで所望の画像がシートS上に形成される。なお、このとき、画像信号切換部122は、CPU124からの指令に応じて、メインコントローラ11からの画像信号が露光パワー制御部123に送られるような接続となっている。
【0044】
図5はオフセット値設定動作を示すフローチャートである。この画像形成装置では、各現像器4K、4C、4M、4Yに設けられたメモリ43K、43C、43M、43Yは、各現像器4K、4C、4M、4Yのトナー消費量算出に関連する関連情報として、図6を参照して後述するように、係数およびオフセット値を記憶している。そこで、エンジンコントローラ12のCPU124は、メモリ127に格納されているオフセット値設定プログラムに従って、図5のオフセット値設定動作を実行している。すなわち、図5のオフセット値設定動作では、まず、現像器4K、4C、4M、4Yが新たに装着されたか否かを判定している(ステップS1)。
【0045】
そして、新たに装着されなければ(ステップS1でNO)、このルーチンを終了する一方、画像形成装置の最初の電源投入時や、現像器4K、4C、4M、4Yが一旦取り外された後に再び装着されると、新たに装着されたと判定され(ステップS1でYES)、メモリ43K、43C、43M、43Yに格納されているデータ(この実施形態では係数およびオフセット値)がエンジンコントローラ12のCPU124により読み出される(ステップS2)。そして、読み出された係数がメモリ127に格納されるとともに、読み出されたオフセット値がオフセット値Todとして設定されてメモリ127に格納される。
【0046】
図6は画像形成動作実行時のトナーカウント動作を示すフローチャートである。この画像形成装置では、消耗品管理の便宜を図るため、1枚分の画像を形成する毎にエンジンコントローラ12のCPU124が図6に示すトナーカウント動作を実行し、各トナー色の現像器4Y等のトナー残量を算出している。すなわち、この実施形態では1頁を本発明の「所定の単位」とするとともに、CPU124が本発明の「消費量算出手段」として機能している。なお、ここでは、イエロー色を例として、トナー消費量を求める方法および現像器4Y内のトナー残量を求める方法について説明するが、他のトナー色についてもその動作は同じである。
【0047】
図6のトナーカウント動作では、まずドットカウンタ200による印刷ドットのカウント値C1、C2およびC3を取得する(ステップS11)。そして、これらの値のそれぞれに所定の係数を乗じて合計した値Tsを求める(ステップS12)。すなわち、
Ts=Kx・(K1・C1+K2・C2+K3・C3)
である。ここで、Kx,K1,K2,K3は、各トナー色毎に予め設定された重み付け係数で、図5のオフセット値設定動作によってメモリ43Yから読み出されてメモリ127に格納されたデータである。このように印刷ドットをその連続ドット数毎にグループ分けしてカウントし、それぞれの個数に重み付け係数を乗じて積算することで、像担持体としての感光体2上に形成されたトナー像を構成するトナー、つまり本発明の「像構成トナー」の総量を精度よく求めることができるものである。なお、このようなトナー量の計算方法については、先に挙げた特許文献1に詳述しているのでここでは説明を省略する。
【0048】
次いで、エンジンコントローラ12のメモリ127に記憶されている当該現像器4Yのトナー残量Trを読み出す(ステップS13)。
【0049】
さらに、この種の画像形成装置では、白画像、つまり全く印刷ドットを形成しない画像形成動作を実行した場合にも若干のトナーが消費されることが知られている。これは画像形成動作中に現像器4Yから一部の不完全帯電トナーや逆帯電トナーが感光体2上に移動したり、一部のトナーが装置内部へ飛散することによるもので、こうしたトナーが画像に付着するとカブリとして視認されるものである。
【0050】
このような現象によって上記像構成トナーとは別にトナーが失われることに鑑み、このトナー量をオフセット値Todとして設定している。この上記像構成トナーとは別に消費されるトナー量は、当該現像器(ここでは現像器4Y)の駆動時間に対応したものとなるが、シートサイズが一定であれば1枚あたりの現像器駆動時間は通常ほぼ一定であるから、オフセット値をシートサイズ毎に予め定めてメモリ43Yに格納しており、上記図5のオフセット値設定動作により、それらのオフセット値がオフセット値Todとしてメモリ127に格納されている。そこで、本実施形態では、シートSのサイズに対応するオフセット値Todがメモリ127から読み出される(ステップS14)。
【0051】
そして、現在のトナー残量Trから上記で求めた値Tsおよびオフセット値Todを差し引いた値を新たなトナー残量Trとする(ステップS15)。これによって、1枚分の画像を形成した後の新たなトナー残量Trが求められる。この値Trについては、メモリ127に更新記憶しておく(ステップS16)。
【0052】
以上のように、各ドットカウント値C1等と重み付け係数K1等との積和Tsとオフセット値Todとの和(Ts+Tod)が、1枚分の画像形成を行ったときに消費されるトナー量になる。そして、1枚の画像形成を行う毎に消費したトナー量を計算し、その直前までのトナー残量から差し引いてゆくことで、現在(画像形成終了時点)の現像器4Y内のトナー残量Trを求めることができる。
【0053】
なお、この実施形態では、各現像器の当初のトナー収容量から画像1枚毎のトナー消費量を減算してゆくことで各時点における現像器内のトナー残量を求めているが、これは画像1枚毎のトナー消費量を積算することで消費された全トナー量を求めることと原理的に等価であることはいうまでもない。このように、この実施形態では、1枚分の画像形成を行ったときに消費されるトナー量が、本発明の「トナー消費量」に相当する。
【0054】
ここで、この実施形態のように装置本体に対して着脱可能に構成された現像器4Y等においては、各現像器が装置本体から取り外されるのに先立って、上記で求めたその現像器におけるトナー残量Trをメモリ43Y等に記憶させるようにするのが好ましい。そして、装置本体に現像器が装着されたときにはメモリ43Y等に記憶されているその現像器におけるトナー残量を読み出し、上記トナーカウント動作におけるトナー残量Trの初期値として用いるようにすることで、当該現像器の寿命管理が容易となる。もちろん、新品の現像器においては、当該現像器の出荷時におけるトナー装填量を記憶させておけばよい。
【0055】
さらにこの実施形態では、画像形成後のトナー残量Trに基づいて、当該現像器4Yのトナーエンド判定を行っている。すなわち、上記のようにして求めたトナー残量Trと、当該現像器4Yに対して予め設定された最少トナー量Tminとを比較し(ステップS17)、トナー残量Trが最少トナー量Tminを下回っている場合にはトナーエンドと判定し、その旨をメインコントローラ11に報知する(ステップS18)。一方、トナー残量Trが最少トナー量Tmin以上であれば、そのままトナーカウント動作を終了する。
【0056】
この最少トナー量Tminとは、現像器4Yを用いて良好な画像形成を行うために当該現像器4Yに最少限必要なトナーの量である。すなわち、現像器内のトナー量がこの値Tminを下回った状態のまま画像形成を行うと、画像濃度が不足したり画像にカスレを生じるなど重大な画像品質の劣化を招く可能性が高くなる。
そこで、上記のように、トナー残量Trがこの最少トナー量Tminを下回った時点でトナーエンドと判定することにより、現像器4Yの交換時期を的確に把握することが可能である。
【0057】
なお、エンジンコントローラ12からトナーエンドの報知を受けたときのメインコントローラ11の動作については任意である。例えば、ユーザにトナーエンドを知らせるメッセージを図示を省略するディスプレイに表示し、現像器の交換を促すようにすることができる。このとき、さらに画像形成動作を継続して行えるようにしてもよく、また画像形成動作を禁止するようにしてもよい。また、例えば、トナーエンドと判定された現像器がブラック現像器4K以外のものであったときに、ブラックトナーによるモノクロ画像の形成のみを許容するようにしてもよい。
【0058】
以上のように、第1実施形態によれば、各トナー色毎に予め設定された重み付け係数およびオフセット値をメモリ43K、43C、43M、43Yに記憶させておき、現像器が新たに装着されると、係数およびオフセット値を読み出してエンジンコントローラ12のメモリ127に格納しているので、例えば以前のトナーと異なる改良トナーを収容する新しい現像器4K、4C、4M、4Yに交換されたときでも、その使用するトナーの材質や現像器の仕様などに応じた新しい係数およびオフセット値を用いてトナー消費量を算出することになり、常に、トナー消費量を精度良く算出することが可能になる。
【0059】
なお、上記第1実施形態では、トナー消費量算出に関連する関連情報としてオフセット値をメモリ43K、43C、43M、43Yに記憶させているが、これに限られない。例えば、オフセット値を求めるためのオフセット導出用データをトナー消費量算出に関連する関連情報としてメモリ43K、43C、43M、43Yに記憶させてもよい。その場合には、オフセット導出用データとオフセット値との相関関係をエンジンコントローラ12のメモリ127に記憶させておけばよい。例えばオフセット導出用データとしてトナー成分を用いる場合、オフセット導出用データとオフセット値との相関関係として、図7に示すテーブルデータをメモリ127に記憶させておくと、図5のステップS2でメモリ43K、43C、43M、43Yから読み出されたデータがトナー成分P1のときは、ステップS3においてオフセット値Tod1が設定され、トナー成分P2のときはオフセット値Tod2が設定される。
【0060】
また、オフセット導出用データだけでなく、例えば上記図7のオフセット導出用データとオフセット値との相関関係も、トナー消費量算出に関連する関連情報としてメモリ43K、43C、43M、43Yに記憶させてもよい。この形態によれば、例えば同一のトナー成分P1で技術改良により相関関係が変化した場合であっても、その相関関係をメモリ43K、43C、43M、43Yに記憶させておくことにより、例えばオフセット値Tod1と異なる適正なオフセット値Tod1’に設定することができる。
【0061】
(第2実施形態)
第2実施形態では、装置の動作状況の変化などを考慮して、オフセット値Todを適宜変更設定している。また、メモリ43K、43C、43M、43Yは第1実施形態と同様に、トナー消費量算出に関連する関連情報としてオフセット値を記憶しており、現像器4K、4C、4M、4Yが取り外される際に、メモリ43K、43C、43M、43Yのオフセット値を、変更設定したオフセット値に書き換えている。なお、装置構成などは第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。まず、オフセット値Todを適宜変更設定する理由について図8を参照しつつ詳述する。
【0062】
図8はトナーの粒径分布の変化を例示する図である。この種の画像形成装置に用いられるトナーでは、様々な粒径を有するトナー粒子が混在しているため、その粒径分布は一定の広がりを有している。一方、このような粒径分布を有するトナーを用いて画像形成を行うと、トナーの粒径の違いによって消費される確率が異なる、いわゆる選択現像という現象が知られている。
【0063】
この現象については実験的にも確認されている。図8(a)は、現像器内の全トナーのうちその粒径が5μm以下の小粒径トナーが占める割合(体積%)が、画像形成を繰り返し行ったときにどのように変化するかを実測した結果の一例を示すものである。また、図8(b)は、そのときの現像器内に残存するトナーの体積平均粒径の変化を示すものである。図8(a)に示すように、画像形成を長期間にわたって行いトナー消費量が増加するにつれて、小粒径トナーの割合が次第に低下しており、これと対応して、図8(b)に示す体積平均粒径は次第に増加してゆく。このことから、画像形成を行うことによって様々な粒径のトナーが一様に消費されるのではなく、当初は粒径の小さいトナーが優先的に消費されていることがわかる。このように、画像形成を繰り返し、トナー消費量が増えるにつれて、現像器内のトナーの粒径のばらつきの程度、すなわちトナーの粒径分布も次第に変化してゆくこととなる。
【0064】
したがって、カブリ量と実際のトナー消費量との関係についてみると、両者の間には単純な直線関係は成立せず、一般に両者の関係は非線形性を有している。
というのは、上記したように、トナーの粒径分布が変化してゆくため、カブリによるトナー消費量、つまりオフセット値Todも、これに対応して刻々と変化してゆくからである。そのため、オフセット値Todを固定したのでは、トナーの消費量を精度よく算出することは難しい。
【0065】
このように、計算により求めたトナー消費量と実際の値との間にズレが生じると、次のような不具合を来すこととなる。例えば、計算により求めたトナー消費量に基づいてトナーエンドを判定する場合、このようなズレがあると、現像器交換のタイミングを誤ってしまう。すなわち、実際にはまだ十分な量のトナーが残存しているにもかかわらずユーザが現像器を廃棄してしまったり、トナーが残り少ないことに気づかず新しい現像器の手配が遅れてしまうこととなる。また、後述するように、トナー消費量に応じて画像形成条件を調整する場合、的確なタイミングで調整を行うことができず、画像濃度の変動が大きくなってしまう等の問題が生じる。そこで、この第2実施形態では、装置の動作状況やトナーの使用履歴などを考慮してオフセット値Todを適宜変更設定している。
【0066】
図9は第2実施形態のトナーカウント動作を示すフローチャート、図10はオフセット値の変更設定動作を示すフローチャートである。この第2実施形態にかかる画像形成装置では、適当なタイミング、例えば図9に示すトナーカウント動作を実行する毎に、メモリ127に予め記憶されている変更設定プログラムにしたがってCPU124が以下に説明する演算処理を実行してオフセット値Todを画像形成装置の動作状況やトナーの使用履歴に応じて変更設定している。図9のステップS21〜S23,S25〜S28は、それぞれ、図6のステップS11〜S13,S15〜S18と同一である。図9のステップS24において、図10に示すオフセット値の変更設定サブルーチンが実行される。
【0067】
図10において、まず、画像形成装置の動作状況やトナーの使用履歴を求めるべく、メモリ127から総印字枚数Cpを読み出す(ステップS31)。そして、ステップS32、S33を実行して総印字枚数Cpがどの区分に入っているのかを判断する。ここでは、2つの判断基準Cp1、Cp2(ただし、Cp1<Cp2)に基づき3つの区分、
・ 0≦Cp≦Cp1
・Cp1<Cp≦Cp2
・Cp2<Cp
を設定している。
【0068】
そして、総印字枚数Cpが第1の区分(0≦Cp≦Cp1)に入っていると判断した際(ステップS32で「NO」)には、オフセット値Todを第1の区分に対応する値Tod11に設定する(ステップS34)。また、総印字枚数Cpが第2の区分(Cp1<Cp≦Cp2)に入っていると判断した際(ステップS33で「NO」)には、オフセット値Todを第2の区分に対応する値Tod12に設定する(ステップS15)。さらに、総印字枚数Cpが第3の区分(Cp2<Cp)に入っていると判断した際(ステップS33で「YES」)には、オフセット値Todを第3の区分に対応する値Tod13に設定する(ステップS36)。
【0069】
これらの3種類のオフセット値の候補値Tod11〜Tod13については、実験やシミュレーションなどに基づき予め求めておき、メモリ127に記憶しておけばよい。この場合、図11に示すように、総印字枚数Cpとオフセット値Todとの相関関係をテーブル形式で記憶しておいてもよい。また、総印字枚数Cpとオフセット値Todとの相関関係を関数化するとともに該関数をメモリ127に記憶しておき、総印字枚数Cpに対応するオフセット値Todを関数より求めるようにしてもよい。
【0070】
なお、上記図10では、装置の動作状況やトナーの使用履歴を直接的または間接的に示す値として、総印字枚数Cpを用いているが、これ以外に装置の動作状況などを示す値として感光体2の累積回転数、現像器4K、4C、4M、4Yの現像ローラ40K、40C、40M、40Yの累積回転数、中間転写ベルト71の累積回転数(垂直同期信号Vsyncのカウント値)、所定の単位で求められるトナー消費量を積算した積算値(つまりトナー消費量の総量)、ならびに現像器4K、4C、4M、4Yに残留するトナー残量Trなどがあり、これらを用いるようにしてもよい。
【0071】
また、上記図10では、総印字枚数Cpのみに基づきオフセット値Todを変更設定しているが、これに加えて上記した累積値や累積回転数などと組み合わせてオフセット値Todを変更設定するようにしてもよい。要するに、総印字枚数Cpや感光体2の累積回転数などの値、つまり装置の動作状況やトナーの使用履歴を示す複数の値のうち2つ以上を適宜組み合わせ、それらに基づきオフセット値Todを変更設定してもよい。例えば、感光体2の累積回転数と、現像ローラの累積回転数とを組み合わせたり、トナー消費量の積算値とトナー残量とを組み合わせることができる。このように複数の値を組み合わせることで、装置の動作状況やトナーの使用履歴をより一層反映したオフセット値Todを求めることができ、トナー消費量をより高い精度で求めることができる。
【0072】
図12は画像形成条件調整動作を示すフローチャートである。この動作が上記図10と大きく相違する点は、画像形成条件が調整された場合にオフセット値Todを画像形成条件の最適値に応じて変更設定している点であり、その他の構成は基本的に上記図10と同様である。そこで、この相違点を図12を参照しつつ以下に詳述する。
【0073】
この画像形成条件調整動作は、装置の電源投入直後や画像形成枚数が所定枚数に達したときなど所定のタイミングで、画像形成条件を調整して画像濃度を目標濃度に制御するためのものである。この実施形態では、画像濃度に影響を与える濃度制御因子としての現像バイアスを多段階に変更設定しながら所定パターンのパッチ画像を形成する(ステップS41)。次に、中間転写ベルト71上に転写された各パッチ画像がパッチセンサPSとの対向位置に搬送されてくるタイミングで、それぞれの画像濃度をパッチセンサPSにより検出し(ステップS42)、画像濃度と現像バイアスとの相関関係を求める。そして、こうして求めた相関関係に基づいて、画像濃度が目標濃度と一致するような現像バイアスの値を算出し、その値を現像バイアスの最適値とする(ステップS43)。
【0074】
こうして現像バイアスの最適値が求まると、以後は現像バイアスをこの最適値に設定しながら画像形成を実行することにより、目標の画像濃度での画像形成を行うことができる。なお、このような濃度制御技術については従来より多くの技術が提案されており、本発明においてもこれらの公知技術をはじめとする任意の技術を適用することができるので、ここでは詳しい説明を省略する。
【0075】
ところで、こうした画像形成条件調整動作により画像形成条件が変更設定されると、カブリ量が変化することがあるため、この実施形態では現像バイアスの最適化を実行した後には、その現像バイアスの最適値に対応する値をオフセット値Todとして設定する(ステップS44)。ここでは、種々の現像バイアスに対応するオフセット値を、実験やシミュレーションなどに基づき予め求めておき、メモリ127に記憶しておけばよい。また、現像バイアスとオフセット値Todとの関係を関数化するとともに該関数をメモリ127に記憶しておき、現像バイアスの最適値に対応するオフセット値Todを関数より求めるようにしてもよい。
【0076】
なお、図12では、画像形成条件として現像バイアスを採用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、例えば帯電バイアスや露光エネルギーなどの画像形成条件を最適化する画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。特に、カブリ量は、帯電ユニット3により帯電された感光体2の表面電位と現像バイアスとの差、いわゆる逆コントラスト電位に大きく影響されるため、上記したように画像形成条件としての現像バイアスの最適化する装置、画像形成条件として帯電バイアスを最適化する装置、あるいは画像形成条件として現像バイアスおよび帯電バイアスの両方を最適化する装置に本発明を適用するのが最も好適である。
【0077】
図13は取外し準備動作を示すフローチャートである。上述したように、この画像形成装置では、各現像器4K、4C、4M、4Yが装置本体に対して個別に着脱可能に構成されている。そこで、操作表示パネル10(図1)の操作により現像器4K、4C、4M、4Yの取外しが指示されると、エンジンコントローラ12のCPU124は、メモリ127に格納されている取外しプログラムに従って、図13の取外し準備動作を実行している。すなわち、図13の取外し準備動作では、まず、操作表示パネル10の操作により現像器4K、4C、4M、4Yの取外しが指示されたか否かを判定している(ステップS51)。
【0078】
そして、取外しが指示されていなければ(ステップS51でNO)、このルーチンを終了する一方、現像器4K、4C、4M、4Yの取外しが指示されると(ステップS51でYES)、現像ユニット4を回転駆動し、当該取外しが指示された現像器のユニット側通信部42K、42C、42M、42Yを、本体側通信部128と通信可能な位置に移動させて、その対応するメモリ43K、43C、43M、43Yに、現在のデータ(ここではオフセット値)を書き込む(ステップS52)。すなわち、オフセット値が変更設定されていなければ同一値が書き込まれ、変更設定されていれば、その変更された値に書き換えられる。次いで、現像ユニット4をさらに回転駆動し、取外しが指示された現像器を装置本体から取外し可能な所定の位置に移動させる(ステップS53)。
【0079】
以上のように、第2実施形態によれば、トナーの性質の経時変化を装置の動作状況やトナーの使用履歴と対応させ、オフセット値Todを適宜変更設定しているので、トナーの性質が変化したとしても、それに応じたオフセット値Todを設定することができる。その結果、トナー消費量を精度良く求めることができる。また、画像形成条件の最適化を行うごとにオフセット値を画像形成条件に対応する値に変更設定しているので、画像形成条件が変化した場合であっても、常に画像形成条件に対応したオフセット値が設定されることとなり、トナー消費量を精度良く求めることができる。
【0080】
また、第2実施形態によれば、現像器4K、4C、4M、4Yの取外しが指示されると、現在のオフセット値を現像器4K、4C、4M、4Yのメモリ43K、43C、43M、43Yに書き込むようにしているので、オフセット値Todが変更設定された場合でも、その変更設定されたオフセット値に書き換えることができる。また、この第2実施形態においても、現像器が装着されたときは、図5のオフセット値設定動作を実行する。これによって、一旦取り外された現像器が再び装着されたときは、その書き換えられたオフセット値Todを用いてトナー消費量を算出することとなり、継続して、トナー消費量を精度良く求めることが可能になる。
【0081】
なお、上記第2実施形態では、トナー消費量算出に関連する関連情報としてオフセット値をメモリ43K、43C、43M、43Yに記憶させているが、これに限られない。例えば、トナー消費量算出に関連する関連情報として、装置の動作状況やトナーの使用履歴を示すデータ(例えば総印字枚数Cp)や現在の画像形成条件の最適値からなるオフセット導出用データをメモリ43K、43C、43M、43Yに記憶させておき、現像器4K、4C、4M、4Yを取り外す際に、このオフセット導出用データを最新のデータに書き換えるようにしてもよい。
この場合には、オフセット導出用データとオフセット値との相関関係をメモリ127に記憶しておくと、一旦取り外された現像器が再び装着されたときは、その書き換えられたオフセット導出用データに基づき上記相関関係に従ってトナー消費量を算出することとなり、継続してトナー消費量を精度良く求めることができる。
【0082】
また、オフセット導出用データだけでなく、オフセット導出用データとオフセット値との相関関係も、メモリ43K、43C、43M、43Yに記憶させておくようにしてもよい。これによって、相関関係が変化するような改良トナーを収容した現像器が装着された場合でも、継続してトナー消費量を精度良く求めることができる。メモリ127またはメモリ43K、43C、43M、43Yに記憶する上記相関関係は、上記図11のようなテーブル形式で記憶しても、関数で記憶してもよい。
【0083】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記した実施形態では、ドットカウンタ200を独立した機能ブロックとして構成しているが、例えば、ドットカウンタを、メインコントローラ11またはエンジンコントローラ12のいずれかに設けたCPUで実行されるプログラムとしてソフトウェア上で実現するようにしてもよい。
【0084】
また、例えば、上記した実施形態では、通常の画像形成動作において1枚分の画像を形成する毎にトナー消費量を求めているが、本発明の「所定の単位」は、これに限定されるものでなく任意である。例えば、複数枚の画像に対応する画像形成要求があったときには、それら全ての画像を形成した後や所定枚数の画像を形成する毎にトナー消費量を求めるようにしてもよい。
【0085】
また、例えば、上記した実施形態では、トナー残量Trが最少トナー量Tminを下回ったときにトナーエンドと判定するように構成されているが、計算により求めたトナー消費量またはトナー残量に基づいて、他の制御を行うことが可能である。例えば、上記した画像形成条件調整動作を実行するタイミングをトナー残量に基づいて決定するようにしてもよい。すなわち、トナー残量が所定値に達したときに画像形成条件調整動作を実行するようにしてもよい。現像器内のトナー特性は次第に変化してゆき、これに伴って画像濃度も変動することがあるから、トナー残量の多少によって画像形成条件調整動作の実行タイミングを決定することは、画像濃度の安定を図る上で有効である。また、例えば、クリーニング部5のクリーニングブレード51により感光体2から除去されてクリーニング部5の廃トナータンク(図示省略)に回収されたトナーの量を、消費されたトナーの総量から推定し、その値に基づいて廃トナータンクの空き容量を見積もるようにしてもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、中間転写ベルト71を備えた画像形成装置に本発明を適用しているが、中間転写ドラムや中間転写シートなどを備えた画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。また、上記実施形態は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のトナーを用いてフルカラー画像を形成可能に構成された画像形成装置であるが、使用するトナー色およびその色数はこれに限定されるものでなく任意であり、例えばブラックトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する装置に対しても本発明を適用することが可能である。
【0087】
さらに、上記実施形態では、装置外部から画像データを受信し、その画像データに対応した画像信号に基づき画像形成動作を実行するプリンタに本発明を適用しているが、ユーザの画像形成要求、例えばコピーボタンの押動に応じて装置内部で画像信号を作成し、その画像信号に基づき画像形成動作を実行する複写機や、通信回線を介して与えられた画像データを受信して画像形成動作を実行するファクシミリ装置に対しても本発明を適用可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図。
【図2】図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図。
【図3】ドットカウンタの構成を示すブロック図。
【図4】ドットカウンタによるカウント手順を説明するための図。
【図5】オフセット値設定動作を示すフローチャート。
【図6】トナーカウント動作を示すフローチャート。
【図7】メモリに記憶する相関関係の一例を示す図。
【図8】トナーの粒径分布の変化を例示する図。
【図9】第2実施形態のトナーカウント動作を示すフローチャート。
【図10】オフセット値の変更設定動作を示すフローチャート。
【図11】メモリに記憶する相関関係の一例を示す図。
【図12】画像形成条件調整動作を示すフローチャート。
【図13】取外し準備動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
4K、4C、4M、4Y…現像器(トナー収容部)、12…エンジンコントローラ(消費量算出手段、書換手段)、43K、43C、43M、43Y…メモリ(記憶手段)、124…CPU(消費量算出手段、書換手段)、127…メモリ、Cp…総印字枚数
Claims (14)
- 装置本体に対して着脱可能に設けられたトナー収容部に収容されたトナーを用いてトナー像を形成するとともに、所定の単位で該トナー像を形成した際に消費されるトナー消費量を求める画像形成装置において、
前記トナー収容部に設けられ、該トナー収容部が収容するトナーのトナー消費量算出に関連する関連情報を記憶する記憶手段と、
前記装置本体に装着されている前記トナー収容部の前記記憶手段に記憶されている関連情報を用いて、前記トナー消費量を算出する消費量算出手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記消費量算出手段は、前記トナー像を構成する像構成トナーの総量を求め、その求めた総量に、前記トナー像を形成する際に前記像構成トナーとは別に消費されるトナー量をオフセット値として加算することにより前記トナー消費量を算出するものであって、しかも、前記オフセット値を前記関連情報に基づき設定する請求項1記載の画像形成装置。
- 前記記憶手段は、前記トナー収容部に対応するオフセット値を前記関連情報として記憶している請求項2記載の画像形成装置。
- 前記記憶手段は、前記オフセット値を求めるためのオフセット導出用データを前記関連情報として記憶しており、
前記消費量算出手段は、前記オフセット導出用データに基づき前記オフセット値を設定する請求項2記載の画像形成装置。 - 前記記憶手段は、さらに、前記オフセット導出用データと前記オフセット値との相関関係を前記関連情報として記憶しており、
前記消費量算出手段は、前記相関関係に従って前記オフセット導出用データに基づき前記オフセット値を設定する請求項4記載の画像形成装置。 - 前記消費量算出手段は、前記トナー像を構成する印刷ドットの数をカウントし、そのカウント値と係数との乗算値に基づき前記像構成トナーの総量を算出するものであって、しかも、前記係数を前記関連情報に基づき設定する請求項2ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記記憶手段は、前記トナー収容部に対応する前記係数を前記関連情報として記憶している請求項6記載の画像形成装置。
- 装置の動作状況が変化すると、前記記憶手段に記憶されている関連情報を書き換える書換手段をさらに備える請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記消費量算出手段は、前記トナー像を構成する像構成トナーの総量を求め、その求めた総量に、前記トナー像を形成する際に前記像構成トナーとは別に消費されるトナー量をオフセット値として加算することにより前記トナー消費量を算出するものであって、しかも、前記関連情報に基づき、前記装置の動作状況の変化に応じて、前記オフセット値を変更設定する請求項8記載の画像形成装置。
- 前記トナー像を形成するための画像形成条件が変更設定されると、前記記憶手段に記憶されている関連情報を書き換える書換手段をさらに備える請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記消費量算出手段は、前記トナー像を構成する像構成トナーの総量を求め、その求めた総量に、前記トナー像を形成する際に前記像構成トナーとは別に消費されるトナー量をオフセット値として加算することにより前記トナー消費量を算出するものであって、しかも、前記関連情報に基づき、前記画像形成条件の変更設定に応じて、前記オフセット値を変更設定する請求項10記載の画像形成装置。
- 前記トナー収容部の取外しが指示されると、該トナー収容部の取外しを可能にするための取外し準備動作を行う請求項8ないし11のいずれかに記載の画像形成装置であって、
前記書換手段は、前記取外し準備動作として前記関連情報の書換えを行う画像形成装置。 - それぞれが互いに異なる色のトナーを収容する複数の前記トナー収容部が、前記装置本体に装着され、前記複数のトナー色のそれぞれについてトナー像を形成するとともに、これらの複数色のトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成する請求項1ないし12のいずれかに記載の画像形成装置であって、
前記消費量算出手段は、前記複数色の各々について、該トナー色のトナー消費量を算出するにあたり該トナー色に対応するトナー収容部の記憶手段に記憶されている関連情報を用いる画像形成装置。 - トナー収容部に収容されているトナーのトナー消費量算出に関連する関連情報を、前記トナー収容部に設けられた記憶手段に記憶させる工程と、
前記トナー収容部を装置本体に装着して該トナー収容部のトナーを用いてトナー像を形成するとともに、所定の単位で該トナー像を形成した際に消費されるトナー消費量を前記記憶手段に記憶されている関連情報を用いて算出する工程とを備えたことを特徴とするトナー消費量の算出方法。
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