JP2004219454A - 表示装置および表示方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示内容を簡易に変更すること。
【解決手段】印刷用部材(ロール紙20)に所定の画像を印刷する印刷手段(印刷ヘッド37)と、印刷手段(印刷ヘッド37)によって印刷された画像を、外部から視認可能に呈示する呈示手段(表示部3)と、呈示手段(表示部3)によって呈示される画像を変更するために、印刷用部材(ロール紙20)を移動させる移動手段(ローラ31,32)と、を有する。このため、必要に応じて、印刷手段(印刷ヘッド37)によって印刷用部材(ロール紙20)に新たな画像を印刷し、移動手段(ローラ31,32)によって、印刷された画像を呈示手段(表示部3)まで移動させ、呈示手段(表示部3)によって呈示することにより、表示内容を簡易に変更することが可能になる。
【選択図】 図2
【解決手段】印刷用部材(ロール紙20)に所定の画像を印刷する印刷手段(印刷ヘッド37)と、印刷手段(印刷ヘッド37)によって印刷された画像を、外部から視認可能に呈示する呈示手段(表示部3)と、呈示手段(表示部3)によって呈示される画像を変更するために、印刷用部材(ロール紙20)を移動させる移動手段(ローラ31,32)と、を有する。このため、必要に応じて、印刷手段(印刷ヘッド37)によって印刷用部材(ロール紙20)に新たな画像を印刷し、移動手段(ローラ31,32)によって、印刷された画像を呈示手段(表示部3)まで移動させ、呈示手段(表示部3)によって呈示することにより、表示内容を簡易に変更することが可能になる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置および表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、各種の表示装置が案出されている。このような表示装置の一種として、液晶装置により光変調された光を表示面に拡大投射する投射型表示装置が知られている。この投射型表示装置は、表示面が大きいことから、1台で多くの人に画像を見せることができる。特に、光変調した光が表示面の裏側から拡大投射される、いわゆるリアプロジェクタと称せられている投射型表示装置(特許文献1参照)では、すべての光学系を表示面の裏側に配置でき、装置の小型化が図れるので、広告の表示用としての利用が期待できる。
【0003】
しかしながら、投射型表示装置(リアプロジェクタ)では、表示面の裏側から光を投射するため、表示面の表面に外光が当たると、外光の反射によって画像が見えにくくなるという問題点がある。
【0004】
なお、広告媒体として代表的なものとしては、看板が最も一般的であるが、看板で行なえるのは、あくまで固定した情報だけである。また、看板の場合、表示する内容の書き換えなどに多大な手間と期間がかかる。
【0005】
これらの問題への対応として、出願人は、先に、昼夜など周囲の状況に応じて表示方式を切り替えることができる表示装置を提案した(特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平05−088264号公報(要約)
【0007】
【特許文献2】
特開2001−330888号公報(要約)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献2の表示装置は、従来の看板に比べ、表示内容の変更がかなり容易にできるが、スクリーンによる表示内容が固定されるため、スクリーン部分の表示内容の変更に関しては従来と同様に多くの手間が必要となっている。
【0009】
本発明は、上記の事情に基づきなされたもので、その目的とするところは、表示内容を簡易に変更することができる表示装置および表示方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明は、印刷用部材に所定の画像を印刷する印刷手段と、印刷手段によって印刷された画像を、外部から視認可能に呈示する呈示手段と、呈示手段によって呈示される画像を変更するために、印刷用部材を移動させる移動手段と、を有している。
【0011】
このため、表示内容を変更したいときは、印刷手段によってその表示内容(画像)を新たに印刷し、その後、呈示手段によってその画像を呈示すればよいので、表示内容を簡易に変更することが可能になる。なお、印刷用部材としては、紙、樹脂、布等から形成されたロール紙スクリーンや多枚数からなるスクリーン等が採用される。
【0012】
また、他の発明は、上述の発明に加えて、呈示手段は、印刷用部材を保持するための保持部材と、印刷手段によって印刷された画像の少なくとも一部を外部から視認可能な状態にするための透明部材と、を有するようにしている。
【0013】
このため、印刷された画像を周囲の状況によらず安定して見ることが可能になるとともに、雨等の影響によって画像が汚損することを防止できる。
【0014】
また、他の発明は、上述の発明に加えて、画像に係る画像情報を入力する入力手段と、入力手段を介して入力された画像情報を記憶する記憶手段と、をさらに有するようにしている。
【0015】
このため、呈示手段によって呈示される画像を簡単に変更できる。また、入力手段を不特定多数のユーザが利用可能となるようにすることで、容易に不特定多数のユーザによる利用が可能になる。
【0016】
また、他の発明は、上述の発明に加えて、印刷用部材を印刷手段に供給する供給手段と、表示の終了した印刷用部材を廃棄する廃棄手段と、をさらに有するようにしている。
【0017】
このため、印刷用部材を印刷手段にスムーズに供給するとともに、呈示手段による呈示が終了した印刷用部材を次の印刷に支障をきたさないように確実に廃棄することができる。
【0018】
また、他の発明は、上述の発明に加えて、画像を電気的に表示する表示手段をさらに有するようにしている。
【0019】
このため、印刷手段によって印刷された画像とともに、電気的に表示される画像を表示することも可能になる。
【0020】
また、他の発明は、上述の発明に加えて、表示手段は、呈示手段を介して画像を表示するようにしている。
【0021】
このため、表示手段による画像を呈示手段を介して表示するようにすることで構成の簡略化を図り、装置を小型化することが可能になる。
【0022】
また、他の発明は、上述の各発明に加えて、印刷手段によって印刷された画像を呈示する第1の状態と、表示手段によって画像を呈示する第2の状態とを切り替える切り替え手段をさらに有するようにしている。
【0023】
このため、呈示手段による画像の呈示と、表示手段による画像の表示を簡易に変更することが可能になる。
【0024】
また、他の発明は、上述の各発明に加えて、切り替え手段は、時刻に応じて第1の状態と第2の状態を切り替えるようにしている。
【0025】
このため、時刻に応じて最適な表示方法を選択することが可能になる。
【0026】
また、他の発明は、上述の各発明に加えて、切り替え手段は、環境の明るさに応じて第1の状態と第2の状態を切り替えるようにしている。
【0027】
このため、環境の明るさに応じて最適な表示方法を選択することが可能になる。例えば、環境が明るいときは、印刷用部材に印刷された内容を表示することで、表示内容にちらつきが生じることを防止し、環境が暗いときは電気的な表示手段によって表示することで、やはり、ちらつきが発生することを防止し、表示内容を公衆に確実に呈示することができる。
【0028】
また、他の発明は、上述の各発明に加えて、切り替え手段は、画像の内容に応じて第1の状態と第2の状態を切り替えるようにしている。
【0029】
このため、画像の内容に応じて最適な表示方法を選択することが可能になる。
【0030】
また、本発明は、印刷用部材に所定の画像を印刷する印刷ステップと、印刷ステップによって印刷された画像を、外部から視認可能に呈示する呈示ステップと、呈示ステップによって呈示される画像を変更するために、印刷用部材を移動させ、画像を外部から視認可能な位置にもたらす移動ステップと、を有している。
【0031】
このため、表示内容を簡易に変更することが可能になる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0033】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る表示装置の外観を示す図である。この図1に示すように、この表示装置1は、筐体2の開口部2aに透明部材3aが係止されて形成された呈示手段となる表示部3を有している。筐体2は、公衆が画像を広く閲覧可能となるように、例えば、ビルの壁面や駅の構内等に取り付けられている。なお、本明細書中において、印刷された内容や電気的な表示手段によって表示される情報となる「画像」とは、ディジタルカメラ等によって撮影された自然画像のみならず、線画、テキスト(文字)、および、アニメーション等も含むものとする。
【0034】
図2は、図1に示す表示装置1の内部の構造を示す分解図である。この図2に示すように、筐体2の内部には、画像を印刷する印刷用部材であるロール紙20、画像を印刷するための印刷手段となる印刷ヘッド37、ロール紙20の巻き上げおよび繰り出しを行なう一対のローラ31,32、ロール紙20が緊張した状態となるようにするテンションローラ33,34を有する印刷装置4が格納されている。印刷ヘッド37によってロール紙20に印刷された画像A〜Cは、表示部3の透明部材3aを介して外部から視認可能に呈示される。
【0035】
図3は、図2に示す印刷装置4の詳細な構成例を示す図である。この図に示すように、印刷装置4は、ローラ31,32を駆動するためのローラ駆動部35ならびに当該ローラ駆動部35および印刷ヘッド37を制御する切り替え手段となる制御部36を有している。ここで、ローラ駆動部35は、図3の状態でローラ31,32を時計方向(CW)または反時計方向(CCW)に回転させ、ロール紙20の巻き上げおよび繰り出しを行なう。制御部36は、ローラ駆動部35を制御し、必要に応じてロール紙20を繰り出したり、巻き上げたりする動作を行う。また、制御部36は、図示せぬキャリッジモータを制御し、印刷ヘッド37をロール紙20の短手方向(以下、「主走査方向」と称する)に往復させるとともに、印刷ヘッド37に印刷信号を供給して、所定のノズルから所定の色のインクを吐出させ、ロール紙20の所定の位置にドットを形成することにより、画像を印刷させる。
【0036】
なお、この図には示していないが、印刷ヘッド37には、複数の色のインクを供給するためのインクカートリッジが具備されており、このインクカートリッジに貯納されている各色のインクが印刷ヘッド37に供給される構成となっている。なお、インクカートリッジを印刷ヘッド37に直接取り付けるのではなく、例えば、筐体2の底部や天部にインクカートリッジを設置しておき、そこからインクを供給するようにしてもよい。そのような構成によれば、印刷ヘッド37に取り付ける場合に比較して、場所的な制約を受けないため、貯納できるインクの量を増やすことができる。その結果、インクカートリッジの交換の頻度を下げることができる。
【0037】
図4は、図3に示す制御部36の詳細な構成例を示す図である。この図4に示すように、制御部36は、CPU(Central Processing Unit)61、ROM(Read Only Memory)62、RAM(Random Access Memory)63、記憶手段となるHDD(Hard Disk Drive)64、画像処理部65、I/F(Interface)66、およびバス67によって構成されている。画像処理部65には、表示装置70が接続されている。また、I/F66には、印刷部71、ローラ駆動部35、入力手段となる入力部72、およびタイマ73が接続されている。さらに、入力手段となる入力部72には、ユーザまたは管理者の端末装置74が必要に応じて接続される。
【0038】
ここで、CPU61は、HDD64に格納されているプログラムおよびデータを読み出し、これらに基づいて種々の演算処理を実行するとともに、装置の各部を制御する演算処理部である。
【0039】
ROM62は、CPU61が実行する基本的なプログラムおよびデータを格納しているメモリである。
【0040】
RAM63は、CPU61が実行対象とするプログラムおよびデータを一時的に格納するためのメモリである。
【0041】
HDD64は、CPU61が実行するOS(Operating System)等のプログラムおよび画像を表示するためのデータ等を格納している記録装置である。
【0042】
画像処理部65は、CPU61から供給された描画命令に従って描画処理を実行し、得られた画像を映像信号に変換して出力する。
【0043】
I/F66は、印刷部71、ローラ駆動部35、入力部72およびタイマ73との間でデータを授受する際に、信号の表現形式を適宜変換する。
【0044】
バス67は、CPU61、ROM62、RAM63、HDD64、画像処理部65、およびI/F66を電気的に相互に接続し、これらの間で情報の授受を可能とするための信号線群である。
【0045】
表示装置70は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)モニタ等によって構成され、例えば、管理者が表示装置1の設定を変更したり、ユーザが表示しようとする画像を入力したりする際に、必要な情報を表示するために使用される。
【0046】
印刷部71は、図3に示す印刷ヘッド37、およびこれを主走査方向に駆動するための図示せぬキャリッジモータ等によって構成されており、CPU61からの指令に基づいて画像をロール紙20に印刷する。
【0047】
入力部72は、表示装置1に表示させるための画像データを管理者またはユーザの端末装置74から入力するためのインターフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)や、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394インターフェースによって構成されている。なお、ユーザまたは管理者の端末装置74と直接接続するのではなく、例えば、通信回線を通じて接続したり、赤外線や電波等によって接続したりするようにしてもよい。
【0048】
タイマ73は、年、月、日、時、分、秒等の日時情報を生成して出力する。
【0049】
つぎに、以上の第1の実施の形態の動作について説明する。
【0050】
ユーザが自己の端末装置74を通信回線を介してまたは直接入力部72に接続すると、端末装置74の図示せぬ表示装置または表示装置70には、図5に示すような画面90が表示される。この表示例では、テキストボックス91〜95およびボタン96,97が表示されている。なお、端末装置74が入力部72に接続された場合には、操作方法を示す音声によるガイダンス情報を図示せぬスピーカ等によって再生し、ユーザの操作が円滑に進むように手助けするようにしてもよい。
【0051】
図5に示す画面90では、テキストボックス91には、ユーザを識別するためのユーザIDが入力される。テキストボックス92には、ユーザが正規のユーザであるか否かを認証するためのパスワードが入力される。テキストボックス93には、画像の表示を希望する表示年月日が入力される。テキストボックス94には、画像の表示を希望する期間が入力される。テキストボックス95には、表示を希望する画像のファイル名が入力される。ボタン96は、入力された内容で設定を完了する場合に操作される。ボタン97は、入力された内容をキャンセルする際に操作される。
【0052】
このような画面90において所定の項目を入力した後、ボタン96が操作されると、入力された項目に関する情報が、端末装置74から入力部72を介して制御部36に供給される。
【0053】
なお、端末装置74から画像情報を読み込むのではなく、例えば、入力部72にディジタルカメラ等を接続して、このディジタルカメラによって撮影された画像を読み込んだり、撮影された画像に文字等の情報を書き込めるようにしておき、文字等が書き込まれた画像を読み込めるようにしてもよい。また、画像のファイル名を入力するのではなく、例えば、メッセージ等のテキスト情報を直接入力するようにしてもよい。
【0054】
制御部36のCPU61は、端末装置74等から供給された情報を取得し、まず、取得したユーザIDに該当するパスワードをHDD64から検索し、端末装置74等から取得したパスワードと照合することにより、これらが一致するか否かを判定する。そして、一致する場合には正規のユーザであると判定し、まず、表示年月日および表示期間に関する情報を取得し、HDD64に格納されている他の情報と比較することにより、当該期間に他のユーザからの予約が無いか否かを判定する。そして、他の予約が無い場合には当該予約を受け付けるとともに、表示すべき画像をHDD64の所定の領域に格納する。また、予約がある場合には、その旨を端末装置74等に通知し、他の期間を入力するように促す。
【0055】
以上のようにして予約がなされると、CPU61は、タイマ73によって発生される日時情報を所定の時間間隔で参照し、予約がなされた日時(以下、「予約日時」と称する)の所定時間前になったか否かを判定する。そして、予約日時の所定時間前になった場合には、HDD64から、その予約日時に対応する画像データを読み出し、各種変換(例えば、色空間等の変換)を行って印刷用のビットマップデータを作成する。
【0056】
つづいて、CPU61は、ローラ駆動部35を駆動してロール紙20を所定量だけ移動させ、印刷領域の先頭部分が印刷ヘッド37の直下に来るようにする。つぎに、CPU61は、ビットマップデータをHDD64から読み出し、印刷ヘッド37に1ライン分だけ供給するとともに、図示せぬキャリッジモータを駆動して印刷ヘッド37を主走査方向に往復させる。その結果、1ライン分の印刷が完了するので、CPU61は、ローラ駆動部35を駆動してロール紙20を長手方向(以下、「副走査方向」と称する)に所定量だけ移動させ、次のラインの印刷を開始する。以上のような動作を繰り返すことにより、HDD64に格納されているビットマップデータに対応する画像がロール紙20に印刷されることになる。
【0057】
印刷が完了すると、予約日時となるまでその状態を保持する。その後、予約日時になったと判定すると、CPU61は、ローラ駆動部35を制御してローラ31,32を回転させ、ロール紙20の画像が印刷された領域を、表示部3の位置まで移動させる。その結果、印刷された画像は、筐体2の透明部材3aを介して外部から視認可能となるため、公衆はこの画像を閲覧することができる。
【0058】
なお、予約日時の所定時間前に印刷するようにしたが、この所定時間としては画像を印刷するために十分な時間、例えば、10分を採用することができる。また、予約日時の所定時間前に印刷を開始するのではなく、既に印刷されている画像が表示部3の位置に移動していく際、すなわち、前画像が表示される予約日時に、つぎに表示される画像を印刷するようにしてもよい。
【0059】
このようにして画像の表示が開始されると、CPU61は、タイマ73によって発生される日時情報を所定の時間間隔で参照し、表示期間が経過したか否かを判定する。その結果、表示期間が過ぎた場合には、CPU61は、ローラ駆動部35を駆動して、表示していた画像を表示部3から移動させて表示を終了する。なお、新たな画像を表示する場合には、前述の場合と同様の処理により当該新たな画像を印刷した後、ローラ駆動部35を駆動してロール紙20を移動させる。その結果、表示が終了した画像については、ローラ32に巻き取られることになる。
【0060】
なお、ロール紙20への各画像の記録位置をHDD64に記憶しておくことにより、既に表示が終了した画像を繰り返し表示させることが可能になる。すなわち、ロール紙20の一部に位置検出用の情報をバーコードによって印刷したり、または、エンコーダをロール紙20の駆動系に装着することにより、ロール紙20の位置情報を検出できるようにしておき、画像を印刷する際には位置情報をHDD64に記憶しておく。そして、同一の画像を再度表示させる場合には、HDD64から表示しょうとする画像の位置情報を取得し、印刷部71を駆動せずにローラ駆動部35のみを逆方向(図3では時計方向)に回転させて位置情報に対応する位置までロール紙20を移動させればよい。このような構成によれば、表示が完了した画像を有効利用することが可能になる。
【0061】
以上に説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、画像を印刷装置4によってロール紙20に印刷し、公衆に呈示するようにしたので、環境が明るい場合でも、視認性の高い情報を提示することが可能になる。
【0062】
また、第1の実施の形態では、看板等に比べると、表示する内容を簡単に変更することが可能になるので、内容を変更するために必要な労力とコストを低減することが可能になる。また、その結果、広告主であるユーザが負担するコストも削減することが可能になる。
【0063】
また、第1の実施の形態では、入力部72を介して一般のユーザからの画像の入力を受けつけるようにしたので、一般のユーザが公衆に向けて情報を自由に発信することが可能になる。
【0064】
また、第1の実施の形態では、ロール紙20が透明部材3aを介して外部に呈示されるようにしたので、風雨等によってロール紙20が汚損されることを防止できる。
【0065】
つぎに、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0066】
本発明の第2の実施の形態に係る表示装置1Aの外観は、図1の場合と同様であり、公衆が画像を広く閲覧可能となるように、例えば、ビルの壁面等に取り付けられている。
【0067】
図6は、第2の実施の形態に係る表示装置1Aの詳細な構成例を示す図である。なお、この図6において、図3に示す第1の実施の形態と対応する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。この図6に示すように、第2の実施の形態では、表示手段となる拡大投射装置200が新たに追加されている。その他の構成は、図3の場合と同様である。
【0068】
ここで、拡大投射装置200は、図6の詳細な構成や、その端面図である図7に示すように、筐体201、開口部202、光源203、凹面鏡204、液晶装置205、および投射光学系206によって構成されている。
【0069】
筐体201は、前面側に開口部202を有しており、この開口部202を介して画像をロール紙20の裏面に拡大投射する。光源203は、例えば、ハロゲンランプ等によって構成されており、白色光を液晶装置205に向けて放射する。凹面鏡204は、光源203から放射された光を液晶装置205に集光する。
【0070】
液晶装置205は、例えば、アクティブマトリクス型の液晶パネルによって構成されており、光源203からの直接光および凹面鏡204によって集光された反射光を表示しようとする画像に応じて変調して出力する。投射光学系206は、例えば、反射鏡によって構成されており、液晶装置205によって変調された光を反射して、ロール紙20の裏面に投射する。
【0071】
なお、図7には、1枚の液晶装置205のみ図示してあるが、光源203から出射された光を赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の光に分離する光分離光学系を配置するとともに、各色の光をそれぞれ変調する3枚の液晶装置205を用い、各液晶装置205から出射された光をプリズムなどによって合成してから表示部3に拡大投射すれば、表示部3においてカラーの画像を表示することができる。
【0072】
なお、第2の実施の形態では、拡大投射装置200によってロール紙20の背面から画像を投射するため、ロール紙20としては、ある程度の透光性を有するペット紙等を用いる。
【0073】
つぎに、第2の実施の形態の動作について説明する。
【0074】
まず、ユーザが自己の端末装置74を通信回線を介して入力部72に接続するか、または、入力部72に直接接続すると、第1の実施の形態の場合と同様に、図5に示すような画面が端末装置74に表示されるので、ユーザは、第1の実施の形態の場合と同様に必要な項目を入力する。
【0075】
項目の入力が終了し、ボタン96が操作されると、第1の実施の形態の場合と同様に、認証処理が実行され、正規のユーザと認証された場合には、予約の要求が受け付けられ、HDD64に新たな予約として登録される。
【0076】
以上のようにして予約がなされると、CPU61は、タイマ73によって発生される日時情報を所定の時間間隔で参照し、予約日時になったか否かを判定する。そして、予約日時の所定時間前になった場合には、CPU61は、タイマ73から供給されたその時点における時刻を参照し、拡大投射装置200または印刷装置4のいずれによって画像を表示するかを決定する。例えば、表示する時点での時刻が午後6時〜午前6時の時間帯に該当する場合には、拡大投射装置200によって画像を表示することを決定し、また、この時間帯以外に該当する場合には印刷装置4によって画像を表示することを決定する。所定時間としては、例えば、10分を採用することができる。
【0077】
なお、前述した時間帯は、これ以外の時間帯とすることも可能である。また、季節等に応じて時間帯を適宜変更することも可能である。例えば、夏期には時間帯を短く設定し(例えば、午後8時〜午前4時に設定し)、逆に冬期にはこの時間帯を長く設定する(例えば、午後4時〜午前8時に設定する)ようにしてもよい。そのような構成によれば、季節に応じて最適な時間帯を設定することができる。
【0078】
また、時刻ではなく、設置された環境の明るさを、例えば、フォトセンサ等によって検出し、明るさが所定のレベル未満になった場合には拡大投射装置200を選択し、所定のレベル以上になった場合には印刷装置4を選択するようにしてもよい。そのような構成によれば、その日の天候や設置環境に応じた最適な表示方法を選択することが可能になる。
【0079】
CPU61は、例えば、現在の時刻が午後2時である場合には、10分後となる予約日時は、前述した時間帯には該当しないので、印刷装置4によって表示することを決定する。そして、CPU61は、第1の実施の形態で説明したように、登録されている画像データをHDD64から読み出し、所定の変換を施した後、印刷装置4によってロール紙20に印刷する。印刷が終了すると、CPU61は、ローラ駆動部35を駆動し、印刷が完了した画像を表示部3まで移動させて表示する。この場合、第1の実施の形態で説明したように、予め画像を印刷しておき、予約日時になると、ローラ駆動部35を駆動し、表示部3まで移動させるようにしてもよい。
【0080】
一方、現在の時刻が、例えば、午後10時である場合には、10分後の予約日時は、前述した時間帯に該当するので、拡大投射装置200によって表示することを決定する。そして、CPU61は、予約日時になると、または、予約日時の直前になると、ローラ駆動装置35を制御してロール紙20を移動させ、開口部202の前面に画像が印刷されていない部分(空白部分)がくるようにする。なお、予約日時に到達する前にロール紙20を駆動させる場合は、ロール紙20の印刷されていない部分が開口部202を全面的に覆うようになるまでの時間を考慮して動作を開始させるのが望ましい。
【0081】
つづいて、CPU61は、HDD64に登録されている画像データを読み出し、画像処理部65に供給する。画像処理部65は、CPU61から供給された画像データを映像信号に変換し、拡大投射装置200に出力する。
【0082】
拡大投射装置200では、制御部36のCPU61から供給された画像データを取得し、液晶装置205に供給して表示するとともに、光源203を点灯させる。その結果、光源203から白色光が放射され、凹面鏡204によって液晶装置205に集光される。液晶装置205は、CPU61から供給された映像信号に応じて白色光を変調し、投射光学系206に入射する。
【0083】
投射光学系206は、液晶装置205から入射された光を反射し、開口部202を通過してロール紙20の裏面に投射する。その結果、ロール紙20には、HDD64に登録されている画像が表示されることになる。なお、拡大投射装置200によって投射された画像は、光源203によって自ら発光しているので、環境が暗い場合であっても表示されている画像の視認性を高めることができる。また、環境が暗いため、表示面の表面に外光が当たって外光の反射により画像が見えにくくなるという問題も生じない。
【0084】
一方、環境が明るい場合には、印刷装置4によって印刷された画像が表示される。印刷された画像は、明るい環境下では視認性が高く、また、拡大投影装置200に比べると、環境光が過度に明るい場合でも視認性が低下することはない。
【0085】
したがって、本発明の第2の実施の形態によれば、環境が明るい場合には印刷装置4により画像を印刷し、環境が暗い場合には拡大投射装置200によって画像を投射することにより、常に、視認性の高い情報を提供することができる。
【0086】
なお、以上の説明では、設置されている環境の明るさまたは時間帯によって表示方法を切り替えるようにしたが、例えば、災害等に関連するメッセージを表示する際には、印刷装置4によって印刷された画像を表示するようにすることも可能である。そのような構成によれば、災害に起因して停電が発生した場合でも、災害等に関連するメッセージを表示し続けることが可能になる。
【0087】
また、切り替えを自動的に行うのではなく、例えば、権限を有する管理者が手動で行うようにしてもよい。そのような構成によれば、必要に応じて印刷装置4と拡大投射装置200による表示を切り替えることが可能になる。
【0088】
また、図5に示す設定画面において、いずれの表示方法を選択するかをユーザ自身が設定し、設定された内容に応じて表示方法を選択するようにしてもよい。そのような構成によれば、ユーザのニーズに合致した方法によって情報を呈示することができる。
【0089】
さらに、装置が故障したり、メンテナンスが必要になった場合(例えば、ロール紙20やインクカートリッジ等を交換する必要が生じた場合)には、その旨を示すメッセージを表示または印刷し、ユーザからの要求に基づくサービスを一時的に停止するようにしてもよい。そのような構成によれば、メンテナンスが必要になったことをユーザもしくは管理者に直ちに知らせることが可能になる。
【0090】
つぎに、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0091】
図8および図9は、本発明の第3の実施の形態に係る表示装置の構成例を示す図である。なお、この図8および図9において、図3に示す第1の実施の形態や図6に示す第2の実施の形態と対応する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0092】
第3の実施の形態の表示装置1Bは、第2の実施の形態の表示装置1Aと比較すると、図8および図9に示すように、拡大投射装置200の開口部202に投射用のスクリーン250が設けられており、また、ロール紙20の一部に窓20aが設けられている。その他の構成は、第2の実施の形態の場合と同様である。
【0093】
図8は、第3の実施の形態に係る表示装置1Bの拡大投射装置200の詳細な構成例を示す図である。この図8に示すように、ロール紙20の一部に窓20aが設けられており、この窓20aを介して拡大投射装置200のスクリーン250が見えるように構成されている。なお、窓20aは、ロール紙20自身が切り抜かれた構成のもの、あるいは透明なシートによって構成されたもののいずれであってもよい。
【0094】
図9は、図8に示す表示装置1Bの断面(端面)を示す図である。図9に示す表示装置1Bでは、拡大投射装置200の前面にスクリーン250が設けられており、このスクリーン250に対して画像が投射される。また、このようにして投射された画像は、ロール紙20に設けられた窓20aを介して外部から視認可能となる。
【0095】
つぎに、第3の実施の形態の動作について説明する。なお、第3の実施の形態の基本的な動作は、第2の実施の形態の場合と同様であるので、異なる部分を中心にして説明する。
【0096】
第3の実施の形態では、印刷装置4によって画像を印刷する場合は、第2の実施の形態と同様に印刷ヘッド37によって画像が印刷されて表示がなされ、その動作は第1および第2の実施の形態の場合と異なることはない。
【0097】
一方、拡大投射装置200によって画像を表示する場合、まず、CPU61は、ローラ駆動装置35を駆動してロール紙20の窓20aをスクリーン250の前面に移動させる。そして、そのような状態になった後に拡大投射装置200に対して画像を投射させることにより、窓20aを介して投射された画像を閲覧することが可能になる。
【0098】
つぎに、拡大投射装置200による画像の表示を終了し、印刷装置4により画像を印刷する場合には、ローラ駆動部35を制御してロール紙20を移動させ、空白部分が印刷ヘッド37の下に来るように制御し、画像の印刷を開始する。
【0099】
以上の第3の実施の形態によれば、ロール紙20として、前述のペット紙のような特殊な紙を使用する必要がなくなるので、ランニングコストを削減することが可能になる。
【0100】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能である。
【0101】
例えば、以上の各実施の形態では、印刷用部材としてロール紙20を用いるようにしたが、カットシートを用いることも可能である。カットシートを用いると、例えば、第3の実施の形態の場合には、紙送り制御を停止するだけで、表示部250を視認可能とすることができるので、ロール紙20に窓20aを設ける必要がなく、また、制御も容易になる。なお、カットシートを用いる場合には、複数のカットシートを格納する格納部、格納部に格納されているカットシートを装置に供給する供給部、印刷が終了したカットシートを表示部250の前面まで搬送する搬送部、および表示が終了したカットシートを廃棄する廃棄部を設ける必要がある。なお、これらの技術は、例えば、プリンタ等に用いられており、すでに周知であるため、その詳細な説明は省略する。また、カットシートの採用は、第1および第2の実施の形態でも可能である。
【0102】
また、以上の各実施の形態では、ロール紙20の片面のみに画像を印刷するようにしたが、ロール紙20またはカットシートの両面に画像を印刷するようにしてもよい。例えば、ロール紙20がローラ32側に完全に巻き取られた後、そのローラ32ごとローラ31と入れ替え、印刷された裏面をつぎに利用して印刷するようにすることができる。そのような構成によれば、ランニングコストを低減することができる。
【0103】
また、以上の各実施の形態では、印刷装置4はインクジェット方式により画像を印刷するようにしたが、これ以外の方法(例えば、熱昇華式印刷方法、レーザ式印刷方法等)によって印刷することも可能である。
【0104】
また、第2および第3の実施の形態では、表示手段となる拡大投射表示装置200としてリアプロジェクタを用いるようにしたが、表示手段としてはこれ以外のプロジェクタ(フロントプロジェクタ)を用いることも可能である。また、プロジェクタではなく、例えば、発光ダイオードや液晶等による表示装置やテレビジョン(プラズマ方式、液晶方式等)を用いることも可能である。
【0105】
また、ロール紙20やインク等が無くなった場合の交換作業またはその他のメンテナンス作業が容易になるように、筐体2の側面等に扉等を設けて、表示装置1の内部を容易に観察できるようにしてもよい。また、印刷装置1の内部にメンテナンス用のスペースを設けておき、このスペースを利用してメンテナンスが容易に行えるようにしてもよい。また、印刷装置4および拡大投影装置200を壁面等に固定しておき、筐体2を着脱可能に印刷装置4等に固定するようにしてもよい。そのような構成によれば、筐体2を取り外すことにより、メンテナンス作業等を容易に行うことが可能になる。
【0106】
また、各表示とともに、音楽を流したり、所定のアナウンスを流したりしてもよい。さらには、筐体2の周辺の一部または全周に、表示部3に表示される内容と同期した動きまたは関連する動きを行う動作体を配置するようにしてもよい。また、その動作体の動きを上述の音楽やアナウンス等と同期させるようにしてもよい。
【0107】
さらに、印刷用部材としては、紙、樹脂、布等から形成されたロール紙スクリーンや多枚数からなるスクリーン等が採用される。また、各実施の形態では、印刷装置4や表示手段を筐体2の内部に配置しているが、例えば、ビルの窓を表示部3の代わりにとすることで、筐体2を特別に設けず、ビルそのものを筐体2の代わりとなるようにしたり、筐体2の外部に制御部36を配置したりするようにしてもよい。
【0108】
【発明の効果】
本発明によれば、表示内容を簡易に変更することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る表示装置の外観を示す図である。
【図2】図1に示す表示装置の内部構造を説明するための分解図である。
【図3】図2に示す表示装置の印刷装置の詳細な構成例を示す図である。
【図4】図3に示す制御部の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図5】図1に示す表示装置にユーザの端末装置が接続された場合に、当該端末装置の表示部に表示される画面の一例である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る表示装置の構成例を示す図である。
【図7】図6に示す表示装置の詳細な構成例を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る表示装置の構成例を示す図である。
【図9】図8に示す表示装置の詳細な構成例を示す図である。
【符号の説明】
1,1A,1B 表示装置
3 表示部(呈示手段)
3a 透明部材(透明部材)
20 ロール紙(印刷用部材)
31 ローラ(移動手段、供給手段)
32 ローラ(移動手段、廃棄手段)
33,34 テンションローラ(保持部材)
36 制御部(切り替え手段)
37 印刷ヘッド(印刷手段)
64 HDD(記憶手段)
72 入力部(入力手段)
200 拡大投射装置(表示手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置および表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、各種の表示装置が案出されている。このような表示装置の一種として、液晶装置により光変調された光を表示面に拡大投射する投射型表示装置が知られている。この投射型表示装置は、表示面が大きいことから、1台で多くの人に画像を見せることができる。特に、光変調した光が表示面の裏側から拡大投射される、いわゆるリアプロジェクタと称せられている投射型表示装置(特許文献1参照)では、すべての光学系を表示面の裏側に配置でき、装置の小型化が図れるので、広告の表示用としての利用が期待できる。
【0003】
しかしながら、投射型表示装置(リアプロジェクタ)では、表示面の裏側から光を投射するため、表示面の表面に外光が当たると、外光の反射によって画像が見えにくくなるという問題点がある。
【0004】
なお、広告媒体として代表的なものとしては、看板が最も一般的であるが、看板で行なえるのは、あくまで固定した情報だけである。また、看板の場合、表示する内容の書き換えなどに多大な手間と期間がかかる。
【0005】
これらの問題への対応として、出願人は、先に、昼夜など周囲の状況に応じて表示方式を切り替えることができる表示装置を提案した(特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平05−088264号公報(要約)
【0007】
【特許文献2】
特開2001−330888号公報(要約)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献2の表示装置は、従来の看板に比べ、表示内容の変更がかなり容易にできるが、スクリーンによる表示内容が固定されるため、スクリーン部分の表示内容の変更に関しては従来と同様に多くの手間が必要となっている。
【0009】
本発明は、上記の事情に基づきなされたもので、その目的とするところは、表示内容を簡易に変更することができる表示装置および表示方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明は、印刷用部材に所定の画像を印刷する印刷手段と、印刷手段によって印刷された画像を、外部から視認可能に呈示する呈示手段と、呈示手段によって呈示される画像を変更するために、印刷用部材を移動させる移動手段と、を有している。
【0011】
このため、表示内容を変更したいときは、印刷手段によってその表示内容(画像)を新たに印刷し、その後、呈示手段によってその画像を呈示すればよいので、表示内容を簡易に変更することが可能になる。なお、印刷用部材としては、紙、樹脂、布等から形成されたロール紙スクリーンや多枚数からなるスクリーン等が採用される。
【0012】
また、他の発明は、上述の発明に加えて、呈示手段は、印刷用部材を保持するための保持部材と、印刷手段によって印刷された画像の少なくとも一部を外部から視認可能な状態にするための透明部材と、を有するようにしている。
【0013】
このため、印刷された画像を周囲の状況によらず安定して見ることが可能になるとともに、雨等の影響によって画像が汚損することを防止できる。
【0014】
また、他の発明は、上述の発明に加えて、画像に係る画像情報を入力する入力手段と、入力手段を介して入力された画像情報を記憶する記憶手段と、をさらに有するようにしている。
【0015】
このため、呈示手段によって呈示される画像を簡単に変更できる。また、入力手段を不特定多数のユーザが利用可能となるようにすることで、容易に不特定多数のユーザによる利用が可能になる。
【0016】
また、他の発明は、上述の発明に加えて、印刷用部材を印刷手段に供給する供給手段と、表示の終了した印刷用部材を廃棄する廃棄手段と、をさらに有するようにしている。
【0017】
このため、印刷用部材を印刷手段にスムーズに供給するとともに、呈示手段による呈示が終了した印刷用部材を次の印刷に支障をきたさないように確実に廃棄することができる。
【0018】
また、他の発明は、上述の発明に加えて、画像を電気的に表示する表示手段をさらに有するようにしている。
【0019】
このため、印刷手段によって印刷された画像とともに、電気的に表示される画像を表示することも可能になる。
【0020】
また、他の発明は、上述の発明に加えて、表示手段は、呈示手段を介して画像を表示するようにしている。
【0021】
このため、表示手段による画像を呈示手段を介して表示するようにすることで構成の簡略化を図り、装置を小型化することが可能になる。
【0022】
また、他の発明は、上述の各発明に加えて、印刷手段によって印刷された画像を呈示する第1の状態と、表示手段によって画像を呈示する第2の状態とを切り替える切り替え手段をさらに有するようにしている。
【0023】
このため、呈示手段による画像の呈示と、表示手段による画像の表示を簡易に変更することが可能になる。
【0024】
また、他の発明は、上述の各発明に加えて、切り替え手段は、時刻に応じて第1の状態と第2の状態を切り替えるようにしている。
【0025】
このため、時刻に応じて最適な表示方法を選択することが可能になる。
【0026】
また、他の発明は、上述の各発明に加えて、切り替え手段は、環境の明るさに応じて第1の状態と第2の状態を切り替えるようにしている。
【0027】
このため、環境の明るさに応じて最適な表示方法を選択することが可能になる。例えば、環境が明るいときは、印刷用部材に印刷された内容を表示することで、表示内容にちらつきが生じることを防止し、環境が暗いときは電気的な表示手段によって表示することで、やはり、ちらつきが発生することを防止し、表示内容を公衆に確実に呈示することができる。
【0028】
また、他の発明は、上述の各発明に加えて、切り替え手段は、画像の内容に応じて第1の状態と第2の状態を切り替えるようにしている。
【0029】
このため、画像の内容に応じて最適な表示方法を選択することが可能になる。
【0030】
また、本発明は、印刷用部材に所定の画像を印刷する印刷ステップと、印刷ステップによって印刷された画像を、外部から視認可能に呈示する呈示ステップと、呈示ステップによって呈示される画像を変更するために、印刷用部材を移動させ、画像を外部から視認可能な位置にもたらす移動ステップと、を有している。
【0031】
このため、表示内容を簡易に変更することが可能になる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0033】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る表示装置の外観を示す図である。この図1に示すように、この表示装置1は、筐体2の開口部2aに透明部材3aが係止されて形成された呈示手段となる表示部3を有している。筐体2は、公衆が画像を広く閲覧可能となるように、例えば、ビルの壁面や駅の構内等に取り付けられている。なお、本明細書中において、印刷された内容や電気的な表示手段によって表示される情報となる「画像」とは、ディジタルカメラ等によって撮影された自然画像のみならず、線画、テキスト(文字)、および、アニメーション等も含むものとする。
【0034】
図2は、図1に示す表示装置1の内部の構造を示す分解図である。この図2に示すように、筐体2の内部には、画像を印刷する印刷用部材であるロール紙20、画像を印刷するための印刷手段となる印刷ヘッド37、ロール紙20の巻き上げおよび繰り出しを行なう一対のローラ31,32、ロール紙20が緊張した状態となるようにするテンションローラ33,34を有する印刷装置4が格納されている。印刷ヘッド37によってロール紙20に印刷された画像A〜Cは、表示部3の透明部材3aを介して外部から視認可能に呈示される。
【0035】
図3は、図2に示す印刷装置4の詳細な構成例を示す図である。この図に示すように、印刷装置4は、ローラ31,32を駆動するためのローラ駆動部35ならびに当該ローラ駆動部35および印刷ヘッド37を制御する切り替え手段となる制御部36を有している。ここで、ローラ駆動部35は、図3の状態でローラ31,32を時計方向(CW)または反時計方向(CCW)に回転させ、ロール紙20の巻き上げおよび繰り出しを行なう。制御部36は、ローラ駆動部35を制御し、必要に応じてロール紙20を繰り出したり、巻き上げたりする動作を行う。また、制御部36は、図示せぬキャリッジモータを制御し、印刷ヘッド37をロール紙20の短手方向(以下、「主走査方向」と称する)に往復させるとともに、印刷ヘッド37に印刷信号を供給して、所定のノズルから所定の色のインクを吐出させ、ロール紙20の所定の位置にドットを形成することにより、画像を印刷させる。
【0036】
なお、この図には示していないが、印刷ヘッド37には、複数の色のインクを供給するためのインクカートリッジが具備されており、このインクカートリッジに貯納されている各色のインクが印刷ヘッド37に供給される構成となっている。なお、インクカートリッジを印刷ヘッド37に直接取り付けるのではなく、例えば、筐体2の底部や天部にインクカートリッジを設置しておき、そこからインクを供給するようにしてもよい。そのような構成によれば、印刷ヘッド37に取り付ける場合に比較して、場所的な制約を受けないため、貯納できるインクの量を増やすことができる。その結果、インクカートリッジの交換の頻度を下げることができる。
【0037】
図4は、図3に示す制御部36の詳細な構成例を示す図である。この図4に示すように、制御部36は、CPU(Central Processing Unit)61、ROM(Read Only Memory)62、RAM(Random Access Memory)63、記憶手段となるHDD(Hard Disk Drive)64、画像処理部65、I/F(Interface)66、およびバス67によって構成されている。画像処理部65には、表示装置70が接続されている。また、I/F66には、印刷部71、ローラ駆動部35、入力手段となる入力部72、およびタイマ73が接続されている。さらに、入力手段となる入力部72には、ユーザまたは管理者の端末装置74が必要に応じて接続される。
【0038】
ここで、CPU61は、HDD64に格納されているプログラムおよびデータを読み出し、これらに基づいて種々の演算処理を実行するとともに、装置の各部を制御する演算処理部である。
【0039】
ROM62は、CPU61が実行する基本的なプログラムおよびデータを格納しているメモリである。
【0040】
RAM63は、CPU61が実行対象とするプログラムおよびデータを一時的に格納するためのメモリである。
【0041】
HDD64は、CPU61が実行するOS(Operating System)等のプログラムおよび画像を表示するためのデータ等を格納している記録装置である。
【0042】
画像処理部65は、CPU61から供給された描画命令に従って描画処理を実行し、得られた画像を映像信号に変換して出力する。
【0043】
I/F66は、印刷部71、ローラ駆動部35、入力部72およびタイマ73との間でデータを授受する際に、信号の表現形式を適宜変換する。
【0044】
バス67は、CPU61、ROM62、RAM63、HDD64、画像処理部65、およびI/F66を電気的に相互に接続し、これらの間で情報の授受を可能とするための信号線群である。
【0045】
表示装置70は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)モニタ等によって構成され、例えば、管理者が表示装置1の設定を変更したり、ユーザが表示しようとする画像を入力したりする際に、必要な情報を表示するために使用される。
【0046】
印刷部71は、図3に示す印刷ヘッド37、およびこれを主走査方向に駆動するための図示せぬキャリッジモータ等によって構成されており、CPU61からの指令に基づいて画像をロール紙20に印刷する。
【0047】
入力部72は、表示装置1に表示させるための画像データを管理者またはユーザの端末装置74から入力するためのインターフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)や、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394インターフェースによって構成されている。なお、ユーザまたは管理者の端末装置74と直接接続するのではなく、例えば、通信回線を通じて接続したり、赤外線や電波等によって接続したりするようにしてもよい。
【0048】
タイマ73は、年、月、日、時、分、秒等の日時情報を生成して出力する。
【0049】
つぎに、以上の第1の実施の形態の動作について説明する。
【0050】
ユーザが自己の端末装置74を通信回線を介してまたは直接入力部72に接続すると、端末装置74の図示せぬ表示装置または表示装置70には、図5に示すような画面90が表示される。この表示例では、テキストボックス91〜95およびボタン96,97が表示されている。なお、端末装置74が入力部72に接続された場合には、操作方法を示す音声によるガイダンス情報を図示せぬスピーカ等によって再生し、ユーザの操作が円滑に進むように手助けするようにしてもよい。
【0051】
図5に示す画面90では、テキストボックス91には、ユーザを識別するためのユーザIDが入力される。テキストボックス92には、ユーザが正規のユーザであるか否かを認証するためのパスワードが入力される。テキストボックス93には、画像の表示を希望する表示年月日が入力される。テキストボックス94には、画像の表示を希望する期間が入力される。テキストボックス95には、表示を希望する画像のファイル名が入力される。ボタン96は、入力された内容で設定を完了する場合に操作される。ボタン97は、入力された内容をキャンセルする際に操作される。
【0052】
このような画面90において所定の項目を入力した後、ボタン96が操作されると、入力された項目に関する情報が、端末装置74から入力部72を介して制御部36に供給される。
【0053】
なお、端末装置74から画像情報を読み込むのではなく、例えば、入力部72にディジタルカメラ等を接続して、このディジタルカメラによって撮影された画像を読み込んだり、撮影された画像に文字等の情報を書き込めるようにしておき、文字等が書き込まれた画像を読み込めるようにしてもよい。また、画像のファイル名を入力するのではなく、例えば、メッセージ等のテキスト情報を直接入力するようにしてもよい。
【0054】
制御部36のCPU61は、端末装置74等から供給された情報を取得し、まず、取得したユーザIDに該当するパスワードをHDD64から検索し、端末装置74等から取得したパスワードと照合することにより、これらが一致するか否かを判定する。そして、一致する場合には正規のユーザであると判定し、まず、表示年月日および表示期間に関する情報を取得し、HDD64に格納されている他の情報と比較することにより、当該期間に他のユーザからの予約が無いか否かを判定する。そして、他の予約が無い場合には当該予約を受け付けるとともに、表示すべき画像をHDD64の所定の領域に格納する。また、予約がある場合には、その旨を端末装置74等に通知し、他の期間を入力するように促す。
【0055】
以上のようにして予約がなされると、CPU61は、タイマ73によって発生される日時情報を所定の時間間隔で参照し、予約がなされた日時(以下、「予約日時」と称する)の所定時間前になったか否かを判定する。そして、予約日時の所定時間前になった場合には、HDD64から、その予約日時に対応する画像データを読み出し、各種変換(例えば、色空間等の変換)を行って印刷用のビットマップデータを作成する。
【0056】
つづいて、CPU61は、ローラ駆動部35を駆動してロール紙20を所定量だけ移動させ、印刷領域の先頭部分が印刷ヘッド37の直下に来るようにする。つぎに、CPU61は、ビットマップデータをHDD64から読み出し、印刷ヘッド37に1ライン分だけ供給するとともに、図示せぬキャリッジモータを駆動して印刷ヘッド37を主走査方向に往復させる。その結果、1ライン分の印刷が完了するので、CPU61は、ローラ駆動部35を駆動してロール紙20を長手方向(以下、「副走査方向」と称する)に所定量だけ移動させ、次のラインの印刷を開始する。以上のような動作を繰り返すことにより、HDD64に格納されているビットマップデータに対応する画像がロール紙20に印刷されることになる。
【0057】
印刷が完了すると、予約日時となるまでその状態を保持する。その後、予約日時になったと判定すると、CPU61は、ローラ駆動部35を制御してローラ31,32を回転させ、ロール紙20の画像が印刷された領域を、表示部3の位置まで移動させる。その結果、印刷された画像は、筐体2の透明部材3aを介して外部から視認可能となるため、公衆はこの画像を閲覧することができる。
【0058】
なお、予約日時の所定時間前に印刷するようにしたが、この所定時間としては画像を印刷するために十分な時間、例えば、10分を採用することができる。また、予約日時の所定時間前に印刷を開始するのではなく、既に印刷されている画像が表示部3の位置に移動していく際、すなわち、前画像が表示される予約日時に、つぎに表示される画像を印刷するようにしてもよい。
【0059】
このようにして画像の表示が開始されると、CPU61は、タイマ73によって発生される日時情報を所定の時間間隔で参照し、表示期間が経過したか否かを判定する。その結果、表示期間が過ぎた場合には、CPU61は、ローラ駆動部35を駆動して、表示していた画像を表示部3から移動させて表示を終了する。なお、新たな画像を表示する場合には、前述の場合と同様の処理により当該新たな画像を印刷した後、ローラ駆動部35を駆動してロール紙20を移動させる。その結果、表示が終了した画像については、ローラ32に巻き取られることになる。
【0060】
なお、ロール紙20への各画像の記録位置をHDD64に記憶しておくことにより、既に表示が終了した画像を繰り返し表示させることが可能になる。すなわち、ロール紙20の一部に位置検出用の情報をバーコードによって印刷したり、または、エンコーダをロール紙20の駆動系に装着することにより、ロール紙20の位置情報を検出できるようにしておき、画像を印刷する際には位置情報をHDD64に記憶しておく。そして、同一の画像を再度表示させる場合には、HDD64から表示しょうとする画像の位置情報を取得し、印刷部71を駆動せずにローラ駆動部35のみを逆方向(図3では時計方向)に回転させて位置情報に対応する位置までロール紙20を移動させればよい。このような構成によれば、表示が完了した画像を有効利用することが可能になる。
【0061】
以上に説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、画像を印刷装置4によってロール紙20に印刷し、公衆に呈示するようにしたので、環境が明るい場合でも、視認性の高い情報を提示することが可能になる。
【0062】
また、第1の実施の形態では、看板等に比べると、表示する内容を簡単に変更することが可能になるので、内容を変更するために必要な労力とコストを低減することが可能になる。また、その結果、広告主であるユーザが負担するコストも削減することが可能になる。
【0063】
また、第1の実施の形態では、入力部72を介して一般のユーザからの画像の入力を受けつけるようにしたので、一般のユーザが公衆に向けて情報を自由に発信することが可能になる。
【0064】
また、第1の実施の形態では、ロール紙20が透明部材3aを介して外部に呈示されるようにしたので、風雨等によってロール紙20が汚損されることを防止できる。
【0065】
つぎに、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0066】
本発明の第2の実施の形態に係る表示装置1Aの外観は、図1の場合と同様であり、公衆が画像を広く閲覧可能となるように、例えば、ビルの壁面等に取り付けられている。
【0067】
図6は、第2の実施の形態に係る表示装置1Aの詳細な構成例を示す図である。なお、この図6において、図3に示す第1の実施の形態と対応する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。この図6に示すように、第2の実施の形態では、表示手段となる拡大投射装置200が新たに追加されている。その他の構成は、図3の場合と同様である。
【0068】
ここで、拡大投射装置200は、図6の詳細な構成や、その端面図である図7に示すように、筐体201、開口部202、光源203、凹面鏡204、液晶装置205、および投射光学系206によって構成されている。
【0069】
筐体201は、前面側に開口部202を有しており、この開口部202を介して画像をロール紙20の裏面に拡大投射する。光源203は、例えば、ハロゲンランプ等によって構成されており、白色光を液晶装置205に向けて放射する。凹面鏡204は、光源203から放射された光を液晶装置205に集光する。
【0070】
液晶装置205は、例えば、アクティブマトリクス型の液晶パネルによって構成されており、光源203からの直接光および凹面鏡204によって集光された反射光を表示しようとする画像に応じて変調して出力する。投射光学系206は、例えば、反射鏡によって構成されており、液晶装置205によって変調された光を反射して、ロール紙20の裏面に投射する。
【0071】
なお、図7には、1枚の液晶装置205のみ図示してあるが、光源203から出射された光を赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の光に分離する光分離光学系を配置するとともに、各色の光をそれぞれ変調する3枚の液晶装置205を用い、各液晶装置205から出射された光をプリズムなどによって合成してから表示部3に拡大投射すれば、表示部3においてカラーの画像を表示することができる。
【0072】
なお、第2の実施の形態では、拡大投射装置200によってロール紙20の背面から画像を投射するため、ロール紙20としては、ある程度の透光性を有するペット紙等を用いる。
【0073】
つぎに、第2の実施の形態の動作について説明する。
【0074】
まず、ユーザが自己の端末装置74を通信回線を介して入力部72に接続するか、または、入力部72に直接接続すると、第1の実施の形態の場合と同様に、図5に示すような画面が端末装置74に表示されるので、ユーザは、第1の実施の形態の場合と同様に必要な項目を入力する。
【0075】
項目の入力が終了し、ボタン96が操作されると、第1の実施の形態の場合と同様に、認証処理が実行され、正規のユーザと認証された場合には、予約の要求が受け付けられ、HDD64に新たな予約として登録される。
【0076】
以上のようにして予約がなされると、CPU61は、タイマ73によって発生される日時情報を所定の時間間隔で参照し、予約日時になったか否かを判定する。そして、予約日時の所定時間前になった場合には、CPU61は、タイマ73から供給されたその時点における時刻を参照し、拡大投射装置200または印刷装置4のいずれによって画像を表示するかを決定する。例えば、表示する時点での時刻が午後6時〜午前6時の時間帯に該当する場合には、拡大投射装置200によって画像を表示することを決定し、また、この時間帯以外に該当する場合には印刷装置4によって画像を表示することを決定する。所定時間としては、例えば、10分を採用することができる。
【0077】
なお、前述した時間帯は、これ以外の時間帯とすることも可能である。また、季節等に応じて時間帯を適宜変更することも可能である。例えば、夏期には時間帯を短く設定し(例えば、午後8時〜午前4時に設定し)、逆に冬期にはこの時間帯を長く設定する(例えば、午後4時〜午前8時に設定する)ようにしてもよい。そのような構成によれば、季節に応じて最適な時間帯を設定することができる。
【0078】
また、時刻ではなく、設置された環境の明るさを、例えば、フォトセンサ等によって検出し、明るさが所定のレベル未満になった場合には拡大投射装置200を選択し、所定のレベル以上になった場合には印刷装置4を選択するようにしてもよい。そのような構成によれば、その日の天候や設置環境に応じた最適な表示方法を選択することが可能になる。
【0079】
CPU61は、例えば、現在の時刻が午後2時である場合には、10分後となる予約日時は、前述した時間帯には該当しないので、印刷装置4によって表示することを決定する。そして、CPU61は、第1の実施の形態で説明したように、登録されている画像データをHDD64から読み出し、所定の変換を施した後、印刷装置4によってロール紙20に印刷する。印刷が終了すると、CPU61は、ローラ駆動部35を駆動し、印刷が完了した画像を表示部3まで移動させて表示する。この場合、第1の実施の形態で説明したように、予め画像を印刷しておき、予約日時になると、ローラ駆動部35を駆動し、表示部3まで移動させるようにしてもよい。
【0080】
一方、現在の時刻が、例えば、午後10時である場合には、10分後の予約日時は、前述した時間帯に該当するので、拡大投射装置200によって表示することを決定する。そして、CPU61は、予約日時になると、または、予約日時の直前になると、ローラ駆動装置35を制御してロール紙20を移動させ、開口部202の前面に画像が印刷されていない部分(空白部分)がくるようにする。なお、予約日時に到達する前にロール紙20を駆動させる場合は、ロール紙20の印刷されていない部分が開口部202を全面的に覆うようになるまでの時間を考慮して動作を開始させるのが望ましい。
【0081】
つづいて、CPU61は、HDD64に登録されている画像データを読み出し、画像処理部65に供給する。画像処理部65は、CPU61から供給された画像データを映像信号に変換し、拡大投射装置200に出力する。
【0082】
拡大投射装置200では、制御部36のCPU61から供給された画像データを取得し、液晶装置205に供給して表示するとともに、光源203を点灯させる。その結果、光源203から白色光が放射され、凹面鏡204によって液晶装置205に集光される。液晶装置205は、CPU61から供給された映像信号に応じて白色光を変調し、投射光学系206に入射する。
【0083】
投射光学系206は、液晶装置205から入射された光を反射し、開口部202を通過してロール紙20の裏面に投射する。その結果、ロール紙20には、HDD64に登録されている画像が表示されることになる。なお、拡大投射装置200によって投射された画像は、光源203によって自ら発光しているので、環境が暗い場合であっても表示されている画像の視認性を高めることができる。また、環境が暗いため、表示面の表面に外光が当たって外光の反射により画像が見えにくくなるという問題も生じない。
【0084】
一方、環境が明るい場合には、印刷装置4によって印刷された画像が表示される。印刷された画像は、明るい環境下では視認性が高く、また、拡大投影装置200に比べると、環境光が過度に明るい場合でも視認性が低下することはない。
【0085】
したがって、本発明の第2の実施の形態によれば、環境が明るい場合には印刷装置4により画像を印刷し、環境が暗い場合には拡大投射装置200によって画像を投射することにより、常に、視認性の高い情報を提供することができる。
【0086】
なお、以上の説明では、設置されている環境の明るさまたは時間帯によって表示方法を切り替えるようにしたが、例えば、災害等に関連するメッセージを表示する際には、印刷装置4によって印刷された画像を表示するようにすることも可能である。そのような構成によれば、災害に起因して停電が発生した場合でも、災害等に関連するメッセージを表示し続けることが可能になる。
【0087】
また、切り替えを自動的に行うのではなく、例えば、権限を有する管理者が手動で行うようにしてもよい。そのような構成によれば、必要に応じて印刷装置4と拡大投射装置200による表示を切り替えることが可能になる。
【0088】
また、図5に示す設定画面において、いずれの表示方法を選択するかをユーザ自身が設定し、設定された内容に応じて表示方法を選択するようにしてもよい。そのような構成によれば、ユーザのニーズに合致した方法によって情報を呈示することができる。
【0089】
さらに、装置が故障したり、メンテナンスが必要になった場合(例えば、ロール紙20やインクカートリッジ等を交換する必要が生じた場合)には、その旨を示すメッセージを表示または印刷し、ユーザからの要求に基づくサービスを一時的に停止するようにしてもよい。そのような構成によれば、メンテナンスが必要になったことをユーザもしくは管理者に直ちに知らせることが可能になる。
【0090】
つぎに、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0091】
図8および図9は、本発明の第3の実施の形態に係る表示装置の構成例を示す図である。なお、この図8および図9において、図3に示す第1の実施の形態や図6に示す第2の実施の形態と対応する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0092】
第3の実施の形態の表示装置1Bは、第2の実施の形態の表示装置1Aと比較すると、図8および図9に示すように、拡大投射装置200の開口部202に投射用のスクリーン250が設けられており、また、ロール紙20の一部に窓20aが設けられている。その他の構成は、第2の実施の形態の場合と同様である。
【0093】
図8は、第3の実施の形態に係る表示装置1Bの拡大投射装置200の詳細な構成例を示す図である。この図8に示すように、ロール紙20の一部に窓20aが設けられており、この窓20aを介して拡大投射装置200のスクリーン250が見えるように構成されている。なお、窓20aは、ロール紙20自身が切り抜かれた構成のもの、あるいは透明なシートによって構成されたもののいずれであってもよい。
【0094】
図9は、図8に示す表示装置1Bの断面(端面)を示す図である。図9に示す表示装置1Bでは、拡大投射装置200の前面にスクリーン250が設けられており、このスクリーン250に対して画像が投射される。また、このようにして投射された画像は、ロール紙20に設けられた窓20aを介して外部から視認可能となる。
【0095】
つぎに、第3の実施の形態の動作について説明する。なお、第3の実施の形態の基本的な動作は、第2の実施の形態の場合と同様であるので、異なる部分を中心にして説明する。
【0096】
第3の実施の形態では、印刷装置4によって画像を印刷する場合は、第2の実施の形態と同様に印刷ヘッド37によって画像が印刷されて表示がなされ、その動作は第1および第2の実施の形態の場合と異なることはない。
【0097】
一方、拡大投射装置200によって画像を表示する場合、まず、CPU61は、ローラ駆動装置35を駆動してロール紙20の窓20aをスクリーン250の前面に移動させる。そして、そのような状態になった後に拡大投射装置200に対して画像を投射させることにより、窓20aを介して投射された画像を閲覧することが可能になる。
【0098】
つぎに、拡大投射装置200による画像の表示を終了し、印刷装置4により画像を印刷する場合には、ローラ駆動部35を制御してロール紙20を移動させ、空白部分が印刷ヘッド37の下に来るように制御し、画像の印刷を開始する。
【0099】
以上の第3の実施の形態によれば、ロール紙20として、前述のペット紙のような特殊な紙を使用する必要がなくなるので、ランニングコストを削減することが可能になる。
【0100】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能である。
【0101】
例えば、以上の各実施の形態では、印刷用部材としてロール紙20を用いるようにしたが、カットシートを用いることも可能である。カットシートを用いると、例えば、第3の実施の形態の場合には、紙送り制御を停止するだけで、表示部250を視認可能とすることができるので、ロール紙20に窓20aを設ける必要がなく、また、制御も容易になる。なお、カットシートを用いる場合には、複数のカットシートを格納する格納部、格納部に格納されているカットシートを装置に供給する供給部、印刷が終了したカットシートを表示部250の前面まで搬送する搬送部、および表示が終了したカットシートを廃棄する廃棄部を設ける必要がある。なお、これらの技術は、例えば、プリンタ等に用いられており、すでに周知であるため、その詳細な説明は省略する。また、カットシートの採用は、第1および第2の実施の形態でも可能である。
【0102】
また、以上の各実施の形態では、ロール紙20の片面のみに画像を印刷するようにしたが、ロール紙20またはカットシートの両面に画像を印刷するようにしてもよい。例えば、ロール紙20がローラ32側に完全に巻き取られた後、そのローラ32ごとローラ31と入れ替え、印刷された裏面をつぎに利用して印刷するようにすることができる。そのような構成によれば、ランニングコストを低減することができる。
【0103】
また、以上の各実施の形態では、印刷装置4はインクジェット方式により画像を印刷するようにしたが、これ以外の方法(例えば、熱昇華式印刷方法、レーザ式印刷方法等)によって印刷することも可能である。
【0104】
また、第2および第3の実施の形態では、表示手段となる拡大投射表示装置200としてリアプロジェクタを用いるようにしたが、表示手段としてはこれ以外のプロジェクタ(フロントプロジェクタ)を用いることも可能である。また、プロジェクタではなく、例えば、発光ダイオードや液晶等による表示装置やテレビジョン(プラズマ方式、液晶方式等)を用いることも可能である。
【0105】
また、ロール紙20やインク等が無くなった場合の交換作業またはその他のメンテナンス作業が容易になるように、筐体2の側面等に扉等を設けて、表示装置1の内部を容易に観察できるようにしてもよい。また、印刷装置1の内部にメンテナンス用のスペースを設けておき、このスペースを利用してメンテナンスが容易に行えるようにしてもよい。また、印刷装置4および拡大投影装置200を壁面等に固定しておき、筐体2を着脱可能に印刷装置4等に固定するようにしてもよい。そのような構成によれば、筐体2を取り外すことにより、メンテナンス作業等を容易に行うことが可能になる。
【0106】
また、各表示とともに、音楽を流したり、所定のアナウンスを流したりしてもよい。さらには、筐体2の周辺の一部または全周に、表示部3に表示される内容と同期した動きまたは関連する動きを行う動作体を配置するようにしてもよい。また、その動作体の動きを上述の音楽やアナウンス等と同期させるようにしてもよい。
【0107】
さらに、印刷用部材としては、紙、樹脂、布等から形成されたロール紙スクリーンや多枚数からなるスクリーン等が採用される。また、各実施の形態では、印刷装置4や表示手段を筐体2の内部に配置しているが、例えば、ビルの窓を表示部3の代わりにとすることで、筐体2を特別に設けず、ビルそのものを筐体2の代わりとなるようにしたり、筐体2の外部に制御部36を配置したりするようにしてもよい。
【0108】
【発明の効果】
本発明によれば、表示内容を簡易に変更することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る表示装置の外観を示す図である。
【図2】図1に示す表示装置の内部構造を説明するための分解図である。
【図3】図2に示す表示装置の印刷装置の詳細な構成例を示す図である。
【図4】図3に示す制御部の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図5】図1に示す表示装置にユーザの端末装置が接続された場合に、当該端末装置の表示部に表示される画面の一例である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る表示装置の構成例を示す図である。
【図7】図6に示す表示装置の詳細な構成例を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る表示装置の構成例を示す図である。
【図9】図8に示す表示装置の詳細な構成例を示す図である。
【符号の説明】
1,1A,1B 表示装置
3 表示部(呈示手段)
3a 透明部材(透明部材)
20 ロール紙(印刷用部材)
31 ローラ(移動手段、供給手段)
32 ローラ(移動手段、廃棄手段)
33,34 テンションローラ(保持部材)
36 制御部(切り替え手段)
37 印刷ヘッド(印刷手段)
64 HDD(記憶手段)
72 入力部(入力手段)
200 拡大投射装置(表示手段)
Claims (11)
- 印刷用部材に所定の画像を印刷する印刷手段と、
上記印刷手段によって印刷された画像を、外部から視認可能に呈示する呈示手段と、
上記呈示手段によって呈示される画像を変更するために、上記印刷用部材を移動させる移動手段と、
を有することを特徴とする表示装置。 - 前記呈示手段は、前記印刷用部材を保持するための保持部材と、
前記印刷手段によって印刷された画像の少なくとも一部を外部から視認可能な状態にするための透明部材と、
を有することを特徴とする請求項1記載の表示装置。 - 前記画像に係る画像情報を入力する入力手段と、
上記入力手段を介して入力された画像情報を記憶する記憶手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1記載の表示装置。 - 前記印刷用部材を前記印刷手段に供給する供給手段と、
表示の終了した前記印刷用部材を廃棄する廃棄手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1記載の表示装置。 - 画像を電気的に表示する表示手段をさらに有することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
- 前記表示手段は、前記呈示手段を介して画像を表示することを特徴とする請求項5記載の表示装置。
- 前記印刷手段によって印刷された画像を呈示する第1の状態と、前記表示手段によって画像を呈示する第2の状態とを切り替える切り替え手段をさらに有することを特徴とする請求項5または6のいずれか1項に記載の表示装置。
- 前記切り替え手段は、時刻に応じて前記第1の状態と前記第2の状態を切り替えることを特徴とする請求項7記載の表示装置。
- 前記切り替え手段は、環境の明るさに応じて前記第1の状態と前記第2の状態を切り替えることを特徴とする請求項7記載の表示装置。
- 前記切り替え手段は、画像の内容に応じて前記第1の状態と前記第2の状態を切り替えることを特徴とする請求項7記載の表示装置。
- 印刷用部材に所定の画像を印刷する印刷ステップと、
上記印刷ステップによって印刷された画像を、外部から視認可能に呈示する呈示ステップと、
上記呈示ステップによって呈示される画像を変更するために、上記印刷用部材を移動させ、画像を外部から視認可能な位置にもたらす移動ステップと、
を有することを特徴とする表示方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003003327A JP2004219454A (ja) | 2003-01-09 | 2003-01-09 | 表示装置および表示方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003003327A JP2004219454A (ja) | 2003-01-09 | 2003-01-09 | 表示装置および表示方法 |
Publications (1)
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JP2004219454A true JP2004219454A (ja) | 2004-08-05 |
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Family Applications (1)
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JP2003003327A Withdrawn JP2004219454A (ja) | 2003-01-09 | 2003-01-09 | 表示装置および表示方法 |
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JP (1) | JP2004219454A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015166879A (ja) * | 2006-12-04 | 2015-09-24 | 株式会社リコー | 画像投射装置及び投射光学系 |
-
2003
- 2003-01-09 JP JP2003003327A patent/JP2004219454A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015166879A (ja) * | 2006-12-04 | 2015-09-24 | 株式会社リコー | 画像投射装置及び投射光学系 |
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