JP2004219038A - 乾燥装置及びこれを備えるワーク処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のワークを同時に効率良く乾燥できるようにした小型簡素な乾燥装置を提供する。
【解決手段】単一の乾燥炉51にホットプレート52を上下複数段に収納する。乾燥炉51の前面に、複数段のホットプレート52に臨む、常時開放されるワークの出入口51aを開設する。また、乾燥炉51の背面に、チャンバーケース53を設けて、このチャンバーケース53内に、複数段のホットプレート52間の各間隙に臨む複数の通気孔54aを形成した分流板54を介して炉内空間に連通する、排気手段で強制排気される排気室55を画成する。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として液滴吐出ヘッドを有する描画装置により板状のワークに塗布された液滴を乾燥するために用いられる乾燥装置及びこれを備えるワーク処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェットヘッドに代表される液滴吐出ヘッドを具備する描画装置を用い、カラーフィルタや有機EL装置を製造する試みが為されている。この場合、液滴吐出ヘッドにフィルタ材料や発光機能材料を含有する機能液を導入し、板状ワークたるカラーフィルタの基板や有機EL装置の基板に対し液滴吐出ヘッドを相対的に走査し、基板上の多数の画素領域にフィルタエレメントや有機EL機能層と成る機能液滴を塗布し、その後機能液滴を乾燥固化させて、フィルタエレメントや有機EL機能層を形成する。
また、生産性を向上させるため、R(赤)・G(緑)・B(青)の3色に合わせて3台の描画装置を用い、基板をこれら描画装置に順送りして、R・G・Bの各色に対応する機能液滴を順に塗布することも考えられている。この場合、機能液滴を固化させる最終的な乾燥は後工程で行うとしても、各描画装置で基板に塗布された機能液滴が後段の描画装置への搬送途中で流動しないように、各描画装置に乾燥装置を併設して、基板に塗布された機能液滴を乾燥装置により流動性を失う程度に乾燥させてから基板を後段の描画装置に搬送することが必要になる。
尚、描画装置に併設する乾燥装置ではないが、従来、ケーシング内にホットプレートを配置し、ワークをホットプレートに着座させて乾燥する装置は知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、このものでは、ホットプレートを内蔵する複数のケーシングを積み上げて、複数のワークを同時に乾燥できるようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−127330号公報(段落0134,図18)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く描画装置に乾燥装置を併設する場合、描画装置での作業時間に比し乾燥に要する時間が数倍程度長くなるため、乾燥装置で数枚以上のワーク(基板)を同時に乾燥し得るようにすることが必要になる。
ここで、上記従来例のようにホットプレートを内蔵する複数のケーシングを積み上げて乾燥装置を構成したのでは、装置が大型化するため、単一の乾燥炉にホットプレートを上下複数段に収納することが望まれる。然し、この場合には、ワークに塗布した機能液滴から蒸発する溶剤が乾燥炉内に滞留し易くなり、機能液滴を効率良く乾燥できなくなる。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、複数のワークを同時に効率良く乾燥できるようにした小型簡素な構造の乾燥装置及びこれを備えるワーク処理装置を提供することをその課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の乾燥装置は、板状のワークを着座させるホットプレートを上下複数段に収納して成る乾燥炉を備え、前記乾燥炉の前面に、前記複数段のホットプレートに臨む、常時開放されるワークの出入口を開設すると共に、前記乾燥炉の背面に、チャンバーケースを設けて、このチャンバーケース内に、前記複数段のホットプレート間の各間隙に臨む複数の通気孔を形成した分流板を介して前記乾燥炉の炉内空間に連通する、排気手段で強制排気される排気室を画成することを特徴とする。
【0007】
上記の構成によれば、分流板の各通気孔に排気室を介して排気手段の吸引力が作用し、乾燥炉の前面の出入口から複数段のホットプレート間の各間隙を通って通気孔に向かう換気流が生成される。そのため、乾燥中に蒸発した溶剤等は換気流に乗って乾燥炉内から速やかに排出され、乾燥が効率良く行われる。
【0008】
尚、排気室の一箇所から排気したのでは、排気箇所から離れた位置に存するホットプレート間の間隙に換気流が流れにくくなるため、排気室に、排気手段に接続される上下複数の排気口を設け、全てのホットプレート間の間隙に均等に換気流が流れるようにすることが望ましい。
【0009】
ところで、ワークの大きさに合わせてホットプレートを交換することがあるが、乾燥炉の前面側には、ワークの移載装置が配置され、前面の出入口を通してホットプレートを交換することは困難である。この場合、チャンバーケースを乾燥炉の背面に開閉自在に取り付け、チャンバーケースを開くことで開放される乾燥炉の背面の開口を通して各ホットプレートを交換自在とすれば、ホットプレートの交換作業が容易になる。更に、乾燥炉の側壁内面に、各ホットプレートの側縁部が前後方向に摺動自在に係合するレール部材を上下複数段に固設しておけば、交換時のホットプレートの出し入れやホットプレートの位置決めが容易になり、交換作業性が向上する。
【0010】
また、ホットプレートに対するワークの脱着作業性を向上させるには、複数段のホットプレートからワークを選択的に押し上げて支持可能な押し上げ機構を設け、ホットプレートとワークとの間にワークを移載するための間隙を形成し得るようにすることが望まれる。ここで、上記特許文献1に記載のものでは、ホットプレートを貫通してワークの下面に当接する押し上げピンを、ホットプレートの下側に昇降自在に設けた昇降プレートに立設し、昇降プレートの上昇によりホットプレート上のワークを押し上げピンを介して押し上げられるようにしている。
【0011】
本発明においても、このような押し上げ機構を採用することが考えられるが、この場合には、各ホットプレートの下側に昇降プレートの昇降スペースを確保することが必要になり、乾燥炉の高さ寸法が大きくなってしまう。かかる不具合を解消には、乾燥炉の側壁外面に配置した、昇降動する上下方向に長手の昇降部材と、乾燥炉の側壁の内側に上下複数段に配置した、各ホットプレートのワーク着座面から張り出すワークの側縁部の下面に係合可能な係合部材と、これら係合部材を、ワークの前記側縁部の上下方向の投影面内に入る作動位置とこの投影面の外方の退避位置とに個別に進退されるように昇降部材に連結する進退機構とで押し上げ機構を構成すれば良い。
これによれば、何れかのホットプレートに対してワークを脱着する際、対応する係合部材のみを作動位置に進出させた状態で昇降部材を上昇させることにより、該当するホットプレート上のワークを係合部材で選択的に押し上げることができる。そして、このものでは、各ホットプレートの下側に押し上げ機構用の昇降スペースを確保する必要がなく、乾燥炉の高さ寸法を大きくせずに済む。
【0012】
また、液滴吐出ヘッドを用いて板状のワークに液滴を塗布する描画装置と、ワークに塗布された液滴を乾燥する乾燥装置とを備える処理ユニットの複数台をこれら各処理ユニット間にワーク搬送装置を介在させて連設し、各処理ユニットで処理されたワークを各ワーク搬送装置を介して後段の処理ユニットに順送りするようにしたワーク処理装置において、乾燥装置として上記本発明の乾燥装置を用いることにより、生産性を向上できる。
【0013】
この場合、描画装置の液滴吐出ヘッドにフィルタ材料を含有する機能液を導入して、ワークたるカラーフィルタの基板上の多数の画素領域にフィルタエレメントと成る機能液滴を塗布し、或いは、描画装置の液滴吐出ヘッドに発光機能材料を含有する機能液を導入して、ワークたる有機EL装置の基板上の多数の画素領域に有機EL層と成る機能液滴を塗布することにより、カラーフィルタや有機EL装置を効率良く製造することができる。
【0014】
同様に、描画装置の液滴吐出ヘッドに金属配線材料を含有する機能液を導入して、ワークたるプラズマディスプレイ装置の基板上の多数の画素領域に素子電極機能層と成る機能液滴を塗布し、或いは描画装置の液滴吐出ヘッドに蛍光機能材料を含有する機能液を導入して、ワークたるプラズマディスプレイ装置の基板上の多数の画素領域に蛍光機能層と成る機能液滴を塗布し、或いは描画装置の液滴吐出ヘッドに導電性機能材料を含有する機能液を導入して、ワークたる電子放出装置の基板上の多数の画素領域に導電性機能層と成る機能液滴を塗布することにより、プラズマディスプレイ装置(PDP装置)や電子放出装置(FED装置、SED装置)を効率良く製造することができる。
【0015】
また、ワーク搬送装置にワークを一時的にストックするバッファ手段を配置しておけば、後段の処理ユニットの描画装置へのワークの投入が液滴吐出ヘッドのクリーニング作業等でストップしても、前段の処理ユニットの乾燥装置からワークを払い出して、ワーク搬送装置のバッファ手段によりストックしておくことができる。ここで、カラーフィルタや有機EL装置等の基板には、混色、色抜けを防止するために、画素領域に親液性、画素領域の周辺領域に撥液性を付与する前処理が施されているが、乾燥装置でワークの加熱温度が低いと、画素領域の周辺領域に溶剤が残り、後段の処理ユニットの描画装置において混色、色抜けを発生させる要因になり、また、乾燥時間のバラツキにより機能液滴が乾燥して収縮する過程において膜厚が不均一になる。
然し、上記の構成によれば、後段の処理ユニットの描画装置へのワークの投入がストップしている間も、前段の処理ユニットの乾燥装置からワークを払い出すことができるため、乾燥装置におけるワークの乾燥時間が所定の一定時間に達したところで、乾燥装置からワークを払い出し、ワークの乾燥時間を一定に管理して、膜厚が不均一になることを防止できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、有機EL装置の製造ラインの一部を構成する発光機能層製造ライン(ワーク処理装置)である。この発光機能層製造ラインは、前工程で回路素子、バンクおよび画素電極が形成された基板(ガラス基板)を導入し、この基板に有機ELにおけるR・G・B色の発光層および正孔注入層(有機EL機能層)を、いわゆるインクジェット方式で作り込むものである。また、有機ELでは、酸素および水分を嫌うため、この発光機能層製造ラインにおける基板の処理は、全て不活性ガス(窒素ガス)の雰囲気中で行われる。
【0017】
同図に示すように、この発光機能層製造ライン1では、図示の左側が搬入側、右側が搬出側となっていて、基板(ワーク)Aは、ライン内の各処理装置を経由して搬入側から搬出側に一方向に送られる。発光機能層製造ライン1の主な処理装置は、搬入側に位置しB色の発光層を形成するB色描画装置2aと、中間に位置しR色の発光層を形成するR色描画装置2bと、搬出側に位置しG色の発光層を形成するG色描画装置2cとで構成されている。なお、図示では、正孔注入層を形成する描画装置は、省略されている。
【0018】
また、B色描画装置2aに対応し、B色移載装置3aを挟んでB色乾燥装置4aを設けて、これら装置2a,3a,4aによりB色の処理ユニット1aを構成し、またR色描画装置2bに対応し、R色移載装置3bを挟んでR色乾燥装置4bを設けて、これら装置2b,3b,4bによりR色の処理ユニット1bを構成し、更にG色描画装置2cに対応し、G色移載装置3cを挟んでG色乾燥装置4cを設けて、これら装置2c,3c,4cによりG色の処理ユニット1cを構成している。一方、B色処理ユニット1aとR色処理ユニット1bとの間には、B色処理ユニット1aで処理した基板AをR色処理ユニット1bに搬送する第1搬送装置5aが配設され、同様にR色処理ユニット1bとG色処理ユニット1cとの間には、R色処理ユニット1bで処理した基板AをG色処理ユニット1cに搬送する第2搬送装置5bが配設されている。
【0019】
また、搬入側には、ストックした処理前の基板Aを送り出す搬入側マガジンローダ6と、搬入側マガジンローダ6から基板Aを受け取り、これをB色移載装置3aに臨ませる搬入側移載装置7とが、配設されている。同様に、搬出側には、処理後の基板Aをストックする搬出側マガジンローダ8と、基板AをG色移載装置3cから受け取ってこれを、搬出側マガジンローダ8に送り込む搬出側移載装置9とが、配設されている。
【0020】
ところで、本実施形態では、描画装置2に対し縦向きに導入される基板Aと横向きに導入される基板Aとがある(図6参照)。そこで、搬入側移載装置7には、基板を水平姿勢のまま90°回転させてB色移載装置3aに臨ませる回転機構が組み込まれている(図示省略)。同様に、搬出側移載装置9にも、搬出側マガジンローダ8に送り込む前に、基板Aを水平姿勢のまま90°回転させる回転機構が組み込まれている(図示省略)。
【0021】
一方、基板Aの処理を不活性ガスの雰囲気中で行うため、R・G・B各色の描画装置2a,2b,2cは、それぞれクリーンルーム形式のメインチャンバ11,11,11に収容されている。同様に、基板Aの搬送を不活性ガスの雰囲気中で行うため、各移載装置3a,3b,3c,7,9や第1・第2搬送装置5a,5b等には、それぞれカバーケース形式のサブチャンバ12が設けられている。なお、各乾燥装置4a,4b,4cは、各移載装置3a,3b,3cに対向する前面部分をサブチャンバ12に挿入して内部が不活性ガスの雰囲気中に置かれるようにしている。そして、これら複数のメインチャンバ11と複数のサブチャンバ12とは、境界部分にシャッタ(図示省略)を有してトンネル状に連結されている。
【0022】
図2および図3に示すように、各色の描画装置2は、発光機能液をインクジェット方式で吐出するものであり、機台21上に設置したX軸テーブル22と、X軸テーブル22に直交するY軸テーブル23と、Y軸テーブル23に吊設したメインキャリッジ24とを、備えている。メインキャリッジ24の下部には、サブキャリッジ25を介して複数の液滴吐出ヘッド26が下向きに配設されている(図3参照)。また、基板Aは、X軸テーブル22上にセットされている。
【0023】
図3に示すように、この描画装置2は、液滴吐出ヘッド26の駆動(発光機能液の選択的吐出)に同期して基板Aが移動する構成であり、液滴吐出ヘッド26のいわゆる主走査は、X軸テーブル22のX軸方向への往復の両動作により行われる。また、これに対応して、いわゆる副走査は、Y軸テーブル23により、液滴吐出ヘッド26のY軸方向への往動動作により行われる。すなわち、発光機能液を導入した液滴吐出ヘッド26を、基板Aに対しX軸およびY軸方向に相対的に走査し、発光機能材料を含有する機能液を選択的に吐出して基板A上の多数の画素領域に、発光機能層をそれぞれ形成するようになっている。
【0024】
この場合、詳細は後述するが、発光機能層のうち正孔注入層を形成する機能液としては、正孔注入層形成材料に極性溶媒に溶解させた組成物を用いることができる。また、発光層を形成する機能液としては、発光層形成材料に非極性溶媒に溶解させた組成物を用いることができる。
【0025】
そして、図4に示すように、発光層を形成するR・G・B各色の画素領域の配置は、ストライブ配置、モザイク配置およびデルタ配置が用いられる。また、基板Aには、各画素領域が発光機能液に対する親液性を持ち、各画素領域の周辺領域が撥液性を持つように前処理が施されている。
【0026】
図5に示すように、R・G・Bの各移載装置3は、旋回および屈伸自在な一対のロボットアーム31,31を有する移載ロボットで構成されており、各ロボットアーム31の先端に設けた薄板フォーク状のロボットハンド32により、基板Aを載置するようにして支持し、移載作業を行う。また、一対のロボットアーム31,31を支持するスタンド部33には、昇降装置(図示省略)が内蔵されており、基板Aの受け取り(上昇)および受け渡し(下降)等のために、一対のロボットアーム31,31を適宜、昇降できるようになっている。
【0027】
例えば、中間のR色移載装置3bでは、一方のロボットアーム31を駆動させ、第1搬送装置5aから受け取った基板Aを、水平姿勢を維持したまま旋回させ、これを水平面内で90°回転させてR色描画装置2bのX軸テーブル22上に送り込む。また、R色描画装置2bで処理を完了した基板Aは、他方のロボットアーム31を駆動させ、X軸テーブル22から基板Aを受け取って、これを大きく旋回するようにして水平面内で180°回転させ、R色乾燥装置4bに送り込む。但し、基板Aが横向きの基板Aである場合には、一旦第2搬送装置5bの後記する90°回転装置42に移載した後、ここで90°回転させ、これを再度受け取ってR色乾燥装置4bに送り込む。そして、R色乾燥装置4bで処理を完了した基板Aは、他方のロボットアーム31を駆動させ、R色乾燥装置4bから基板Aを受け取って、これを旋回するようにして水平面内で90°回転させて、第2搬送装置5bに送り込む(図6参照)。
【0028】
R・G・Bの各乾燥装置4は、図7乃至図9に示す如く、単一の乾燥炉51にホットプレート52を上下複数段(図示例では6段)に収納して成るもので、これら各ホットプレート52に基板Aを着座させて、複数枚の基板乾燥を同時に行い得られるようにしている。なお、これら各乾燥装置4は、各描画装置2により基板Aに塗布された機能液滴が基板Aの搬送中に流動して混色を生じたり、急激な溶剤の蒸発で膜厚が不均一になることがないように、機能液滴を流動性を失う程度に仮乾燥させる目的で設けられており、機能液滴を固化させて発光層を形成する最終的な乾燥は図示の製造ラインの後工程で行う。乾燥装置4における基板Aの加熱温度は、40±2℃〜200±2℃であることが、好ましい。
【0029】
乾燥炉51の前面には、前記複数段のホットプレート52に臨む出入口51aが開設されている。出入口51aは常時開放されており、移載装置3により出入口51aを通して各ホットプレート52に対する基板Aの送り込みと取り出しとを行う。
【0030】
また、乾燥炉51の背面には、チャンバーケース53が蝶番53aを介して開閉自在に取り付けられている。チャンバーケース53の奥行き方向中間には、複数段のホットプレート52の各段間の間隙に臨む複数の通気孔54aを形成した分流板54が設けられており、分流板54とチャンバーケース53の背面との間に、乾燥炉51の炉内空間に分流板54を介して連通する排気室55が画成されている。そして、チャンバーケース53の背面に、排気室55に連通する上下複数(図示例では3個)の排気口55aを設け、これら排気口55aを乾燥炉51上に設けた排気手段たる排気ブロワー56に複数の流入側接続口57aを有する合流チャンバー57を介して接続している。なお、排気口55aと合流チャンバー57と排気ブロワー56はそれぞれ排気パイプを介して接続されるが、図では排気パイプを省略している。
【0031】
この構成によれば、分流板54の各通気孔54aに排気室55を介して排気ブロワー56の吸引力が作用し、乾燥炉51の前面の出入口51aからサブチャンバ12内の不活性ガスが炉内に流入して、複数段のホットプレート52の各段間の間隙を通って通気孔54aに向かう不活性ガスによる換気流が生成される。そのため、乾燥中に蒸発した機能液滴中の溶剤等は換気流に乗って乾燥炉51内から速やかに排出され、乾燥が効率良く行われる。更に、上下複数の排気口55aを設けているため、上下何れの通気孔54aにも均等に吸引力が作用して、全てのホットプレート52間の間隙に均等に換気流が流れ、何れのホットプレート52においても効率良く乾燥が行われる。
【0032】
また、本実施形態では、ホットプレート52の各段間の間隙毎に比較的大きな通気孔54aを横1列で4個形成すると共に、分流板54に各列の通気孔54aの開口面積を調整するスライド式の調整板54bを付設し、換気量を調整できるようにしている。なお、分流板54に小口径の多数の通気孔を分散して形成しても良い。
【0033】
各ホットプレート52は、図10に示す如く、上面のワーク着座面52aに対し基板Aを位置決めする複数の位置決めピン52bと、プレート内のヒータに電力を供給する後縁のコネクタ52cとを備え、更に、側縁部には、ワーク着座面52aに対し下方への段差を存して側方に張り出す耳辺部52dが形成されている。そして、耳辺部52dに対し前後方向に摺動自在に係合する溝型のレール部材58を設けて、レール部材58を断熱材58aと固定部材58bとを介して乾燥炉51の側壁内面に上下複数段に固設し、各ホットプレート52を、耳辺部52dの後端に設けた止めねじ52eを外すことで、各レール部材58、即ち、乾燥炉51に対し抜き差し自在としている。ここで、チャンバーケース53は、上記の如く開閉自在に取り付けられており、チャンバーケース53を開くことで乾燥炉51の背面が開放される。そのため、基板Aの機種変更に際し、ホットプレート52を基板Aの大きさに合わせたものに乾燥炉51の背面側から容易に交換できる。
【0034】
また、乾燥炉51には、各ホットプレート52と移載装置3との間で基板Aを受け渡す際に、各ホットプレート52と基板Aとの間にロボットハンド32を挿入可能な間隙を確保するため、複数段のホットプレート52から基板Aを選択的に押し上げて支持可能な押し上げ機構59が組み込まれている。押し上げ機構59は、乾燥炉51の側壁外面に配置した、昇降動する上下方向に長手の昇降部材60と、乾燥炉51の側壁の内側に上下複数段に配置した、各ホットプレート52のワーク着座面52aから張り出す基板Aの側縁部の下面に係合可能な係合部材61と、これら係合部材61を、基板Aの前記側縁部の上下方向の投影面内に入る作動位置とこの投影面の外方の退避位置とに個別に進退されるように昇降部材60に連結する進退機構62とで構成されている。
【0035】
なお、本実施形態では、図10に示す如く、ホットプレート52の各側部に前後3箇所の切り欠き部52fが形成されており、ワーク着座面52aからこれら切り欠き部52f上に張り出す基板Aの側縁部分に係合するように、係合部材61に前後3箇所の爪部61aを突設している。
【0036】
進退機構62は、昇降部材60に上下複数段に取り付けたガイド63a付きシリンダ63と、各シリンダ63のピストンロッド63bに連結されて横方向に進退する前後方向に長手の可動アーム64とで構成され、可動アーム64の両端に、各係合部材61の前後両端に固定される連結片61bを乾燥炉51の側壁に形成した透孔51bを通して連結している。かくて、複数のシリンダ63を選択的に作動させることにより対応する係合部材61が選択的に作動位置に進出する。
【0037】
昇降部材60の下端には、乾燥炉51の下方に配置した偏心カム65に当接するカムフォロア66が枢着されており、偏心カム65を乾燥炉51の下方に配置したシリンダ67によりクランク68と図外の歯車とを介して回転させることにより、昇降部材60が乾燥炉51の側壁外面に固定したレール69に沿って昇降される。なお、乾燥炉51の側壁には、押し上げ機構59を覆うようにしてカバー51cが取り付けられる。
【0038】
以上の構成によれば、何れかのホットプレート52に対して基板Aを脱着する際、対応する係合部材61のみを作動位置に進出させた状態で昇降部材60を上昇させることにより、該当するホットプレート52上の基板Aを係合部材61で選択的に押し上げることができる。そして、このものでは、各ホットプレート52の下側に押し上げ機構用の昇降スペースを確保する必要がなく、乾燥炉51の高さ寸法を大きくせずに済む。
【0039】
図11及び図12に明示するように、第1・第2の各搬送装置5a,5bとして用いるワーク搬送装置5は、キャビネット形式の共通機台41上に、基板Aを水平面内において90°回転させる上流側の90°回転装置42と、基板Aを水平面内において180°回転させる下流側の180°回転装置43とを配置すると共に、両回転装置42,43間に、基板Aを冷却する冷却手段44と、基板Aを処理待ちのためにストックしておくバッファ手段45とを配置して、構成されている。
【0040】
上述したように、90°回転装置42は、基板Aを各乾燥装置4に適切に送り込むため、R・G・Bの各移載装置3と協働して、横向きの基板を90°回転させて縦向きとする。また、移載装置3を介して乾燥装置4から受け取った基板Aを冷却手段44に送り込む。バッファ装置45は、冷却手段44で冷却された基板Aをストックし、次の描画装置2への基板の投入が液滴吐出ヘッド26のクリーニング等でストップされたときに、基板Aを搬送装置5上で待機させる。180°回転装置43は、各移載装置3の移載形態に基づく基板Aの姿勢変更を元に戻すべく、これを180°回転させ、R・G・Bの各描画装置2に対し、基板Aを全く同一の姿勢で送り込めるようにしている。
【0041】
ここで、図1および図6を参照して、実施形態の発光機能層製造ライン1における基板Aの搬送および処理手順について、簡単に説明する。
【0042】
搬入側移載装置7が、搬入側マガジンローダ6から受け取った基板AをB色移載装置3aに臨ませると、B色移載装置3aの一方のロボットアーム31がこれを受け取り、B色描画装置2aに送り込む。B色描画装置2aでは、受け取った基板AをX軸およびY軸方向に相対的に移動させ、これにB色の発光機能液滴を選択的に吐出する。吐出動作が終了してホーム位置に戻った基板Aに、B色移載装置3aの他方のロボットアーム31が臨んでこれを受け取り、B色乾燥装置4aに送り込む。
【0043】
基板乾燥が完了すると、他方のロボットアーム31がこれを受け取って、第1搬送装置5aの90°回転装置42に移載し、基板Aを90°回転装置42から冷却手段44に送る。そして、冷却手段44で冷却された基板Aをバッファ手段45に送り込む。次に、R色描画装置2bにおける基板Aの処理状況を待って、バッファ手段45から180°回転装置43に基板Aを送り、これを180°回転させて、R色移載装置3bに臨ませる。
【0044】
以降、上記と全く同様に、R色移載装置3bによる基板Aの移載と、R色描画装置2bおよびR色乾燥装置4bによる基板Aの処理が行われる。さらに、R色乾燥装置4bから第2搬送装置5bに移載された基板Aは、第2搬送装置5bからG色移載装置3cを介して、G色描画装置2cおよびG色乾燥装置4cに適宜送り込まれ処理される。このようにして、R・G・Bの発光機能層が形成されて基板Aは、最後にG色乾燥装置4cからG色移載装置3cを介して搬出側移載装置9に移載され、これから搬出側マガジンローダ8に送り込まれる。
【0045】
90°回転装置42と180°回転装置43とは同様の構成になっており、それぞれ基板Aを水平面内で回転させる回転部71,81と、基板Aの搬出や搬入を行う搬送部72,82とを備えている。回転部71,81には、基板Aをセンタリングするセンタリング機構を組み込んだワークテーブル73,83が回転及び昇降自在に設けられている。移載装置3から90°回転装置42に基板Aを移載する場合には、ワークテーブル73を搬送部72の上側に上昇させた状態で基板Aをワークテーブル73に載置する。
【0046】
そして、基板Aを90°回転させる場合には、センタリング機構により基板Aを回転中心にセンタリングしてからワークテーブル73を回転させる。一方、基板Aを90°回転装置42から搬出する場合には、ワークテーブル73を下降させて、基板Aを搬送部72設けた複数の送りローラ74に受け渡し、続いて送りローラ74の回転送りにより、基板Aを冷却手段44に向けて送り出す。
【0047】
バッファ手段45から180°回転装置43に基板Aを送り出す場合は、ワークテーブル83を下降させた状態で搬送部82の複数の送りローラ84によりワークテーブル83の直上部まで基板Aを搬入し、次に、ワークテーブル83を上昇させて、ワークテーブル83に基板Aを受け取らせる。そして、センタリング機構により基板Aを回転中心にセンタリングしてからワークテーブル83を180°回転させ、この状態で基板Aを移載装置3に受け取らせる。
【0048】
冷却手段44は、前段の処理ユニットの乾燥装置4で加熱された基板Aを描画装置2の設定管理温度(例えば、20°C)に冷却し、後段の処理ユニットの描画装置2において、基板Aの熱膨張に起因する位置決め精度や液滴の塗布位置精度の悪化を生ずることを防止するために設けられている。本実施形態の冷却手段44は、冷媒で強制冷却される冷却プレート91で構成されており、冷却プレート91を共通機台41の中間部に共通機台41内に立設する支柱(図示せず)で浮き支持させ、90°回転装置42から送られてきた基板Aを冷却プレート91に着座させて冷却するようにしている。
【0049】
冷却プレート91の詳細は図13乃至図15に示す通りであり、厚肉のプレート本体92と、プレート本体92の上面に固着した薄肉の上板93と、プレート本体92の下面に固着した台座94とで構成されている。プレート本体92には、冷媒を流す冷媒通路95が平行に複数形成されており、これら冷媒通路95を流入側と流出側のヘッダパイプ96a、96bを介して冷媒循環回路96に接続している。
【0050】
冷媒としては冷却水を用いることもできるが、本実施形態では、エアーを冷媒とし、冷媒循環回路96に循環ファン96cとクーラ96dとを開設している。また、プレート本体92の両端部には、各冷媒通路95をヘッダパイプ96a、96bに接続するワンタッチジョイント95aが取り付けられている。なお、本実施形態では、プレート本体92に冷媒通路95を穴明け加工で形成しているが、冷媒通路となるパイプをプレート本体92に鋳込むことも可能である。
【0051】
上板93には、多数の吸着孔97が開設されている。そして、プレート本体92の上面に、これら吸着孔97に連通する網の目状の溝98を形成し、溝98に、台座94に取り付けたジョイント98aを介して図外の負圧源を接続している。かくして、溝98をエアーの吸引通路として、吸着孔97からのエアー吸引が行われ、上板93に基板Aが吸着されて、基板Aが効率良く冷却される。
【0052】
なお、冷却プレート91は、基板Aより若干幅狭に形成され、また、後記する搬送部材144に対する逃げ穴99が形成されている。
【0053】
バッファ手段45は、図16及び図17に示すように、基板Aを上下複数段に支持可能なマガジンラック101と、マガジンラック101を昇降する昇降機構102とで構成されている。マガジンラック101は、上枠111と、下枠112と、上枠111と下枠112とを連結する上下方向にのびる各3本の枠材113aから成る両側の側枠113,113とで中空の箱状に形成されており、各側枠113の枠材113aに、基板Aの側縁部下面に係合して基板Aを支持する爪状のワーク受け114を上下複数段に取り付けている。また、マガジンラック101は、基板Aの大きさに合わせた専用品になっており、マガジンラック101の交換時に持ち運びできるように、上枠111の両側部に取手115が取り付けられている。なお、冷却プレート91も、基板Aの大きさに合わせた専用品になっており、マガジンラック101と一緒に交換する。
【0054】
マガジンラック101は、基板Aの搬送方向をx軸方向、これに直交する水平方向をy軸方向として、冷却プレート91のy軸方向両側方に両側枠113,113が位置し、冷却プレート91の下方に下枠112が位置する状態で昇降機構102に支持されている。換言すれば、マガジンラック101の両側枠113,113間のラック内空間に収まるように冷却プレート91を配置している。そして、マガジンラック101の上昇により、冷却プレート91に着座している基板Aの冷却プレート91から張り出す側縁部下面にワーク受け114を係合させて、基板Aを冷却プレート91の上方に持ち上げ、この状態で基板Aをストックするようにしている。
【0055】
かくして、冷却プレート91の上方空間がバッファ手段45による基板Aのストックスペースとして有効活用されることになる。従って、冷却手段44とバッファ手段45とを同一の場所にオーバーラップさせてスペース効率良く配置できるようになり、ワーク搬送装置5の小型化を図れる。なお、マガジンラック101には、上方のワーク受け114から下方のワーク受け114に向けて基板Aを順にストックする。
【0056】
昇降機構102は、共通機台41内にy軸方向に離間して固定される一対の支持フレーム121,121と、各支持フレーム121に一対のガイドバー122,122を介して昇降自在に支持される昇降枠123とを備えており、昇降枠123上の受け座124にマガジンラック101の下枠112を着座させている。なお、支持フレーム121の外側面には、共通機台41内に固定するための取り付けブラッケト121aが固設されている。
【0057】
昇降枠123には、支持フレーム121に軸支されるボールねじ125に螺合するナット126が固定されており、ボールねじ125の回転で昇降枠123が昇降される。一方の支持フレーム121に軸支されるボールねじ125は、この支持フレーム121の下端に取り付けたギヤードモータ127に直結され、他方の支持フレーム121に軸支されるボールねじ125は、ベルト128を介してギヤードモータ127に連結されており、両支持フレーム121,121に支持されるy軸方向両側の昇降枠123,123がギヤードモータ127により同期して昇降されて、マガジンラック101が水平姿勢を保って昇降される。
【0058】
各昇降枠123には、それぞれシリンダ129aによりy軸方向に進退される一対の押え爪129,129と、それぞれシリンダ130aによりアーム130bを介してx軸方向に進退される一対の位置決めピン130,130とが設けられている。そして、両位置決めピン130,130によりマガジンラック101の下枠112をx軸方向両側から挟むことで、マガジンラック101をx軸方向に位置決めすると共に、両昇降枠123,123の押え爪129,129によりマガジンラック101の下枠112をy軸方向両側から挟みつつ下方に押しつけることで、マガジンラック101をy軸方向にも位置決めした状態で昇降枠123に固定し得るようにしている。
【0059】
各支持フレーム121のx軸方向一端部には、上下方向に長手のスリット131が固定されており、各昇降枠123にスリット131の切欠きを読み取る光学センサ132を取り付け、この光学センサ132からの信号でマガジンラック101の上下方向位置を認識できるようにしている。
【0060】
更に、各支持フレーム121の上端部には、シリンダ133によりy軸方向に進退される可動枠134が設けられている。可動枠134には、マガジンラック101の側枠113の枠組み空隙に臨む複数のガイドローラ135が取り付けられており、後記する搬送機構103でラック内空間における基板Aの搬送を行う際、可動枠134のy軸方向内方への移動でガイドローラ135を側枠113の枠組み空隙を通してラック内空間に進入させ、基板Aの側縁をガイドローラ135でガイドして、搬送時の基板Aの斜行を防止できるようにしている。なお、図16,17の左側の支持フレーム121に示されているように、シリンダ133は支持フレーム121上のカバー136で覆われる。
【0061】
また、図16,17では省略しているが、両支持フレーム121,121間のスペースには、ラック内空間における基板Aの搬送を行う、図18および図19に示す搬送機構103が設けられている。搬送部材103は、図外のシリンダで昇降される昇降台141に搭載したコンベアフレーム142を備えている。コンベアフレーム142のy軸方向両側には、x軸方向に離間させて一対の起立フレーム143,143が立設されており、これら各起立フレーム143の上端部内側面に、それぞれ搬送部材たる複数(図示例では3個)の送りローラ144が軸着されている。これら送りローラ144は、コンベアフレーム142の下部に搭載したモータ145によりベルト式の動力伝達機構146を介して回転される。なお、動力伝達機構146は起立フレーム143,143の外側のカバー147で覆われている。
【0062】
起立フレーム143および送りローラ144は、冷却プレート91に形成した逃げ穴99に臨んでおり、昇降台141の上昇で送りローラ144が逃げ穴99を通して冷却プレート91の上面上に突出し、冷却プレート91の上面より上方の所定の搬送高さ位置でラック内空間における基板Aの搬送を行う。なお、この搬送高さ位置は、90°回転装置42や180°回転装置43の搬送部72,82による搬送高さと同レベルに設定される。
【0063】
本実施形態では、上記搬送高さ位置を、図20(a)に示すように、マガジンラック101の複数段のワーク受け114の内の次に基板Aを支持させるべきワーク受け114aを冷却プレート91の上面より若干下方に位置させた状態で、このワーク受け114aとその上段のワーク受け114bとの間の間隔内に当該搬送高さ位置に存する基板Aが収まるような高さに設定している。
【0064】
そして、90°回転装置42の搬送部72から送り出される基板Aを送りローラ144によりラック内空間に搬入した後、図20(b)に示す如く、送りローラ144を冷却プレート91の上面より下方に下降させて、冷却プレート91の上面に基板Aを着座させ、基板Aを冷却する。次に、時間管理や基板Aの直接的な温度検出等で基板Aが所定温度に冷却されたと判定されたとき、マガジンラック101を上昇させる。これによれば、図20(c)に示す如く、ワーク受け114aに基板Aが支持され、この状態で冷却プレート91から基板Aが持ち上げられる。
【0065】
このようにしてマガジンラック101にストックされた基板Aを180°回転装置43に送り出す際は、送りローラ144を冷却プレート91の上方に突出させた状態でマガジンラック101を図20(a)に示す位置に下降させ、基板Aを送りローラ144に乗せて、送りローラ144から180°回転装置43の搬送部82に基板Aを搬出する。
【0066】
以上の如くバッファ手段45を設けることにより、後段の処理ユニットの描画装置2への基板Aの投入が液滴吐出ヘッド26のクリーニング作業等でストップしても、前段の処理ユニットの乾燥装置4からワークを払い出して、バッファ手段45にストックしておくことができる。ここで、乾燥装置4で基板Aの加熱温度が低いと、画素領域の周辺領域に溶剤が残り、後段の処理ユニットの描画装置2において混色、色抜けを発生させる要因になり、また、乾燥時間のバラツキにより、機能液滴が乾燥して収縮する過程において膜厚が不均一になる。そこで、本実施形態では、後段の処理ユニットの描画装置2への基板Aの投入がストップしている間も、前段の処理ユニットの乾燥装置4における基板Aの乾燥時間が所定の一定時間に達したところで、乾燥装置4から基板Aを払い出して、バッファ手段45に基板Aをストックしている。
【0067】
具体的には、図外の制御手段に、乾燥装置4の複数段のホットプレート52のそれぞれに対応するタイマーを内蔵させ、図22に示されているように、何れかのホットプレート52に基板Aが投入されたときに(S1)、このホットプレート52に対応するタイマーの計時動作を開始し(S2)、基板投入時点から設定時間が経過してタイムアップしたとき(S3)、上記ホットプレート52からの基板Aの払い出しを移載装置3に指令する(S4)。このようにすることで、基板Aの乾燥時間を一定に管理して、膜厚が不均一になることを防止できる。
【0068】
ところで、上記実施形態では、冷却プレート91に送りローラ144に対する干渉防止のための逃げ穴99を形成しているため、基板Aの冷却効率が多少とも低下する。この場合、昇降枠123上に設ける可動枠134に、ガイドローラ135に代えて、図21に示すように送りローラ144′を軸着し、これによりラック内空間における基板Aの搬送を行うようにしても良い。
【0069】
この送りローラ144′は、可動枠134の動きでラック内空間の外方に退避自在となり、ラック内空間における基板Aの搬送高さ位置を、図21(a)に示すように、次に基板Aを支持させるべきワーク受け114aが冷却プレート91の上面より上方に位置する状態で、このワーク受け114aとその上段のワーク受け114bとの間の間隙に当該搬送高さ位置に存する基板Aが収まるような位置に設定しても、以下の作動で基板Aを冷却プレート91に着座させることができる。
【0070】
先ず、ラック内空間に上記搬送高さ位置で基板Aを搬入した後、図21(b)に示す如く、次にワークを支持させるべきワーク受け114aが上記搬送高さ位置に存する基板Aを支持するようにマガジンラック101を上昇させる。その後、送りローラ144′をラック内空間の外方に退避させた状態で、図21(c)に示す如く、マガジンラック101を下降させて、冷却プレート91に基板Aを着座させる。基板Aの冷却後は、マガジンラック101を再度上昇させて、上記実施形態のものと同様にワーク受け114aに基板Aを支持させた状態で冷却プレート91から基板Aを持ち上げる。
【0071】
このように、ラック空間内における基板Aの搬送を行う搬送部材としてラック内空間の外方に退避自在な送りローラ144′を用いれば、冷却プレート91に逃げ穴99を形成せずに済み、基板Aの冷却効率を向上できる。
【0072】
なお、昇降自在な送りローラ144を用いる上記実施形態のものでも、搬送高さ位置を図21のように設定し、基板搬入後に先ずマガジンラック101を上昇させて、ワーク受け114aに基板Aを支持させ、その後、送りローラ144を下降させると共にマガジンラック101を下降させて、基板Aを冷却プレート91に着座させることができる。然し、上記実施形態のように、基板搬入後の送りローラ144の下降だけで基板Aを冷却プレート91に着座させる方式の方が能率的には有利である。
【0073】
ところで、本実施形態の発光機能層製造ライン1を用いて各種の電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)を製造することが可能である。そこで、電気光学装置として、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、プラズマディスプレイ(PDP装置)、電子放出装置(FED装置、SED装置)等を例に、これらの構造およびその製造方法について説明する。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)やSED(Surface−Conduction Electron−Emitter Display)装置を含む概念である。
【0074】
先ず、液晶表示装置や有機EL装置等に組み込まれるカラーフィルタの製造方法について説明する。図23は、カラーフィルタの製造工程を示すフローチャート、図24は、製造工程順に示した本実施形態のカラーフィルタ500(フィルタ基体500A)の模式断面図である。
まず、ブラックマトリクス形成工程(S11)では、図24(a)に示すように、基板(W)501上にブラックマトリクス502を形成する。ブラックマトリクス502は、金属クロム、金属クロムと酸化クロムの積層体、または樹脂ブラック等により形成される。金属薄膜からなるブラックマトリクス502を形成するには、スパッタ法や蒸着法等を用いることができる。また、樹脂薄膜からなるブラックマトリクス502を形成する場合には、グラビア印刷法、フォトレジスト法、熱転写法等を用いることができる。
【0075】
続いて、バンク形成工程(S12)において、ブラックマトリクス502上に重畳する状態でバンク503を形成する。即ち、まず図24(b)に示すように、基板501及びブラックマトリクス502を覆うようにネガ型の透明な感光性樹脂からなるレジスト層504を形成する。そして、その上面をマトリクスパターン形状に形成されたマスクフィルム505で被覆した状態で露光処理を行う。さらに、図24(c)に示すように、レジスト層504の未露光部分をエッチング処理することによりレジスト層504をパターニングして、バンク503を形成する。なお、樹脂ブラックによりブラックマトリクスを形成する場合は、ブラックマトリクスとバンクとを兼用することが可能となる。
このバンク503とその下のブラックマトリクス502は、各画素領域507aを区画する区画壁部507bとなり、後の着色層形成工程において液滴吐出ヘッド26により着色層(成膜部)508R、508G、508Bを形成する際に機能液滴の着弾領域を規定する。
【0076】
以上のブラックマトリクス形成工程及びバンク形成工程を経ることにより、上記フィルタ基体500Aが得られる。
なお、本実施形態においては、バンク503の材料として、塗膜表面が疎液(疎水)性となる樹脂材料を用いている。そして、基板(ガラス基板)501の表面が親液(親水)性であるので、後述する着色層形成工程においてバンク503(区画壁部507b)に囲まれた各画素領域507a内への液滴の着弾位置精度が向上する。
【0077】
次に、着色層形成工程(S13)では、図24(d)に示すように、液滴吐出ヘッド26によって機能液滴を吐出して区画壁部507bで囲まれた各画素領域507a内に着弾させる。この場合、液滴吐出ヘッド26を用いて、R・G・Bの3色の機能液(フィルタ材料)を導入して、機能液滴の吐出を行う。
【0078】
その後、乾燥処理(加熱等の処理)を経て機能液を定着させ、3色の着色層508R、508G、508Bを形成する。着色層508R、508G、508Bを形成したならば、保護膜形成工程(S14)に移り、図24(e)に示すように、基板501、区画壁部507b、および着色層508R、508G、508Bの上面を覆うように保護膜509を形成する。
即ち、基板501の着色層508R、508G、508Bが形成されている面全体に保護膜用塗布液が吐出された後、乾燥処理を経て保護膜509が形成される。
そして、保護膜509を形成した後、基板501を個々の有効画素領域毎に切断することによって、カラーフィルタ500が得られる。
【0079】
図25は、上記のカラーフィルタ500を用いた液晶表示装置の一例としてのパッシブマトリックス型液晶装置(液晶装置)の概略構成を示す要部断面図である。この液晶装置520に、液晶駆動用IC、バックライト、支持体などの付帯要素を装着することによって、最終製品としての透過型液晶表示装置が得られる。なお、カラーフィルタ500は図24に示したものと同一であるので、対応する部位には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0080】
この液晶装置520は、カラーフィルタ500、ガラス基板等からなる対向基板521、及び、これらの間に挟持されたSTN(Super Twisted Nematic)液晶組成物からなる液晶層522により概略構成されており、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置している。
なお、図示していないが、対向基板521およびカラーフィルタ500の外面(液晶層522側とは反対側の面)には偏光板がそれぞれ配設され、また対向基板521側に位置する偏光板の外側には、バックライトが配設されている。
【0081】
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層側)には、図25において左右方向に長尺な短冊状の第1電極523が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極523のカラーフィルタ500側とは反対側の面を覆うように第1配向膜524が形成されている。
一方、対向基板521におけるカラーフィルタ500と対向する面には、カラーフィルタ500の第1電極523と直交する方向に長尺な短冊状の第2電極526が所定の間隔で複数形成され、この第2電極526の液晶層522側の面を覆うように第2配向膜527が形成されている。これらの第1電極523および第2電極526は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料により形成されている。
【0082】
液晶層522内に設けられたスペーサ528は、液晶層522の厚さ(セルギャップ)を一定に保持するための部材である。また、シール材529は液晶層522内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するための部材である。なお、第1電極523の一端部は引き回し配線523aとしてシール材529の外側まで延在している。
そして、第1電極523と第2電極526とが交差する部分が画素であり、この画素となる部分に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
【0083】
通常の製造工程では、カラーフィルタ500に、第1電極523のパターニングおよび第1配向膜524の塗布を行ってカラーフィルタ500側の部分を作成すると共に、これとは別に対向基板521に、第2電極526のパターニングおよび第2配向膜527の塗布を行って対向基板521側の部分を作成する。その後、対向基板521側の部分にスペーサ528およびシール材529を作り込み、この状態でカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる。次いで、シール材529の注入口から液晶層522を構成する液晶を注入し、注入口を閉止する。その後、両偏光板およびバックライトを積層する。
【0084】
実施形態の描画装置2は、例えば上記のセルギャップを構成するスペーサ材料(機能液)を塗布すると共に、対向基板521側の部分にカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる前に、シール材529で囲んだ領域に液晶(機能液)を均一に塗布することが可能である。また、上記のシール材529の印刷を、液滴吐出ヘッド26で行うことも可能である。さらに、第1・第2両配向膜524,527の塗布を液滴吐出ヘッド26で行うことも可能である。
【0085】
図26は、本実施形態において製造したカラーフィルタ500を用いた液晶装置の第2の例の概略構成を示す要部断面図である。
この液晶装置530が上記液晶装置520と大きく異なる点は、カラーフィルタ500を図中下側(観測者側とは反対側)に配置した点である。
この液晶装置530は、カラーフィルタ500とガラス基板等からなる対向基板531との間にSTN液晶からなる液晶層532が挟持されて概略構成されている。なお、図示していないが、対向基板531およびカラーフィルタ500の外面には偏光板等がそれぞれ配設されている。
【0086】
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層532側)には、図中奥行き方向に長尺な短冊状の第1電極533が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極533の液晶層532側の面を覆うように第1配向膜534が形成されている。
対向基板531のカラーフィルタ500と対向する面上には、カラーフィルタ500側の第1電極533と直交する方向に延在する複数の短冊状の第2電極536が所定の間隔で形成され、この第2電極536の液晶層532側の面を覆うように第2配向膜537が形成されている。
【0087】
液晶層532には、この液晶層532の厚さを一定に保持するためのスペーサ538と、液晶層532内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するためのシール材539が設けられている。
そして、上記した液晶装置520と同様に、第1電極533と第2電極536との交差する部分が画素であり、この画素となる部位に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
【0088】
図27は、本発明を適用したカラーフィルタ500を用いて液晶装置を構成した第3の例を示したもので、透過型のTFT(Thin Film Transistor)型液晶装置の概略構成を示す分解斜視図である。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置したものである。
【0089】
この液晶装置550は、カラーフィルタ500と、これに対向するように配置された対向基板551と、これらの間に挟持された図示しない液晶層と、カラーフィルタ500の上面側(観測者側)に配置された偏光板555と、対向基板551の下面側に配設された偏光板(図示せず)とにより概略構成されている。
カラーフィルタ500の保護膜509の表面(対向基板551側の面)には液晶駆動用の電極556が形成されている。この電極556は、ITO等の透明導電材料からなり、後述の画素電極560が形成される領域全体を覆う全面電極となっている。また、この電極556の画素電極560とは反対側の面を覆った状態で配向膜557が設けられている。
【0090】
対向基板551のカラーフィルタ500と対向する面には絶縁層558が形成されており、この絶縁層558上には、走査線561及び信号線562が互いに直交する状態で形成されている。そして、これらの走査線561と信号線562とに囲まれた領域内には画素電極560が形成されている。なお、実際の液晶装置では、画素電極560上に配向膜が設けられるが、図示を省略している。
【0091】
また、画素電極560の切欠部と走査線561と信号線562とに囲まれた部分には、ソース電極、ドレイン電極、半導体、およびゲート電極とを具備する薄膜トランジスタ563が組み込まれて構成されている。そして、走査線561と信号線562に対する信号の印加によって薄膜トランジスタ563をオン・オフして画素電極560への通電制御を行うことができるように構成されている。
【0092】
なお、上記の各例の液晶装置520,530,550は、透過型の構成としたが、反射層あるいは半透過反射層を設けて、反射型の液晶装置あるいは半透過反射型の液晶装置とすることもできる。
【0093】
次に、図28は、有機EL装置の表示領域(以下、単に表示装置600と称する)の要部断面図である。
【0094】
この表示装置600は、基板(W)601上に、回路素子部602、発光素子部603及び陰極604が積層された状態で概略構成されている。
この表示装置600においては、発光素子部603から基板601側に発した光が、回路素子部602及び基板601を透過して観測者側に出射されるとともに、発光素子部603から基板601の反対側に発した光が陰極604により反射された後、回路素子部602及び基板601を透過して観測者側に出射されるようになっている。
【0095】
回路素子部602と基板601との間にはシリコン酸化膜からなる下地保護膜606が形成され、この下地保護膜606上(発光素子部603側)に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜607が形成されている。この半導体膜607の左右の領域には、ソース領域607a及びドレイン領域607bが高濃度陽イオン打ち込みによりそれぞれ形成されている。そして陽イオンが打ち込まれない中央部がチャネル領域607cとなっている。
【0096】
また、回路素子部602には、下地保護膜606及び半導体膜607を覆う透明なゲート絶縁膜608が形成され、このゲート絶縁膜608上の半導体膜607のチャネル領域607cに対応する位置には、例えばAl、Mo、Ta、Ti、W等から構成されるゲート電極609が形成されている。このゲート電極609及びゲート絶縁膜608上には、透明な第1層間絶縁膜611aと第2層間絶縁膜611bが形成されている。また、第1、第2層間絶縁膜611a、611bを貫通して、半導体膜607のソース領域607a、ドレイン領域607bにそれぞれ連通するコンタクトホール612a,612bが形成されている。
【0097】
そして、第2層間絶縁膜611b上には、ITO等からなる透明な画素電極613が所定の形状にパターニングされて形成され、この画素電極613は、コンタクトホール612aを通じてソース領域607aに接続されている。
また、第1層間絶縁膜611a上には電源線614が配設されており、この電源線614は、コンタクトホール612bを通じてドレイン領域607bに接続されている。
【0098】
このように、回路素子部602には、各画素電極613に接続された駆動用の薄膜トランジスタ615がそれぞれ形成されている。
【0099】
上記発光素子部603は、複数の画素電極613上の各々に積層された機能層617と、各画素電極613及び機能層617の間に備えられて各機能層617を区画するバンク部618とにより概略構成されている。
これら画素電極613、機能層617、及び、機能層617上に配設された陰極604によって発光素子が構成されている。なお、画素電極613は、平面視略矩形状にパターニングされて形成されており、各画素電極613の間にバンク部618が形成されている。
【0100】
バンク部618は、例えばSiO、SiO、TiO等の無機材料により形成される無機物バンク層618a(第1バンク層)と、この無機物バンク層618a上に積層され、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性に優れたレジストにより形成される断面台形状の有機物バンク層618b(第2バンク層)とにより構成されている。このバンク部618の一部は、画素電極613の周縁部上に乗上げた状態で形成されている。
そして、各バンク部618の間には、画素電極613に対して上方に向けて次第に拡開した開口部619が形成されている。
【0101】
上記機能層617は、開口部619内において画素電極613上に積層状態で形成された正孔注入/輸送層617aと、この正孔注入/輸送層617a上に形成された発光層617bとにより構成されている。なお、この発光層617bに隣接してその他の機能を有する他の機能層を更に形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成する事も可能である。
正孔注入/輸送層617aは、画素電極613側から正孔を輸送して発光層617bに注入する機能を有する。この正孔注入/輸送層617aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(機能液)を吐出することで形成される。正孔注入/輸送層形成材料としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン等のポリチオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸等の混合物を用いる。
【0102】
発光層617bは、赤色(R)、緑色(G)、又は青色(B)の何れかに発光するもので、発光層形成材料(発光材料)を含む第2組成物(機能液)を吐出することで形成される。第2組成物の溶媒(非極性溶媒)としては、正孔注入/輸送層120aに対して不溶なものが好ましく、例えば、シクロヘキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等を用いることができる。このような非極性溶媒を発光層617bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層617aを再溶解させることなく発光層617bを形成することができる。
【0103】
そして、発光層617bでは、正孔注入/輸送層617aから注入された正孔と、陰極604から注入される電子が発光層で再結合して発光するように構成されている。
【0104】
陰極604は、発光素子部603の全面を覆う状態で形成されており、画素電極613と対になって機能層617に電流を流す役割を果たす。なお、この陰極604の上部には図示しない封止部材が配置される。
【0105】
次に、上記の表示装置600の製造工程を図29〜図37を参照して説明する。
この表示装置600は、図29に示すように、バンク部形成工程(S21)、表面処理工程(S22)、正孔注入/輸送層形成工程(S23)、発光層形成工程(S24)、及び対向電極形成工程(S25)を経て製造される。なお、製造工程は例示するものに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
【0106】
まず、バンク部形成工程(S21)では、図30に示すように、第2層間絶縁膜611b上に無機物バンク層618aを形成する。この無機物バンク層618aは、形成位置に無機物膜を形成した後、この無機物膜をフォトリソグラフィ技術等によりパターニングすることにより形成される。このとき、無機物バンク層618aの一部は画素電極613の周縁部と重なるように形成される。
無機物バンク層618aを形成したならば、図31に示すように、無機物バンク層618a上に有機物バンク層618bを形成する。この有機物バンク層618bも無機物バンク層618aと同様にフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。
このようにしてバンク部618が形成される。また、これに伴い、各バンク部618間には、画素電極613に対して上方に開口した開口部619が形成される。この開口部619は、画素領域を規定する。
【0107】
表面処理工程(S22)では、親液化処理及び撥液化処理が行われる。親液化処理を施す領域は、無機物バンク層618aの第1積層部618aa及び画素電極613の電極面613aであり、これらの領域は、例えば酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって親液性に表面処理される。このプラズマ処理は、画素電極613であるITOの洗浄等も兼ねている。
また、撥液化処理は、有機物バンク層618bの壁面618s及び有機物バンク層618bの上面618tに施され、例えば4フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)される。
この表面処理工程を行うことにより、液滴吐出ヘッド26を用いて機能層617を形成する際に、機能液滴を画素領域に、より確実に着弾させることができ、また、画素領域に着弾した機能液滴が開口部619から溢れ出るのを防止することが可能となる。
【0108】
そして、以上の工程を経ることにより、表示装置基体600Aが得られる。この表示装置基体600Aは、図2に示した描画装置2のX軸テーブル22に載置され、以下の正孔注入/輸送層形成工程(S23)及び発光層形成工程(S24)が行われる。
【0109】
図32に示すように、正孔注入/輸送層形成工程(S23)では、液滴吐出ヘッド26から正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を画素領域である各開口部619内に吐出する。その後、図33に示すように、乾燥処理及び熱処理を行い、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、画素電極(電極面613a)613上に正孔注入/輸送層617aを形成する。
【0110】
次に発光層形成工程(S24)について説明する。この発光層形成工程では、上述したように、正孔注入/輸送層617aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。
しかしその一方で、正孔注入/輸送層617aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617a上に吐出しても、正孔注入/輸送層617aと発光層617bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層617bを均一に塗布できない虞がある。
そこで、非極性溶媒ならびに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層617aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。この表面処理は、発光層形成の際に用いる第2組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、正孔注入/輸送層617a上に塗布し、これを乾燥させることにより行う。
このような処理を施すことで、正孔注入/輸送層617aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617aに均一に塗布することができる。
【0111】
そして次に、図34に示すように、各色のうちの何れか(図34の例では青色(B))に対応する発光層形成材料を含有する第2組成物を機能液滴として画素領域(開口部619)内に所定量打ち込む。画素領域内に打ち込まれた第2組成物は、正孔注入/輸送層617a上に広がって開口部619内に満たされる。なお、万一、第2組成物が画素領域から外れてバンク部618の上面618t上に着弾した場合でも、この上面618tは、上述したように撥液処理が施されているので、第2組成物が開口部619内に転がり込み易くなっている。
【0112】
その後、乾燥工程等を行う事により、吐出後の第2組成物を乾燥処理し、第2組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発させ、図35に示すように、正孔注入/輸送層617a上に発光層617bが形成される。この図の場合、青色(B)に対応する発光層617bが形成されている。
【0113】
同様に、液滴吐出ヘッド26を用い、図36に示すように、上記した青色(B)に対応する発光層617bの場合と同様の工程を順次行い、他の色(赤色(R)及び緑色(G))に対応する発光層617bを形成する。なお、発光層617bの形成順序は、例示した順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決める事も可能である。
【0114】
以上のようにして、画素電極613上に機能層617、即ち、正孔注入/輸送層617a及び発光層617bが形成される。そして、対向電極形成工程(S25)に移行する。
【0115】
対向電極形成工程(S25)では、図37に示すように、発光層617b及び有機物バンク層618bの全面に陰極604(対向電極)を、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって形成する。この陰極604は、本実施形態においては、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。
この陰極604の上部には、電極としてのAl膜、Ag膜や、その酸化防止のためのSiO、SiN等の保護層が適宜設けられる。
【0116】
このようにして陰極604を形成した後、この陰極604の上部を封止部材により封止する封止処理や配線処理等のその他処理等を施すことにより、表示装置600が得られる。
【0117】
次に、図38は、プラズマ型表示装置(PDP装置:以下、単に表示装置700と称する)の要部断面図である。なお、同図では表示装置700を、その一部を切り欠いた状態で示してある。
この表示装置700は、互いに対向して配置された第1基板701、第2基板702、及びこれらの間に形成される放電表示部703を含んで概略構成される。放電表示部703は、複数の放電室705により構成されている。これらの複数の放電室705のうち、赤色放電室705R、緑色放電室705G、青色放電室705Bの3つの放電室705が組になって1つの画素を構成するように配置されている。
【0118】
第1基板701の上面には所定の間隔で縞状にアドレス電極706が形成され、このアドレス電極706と第1基板701の上面とを覆うように誘電体層707が形成されている。誘電体層707上には、各アドレス電極706の間に位置し、且つ各アドレス電極706に沿うように隔壁708が立設されている。この隔壁708は、図示するようにアドレス電極706の幅方向両側に延在するものと、アドレス電極706と直交する方向に延設された図示しないものを含む。
そして、この隔壁708によって仕切られた領域が放電室705となっている。
【0119】
放電室705内には蛍光体709が配置されている。蛍光体709は、赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの色の蛍光を発光するもので、赤色放電室705Rの底部には赤色蛍光体709Rが、緑色放電室705Gの底部には緑色蛍光体709Gが、青色放電室705Bの底部には青色蛍光体709Bが各々配置されている。
【0120】
第2基板702の図中下側の面には、上記アドレス電極706と直交する方向に複数の表示電極711が所定の間隔で縞状に形成されている。そして、これらを覆うように誘電体層712、及びMgOなどからなる保護膜713が形成されている。
第1基板701と第2基板702とは、アドレス電極706と表示電極711が互いに直交する状態で対向させて貼り合わされている。なお、上記アドレス電極706と表示電極711は図示しない交流電源に接続されている。
そして、各電極706,711に通電することにより、放電表示部703において蛍光体709が励起発光し、カラー表示が可能となる。
【0121】
本実施形態においては、上記アドレス電極706、表示電極711、及び蛍光体709を、図2に示した描画装置2を用いて形成することができる。以下、第1基板701におけるアドレス電極706の形成工程を例示する。
この場合、第1基板126を描画装置2のX軸テーブル22に載置された状態で以下の工程が行われる。
まず、液滴吐出ヘッド26により、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴としてアドレス電極形成領域に着弾させる。この液体材料は、導電膜配線形成用材料として、金属等の導電性微粒子を分散媒に分散したものである。この導電性微粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、又はニッケル等を含有する金属微粒子や、導電性ポリマー等が用いられる。
【0122】
補充対象となる全てのアドレス電極形成領域について液体材料の補充が終了したならば、吐出後の液体材料を乾燥処理し、液体材料に含まれる分散媒を蒸発させることによりアドレス電極706が形成される。
【0123】
ところで、上記においてはアドレス電極706の形成を例示したが、上記表示電極711及び蛍光体709についても上記各工程を経ることにより形成することができる。
表示電極711の形成の場合、アドレス電極706の場合と同様に、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴として表示電極形成領域に着弾させる。
また、蛍光体709の形成の場合には、各色(R,G,B)に対応する蛍光材料を含んだ液体材料(機能液)を液滴吐出ヘッド26から液滴として吐出し、対応する色の放電室705内に着弾させる。
【0124】
次に、図39は、電子放出装置(FED装置:以下、単に表示装置800と称する)の要部断面図である。なお、同図では表示装置800を、その一部を断面として示してある。
この表示装置800は、互いに対向して配置された第1基板801、第2基板802、及びこれらの間に形成される電界放出表示部803を含んで概略構成される。電界放出表示部803は、マトリクス状に配置した複数の電子放出部805により構成されている。
【0125】
第1基板801の上面には、カソード電極806を構成する第1素子電極806aおよび第2素子電極806bが相互に直交するように形成されている。また、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bで仕切られた部分には、ギャップ808を形成した導電性膜807が形成されている。すなわち、第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807により複数の電子放出部805が構成されている。導電性膜807は、例えば酸化パラジウム(PdO)等で構成され、またギャップ808は、導電性膜807を成膜した後、フォーミング等で形成される。
【0126】
第2基板802の下面には、カソード電極806に対峙するアノード電極809が形成されている。アノード電極809の下面には、格子状のバンク部811が形成され、このバンク部811で囲まれた下向きの各開口部812に、電子放出部805に対応するように蛍光体813が配置されている。蛍光体813は、赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの色の蛍光を発光するもので、各開口部812には、赤色蛍光体813R、緑色蛍光体813Gおよび青色蛍光体813Bが、上記した所定のパターンで配置されている。
【0127】
そして、このように構成した第1基板801と第2基板802とは、微小な間隙を存して貼り合わされている。この表示装置800では、導電性膜(ギャップ808)807を介して、陰極である第1素子電極806aまたは第2素子電極806bから飛び出す電子を、陽極であるアノード電極809に形成した蛍光体813に当てて励起発光し、カラー表示が可能となる。
【0128】
この場合も、他の実施形態と同様に、第1素子電極806a、第2素子電極806b、導電性膜807およびアノード電極809を、描画装置2を用いて形成することができると共に、各色の蛍光体813R,813G,813Bを、描画装置2を用いて形成することができる。
【0129】
第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807は、図40(a)に示す平面形状を有しており、これらを成膜する場合には、図40(b)に示すように、予め第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807を作り込む部分を残して、バンク部BBを形成(フォトリソグラフィ法)する。次に、バンク部BBにより構成された溝部分に、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bを形成(描画装置2によるインクジェット法)し、その溶剤を乾燥させて成膜を行った後、導電性膜807を形成(描画装置2によるインクジェット法)する。そして、導電性膜807を成膜後、バンク部BBを取り除き(アッシング剥離処理)、上記のフォーミング処理に移行する。なお、上記の有機EL装置の場合と同様に、第1基板801および第2基板802に対する親液化処理や、バンク部811,BBに対する撥液化処理を行うことが、好ましい。
【0130】
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。上記した発光機能層製造ライン1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
【0131】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、乾燥炉内の上下複数段のホットプレート間の間隙に換気流を流して、乾燥中に蒸発する溶剤等を速やかに炉内から排出することができ、小型簡素な構造でありながら複数のワークを同時に効率良く乾燥できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る発光機能層製造ラインの全体構成を表した平面図である。
【図2】実施形態に係る描画装置の全体斜視図である。
【図3】実施形態に係る描画装置の動作を説明する動作説明図である。
【図4】実施形態に係る描画装置による発光機能液の吐出パターンを示す基板の拡大平面図である。
【図5】実施形態に係る移載装置(移載ロボット)の構造図である。
【図6】実施形態に係る発光機能層製造ラインにおける基板の搬送形態を示す模式図である。
【図7】実施形態に係る乾燥装置の全体斜視図である。
【図8】実施形態に係る乾燥装置の側面図である。
【図9】実施形態に係る乾燥装置の天上部を取り外した状態の斜視図である。
【図10】実施形態に係る乾燥装置で用いるホットプレートの斜視図である。
【図11】実施形態に係るワーク搬送装置の全体斜視図である。
【図12】実施形態に係るワーク搬送装置の全体正面図である。
【図13】実施形態に係る冷却プレートの平面図である。
【図14】実施形態に係る冷却プレートの側面図である。
【図15】実施形態に係る冷却プレートの部分拡大断面図である。
【図16】実施形態に係るバッファ手段の全体斜視図である。
【図17】図16のXVII―XVII線切断面図である。
【図18】実施形態に係るバッファ手段用搬送機構の全体斜視図である。
【図19】実施形態に係るバッファ手段用搬送機構のカバーを取り外した状態の側面図である。
【図20】実施形態における冷却プレートに対する基板の着座動作の説明図である。
【図21】他の実施形態における冷却プレートに対する基板の着座動作の説明図である。
【図22】実施形態における乾燥装置での乾燥時間の管理処理を示すフロー図である。
【図23】カラーフィルタ製造工程を説明するフローチャートである。
【図24】(a)〜(e)は、製造工程順に示したカラーフィルタの模式断面図である。
【図25】本発明を適用したカラーフィルタを用いた液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図26】本発明を適用したカラーフィルタを用いた第2の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図27】本発明を適用したカラーフィルタを用いた第3の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図28】有機EL装置である表示装置の要部断面図である。
【図29】有機EL装置である表示装置の製造工程を説明するフローチャートである。
【図30】無機物バンク層の形成を説明する工程図である。
【図31】有機物バンク層の形成を説明する工程図である。
【図32】正孔注入/輸送層を形成する過程を説明する工程図である。
【図33】正孔注入/輸送層が形成された状態を説明する工程図である。
【図34】青色の発光層を形成する過程を説明する工程図である。
【図35】青色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。
【図36】各色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。
【図37】陰極の形成を説明する工程図である。
【図38】プラズマ型表示装置(PDP装置)である表示装置の要部分解斜視図である。
【図39】電子放出装置(FED装置)である表示装置の要部断面図である。
【図40】表示装置の電子放出部廻りの平面図(a)およびその形成方法を示す平面図(b)である。
【符号の説明】
A…基板(ワーク)、1a,1b,1c…処理ユニット、2,2a,2b,2c…描画装置、4,4a,4b,4c…乾燥装置、5,5a,5b…ワーク搬送装置、26…液滴吐出ヘッド、45…バッファ手段、51…乾燥炉、51a…出入口、52…ホットプレート、52a…ワーク着座面、53…チャンバーケース、54…分流板、54a…通気孔、55…排気室、55a…排気口、56…排気ブロワー(排気手段)、58…レール部材、59…押し上げ機構、60…昇降部材、61…係合部材、62…進退機構

Claims (12)

  1. 板状のワークを着座させるホットプレートを上下複数段に収納して成る乾燥炉を備え、
    前記乾燥炉の前面に、前記複数段のホットプレートに臨む、常時開放されるワークの出入口を開設すると共に、
    前記乾燥炉の背面に、チャンバーケースを設けて、このチャンバーケース内に、前記複数段のホットプレート間の各間隙に臨む複数の通気孔を形成した分流板を介して前記乾燥炉の炉内空間に連通する、排気手段で強制排気される排気室を画成することを特徴とする乾燥装置。
  2. 前記排気室に、前記排気手段に接続される上下複数の排気口を設けることを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
  3. 前記チャンバーケースを前記乾燥炉の背面に開閉自在に取り付け、前記チャンバーケースを開くことで開放される前記乾燥炉の背面の開口を通して前記各ホットプレートを交換自在とすることを特徴とする請求項1または2に記載の乾燥装置。
  4. 前記乾燥炉の側壁内面に、前記各ホットプレートの側縁部が前後方向に摺動自在に係合するレール部材を上下複数段に固設することを特徴とする請求項3に記載の乾燥装置。
  5. 前記複数段のホットプレートからワークを選択的に押し上げて支持可能な押し上げ機構を更に備え、
    前記押し上げ機構は、前記乾燥炉の側壁外面に配置した、昇降動する上下方向に長手の昇降部材と、
    前記側壁の内側に上下複数段に配置した、前記各ホットプレートのワーク着座面から張り出すワークの側縁部の下面に係合可能な係合部材と、
    これら係合部材を、ワークの前記側縁部の上下方向の投影面内に入る作動位置とこの投影面の外方の退避位置とに個別に進退されるように前記昇降部材に連結する進退機構とで構成されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の乾燥装置。
  6. 液滴吐出ヘッドを用いて板状のワークに液滴を塗布する描画装置と、ワークに塗布された液滴を乾燥する乾燥装置とを備える処理ユニットの複数台をこれら各処理ユニット間にワーク搬送装置を介在させて連設し、各処理ユニットで処理されたワークを各ワーク搬送装置を介して後段の処理ユニットに順送りするようにしたワーク処理装置において、
    前記乾燥装置として請求項1ないし5のいずれかに記載の乾燥装置を用いることを特徴とするワーク処理装置。
  7. 前記ワークはカラーフィルタの基板であり、前記描画装置は、前記液滴吐出ヘッドにフィルタ材料を含有する機能液を導入して、前記基板上の多数の画素領域にフィルタエレメントと成る機能液滴を塗布することを特徴とする請求項6に記載のワーク処理装置。
  8. 前記ワークは有機EL装置の基板であり、前記描画装置は、前記液滴吐出ヘッドに発光機能材料を含有する機能液を導入して、前記基板上の多数の画素領域に有機EL機能層と成る機能液滴を塗布することを特徴とする請求項6に記載のワーク処理装置。
  9. 前記ワークはプラズマディスプレイ装置の基板であり、前記描画装置は、前記液滴吐出ヘッドに金属配線材料を含有する機能液を導入して、前記基板上の多数の画素領域に素子電極機能層と成る機能液滴を塗布することを特徴とする請求項6に記載のワーク処理装置。
  10. 前記ワークはプラズマディスプレイ装置の基板であり、前記描画装置は、前記液滴吐出ヘッドに蛍光機能材料を含有する機能液を導入して、前記基板上の多数の画素領域に蛍光機能層と成る機能液滴を塗布することを特徴とする請求項6に記載のワーク処理装置。
  11. 前記ワークは電子放出装置の基板であり、前記描画装置は、前記液滴吐出ヘッドに導電性機能材料を含有する機能液を導入して、前記基板上の多数の画素領域に導電性機能層と成る機能液滴を塗布することを特徴とする請求項6に記載のワーク処理装置。
  12. 前記ワーク搬送装置にワークを一時的にストックするバッファ手段を配置し、前記乾燥装置におけるワークの乾燥時間が所定の一定時間に達したところで、前記乾燥装置からワークを払い出すことを特徴とする請求項6ないし11のいずれかに記載のワーク処理装置。
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